Blog. 「World Dream Orchestra 2004」 コンサート・パンフレットより

Posted on 2013/12/11

2004年開催「World Dream Orchestra 2004」コンサート・ツアー。

久石譲が新日本フィルハーモニー交響楽団と、「久石譲&新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ(W.D.O.)」を立ち上げた記念すべき年であり、ここから始動したコンサートツアーです。

このオケの発足にあたり、テーマ曲「World Dreams」も書き下ろし、コンセプトをふまえたCD第1作目も発表し、さらにはプログラムA・Bという2種類の演目を引き下げてのツアー開催。

これだけでもこのプロジェクトにかける並々ならぬ想いが伝わってきますが、ツアー会場にて販売された公式パンフレットではさらに濃厚なメッセージが凝縮されています。

 

World Dream Orchestra 2004

[公演期間]
2004/7/19 ~ 2004/8/1

[公演回数]
全国8公演
7/19 宮城・宮城県民ホール A
7/20 栃木・栃木県総合文化センター B
7/22 東京・サントリーホール A
7/24 山梨・韮崎市文化ホール B
7/26 神奈川・横浜みなとみらいホール A
7/27 東京・すみだトリフォニーホール B
7/30 愛知・愛知県芸術劇場コンサートホール A
8/1 大阪・大阪城公園内 西の丸庭園 Special Program

[編成]
指揮:久石譲
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
トランペット:ティム・モリソン

[曲目]
ProgramA(宮城/サントリー/神奈川/愛知)
World Dreams
[Mr.Miyazaki vs Mr.S.Spielberg and Mr.G.Lucas]
STAR WARS (J.ウィリアムズ)
シンドラーのリスト (J.ウィリアムズ)
風の谷のナウシカ(風の伝説) (久石譲)
暁の誘惑 (イメージ交響組曲「ハウルの動く城」より) (久石譲)
E.T. (J.ウィリアムズ)
天空の城ラピュタ (久石譲)

[Hard Boild Orchestra]
007 Rhapsody (J.バリー)
The Pink Panther (H.マンシーニ)
風のささやき (M.ルグラン)
Iron Side (Q.ジョーンズ)
China Town (J.ゴールドスミス)
Rasing Men (久石譲)
HANA-BI (久石譲)
Mission Impossible (L.シフリン)

Cave of Mind (イメージ交響組曲「ハウルの動く城」より) (久石譲)

—–アンコール—–
タヒチ・トロット(映画「Tea for two」より) (ショスタコーヴィチ)
Summer
となりのトトロ

 

ProgramB(栃木/山梨/すみだ)
World Dreams
[ロシアより愛をこめて〜Classic Composer for Cinema〜]
ジャズ組曲 第2番〜ワルツ〜 (ショスタコーヴィチ)
タヒチ・トロット(映画「Tea for two」より) (ショスタコーヴィチ)
ロミオとジュリエット (プロコフィエフ)

[Fantasy Trumpet]
天空の城ラピュタ (久石譲)
アミスタッド (J.ウィリアムズ)
Cave of Mind (イメージ交響組曲「ハウルの動く城」より) (久石譲)

[Hard Boild Orchestra]
007 Rhapsody (J.バリー)
The Pink Panther (H.マンシーニ)
風のささやき (M.ルグラン)
Iron Side (Q.ジョーンズ)
China Town (J.ゴールドスミス)
Rasing Men (久石譲)
HANA-BI (久石譲)
Mission Impossible (L.シフリン)

STAR WARS (J.ウィリアムズ)

—–アンコール—–
風の谷のナウシカ(風の伝説)
Summer
となりのトトロ

 

 

『World Dreams』をめぐって
新日本フィルハーモニー交響楽団 安江正也氏(企画制作担当)と共に語る

-「ワールド・ドリーム・オーケストラ」という、久石さんと新日本フィルとの共同プロジェクトがスタートしました。今回のツアーは記念すべきデビュー・コンサートになりますね。

久石:
新日本フィルさんとは、本当に長いおつきあいになります。宮崎作品をはじめとして、大事なオーケストラ作品はずっと一緒にやらせてもらってきましたから。

安江:
スタートにあたって、久石さんにはこのオーケストラのテーマ曲、『World Dreams』を書き下ろしていただきました。作曲家が曲を書くということは特別なことですから、我々にとって大変に光栄なことでした。この曲には、ここにしかないアイデンティティ、自分たち固有のものという意識があります。まさに、自分たちの曲として、からだの一部のように演奏する曲です。それは、オーケストラという演奏団体がなかなか与えられる機会のない、幸せなことなんです。

久石:
以前にやはりツアーで東北6県を一緒に回ったりする中で、団員の人たちと食事を共にしたりしながら、自然発生的に「何かできたらいいね」という話が出てきて、それがきっかけになりました。だから、本当の始めのところから、お互いに考えを出し合って詰めていくという形でここに至ったということだね。

 

-そしてアルバム「World Dreams」が完成し、このコンサートツアーが実現したわけですよね。

安江:
実際、『World Dreams』の録音にはすごく時間をかけました。演奏するたびに「もっと何かあるんじゃないか」と、久石さんと団員とのディスカッションも尽きることはなかった。それはもう、音楽家以外の何人たりともそこには入れないという密度の濃さでした。皆でテイクを聴いて、皆でディスカッションして、それで100人が揃ってひとつになった。それはオケの側も嬉しかったですね。もちろん生みの苦しみもあるわけですけど、充実感が違う。最初から最後まで関わることができて、共に創り上げる手応えを感じています。

 

-楽曲の持つ音楽的なパワーが、演奏者の心を動かし、それを聴く人の心をも動かすのでしょうね。

久石:
そうなるといいね。それにしても、こんな大変なプログラム、8回ももつのかな(笑)。

安江:
ハハハハ、いやあ、オケもかなりの体力勝負であることは確かです。

-それほどの真剣勝負、そしてチャレンジということですね。コンサートは生き物。一期一会の今日だけの演奏に期待しています。

 

 

INTERVIEW

ここから発信するもの
このプロジェクト誕生のきっかけ、コンサートにかける思い、今回のプログラムのもつ意味合いを、自らここで語り尽くした。

 

これは僕のコンサートでもなく、
新日本フィルのコンサートでもない。

「ワールド・ドリーム・オーケストラ」-。それは漠然と付けた名称だったのだが、そでにその名前自体がコンセプトそのものになっている。新日本フィルと僕との共同プロジェクトとして、新たに誕生したオーケストラだ。

新日本フィルは、これまでも大事な節目ごとに一緒に演奏してきた、いわば僕にとってのホーム。オーケストラの音を思い浮かべる時、頭の中にはいつも新日本フィルの音がある。弦の音、管の音、僕にとって基準になっているのは新日本フィルの音だ。それくらい自分の中でも大切だし、互いに築いてきた信頼関係の上に、このプロジェクトが成り立っていることを実感する。

それは、僕のコンサートでもなく、また新日本フィルのコンサートでもない。二つが一つになって、別の新しいユニットを創る。それを何かいい形で世に出したいというお互いの思いが、ワールド・ドリーム・オーケストラとなって実現した。

ワールド・ドリーム・オーケストラを無理にカテゴライズしてしまえば、ベースになっているのは、いわゆるポップス・オーケストラ。あくまでも強引に、ひとことで言ってしまうならばそうだ。けれども僕自身は、ポップス・オーケストラというものにまったく興味はない。

