Disc. 久石譲 『(地球のきもち)展示映像音楽』 *Unreleased

1998年11月5日 開館

 

東京ガス環境エネルギー館 展示映像音楽「地球のきもち」

 

Open! のぞいてごらん 地球のちもち。

11月5日に東京ガスの”環境エネルギー館”が横浜にOpenします。『環境・エネルギー・都市』をテーマに、様々な施設やプログラムを繰り広げるパビリオンです。施設内のアミューズメント・シアターでは”地球の営み”をテーマに臨場感あふれる画面が展示されます。このシアターのテーマ音楽を久石さんが担当、雄大なイメージの音楽が生まれました。是非、見学にお出かけください。

「環境エネルギー館」のご案内
開館時間/9:30~17:00 (入館は16:30)まで
休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始
入館料/自由見学になりますので、無料です

(久石譲ファンクラブ会報 NEWS WONDER2 No.30 より)

 

Disc. 久石譲 『(和歌山マリンファンタジー)テーマ曲』 *Unreleased

1998年8月7日 イベント開催

 

和歌山マリーナシティにて夏開催イベント「和歌山マリンファンタジー」。様々なイベントのなか、”音と光の協奏曲 マリンファンタジーショー”は久石譲の音楽による”光のファンタジックワールド”。光のシンボルオブジェが海上に浮かび、輝くイルミネーションが音楽と連動し様々な演出を繰り広げるというもの。

開催期間:1998年8月7日~8月16日 入場無料
開場:午後5時~午後11時/点灯時刻:午後7時15分頃

マリンファンタジー 上演スケジュール
8月7日オープニング 午後7:30/9:00/10:00
8月8日~13日・15日 午後7:15/7:45/9:00/10:00
8月14日・16日 午後7:15/9:00/10:00

 

Disc. 久石譲 『長野パラリンピック支援アルバム HOPE』

久石譲 『長野パラリンピック支援アルバム HOPE』

1998年2月25日 CD発売 TKCA-71348

 

HOPE  NAGANO PARALYMPICS 1998 TRIBUTE

 

 

”HOPE” Note 久石譲

98年3月、長野パラリンピック冬季競技大会が行われる。身体障害者のためのもう一つのオリンピックである。選手がそれぞれの肉体の限界の挑戦するこの大会は多くの人々に感動と希望を与えてくれる。

文化イヴェント総合プロデューサーとして3年間参加してきた私は、一音楽家として何ができるかを考えた末、このアルバムの制作に取りかかった。

多くのアーティストが参加して(それは容易なことではないのだが)それぞれの個性的な楽曲で応援のメッセージを伝えてくれた。

その他、各レコード会社、スタジオ協会など、数えきれないほど多くの人々の善意によってこのアルバムが完成した。

売り上げは障害者のスポーツ振興のために役立てられる。それが、たとえひとひらの雪のように小さなものであっても、積もれば世界を変えてゆくことができると私は考える。

より多くの人々に聞いてほしい。

(CDライナーノーツより)

 

 

「HOPE」

長野パラリンピックは、アジアで初めて開催される冬季競技大会であり、20世紀最後の大会となります。大きな時代の変わり目の時、開会式は希望「HOPE」をテーマにしました。

そして、このテーマの出発点となったのが、フレデリック・ワッツの描いた一枚の絵「HOPE」です。今回このアルバムに参加して頂いたアーティストには、この絵を見てもらったイメージから新曲を作って頂いたり、演奏して頂いたりしています。

 

HOPE 地上の楽園

GEORGE FREDERIC WATTS with assistants
Hope 1886
Oil on canvas 142.2 x 111.8 cm
Tate Gallery (NO1640)
Presented by the artist 1897

(CDライナーノーツより)

 

 

「パラリンピックの文化イベントの総合プロデューサーをやっていて、それなりに自分では十分やってたと思っていたんですけど、10月に、たまたまテレビでドキュメンタリーで清水さんという、パラリンピックの選手を20年間ボランティアで追い続けている人のドキュメンタリーを見て、感動しましてね。オレはまだ音楽家として、ちゃんとやることをやっていないかもしれないと、急に思い立って。それが去年の暮れ。でもどう見ても時間がないわけですよ。仕事っぽくなるのも嫌だったから、事務所を通さずに一人一人電話して、こういう趣旨でというのを説明して口説いて、それで始まったんですけどね」

