Blog. 映画「風立ちぬ」 Blu-ray鑑賞 レビュー

Posted on 2014/07/10

2013年夏に公開されたスタジオジブリ 宮崎駿監督最新作 映画「風立ちぬ」いよいよBlu-ray / DVD 化 発売されました。公開からもう1年が経ちますが、試写会でいち早く鑑賞し、映画公開後も数回劇場へ足を運び、計3回以上は映画館でどっぷり鑑賞した映画です。

公開から3ヶ月後には、宮崎駿監督 「長編映画 引退」というニュースもあり、最新作にして、現時点では最後の長編作品となったこの映画「風立ちぬ」です。

そんな渾身の作品がようやく家で楽しめる時を迎えました。やっぱり何度見ても、いい作品はいいとしか言いようがありません。いろいろな見解や意見がそれぞれにあるのも自由だとは思いますが、ド素人な一般的ファンとしては、ただただ堪能できる映像美と音楽です。

 

映画本編の感想などは、過去にもすでに紹介していますので、今回はこのブルーレイ作品にちなんだ内容を。本編もさることながら、毎回ジブリ作品のブルーレイ/ DVD化で、楽しみにしているのが〈映像特典〉です。

〈風立ちぬ:映像特典 内容〉

●絵コンテ(本編映像とのピクチャー・イン・ピクチャー)
●アフレコ台本
●予告編集
●完成報告会見
●ひこうき雲 ミュージッククリップ

 

このなかで紹介したいのは2つです。

まずひとつめは、「完成報告会見」の収録。宮崎駿監督、庵野秀明(主人公声担当)、松任谷由実(主題歌担当)による、約1時間半にも及ぶ会見がほぼ収録されています。ちょうど公開に先立ったメディアトピックスだけに、当時作品完成直後の、それぞれの思いがたくさんつまって語られています。これはとても貴重な内容だと思います。映画「風立ちぬ」の世界観や背景を知るうえでも、トリビア的な情報が満載です。

そのあたりは各方面で紹介されているかとも思いますので、ちょっと「風立ちぬ」とは直接関係ないかもしれませんが、『ジブリ』の由来について。この会見のなかでの宮崎駿監督の発言です。

 

-作品のなかにも、カプローニのセリフとして、「君の10年を力を尽くして生きなさい」という言葉が出てきますね。

宮崎 「ええ。ジャンニ・カプローニは実在の人物で、今でもカプローニ社はあるし、カプローニ伯爵家も残っているんです。その人たちがこれを観たらなんて言うんだろうなと思うんですけど。実は『紅の豚』を作った後に、ジャンニ・カプローニの曾孫にあたる人がカプローニ社の1936年製の立派な社史を、飛行機の構造図などが一杯描いてある本を送ってきたんですね。それがカプローニとの出会いだったんです。元々僕はカプローニの飛行機が好きなものですから。第二次大戦では役に立たない飛行機しか作らなかった会社で、しかもスタジオジブリのジブリは本当は「ギブリ」だってバラしている人がいますけど、実はカプローニ社の飛行機なんです。なんでも無い小さな木製の双発機ですけども、サハラ砂漠の救難機をやってたんですよね。それがとても好きだったものですから、ジブリって名前を付けたんです。そういうこともあってカプローニに縁があるなと思って、登場人物にしてしまったんです。そういう長い積み重ねがあって出来た映画なんで、不覚にも涙を流したのかな?分かりません(笑)。」

 

なんとも目からウロコな!!

たしかに、スタジオジブリの名前の由来は、

サハラ砂漠に吹く熱風(ghibli)に由来しており、第二次世界大戦中のイタリア・カプローニ社の偵察/爆撃機の名前でもある(CAPRONI Ca309 GHIBLI)

と、ウィキペディアなどでも紹介されています。カプローニとはそんな古くから宮崎駿監督の心にあったのですね。

そして、その証拠に!