というのは、どんなエンターテイメントであっても、聴く人には何かひとつ得てもらいたい、聴く人にきちんと何か残したい、と考えるからだ。だからポップス・オーケストラではなく、またクラシック・コンサートのオーケストラでもなく、さらにはただ1度で終わりというのではないものをやりたかった。僕も新日本フィルも、お互いに「やった」という満足感を得られなければ、やる意味はない。それには、CDを創り、ツアーも組んで、きちんとしたプロジェクトとして、まったく新しい形を立ちあげなければならなかったのだ。

世界中にはいい曲が山ほどある。それを僕のフィルターを通して、オーケストラ作品として完成させ、世に出していく。それがこのオーケストラの一番大きなテーマだ。

 

パート譜ごしに人生を見てる演奏者を
まるごと受け止めるのが指揮者

ワールド・ドリーム・オーケストラでは、自分の曲以外の楽曲もたくさん取り上げる。自分で書いた曲を自分で弾くのなら、それは自分のコンサートでやればいいことだ。その違いを明確にするため、僕の主体はピアノではなく、指揮になる。ただし、自分がアレンジするのだから、自分の考えている世界ではある。それをオーケストラと話し合いながら、共同プロジェクトという前提のもとに創ってきた。

僕はアレンジは基本的にやらない人間だ。作曲家だから人の曲には興味がない。でも、「ハードボイルド・オーケストラ」をはじめとした今回のプログラムでも明らかなように、僕が楽曲を選び、並べ、アレンジすることによって、個々の楽曲は組曲としての存在を持ってくる。そうしてきちんとした作品にしていくことで、初めて発表できるものになるのだ。たぶんこの手法は、自分のやり方としても今後も定着していくだろう。

取り上げる曲のオリジナルは全部がとても短い。長くてせいぜい2分半だ。それをひとつの楽曲として聴ける分量にするために、それぞれの楽曲のメロディやリズムのエッセンスを素に、僕のオリジナル部分を組み立てていく。アレンジといっても半分以上はオリジナルだ。僕にとってはたぶん、アレンジは翻訳みたいなもの。外国語の作品が日本語になる段階で翻訳家の個性が反映されるのと同じように、人の楽曲なんだけれども、こうしてひとつの組曲のようにすることで、そこに自分の作曲家としての意図が出てくるわけだ。

その意図は、弦だったり管だったりのパート譜を通じてメンバーに伝えられる。オーケストラのメンバーは、パート譜ごしに人生を見ている。パート譜ごしに、この作曲家の実力はこうだ、これなら信用して付いて行こう、と考えている。つまりパート譜の向こうには、演奏者の人生がある。そういう意味では指揮者は100人の人生を受け止めるようなものだ。とてもじゃないが、いいかげんな気持ちでスコアを書くなんてできない。そういう、人を受け止める自分ってのがいる。それはすごく大事なことだ。そういう中で、オーケストラの可能性もどんどん試すし、オーケストラからもいろんなアイデアを聞きながらやっていく。曲を提供する人、演奏する人、というのではない、新しい関係がそこに生まれる。

 

僕にとっての夢、Dreamは
自分が変われるための起爆剤

「夢」とは何だろう。夢は夢でしかなく、叶わないもの、実現しないもの、だと思っている。

夢というとなんだか美しくイメージするけれど、現実は全然甘くなくて、だから「夢」なんだと思う。実現可能なものなら「目標」になるはずだから。しかし、夢とついた瞬間から、叶わないものを掲げることになる。決して叶うことではないけれど、基本的にはありえないことだけれど、叶わないからこそ、それに向けて努力する。それが力の素、ここで言うところの「Dream」なのだ。

言ってみればそれは、自分を変えるための起爆剤。昨日と同じ自分であってはならないと思うんだったら、どんなに大変でも自分で自分を変えていかなければならない。その時の原動力が夢だ。

一生は決して長くはない。自分にやれる可能性がある限り、チャレンジし続けなければならない。

今、世界のシステムが壊れかけている。それを目の当たりにしながら、いったい自分は何ができるのだろうかと思う。僕は作曲なのだから、音楽を通して「人間って何なんだ」ということを自分なりに考えていくしかないだろう。若いころはもっと違うことを考えていたと思うけれど、音楽は何ができるのかということを、作曲家として今は一番やらなければならないと思う。

もし、このコンサートに夢のような時間を期待して来た人がいたとしたら、それは違う。ここで何かを掴みたい、感動を味わいたい、勇気を得たいという人、つまり、何かを求めている人に向かって、僕はいつも書いているような気がする。それはコンサートでも同じだ。

長く僕のコンサートに来てくれている人達は、毎回、僕が変わっていくことで、活動の姿を確認しているのだと思う。だからこそ評価は厳しい。このワールド・ドリーム・オーケストラも、居心地のいい、ちょっとセレブな時間を過ごすところ、では決してない。それはプログラム自体がすでに表現している。演奏する側も必死でやるから、聴く側もしっかり味わってくれ、と、そういう関係を築きたい。そこに手応えを感じたお客さんは、きっとまた来年も来てくれるだろう。そして僕達は、またガラッと変わる。

ハードルはだんだん高くなるものだ。

(「World Dream Orchestra 2004」コンサート・パンフレット より)

 

【Program Note】

Aプロ、Bプロ、ともに、僕自身がとても楽しいと思って組んだプログラムだ。
ここに、ワールド・ドリーム・オーケストラの全貌が表れている。
今回の演奏曲目について語っておこう(インタビューより構成)。

 

World Dreams
これは、ワールド・ドリーム・オーケストラのテーマ曲。このオーケストラのアイデンティティを象徴する曲といってもいい。もともと祝典序曲のような曲を創ろうと思っていた。シンプルで朗々と唄う、メロディを主体とした曲。メジャーで、ある種、国歌のような拡張あるメロディで、あまり感情に訴えるものではないもの。ストーンと潔い曲を書きたかった。

以前、『Asian Dream Song』という曲を書いた。今回は『World Dreams』だ。じゃあ、アジアの夢が世界の夢になったのかというと、そんなことはない。情報技術の飛躍的な進歩によって、世界はどんどん小さくなって、地域になってきている。同時に世界全体のシステムというものが壊れ始めている。しかし、これが世界の夢だったのか? 世界中の人々の夢は何だったのか? こんな世界を人々は望んではいなかったはずだ。音楽家としてできることは何なのか。僕は憑かれたように作曲した。

この曲が、聴く人のささくれ立った感情を少しでも和らげ、そして「まあ、いいか、明日もまた頑張ろう」と思ってくれたら・・・。そんな気持ちを代表しているようなのがこの曲だ。

曲ができて、3管編成のフルオーケストラのスコアにまとめるまで1週間ほど。それはちょっと「自分は何かに書かされているんじゃないか」と思うくらいの速さだった。

 

Hard Boiled Orchestra
これはまるで「夏場のラーメン」とも言える組曲のようなもの。暑い夏に、これまた暑苦しいブラスセクションが大汗かいて鳴らしまくる。何とも男らしいコンセプトだ。今回のツアーは、ワールド・ドリーム・オーケストラのデビュー・コンサート。このオケが何者なのかをわかってもらいたい。それも、頭ではなく、皮膚でわかってもらいたいのだ。そのためには演奏者も必死で力を出し切るスリリングな楽曲を演る必要がある。「男の生きざま」を描いた映画であるのと同時に、オーケストラとしての機能を最大限に引き出せる曲ばかりを選んだ。トータルで男っぽい選曲になっている。

