Disc. 久石譲 『ぴあの オリジナル・サウンドトラック Volume 1』

1994年6月25日 CD発売 PICL-1082

 

1994年放送 NHK連続テレビ小説「ぴあの」
音楽:久石譲 出演:純名里沙 他

 

 

「(映画などの)メイン・テーマやNHKのドキュメンタリー番組「人体」とか、作品として残る仕事以外は断っていたので、テレビの劇伴は10年ぶりなんです。ずっと映画だけやってきているから、テーマをもとに適当にセレクトしてやればいいところを、映画のようにきちんと合わせて作っちゃった(笑)。NHK側が思いっきり恐縮していましたけど(笑)。15分番組だと約5曲入れてるから、週に6本で30曲でしょ? 10週書くと300曲。もちろん決まったテーマはあるから全部新しいわけじゃないけれども、途中でハッと気づいたら、とんでもない量を作ってたんです(笑)。『オリジナル・サウンドトラック ぴあの Vol.2』(8月発売予定)と合わせてもその中の抜粋でしかなくて、5枚ぐらい出せるんじゃないかっていう(笑)。でも、しかたがないですね。流れ作業的なテレビのやり方が、僕はあまり好きじゃないから。」

「ええ。テレビのスタイルに合わせて小編成にしたんですが、基本的にシンセサイザーが中心で、最後に全部まとめて録った生と混ぜてます。全体的なことで言えば、今回は半年間、毎朝流れるので何度聴いても飽きがこないように配慮してました。」

Blog. 「KB SPECiAL キーボード・スペシャル 1994年9月号 No.116」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

「たとえば『ぴあの』なんかは、3ヵ月ぐらいそれで悩んだ。アルバムを作る時はそれぞれ条件があるんですよね。『ぴあの』に関していうと、これはあくまで1日3回で月~土の半年間、膨大な量がテレビで流れるわけですよ。そんな時に飽きないメロディ、シングル・ヒットをねらうだけなら簡単だけど、そうじゃなくて日本のスタンダード曲になるくらいに、飽きないメロディを書こうというのが前提にあるでしょ。その条件の中で作ろうとするから、すごく時間がかかりましたね。」

「日本語の歌詞でも確か「Dream」だったよね。けっきょく言えるのは、僕のメロディには英語がすごく乗りやすいこと。音数がそれほど多くなくて動きがあるから、英語のように単語で入ってくる言葉のほうがいいんだよね。「I love you」でも音が3つあれば言えてしまうんだけど、日本語だと「わたし」しかいかないじゃない?(笑)」

Blog. 「キーボードスペシャル 1995年3月号」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

 

1994年4月4日-1994年10月1日まで放送された同作品の前期オープニング主題歌は『ぴあの/JOE’S PROJECT』としてシングル盤発売されている。その2曲目「ぴあの スタンダード」は歌唱もコーラスも異なり、よりアコースティックなバンドサウンドとなっている。間奏パートも異なり、曲想としてはアメリカン・オールド・アットホーム的な印象を受ける。サントラ盤Volume 2をふくめてアルバム未収録の貴重なヴァージョンである。

ちなみに、後期オープニング主題歌は主演を務めた純名里沙による歌唱となっている。『ぴあの』/ 純名里沙 & JOE’S PROJECTとしてシングル盤が発売され、同サントラ盤Volume2にも収録されている。

 

 

 

1. ぴあの (JOE’S PROJECT)
2. Ripply Mind ~さざめく心
3. Run to Me
4. Gleam ~輝く瞬間
5. The Bonds of Love ~愛情の絆
6. Fortepiano ~心の機微
7. Suspicious
8. ぴあの ~かけがえのない妹
9. From Pianissimo ~小さな決心
10. Path to the Lights ~希望への道
11. White Lie ~罪のない嘘
12. Closed Fist ~閉じられた手
13. Twitter ~姉妹の喜び
14. Forenoon ~夜明け
15. Behind Backs ~ひそかな裏切り
16. Instrumental ~ぴあの

