Blog. 「週刊文春 2016年4月28日号」 久石譲 長野市芸術館 インタビュー内容

Posted on 2016/5/6

雑誌「週刊文春 2016年4月28日号」(4/21発売)に、久石譲のインタビューが掲載されました。

5月8日に迫った長野市芸術館のグランドにオープンに向け、芸術監督としての久石譲のインタビューです。とは言いつつも、夏の「アートメントNAGANO」や、秋の「Music Futureシリーズ」など、今の久石譲の軸を線で感じられ、一貫した強い想いや音楽活動におけるポジションを垣間見ることができます。

 

音楽が生みだす世界で、日常はもっと豊かになる

久石譲さんが10月に行うコンサート「Music Future」には、現代の音楽を多くの人に届けたいという、音楽家としての強い使命感が込められている。

「僕のいう『現代の音楽』とは、聴衆を無視したような『現代音楽』とは違い、『ミニマル・ミュージック』や『ポスト・クラシカル』と呼ばれるジャンルのものです。ミニマルは、1960年代、権威に抗い、既成の概念や価値を壊す運動の中で生まれた音楽で、最小限の音を僅かにずらしながらも、作品として見事に構成されていたんです。当時音大生だった僕は、その新しさに衝撃と戸惑いを覚えながらも、ミニマルを、自分の、作曲家としてのアイデンティティにしようと決めたんです」

もうひとつのポスト・クラシカルは、クラシックに電子音楽や現代的な感覚を組み合わせた音楽である。「Music Future」のプログラムは、これら「現代の音楽」に加えて、久石さんの新曲も披露することが決まっている。

「今年で3回目となりますが、演奏会を『敷居が高い』と思っている方こそ、気楽に来ていただきたいんです。唄が、ポップスや演歌といったジャンルを越えて受け容れられるように、オーケストラも身構えずに聴いて下さい」

久石さんが手がけた映画音楽のコンサート・チケットは即完売になるというが、こうした「現代の音楽」を取り上げる演奏会は、まだまだ一般客には認知されていない。そこには、日本の音楽界が持つ深い問題があるという。

「日本では『お客さんが入らない』と敬遠してしまいますが、それは逆だと思います。誰も『現代の音楽』を届けないから認知されないんです。聴いた方からは『こんな曲があったんだ!』と、とてもいい反応をいただいていますから」

実は、10月のコンサート以外にも聴く機会はある。まず、長野市芸術館の芸術監督を務める久石さんが、5月8日、芸術館の柿落しコンサートを指揮する(全席完売)。また、7月14日~29日の音楽フェス「アートメントNAGANO」の、善光寺での奉納コンサート(14日)でも演奏が決まっている(久石さんは、同フェスの他のイベントにも参加します)。

久石さんは、現代の音楽に触れてもらうと同時に、音楽を聴くことがもっと日常になってほしいと望んでいる。

「僕がスポーツ観戦をするのは、選手たちの素晴らしい技や人間の可能性に感動するからです。音楽も同じで、楽器を奏でるとそこに世界が生まれ、『人はこれだけの可能性を秘めている』と感動できるんです。ですから目の前に生まれる”世界”を是非、体感して下さい。感動は心に豊かさを生み、その一日が素敵に思えるはずです。一度足を運んでいいただけると嬉しいですね」

(週刊文春 2016年4月28日号より 転載)

週刊文春 2016年4月28日号

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