007 Rhapsody
僕にとっての007シリーズは、ショーン・コネリーに尽きる。ここでやる「007のテーマ」「ロシアより愛をこめて」「ゴールドフィンガー」は、ショーン・コネリーの一番いい時期の作品だ。また、全作を通じて音楽的にもメロディ的にも強いのはこの3作。オーケストラで演奏するということは、言葉(歌詞)がなくなるわけだから、その分メロディのしっかりした曲がいい。この3曲がベストだ。

The Pink Panther
ヘンリー・マンシーニのこの作品は、ワンフレーズ聴いただけで何の曲かはっきりわかる、とても個性的な曲。これほどユーモアがあって、しかもしっかり創られている曲は少ないので、これはのちのち、我々にとっても大事な曲になっていくと思う。だからぜひやりたかった。ところで、この曲はたいがい、ブラス・サウンドが中心になる。しかし今回は、「隠し味」とも言える、弦のちょっと色っぽい音がすごく重要な要素。それがたぶん、僕のアレンジの特色になるだろう。

Iron Side
テレビで部分的に使われることが多くて、そういうイメージが強いが、とてもいい曲だ。「鬼警部アイアンサイド」のテーマで、創ったのはクインシー・ジョーンズ。僕はクインシー・ジョーンズが好きでよく聴いてるけど、いつも羨ましいと思うのは、彼がソウル・ミュージックやブルースといったブラック・コンテンポラリーの原点をちゃんと持っていて、いつでもそこに帰ることができるということ。そんな彼の曲の中でも、これはとても洗練された楽曲。いろんなものが凝縮している曲だ。

Mission Impossible
あまりにも有名な、「スパイ大作戦」のテーマ曲。この曲を創ったラロ・シフリンも大好きな作曲家だ。変型のはずなのに、心地いい5拍子。このリズムの凄さが、オーケストラのダイナミック・レンジを表現するのにぴったりだ。「ハードボイルド・オーケストラ」のシメの曲としてもピッタリではないか?

風のささやき
映画「華麗なる賭け」のテーマ。これを選んだのは、映画よりもミシェル・ルグランの作品だから。彼にはクラシックの要素があり、ジャズにも精通していて、楽曲がとても機能的にできている。それでいて、変に情緒に流れない。有名な2小節のフレーズがほとんど変わらずにずっと続くこの曲は、フランス人である彼のハリウッド・デビューの曲だ。全世界を相手にしようって時に、彼は敢えて、このような機能的で情緒に流れない曲を持ってきた。これは大チャレンジだと思う。しかも、「このコード進行しかありえない」って時に、メロディは違うところにいって、不協和音になってしまう。この曲については、アレンジは10通りくらい書いたと思う。一番苦労した曲だ。木管と弦だけという非常にシンプルな形態をとったが、決して楽ではないこの曲で、CDでもオーケストラが素晴らしい演奏をしている。

China Town
同名の映画は1930年代を舞台にした、情ない探偵の話で、僕の大好きな映画。主演のジャック・ニコルソンも好きな俳優だ。曲はジェリー・ゴールドスミス。この曲のテーマが頭にこびりついていたので、今回、ティムさんというトランペット奏者を得て、どうしてもこの曲を入れたいと思った。ティムさんのジャジーな雰囲気も素晴らしい。その演奏からは、音楽性の幅の広さがわかる。

Raging Men
HANA-BI
北野武監督の映画「BROTHER」の中で使った曲。エネルギーの塊みたいな曲なので、オーケストラのパーカッションとブラスの激しさを聴いてもらいたい。『HANA-BI』は、マイ・フェイバリット・ソングのひとつ。今回はヴァイオリンをフィーチャーしている。これまでとは違った魅力を感じてほしい。

 

Fantasy Trumpet

天空の城ラピュタ
これは、ティム・モリソンさんが吹くことを想定して、彼のためにアレンジした。これまで何度もやってきた曲だけれども、ティムさんという演奏家を得て、新日本フィルと共に演奏するというところで、改めてアレンジした。今までの印象とは違う曲になっている。ティムさんは本当に音楽性豊かな演奏家。大いに期待してほしい。

アミスタッド
ジョン・ウィリアムズの曲で、オリジナルもティムさんが吹いている。これは、いわばティム・モリソンさんの名刺替わり。

Cave of Mind
ここでもティムさんの豊かな音楽性が充分に発揮される。こうして一緒にツアーを回れることは大きな喜びだ。

 

Mr.H.Miyazaki vs Mr.S.Spielberg and Mr.G.Lucas
日本の映画とアメリカの映画という中で、それぞれの持っている映画の違い、あるいは共通点から、それぞれの良さが浮き上がったら、と思い組んだプログラム。指揮者・久石譲が『STAR WARS』をどう料理するか、というところに興味を持っている人もいると聞く。それなら、と組んでみた。『シンドラーのリスト』もとても好きな曲。日本人の作曲家、アメリカの作曲家、それぞれの映画の差など、違いも出てくるだろうが、両方が浮き立って、聴く人が納得するようなものができたらと思う。ところで、映画作品の中から言葉やシーンだけを部分的に取り出してもまったく意味はない。それが前後と繋がった時、それぞれのシーンの意味が出てくる。それと同じように、それぞれがまったく違う映画のために創られた別の作品であるにもかかわらず、それを組み立て、構成することで、楽曲が本来持っていた意味プラスアルファの、コンサートでの意味が出てくる。そこを聴いてほしいし、楽しみたいと思う。結果はやってみなくてはわからない。が、しかし、何かありそうな気がする。だから面白いし、これもまたチャレンジだ。

 

ロシアより愛をこめて ~Classic Composer for Cinema
クラシックの楽曲も、別の曲との組み合わせによって、まったく別の曲に聞こえてくる可能性がある。「こんなに聴きやすい曲だったのか」と感じることもあるかもしれない。この、ワールド・ドリーム・オーケストラが、そういったクラシックの作品との出会いの場になれれば、という思いもある。

ジャズ組曲第2番 ワルツ (ショスタコーヴィチ)
僕が今年、最もはまった曲。映画「アイズ ワイド シャット」の曲だけれど、とにかく見事にはまっている。他人の曲で、今年一番好きになった曲はこれだ。

ロミオとジュリエット (プロコフィエフ)
この曲は、ひとつひとつ挙げられないほど、多くの映画に使われている。複雑なテクスチュアというよりも、素朴な、強いメロディの楽曲。

タヒチ・トロット (ショスタコーヴィチ)
「二人でお茶を」という映画の曲。それを実は、ショスタコーヴィチ自身がアレンジしている。ショスタコーヴィチは本当のエンターティメントを知り抜いた人だ、ということがよくわかる。この曲もオケにとって、決して簡単ではない。なぜなら非常に音が薄い。それでいて豊かに仕上げなければならない。ある種、点描主義のような、各楽器の音色が浮き立つ楽曲で、一人一人の技量も問われる。しかし、オーケストラの色彩感を出せる曲。これもチャレンジだ。

(【Program Note】 同コンサート・パンフレットより)

 

 

このコンサートに寄せた言葉が2004年。あれから2011年の東日本大震災を経て、今は2013年。

夢 自分を変える 可能性 チャレンジ 自分には何ができるか 人間って何なんだ etc

このパンフレットに出てくる久石譲の言葉は、時代の変化に対しても普遍的だと思います。そして、音楽家が発した言葉、音楽好きが受け止める言葉としてだけでなく、『自分の人生を生きていく』という意味でも、大きなテーマだと思いました。

なので、改めて読み返し共感した思いから、原文をそのままに忠実に書き起こしをしました。音楽をつくる、音楽を奏でる、音楽を聴く、音楽を体感する、そうして響きあう思い。究極には「なくても生きていける」音楽というものに、それ以上に「なくてはならない」音楽という自分のなかの意味を見出だせる言葉のように思います。

一言、やっぱり一流のプロはかっこいいですね!

