Disc. 久石譲 『Deep Ocean』 *Unreleased 【7/21 Update】

2016年8月28日 TV放映

『NHKスペシャル シリーズ ディープ オーシャン 潜入!深海大渓谷 光る生物たちの王国』

音楽:久石譲
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

全3回シリーズ ※第二集、第三集は来年夏以降の放送を予定

 

久石譲インタビュー

「深海の中でこんなに光るものがあるんだっていうのは驚きでしたよね。発光生物だとか、深海の映像がとても強いすばらしい映像だったので、イメージはすごいつけやすかった。作曲も実はそんなに時間かからないで一気に作れた。全部ミニマル・ミュージックでやったというのは初めてで、うまくいくかどうか非常に不安だったんですけども、生の音で聞いていけばいくほどこれで良かった、おそらく映像ともかなりマッチングするんじゃないか、そこがやっていてすごくうれしかったですね。」

■久石譲インタビュー動画(約2分)
http://www.nhk.or.jp/nature/video/43426.html (2016.8現在)
久石譲インタビューおよびレコーディング風景

より書き起こし

 

番組テーマ音楽は緻密で躍動感のあるミニマル・ミュージックで構成されている。管弦楽の各パートや楽器特色を活かしたアンサンブルに近いシャープでソリッドなオーケストレーションが印象的である。番組BGMも数曲書き下ろされており、メインテーマをモチーフとしたり派生させたり、と統一感のある楽曲群が並ぶ。いずれもキャッチーなメロディを持たない、ミニマル手法であるところに注目したい。

2013年TV放映され話題となった「深海プロジェクト」。その最新シリーズとなる「ディープオーシャン」。スタッフが再集結し企画された今プロジェクトには、前回音楽担当した久石譲も名を連ねることになった。そして、『NHKスペシャル 深海の巨大生物 オリジナル・サウンドトラック』で使われた主要楽曲たちも、「ディープオーシャン」では変奏ヴァージョンとして披露されている。こちらもまたメロディや旋律を極力抑えたアレンジとして手が加えられている。またシンプルでソリッドが楽器編成となっている。

「ディープオーシャン」メインテーマと本編BGMの書き下ろし、「深海の巨大生物」からの再構成、新旧あわせて織りこみながらも、今最も旬な久石譲音楽(楽器編成、奏法、構成)が堪能できる作品となっている。

次集以降とあわせて、サウンドトラック盤の発売に大いに期待が高まる作品である。

現時点で未CD化、曲名不明である。

 

【2017.1 追記】

2016年12月31日開催「久石譲ジルベスターコンサート2016」にて世界初演。

Deep Ocean *世界初演
1.the deep ocean
2.mystic zone
3.radiation
4.evolution
5.accession
6.the deep ocean again
7.innumerable stars in the ocean

久石譲コメント

「「Deep Ocean」は今夏NHKでオンエアーされたドキュメンタリー番組のために書いた曲を今回のジルベスターのためにコンサート楽曲として加筆、再構成しました(リハーサルの10日前に完成、相変わらず遅い)。ですから世界初演です。7つの小品からできており、ミニマル特有の長尺でもないので聴きやすいと思いますし、ピアノ2台を使った新しい響きは僕自身ホールで聴いてみたかったのです。でも真冬になぜ深海?寒そうなどといってはいけない、あと半年で夏がきます。」(「久石譲ジルベスターコンサート パンフレットより)

 

レビュー

本公演のサプライズ的演目でした。まさかこの作品が聴けるとは、しかも小編成オーケストラとピアノ2台という大掛かりなステージ配置変更をしての演奏です。「ミュージック・フューチャー vol.3」でも別新作をピアノ2台と室内アンサンブル編成で聴かせてくれたばかりです。ここは小ホールとは違い大ホール。ステージ前面ギリギリのところでセッティング、指揮者も奏者も前面中央に密集、少しでも微細な響きが客席奥や2、3階席まで届くようにと配慮されてのことかもしれません。

ミニマル・ミュージックの心地よいグルーヴ感と、神秘的な世界観。多彩な打楽器や管楽器の特殊奏法などで、目をとじて耳をすませたくなる深海の世界が広がっていました。かなり忘れたくない余韻で気になったので、録画していたTV番組を見返してみました。「ダイオウイカ」シリーズからではなく、「ディープオーシャン」として新しく書きおろした音楽は、ほぼ演奏されたんじゃないかなあ、と記憶をふりしぼっています。2017年夏には第2回以降のTV放映も予定されています。サウンドトラックも発売も待ち遠しい作品です、いやホントしてくれないと困る作品です(強く)。