「そのテーマ曲『旅立ちの時』を彼が朗読して、僕がピアノを弾く予定だったんですよ。そのつもりでスタジオに入ったら『旅立ちの時』のイントロともいえる、まったく新しい詩を書いた詞で臨んできたんです。気合が入ってるなーと思って、ドリアンさんの朗読と僕のピアノだけの、ほかは一切使わない一騎打ち勝負の『鮮やか』という新曲を2人で録りました」

「これがうまかった。猿岩石の『上を向いて歩こう』がすごくいい。4PMとか長渕さんとか、いろんな『上を向いて歩こう』があるけど、それとはまったく違う素朴さがあって、ストレートな青春ソングというか、すごくいい上がりでしたね。今まで聞いた『上を向いて歩こう』の中では一番好きですね」

Blog. 「ダカーポ 1998年2月18日号 NO.391」久石譲インタビュー内容 より一部抜粋)

 

 

「今回、長野パラリンピックのトリビュート・アルバム『HOPE』を作ったときに、ポップスの人から、ジャズ、クラシック、いろんなジャンルから参加していただきました。クラシックでは藤原真理さんと、オーボエの茂木大輔さん、カウンターテノールの米良美一さん、和太鼓の林英哲さんです。

で、どの曲をやろうかという段階で、チェロとピアノでは不可能かなと思いつつ、アダージェットをやってみたいという提案をしたんですね。真理さんと改めてもう1回聴いてみて、はたしてこれはチェロとピアノになるんだろうか、どうなるかわからないけれども、とにかく置き換えてみます、と編曲を始めたんです。

ところが、弦のスタティックな曲だから、音符がのびないとサマにならないんですね。弦は音を延ばすことは可能だけれども、ピアノはどうしても音が減衰していっちゃいますからね。原曲の響きや世界観をいかに変えずにピアノに置き換えるかで、ずいぶん苦しんだんですよ(笑)。そのレコーディングは相当うまくいって、これからきっとチェロの人のレパートリーに入るんじゃないか、それくらいのアレンジはできたし、自分も納得してるんです。もちろん原点にあったのは、あのアダージェットという楽曲の持っているすばらしさです。」

Blog. 「音楽の友 1998年4月 特大号」久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

 

 

 

久石譲 『長野パラリンピック支援アルバム HOPE』

1. 旅立ちの時 ~Asian Dream Song~ / 宮沢和史 with 久石譲
作詞:ドリアン助川 作曲・編曲:久石譲
2. 上を向いて歩こう / 猿岩石
作詞:永六輔 作曲:中村八大 編曲:久石譲
3. waltz / 池田聡
作詞:井上睦都実, 池田聡 作曲:池田聡 編曲:久石譲
4. 愛の木 / 加藤登紀子
作詞・作曲:加藤登紀子 編曲:久石譲
5. 悲しくてやりきれない / 加藤和彦, ムッシュかまやつ
作詞:サトウハチロー 作曲・編曲:加藤和彦
6. 君のさがしもの/ EPO, 桜井鉄太郎
作詞・作曲:EPO 編曲:桜井鉄太郎
7. 言い出せずにいるけど -LET IT SHINE ON YOU / 上田正樹
作詞・作曲:上田正樹 編曲:朝本千可
8. Bolero / 林英哲,茂木大輔
作曲:M.ラヴェル 編曲:久石譲
9. PRIMITIVE / 近藤等則
作曲・編曲:近藤等則
10. Ave Maria / 米良美一
作曲:G.カッチーニ 編曲:長生淳
11. Adagietto ”マーラー交響曲第五番第四楽章” / 藤原真理, 山洞智
作曲:G.マーラー 編曲:久石譲
12. 鮮やか ~Asian Dream Song~ / ドリアン助川 with 久石譲
作詞:ドリアン助川 作曲・編曲:久石譲

