Disc. 東京佼成ウインドオーケストラ 『ニュー・サウンズ・イン・ブラス・ベスト・セレクション Vol.4』

1989年1月25日 CD発売

”ニュー・サウンズ・イン・ブラス”シリーズの中から特別によりすぐった名演奏の数々・・・。ダイナミックで一味違ったポップな演奏をお楽しみください。

久石譲が吹奏楽アレンジを手がけた「愛のコリーダ」が収録されている。

指揮:岩井直溥
演奏:東京佼成ウィンドオーケストラ

 

曲目解説

1.ロックン・ロール・メドレー
「ロック・アラウンド・ザ・クロック」1955年に、映画「暴力教室」の主題歌として使われ大ヒット、全米中をロックン・ロール・ブームに巻き込み、’55年度ヒット・チャート第1位となった曲。「ロックン・ロール・ミュージック」ビートルズがアルバム「ビートルズ’65」に吹き込んで有名になった曲。「ハートブレイク・ホテル」”ハウンド・ドッグ”同様、今は亡きエルビス・プレスリーの黄金時代を築いた記念すべき大ヒット曲。ロックのスピリチュアルに満ちあふれた作品です。「ダイアナ」ポール・アンカのデビュー・ヒット曲。レコーディング時までに歌詞が完成せず、サビの部分で「オー・オー」と歌ったのが面白く、後に多くのロック曲がこれを真似たと言う話があります。「ハウンド・ドッグ」ロックンロールが生んだ英雄、エルビス・プレスリーの代表的ヒット曲です。 1950年代後半から、全世界を風靡した”ロックン・ロール”。それは平和と取り戻し、若いエネルギーが新しい息吹きを探し求めて生まれた革命的なポップスでした。歌い踊り、それに大きく反応した若者たちの世代は、やがてビートルズの出現、ロック全盛時代の布石となって行ったのです。大変なつかしい素材ですが、このメドレーは構成が明快で、演奏も容易だから恐らく中学校バンドでも、喜んで演奏されることでしょう。

 

2.オリーブの首飾り
イージー・リスニングの代表作とも云うべきご承知の曲です。クロード・モルガンの作品ですが、多くの楽団によって演奏されており、中でもポール・モーリア楽団の演奏で、日本でも大ヒットしています。イントロはラテン調を思わせる編曲で、コンガ又はボンゴスをドラムセットとからめて上手に使うと、非常に面白くなります。グレードも易しく中学校バンドでも楽しく演奏できますし、コンサートのアンコールなどで使えば、聴衆の喝采は受け合いです。録音に際しては、新しい試みとして電子ピアノ(ヤマハCP-30)を使用して見ました。管楽器だけのサウンドがややもすると陥る単調さを救うもので、電気的に作り出すハープシコードの音色は、又バンドの世界にニューサウンドを投げ掛けています。

 

3.ステイン・アライヴ
かつて、多くの若者を虜にした”サタデー・ナイト・フィーバー”で最初に飛び出して来たディスコです。少々混み入った細かなリズムは、殆ど同じパターンの繰り返しですから、リズムに乗って覚えてしまえば演奏も何でもありません。それにしても美しいメロディーであるし、リズムと低音を誇張した演奏は、吹奏楽で立派にディスコ・サウンドを作れることを証明しています。

 

4.エンドレス・ラヴ
’82年の正月映画として公開されたアメリカ映画、「エンドレス・ラヴ」の主題歌。作詞・作曲は、あのコモドアーズのピアニストでありシンガー・ソング・ライターとしても今もっとも注目されているライオネル・リッチー、そして彼自身の歌に、「ビリー・ホリデー物語」「マホガニー物語」「ザ・ウィズ」と映画出演が続いている歌手のダイアナ・ロスが加わっている。この2人のデュオはまさに絶妙、美しくしっとりとしたバラッドを唱い上げます。この2人のデュオの雰囲気を壊さないようにアレンジに気が配られているため、木管楽器(cla. fl. sax)等のソロやソリについては、特にバランスに気をつけてください。ステージ効果を上げるため、PA等の使用を考えるとよりよいでしょう。尚監督フランコ・ゼフィレッリ、主演ブルック・シールズによるこの映画は’81年全米で公開されると同時に大ヒットとなり、又主題歌も同じく大ヒットとなりました。現代のロミオとジュリエット、そんな内容の映画です。

 

5.愛のコリーダ
クインシー・ジョーンズ、彼の名前を聞く時、或る人々はジャズを感じ、或る人々はポップスを感じるといいます。4 beat から16 beat、その様々な音楽のシーンを背負って生きて来た彼に対する評価は、人それぞれだと思います。しかし彼について確実に言える事は、彼の音楽にはいつも真新しいものが溢れていて、前向きに何かをやろうとする、意気込みが感じられる事です。彼自身、クエスト・レコードの設立、3年ぶりのニュー・アルバムについて、”なにかを成し遂げようというものじゃない・・・・、より良くしようというものなんだ・・・・”という意味のことを明らかにしています。兎に角、パワー、内容、共にアメリカという表現が、とてもピッタリくる人物である事はまちがいないでしょう。この「愛のコリーダ」、クインシー・ジョーンズ・オーケストラの演奏で、大ヒットをしましたが、この曲は、’80年の秋頃ブリティッシュ・チャートのベスト10入りしたヒットナンバーで、作曲者のチャス・ジャンケルは、もとイアン・デューリー・グループのギタリストだった人。調子のよい、ダンサンブルなビートに支えられたリフレイン、「AI NO CORRIDA、that’s where I am」を演奏時に加えるのも又一興と思います。

