Disc. 久石譲 『時雨の記 サウンドトラック』

1998年10月31日 CD発売

1998年公開 映画「時雨の記」
監督:澤井信一郎 音楽:久石譲 出演:吉永小百合 渡哲也 他

 

小編成なオーケストラを基調とした音楽。ストリングスの響きがメインとなるが、シンセサイザーもそれを引き立てるエッセンス程度に流れる。

古都鎌倉、京都、奈良を舞台にした、大人の晩年の愛を描いた作品、音楽も日本情緒ある哀愁的で叙情的なメロディー。

メインテーマ曲である(22)「la pioggia」は、「雨」という意味のイタリア語。とにかく美しい旋律。ピアノとストリングスが大人の愛の旋律を豊かに美しく奏でる。吉永小百合、渡哲也という往年の日本映画を代表する名俳優の演技に華を添えるにふさわしい上品な音楽。

感情をおしころしたようでもあり、内面からの感情の揺れを表現したような、時には悠々と、時には激しく刻むストリングスと、雨粒のような一粒一粒、一音一音、響き揺れるピアノの旋律。

またもうひとつのテーマ曲ともいえる(10)「誓い」や(13)「運命」もよき日本映画音楽の品格を持っている。

メインテーマ曲「la pioggia」は他の作品にもその後収録されている。

「NOATALGIA ~Piano Stories III~」では、ピアノとストリングのかけあいがより鮮明に豊かに、「WORKS II ~Orchestra Night~」では、より重厚なフルオーケストラによるライブ音源を、「ENCORE」では、ピアノソロにて緩急あるリズムの揺れと強弱ある鍵盤のタッチが豊かに、聴くことができる。

また久石譲プロデュース作品である「ARCANT / 近藤浩志」では、近藤浩志のチェロと久石譲のピアノによるシンプルながらも奥ゆかしい名演をゆったりとした揺れで聴くことができる。

それぞれの作品詳細も合わせて、聴きくらべると味わい深い名曲である。

 

 

久石譲 『時雨の記』

1. 鼓動
2. 再会
3. 二十年の想い
4. 鼓動II〜告白
5. la pioggia〜鎌倉
6. 絵志野
7. 躍動
8. 驟雨
9. la pioggia〜時雨亭
10. 誓い
11. 家族
12. 二人だけの場所
13. 運命
14. グラナダ
15. スペインの風
16. 鼓動III〜時雨亭跡
17. 静かな愛
18. 残像
19. 命
20. 残されたもの
21. 鼓動IV〜吉野山
22. la pioggia

 

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