Produced by 久石譲
Except (M-5) by 加藤和彦

 

Disc. 宮沢和史 with 久石譲 『旅立ちの時 ~Asian Dream Song~』

旅立ちの時 久石譲

1997年9月10日 CDS発売 TODT-5042

 

長野パラリンピック冬季大会テーマ・ソング
作詞:ドリアン助川 作曲/編曲:久石譲 歌:宮沢和史

 

 

“雄大なるアジアの中の日本”

「滔々と流れる黄河 人を寄せつけないヒマラヤの山々 砂漠の民ベドウィン インドの 過去から未来に連なる永遠の流れ モダンで ほんとうはヨーロッパよりも深い歴史と近代性をもっていた日本 僕はアジアの一員で しかも日本人であって ほんとうによかった」
(久石譲 Asian Dream Song メモより)

 

 

旅立ちの時 ~Asian Dream Song~
作詞:ドリアン助川 作曲・編曲:久石譲 歌:宮沢和史

君の瞳に 花開く
夢をかなでる 心
風に吹かれるこの道さえも
星明りに照らされ
今 ただ一人歩こう

胸を震わせるときめきを
空と大地に歌おう
哀しみも笑顔もぬくもりも
熱い思いに揺れて
今 抱きしめて歩こう

旅立ちの勇気を
地平線の光りと分かち合うこの時
微笑みながら ふりむかずに

夢をつかむ者たちよ
君だけの花を咲かせよう

争いの日々を乗り越えて
青空に歌う時
かけがえのない命のはてに
名もない花を咲かそう
今 地球(ここ)に生きる者よ

旅立ちの勇気を
虹色の彼方に語りかけるこの時
微笑みながら ふりむかずに

夢をつかむ者たちよ
君だけの花を咲かせよう

夢をつかむ者たちよ
君だけの花を咲かせよう

(歌詞:シングルCD掲載オリジナル 書き起こし)

 

 

「曲を書いた後、ドリアンさんと何度か打ち合わせを重ねて、詞が生まれました。歌は宮沢君の『島唄』を聴いて、アジアを表現できる人だと思いお願いしました。そしたら、パラリンピックなら是非やりたいという返事もらって。すごく嬉しかったですね」

Blog. 「週刊ポスト 1997年9月19日号」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

 

 

2. Asian Dream Song -Instrumental-
『Piano Stories II』に収録されたピアノ&弦楽によるオリジナル版インストゥルメンタル・ヴァージョンではない。このシングルにのみ収録された貴重な音源である。構成は歌曲化された1.で新たに加えられた大サビは除かれている。つまり、楽曲構成はオリジナル版のかたちをとりながら、音はシンセサイザーのみで作られている。アレンジは1.に近いが、生楽器や生ドラムからをもすべてシンセサイザー音源に変更されている。また民族音楽のようなコーラスやサンプリングも多様されている。同時期に「Kids Return」や「パラサイト・イヴ」といったデジタル楽器を駆使した作品を作っているが、その大きな流れのなかのひとつにあった時代の作品とみることもできる。

 

 

 

 

旅立ちの時 久石譲

1.旅立ちの時 ~Asian Dream Song~ 歌:宮沢和史
2.Asian Dream Song -Instrumental-
3.旅立ちの時 ~Asian Dream Song~ (オリジナル・カラオケ)

 

Disc. V.A. 『第51回国民体育大会開・閉会式 式典音楽記録集』 ※非売品 *Unreleased

1996年 CD 非売品

 

1996年ひろしま国体、会場を実況録音したものから音楽集として集めたものである。

 

ひろしま国体の式演出を務めていた映画監督大林宣彦氏の声かけのもと、久石譲も大会イメージソング「砂漠のバラ」を作曲し提供している。(補作詞:大林宣彦)

 

 

 

このCDにも「砂漠のバラ」の行進曲が複数収録されているが、編曲者は異なる。

 

(CDライナーノーツより)

 

(CDジャケット)

 

 

