Blog. 「クラシック プレミアム 13 ~ブラームス1~」(CDマガジン) レビュー

Posted on 2014/08/23

「クラシックプレミアム」第13巻は、ブラームス1です。

クライバー指揮による奇跡の録音と称されているブラームス 交響曲第4番が収録されています。クライバーはこの録音に向けてほぼ1年間を費やして作品の研究に没頭したそうです。ブラームスの自筆譜を研究し、ただただブラームスと対話し、作品の全体から細部に至るまで吸収、咀嚼し、来るべき演奏と録音に対して、万全を尽くしていたそうです。

クライバー、交響曲のスタジオ録音第4弾にして、最後のスタジオ録音。ベートーヴェンの第5番、第7番、シューベルトの第3番と未完成に続く。

ブラームスは、知名度も高く完成までに22年を費やした第1番よりも、この「交響曲 第4番」が一番好きな自身の交響曲であると死の間際に伝えているとも。そんないろいろな作曲家と指揮者の思いや背景のつまったブラームス 交響曲 第4番 ホ短調 作品98 です。

 

【収録曲】
交響曲 第4番 ホ短調 作品98
カルロス・クライバー指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音/1980年

《悲劇的序曲》 作品81
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音/1989年(ライヴ)

ハイドンの主題による変奏曲 作品56a
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音/1990年

 

巻末の音楽史では、前号での「バッハはお好き?」につづいて、さらに深く切り込んで「対位法の難しさ」について書かれています。

何度が読んでようやく理解できたような気がしますが、バッハが「音楽の父」と言われる所以や、偉大なフーガの名手であったこと、バッハの作曲技法の凄さが最も端的にあわられるのが対位法であること、そういったことがわかりやすく具体的に紹介されています。

ちなみに「対位法」の反対語は「和声的音楽」です。メロディーがあって、ハーモニーが伴奏する音楽。要するに今私たちが慣れ親しんでいるほぼすべての音楽です。

対位法の説明で、小学校の時に歌った「しずかな湖畔」の輪唱を例えにした解説がわかりやすかったです。同じメロディーが次々に等間隔で遅れて入ってきて、ぐるぐる回る。これはいわゆるカノンで、対位法の最も簡潔なかたち。そしてこれがもっともっと複雑になったものがフーガ。

カノンやフーガを書く難しさはここにあるんですね。一度そのメロディーと、入ってくる間隔を決めたら、変更してはならない。つまりどんどん旋律が重なりあったとしても、絶対に不協和音が生じてはいけない。

なるほど、そういうことか。

こう書かれています。

「バッハのフーガは、どれも神業のような小宇宙だ。まるで物理学の法則のように、法則から外れたことは何一つ生じず、それ自体で完璧に調和している。大小の無数の歯車が精巧にかみあわされて、一分の狂いもなく時を刻み続ける時計に似ているといえるかもしれない。」

なるほど。

こんなことも。

「モーツァルトにしても大バッハの作品を知ったのは晩年になってからであったが、この出会いは彼にとってとてつもない衝撃を与えたようである。モーツァルトの交響曲第41番《ジュピータ》の第4楽章は、バッハへの熱烈にてい壮大なオマージュである。ソナタ形式でできた楽章だが、その展開部、つまり真ん中のあたりで、長大なフーガになるのである。しかもこれは、バッハのような厳しいフーガではない。しなやかで生きる喜びに満ち溢れ、華やかで壮大でいて、機知に富み、ときめきで弾けるようなフーガ。これはモーツァルトとバッハの出会いから生まれた奇跡のような音楽である。」

ワーグナーの《ニュルンベルクのマイスタージンガー(名歌手)》というオペラでも、ルネサンス時代の舞台から、至る所に対位法的音楽を配置することで、古風で厳しい雰囲気を巧みに作り出している、ともありました。

 

「久石譲の音楽的日乗」第13回は、「伝達方法としての譜面について」

「音楽を伝える」ということについて、直近のエッセイはつづいてきましたが、今回は譜面について書かれています。

一部抜粋してご紹介します。

 

「話を戻して、自由な即興ということではないが、作曲家が演奏者に委ねる枠のような表記方法がある。バロック時代の数字付き低音がそれである。これは主にチェロなどの低音楽器の音符に数字が書かれてあり、それに則ってチェンバロが和音を弾くのである。例えばドの音に5(書かない場合もある)とあれば下からドミソ、6とあればミソド、64とあればソドミということになる。これは便利な方法で譜面の簡略化に大きく貢献している。このような記号は和声学でも別の表記方法があるが、その究極はジャズのコードネームだと僕は思っている。」

 

クラシックの譜面にもいろいろな表記方法があるんですね。ギターなどにもタブ譜という表記方法があります。ジャズのコードネームとは、いわゆるC,D,Eなどのことでしょうか。現在ではポップス音楽含め、一般的な楽譜およびコード表記は、これが使われていますね。

 

クラシックプレミアム 13 ブラームス1

 

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