Blog. 久石譲 「WORKS・I」 レコーディング日誌 (1997コンサートパンフレットより)

Posted on 2015/9/17

久石譲の過去のコンサートから
「PIANO STORIES ’97 CINEMA WORKS JOE HISAISHI -Ensemble Night-」

1997年に開催されたアンサンブル構成の全国ツアーです。

公式パンフレットによる演奏プログラムや楽曲解説は
こちら ⇒ Blog. 「久石譲 PIANO STORIES ’97」 コンサートパンフレットより

 

同パンフレットに特集掲載された『WORKS・I』のロンドン・レコーディング日誌をご紹介します。

 

Making in LONDON

10月リリースのNew Album 「WORKS・I」のレコーディングが、8月中旬にロンドンで行われた。現地でのようすを、同行したスタッフによるレコーディング記と写真でお伝えしよう。

【レコーディング記】

8.14 第1日目
ロンドン着。さっそくスタッフミーティングを行う。今回は生の録音が中心であることをふまえ、音のポイント、曲順など、久石さんのアイディアをもとにスタッフの意見をまとめる。明日はエンジニア、指揮者を含めたミーティングを行う予定である。

8.15 第2日目
朝9:20、Air Studios入り。メインホールのコントロールルームでスタッフミーティングを行う。譜面上で重要なポイントを確認したり、マイキングの説明を受けたり。午後、久石さんはピアノに向かい約2時間のリハーサル。明日から本番が始まる。

8.16 第3日目
10:00ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団(LPO)のメンバーがスタジオ入り。緊張感が高まる。久石さんの紹介のあといよいよスタート。いきなり音の迫力に圧倒される。1曲目の「交響詩曲ナウシカ」は18分にもおよぶ大曲。久石さんは、コントロールルームから指示を出したり、譜面の確認や楽員からの質問があるたびに、コントロールルームとホールを何度も往復して、大変な様子。

8.17 第4日目
イギリスのSundayの習慣に合わせ、off。

8.18 第5日目
オーケストラ録り2日目。「ソナチネ」からスタート。しかし、譜面の一部が抜けてしまっていたために、急きょ「Two of Us」からのレコーディングに。スタッフのミスにより、アーティストに迷惑をかけてしまったことを深く反省。オーケストラが昼食の間も久石さんの音のチェックは続く。この日はほかに「Tango X.T.C.」「Silent Love」を収録。「Silent Love」の弦の美しさはとても魅力的だった。LPOとのセッションはこれで終了。

8.19 第6日目
Air Studiosメインホールでの作業最終日。LPO以外の楽器や歌のレコーディングを行う。久石さんのピアノも録る。音色、音の響き、ともにとても良い結果となった。「交響詩ナウシカ」のボーイ・ソプラノの録りもあったが、先生と一緒にやってきた12歳の少年がとてもかわいらしく、澄んだ歌声を聴かせてくれた。19:00全レコーディングを終了。

8.20 第7日目
本日よりTD(トラックダウン/音をまとめる作業)に入る。スタジオもメインホールよりTD用の第2スタジオに移動。まずは「交響詩曲ナウシカ」から。音の微妙なズレ、ノイズなどをデジタル技術で補整しながら編集しなおす。また、久石さん、プロデューサー、エンジニアが相談しながらベストテイクを選ぶ作業が続けられる。22:00TD初日は「交響詩曲ナウシカ」のみで終了。

8.21 第8日目
TD2日目。「ソナチネ」からスタート。ホールで得た、あの響きを逃さないよう何度も聴きなおし比べながら編集していく。長時間にわたる作業にも久石さんの集中力はまったく衰えない。真のプロの姿を目の当たりにした。続いて「Madness」「For You」を作業、22:00終了。時間のペース配分も予定通り。

8.22 第9日目
TD最終日。「Tango X.T.C.」「Two of Us」「Silent Love」の順でTD作業は進む。バランスのとりかたで意見が飛び交い、一時息が詰まるようなムードが流れたが、ディスカッションの成果は仕上がりに反映された。TD終了後、即マスタリングの準備に入る。23:00終了。

8.23 第10日目
The Townhouseにてマスタリング。16:00全て終了。

(コンサート・パンフレットより 書き起こし)

 

この「WORKS・I」のレコーディング記は、当時の旧久石譲オフィシャルサイトでももっと詳しく見ることができました。今はすでに残っていないのが残念です。

 

久石譲 works レコーディング

(指揮者のNick Ingman(中央奥)と 古い教会を改築したAir Studiosにて)

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