Disc.1
夏季大会開会式
1.音楽隊紹介
2.競技役員団入場
3.開式通告
4.役員・選手団入場
5.開会宣言
6.国旗掲揚
7.大会旗・日本体育協会旗・競技団体旗掲揚
8.広島県旗・都道府県旗・会場地市町村旗掲揚
9.大会会長トロフィー返還
10.大会会長・文部大臣あいさつ・歓迎のことば
11.皇族のおことば
12.選手代表宣誓
13.閉式通告
14.役員・選手団退場

夏季大会閉会式
15.音楽隊紹介
16.競技役員団入場
17.開式通告
18.役員・選手団入場
19.表彰状授与
20.国旗降納
21.大会旗・日本体育協会旗・競技団体旗降納
22.広島県旗・都道府県旗・会場地市町村旗降納
23.大阪府旗掲揚
24.閉会宣言
25.閉式通告
26.役員・選手団退場

秋季大会閉会式
27.日体協旗・競技団体旗・競技役員団入場
28.開式通告
29.役員・選手団入場
30.成績発表・表彰状授与
31.炬火納火
32.大阪府旗掲揚
33.閉会宣言
34.閉式通告

Disc.2
秋季大会開会式
1.音楽隊紹介
2.式典前
3.日体協旗・競技団体旗・競技役員団入場
4.天皇陛下・皇后陛下御着席
5.開式通告
6.役員・選手団入場
7.開会宣言
8.国体旗引継
9.大会旗・炬火入場
10.炬火点火
11.国旗掲揚
12.大会旗・日本体育協会旗・競技団体旗掲揚
13.広島県旗・都道府県旗・会場地市町村旗掲揚
14.大会会長・文部大臣あいさつ・歓迎のことば
15.天皇陛下のおことば
16.選手代表宣誓
17.閉式通告
18役員・選手団退場

夏季大会開会式:平成8年(1996年)9月8日(日)
夏季大会閉会式:平成8年(1996年)9月11日(水)
(福山市緑町公演屋内競技場)

秋季大会開会式:平成8年(1996年)10月12日(土)
秋季大会閉会式:平成8年(1996年)10月17日(木)
(広島広域公演陸上競技場)

録音:夏季大会/財団法人ヤマハ音楽復興会 秋季大会/ティーオーエー株式会社
(録音は、会場での実況録音のため、雑音や音の乱れがあります。また、時間の関係で部分的にカットしております。)

企画・制作:第51回国民体育大会広島県実行委員会

 

Disc. 久石譲 『PIANO STORIES II ~The Wind of Life』

久石譲 『PIANO STORIES 2』

1996年10月25日 CD発売 POCH-1604

 

 

【MEMORANDUM】

Friends
子供の頃思った。「お酒飲んでたばこ吸って、それにカウンターに座って寿司だっていつか食べてやる」気づいたらバーの片隅に一人座っていた。

Sunday
日曜日の午後、ふらっと画廊を訪れるのもよい。スコーンととびきり上等のアフターヌーンティーを飲みながら眺めるワッツの絵画は、本物の英国の香りがする。

Asian Dream Song
滔々と流れる黄河、人を寄せ付けないヒマラヤの山々、砂漠の民ベドウィン、インドの過去から未来に連なる永遠の時間の流れ、モダンでほんとうはヨーロッパよりも深い歴史と近代性をもっていた日本。僕はアジアの一員でしかも日本人であってほんとうによかった。

Angel Springs
6年間もあるウイスキーのコマーシャルにつき合った。何も足さない、何も引かない、このコンセプトは美しい。人が手を加えないことは現代では極めて難しい。例えばひとりの少年がいる。手を加えて型にはめるより、ほうっておいて発酵するのを待つ。もしかして天才が生まれるかも知れませんよ。

Kids Return
ミニマルミュージックの香りのする青春音楽。クールでどこか切なげ、ワイルドで繊細、淡々としているのに衝撃的、二律背反の世界、それが僕だ。僕の白は限りなく黒を連想させ、優しさは限りなく毒を含んでいる。見せかけのヒューマンは独裁者の心を隠し、愛と感動のメロディーは限りなく前衛の心の鎧となる。

