Blog. 「World Dream Orchestra 2004」 コンサート・パンフレットより

Posted on 2013/12/11

2004年開催「World Dream Orchestra 2004」コンサート・ツアー。

久石譲が新日本フィルハーモニー交響楽団と、「久石譲&新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ(W.D.O.)」を立ち上げた記念すべき年であり、ここから始動したコンサートツアーです。

このオケの発足にあたり、テーマ曲「World Dreams」も書き下ろし、コンセプトをふまえたCD第1作目も発表し、さらにはプログラムA・Bという2種類の演目を引き下げてのツアー開催。

これだけでもこのプロジェクトにかける並々ならぬ想いが伝わってきますが、ツアー会場にて販売された公式パンフレットではさらに濃厚なメッセージが凝縮されています。

 

World Dream Orchestra 2004

[公演期間]
2004/7/19 ~ 2004/8/1

[公演回数]
全国8公演
7/19 宮城・宮城県民ホール A
7/20 栃木・栃木県総合文化センター B
7/22 東京・サントリーホール A
7/24 山梨・韮崎市文化ホール B
7/26 神奈川・横浜みなとみらいホール A
7/27 東京・すみだトリフォニーホール B
7/30 愛知・愛知県芸術劇場コンサートホール A
8/1 大阪・大阪城公園内 西の丸庭園 Special Program

[編成]
指揮:久石譲
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
トランペット:ティム・モリソン

[曲目]
ProgramA(宮城/サントリー/神奈川/愛知)
World Dreams
[Mr.Miyazaki vs Mr.S.Spielberg and Mr.G.Lucas]
STAR WARS (J.ウィリアムズ)
シンドラーのリスト (J.ウィリアムズ)
風の谷のナウシカ(風の伝説) (久石譲)
暁の誘惑 (イメージ交響組曲「ハウルの動く城」より) (久石譲)
E.T. (J.ウィリアムズ)
天空の城ラピュタ (久石譲)

[Hard Boild Orchestra]
007 Rhapsody (J.バリー)
The Pink Panther (H.マンシーニ)
風のささやき (M.ルグラン)
Iron Side (Q.ジョーンズ)
China Town (J.ゴールドスミス)
Rasing Men (久石譲)
HANA-BI (久石譲)
Mission Impossible (L.シフリン)

Cave of Mind (イメージ交響組曲「ハウルの動く城」より) (久石譲)

—–アンコール—–
タヒチ・トロット(映画「Tea for two」より) (ショスタコーヴィチ)
Summer
となりのトトロ

 

ProgramB(栃木/山梨/すみだ)
World Dreams
[ロシアより愛をこめて〜Classic Composer for Cinema〜]
ジャズ組曲 第2番〜ワルツ〜 (ショスタコーヴィチ)
タヒチ・トロット(映画「Tea for two」より) (ショスタコーヴィチ)
ロミオとジュリエット (プロコフィエフ)

[Fantasy Trumpet]
天空の城ラピュタ (久石譲)
アミスタッド (J.ウィリアムズ)
Cave of Mind (イメージ交響組曲「ハウルの動く城」より) (久石譲)

[Hard Boild Orchestra]
007 Rhapsody (J.バリー)
The Pink Panther (H.マンシーニ)
風のささやき (M.ルグラン)
Iron Side (Q.ジョーンズ)
China Town (J.ゴールドスミス)
Rasing Men (久石譲)
HANA-BI (久石譲)
Mission Impossible (L.シフリン)

STAR WARS (J.ウィリアムズ)

—–アンコール—–
風の谷のナウシカ(風の伝説)
Summer
となりのトトロ

 

 

『World Dreams』をめぐって
新日本フィルハーモニー交響楽団 安江正也氏(企画制作担当)と共に語る

-「ワールド・ドリーム・オーケストラ」という、久石さんと新日本フィルとの共同プロジェクトがスタートしました。今回のツアーは記念すべきデビュー・コンサートになりますね。

久石:
新日本フィルさんとは、本当に長いおつきあいになります。宮崎作品をはじめとして、大事なオーケストラ作品はずっと一緒にやらせてもらってきましたから。

安江:
スタートにあたって、久石さんにはこのオーケストラのテーマ曲、『World Dreams』を書き下ろしていただきました。作曲家が曲を書くということは特別なことですから、我々にとって大変に光栄なことでした。この曲には、ここにしかないアイデンティティ、自分たち固有のものという意識があります。まさに、自分たちの曲として、からだの一部のように演奏する曲です。それは、オーケストラという演奏団体がなかなか与えられる機会のない、幸せなことなんです。

