Blog. 久石譲 「魔女の宅急便」 レコーディング スタジオメモ

Posted on 2014/11/6

1989年公開 スタジオジブリ作品 宮崎駿監督
映画『魔女の宅急便』

2014年7月16日「スタジオジブリ 宮崎駿&久石譲 サントラBOX」が発売されました。『風の谷のナウシカ』から2013年公開の『風立ちぬ』まで。久石譲が手掛けた宮崎駿監督映画のサウンドトラック12作品の豪華BOXセット。スタジオジブリ作品サウンドトラックCD12枚+特典CD1枚という内容です。

さらに詳しく紹介しますと、楽しみにしていたのが、

<ジャケット>
「風の谷ナウシカ」「天空城ラピュタ」「となりのトトロ」「魔女の宅急便」は発売当時のLPジャケットを縮小し、内封物まで完全再現した紙ジャケット仕様。

<特典CD「魔女の宅急便ミニ・ドラマCD」>
1989年徳間書店刊「月刊アニメージュ」の付録として作られた貴重な音源。

<ブックレット>
徳間書店から発売されている各作品の「ロマンアルバム」より久石譲インタビューと、宮崎駿作品CDカタログを掲載。

そして『魔女の宅急便 サントラ音楽集』もLPジャケット復刻、ライナー付き。往年のジブリファン、そして久石譲ファンにはたまらない内容になっています。

そして貴重なライナーは、サントラ制作のレコーディング録音 スタジオメモです。

 

 

魔女の宅急便 STUDIO MEMO

このサントラ音楽集は4月10日にリリースされている魔女の宅急便イメージアルバムの中の曲をバリエーション化して、映画の各シーンの長さ、ドラマの起伏に合わせて音楽担当の久石譲さんが編曲しまた新たに曲を作り足したりしながら出来上がった。

宮崎監督と久石さんのコンビはこれで4作目、イメージアルバムをもとに映画音楽を練り上げると云う作業もこの二人が作り上げたシステムだ。今回は二人の中に音楽プロデューサーとして、高畑勲さんが参加し、’88年7月25日の第1回目の打合せから始まって、なんとほぼ1年後の’89年7月10日、マスターリング作業(バラバラに録音してある曲を曲順に並べ直し、最終的に音のトーンを整え、後はプレス工場へ行くだけ・・・・)は完了した。

●’89年5月6日(土)、世間では9日間の大型連休、まさにゴールデンウィークと大騒ぎしている最中、吉祥寺にあるスタジオジブリでサントラの打合せが始まった。ここでは、今までの打合せの様にイメージだけ語り合うものではなく、ラッシュフィルムをビデオにタイムコードを打ってコピーしたもの、つまり映像を見ながら具体的に音楽をつけるタイムを計りつつ打合せは進んだ。昼の12時から始まって延々夕方の6時までブッ通しで続いた。まだラッシュが全体をA・B・C・Dと4つに分けたうちのA・Bパートしか上がっていなかったので、幸いにも「本日はここまで」と云う事で終わったのである。

●6月19日(月)、残りのC・Dパートの打合せである。東京もすっかり梅雨に入ってしまい、毎日鬱陶しい天気が続いている。

何故、A・Bパートの打合せからこんなに次まで日々が開いたのか?C・Dパートの絵がまだ上がっていなかった。そればかりでなく、久石さんがこの大事な時期にニューヨークで自身のソロアルバムのレコーディングの為1ヶ月以上も日本に居なかったのだ。7月6日までに音を音響さんに渡さなければ映画のダビング作業にも間に合わない。音関係スタッフは、この1ヶ月間に及ぶ久石さんの不在を梅雨の鬱陶しさも加わって弱感イライラと過ごしていたのだった。

打合せは順調に高畑さんの進行、高畑メモを中心に進んだ。絵の動きに、登場人物の感情にと多彩な注意が飛び交う。

打合せが終わった時、久石さんはちょっとお疲れの様子、それもそのはず昨日ニューヨークから帰って来て、時差ボケなのだ!

●6月22日(木)~6月24日(土)、打合せから中2日開けてレコーディングに突入。(この2日間で久石さんは、新たに曲の書き下しとアレンジの構成etc…やってしまったのだ!すごい!)この3日間は、ワンダーステーションスタジオでビデオの絵に合わせながら、シンセサイザー(フェアライトIII)を駆使しての作業になった。

絵の動き、タイムコードに正確に合わせる為何度もくり返し演奏する。全40曲余りのレコーディングのうち半分位をこのスタジオで作業、残りはオーケストラ録り、と云う事に方針を決めた。この3日間のレコーディングはあまりにもすんなりと進み、恐い位順調であった。レコーディングにつきものの徹夜作業は1日も無く、健全レコーディングだ!

●7月3日(月)、六本木・日活スタジオ。残りの20曲余りをオーケストラ録り。夕方5時からの開始だが、4時過ぎにはミュージシャンが続々とスタジオ入りして来る。映像を見ながら演奏する為、大きなスクリーンに映写のテストも始まった。4時30分頃久石さんがスタジオ入り、今日録る分の譜面の最終チェックをする。親しくしているミュージシャンが挨拶をして行く。いつもながら礼儀正しく、やさしい笑顔を返して「いやー、どうもよろしくネ」と愛想がいい、久石さん調子が良さそうだ。5時前、宮崎監督と高畑音楽プロデューサーが到着、久石さんと簡単な打合せをした後、久石さんが、「では、始めましょうか」とキューを出して大編成のオーケストラから、映画の冒頭のシーンの音が響いた・・・

(「魔女の宅急便 サントラ音楽集」 LP(復刻) ライナー より)

 

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