こちら ⇒ ワールド・ドリーム・オーケストラ 作品ライブラリー

 

wdo パンフレット

Blog. 久石譲 祝63歳!! HAPPY BIRTHDAY

Posted on 2013/12/6

久石譲さん、誕生日おめでとうございます!

1950年12月6日生まれ 今年で63歳です。
見えないですね。

容姿ももちろんですが、創作意欲のオーラといいますか、また数々新しく生み出される作品に触れ聴いていても、安住という言葉とは無縁な、無限の創造性と挑戦しつづける姿勢を感じます。

2013年は近年希に見るメモリアル・イヤーでした。

  • 1月 映画「東京家族」 監督:山田洋次 音楽:久石譲
  • 3月 コンサート「クラブツーリズムスペシャルコンサート 久石譲オーケストラの世界」
  • 4月 TVドラマ「女信長」 監督:武内英樹 音楽:久石譲
  • 4月 コンサート「秋山和慶&佐山雅弘企画 オーケストラで楽しむ映画音楽 パート4」
  • 6月 映画「奇跡のリンゴ」 監督:中村義洋 音楽:久石譲
  • 6月 映画「ラーメンより大切なもの」 監督:印南貴史 テーマ曲:久石譲
  • 7月 映画「風立ちぬ」 監督:宮崎駿 音楽:久石譲
  • 7月 TV「NHKスペシャル 深海の巨大生物」 音楽:久石譲
  • 8月 公開録画「読響シンフォニックライブ」
  • 10月 ラジオ番組「UNBEATEN TRUCKS IN JAPAN ~イザベラ・バードの日本紀行」オリジナル楽曲
  • 10月 特別展「京都 – 洛中洛外図と障壁画の美」 テーマソング:EXILE ATSUSHI & 久石譲 「懺悔」
  • 11月 映画「かぐや姫の物語」 監督:高畑勲 音楽:久石譲
  • 11月 コンサート「久石譲スペシャルオーケストラコンサート with 群馬交響楽団」
  • 12月 コンサート「久石譲 第九スペシャル」 東京・大阪

 

山田洋次監督との初タッグ 映画「東京家族」に始まったかと思えば、宮崎駿監督 映画「風立ちぬ」では宮崎駿監督の引退会見もあり、一方では高畑勲監督との初タッグ 映画「かぐや姫の物語」の音楽監督など、名監督との映画音楽の仕事が目白押しでした。その合間にコンサート公演もあり、年末には「第九」も控えていますから、その活動はとどまるところを知らないですよね。

ただただ脱帽です。尊敬します。そして極上の音楽たちと一緒に生活できる幸せを感じています。

そういえば、誕生日にちなんだ楽曲ってあったかなと思って紐解いてみました。

久石譲 『PIANO STORIES 4 FREEDOM』
「Birthday」
『FREEDOM PIANO STORIES 4』 収録

 

タイトルからも “まさに誕生日” なこの曲は、ピアノと室内楽が心地よい響きです。シンプルなメロディーに、温かさもあり、無垢なかわいらしさを感じます。

久石譲 NHKスペシャル 驚異の小宇宙 人体III〜遺伝子・DNA サウンドトラックVol.1 Gene
「A Gift From Parents」
『驚異の小宇宙 人体III ~遺伝子・DNA サウンドトラック Vol.1 Gene』 収録

 

隠れた名曲だと思うのですが、とても優しくやわらかい楽曲です。ピアノとストリングスの悠々とした調べが、母なるぬくもりを感じさせてくれます。

久石譲 NHKスペシャル 驚異の小宇宙 人体 Vol.1
「BIRTH ~生命の歓び~」
『驚異の小宇宙・人体 THE UNIVERSE WITHIN サウンドトラック Vol.1』 収録

 

1989年のNHK人体シリーズの第1作からです。シンセサイザーとオーケストラの融合と、壮大なメロディーが印象的です。今聴いても色褪せることのない響きを感じます。

久石譲 WORLD DREAMS
「WORLD DREAMS」
久石譲&新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ 『WORLD DREAMS』 収録

 

国歌のような格調あるメロディーで、まさに祝典序曲です。

久石譲 坂の上の雲 オリジナル・サウンドトラック 1
「Stand Alone for Orchestra」
『NHKスペシャルドラマ 坂の上の雲 オリジナル・サウンドトラック』 収録

 

主題歌でもありメインテーマでもある、至高の音楽。”凛と立つ” 姿が象徴的です。

 

このくらいでしょうか。タイトルや曲名にこだわらなければ、誕生日にふさわしい曲はもっとたくさんあると思います。

ちなみに、久石譲から宮崎駿監督へ。宮崎駿監督の誕生日に楽曲が寄与されています。そしてそれは三鷹の森ジブリ美術館の館内BGM用として献呈されています。

こちら ⇒ 久石譲 三鷹の森ジブリ美術館 展示室音楽 *Unreleased

三鷹の森ジブリ美術館でしか聴くことのできない5曲ですので、もしこれから行かれる方は、そのあたりも楽しんでみてください。

もしかしたら、おそらく、今日のような誕生日でさえ、創作活動を、お仕事をされているのかもしれませんね。これからも素敵な音楽を届けてくれるのを楽しみにしています。

 

久石譲 第九

Blog. 「真正面から取り組んだ『もののけ姫』」 久石譲 TVインタビュー

Posted on 2013/12/4

平成10年3月6日 NHK 「トップランナー」に久石譲がTV出演したときのインタビューを文字にまとめた書籍を見ていました。

今から15年前ですから、久石譲のお仕事としては、「長野パラリンピック冬季大会 総合プロデューサー」や、宮崎駿監督作品 映画「もののけ姫」、北野武監督作品 映画「HANA-BI」などの時代です。大きくこのあたりの3つの仕事を軸に当時のインタビューなのですが、「もののけ姫」の話は興味深いものがありました。

1984年「風の谷のナウシカ」以来、宮崎駿監督作品の音楽を手がけてきたなか、1992年「紅の豚」から5年ぶりの作品となったのが1997年「もののけ姫」です。「もののけ姫」では、わずか1分半の曲に2週間を費やすほど音づくりに悩むことがあったんだそうです。

 

久石譲の「NHK トップランナー」TV出演の約半年前に同番組に登場した宮崎駿監督は、映画「もののけ姫」の音楽に関して、こう語っていたことが紹介されています。

「久石さんも本当に今度はよくやったと思います。いや、これは宣伝のために言うんじゃないんです。今まで僕はエンディングにはいつも絵を入れていたんですけど、今回の内容は絵を入れたくないなと思ったもんですから、『もののけ姫』のエンディングは幕にただローリングで字がぞろぞろ並ぶんですね。そこに音楽が、米良さんの歌がもう一回きちんと入って、それから久石さんのメインテーマが流れるんです。これはやっぱりきちんと聴くに値する音楽になったなと思いますね。ですから、名前なんか見なくてもいいですから(笑)、目をつぶっていただいてもけっこうですから、その音楽だけはそのまま座って聴いて欲しいなと。これは本当にそう思います。こんなことを言うと怒られますけど(笑)、ちょっと僕は久石さんを見直したって感じがあるんです。」