久石:
以前にやはりツアーで東北6県を一緒に回ったりする中で、団員の人たちと食事を共にしたりしながら、自然発生的に「何かできたらいいね」という話が出てきて、それがきっかけになりました。だから、本当の始めのところから、お互いに考えを出し合って詰めていくという形でここに至ったということだね。

 

-そしてアルバム「World Dreams」が完成し、このコンサートツアーが実現したわけですよね。

安江:
実際、『World Dreams』の録音にはすごく時間をかけました。演奏するたびに「もっと何かあるんじゃないか」と、久石さんと団員とのディスカッションも尽きることはなかった。それはもう、音楽家以外の何人たりともそこには入れないという密度の濃さでした。皆でテイクを聴いて、皆でディスカッションして、それで100人が揃ってひとつになった。それはオケの側も嬉しかったですね。もちろん生みの苦しみもあるわけですけど、充実感が違う。最初から最後まで関わることができて、共に創り上げる手応えを感じています。

 

-楽曲の持つ音楽的なパワーが、演奏者の心を動かし、それを聴く人の心をも動かすのでしょうね。

久石:
そうなるといいね。それにしても、こんな大変なプログラム、8回ももつのかな(笑)。

安江:
ハハハハ、いやあ、オケもかなりの体力勝負であることは確かです。

-それほどの真剣勝負、そしてチャレンジということですね。コンサートは生き物。一期一会の今日だけの演奏に期待しています。

 

 

INTERVIEW

ここから発信するもの
このプロジェクト誕生のきっかけ、コンサートにかける思い、今回のプログラムのもつ意味合いを、自らここで語り尽くした。

 

これは僕のコンサートでもなく、
新日本フィルのコンサートでもない。

「ワールド・ドリーム・オーケストラ」-。それは漠然と付けた名称だったのだが、そでにその名前自体がコンセプトそのものになっている。新日本フィルと僕との共同プロジェクトとして、新たに誕生したオーケストラだ。

新日本フィルは、これまでも大事な節目ごとに一緒に演奏してきた、いわば僕にとってのホーム。オーケストラの音を思い浮かべる時、頭の中にはいつも新日本フィルの音がある。弦の音、管の音、僕にとって基準になっているのは新日本フィルの音だ。それくらい自分の中でも大切だし、互いに築いてきた信頼関係の上に、このプロジェクトが成り立っていることを実感する。

それは、僕のコンサートでもなく、また新日本フィルのコンサートでもない。二つが一つになって、別の新しいユニットを創る。それを何かいい形で世に出したいというお互いの思いが、ワールド・ドリーム・オーケストラとなって実現した。

ワールド・ドリーム・オーケストラを無理にカテゴライズしてしまえば、ベースになっているのは、いわゆるポップス・オーケストラ。あくまでも強引に、ひとことで言ってしまうならばそうだ。けれども僕自身は、ポップス・オーケストラというものにまったく興味はない。

というのは、どんなエンターテイメントであっても、聴く人には何かひとつ得てもらいたい、聴く人にきちんと何か残したい、と考えるからだ。だからポップス・オーケストラではなく、またクラシック・コンサートのオーケストラでもなく、さらにはただ1度で終わりというのではないものをやりたかった。僕も新日本フィルも、お互いに「やった」という満足感を得られなければ、やる意味はない。それには、CDを創り、ツアーも組んで、きちんとしたプロジェクトとして、まったく新しい形を立ちあげなければならなかったのだ。

世界中にはいい曲が山ほどある。それを僕のフィルターを通して、オーケストラ作品として完成させ、世に出していく。それがこのオーケストラの一番大きなテーマだ。

 

パート譜ごしに人生を見てる演奏者を
まるごと受け止めるのが指揮者

ワールド・ドリーム・オーケストラでは、自分の曲以外の楽曲もたくさん取り上げる。自分で書いた曲を自分で弾くのなら、それは自分のコンサートでやればいいことだ。その違いを明確にするため、僕の主体はピアノではなく、指揮になる。ただし、自分がアレンジするのだから、自分の考えている世界ではある。それをオーケストラと話し合いながら、共同プロジェクトという前提のもとに創ってきた。

僕はアレンジは基本的にやらない人間だ。作曲家だから人の曲には興味がない。でも、「ハードボイルド・オーケストラ」をはじめとした今回のプログラムでも明らかなように、僕が楽曲を選び、並べ、アレンジすることによって、個々の楽曲は組曲としての存在を持ってくる。そうしてきちんとした作品にしていくことで、初めて発表できるものになるのだ。たぶんこの手法は、自分のやり方としても今後も定着していくだろう。

