Disc. 久石譲 『Kiki’s Delivery Service Suite』 *Unreleased

2019年8月1日「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2019」にて世界初演。

 

Kiki’s Delivery Service Suite

Original Orchestration by Joe Hisaishi
Orchestration by Chad Cannon

Mandolin:Tadashi Aoyama
Accordion:Tomoni Ota

 

 

ー最後は「Kiki’s Delivery Service Suite」。

久石:
W.D.O.の第2期では宮崎駿監督作品を交響組曲にするシリーズを続けてきました。今年は「魔女の宅急便」です。

映画用に書いた曲というのは、台詞や物語の流れを踏まえ、音楽があえて語り過ぎないようになっています。さらにもともとこの作品は軽めのヨーロピアンサウンドを目指して作った曲です。それをシンフォニックな曲にしてしまうのは違うと思い、ずいぶん悩みました。今から30年前に書いた曲で、譜面もまともに残っていなかったのにも苦労しました(笑)。今回のツアーではアコーディオンとマンドリンの奏者を加え、映画の世界観を追体験しながら、音楽を存分に楽しんでもらえたら嬉しいですね。

(久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2019 コンサート・パンフレットより 抜粋)

 

 

Kiki’s Delivery Service Suite 【AB】
ジブリ交響組曲第5弾は映画『魔女の宅急便』。構成楽曲は次のとおりです(サントラTrack.No・曲名)。「1. 晴れた日に…」「3. 海の見える街」「5. パン屋の手伝い」「6. 仕事はじめ」「7. 身代わりジジ」「8. ジェフ」(前半部) 「9. 大忙しのキキ」「10. パーティーに間に合わない」「12. プロペラ自転車」「13. とべない!」「14. 傷心のキキ」「16. 神秘なる絵」「17. 暴飛行の自由の冒険号」「18. おじいさんのデッキブラシ」「19. デッキブラシでランデブー」「11. オソノさんのたのみ事…」。サウンドトラック全21曲中、主題歌2曲とTrack.2,4,15を除くほぼすべての曲が組曲化されていました。Track.2,4,15 も同じメロディで他曲にあるので、”All Music for KIKI” 完全版です!

弦14型(14.12.~ 7.)の対向配置による弦楽編成と、3管編成の木管楽器(フルート、オーボエ、クラリネットなど)、フルパワーの金管楽器各4本(トランペット、トロンボーン、ホルンなど)、さらには2奏者による鍵盤楽器(ピアノ、チェレスタ、キーボード)の弾き分け、マリンバ、ヴィブラフォン、シロフォン、グロッケンシュピール、ハープ、カスタネットも、そしてマンドリンとアコーディオンまで編成された、『魔女の宅急便』のためのフルスペック・フルオーケストラです。

「晴れた日に…」オーケストレーションもパワーアップして冒頭からマンドリン、アコーディオンも登場し一気に世界に誘われます。このふたつの楽器は、メロディに伴奏にと全編とおして大活躍でとても大切な組曲エッセンスになっていてニンマリしてしまいます。「海の見える街」『久石譲 in 武道館』『久石譲 in パリ』『Works IV CD』『WDO2018版』これらのすべてを踏襲していない、あくまでもサウンドトラックを基調にしたヴァージョンにはびっくりしました。「身代わりジジ」クラリネット、トランペット、バストロンボーンがフィーチャーされ絡み合う独奏を立って披露、イベント感あるとても楽しい演出です。ホンキートンク・ピアノ(少しチューニングが狂ったような音色を出す)がポイントのこの曲はキーボードでしっかり聴くことができます。「ジェフ」チューバの愛くるしいメロディはじめ金管楽器メインの前半部分を抜粋。「大忙しのキキ」『久石譲 in 武道館』での「海の見える街」後半部分の6/8拍子スイングはここでたっぷり登場します。「プロペラ自転車」冒頭からキーボードであの伴奏リズムがしっかり聴かれ、後半は管楽器のフレーズも追加されていたような。「神秘なる絵」オカリナによる美しいソロとそのあと広がる三和音の神秘ハーモニーにはうっとり。オカリナは音程を合わせるのがとても難しい楽器、完璧を超えて身を委ねてしまうほどの美音に包まれます。「 暴飛行の自由の冒険号」「おじいさんのデッキブラシ」「デッキブラシでランデブー」息つくひまもないスリリングとスペクタクルで圧巻。音楽だけだからこそできる怒涛のたたみかけ。「オソノさんのたのみ事…」WDOコンサートマスター豊嶋泰嗣さんのヴァイオリンソロと久石譲ピアノも華を添えます。『久石譲 in 武道館』では「かあさんのホウキ」となっているあの曲です。組曲での曲名もこちらでしょう。永久保存版映像で親しまれている武道館演奏も、もちろん豊嶋泰嗣さんです。エバーグリーンなパフォーマンス、涙モノです。