Produced by Joe Hisaishi

Musicians
Keboards:Joe Hisaishi
Additional Keyboards:Haruki Mino
Drums:Yasushi Ichihara
Bass:Chiharu Mikuzuki , Makoto Saito
Guitar:Jun Sumida , Shuji Nakamura
Accoustic Guitar:Hironori Miyano
Strings:Shinozaki Group

 

Disc. JOE’S PROJECT 『ぴあの』

1994年6月1日 CDS発売 PIDL-1118

 

1994年放送 NHK連続テレビ小説「ぴあの」
音楽:久石譲 出演:純名里沙 他

 

 

テーマ・ソング「ぴあの」

1994年4月4日-1994年10月1日まで放送された同作品の前期オープニング主題歌である。『ぴあの オリジナル・サウンドトラック Volume 1』にも1曲目は収録されている。

2曲目「ぴあの スタンダード」は歌唱もコーラスも異なり、よりアコースティックなバンドサウンドとなっている。間奏パートも異なり、曲想としてはアメリカン・オールド・アットホーム的な印象を受ける。サントラ盤Volume 2をふくめてアルバム未収録の貴重なヴァージョンである。

ちなみに、後期オープニング主題歌は主演を務めた純名里沙による歌唱となっている。『ぴあの』/ 純名里沙 & JOE’S PROJECTとしてシングル盤が発売され、同サントラ盤Volume2にも収録されている。

 

 

1.ぴあの
2.ぴあの スタンダード
3.ぴあの (オリジナル・カラオケ)

Lyric:松本隆
Music & Arrangement:久石譲

Produced by Joe Hisaishi

 

Disc. 久石譲 『如水館中学・高等学校 校歌 水のように』 *Unreleased

1994年4月1日 開校

 

如水館高等学校の開校にあわせて久石譲が校歌を作曲している。

 

なお、如水館中学・高等学校ホームページにて試聴できる。

 

如水館中学・高等学校校歌「水のように」

詩:大林宣彦 曲:久石譲

歌・吹奏楽 バージョン

歌・ピアノ バージョン

ピアノ伴奏のみ

公式サイト:如水館中学・高等学校|校歌・応援歌
http://www.josuikan.ed.jp/about/schoolsong

 

 

また、8cmシングル(PSCD-001 非売品)では大林宣彦監督が歌唱している録音がある。コーラスで久石譲も参加している。c/wはオリジナル・カラオケ。校歌らしからぬポップスなテイストに仕上がっている。「演奏:久石譲」となっているが打ち込みデジタルサウンドではなく、生バンド+ピアノ+シンセサイザーで作られている。

 

(CDSジャケット)

 

 

 

Disc. 久石譲 『NHKスペシャル 驚異の小宇宙・人体II 脳と心/BRAIN&MIND サウンドトラック Vol.2』

久石譲 『NHKスペシャル 驚異の小宇宙・人体II 脳と心/BRAIN&MIND サウンドトラック Vol.2』

1994年3月18日 CD発売 MRCA-20034

 

1993年放送 NHKスペシャル「驚異の小宇宙 人体II 脳と心」
音楽:久石譲

 

心の深遠に迫るイメージ・クリエイション、未知の時空への旅が始まる

 

 

1999年4月28日 CD発売 PCCR-00302

NHKスペシャル 驚異の小宇宙 [人体Ⅱ] サウンドトラック Vol.1 & 2 脳と心(2CD) として再発売された。

 

久石譲 『NHKスペシャル 驚異の小宇宙・人体II 脳と心/BRAIN&MIND サウンドトラック Vol.1』

(2CDジャケット)

 

 

久石譲 『NHKスペシャル 驚異の小宇宙・人体II 脳と心/BRAIN&MIND サウンドトラック Vol.2』

1. COMPASSION はぐくまれた命
2. RETURN TO LIFE 驚異の再生能力
3. DREAM OF GAEA 懐かしき時夢
4. FAR AND AWAY 意識と無意識の狭間
5. PROCESS OF EVOLUTION 運命の万華鏡
6. PERFECT RESONANCE 魂の共鳴
7. A MOMENT OF HAPPINESS 至福の瞬間
8. HUMAN NATURE 美しさと詭さと
9. MIND SPACE ODYSSEY はるかな道へのいざない
10. FLASHOVER この一瞬にこめた想い