取り上げる曲のオリジナルは全部がとても短い。長くてせいぜい2分半だ。それをひとつの楽曲として聴ける分量にするために、それぞれの楽曲のメロディやリズムのエッセンスを素に、僕のオリジナル部分を組み立てていく。アレンジといっても半分以上はオリジナルだ。僕にとってはたぶん、アレンジは翻訳みたいなもの。外国語の作品が日本語になる段階で翻訳家の個性が反映されるのと同じように、人の楽曲なんだけれども、こうしてひとつの組曲のようにすることで、そこに自分の作曲家としての意図が出てくるわけだ。

その意図は、弦だったり管だったりのパート譜を通じてメンバーに伝えられる。オーケストラのメンバーは、パート譜ごしに人生を見ている。パート譜ごしに、この作曲家の実力はこうだ、これなら信用して付いて行こう、と考えている。つまりパート譜の向こうには、演奏者の人生がある。そういう意味では指揮者は100人の人生を受け止めるようなものだ。とてもじゃないが、いいかげんな気持ちでスコアを書くなんてできない。そういう、人を受け止める自分ってのがいる。それはすごく大事なことだ。そういう中で、オーケストラの可能性もどんどん試すし、オーケストラからもいろんなアイデアを聞きながらやっていく。曲を提供する人、演奏する人、というのではない、新しい関係がそこに生まれる。

 

僕にとっての夢、Dreamは
自分が変われるための起爆剤

「夢」とは何だろう。夢は夢でしかなく、叶わないもの、実現しないもの、だと思っている。

夢というとなんだか美しくイメージするけれど、現実は全然甘くなくて、だから「夢」なんだと思う。実現可能なものなら「目標」になるはずだから。しかし、夢とついた瞬間から、叶わないものを掲げることになる。決して叶うことではないけれど、基本的にはありえないことだけれど、叶わないからこそ、それに向けて努力する。それが力の素、ここで言うところの「Dream」なのだ。

言ってみればそれは、自分を変えるための起爆剤。昨日と同じ自分であってはならないと思うんだったら、どんなに大変でも自分で自分を変えていかなければならない。その時の原動力が夢だ。

一生は決して長くはない。自分にやれる可能性がある限り、チャレンジし続けなければならない。

今、世界のシステムが壊れかけている。それを目の当たりにしながら、いったい自分は何ができるのだろうかと思う。僕は作曲なのだから、音楽を通して「人間って何なんだ」ということを自分なりに考えていくしかないだろう。若いころはもっと違うことを考えていたと思うけれど、音楽は何ができるのかということを、作曲家として今は一番やらなければならないと思う。

もし、このコンサートに夢のような時間を期待して来た人がいたとしたら、それは違う。ここで何かを掴みたい、感動を味わいたい、勇気を得たいという人、つまり、何かを求めている人に向かって、僕はいつも書いているような気がする。それはコンサートでも同じだ。

長く僕のコンサートに来てくれている人達は、毎回、僕が変わっていくことで、活動の姿を確認しているのだと思う。だからこそ評価は厳しい。このワールド・ドリーム・オーケストラも、居心地のいい、ちょっとセレブな時間を過ごすところ、では決してない。それはプログラム自体がすでに表現している。演奏する側も必死でやるから、聴く側もしっかり味わってくれ、と、そういう関係を築きたい。そこに手応えを感じたお客さんは、きっとまた来年も来てくれるだろう。そして僕達は、またガラッと変わる。

ハードルはだんだん高くなるものだ。

(「World Dream Orchestra 2004」コンサート・パンフレット より)

 

【Program Note】

Aプロ、Bプロ、ともに、僕自身がとても楽しいと思って組んだプログラムだ。
ここに、ワールド・ドリーム・オーケストラの全貌が表れている。
今回の演奏曲目について語っておこう(インタビューより構成)。

 

World Dreams
これは、ワールド・ドリーム・オーケストラのテーマ曲。このオーケストラのアイデンティティを象徴する曲といってもいい。もともと祝典序曲のような曲を創ろうと思っていた。シンプルで朗々と唄う、メロディを主体とした曲。メジャーで、ある種、国歌のような拡張あるメロディで、あまり感情に訴えるものではないもの。ストーンと潔い曲を書きたかった。

以前、『Asian Dream Song』という曲を書いた。今回は『World Dreams』だ。じゃあ、アジアの夢が世界の夢になったのかというと、そんなことはない。情報技術の飛躍的な進歩によって、世界はどんどん小さくなって、地域になってきている。同時に世界全体のシステムというものが壊れ始めている。しかし、これが世界の夢だったのか? 世界中の人々の夢は何だったのか? こんな世界を人々は望んではいなかったはずだ。音楽家としてできることは何なのか。僕は憑かれたように作曲した。