Rain Garden
ふと、ラヴェルが弾きたくなった。その響きが心に微かな波紋となって広がっていく。フランス印象派は空ろいゆく時の陽炎(かげろう)。

Highlander
地図で見る英国は左の上の端にある。そのまた上の方にHighlanderがある。寒くて荒涼とした土地、手が届きそうに低く垂れ下がった天空。ケルトの里は何処か毅然としていて生きる厳しさと尊さを教えてくれる。

White Night
夕暮れ、密やかに闇が訪れ、家々の窓には灯がともる。空からは軽やかなダンスを踊っているかのような温かい(心の)雪が舞い降りている。もしかしたらマッチ売りの少女は幸せだったんだ。

Les Aventuriers
「冒険者たち」という映画があった。男はこの言葉が好きだ。冒険に乗りだす時の昂揚感、細心の注意と計画。大胆にも繊細な神経、思いがけない緊張感。でも実際の映画はふたりの男と一人の女の友情と愛情の物語り。はしゃぐ大人たちは幼稚な子供心を引きずったピノキオ。でもリノバンチュラだったら良いか?
PS.演奏が難しすぎた。プロのミュージシャンがほとんど弾けなかった。5拍子なんて人間の生理に合わないのか?でも「Take 5」や「Mission impossible」はとても心地良いのに…。ええい!一気の緊張、極限のスイードもありなんだよ。

The Wind of Life
日々の積み重ねの上に人の一生は成り立つ。淡々と繰り返される日々、でもその日々が大変だ。泣いたり怒ったり絶望したり歓喜の涙をこぼしたり誠に忙しい。でも同じ日は二度と来ないのだから日々を受け入れ真摯な精神で生きる事が肝心だ。生命の風、人の一生を一塵の風に託す。陽は昇り、やがて沈む。花は咲き、そして散る。風のように生きたいと思った。

(【メモランダム】 久石譲)

 

 

 

「難しかったんだよね。それまでガッチリとコンセプトを組んできたんだけれど、最後の最後で自分を信じた感覚的な決断をしたということです。あの弦の書き方って異常に特殊なんです。普通は例えば8・6・4・4・2とだんだん小さくなりますね。それを8・6・6・6・2と低域が大きい形にしてある。なおかつディヴィージで全部デパートに分けたりして……。チェロなんかまともにユニゾンしているところなんて一箇所もないですよ。ここまで徹底的に書いたことは今までない。結果として想像以上のものになってしまって、ピアノより弦が主張してる……ヤバイ……と(笑)。」

「僕は戻りって性格的にできないし、オール・オア・ナッシングなんですね。時代って円運動しながら前へ進んでいると思うんですが、自分にとってのミニマルとか弦とか、原点に立ち返るというのは前に戻るのではなく、そのスタイルをとりながら全く新しいところへ行くことだと。そうでなければ意味がない。単なる懐古趣味に終わってしまうでしょう。ピアノというコンセプトでソロアルバムを作るということに変わりはなかったけれども、思い切りターボエンジンに切り替える必要があったわけです。」

Blog. 「キネマ旬報 1996年11月上旬特別号 No.1205」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

「8年前に出した時は、打ち込みを多用して音楽を作っていた時期だった。その時に、あえて「今自分ひとりで何ができるか」と立ち返ったのがピアノだったんです。つまり、いちばんピュアな音楽をやろうと思って作ったのが『Piano Stories』だった。そしてもう1度今、自分にとっていちばん原点になるべきものはなんだろうと考えたら、「ピアノとストリングスをメインにしたアルバム」だろう、ということになった。この1~2年ずっと考えていたことです。タイトルを『Piano Stories II』にしたのは、これが精神的に前作とつながるからです。」

