Blog. 久石譲 TV「読響シンフォニックライブ」 風立ちぬ初披露 レビュー

Posted on 2013/11/7

2013年8月28日に行われた「読響シンフォニックライブ」の公開録画(東京芸術劇場)からどれだけこの放送日を楽しみに待っていたか。

2013年11月6日 2:29-3:59 日テレ「読響シンフォニックライブ」 90分拡大版 です。

指揮:久石譲
演奏:読売日本交響楽団
朗読:樹木希林

[曲目]
久石譲/オーケストラストーリーズ「となりのトトロ」 朗読:樹木希林
久石譲/風立ちぬ
ベートーヴェン/交響曲第7番イ長調 作品92
ハチャトゥリアン/仮面舞踏会よりワルツ(アンコール)

 

90分拡大版だけあってたっぷりと堪能できました。

オーケストラストーリーズ「となりのトトロ」は、映画「となりのトトロ」のストーリーをもとに
音楽と朗読で綴るオーケストラ用にアレンジされた作品です。朗読によって物語が進められ、楽器紹介なども盛り込まれたオーケストラの魅力を楽しめます。

オリジナル作品はCD「オーケストラストーリーズ となりのトトロ」として2002年に発表され、朗読は、映画にてお父さん役の声優もされていた糸井重里さんでした。今回の樹木希林さんのバージョンもまた違う深みと味わい、楽しさがあってよかったです。

クライマックスの主題歌「となりのトトロ」フルオーケストラは、コンサートでもよく演奏されているおなじみの定番曲ですし、そのダイナミックさは圧巻です。また「さんぽ」での楽器紹介や、クイーカやフレクサトーンという珍しい楽器で、ススワタリなどを楽しくかわいらしく表現しているのも魅力的です。

今回25分におよぶこのオーケストラストーリーを聴きながら、あっ!CDと少しオーケストレーションが変化していることに気づきました。ちょうど10年近く前に発表した作品ですが、時を経て、演奏しつづけるなかで、楽曲も変化していってるんだなあ、と感心してしまいました。

CD版もおすすめですので、ぜひ聴いてみてください。

 

そしてそして!映画「風立ちぬ」の公開から、初披露となった「風立ちぬ」です。映画本編でもとても印象的なメインテーマ「旅路」です。「風立ちぬ サウンドトラック」ではこのメインテーマをモチーフにストーリー展開に合わせていろいろなバリエーションによって美しく奏でられています。

今回の初披露は、この「旅路」が音楽として、ひとつの楽曲として完結しています。どうしても映画では短いフレーズとして、そしてモチーフとしてのみ使われますが、このシンフォニックライブでは、5分程度の1曲の楽曲としてまとめられています。

オリジナルでは、アルトバラライカ、マンドリン、バヤンといったロシアの代表的な民族楽器が繊細なこのメロディーを奏でていますが、今回は久石譲本人によるピアノ演奏です。

☆メロディーが久石譲自身によるピアノ演奏バージョン
☆メインテーマ「旅路」がサントラ版のモチーフを紡ぎあわせたような楽曲としての完成版
☆小編成だった劇中音楽オリジナルから、大編成のフルオーケストラアレンジ

まとめると、このくらいの聴きどころ満載な初お披露目だったわけです。1度きりのコンサート演奏として、永久保存版ですね。

映画公開時から幾度となく聴いてきた「風立ちぬ」の音楽ですが、やっぱりいいです。不思議な曲なんですよね。いろんな顔を持っているというか、いろんな側面があるというか。昭和レトロな雰囲気もあり、イタリアの風や匂いもする、そして宮廷音楽のような品格。

今回の「風立ちぬ」より「旅路」のオーケストラ演奏を聴いてなお一層そういう印象が強くなりました。

 

他にも、普段あまり触れる機会の少ないクラシック音楽も優雅なひとときでした。

ベートーヴェン/交響曲第7番イ長調 作品92 は、いろいろなCM音楽や「のだめカンタービレ」でも印象的なとても有名な交響曲です。今回約38分におよぶ全楽章が聴けたのですが、随所に聴いたことあるフレーズも登場し、同じ交響曲のなかのモチーフだったのかと新発見することもたくさんありました。

ハチャトゥリアン/仮面舞踏会よりワルツ ドラマティックな素敵な曲でした。有名な曲なんですかね?また機会を見て、曲のことや作曲者のことも調べてみようと思います。

また久石譲インタビューではベートーヴェンの魅力についてこう語っています。

「西洋音楽史の中で最大の作曲家ですよね。あるモチーフを起用しだすと、これだけやりつくして徹底的に使用した上で、それが論理的なだけではないんですよね。すごく感覚的でもありすべての人間の要素を持っているので、どんな指揮者が演奏しようとベートーヴェンはベートーヴェンなんですよね。(第7番は)わかりやすいから一番人気がありますね。でもそういう分かりやすい面があるからすごく流れやすいんですよね。なので実は細かく書いてあるんですけれども、強弱・堅い音柔らかい音・音の重い軽い…そういうのをかなり徹底しないと意外に立体的に仕上がらない難しい曲だと思います。」

 

と、90分を大満喫した至福の時間でした。次はやはり生でコンサート会場で体感したくなりますね。もし今回のTV番組を見逃した方は、11月16日にもBS日テレにて放送予定ですので、そちらをチェックしてみてください。

8月28日の公開録画での演奏プログラムは
こちら ⇒ 読響シンフォニックライブ 公開録画 (東京芸術劇場)

公式サイト>>読響シンフォニックライブ

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