Overtone.第7回 「春・夏・秋・冬」四季:久石譲

Posted on 2017/03/21

ふらいすとーんです。

久石さんの夏をイメージする楽曲といえば「Summer」、春は「Spring」、秋と冬は真っ先に思い浮かぶ曲は人それぞれでしょうか。

久石さんは作曲をするときに何かをイメージして曲を書くことはない、とはっきり言っていますね。こんなふうに語っています。

 

95%は論理的、残りの5%が感覚
「夕日をイメージして作曲したんですか?」みたいなまねは死んでもしない。冗談じゃないよと。こっちが書いたものがよければ、それがちゃんと構成されていれば、そこから朝焼けを感じる人も夕焼けを感じる人もいる。こっちがイメージを押し付けるのは一番よくない。極力フラットに書く。感覚(的)だと思っていることの95%は論理的に解明できる。ただ残り5%ができない。その残りの5%を指して感覚と言いたい。」

SWITCH 達人達 久石譲 4

Blog. 「NHK SWITCH インタビュー 達人達 久石譲 x 吉岡徳仁」 番組内容紹介 より抜粋)

 

 

そうは言っても、なぜか聴くと心揺さぶられるものがある、記憶と直結するものがある、イメージをかきたてるものがある。それが久石譲の音楽です。

さて、数年前の話でしょうか。コンタクトいただいたファンの方からこんなことを言われました。「春に聴きたいとか、夏に聴きたいとか、久石さんの曲を特集しているのを見て、この人はヤバイなと思いました。」・・・”ヤバイな”は”スゴイな”だったかもしれません。でも、ここには”この人キてるな、イッちゃってるな”というニュアンスが含まれますね、はい。相当印象が強かったのかそれ以降もお話をするとき、たびたびこのことを言われます。同じようなニュアンスで、はい。今も楽しく交流させてもらっている大切なファン仲間です。

《久石譲 夏に聴きたい曲 2013》からはじめて《久石譲 秋に聴きたい曲 2014》まで春夏秋冬6回にわたり特集しています。そこで一旦止まっています。季節の変わり目にぴょこっとアクセスが増えます。チラ見でのぞいてみてください♪

 

なんて久石さんの音楽溢れるファンなんだ! なんて思ってもらえますか?実は、そんな万が一の共感をへし折ってしまうかもしれないことを告白します。

 

 

久石さんは200枚くらい、関連作品も入れると300枚を超えるCDを出していると思います(数えてないですけれど)。曲数に換算するとおそらく3000曲をゆうに超えると思います(数えられないですけれど)。これをCDとして保管するのも大変ですが、さて今日はどれ聴こうかな~♪ 1枚1枚引っぱりだすのも大変です。すると便利な昨今、パソコンやスマホに一挙大取込いつでもお手軽にPLAYボタンを押すだけOKです。いろいろ聴きたいからシャッフル・シャッフル~♪ ・・・とてもすぐには思い出せない短い曲が流れてくる。・・・一向に期待している聴きたい曲にまわってこない。

そんな経験ないですか?

僕は春夏秋冬でそれぞれ4つのプレイリストを作っています。久石さんの音楽でもっと豊かに四季折々を感じたい。もちろんそれも!あります。でも、そんな感受性豊かなピュアな人という想像を覆す、現実的なことがもうひとつあります。久石さんの音楽を時代・ジャンルまんべんなく聴きたいからです。

CD作品ごとにメインテーマ曲やずっと聴きたいお気に入り曲ってありますよね。それを「これは春かなあ?これは秋かなあ?」とインスピレーションでプレイリストに振り分けているんです。200~300枚近くあるCDからピックアップした曲たち、それは曲を聴いただけでどのCDに入っているか連想できる主要曲でもあります。

するとどうでしょう。春夏秋冬一年をとおして”もれなくダブりなく”、四季折々を楽しみながらまんべんなく久石譲音楽に包まれることができます。つまりなかば規則正しく?! いや違いますね、自然な季節の移ろいと同じように、最低でも1年に1回は懐かしいあの名曲に耳を傾けることができる。埋もれずに忘れずに末永く愛聴する。季節はまた巡ってくるように久石さんの音楽たちも。流れてきた曲から「あのアルバムか。久しぶりに一枚通して聴いてみよう。」なんていうきっかけにもなってきますね。

