Disc. 久石譲 『天空の城ラピュタ ドラマ編 光よ甦れ!』

1989年2月25日 LP発売
1993年12月21日 CD発売

1986年公開 スタジオジブリ作品 映画「天空の城ラピュタ」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

本作品は映画本編を映像なしの音声のみで聴く作品である。BGMはもちろんセリフや効果音などもそのまま収録されている。

 

解説

●宮崎アニメはいつも魅惑のキャラクター・ボイスを生み出す。古くは「未来少年コナン」のラナス役を演じた信沢三恵子さんにはじまり、おなじみ「ルパン三世 カリオストロの城」のクラリス役をはじめ「新ルパン・最終話」の小山田マキや「風の谷のナウシカ」のナウシカを演じた島本須美さんなどのヒロインたち。宮崎作品にふれたことのある人なら、彼女たち以外の脇役にも、必ずひとりやふたりのお気に入りがいるはずだ。

●宮崎アニメの登場人物たちは、その一部分が、宮崎さん自身の”こうあってほしい”という想いから形作られている。と同時に、彼ら彼女らはとても存在感に満ちて描かれている。だから、その”想い”と”存在感”を同時に演じていかなければならないという宿命が、声を演じる人たちの上にのしかかっているはずである。これは、とても大変な仕事だと思う。その想いと存在感が両立したときに、はじめてそのキャラクターが生きてくるからだ。

●はたして「天空の城ラピュタ」ではどうだったのだろうか?

●それはぼくが書くまでもなく、映画をみていただければ、おわかりのはずである。じつに見事に”キマッタ”と思う。

●ロマンアルバムという単行本のための取材で、ぼくは「ラピュタ」の3日間のアフレコのあいだ、東京テレビセンターにほとんどぴったりはりつける、という幸運に恵まれた。詳しくは、ロマンアルバムに掲載されるそのレポートを読んでいただくとして、参考までに、いくつかのことをメモしておきたい。

●アフレコは、6月28日(土)、7月5日(土)、7日(日)の3日間だった。初日の午前中は、出演者全員そろって、オールラッシュを見る。台本片手に見ていた出演者の方々が、いつの間にか、台本から目を離して、映画にひきずりこまれている。台所で料理をするシータのところへ、海賊たちが次から次へと入って来るところは、大爆笑!だった。

●初日の午後は、まずパズー・田中真弓、シータ・横沢啓子のおふたりだけに、録音する。演技のポイントは、オーバーアクト、つまり役を作り過ぎないように、ということだった。自然な少年らしさ、少女らしさを演ずることが、どんなに大変なことか。

●7月5日、6日は一転して、出演者勢ぞろい。永井一郎さんをはじめ芸達者がそろい、自然とアフレコは盛りあがる。そのなかで、ムスカ役の田中農さんだけが淡々としているのが印象的。圧巻はなんといってもドーラ役の初井言榮さんで、ガラス越しに聞いている宮崎さんも思わず笑い出してしまうほど。ドーラには、おそらく”あんな年になっても元気なバアさんがいたら、世の中は平和になるだろう”という宮崎さんの強烈な想いが託されているにちがいない。

●最終日の最後に登場したのがボムじいさん役の常田富士男さんだった。ヒョウ然と現われ、ヒョウヒョウと語り、そしてまた去った、という感じで、アフレコは静かな幕切れをむかえたのだった。

片桐卓也

(解説 ~CDライナーノーツより)

 

空から降ってきた少女
雲間から月光が射す夜、定期飛行船が空中海賊ドーラ一味に襲撃された。その時、飛行船の中で怪しい男たちに捕らえられていた少女シータは、船外へと飛びだし夜の闇に消えた。

地上の鉱山町、スラック渓谷に住む見習い機械工パズーは、光と共に空から降ってきた少女を助ける。翌朝、パズーの家で目を覚ましたシータに、彼は、死んだ父親が見たという伝説の空中の浮き島”ラピュタ”の話をした。いつか父の話を証明したいと願うパズー。