Compose & Arrangement:Joe Hisaishi
Producer:Joe Hisaishi

Recording Studio:Wonder Station

 

Disc. 上野の森ブラス 『ブラス ファンタジア II ~宮崎アニメ作品集~』

ブラスファンタジア2

1994年2月25日 CD発売 TKCA-70299
2006年7月12日 CD発売 TKCA-73079
2022年12月3日 LP発売 TJJA-10054

 

スタジオジブリ作品 「風の谷のナウシカ」から「紅の豚」まで
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

お馴染みのジブリ名曲たちを金管アンサンブル(トランペット/チューバ/ホルン/トランペット/トロンボーン)にて奏でる、第2弾。

友情出演として、パーカッションが追加された編成での楽曲もある。全楽曲の編曲は織田英子、上野の森ブラス結成以来ほとんどのレパートリーのアレンジを手掛けている。ハイセンスな響きとテンポ感は定評がある。

(メーカーインフォメーションより)

 

 

本作品の楽曲名はすべて各映画イメージアルバムの収録曲名に準じている。ただし楽曲解説にもあるとおり、「ふしぎしりとりうた」以外は、すべて映画本編でも流れていたお馴染みのメロディーである。

 

 

【楽曲解説】

1.ふしぎしりとりうた (となりのトトロ)
イメージアルバムの中の一曲。映画には使わせませんでしたが、オペラ歌手の森公美子さんが、パワフルにリズミカルに歌い上げた、言葉遊びの楽しい曲です。ロックをブラスでやるとどうなるか?といったことに挑戦しました。

2.はるかな地へ… (風の谷のナウシカ)
今でこそ、エコロジーという言葉がもてはやされ、誰もが自然を守らなければならないと考えています。その守るべき自然すら無くなってしまった時代に、たったひとりで地球を救おうとしたナウシカ。原曲は少女の歌声で始まる、ナウシカの遥かな想いを感じさせる美しいメロディです。フォルクローレ風にアレンジ。フォルクローレの太鼓も入ります。

3.天空の城ラピュタ (天空の城ラピュタ)
映画に先駆けて作られるイメージアルバムで、メインテーマとなったこの曲は、映画では井上あずみの歌う、主題歌「君をのせて」のメロディとしても使用され、映画のヒットと共にいつまでも歌い継がれる名曲となりました。原曲のイメージをくずさずにブラスにアレンジしました。

4.ゴンドアの思い出 (天空の城ラピュタ)
追手の海賊たちから危機一髪、飛行石の力で廃坑の深い洞窟に逃れたパズーとシータ。つかの間の休息の中でシータは、故郷のゴンドアの思い出を語ります。古代オリンポスの丘でニンフが踊るようなイメージで書きました。

5.遠い日々 (風の谷のナウシカ)
原曲は少女のハミングが印象的な曲。主題歌と呼べる曲のないナウシカにおいて、それに変わる形で口ずさまれ、親しまれてきた曲です。映画では幼年時代のナウシカのシーンで使われました。ナウシカの有名な少女の歌をテーマにバッハのオルガン曲を思わせるようなアレンジをしました。

6.リリーとジジ (魔女の宅急便)
キキと共に都会に出てきたジジは、誇り高くも用心深い、皮肉屋の黒猫。そんな彼に恋人ができたのです。かわいらしい猫のカップルをイメージした曲。ホンキートンクピアノの原曲の雰囲気を生かし、全員ミュートをつけて演奏します。

7.風のとおり道 (となりのトトロ)
メイとサツキの姉妹と、おとうさんの三人が引っ越してきた田舎の一軒家の裏には、森とひときわ大きな楠の木が生えていました。そこを渡る初夏の涼やかな風を想わせる曲。イントロにすこし日本情緒をただよわせ、中間部分にトロンボーンのアドリブソロを織り込みました。