なんとも論理的な理由からだったんです、という告白でした。現に《春に聴きたい曲 2014》には『東京家族 オリジナル・サウンドトラック』からメインテーマ「東京家族」がラインナップしています。2013年にリリースされて、サントラ盤をずっと聴いていた時期から落ち着いたときに、「うん、君は春ね。」と名札を渡されたわけです。そして2014年以降も毎年春には聴くことができる清らかな曲です。

 

ここで困ったことがひとつあります。どこにも落ち着く場所のない曲たちです。たとえば「Sinfonia for Chamber Orchestra」「DA・MA・SHI・絵」「The End of the World for Vocalists and Orchestra」「Links」など、ちょっと季節の名札を渡しにくい名曲たちです。そう、久石さんのなかでもエンターテインメントではない、オリジナル作品たちに多い。結局のところ、【春・夏・秋・冬+1】となっている僕のプレイリストです。ファンサイトで特集するときには、プレイリストのなかからマニアックな曲(サントラの小品にして逸品など)をあえて除外した主要曲でラインナップしたものを公開しています。

人によってはアップテンポ/スローテンポで振り分けていたり、メロディ/ミニマルで振り分けていたりするかもしれませんね。一度ファンのみなさんのプレイリストをチラ見してみたい気分です。もちろん四季:久石譲とは別に、普段からガンガン聴く旬な久石譲プレイリストもあります。なにはともあれ、もしオールタイムベストアルバムが発売されるとしたら、何枚組になるんだろう?CD-BOXかな?というくらい盛りだくさんな久石さんの名曲の数々です。

 

 

さて、《春に聴きたい曲 2017》特集の予定はありません。プレイリストには新たに追加されている曲に「Wave」があります。2009年宮崎駿監督に贈られた曲で三鷹の森ジブリ美術館のBGMでもあります。TVやコンサートなど数少ない特別な機会でしか演奏されてこなかった幻の名曲です。2015年ついに待望のアルバム収録が叶いました。

 

 

一度聴いたら忘れられない印象的な曲です。タイトルとおり寄せては返す波のように絶え間ない16分音符の流れとシンプルな旋律。波という形容よりも”揺らぎ”という表現をしたいです。感情の揺らぎ、時間の揺らぎ、呼吸の揺らぎ、記憶の揺らぎ。

卒業式・入学式をはじめとした門出の季節、新しい生活や新しい環境、新緑や木漏れ日の香り。自然においても人においても新しい芽吹きを感じるエネルギー。思い出のアルバムをめくるような気持ちにもなります。でもそこにはノスタルジーだけではない新しい決意、心穏やかに前向きな気持ちにさせてくれるピアノの響きです。

・・・・

いや物申すっ!「私は夏の満天な星空をイメージしています。私は秋月や紅葉です。私は雪景色です。」そんな人もいますよね。もちろん季節や景色ではないプライベートな想いや世界観で、この曲に身も心もゆだねているという聴き方も。十人十色、そのくらい何色にも染まらない、色彩豊かに聴く人色に染まってくれる名曲です。

 

 

CDライナーノーツのクレジットを見るとこう記されています。

Recorded at
Bunkamura Studio [Track-1]
Victor Studio [Track-2,3,5-8]
Wonder Station [Track-4]

Mixed at
Bunkamura Studio [except Track-4]
Wonder Station [Track-4]

 

Track-1は「祈りのうた for Piano」、Track-4は「WAVE」です。これを見たときに、うるっと勝手に感動していました。アルバム楽曲は2013年から2015年にかけての新作です。「WAVE」だけは2009年作品です。アルバム収録に際して選ばれたのは、その2009年当時Piano:Joe Hisaishiによって録音された唯一存在するヴァージョンということが想像できたからです。新録していないのでは?ということです。

ちょっと久石さんのインタビューから補足させてもらいますね。

 

 