 

なんとも映画音楽を讃える言葉としては、本当にうれしいですよね。監督自らですから。

そしてこの「もののけ姫」の製作段階から、宮崎駿監督の作品に対する熱意に圧倒され、”もう逃げ道はない 本当に正面から取り組んだ”と久石譲は語っています。これは誤解のないように、普段はあえて引いたスタンスのほうが気負いなくいい仕事ができる場合が多いなか、「もののけ姫」に関しては一気にその熱意に巻き込まれてしまった、ということだそうです。

 

そういえば、ほかにもこの番組内で、久石譲の音楽的ルーツとも言える、現代音楽に没頭していた時期や、ミニマル・ミュージックについても語られています。今でこそミニマル・ミュージックはとてもいろんな音楽に浸透していて、久石譲だけでなく、その他作曲家や、POPSのアレンジの中にも取り入れられています。この当時はまだ新鮮でしたね。

ミニマル・ミュージックとは、1964年にアメリカから始まった現代音楽で不協和音を鳴らす音楽フィールドの中でも、一番前衛の手法として始まったもので、短いフレーズやリズムをわずかに変化させながら、繰り返し演奏する反復音楽です。

その現代音楽のフィールドから、ポップスやCM音楽などのエンターテインメント音楽に移ってからまもなく「風の谷のナウシカ」の運命的な宮崎駿 x 久石譲 コンビが誕生するわけですが。

それでも、「風の谷のナウシカ」の劇中音楽もミニマル・ミュージックが色濃く反映されていますし、当時久石譲が手がけた高級車や化粧品のCM音楽では、ミニマルの手法が持ち込まれています。おそらくミニマル・ミュージックを導入することで、商品やCMの高級感を演出する手法は、久石譲が最初だったと思います。

その当時のCM音楽をコンパイルした作品が「CURVED MUSIC」です。

 

ちょっと話がそれてしまいました。

映画「もののけ姫」公開当時は、『今回もいい音楽だな~』なんてのんきに聴いていたのですが、この「もののけ姫」の映画音楽が、久石譲の分岐点になったと言われる方は、ちらほらいらっしゃるようなんです。そんなことを目にしたり耳にしたことが過去に数回あります。

そしてちょうど今日、12月4日、
映画「もののけ姫」待望のブルーレイDVD発売です。

これを機会にまた「もののけ姫」の映画と音楽を、堪能してみたいと思います。

related page:

NHKトップランナー 久石譲  もののけ姫 ブルーレイ

Blog. 「かぐや姫の物語」 わらべ唄 / 天女の歌 / いのちの記憶 歌詞紹介

Posted on 2013/11/28

スタジオジブリ作品 高畑勲監督 最新作「かぐや姫の物語」。主題歌「いのちの記憶」は二階堂和美さんの澄んだ歌声が印象的です。そして映画本編で印象的に使われている「わらべ唄」と「天女の歌」は、なんと高畑勲監督自身の作詞・作曲です。

映画音楽は高畑勲監督と初タッグとなる久石譲によるものですが、この「わらべ唄」と久石譲作曲の琴をはじめとした旋律が見事に融合しています。サウンドトラックは上記すべての劇中音楽/主題歌が収録されていますのでそのあたりもじっくりと聴きどころです。

そしてサウンドトラック・ライナーノーツに、歌曲の歌詞が掲載されていますので「わらべ唄」「天女の歌」「いのちの記憶」 それぞれをご紹介します。

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わらべ唄(原詞)
作詞:高畑勲 坂口理子 作曲:高畑勲

まわれ まわれ まわれよ 水車まわれ
まわって お日さん 呼んでこい
まわって お日さん 呼んでこい
鳥 虫 けもの 草 木 花
春 夏 秋 冬 連れてこい
春 夏 秋 冬 連れてこい

まわれ まわれ まわれよ 水車まわれ
まわって お日さん 呼んでこい
まわって お日さん 呼んでこい
鳥 虫 けもの 草 木 花
咲いて 実って 散ったとて
生まれて 育って 死んだとて
風が吹き 雨が降り 水車まわり
せんぐり いのちが よみがえる
せんぐり いのちが よみがえる

 

天女の歌
作詞:高畑勲 坂口理子 作曲:高畑勲

まわれ めぐれ めぐれよ 遥かなときよ
めぐって 心を 呼びかえせ
めぐって 心を 呼びかえせ
鳥 虫 けもの 草 木 花
人の情けを はぐくみて
まつとしきかば 今かへりこむ

 

いのちの記憶
作詞・作曲・唄:二階堂和美

あなたに触れた よろこびが
深く 深く
このからだの 端々に
しみ込んでゆく

ずっと 遠く
なにも わからなくなっても
たとえ このいのちが
終わる時が来ても

いまのすべては
過去のすべて
必ず また会える
懐かしい場所で

あなたがくれた ぬくもりが
深く 深く
今 遥かな時を越え
充ち渡ってく

じっと 心に
灯す情熱の炎も
そっと 傷をさする
悲しみの淵にも

いまのすべては
未来の希望
必ず 憶えてる
懐かしい場所で

いまのすべては
過去のすべて
必ず また会える
懐かしい場所で

いまのすべては
未来の希望
必ず 憶えてる
いのちの記憶で

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

ちなみに、「わらべ唄」の歌詞にある「せんぐり」とは、京ことばで【次々に 順番に 順繰り】という意味だそうです。

「天女の歌」の歌詞にある「まつとしきかば 今かへりこむ」は、百人一首 中納言行平の句にも登場します。映画本編でも台詞としてありました。【本当にあなたが待っていてくれるなら、すぐにでもここへ帰ってきます】と。

どの曲も歌詞にもメロディーにも日本の美しい響きを感じます。

 

《《《 速報 》》》 2015.1.21
Disc. 久石譲・高畑勲 『かぐや姫の物語 ~女声三部合唱のための~』

 

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かぐや姫の物語 サウンドトラック かぐや姫の物語 いのちの記憶

かぐや姫の物語 わらべ唄

Blog. 久石譲 オルゴールのシンフォニーできらめく冬を

Posted on 2013/11/23

2010年7月、久石譲作曲の映画音楽やCMソングをオルゴールやオルガンで演奏する特別展「久石譲。記憶の扉。~オルゴールが紡ぐノスタルジー~」が神戸市灘区のオルゴールミュージアム「ホール・オブ・ホールズ六甲」で開催されていました。

高さ5メートル、幅8メートルの日本最大級の自動演奏オルガンや、金属の円盤が回転することで音が出る「ディスクオルゴール」を使い、久石譲のCM音楽 / 映画音楽 / ジブリ音楽 が演奏披露されていたようです。

オルゴールの音色が紡ぎだす、情感溢れる久石譲の作品世界を楽むことができたこの特別展ですが、実は公式サイトにてその演奏を今でも聴くことができます。

幾度となく公式サイトYoutubeで聴いたことがありました。夏の催事だけあって、涼しげでいいなーと思って聴いていたのですが、改めてこの季節に聴いてみると、また感じ方も変わっていいなと思ったのでご紹介します。