8.フライングホートメン~セリビア行進曲 (紅の豚)
空の海賊と恐れられる「空賊」たちだが、決して楽な稼業ではない。オンボロの飛行艇を乗り回し、今日もポルコロッソから無念の一撃。が、飛行艇乗りの誇りだけは失っていない。たくましくもユーモラスな彼らの曲。チューバソロを原曲そのままに再現したフライングボートメン、そのあとにスネアドラム入りでセリビア行進曲が続きます。

9.時代の風 (紅の豚)
空賊に襲われている旅客船から突然のSOS。彼らを駆散らす為に、凄腕の賞金稼ぎパイロットのポルコ・ロッソが、真紅の飛行艇で出撃します。胸踊る、映画の冒頭のシーンで使われた曲。原曲のスピード感あふれる曲に、勇壮なファンファーレをつけ足しました。

10.かあさんのホウキ (魔女の宅急便)
都会にひとりぼっちで暮らしながら自立しようとする、見習い魔女のキキ。彼女の心の支えは、黒猫の相棒ジジと、おかあさんから譲り受けた、良く使い込まれたホウキでした。優しく包み込むような母の想いをかんじさせるメロディ。トランペットソロをフィーチャー。やさしくなつかしい曲に仕立てました。

(楽曲解説 ~CDライナーノーツより)

 

 

2022年 LP発売

 

 

2006年CD再発売

 

 

 

ブラスファンタジア2

1. ふしぎしりとりうた (となりのトトロ)
2. はるかな地へ… (風の谷のナウシカ)
3. 天空の城ラピュタ (天空の城ラピュタ)
4. ゴンドアの思い出 (天空の城ラピュタ)
5. 遠い日々 (風の谷のナウシカ)
6. リリーとジジ (魔女の宅急便)
7. 風のとおり道 (となりのトトロ)
8. フライングボートメン~セリビア行進曲 (紅の豚)
9. 時代の風 (紅の豚)
10. かあさんのホウキ (魔女の宅急便)

 

Disc. 久石譲 『Girl』 *Unreleased

1994年 TV放送

 

1994年2月19日~3月19日 全5話
フジテレビ系 ボクたちのドラマシリーズ
「時をかける少女」
原作:筒井康隆 音楽:久石譲 出演:内田有紀 袴田吉彦 河相我聞 他

 

 

メインテーマ曲「Girl」

オープニング・バージョンは、女性ヴォーカルによるメロディと久石譲特有のデジタルサウンドの融合による。本編BGMバージョンとして、ピアノソロ・ヴァージョン、ピッツィカート・バージョン、アコーディオン・ヴァージョンなどが存在する。

本作品に使用されたメインテーマはオープニング含む全ヴァージョン、CD化されていない。

 

久石譲セルフカバー作品『MELODY Blvd.』にて「Girl」もアレンジ収録されている。こちらのヴァージョンでは女性ヴォーカルから男声ヴォーカルになっているが、パートによっては女性ヴォーカルも登場する。アレンジや楽器含めオリジナル版に近いサウンドにはなっている。

 

 

本編BGMについて。「Girl」以外に書き下ろされた曲はないと思われる。BGMとして使われたのは久石譲が手がけた他作品からの転用である。

映画「はるか、ノスタルジィ」
映画「ふたり」
映画「あの夏、いちばん静かな海。」
映画「Sonatine」
映画「水の旅人 -侍Kids」
映画「魔女の宅急便」
映画「紅の豚」
ソロアルバム「I am」より Sunny Shore
ソロアルバム「PRETENDER」より VIEW OF SILENCE
NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体 THE UNIVERSE WITHIN」
NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体II 脳と心/BRAIN&MIND」

これらのサウンドトラック盤収録曲から使用されている。

 

 

またドラマ映像も作品化されてはいないが、全5話を120分に編集した総集編としてVHS発売された。

 

1994年9月21日 VHS発売

「時をかける少女 Special Edition」

時をかける少女 Girl

(VHS)

 

Disc. 上野の森ブラス 『ブラス ファンタジア I ~宮崎アニメ作品集~』

ブラスファンタジア1

1994年1月25日 CD発売 TKCA-70292
2006年7月12日 CD発売 TKCA-73078
2022年12月3日 LP発売 TJJA-10053

 

スタジオジブリ作品 「風の谷のナウシカ」から「紅の豚」まで
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

