Blog. 久石譲インタビュー「米の作曲家を見習うべき」日本経済新聞 掲載内容

Posted on 2015/11/14

10月26日付 日本経済新聞 夕刊 / Web に久石譲のインタビューが掲載されました。

短い記事ではありますが、”今の久石譲”が色濃く表れ、これからの久石譲もうっすらと見えてくるような、そんなインタビュー内容になっています。

長い音楽活動のなかで、自身ソロ活動において、ヨーロッパ、イタリアなどを題材にしたことはありましたが、ここにきて”アメリカ”。たしかに直近の新作「ミニマリズム2」収録曲や、室内交響曲、コントラバス協奏曲などは、アメリカの匂いが漂っているなと、伏線がつながった気がします。

過去アメリカを漂わせる作品は、初期のシンセサイザー作品「α-BET-CITY」や「PRETENDER」を除くと、しいていえば「MY LOST CITY」くらいでしょうか。これはアメリカ作家、スコット・フィッツジェラルドを題材にしたためですが、内容的にはアメリカというよりも、もっと大きなところでの1920年代、世界恐慌、当時バブル日本への警鐘をも鳴らした作品でした。

「ポスト・クラシカル」という位置づけから、”アメリカ”を捉える。とても今後が楽しみです。

そういえば・・・8月に開催された「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2015」での改訂されバージョンアップしていた「The End of the World」も、聴きながら、ジョン・アダムズ作品的な空気感が出てきたなと、個人的には思っていたのでそのあたりにも影響しているのでしょうか。

ジョン・アダムズとは、ミニマル作曲家出身で、昨今日本での演奏会でも取り上げられることが非常に多くなった、今最も注目されている作曲家の一人です。

「ポスト・ミニマル」という範疇を超えたところで、今では「ポスト・クラシカル」の先頭を走っているようなポジション、世界中で過去作品から新作まで演奏されています。若手実力派指揮者ドゥダメルのために作品を書いたり、など。

いろいろと久石譲とリンクするキーワードがたくさんあるのですが、それはまた別の機会に掘り下げてみたいと思います。

ちょっと突っ込んでみたい方は、
「City Noir (シティ・ノワール)」/ジョン・アダムズ
探してみてください。
聴いてみてください。

長くなってしまうので、今回はここで止めます。

 

 

2015/10/26付 日本経済新聞 夕刊

「欧州よりも米国を見習うべきだ」。西洋クラシック音楽の流れをくむ現代の音楽を作曲する上で、米国を重視するようになった。「日本と同様、西洋音楽の長い伝統がない。ガーシュインやバーンスタインら米国の作曲家から学べる」

現代の音楽の演奏会「ミュージック・フューチャー」の第2弾を9月に東京都内で開いた。自作2曲と米国の作曲家の3曲を、自らの指揮による特別編成の管弦楽団などで演奏した。「自作を含めベースにあるのは、1960年代米国で生まれたミニマル・ミュージック」。最小限の音型を微妙に変化させながら延々と反復する音楽だ。大御所のスティーブ・ライヒらの作品を精緻に再現した。

自作ではエレクトリック・バイオリンの独奏を入れた「室内交響曲」を世界初演した。「エレキバイオリン自体が電気的に作られたアメリカンな楽器」と話す。エレキギター並みにエフェクター機能も使うなど「欧州の伝統音楽にはない新しい響きを感じてほしかった」と言う。

「現代の音楽」にこだわるのは、「同じような古典作品を毎回演奏するクラシック界の現状を変えたい」からだ。「かつてリゲティらの20世紀の作品にはパワーがあった。ロックでもセックス・ピストルズやルー・リードを聴いて人生が変わった人も多い。衝撃があるべきだ」

自らを「ポスト・クラシカル」と位置付ける。ミニマルから発展し、クラシックとポップスの垣根を越える作品を書く。「ポップス発祥の地の米国に学ぶ」のが理由だ。新CD「ミニマリズム2」に続き、10月29日には新作「コントラバス協奏曲」を世界初演する。看板だったアニメの映画音楽も超えて新たな世界を切り開く。

(ひさいし・じょう=作曲家)

久石譲 日本経済新聞 2015

※有料会員限定記事 (無料会員登録でも閲覧は可能)

公式サイト:日本経済新聞 Web より 転載

 

カテゴリーBlog

コメントする/To Comment