この曲が、聴く人のささくれ立った感情を少しでも和らげ、そして「まあ、いいか、明日もまた頑張ろう」と思ってくれたら・・・。そんな気持ちを代表しているようなのがこの曲だ。

曲ができて、3管編成のフルオーケストラのスコアにまとめるまで1週間ほど。それはちょっと「自分は何かに書かされているんじゃないか」と思うくらいの速さだった。

 

Hard Boiled Orchestra
これはまるで「夏場のラーメン」とも言える組曲のようなもの。暑い夏に、これまた暑苦しいブラスセクションが大汗かいて鳴らしまくる。何とも男らしいコンセプトだ。今回のツアーは、ワールド・ドリーム・オーケストラのデビュー・コンサート。このオケが何者なのかをわかってもらいたい。それも、頭ではなく、皮膚でわかってもらいたいのだ。そのためには演奏者も必死で力を出し切るスリリングな楽曲を演る必要がある。「男の生きざま」を描いた映画であるのと同時に、オーケストラとしての機能を最大限に引き出せる曲ばかりを選んだ。トータルで男っぽい選曲になっている。

007 Rhapsody
僕にとっての007シリーズは、ショーン・コネリーに尽きる。ここでやる「007のテーマ」「ロシアより愛をこめて」「ゴールドフィンガー」は、ショーン・コネリーの一番いい時期の作品だ。また、全作を通じて音楽的にもメロディ的にも強いのはこの3作。オーケストラで演奏するということは、言葉(歌詞)がなくなるわけだから、その分メロディのしっかりした曲がいい。この3曲がベストだ。

The Pink Panther
ヘンリー・マンシーニのこの作品は、ワンフレーズ聴いただけで何の曲かはっきりわかる、とても個性的な曲。これほどユーモアがあって、しかもしっかり創られている曲は少ないので、これはのちのち、我々にとっても大事な曲になっていくと思う。だからぜひやりたかった。ところで、この曲はたいがい、ブラス・サウンドが中心になる。しかし今回は、「隠し味」とも言える、弦のちょっと色っぽい音がすごく重要な要素。それがたぶん、僕のアレンジの特色になるだろう。

Iron Side
テレビで部分的に使われることが多くて、そういうイメージが強いが、とてもいい曲だ。「鬼警部アイアンサイド」のテーマで、創ったのはクインシー・ジョーンズ。僕はクインシー・ジョーンズが好きでよく聴いてるけど、いつも羨ましいと思うのは、彼がソウル・ミュージックやブルースといったブラック・コンテンポラリーの原点をちゃんと持っていて、いつでもそこに帰ることができるということ。そんな彼の曲の中でも、これはとても洗練された楽曲。いろんなものが凝縮している曲だ。

Mission Impossible
あまりにも有名な、「スパイ大作戦」のテーマ曲。この曲を創ったラロ・シフリンも大好きな作曲家だ。変型のはずなのに、心地いい5拍子。このリズムの凄さが、オーケストラのダイナミック・レンジを表現するのにぴったりだ。「ハードボイルド・オーケストラ」のシメの曲としてもピッタリではないか?

風のささやき
映画「華麗なる賭け」のテーマ。これを選んだのは、映画よりもミシェル・ルグランの作品だから。彼にはクラシックの要素があり、ジャズにも精通していて、楽曲がとても機能的にできている。それでいて、変に情緒に流れない。有名な2小節のフレーズがほとんど変わらずにずっと続くこの曲は、フランス人である彼のハリウッド・デビューの曲だ。全世界を相手にしようって時に、彼は敢えて、このような機能的で情緒に流れない曲を持ってきた。これは大チャレンジだと思う。しかも、「このコード進行しかありえない」って時に、メロディは違うところにいって、不協和音になってしまう。この曲については、アレンジは10通りくらい書いたと思う。一番苦労した曲だ。木管と弦だけという非常にシンプルな形態をとったが、決して楽ではないこの曲で、CDでもオーケストラが素晴らしい演奏をしている。

China Town
同名の映画は1930年代を舞台にした、情ない探偵の話で、僕の大好きな映画。主演のジャック・ニコルソンも好きな俳優だ。曲はジェリー・ゴールドスミス。この曲のテーマが頭にこびりついていたので、今回、ティムさんというトランペット奏者を得て、どうしてもこの曲を入れたいと思った。ティムさんのジャジーな雰囲気も素晴らしい。その演奏からは、音楽性の幅の広さがわかる。