1992公開の映画「紅の豚」でも、実は登場しています。エンジンとして。とある中盤のシーン、一瞬ですが、よーくよーく目を凝らして見ると・・・

紅の豚 ジブリ エンジン

たしかに、エンジンに「GHIBLI」と書いてあります。

ということは、もともとカプローニ社の飛行機が好きだった宮崎駿監督 → 「紅の豚」に登場 → 本家イタリアのカプローニ一族の目にとまり、その後社史を送ってもらうという交流に → 映画「風立ちぬ」に人物登場!

という流れになっていることがわかります。

おもしろいですね。ほかにもこの「完成報告会見」では、映画「風立ちぬ」の話題を中心に、制作秘話が満載です。

 

映像特典で紹介したいふたつめは、「予告編集」です。

これは、映画公開前の映画館での予告編・特報から、TVCMスポットまで、たくさんの予告編集が収録されています。なにげに見ていたのですが、耳が違和感をもって反応しました!「あれっ?予告編で使われているメインテーマ曲「旅路」がなんか違う・・・」

この映画の主題歌「ひこうき雲」(歌:荒井由実)ももちろん好きですが、劇中メインテーマ曲である「旅路」(音楽:久石譲)も名曲です。実は、映画本編でそのメインテーマをバラライカやマンドリンで演奏しているのは、青山忠さんという方です。そして、映画「風立ちぬ」予告編で使われていたのは、その息子さん、青山涼さんのアルトバラライカによる演奏だったそうです。

もちろんリアルタイムに予告編を見ていた頃には、その後聴いていた映画本編やCDのバージョンと全く違いがわからなかったのですが、たしかにメロディーの旋律も少し違うんですね、後半が。

これにはびっくりしました。

いかにギリギリの制作過程のなかで、録音したものなのか、予告編が完成した頃に映画本編の映像も完成していないのと同じように、音楽もまだ核のメロディーこそあれ、サウンドトラック用の音楽録音前、『予告編用の、予告編のためだけの音楽』だったんだなということが今回わかりました。

意外に聴き逃してしまうほんの15-30秒程度の予告編ですが、今回ディスク化されたことで、きちんとその違いも確認できて、その醍醐味も味わえてよかったです。

 

映画「風立ちぬ」の音楽で、久石譲は、独特な民族楽器である、ロシアの代表的な弦楽器である「アルトバラライカ」や同種のマンドリン、同じくロシアのアコーディオン「バヤン」といった民族楽器を使っています。映画オープニングから、これらの民族楽器が旋律を奏でるメインテーマ曲「旅路」がそうです。

宮崎駿監督から、「音楽はできるだけ、そぎ落としたシンプルなものを」という話をうけて、今までのスタジオジブリ宮崎駿監督作品にはないような、美しくも切ない品格のある楽曲たちが並んでいます。

そのあたりの、映画「風立ちぬ」に関する、久石譲のインタビュー関連は、いくつか紹介しています。あまり露出度が少ないだけに貴重な内容です。

こちら ⇒ Disc. 久石譲 『風立ちぬ サウンドトラック』

久石譲 『風立ちぬ サウンドトラック』

 

というわけで、今回は、映画「風立ちぬ」 Blu-ray / DVD 化 にともない先日発売されたその内容からのお話でした。上にも書いてきましたように、完成報告会見~久石譲音楽インタビュー~宮崎駿監督引退会見~NHKプロフェッショナル ドキュメンタリー などなど。いろんな角度から、そして時系列での情報を経て、この作品を味わうと、映画「風立ちぬ」、感慨深いものがあります。

 

さて、毎年恒例の夏のお祭り「金曜ロードショー 2014 夏はジブリ!」も開催中です。第1週目の先週は映画『もののけ姫』、そして今週は『となりのトトロ』ですね。

語り尽くせぬ宮崎駿監督のジブリ世界ですが、今日は一旦このあたりで。

 

風立ちぬ ブルーレイ発売

 

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