Disc. V.A. 『ネオ・ヒロイック・ファンタジア アリオン HI TECH』

1986年10月25日 CD発売

1986年公開 映画「アリオン」
監督:安彦良和 音楽:久石譲

久石譲作曲によるオリジナル楽曲たちを
シンセサイザーをメインにリアレンジした作品。

 

【STUDIO MEMO】

戦闘 作曲/久石譲
「アリオン」のアクションシーンで効果的に使われていた曲。原曲はフェアライトCMIを中心にしたサンプリングサウンドと、本物のオーケストラで演奏されており、バスドラム、スネア、タムなどのドラムスの音を使っていないのが特徴。今回はダンスビートを生かしたロックとしてアレンジした。ドラムの音もリズムマシンではなく、シンクラヴィアの音を使っている。

ペガサスの少女 作曲/林哲司
後藤恭子の歌う主題歌。原曲は、いわゆるアイドルポップスだが、これをナイトキャップミュージック的にアレンジした。このアルバムはほとんどコンピュータのプログラムで演奏されているが、この曲だけ全て手弾きでレコーディングしている。音のリアルさは、シンクラヴィアならではのもの。ベース、トロンボーンなど単音系の音は、ボーカル、サックスプレイヤーでもある李家さんが担当。ギター、ピアノなどの和音系は、ギタリストでもある鈴川さんが、それぞれ担当している。

地底王ハデス 作曲/久石譲
同じリズムでメロディをくりかえすシーケンスサウンドにより、スピード感を強調してアレンジした。原曲の、シンフォニーによるクラシカルな緊迫感に代えて、リズムに、生楽器では不可能なサウンド、たとえば2オクターブ以上も周波数を下げたリムショットの音などを使用して、曲を盛りあげている。

想い 作曲/久石譲
ヒロインのレスフィーナ役の高橋美樹が、ハミングで歌う挿入歌が原曲。メロディをとっているのは、李家さんの口笛をサンプリングした音。素朴な響きが、機械くささを感じさせない。続いてメロディをとるハーモニカも、シンクラヴィアの鍵盤で弾いているわけだが、李家さんによれば、目をつぶって弾くと、あたかも口で本当に吹いているような感覚にとらえられるという。

アリオン・メインテーマ 作曲/久石譲
4~5人編成のバンドにハープを加えたコンボを想定してアレンジ。ハープのアルペジオは手弾きによるもの。ピアノの響きのリアルさ、透明感に注目してほしい。イージーリスニングミュージックとしてアレンジ。原曲のシンフォニックな響きと好対象をなしている。

テュポーン 作曲/久石譲
原曲に比較的近い構成でアレンジしているが、よりファンタジックな広がりを感じさせる仕上りを目ざした。後半のリズムのポイントになっている破裂音は、バスケットボールを体育館にたたきつけた音と、ショットガンの音をまぜたもの。テュポーンとは、アリオンたちを乗せて飛翔する巨大な翼龍である。

レスフィーナ 作曲/久石譲
メロディをとっているのは、「ニューパイプ」と名づけられた、シンクラヴィアのオリジナルサウンド。サウンドトラック盤の中でも特に人気のある曲。スネアドラムの音も深い響きのある音を選び情感タップリにアレンジしている。

初陣 作曲/久石譲
昔なつかし?プログレッシヴロックを感じさせる、変拍子のリズムを基調にして、シンプルなメロディモチーフが組みあわされた曲。曲の流れをリードする音色が次々に変わっていき、重々しい原曲をポップに展開していく。

アポロン~レスフィーナとアリオン 作曲/久石譲
サントラ盤から「アポロン」と「レスフィーナとアリオン」の2曲をメドレーでアレンジ。今や、流行ともいえるエスニックなメロディから、あたかも70年代初頭のLAサウンドを思わせるピアノとハーモニカのなつかしいサウンドへ移行していく。原曲は大オーケストラで映画の最後をかざっているが、ここではむしろさわやかにしめくくっている。

ペガサスの少女 (REPRISE) 作曲/林哲司
A面の2局目から一転して、明るいデジタルポップに。生のブラスではむずかしい、広域のブラスサウンドでスタート。全体に歯切れのいい音色で構成。生音に近づけるというよりは、むしろ機械くさいノリのおもしろさ、スピード感を重視した。これをカラオケに「ペガサスの少女」を歌ってみるのも一興かも。

(CDライナーノーツより)

 

久石譲 『アリオン ハイテックシリーズ』

1. 戦闘
2. ペガサスの少女
3. 地底王ハデス
4. 想い
5. アリオン・メインテーマ
6. テュポーン
7. レスフィーナ
8. 初陣
9. アポロン~レスフィーナとアリオン
10. ペガサスの少女(REPRISE)

編曲:鈴川真樹 / 李家毅

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