「たとえば、クロノス・カルテットでジミ・ヘンドリックスの「パープル・ヘイズ」をやってますよね。僕もいろいろとリズムを作ってレコーディングをするからよくわかるんだけど、(リズムを)キープする楽器がない時って、実はすごく大変なわけ。でも、ドラムを入れてしまえばリズムがまとまるというものでもなくて、(そのドラムに)寄りかかってしまうわけだから、逆にそこからは細かいニュアンスって出てこない。弦楽カルテットとか今回のような編成の時は、そうとうしっかりしないとリズム・キープもまともにできない。だからみんな避けてしまうけど、あえて大変なところに今回は挑みました。ポップスの人がよく思い浮かべる弦楽カルテットは、ビートルズの「Yesterday」のバックとか(笑)そういう清らかなイメージかもしれない。でも、実は「Kids Return」のようにゴリゴリしていてすごく大変なリズムもある。中途半端にリズムが入っているものよりずっとワイルドな感じが出るんです。そういう方向でやってみたんですよ。」

「「Les Aventuriers」ですね。先日のリサイタルではやりませんでしたが、11月の赤坂Blitzではやりますよ。そうとう(演奏が)厳しいから(笑)。ソロ・アルバムの弦の音はずっとロンドンで録ってきていたので、日本で作ったのは本当に久しぶりなんです。それで、ちょっと”浦島太郎状態”になっちゃった曲です(笑)。つまり言い方はへんなんだけど、日本の(弦の)人たちはうまいけど、リズムが違うんですよ。僕が弦に託しているのは、打楽器扱いの弦みたいなリズミックな部分が大きいんです。そういうニュアンスが当たり前と思っていたんですが、それなりの訓練をしないと無理なわけで…。そのあたり、思いのままにはできなかったのでちょっと残念でしたけどね。」

「「Rain Gaeden」ですね。クラシックですよね。意外なんだけど、フランス印象派みたいなピアノ、ドビュッシーとかラベルとか、あのへんのラインを今まであまり自分の作品に取り入れていなかったんです。好きなんだけど、なぜかなかった。ただこのところ個人的に、練習のためにラベルとかクラシックをよく弾いているんです。ラベルのソナチネなんか弾いていると、自分がすごく好きだということがよくわかる。その中で出てきたアイディアで、たまたまこういう曲ができたんです。」

Blog. 「KB SPECiAL キーボード・スペシャル 1996年12月号 No.143」久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

The Wind of Lifeは、「JOE HISAISHI PIANO STORIES 2000 Pf solo & Quintet」コンサートなどにおいて、原曲とは少し異なるアレンジ(和音)にて演奏されている。

 

 

 

 

久石譲 『PIANO STORIES 2』

1. Friends (トヨタクラウンマジェスタCMより)
2. Sunday (NHK「日曜美術館」テーマ曲)
3. Asian Dream Song (TOTATAカローラCMより / 1998年長野パラリンピックテーマ曲)
4. Angel Springs (サントリーウイスキー 山崎CMより)
5. Kids Return (映画「キッズ・リターン」より)
6. Rain Garden
7. Highlander
8. White Night
9. Les Aventuriers
10. The Wind of Life

Musicians
Pan Strings
Yuichiro Goto String Quartet
Daisuke Mogi(Oboe)
Takashi Asahi(Flute)
Masayoshi FUrukawa(Guitar)
etc.

Recorded at:
Wonder Station
Victor Studio
Sound City

 

Disc. 森公美子 『砂漠のバラ』 ※非売品 *Unreleased

1995年 CDS 非売品

 

ひろしま国体 平成8年(1996)開催
イメージソング「砂漠のバラ」

作詞:井野口慧子 補作:大林宣彦 作曲:久石譲 歌:森公美子

 

のびやかで晴れやかな楽曲。バンドサウンドで親しみやすいポップスに仕上がっている。カップリングは、バッキング・サウンドは1.と同じで、メロディをエレクトリック・ピアノに置き換えたもの。

CDにはメロディー譜別紙も収められている。

 

 

なお大会開催に合わせて「第51回 国民体育大会 開・閉会式 式典音楽使用曲集」も制作されている(非売品)。このCDアルバムに「行進曲 砂漠のバラ」が収録されている。久石譲作曲テーマ曲を行進曲用にアレンジしたものである。ただし編曲者は異なる。