映画「となりのトトロ」より「となりのトトロ」~映画「紅の豚」より「アドリアの海へ」~
映画「千と千尋の神隠し」より「ふたたび」 メドレー

サントリー緑茶伊右衛門CM音楽「Oriental Wind」

公式サイトYoutubeより

オルゴールらしい響きがステキです。どの曲も原曲とはまた違った印象を与えてくれます。これから冬に向かって寒くなります。クリスマスを演出する街やイルミネーション。そして冬ならではのピンと張った透明感のある空気。寒さと一緒に、こういったきらめいた風景やあたたかいぬくもり。

そんなこれからの季節にもピッタリなオルゴール・シンフォニーです。

ほかにも公式サイトでは、
映画「崖の上のポニョ」より「崖の上のポニョ」
映画「あの夏、いちばん静かな海。」より「SILENT LOVE」
映画「菊次郎の夏」より「Summer」~映画「魔女の宅急便」より「海の見える街」
などどれも有名な久石譲作品を貴重なオルゴールやオルガン演奏で楽しめます。

公式サイト〉〉六甲山ポータルサイト ROKKOUSAN.COM
「Sumeer」「Oriental Wind」「Silent Love」など5曲の演奏映像を視聴可能

ぜひのぞいてみてください。

寒い季節だからこそ、ワクワクしたいですね、あったまりたいですね。ぬくもりある家のなかで、子供たちと一緒に、恋人と寄り添いながら、そんなあったかい冬を迎えれますように。

六甲オルゴールミュージアム

Blog. 久石譲 「楽譜紹介ページ」 久石譲監修オリジナル・スコア と 楽譜検索 まとめ

Posted on 2013/11/8

久石譲の楽譜紹介ページを新設しました。

こちら ⇒ 久石譲ファンサイト 響きはじめの部屋 SCORE

久石譲作品はCDもたくさんありますが、同じように楽譜もたくさんあります。さらに楽譜は、難易度 / 演奏楽器 / 演奏形態 / アレンジなどによって多岐にわたります。多くの出版社から発売されているだけでなく、現在は楽譜ダウンロード販売なども充実していて、弾きたい曲を1曲からでも買えるようになりました。

久石譲の音楽を聴いて、「弾いてみたい!」と思う人は少なくないですよね。そしていざ楽譜を探そうとすると、あまりにもたくさんありすぎてどれを選んでいいのやら・・・と。

当サイトで紹介する楽譜は、久石譲本人の監修による、オリジナル・エディション楽譜です。それぞれの楽譜に、そのオリジナル音源となる参考CD作品も掲載しています。

久石譲の音楽・CDを聴いて、「この曲をこのとおりに同じように弾きたい」「この楽譜がほしい」と思う人は、やはりオリジナル・エディションがおすすめす。原曲と同調、同アレンジとなりますので、CDをお手本として練習もしやすいです。
※下記 注)参照

今回楽譜をまとめるにあたって、その種類の多さにびっくりしました。オリジナル楽譜としては現在12冊が購入可能です。その他オリジナル・エディション 久石譲監修のレンタル楽譜は割愛しました。オーケストラ・スコアや吹奏楽など、オフィシャルサイト公式発表ものも多いです。ショット・ミュージックが主に取り扱っていますのでそちらをご参照ください。

こちら ⇒ ショット・ミュージック株式会社 久石譲

 

実は今回楽譜をまとめるにあたって、もっとたくさんオリジナル楽譜があると思っていました。CDの作品枚数にしたら(おそらく200枚以上)、楽譜12冊は少ないなと。

でもよくよく振り返って整理していましたら、基本的にはスタジオジブリ作品をはじめとした映画作品が多いですし、またオリジナル・ソロアルバムも、ピアノ編成のみよりも、オーケストラ作品も多いです。

久石譲監修によるオリジナル・エディションは、サウンドトラック作品ではなくオリジナル・ソロアルバムからほぼ選ばれていますので、今回まとめたような楽譜のラインナップになるのだろうと思います。

またお気に入りの曲がピアノ曲ではない場合などは、いろんな出版社、編曲者から販売されている楽譜を手にとることになると思います。同じようにお気に入りの曲が、演奏したい楽器ではない場合も、いろんな出版社、編曲者から販売されている楽譜を手にとることになると思います。

当サイトでも、新設した楽譜紹介ページだけでなくInformationでも
新着楽譜販売情報 / レンタル楽譜開始情報も随時更新しています。

 

久石譲 楽譜の探し方 まとめ

 

注)
曲によっては、オリジナル・エディションながらCDと違うアレンジのものも多少あるかもしれません。その詳細は実際に楽譜を手にとったり、レビューなどを参考にしてみてください。

注)
同じようにピアノ譜でも、原曲がピアノのみではない編成の場合もあります。その場合、ピアノパートが再現されている場合と、ピアノ・ソロ用にアレンジしたものとあります。その詳細は実際に楽譜を手にとったり、レビューなどを参考にしてみてください。

 

久石譲 楽譜 score

 

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Blog. 久石譲 TV「読響シンフォニックライブ」 風立ちぬ初披露 レビュー

Posted on 2013/11/7

2013年8月28日に行われた「読響シンフォニックライブ」の公開録画(東京芸術劇場)からどれだけこの放送日を楽しみに待っていたか。

2013年11月6日 2:29-3:59 日テレ「読響シンフォニックライブ」 90分拡大版 です。

指揮:久石譲
演奏:読売日本交響楽団
朗読:樹木希林

[曲目]
久石譲/オーケストラストーリーズ「となりのトトロ」 朗読:樹木希林
久石譲/風立ちぬ
ベートーヴェン/交響曲第7番イ長調 作品92
ハチャトゥリアン/仮面舞踏会よりワルツ(アンコール)

 

90分拡大版だけあってたっぷりと堪能できました。

オーケストラストーリーズ「となりのトトロ」は、映画「となりのトトロ」のストーリーをもとに
音楽と朗読で綴るオーケストラ用にアレンジされた作品です。朗読によって物語が進められ、楽器紹介なども盛り込まれたオーケストラの魅力を楽しめます。

オリジナル作品はCD「オーケストラストーリーズ となりのトトロ」として2002年に発表され、朗読は、映画にてお父さん役の声優もされていた糸井重里さんでした。今回の樹木希林さんのバージョンもまた違う深みと味わい、楽しさがあってよかったです。

クライマックスの主題歌「となりのトトロ」フルオーケストラは、コンサートでもよく演奏されているおなじみの定番曲ですし、そのダイナミックさは圧巻です。また「さんぽ」での楽器紹介や、クイーカやフレクサトーンという珍しい楽器で、ススワタリなどを楽しくかわいらしく表現しているのも魅力的です。

今回25分におよぶこのオーケストラストーリーを聴きながら、あっ!CDと少しオーケストレーションが変化していることに気づきました。ちょうど10年近く前に発表した作品ですが、時を経て、演奏しつづけるなかで、楽曲も変化していってるんだなあ、と感心してしまいました。

CD版もおすすめですので、ぜひ聴いてみてください。

 

そしてそして!映画「風立ちぬ」の公開から、初披露となった「風立ちぬ」です。映画本編でもとても印象的なメインテーマ「旅路」です。「風立ちぬ サウンドトラック」ではこのメインテーマをモチーフにストーリー展開に合わせていろいろなバリエーションによって美しく奏でられています。