お馴染みのジブリ名曲たちを金管アンサンブル(トランペット/チューバ/ホルン/トランペット/トロンボーン)で奏でる。

友情出演として、トロンボーン、パーカッションが追加された編成での楽曲もある。全楽曲の編曲は織田英子、上野の森ブラス結成以来ほとんどのレパートリーのアレンジを手掛けている。ハイセンスな響きとテンポ感は定評がある。

(メーカーインフォメーションより)

 

 

本作品の楽曲名はすべて各映画イメージアルバムの収録曲名に準じている。ただし楽曲解説にもあるとおり、「谷への道」以外は、すべて映画本編でも流れていたお馴染みのメロディーである。

 

 

【楽曲解説】

1.ハトと少年 (天空の城ラピュタ)
ある朝、少年は飼っているハトを逃がしてやり、得意のトランペットを響かせて、少女と冒険へと旅立ちます。ルネッサンス期のブラスの味わいをそっくり持ってきました。

2.ねこバス (となりのトトロ)
トトロと並ぶ、子どもの人気者のねこバスですが、最初は突風の音とともに、不気味に登場しました。この曲はサツキが妹のメイを救いに、ねこバスに乗っていく時に流れる、打って変わって軽快な曲。原曲はロックですが、ブギウギに仕立てました。

3.ピッコロ社 (紅の豚)
戦争で男手の無くなった飛行艇工場のピッコロ社。しかし後を守る女達はそれ以上に働き、ポルコロッソがたじろぐほど、活気に満ちている。コンチネンタルタンゴのリズムに乗せて優雅に演奏されます。

4.ナンパ通り (魔女の宅急便)
イメージアルバムの中から1曲。映画では初めて大都会に出てきた見習い魔女のキキが、町の喧騒に翻弄されるシーンに使われました。原曲のスピード感あふれる感じをそのままブラスで。

5.町の夜~世界って広いわ (魔女の宅急便)
「町の夜」は、なぜか魔法が使えなくなったキキの傷心を、「世界って広いわ」は、映画の冒頭で出発を決意するキキの心を、それぞれ表しています。3拍子のワルツ2曲を組み合わせて、シャンソン風にアレンジしました。

6.谷への道 (風の谷のナウシカ)
映画のサウンドトラックミュージックが、作られる前に製作されたイメージアルバムの中から1曲。ホルンをフィーチャーし、イージーリスニングの静かな曲にしました。

7.となりのトトロ~さんぽ (となりのトトロ)
エンディングテーマの「となりのトトロ」と、オープニングテーマの「さんぽ」のメドレー。「さんぽ」のメロディとともに、小さなメイがテクテク歩くオープニングシーンは、今や日本中の子どもたちに親しまれています。一番有名な曲なのでアレンジに苦労。ちょっと違ったトトロです。

8.オープニングテーマ (風の谷のナウシカ)
巨大産業文明が崩壊して1000年。人類は腐海と呼ばれる巨大な有毒の菌の森に呑み込まれようとしていた。壮大な物語の始まりを予感させる曲。トランペットソロをナウシカのメロディーにのせて。ストレートな響きを大切にしました。

9.鉱夫 (天空の城ラピュタ)
苦しい労働が続いても陽気さを失わない鉱夫たちをイメージした曲。映画ではエンディングテーマの「君をのせて」のイントロ部分に使用されました。器楽的な曲なので”いかにもブラス”の魅力が出るようなアレンジを心がけました。

10.真紅の翼 (紅の豚)
アドリア海に夕日が落ちる頃、ポルコロッソはその真紅の翼をホテルアドリアーノに向ける。かけがえの無いあの女の居るところへと。トロンボーンをフィーチャーした大人っぽいバラードです。

(楽曲解説 ~CDライナーノーツより)

 

 

2022年 LP発売

 

 

2006年CD再発売

 

 

ブラスファンタジア1

1. ハトと少年 (天空の城ラピュタ)
2. ねこバス (となりのトトロ)
3. ピッコロ社 (紅の豚)
4. ナンパ通り (魔女の宅急便)
5. 町の夜~世界って広いわ (魔女の宅急便)
6. 谷への道 (風の谷のナウシカ)
7. となりのトトロ~さんぽ (となりのトトロ)
8. オープニングテーマ (風の谷のナウシカ)
9. 鉱夫 (天空の城ラピュタ)
10. 真紅の翼 (紅の豚)