 

6.恋のアランフェス
スペインの作曲家ロドリゴが、ギターの名手サインス・デ・ラ・マサのために1940年に作曲した「ギターと小オーケストラのための協奏曲」が原曲です。この曲はその第二楽章のアダージョですが、原曲よりもすでにムード・ミュージックとしてなじみの深い曲です。フリューゲルホルンが中心にソロを歌いますが、ソローテンポが却つてアンサンブルを手こずらせることでしょう。演奏に際してはゆるやかな中にも曲の流れを感じさせることが大切ですし、もし仕上げに手こずるようでしたら、倍のテンポのタクトでたんねんに拍子を合わせる練習をするとよいでしょう。又指揮の技術の腕試しにもなる素材ですし、ギターの上手な学生を探し出し、効果を高めて欲しいものです。

 

7.サンチェスの子供たち
アメリカのジャズ・クロスオーバー界で大活躍のフリューゲル・ホルン奏者、チャック・マンジョーネの初の映画音楽作品。アンソニー・クインが主人公を演ずる映画「サンチェスの子供たち」の音楽で、フリューゲル・ホルンが、民族的リズムに乗って、哀愁を帯びた美しいメロディーを歌いあげます。

 

8.涙のトッカータ
これもポール・モーリア楽団のレコードで大ヒットした作品です。作曲は同楽団のメンバーのひとりガストン・ローランです。題名が示すようにクラシック的気品とトッカータが全曲を流れており、ごく簡単でしかも美しい8小節のモチーフの繰り返しです。演奏に際してはクラシック同様各セクションの音型や長さを統一すること。それにオブリガードをバランスよく生かすことが大切です。最後の3小節は純粋にクラシック調のアンサンブルで終ります。単調さを避ける工夫が感じられる良い編曲です。電気ピアノを使いハープシコードの感じを良く出していますが、勿論無くても演奏ができます。

 

9.ヴァイブレーションズ
アルト・サックスとトランペットのアドリブを伴う軽快な曲。ただしコード進行が全てGm・F・E♭・D7と易しく、アドリブ入門曲としても丁度手頃です。

 

10.ホワット・ア・ワンダフル・ワールド
ルイ・アームストロングの名唱でおなじみの、ジャズのスタンダード・ナンバー。ブラス、サックス・セクションの音を厚く、全編フルバンド風のアレンジ。他の曲のソロ同様、現在ジャズ・トランペッターNo.1と評価の高い数原晋のソロが素晴らしい。

 

11.マイ・ウェイ
原曲はフランス産ですがハリウッドの大御所フランク・シナトラが歌って大ヒットしました。曲の構成はオーソドックスですし、十分盛りあがりのある曲なので誰にも問題なく好かれます。ダイナミックな短調の序奏に続いて、最初のテーマを木管だけで歌います。やがてリズム群を加えて金管が重なり、中音の対旋律が効果的にからみます。2コーラスはテンポを落した各セクションの掛け合い、アルトサックスのソロが美しい。ラストの盛り上がりがタップリしているので、アンコール曲として最適。オーソドックスな曲だけに、ポピュラー入門曲として推めたい。いつものことながら、岩井直溥の編曲はこの単純な曲を見事な手法で生かし、アンサンブルの遊びを教えてくれます。安心してすべてのバンドにお推め出来る佳曲。

 

12.ハリー・ジェームスに捧ぐ
ハリウッド映画にも度々登場、オールド・ファンも魅了したトランペットの王様で、バンドリーダーでもあったハリー・ジェームスの愛奏曲が2曲。トランペット・ソロでムーディーなスリーピー・ラグーン。それに同楽団のテーマ曲でもあったイタリア民謡チリビリビンは、かなりのハイトーンとテクニックが要求される難曲です。アマチュアの皆さんも、2人掛りの分担奏などでチャレンジして見てください。

(解説:鮎川信/石上禮男)

(曲目解説 ~CDライナーノーツより)

 

ニュー・サウンズ・イン・ブラス・ベスト・セレクション Vol.4

1.ロックン・ロール・メドレー Rock ‘n’ Roll Medley
ロック・アラウンド・ザ・クロック Rock Around The Clock ~ ロックン・ロール・ミュージック Rock And Roll Music ~ ハートブレーク・ホテル Heartbreak Hotel ~ ダイアナ Diana ~ ハウンド・ドッグ Hound Dog
2.オリーヴの首飾り El Bimbo
3.ステイン・アライヴ Stain’ Alive
4.エンドレス・ラヴ Endless Love
5.愛のコリーダ Ai no corrida
6.恋のアランフェス Aranjuez Mon Amour
7.サンチェスの子供たち Children Of Sanchez
8.涙のトッカータ Toccata
9.ヴァイブレーションズ Vibrations
10.ホワット・ア・ワンダフル・ワールド(この素晴らしき世界) What A Wonderful World
11.マイ・ウェイ My Way
12.ハリー・ジェームスに捧ぐ A Tribute To Harry James
スリーピー・ラグーン By The Sleepy Lagoon ~ チリビリビン Ciribiribin

編曲:
岩井直溥 1,2,3,7,9,11,12
三枝成章 4
久石譲 5
浦田健次郎 6,8
真島俊夫 10

 

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