Blog. 映画「小さいおうち」 山田洋次監督 x 久石譲 レコーディング風景動画 / 音楽試聴

Posted on 2014/1/27

いよいよ映画『小さいおうち』が公開されました。2013年公開の映画『東京家族』にて山田洋次監督との初タッグを果たし今作『小さいおうち』でも続けて音楽を担当しているのが久石譲です。

 

山田洋次監督との仕事はとても貴重だったようで、前作『東京家族』の音楽制作をきっかけに、”映画音楽に対する向き合い方も変化があった”、と久石譲本人も各方面で語っています。

具体的には、

  • オーケストラなどで音楽が主張をすることをひかえたつくり方
  • 空気のような音楽、雰囲気を邪魔しない音楽、芝居や映画と共存する音楽
  • 小編成にシンプルに、おさえるけれど、ただうすいだけにならないつくり方
  • 登場人物や観客の気持ちを煽るような音楽をつけない
  • より映画にコミットするかたちで音楽をつける

“今まではどうしても映画音楽としても主張してしまう自分がいたけれど、その力みがなくなった” といつかのインタビューでも語っています。

たしかにこれまでの作品は「映像と音楽が対等にある」つくり方だったのかもしれません。決してそれが悪いわけではなく、そのおけげで誕生した名曲はたくさんあります。

2013年は『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』『東京家族』などが公開されましたが、宮崎駿監督、高畑勲監督、山田洋次監督、すべて日本映画界を代表する巨匠との仕事であり、そこから新しい創造力や刺激を受けたことも多かったんだと思います。

そしてまた、3監督とも公開したそれぞれの映画作品に対しての「音楽に求めるもの」が近かったのもあると思います。

 

宮崎駿監督作品でいえば、いつもはファンタジー作品ですので、それにはやはり壮大なフルオーケストラ・サウンドが合います。

しかし『風立ちぬ』は、ファンタジーではない、よりリアリティのある作品だったため、宮崎駿監督も音楽制作に対してこういったオーダーをしています。”音楽はできるだけ、そぎ落としたシンプルなものを”、高畑勲監督もしかりで、そのあたりの詳細は、数あるインタビュー記事で紹介しています。

こちら ⇒ Blog. 久石譲 「かぐや姫の物語」 インタビュー 熱風より

 

映画『小さいおうち』制作期間にあたる2013年8月に行われたレコーディング。音楽収録での久石譲インタビュー内容です。

久石 「基本的にはメーンとなるテーマ曲は2つなんです。その時代を生きてきたタキのテーマみたいなものと、もうひとつは意表をつくようなワルツ調の曲。深い根拠はないんですが、直感みたいなもので、ある種の軽やかさが出たらいいなと思ったんです。守りに入るよりは、こちらも冒険させてもらったんですが、それが結果的に良い形になればいいなと思っています。」

 

赤い屋根の小さな家で働く女中・タキの目線を通し、昭和から平成へと激動の時代を生き抜いてきたタキの自身のテーマでもある “運命のテーマ” と、アコーディオンの甘美なメロディが印象的な “ワルツのテーマ” を主軸に構成。昭和モダンのノスタルジックな雰囲気が満載のサウンドトラックになっています。

楽器でいうと、印象的なアコーディオンのほかに、ハンマー・ダルシマーという「ピアノの先祖」とも言われる楽器が使われています。

 

また山田洋次監督 x 久石譲 レコーディング風景動画も公開されています。
貴重なメイキング映像です。

 

この4分弱の映像のなかで、山田洋次監督がどのような思いを込めて楽器やメロディを選んでいるか、久石氏とどのようにコミュニケーションをとっているのかが感じられます。

この動画のラストには久石譲による生ピアノ演奏のおまけ付きです!(詳細は動画を見てのお楽しみということで)

 

 

映画『小さいおうち』に関する、音楽制作の裏側と言いますか、音楽が完成するまでの背景や過程、そういったバックボーンを一気にご紹介しました。

どんなメロディーが生まれるのか?
どんな楽器で奏でられるのか?
どんな音楽世界をつくりあげるのか?

そういったことが、山田洋次監督だけでなく、過去(2013年)作品である、宮崎駿監督や高畑勲監督などのと仕事を通じて、垣間見える瞬間となっています。

 

結構なボリュームになってしまいましたが、上のレコディーング風景動画やサウンドトラック試聴は、オフィシャル公開ですので、ぜひご覧ください。

そして、本文中や下部にも、関連記事を紹介、まとめていますので、気になった方はそちらもぜひのぞいてみてください。”今の久石譲音楽” と ”これから生まれるであろう久石譲音楽” の道しるべです。

 

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