Blog. 「久石譲 ジルベスターコンサート 2016」 コンサート・レポート より抜粋)

 

 

【2017.7 追記】

2017年7月16日(日)21:00~21:49 NHK総合テレビ
第2集「南極 深海に巨大生物を見た」

音楽:久石譲
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

 

TV放映鑑賞後レビュー。なんと驚いたことに第2集用に新曲が数多く書き下ろされている。世界観は第1集を引き継ぎ、小編成ながら緻密な音楽構成を充分に堪能することができる。さらに驚いたことに新曲ではサンプラーを使用した電子音も巧みに織り込まれている。近年ではオーケストラ楽器による生音にこだわった音作りがされてきたなか、2017年のCM曲(ダンロップ・伊右衛門Newヴァージョン)などに目を向けると、エッセンスやアクセント、また隠し味としての電子音を聴くことができる。これは、おそらく2014年からつづいている”現代の音楽”を届けるコンサート企画「Music Future」を経ての結実のように思われる。現代音楽家の他作はもちろん、同演奏会で初演される久石譲新作にも楽器も楽器編成も垣根を越えた新しい音世界が広がっている。「2 Pieces for Strange Ensemble」(2016年 同 Vol.3コンサートににて初演)もそういった点と線の流れにある。

コンパクトな室内楽オーケストラでソリッドながら広さ深さのある立体的な音楽。既存曲のバリエーションも違った表情をみせる。第1集と路線を同じく明確なメロディは持たない楽曲が際立っている。それはイメージをかきたて想像を広げるうえに、深海の奥深い神秘な世界観を演出している。

メインテーマは第1集と同じものが堂々と君臨しているが、改めて聴くとミニマル・ミュージックの緻密なズレと楽器セクションごとの交錯がすばらしい。TV音源ですらステレオで聴くとピアノ2台もきれいに左右から、弦楽セクションも右と左で交錯していることがわかる。エンターテインメント音楽(TV番組メインテーマ)としては贅沢なほどに作り込まれた完成度。久石譲オリジナル作品という位置づけでもまったくおかしくない最新の久石譲がたっぷりつまった名曲。

第3集も新曲があるのか待ち遠しいし、W.D.O.2017コンサートでのプログラム予定「Deep Ocean」も期待が高まる。「ジルベスターコンサート2016」で披露されたのは第1集からの音楽を演奏会用に再構成したもの。もちろんこれが聴けると思うだけでも心躍るし、第2集からのサプライズなんてあったらこれまた驚かされる。いずれにしてもコンサートプログラム大歓迎の作品。

またこの極上のミニマル・ミュージックはコンサートで体感することと、緻密なオーケストレーションの結晶をCDステレオ音源で聴けてこそ!第3集(8月放映)で今シリーズは完結予定であるけれど、ディープオーシャン・サウンドトラックが出るまではファンとしては完結しない!こんな傑作がCD化されないと思うだけで…。楽器ごとの音もおもしろい、決して飽きるとは無縁な聴く人色に染まってくれる楽曲たち。この至福の音楽世界にどっぷりとつかりたい。最高音質で。

 

 

2017年8月27日(日)21:00~21:49
第3集「超深海 地球最深への挑戦」

 

なお、2016年TV放送シリーズ第1回はDVD/Blu-ray化され発売されている。

Info. 2017/07/21 「NHKスペシャル ディープ オーシャン 潜入! 深海大峡谷 光る生物たちの王国」DVD/Bu-ray 発売決定

 

 

NHKスペシャル

“Disc. 久石譲 『Deep Ocean』 *Unreleased 【7/21 Update】” への2件の返信

  1. 여기 소개된 히사이시조 인터뷰 동영상은 아쉽게도 이제는 링크가 잘려서 볼 수가 없네요.

    1. そうですね。数ヶ月前にはリンク切れになっています。またこの久石譲インタビュー動画は、本文に紹介した第1集DVDの特典映像として収録されています♪
      特典映像: プレマップ内容1 久石譲氏が作曲の意気込みを語る音楽編

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