 

Disc. 久石譲 『宮崎アニメ The BEST』

久石譲 『宮崎アニメ The BEST』

1993年12月21日 CD発売 TKCA-70248
1993年12月21日 CT発売 TKTA-20351
2004年9月29日 CD発売 TKCA-72748

 

スタジオジブリ作品 「風の谷のナウシカ」から「紅の豚」まで
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「魔女の宅急便」「紅の豚」各イメージアルバム、サウンドトラックより、メインテーマや主題歌など主要楽曲を収録したベスト盤。

オリジナル楽曲収録アルバムは曲名右に記載している。

 

 

久石譲 『宮崎アニメ The BEST』

1. オープニング「風の谷のナウシカ」 (風の谷のナウシカ サントラより)
2. 風の谷のナウシカ 歌:安田成美 ※シングル盤
3. エンディング「鳥の人」 (風の谷のナウシカ サントラより)
4. 空から降ってきた少女 (天空の城ラピュタ サントラより)
5. 天空の城ラピュタ (天空の城ラピュタ イメージアルバムより)
6. 君をのせて 歌:井上あずみ ※シングル盤
7. さんぽ 歌:井上あずみ (となりのトトロ サントラより)
8. まいご 歌:井上あずみ (となりのトトロ イメージソング集より)
9. おかあさん 歌:井上あずみ (となりのトトロ イメージソング集より)
10. 風のとおり道 ~Acoustic Version (となりのトトロ サウンドブックより)
11. となりのトトロ 歌:井上あずみ (となりのトトロ サントラより)
12. めぐる季節 歌:井上あずみ (魔女の宅急便 ヴォーカルアルバムより)
13. 鳥になった私 歌:宝野ありか (魔女の宅急便 ヴォーカルアルバムより)
14. 好きなのに ! 歌:宝野ありか (魔女の宅急便 ヴォーカルアルバムより)
15. アドリア海の青い空 (紅の豚 イメージアルバムより)
16. マルコとジーナのテーマ (紅の豚 イメージアルバムより)

音楽/久石譲

 

Disc. 久石譲 『NHKスペシャル 驚異の小宇宙・人体II 脳と心/BRAIN&MIND サウンドトラック Vol.1』

久石譲 『NHKスペシャル 驚異の小宇宙・人体II 脳と心/BRAIN&MIND サウンドトラック Vol.1』

1993年12月17日 CD発売 MRCA-20030

 

1993年放送 NHKスペシャル「驚異の小宇宙 人体II 脳と心」
音楽:久石譲

 

「感性のサウンドに導かれた、はるかなる脳宇宙への旅路」

 

 

Brain and Mind
By Joe Hisaishi

Don’t you change your way
Don’t you change your mind
Brain and Mind
Forever

Standing on the earth
And we can tell this dream
when it’s all too late
Don’t break my heart

Ah! you can change your world
You can change your life
Brain and Mind
Forever

 

 

「そうそう。ああなってしまうと、一歩間違えるとヒューマン・ドキュメントになってしまって、科学番組にならない。実際、そういう傾向があったんでね。前回は非常に科学番組的なニュアンスが強かったんで、音楽はヒューマンに攻めた。だけど、今回はヒューマン・ドラマになってる分だけ、音楽は非常に引いてね、もっと違ったアプローチでいこうと。ただ端的に言っちゃうと、クールな気持ちっていうかね、突き放したアプローチっていうか。そういう方が多分、良くなる。もうひとつ言うと、”脳と心”っていうテーマの今回の方がウェットな分だけ、音楽は非常にドライなアプローチでいこうというのはありましたね。」