 

第51回 国民体育大会 開・閉会式 式典音楽使用曲数 砂漠のバラ 1

第51回 国民体育大会 開・閉会式 式典音楽使用曲数 砂漠のバラ 2

 

 

また、式典を会場で実況録音した音楽集も記録として残されている。

 

 

 

 

砂漠のバラ 久石譲 sc

1. 砂漠のバラ
2. 砂漠のバラ (インストゥルメンタル)

 

Disc. 久石譲 『如水館中学・高等学校 校歌 水のように』 *Unreleased

1994年4月1日 開校

 

如水館高等学校の開校にあわせて久石譲が校歌を作曲している。

 

なお、如水館中学・高等学校ホームページにて試聴できる。

 

如水館中学・高等学校校歌「水のように」

詩:大林宣彦 曲:久石譲

歌・吹奏楽 バージョン

歌・ピアノ バージョン

ピアノ伴奏のみ

公式サイト:如水館中学・高等学校|校歌・応援歌
http://www.josuikan.ed.jp/about/schoolsong

 

 

また、8cmシングル(PSCD-001 非売品)では大林宣彦監督が歌唱している録音がある。コーラスで久石譲も参加している。c/wはオリジナル・カラオケ。校歌らしからぬポップスなテイストに仕上がっている。「演奏:久石譲」となっているが打ち込みデジタルサウンドではなく、生バンド+ピアノ+シンセサイザーで作られている。

 

(CDSジャケット)

 

 

 

Disc. 久石譲 『効果音楽シリーズ ミュージック・エフェクト・コレクション 1-10』

1978年6月 EP発売
1992年10月1日 CDS発売

 

効果音楽シリーズ 全10作品
EP盤:効果音楽ライブラリー (1-10)
CD盤:ミュージック・エフェクト・コレクション (1-10)

ステレオ新録音
名場面を演出する コロムビア効果音楽ライブラリー
監修・構成:羽仁進 音楽:久石譲

 

 

ミュージック・エフェクト・コレクション 1 季節の詩

CDS:CODG-81
EP:GH-41

1.花のワルツ
2.春の風
3.青い空
4.初夏
5.暑い夏
6.秋の曲
7.枯葉
8.冬
9.銀世界

ミュージック・エフェクト・コレクション 1 季節の詩 sc

 

 

ミュージック・エフェクト・コレクション 2 レジャーと活動

CDS:CODG-82
EP:GH-42

1.旅のアルバム
2.楽しい集い
3.野山を行く
4.旧友再会
5.家族団らん
6.祝福
7.スポーツの喜び
8.村の祭り
9.成長の思い出

 

 

ミュージック・エフェクト・コレクション 3 自然と風景

CDS:CODG-83
EP:GH-43

1.雄大な風景
2.海の情景
3.さびしい場景
4.美しい風景
5.古都の場景
6.神秘的な風景
7.険しい情景

 

 

ミュージック・エフェクト・コレクション 4 雰囲気の世界

CDS:CODG-84
EP:GH-44

1.なつかしき世界のテーマ
2.なつかしき世界のブリッジ
3.なつかしき世界のコード
4.なつかしき世界のエンディング
5.朝の光
6.おやすみなさい
7.想い出
8.影の世界
9.わらべ唄によせて
10.心やすらぐ時

ミュージック・エフェクト・コレクション 4 雰囲気の世界 sc

 

 

ミュージック・エフェクト・コレクション 5 愛と青春

CDS:CODG-85
EP:GH-45

1.愛のテーマ
2.愛のブリッジ
3.愛のコード
4.愛のエンディング
5.夜のよそおい
6.青春の情感
7.愛に捧ぐ
8.悲しみをこめて
9.ほのぼのと
10.孤独
11.若い喜び
12/悩みの時

 

 

ミュージック・エフェクト・コレクション 6 人物登場

CDS:CODG-86
EP:GH-46

1.かわいい!
2.優しい少女
3.なつかしいおじいさん
4.ずっこけマーチ
5.さっそうと行く
6.恋する二人
7.サスペンスに挑戦する
8.誠実に

 