今回の初披露は、この「旅路」が音楽として、ひとつの楽曲として完結しています。どうしても映画では短いフレーズとして、そしてモチーフとしてのみ使われますが、このシンフォニックライブでは、5分程度の1曲の楽曲としてまとめられています。

オリジナルでは、アルトバラライカ、マンドリン、バヤンといったロシアの代表的な民族楽器が繊細なこのメロディーを奏でていますが、今回は久石譲本人によるピアノ演奏です。

☆メロディーが久石譲自身によるピアノ演奏バージョン
☆メインテーマ「旅路」がサントラ版のモチーフを紡ぎあわせたような楽曲としての完成版
☆小編成だった劇中音楽オリジナルから、大編成のフルオーケストラアレンジ

まとめると、このくらいの聴きどころ満載な初お披露目だったわけです。1度きりのコンサート演奏として、永久保存版ですね。

映画公開時から幾度となく聴いてきた「風立ちぬ」の音楽ですが、やっぱりいいです。不思議な曲なんですよね。いろんな顔を持っているというか、いろんな側面があるというか。昭和レトロな雰囲気もあり、イタリアの風や匂いもする、そして宮廷音楽のような品格。

今回の「風立ちぬ」より「旅路」のオーケストラ演奏を聴いてなお一層そういう印象が強くなりました。

 

他にも、普段あまり触れる機会の少ないクラシック音楽も優雅なひとときでした。

ベートーヴェン/交響曲第7番イ長調 作品92 は、いろいろなCM音楽や「のだめカンタービレ」でも印象的なとても有名な交響曲です。今回約38分におよぶ全楽章が聴けたのですが、随所に聴いたことあるフレーズも登場し、同じ交響曲のなかのモチーフだったのかと新発見することもたくさんありました。

ハチャトゥリアン/仮面舞踏会よりワルツ ドラマティックな素敵な曲でした。有名な曲なんですかね?また機会を見て、曲のことや作曲者のことも調べてみようと思います。

また久石譲インタビューではベートーヴェンの魅力についてこう語っています。

「西洋音楽史の中で最大の作曲家ですよね。あるモチーフを起用しだすと、これだけやりつくして徹底的に使用した上で、それが論理的なだけではないんですよね。すごく感覚的でもありすべての人間の要素を持っているので、どんな指揮者が演奏しようとベートーヴェンはベートーヴェンなんですよね。(第7番は)わかりやすいから一番人気がありますね。でもそういう分かりやすい面があるからすごく流れやすいんですよね。なので実は細かく書いてあるんですけれども、強弱・堅い音柔らかい音・音の重い軽い…そういうのをかなり徹底しないと意外に立体的に仕上がらない難しい曲だと思います。」

 

と、90分を大満喫した至福の時間でした。次はやはり生でコンサート会場で体感したくなりますね。もし今回のTV番組を見逃した方は、11月16日にもBS日テレにて放送予定ですので、そちらをチェックしてみてください。

8月28日の公開録画での演奏プログラムは
こちら ⇒ 読響シンフォニックライブ 公開録画 (東京芸術劇場)

公式サイト>>読響シンフォニックライブ

読響シンフォニックライブ 久石譲 オーケストラストーリーズ となりのトトロ 久石譲 風立ちぬ サウンドトラック

Blog. 宮崎駿監督引退発表は時代に対する一石

宮崎駿 引退会見 2

Posted on 2013/11/06

スタジオジブリ 宮崎駿監督の突然の引退発表と引退会見。それから早2ヶ月が経とうとしています。当時もこのビッグニュースに対してはいろいろと思うところがありました。「なんで もったいない まだやってほしい お疲れさまでした ありがとう・・・」いろんな思いがいちファンとして交錯していました。そして時間が経ちまたそのことをふと考えたりしていると、あの決断はすごいことだったのかもしれない、と思うようになってきました。

引退会見で記者から「なんで引退会見をするという経緯になったのか?」という質問に、「引退会見なんてそんな大々的にするつもりはなかった。自分はジブリの社員たちに引退を伝えたかっただけ。」だと。

確かにそのとおりです。今まで一緒に働いてきたジブリの仲間たちにまずは宣言をする。するとそこで終わることはなく、情報は外部に出てしまい、憶測だけが飛び交う。そうなるならいっそ引退会見という場を設けて自分の言葉で説明するほうがいい、という流れになるのはしごく普通です。

それなら、ジブリスタッフにも引退を宣言しなければいい。濁したままにすることもできたはず。

それもまた違うんだろうなと思います。そのままの延長線上で在籍し続けるということは、周りにも変な期待が滞留し続けます。いつかまた長編つくりだすのかな、次はどんな作品やるんだろう、
という身内でもその思いが常に念頭にあってしまいます。

引退を身内に宣言するということは、一区切りであり、今までジブリを引っ張ってきた人が事実上身をひく、つまりジブリスタッフにも危機感を煽るという効果をもたらします。そうすることで意識的にも無意識的にもあまりにも大きな存在である「宮崎駿」がいなくなる、新しい血が入り、新しい活力がみなぎるきっかけになる。そう思われたんじゃないかと思います。

そしてあの引退会見を開くという流れに。

もうひとつ思うのは。

あえて「引退宣言」をすることは芸術家としても賭けであり冒険だと思うのです。芸術家、クリエーター、アニメーターは、一生涯現役であり、死ぬ間際まで芸術家なのです。だからこそあえて「引退宣言」を公の場ですることは、自分の一部を切り取られたような、なにか失ってしまうような思いだったんじゃないかとも思います。まだ人生が終わっていない今の時点で、自分でその烙印を押してしまうような。

だからこそ、これからどういうクリエイトな活動をされようが、もし仮に長編映画をつくるとなったにしても、誰にも避難される所以はないはずです。だって芸術家は一生芸術家です。しいて言えば、今回の引退宣言で、宮崎駿監督は、スタジオジブリの宮崎駿から、一人の人間宮崎駿になったんじゃないかと。シンプルに、まっさらに、生まれたてのように。

エンターテインメント、大衆文化、興行成績、ジブリの発展・・・すべてを支え先頭で走り続けた監督宮崎駿から、真っ白から純粋無垢に創作活動に向き合える一人の芸術家に。

そう思うと、「引退宣言」をしないといけなかったのは、今の時代背景であり、そうなってしまった宿命を背負いながらも、自らの言葉で伝えた引退会見、時代に一石を投じた出来事だったように、振り返って思います。

これからどんな創作活動をされるか楽しみであり期待していますが、それは世間の、ファンの思いであり、勝手にこちらが思うこと。だからこれから、どんなことをされようと、どんな活動をされようと、ひとつの宮崎駿には区切りをつけたわけですから、受け手側も今までの延長線上で捉えずに批評せずに、新しいクリエーター宮崎駿さんとして受け入れていくことができる環境になることが一番いいんじゃないかなと思います。

長編であれ、短編であれ、また違った創作活動であれ、次に私たちが触れることのできる宮崎駿作品は、きっと新しい感動を与えてくれること、笑顔や温かいぬくもりをくれること、生きる今とこれからの未来に希望の光を射してくれることは、間違いないですから。

こういう思いもまた負荷になるのかもしれませんね。すいません。

芸術と大衆文化の境界線がなくなってしまっているようなこの時代、いち芸術家に時代のすべてを背負わせることは酷だと思います。宮崎駿監督の引退会見で印象的だった言葉「私は自由です」。
そうですよね。やるやらないも自由、どういうものをやるかも自由。そして受け手の解釈に一人一人の自由があるのと同じように、本来つくりだす芸術家にも表現の自由はもちろんあるわけです。その対等さを忘れてしまっているように思ってしまいます。