Raging Men
HANA-BI
北野武監督の映画「BROTHER」の中で使った曲。エネルギーの塊みたいな曲なので、オーケストラのパーカッションとブラスの激しさを聴いてもらいたい。『HANA-BI』は、マイ・フェイバリット・ソングのひとつ。今回はヴァイオリンをフィーチャーしている。これまでとは違った魅力を感じてほしい。

 

Fantasy Trumpet

天空の城ラピュタ
これは、ティム・モリソンさんが吹くことを想定して、彼のためにアレンジした。これまで何度もやってきた曲だけれども、ティムさんという演奏家を得て、新日本フィルと共に演奏するというところで、改めてアレンジした。今までの印象とは違う曲になっている。ティムさんは本当に音楽性豊かな演奏家。大いに期待してほしい。

アミスタッド
ジョン・ウィリアムズの曲で、オリジナルもティムさんが吹いている。これは、いわばティム・モリソンさんの名刺替わり。

Cave of Mind
ここでもティムさんの豊かな音楽性が充分に発揮される。こうして一緒にツアーを回れることは大きな喜びだ。

 

Mr.H.Miyazaki vs Mr.S.Spielberg and Mr.G.Lucas
日本の映画とアメリカの映画という中で、それぞれの持っている映画の違い、あるいは共通点から、それぞれの良さが浮き上がったら、と思い組んだプログラム。指揮者・久石譲が『STAR WARS』をどう料理するか、というところに興味を持っている人もいると聞く。それなら、と組んでみた。『シンドラーのリスト』もとても好きな曲。日本人の作曲家、アメリカの作曲家、それぞれの映画の差など、違いも出てくるだろうが、両方が浮き立って、聴く人が納得するようなものができたらと思う。ところで、映画作品の中から言葉やシーンだけを部分的に取り出してもまったく意味はない。それが前後と繋がった時、それぞれのシーンの意味が出てくる。それと同じように、それぞれがまったく違う映画のために創られた別の作品であるにもかかわらず、それを組み立て、構成することで、楽曲が本来持っていた意味プラスアルファの、コンサートでの意味が出てくる。そこを聴いてほしいし、楽しみたいと思う。結果はやってみなくてはわからない。が、しかし、何かありそうな気がする。だから面白いし、これもまたチャレンジだ。

 

ロシアより愛をこめて ~Classic Composer for Cinema
クラシックの楽曲も、別の曲との組み合わせによって、まったく別の曲に聞こえてくる可能性がある。「こんなに聴きやすい曲だったのか」と感じることもあるかもしれない。この、ワールド・ドリーム・オーケストラが、そういったクラシックの作品との出会いの場になれれば、という思いもある。

ジャズ組曲第2番 ワルツ (ショスタコーヴィチ)
僕が今年、最もはまった曲。映画「アイズ ワイド シャット」の曲だけれど、とにかく見事にはまっている。他人の曲で、今年一番好きになった曲はこれだ。

ロミオとジュリエット (プロコフィエフ)
この曲は、ひとつひとつ挙げられないほど、多くの映画に使われている。複雑なテクスチュアというよりも、素朴な、強いメロディの楽曲。

タヒチ・トロット (ショスタコーヴィチ)
「二人でお茶を」という映画の曲。それを実は、ショスタコーヴィチ自身がアレンジしている。ショスタコーヴィチは本当のエンターティメントを知り抜いた人だ、ということがよくわかる。この曲もオケにとって、決して簡単ではない。なぜなら非常に音が薄い。それでいて豊かに仕上げなければならない。ある種、点描主義のような、各楽器の音色が浮き立つ楽曲で、一人一人の技量も問われる。しかし、オーケストラの色彩感を出せる曲。これもチャレンジだ。

(【Program Note】 同コンサート・パンフレットより)

 

 

このコンサートに寄せた言葉が2004年。あれから2011年の東日本大震災を経て、今は2013年。

夢 自分を変える 可能性 チャレンジ 自分には何ができるか 人間って何なんだ etc

このパンフレットに出てくる久石譲の言葉は、時代の変化に対しても普遍的だと思います。そして、音楽家が発した言葉、音楽好きが受け止める言葉としてだけでなく、『自分の人生を生きていく』という意味でも、大きなテーマだと思いました。

なので、改めて読み返し共感した思いから、原文をそのままに忠実に書き起こしをしました。音楽をつくる、音楽を奏でる、音楽を聴く、音楽を体感する、そうして響きあう思い。究極には「なくても生きていける」音楽というものに、それ以上に「なくてはならない」音楽という自分のなかの意味を見出だせる言葉のように思います。

一言、やっぱり一流のプロはかっこいいですね!

こちら ⇒ ワールド・ドリーム・オーケストラ 作品ライブラリー

 

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