「ええ、他の仕事との絡みもあって。もうこのままロンドンで、それこそソロ・アルバムとの絡みもあったんで、とにかくロンドンでやろうと。そういうことが基本にあったんで。逆に、変に日本人的情緒に流されないで済むから、きっといいものができるだろうっていうのもありましたね。実際の話、向こうに行って……日本の音楽レコーディング業界とその状況と、ロンドンのレコーディング状況ってやっぱり違うんですよね。日本は、もうどうでもいいものまで全部デジタル、デジタルって言ってる。でも向こうはまだデジタル・レコーディングって、ほんとに2割か3割だから。だから、ヒューマンな味っていう意味で言うとね、逆に内容が非常にハウス的であったりとかいろいろしてても、アプローチとしての音の肌触りは暖かい方がいいんで、あえてアナログで全部通すとかね。そういうような方法は、いろいろ細かくやりましたね。」

「基本的には、アルバムとしてまずキチンと聴けることっていうのがありますね。音楽的にまずしっかりしていること。それからもうひとつ、ファンタジーっていうか、いろんなことを想起できるような内容にするっていうことですか。その2点にすごく気を付けてますね。だから、例えば今回の場合は、いかにもNHKというようなヒューマン・ドキュメントみたいなものよりは、自分の部屋で、自分の感覚でかけたいバックグラウンド・ミュージックとして成立するようにするっていうことに気を付けたんですよ。それこそ、そのまま”人体”って言っちゃったら、なんか「人体だ? どんくさいなぁ」みたいな感じがするけど、”BRAIN&MIND”っていうことでひとつの環境……バックグラウンド・ミュージックっていうふうにとらえても、絶対聴けるものをっていうのはすごく意識して作りました。そのくらいやらないと、前回と変化がないですしね。」

「やっぱりこのアプローチで良かったなっていう気がする。そうしないとけっこうベタベタした関係になっちゃうと思うんですよ。前回みたいなね、ヒューマンな音楽が入るとね。だから、このくらいのアプローチをしておいて、ちょうど全体が良くなった。僕が作った音楽と映像がけっこうよく絡んでるんで、すごく満足してますけどね。」

Blog. 「キーボード・マガジン 1994年4月号」久石譲 インタビュー内容 より抜粋)

 

 

第2シリーズ「脳と心」は、ヒューマンドキュメントとしての側面が強く打ち出されていて、それぞれ6作の内容が脳に障害を持った人たちを主人公にしていて、科学的な解明とそれをどう乗り越えていったかを丁寧に描いた力作だった。そこで僕は内容自体がヒューマンなぶんだけ、音楽的には客観性を持たせるためハウスミュージック的なリズムを全面に出した音楽を作った。感動的な内容に感動的な音楽をかぶせるほどつまらないものはないからだ。オープニングの不可思議なボーカルも僕自身である。

Blog. 書籍「NHKスペシャル 驚異の小宇宙・人体3 遺伝子・DNA 6」久石譲 音楽制作ノート より抜粋)

 

 

1999年4月28日 CD発売 PCCR-00302

NHKスペシャル 驚異の小宇宙 [人体Ⅱ] サウンドトラック Vol.1 & 2 脳と心(2CD) として再発売された。

 

久石譲 『NHKスペシャル 驚異の小宇宙・人体II 脳と心/BRAIN&MIND サウンドトラック Vol.1』

(2CDジャケット)

 

 

1. BRAIN&MIND 未知の秘境へのいざない
2. NEW GENERATION 未来人への予感
3. MEMORIES OF… 鮮やかな記憶の残照
4. PRINCIPLE OF LOVE やさしさの芽生え
5. WHY DO THE PEOPLE 長い旅路の果て
6. GONE TO SCIENCE 時空を越え、憧憬を求めて
7. IMAGINATION FACTORY 魔術師たちの部屋
8. MYSTERIOUS NEURON きらめく神秘の世界
9. NATURAL SELECTION 消えゆくものたちへの挽歌
10. ETERNAL HARMONY ひらめきの瞬間
11. EMOTION 永遠の春

Compose & Arrangement:Joe Hisaishi
Producer:Joe Hisaishi

Singer:Jakie Sheridan , Without Sugar
Guitar:Clen Clempson

Synthesizer Operator:Peter Wielk , Blue Weaver

Recording Studio:
Battery Studios (London)
Matrix Studios (London)
The Townhouse
Wonder Station