いつの時代も芸術家は、自分の表現したいものと時代との接点を探りながら、ひとつの作品として完成させて表現しているわけです。それに対して決して時代の拷問を受けるべきではない。

同じ時代に生きているからこそ、同じ時代の芸術家と一般社会、作品をとおしてつながり、感動し、共鳴できる喜びはかけがえのないもの。そういったシンプルなことに純粋な心を持ち感動をわかち合う。これが芸術と大衆文化を育てていける時代への布石になるんじゃないかと思います。

 

Blog. 映画「もののけ姫」 アシタカ旅立ちの音楽 制作秘話

Posted on 2013/11/3

1997年公開 スタジオジブリ作品 映画「もののけ姫」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

構想に16年、制作に3年をかけ、自然と文明の衝突というテーマに挑んだ作品で、公開当時、映画国内歴代興行成績の記録を塗り替え1位を記録した作品です。あれから16年経った今でも、歴代5位です。

この「もののけ姫」という作品に対して、スタジオジブリ鈴木プロデューサーはこう振り返っています。

「自分のためじゃなく誰かのために戦う。子どものころから、主人公はそういうものだと思っていた。ナウシカは風の谷の500人のために戦った。だから、納得がいった。観客として、主人公に共感するのは、その一点だった。」

「しかし、「もののけ姫」の主人公、アシタカは違う。アシタカは、誰かのためじゃなく、自分のために戦った。腕に痣あざの出来たアシタカは、体良く村を追い出される。痣あざは村人たちにとって忌まわしいものだった。」

「この時期を境に、その後のヒーローたちは、自分のための戦いを繰り広げている。いま振り返ると分かることがある。「もののけ姫」のころに、大きな時代の転換点があったのだと。」

 

なるほどなあと思います。ヒーロー像が時代とともに変化していると。そしてそんな『大きな時代の転換点』となったのが、映画「もののけ姫」であったと。

実は音楽についても同じようなことが言えるかもしれません。「風の谷のナウシカ」から一連の宮崎アニメの音楽を担当してきた久石譲ですが、「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「魔女の宅急便」「紅の豚」を経て、この「もののけ姫」の音楽は、作曲家としてのひとつの転換期だったという人もいるからです。

大きく作風が変わったということではないでしょうが、それほどまでに宮崎駿監督の構想から映画完成までのエネルギーに刺激され、音楽的にもそんな監督の期待と作品の世界観に応えるべく、新しい表現方法が開花した、そういう作品なのかもしれません。まさに作品トータルとして、発表された時代として、『大きな転換点』だったのかもしれませんね。

そして、当時を振り返る、「もののけ姫」の音楽に、こんな秘話があります。

本編前半でアシタカがタタリ神の痣を負い、村を旅立つことになるシーン。その旅立ちの音楽は、当然、アシタカの複雑な心境を表現しなければいけない。宮崎駿監督は久石譲に、そう依頼したそうです。

それに対して鈴木プロデューサーは悩んだそうです。

「それでいいのだろうか。たとえそうだったとしても、ぼくは、主人公の旅立ちはいつだって、勇壮さが必要だと思った。」

そんな鈴木プロデューサーの悩みを打ち明けると、久石譲は、二曲を用意したそうです。

鈴木プロデューサーはこの時の情景を、

「そしてふたつの曲が出来あがった。いずれ劣らぬ名曲だった。さて、どっちがいいだろうか。どちらにするか決めるとき、久石譲さんがぼくに目で合図を送った。宮さんは、迷うことなく勇壮さを選んだ。」

と振り返っています。

あのアシタカの旅立ちのシーンはとても印象的に記憶に残っています。まさかこんなエピソードがあろうとは。確かに、あのシーンには『覚悟を決めた者、決意を秘めた者の強い意志』を感じますし、旅が始まる勇壮さだけでなく、『運命を背負って生きていく覚悟を決めた者』の重みも感じます。

こんな話をしていると、また映画が観たくなってしまいますね。映画「もののけ姫」は、12月ついにブルーレイ化が決定しました。

当時の空気をそのままに、そしてさらに進化した映像美と高音響が今から楽しみです。
こちら ⇒ 2013/12/04 ジブリがいっぱいCOLLECTION 「もののけ姫」 Blu-ray DVD 発売決定

 

もののけ姫 時代の転換点

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Blog. 鈴木敏夫 「ジブリの哲学 -変わるものと変わらないもの-」 読書

Posted on 2013/11/1

スタジオジブリ・プロデューサーの鈴木敏夫さんの著書。過去にも数冊出してますが、わりと新しい本なのかな。スタジオジブリの過去から今に至るエピソードも満載。宮崎駿監督とのやり取りや作品ごとの製作過程の話、プロデューサーとしての話や仕事に関してももちろん。

それにしても、相当な映画や本を読んでいるんだなあと。しかも、その考察がすごい。思ってもみないような解釈、それを迷いなく言い切るんですね。なんでこういう発想ができるんだろうと思って読むと面白い。この人の考え方のバックボーンが知りたくなる、というか。

そしたら、このエッセイ集にもたくさんの著名な文化人が登場します。異文化・異世代の人たちとの交流によって培われてきたものなんだなあと。

もともとは、ジブリ作品が好き → 宮崎駿 → 鈴木敏夫プロデューサーと紐解いているのですが、またそこから“自分のなかのひっかかりや興味”が広がるんですね。

ちょうどいろんな角度から本を読んでいるせいか、時代小説しかり、とある専門書しかり、『日本という国のかたち 時代性 流行 文化』そういうのを過去の偉人たちが、どう時代をつくり、どう時代を考えていたか、そして未来を、というのが気になってきたんですね。

ある種、ループしてると思うんですよ、普遍性・大衆性・社会性 etc いろいろなものが。まさに 【すでに起こった未来】です。違和感のある言葉ですよね、未来なのに過去形の表現。これはP.F.ドラッカーの言葉と著書です。ちょっと話がそれるのでこの辺はまた別の機会に。

何を見て、何を考え、どう生きていくか。時代をどう捉えつづけるか、過去も、現在も、未来も。
ちょっと大それた雲をつかむような壮大なテーマのように聞こえますけど、そこは小さく自分なりに、です。

でもそういうのって自分の血肉になって活きてくると思うんですよね。歳でしょうか?!

そういう本との出会いや広げ方もおもしろいと思う今日この頃です。本著でも、時代性が反映される様々な芸術界の方たちとの話もあり。映画にとどまらず、絵画、音楽、文学、放送、メディア、出版、野球などなど。

そんな中でも強烈に影響を受けたと何回もエピソードを交え語っていた 堀田善衛さん 加藤周一さん この方たちのそれぞれの小説や作品を、近いいつか読んでみたいなと思っています。名前は聞いたことあるかなあくらいの無知なので、それだけでもこの本を読んだ収穫でしたね。

自分が影響を受けやすい人が、「強烈な影響を受けた」とお墨付きをしているわけですから、そこから広がる本も、おもしろくないわけがないだろうと。そんな本の読み方してたら、「読みたい本がない」なんて言う日が来るのかな!?とか思っちゃいますね。苦笑楽しいブックサーフィン・アナログサーフィンを続けていこうと思います。

 

ジブリの哲学 鈴木敏夫