そこへシータのペンダントを狙うドーラたちが乗り込んできた。機関車にとび乗り、逃げるパズーたち。そこに現われた国防軍の装甲列車。シータを捕らえていた怪しい男たちだ。追っ手の発砲で崩れる橋から、深い谷底へと投げだされるふたり。だがその時、不思議なことが起こった。シータのペンダントが光を放ち始めると、ふたりの体は、空中に浮いていたのだ。

 

飛行石の謎
深い廃坑の底に降り立ったふたりは、そこで鉱山の石の専門家、ボムじいさんに会う。彼はシータのペンダントを見て、それはラピュタの技術だけが可能にする、飛行石の結晶だと言った。

廃坑を出たふたりは、追ってきた国防軍の男たちに捕らえられ、ティディス要塞へと連行された。そこでシータは、政府の調査機関のムスカに、地上のものでない壊れたロボットを見せられる。彼はシータの「リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ」という本名、彼女がラピュタの王位継承者であることまで知っていた。そして、パズーの命と引き換えに”ラピュタ”の位置を示す呪文を教えるよう迫るのだった。そうとは知らず、追い返されるパズー。家には海賊たちが陣どり、ティディスを襲撃しようとしていた。シータの言葉が実は、自分を救うためだということに気づいたパズーは、海賊たちとともに出撃する。

 

竜の巣
捕らえられシータが、幼い頃、おばあちゃんに教わった”われを助けよ、光よ、甦れ!”という呪文を唱えると、ペンダントが強烈な光を発した。すると壊れたはずのロボットが動き、シータを救うかのように要塞を破壊しはじめた。城の塔に出るとペンダントの光は天の一点を指した。混乱の中、パズーと海賊たちは、ついにシータを救い出したが、ペンダントを失ってしまった。それを手に入れたムスカは、ラピュタを目ざし空中戦艦ゴリアテを出動させた。そしてシータとパズーも海賊たちのタイガーモス号でラピュタへと向かう。途中、ゴリアテに遭遇し攻撃を受けたため、パズーたちは凧で偵察に出るが、ラピュタを取り巻く環境の中で、タイガーモス号と離れてしまう。どうにか嵐を抜けた凧は緑の草地に着地する。そこは、あのロボットが守る、緑に囲まれた、天空の城ラピュタだった。

 

天空の城ラピュタ エンディングテーマ 君をのせて
城の中心には巨大な樹が茂り、ラピュタの墓標を見守っていた。突然、爆発音が響く。ゴリアテと、捕らえられたタイガーモス号がラピュタに着船したのだ。財宝を発見し、狂喜する将軍たち。それを尻目にラピュタを調査するムスカ。パズーたちはペンダントを取り戻そうとするが、逆にシータが捕まってしまった。ムスカはシータを連れ、城の奥へ。そこには巨大な飛行石が輝いていた。自分のラピュラ人の末裔だと言うムスカは、ラピュラの地上を一瞬に焼き尽くす強大な力を手中に収め、将軍や兵士たちを殺害する。ムスカのスキをついてペンダントを取り返したシータは、単身、救出に来たパズーとともに滅びに呪文を唱えた。ほとばしる閃光の中、崩壊していくラピュタ。脱出するドーラたち。巨大な樹だけとなったラピュタが飛行石を抱えて天に昇っていく。茫然としたドーラたちの目に何かが映った。パズーとシータが乗った凧がゆっくりと滑空してきた。

(ストーリー解説 ~CDライナーノーツより)

 

《LP盤特典》
ジャケット特典/パズーとシータの複製セル画

天空の城ラピュタ ドラマ編 LP

(LPジャケット)

 

天空の城ラピュタ ドラマ編

DISC 1
1. 空から降ってきた少女
2. 飛行石の謎

DISC 2
1. 竜の巣
2. 天空の城ラピュタ
3. 君をのせて〜エンディングテーマ〜

 

コメントする/To Comment