 

Disc. 久石譲 『水の旅人 -侍KIDS- オリジナル・サウンドトラック』

久石譲 『水の旅人 オリジナル・サウンドトラック』

1993年8月4日 CD発売 KICS-335

 

1993年公開 映画「水の旅人」
監督:大林宣彦 音楽:久石譲 出演:山崎努 他

 

 

「あなたになら…」 中山美穂

1993年7月7日 CDS発売 KIDS-141

あなたになら 水の旅人 中山美穂

1. あなたになら… 作詞:中山美穂 作曲・編曲:久石譲
2. Holiday 作詞:田久保真見 作曲:尾関昌也 編曲:URAN
3. あなたになら… (オリジナル・カラオケ)

 

先行シングルとして主題歌が発売されている。オリジナル・サウンドトラック盤では短縮バージョンとなっているが、こちらではフル・バージョンとしてリリースされた。

 

 

音楽=久石譲インタビュー
「水の旅人」 音と映像のアンサンブル

-今回の『水の旅人』の映画音楽づくりは、どんなところから始められたんですか?

久石:
今回はまずふたつのポイントがありましてね。ひとつは『タスマニア物語』に続いて手掛けるフジテレビの大作ということで、その風格というか、そういう感覚、スタンスがまずある。もうひとつは、大林さんの映画の音楽をずっとやってきているということ。ここには、はっきりとした大林宣彦の世界があるわけです。フジテレビに大林さん、両方とも自分が関わってきて、それがここで一緒になっちゃったわけですよね。ですから、大作としての風格と大林作品が持っているヒューマンな部分とが、全部生かされるような音楽を一番意図したわけです。

-結果としてはいかがでしたか?

久石:
まずメインテーマですが、これはロンドン・シンフォニーオーケストラ85人を使って実に壮大なシンフォニーを作りました。

-ロンドン・シンフォニーというと『スター・ウォーズ』などを手掛けたジョン・ウィリアムズもよく使うところですね。

久石:
そうです。ですからメインテーマは男性的なメロディというか、力強いテーマですね。圧倒するぞって感じです(笑)。ロンドン・シンフォニーのメンバーも興奮してたし、喜んでましたよ。ただこうしたスケール感の大きいメロディに対して、やはりみんな久石メロディといったものを望むでしょうから、主題歌のヴォーカルの方は極力心の優しさといったものを出したつもりです。

-主題歌は今回中山美穂さんですね。

久石:
ええ。ヴォーカルのレコーディングもロンドンでやりました。これは映画の最後のエンディングロールで流れるんですが、メインテーマと主題歌と、共に映画音楽の顔に当たる曲を自分なりにかなりの完成度で、思い通りに仕上げることができて僕自身は非常に満足しています。

Blog. 映画『水の旅人 -侍KIDS』(1993) 久石譲インタビュー 劇場用パンフレットより 抜粋)

 

 

 

久石譲 『水の旅人 オリジナル・サウンドトラック』

1. 水の旅人~プロローグ~
2. 悟と家族
3. カルチャーワルツ
4. 悟と少名彦
5. 公園の散歩道
6. カラスとの決闘
7. 夢を叶えて
8. ダムに沈む村
9. 水車小屋
10. レクイエム
11. 父の宝物
12. 武士道
13. 少名彦の願い
14. ウォーターシュート
15. 悟の願い
16. 水の旅人~メイン・テーマ~
17. あなたになら…~オリジナル・サントラ・ヴァージョン (歌:中山美穂)

Produced by JOE HISAISHI

All Songs composed and arranged by JOE HISAISHI

Recorded and Mixed by
MIKE JARRATT (for Abbey Road Studios)
Steve “Barney” Chase (for THE TOWNHOUSE)
SUMINOBU HAMADA (for Wonder Station)
TORU OKITSU (for Wonde Station)

Recorded and Mixed at
Abbey Road Studios , Air Studios , Lyndhurst Hall , Wonder Station
Avaco Creative Studios , Kawaguchiko Studio

Performed by
London Symphony Orchestra [1,7,16]

Dedicated to memory of MIKE JARRATT