毎年、正月に宮崎駿監督に曲を届けています

-今回のアルバムの中の「WAVE」という曲は三鷹の森ジブリ美術館でも流れていますし、「祈りの歌 for Piano」はだれもが聴きやすい、美しい曲です。ミニマル・ミュージックだという意識は特別必要なく、だれもが楽しめる曲が多い印象を受けました。

久石:
「宮崎駿監督とはもう長い付き合いですからね。年に一回、宮崎さんのために正月に曲を書いて持って行くんです。持って行かない年は1年を通して調子が悪くて(笑)。ゲン担ぎみたいなものですね。「祈りの歌 for Piano」は今年の正月に持って行った曲です。正月の3日に作って、4日にレコーディングしてその日に持って行って。なんだか出前みたいですけど(笑)。この年頭の習慣が、意外と大事なんですよ。お正月だから、暗い曲を持って行くことはしないし(笑)、新年最初に心休まる曲を一曲作る、というのは、すごくいいなと思っていて。ジブリ美術館では、僕の曲を今でも使ってくれているみたいですね。」

Blog. 「月刊ぴあの 2015年12月号」 久石譲 インタビュー内容 より抜粋)

 

 

もしかして!?

2009年の正月に作ってすぐにスタジオでレコーディングした「WAVE」、宮崎駿監督の誕生日に手渡した「WAVE」、三鷹の森ジブリ美術館BGMとして流れている「WAVE」。まったく同じものにあたるそれが、アルバムに収録されたことになるんじゃないですかっ?! という、うるっと感動です。残念ながら録音スケジュールはクレジットされていませんので、あくまでも想像の域です。こういうところを空想できる楽しみもCDというパッケージにはあります。音楽としての記録はもちろん、文字や文章による大切な制作記録です。

 

 

さあ、「春の1曲」を選びましょう♪ たとえば桜というキーワードでも《お花見、桜吹雪、夜桜》シチュエーションや風景で、いろんな候補曲がありそうです。

 

ソロアルバムやサウンドトラックなどの主要作品リストから、選んでみるのもいいですね。また「Works -Official ver.」公開にあわせて整理しなおしたカテゴリーページでは、ジブリ作品/北野武映画/オーケストラ/ピアノ/ベストなど、もう少し細かいグルーピングで紹介しています。ジャケットから気になるCD作品を選んでクリックすると作品詳細ご覧いただけます。

 

スマホだと

下にどんどん流れていきます。

 

パソコンだと

 

 

 

もし久石さんの音楽をたくさん持っている人で「そっかあ、そんな方法もあるか」と思ってもらえたら、ぜひ心弾ませながらあなたの「春・夏・秋・冬」四季:久石譲 プレイリストを作成してみてください。まるっと1年間とおして溢れる久石譲音楽、もっと豊かに季節を楽しめると思いますよ。

・・・

結びに近づき、今初めて気づいたんですけれど。「聴きたいアルバム」じゃなくて「聴きたい曲」って、マニアックすぎるというか不親切ですね、反省。それなら春に聴きたいアルバムは? と眺めてみたけど選べませんでした。そんなときはベストアルバム(ベストセレクト含む)をとっかかりにしてはいかがでしょう♪

 

 

《久石譲ファン presents 春に聴きたい曲 2017》なんて特集ができるくらい反響があったらうれしいですね。コンメト欄に曲名だけポーンと書いてもらってもOKです。久しぶりに「ぴあの / JOE’S PROJECT」シングル盤を聴いてたんですけれど、これなんかも爽やかで心躍っていいですね~。「ミステリアス・ワールド」「心靈深處」とかも・・・ダメだ止まらない♪

 

あなたはこの春、どんな久石譲音楽で季節を楽しみますか?

それではまた。

 

reverb.
春夏秋冬プレイリスト1曲目はすべて「INTRO:OFFICEKITANO SOUND LOGO」です。16秒間あのサウンドロゴを聴いてはじまります。プレイリストのはじまりであり、新しいストーリーのはじまりのようで、新しい何かを予感させて、いいでしょ♪(この人キてます)

 

*「Overtone」は直接的には久石譲情報ではないけれど、《関連する・つながる》かもしれない、もっと広い範囲のお話をしたいと、別部屋で掲載しています。Overtone [back number] 

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