 

ミュージック・エフェクト・コレクション 7 アクションと表現

CDS:CODG-87
EP:GH-47

1.アクションのテーマ
2.アクションのブリッジ
3.アクションのコード
4.アクションのエンディング
5.追跡
6.対決
7.西部劇のテーマ
8.西部劇のコードA
9.西部劇のコードB
10.西部劇のエンディング
11.ファンファーレA
12.ファンファーレB
13.不安、おや!、あれ?
14.絶対絶命、警鐘、迫りくる恐怖
15.不気味に、おどろき、コミック

 

 

ミュージック・エフェクト・コレクション 8 メルヘンの世界

CDS:CODG-88
EP:GH-48

1.メルヘンのテーマ
2.メルヘンのブリッジ
3.メルヘンのコード
4.メルヘンのエンディング
5.愉快に進もう
6.ひと安心
7.おいかけっこ
8.民話のテーマ
9.民話のブリッジ
10.民話のコード
11.民話のエンディング
12.あら不思議
13.怪しいものが来る
14.大失敗
15.大成功

 

 

ミュージック・エフェクト・コレクション 9 未知の世界

CDS:CODG-89
EP:GH-49

1.宇宙音A
2.宇宙音B
3.宇宙音C
4.宇宙音D
5.地底音
6.水中音A
7.水中音B
8.水中音C
9.特殊音A
10.特殊音B
11.衝撃音A・B・C
12.マンガ音A・B・C
13.原始リズムA
14.原始リズムB
15.原始リズムC
16.ドラム・ソロ
17.短い効果音 スチールギター / エレキベース / トランペット
18.琴A・B・C・D

 

 

ミュージック・エフェクト・コレクション 10 きらめくリズム

CDS:CODG-90
EP:GH-50

1.ジャズ
2.ロック
3.フォーク
4.ハワイアン
5.ボサノヴァ
6.サンバ
7.タンゴ
8.オリエンタルムード

 

 

 

 

 

なお、2013年これからのシリーズからコンパイルされたCDが発売されている。

 

 

Disc. 久石譲 『NATURAL WONDER LAND KUTCHAN』

1992年6月28日 CD発売 AKCD-210 ※倶知安町役場限定販売(開催期間)

 

倶知安町開祖百周年記念映画
「NATURAL WONDER LAND KUTCHAN」

 

豪雪の地”倶知安”は、先人のたゆまぬ努力と熱意により厳しい試練を乗り越え、今日の豊かな緑の大地を築きあげました。この度、開基百年を記念し「交響詩 倶知安」を制作致しました。天与の極めて優れた自然環境の中で培われてきた歴史、文化を継承し、次代の更なる発展を願いつつ本町第2世紀を皆様とともに奏でたいと思います。制作にあたり作曲家久石譲先生はじめ関係各位に深く感謝を申しあげご挨拶と致します。

倶知安町長 宮下 雄一郎

 

 

■メッセージ
豊かな水、豪雪に耐える逞しい人々、そして秀峰羊蹄山、それぞれに思いを込めて、「Main Theme AQUA」 「YAKUDOU」 「YOUTEI-ZAN」を作曲しました。皆様に愛されますなら幸いです。

久石譲

(CDライナノーツより)

 

●この音楽は倶知安町開基百年記念映像に使用されたものです

 

 

ピアノを基調とした澄んだ清らかなメロディ。同年発表のオリジナル・ソロアルバム「I am」に近い空気感と雰囲気。ピアノ、ギター、シンセサイザー、ストリングスといった、シンプルな楽器構成。自然の壮大さ、みずみずしさ、そして軽快さもあり、「タスマニア物語」や「仔鹿物語」といった同年代の作品とも共通する音楽世界。

現在は廃盤となった、施設/イベントへの音楽として貴重な作品。

 

 

NATURAL WONDER LAND KUTCHAN 倶知安 久石譲 sc

1.PROLOGUE
2.AQUA (Main Theme)
3.YAKUDOU
4.YOUTEI-ZAN
5.AQUA (Main Theme)