 

すべての曲について感想書けるほど覚えていませんので印象に残ったポイントだけになりました。それでも、ぜひサウンドトラックから構成楽曲でプレイリストをつくってみてください。これがフルオーケストラで組曲になったのかあ!イメージふくらませるたびに感動します。

サウンドトラックから16曲も!と思いながら聴きかえすと、たしかに原曲は短い曲が多い。たとえば、『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『天空の城ラピュタ』などは映画音楽を越えてシンフォニー音楽作品としてもCD化されてきました。だから組曲を構成する1楽曲が長いものもあります。一方で、『魔女の宅急便』は映画の世界観をそこなわない忠実なアップデートとしたときに、この方法が一番良いとなったんだと思います。イメージアルバムもシンセサイザーで組み立てられていたので、今回のオーケストラベースの組曲化は相当に大変だったと思います。当時と感覚も違うでしょうし、だからといって今の手法やスタイルを持ちこんでもうまく合わないでしょうし。

大満足しています。『魔女の宅急便』音楽ってこんなにもメロディの宝庫だったんだなって思えるほど、ひとつひとつの曲がはっきりしていて、とにかく楽しいです。イベント感やフェスティバル感といった華やかさもあって、にぎやかなヨーロッパの街にいるよう。これは海外公演でも人気出るだろうなあ。野外フェスとかで聴いてみたい。よく海外で行われているオーケストラの野外フェスティバル、自然のなかで芝生に腰おろしてリラックスして楽しんでいる光景、そんなのいいなあ。

Blog. 「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2019」コンサート・レポート より抜粋)

 

 

Kiki’s Delivery Service Suite
宮崎駿監督作品の交響組曲化の第五弾は魔女の宅急便。

構成曲は
1.晴れた日に…
2.海の見える街
3.パン屋の手伝い
4.仕事はじめ
5.身代わりジジ
6.ジェフ
7.大忙しのキキ
8.パーティーに間に合わない
9.プロペラ自転車
10.とべない!~傷心のキキ
11.神秘なる絵
12.暴飛行の自由の冒険号
13.おじいさんのデッキブラシ
14.デッキブラシでランデブー
15.かあさんのほうき

会場でメモ書きしながら聴きましたが、抜けている可能性もあります…

全体的にヨーロピアンテイストを感じられる楽曲が多い作品で、サントラの雰囲気はそのままに壮大なシンフォニーに生まれ変わっていました。マンドリン、アコーディオン奏者も加わり、よりサントラの世界観に沿った形となりました。

1.晴れた日に…での「ファー、ソー、ラー♭」と一気にオケの音色が花開くところは圧倒されてしまいました。

2.海の見える街では、コンサートでの定番となっている『Kiki’s Delivery Service 2018』等でのアレンジがあまり継承されずに、サントラに沿った形になっていました。そのため後半のスパニッシュワルツのパートは若干短くなっていました。

5.身代わりジジでは、クラリネット、トロンボーン、トランペットのソロ奏者が立ち上がって演奏する場面も。

9.プロペラ自転車では、シンセサイザーメインの楽曲が見事にオーケストレーションされ、まったく違和感なく構成されていました。

10.傷心のキキでは、アコーディオンがキキの心を表現するようにしっとりと演奏されているのが印象的です。

11.神秘なる絵ではシンセの部分にオカリナが登場し、柔らかい音色が会場を温かく包み込みます。

13.おじいさんのデッキブラシは、オケの力強い迫力がピッタリの楽曲。映画終盤でのスリリングなシーンを彷彿とさせてくれました。

15.かあさんのほうきでは、久石さんもピアノ演奏も加わり、豊嶋さんの美しいヴァイオリンソロが会場を包み込みました。アレンジとしては武道館で披露されてものが近く、組曲の最後にふさわしい極上の仕上がりでした。

Overtone.第24回 「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2019」コンサート・レポート by ふじかさん より抜粋)

 

 

 

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