Disc. 久石譲 『Encounter』 *Unreleased

2017年2月12日「ナガノ・チェンバー・オーケストラ 第3回定期演奏会」にて初演。

曲名:Encounter for String Orchestra
初演:2017年2月12日 長野市芸術館
演奏:久石譲(指揮)、ナガノ・チェンバー・オーケストラ(NCO)

 

「本当は別の曲を予定していたんです。でもオーケストラが物凄く優秀で、次世代を担う人たちが結集している。夏の第1、2回のコ ンサートも、メンバーたちが喜んでくれて、僕も嬉しかった。なので作曲家たる自分がこのオーケストラのために作品を書かないのは間違いだろうと思い、今回新作を作ることにしました」。

まだ内容は未定だが、「おそらく弦楽を主体にした作品になるだろう」との由。ナガノ・チェンバー・オーケストラのサウンドと技量を想定した初の作品だけに、大きな注目が集まる。

Blog. 「NCAC Magazine Opus.4」(長野市芸術館) 久石譲 インタビュー内容 より抜粋)

 

【2017.5追記】

2017年5月18日、19日開催「久石譲&ミッシャ・マイスキー」コンサート(台北)にて披露。

久石譲:Encounter for String Orchestra
数年前にフェルメール展が催され、その作曲を依頼されたのですが、僕の強い要望でエッシャーも展示されました。ミニマリストとしてはフェルメールよりも(もちろん好きですけど)だまし絵のエッシャーのほうに興味があったからです。その楽曲を中心に後に弦楽四重奏曲第1番を作曲しました。その第1曲がこの「Encounter」です。それをストリングオーケストラとして独立した楽曲にしました。この楽曲は2017年2月12日のナガノ・チェンバー・オーケストラ定期演奏会で世界初演されました。

レの音を中心としたモードによるリズミカルなフレーズがくり返されます。ややブラックなユーモアもありますが、変拍子と相まって曲の展開の予想はつきにくい、従って演奏もかなり難しいです。

曲のタイトルはエッシャーの「Encounter」という絵画(版画)からきています。もちろんインスピレーションも受けています。

決して重い曲ではないので、楽しんでいただけたら幸いです。

久石譲

(「JOE HISAISHI and MISCHA MAISKY」公式コンサート・パンフレット より)

 

 

【2018.9.2 追記】

「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ」にて披露。曲名は「Encounter」へ。

 

-続く「Encounter」はもともと弦楽のために書かれた曲ですね。

エッシャーのだまし絵からインスピレーションを得た「String Quartet No.1」という4楽章からなる弦楽四重奏曲の第1曲目です。それを後に、長野のチェンバー・オーケストラのために書き直しました。リズミックで、ちょっとブラックなユーモアのある曲。マーラーもシューベルトの弦楽四重奏曲を弦楽合奏用に直していますが、厚くなる部分と、ソロの部分をうまく活かしてよりダイナミックに作っている。僕もそこが一番大事だと思っています。

久石譲

 

Encounter 【AB】
ひとつのモチーフをもとに展開する楽曲。弦楽器のみで奏されるなか、主旋律の楽器を変えたり、ピッチカートなど奏法を変えたり、ユニゾンや合奏で厚みをましたり。それと並行して進行するミニマルのズレ。コンサート会場ならではの、音の前後左右、高低差、厚みや濃淡。決して聴きやすい楽曲ではないかもしれないけれど、おもしろいがつまった曲。

シューベルト:弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」も、最小限に削られ磨かれた四重奏版と、マーラーが編成を拡大し編曲した弦楽オーケストラ版。オリジナルを損なわない核は保ちつつ、作品の新しい持ち味や可能性を引き出しています。久石譲自身による「Encounter」のふたつの版も同じことが言えます。それは「厚くなる部分と、ソロの部分をうまく活かしてよりダイナミックに作っている。僕もそこが一番大事だと思っています」と語っているところにも、追求したかったこと、具現化された自信や納得のようなものを感じます。はやく音源化されたものが聴きたい作品です。

Blog. 「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2018」 コンサート・レポート より抜粋)

 

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