Info. 2018/09/13,16 久石譲交響音楽会「JOE HISAISHI CONCERT 2018 IN CHINA」(重慶・成都)開催決定!! 【8/3 Update!!】

Posted on 2018/06/13

中国・重慶でのコンサートが決定いたしました。

2018久石譲交響音楽会
JOE HISAISHI CONCERT 2018 IN CHINA
日程:2018年9月13日(木) 20:00開演
会場:重慶人民大礼堂
管弦楽:上海交響楽団 “Info. 2018/09/13,16 久石譲交響音楽会「JOE HISAISHI CONCERT 2018 IN CHINA」(重慶・成都)開催決定!! 【8/3 Update!!】” の続きを読む

Info. 2018/08/03 「ジブリの教科書 19 かぐや姫の物語」(文春ジブリ文庫) 発売

ジブリの教科書シリーズ、ついに完結!

キャッチコピーは「姫の犯した罪と罰」。竹取物語を原案に、莫大な製作費でも話題になった高畑勲監督の遺作を壇蜜さんらが読み解く。 “Info. 2018/08/03 「ジブリの教科書 19 かぐや姫の物語」(文春ジブリ文庫) 発売” の続きを読む

Info. 2018/08/09 [TV] NHK総合 音楽特番「ジブリのうた」久石譲・二階堂和美・五嶋龍 他出演 【8/2 Update!!】

Posted on 2018/07/29

NHK総合で、スタジオジブリの高畑勲監督と宮崎駿監督が、心をこめて創り上げてきた作品にスポットをあて、世代を越えて愛される音楽を主役にした特番『ジブリのうた』が8月9日(後7:58~8:43)に放送される。 “Info. 2018/08/09 [TV] NHK総合 音楽特番「ジブリのうた」久石譲・二階堂和美・五嶋龍 他出演 【8/2 Update!!】” の続きを読む

Disc. 久石譲 & 新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ 『Symphonic Suite Castle in the Sky』

2018年8月1日 CD発売 UMCK-1605

 

「天空の城ラピュタ」が壮大なシンフォニーに生まれ変わった。
海外でも絶賛された「ASIAN SYMPHONY」とのカップリングによる至高の作品集。

(CD帯より)

 

 

昨年、国内5都市と韓国ソウルにて開催された「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2017」コンサートツアーで初演された、2大作品が待望のCD化。

【1】Symphonic Suite “Castle in the Sky”(交響組曲「天空の城ラピュタ」)
宮崎駿監督作品『天空の城ラピュタ』のサウンドトラックを約30分におよぶ壮大な交響組曲として蘇らせた。「ハトと少年」「君をのせて」「大樹」など、映画を彩る名曲たちが、ラピュタの世界へ誘います。

【2】ASIAN SYMPHONY(全5楽章)
2006年に発表された「アジア組曲」をもとに再構成。新たな楽章を加え、全5楽章からなる約30分の組曲として、メロディアスなミニマル作品に生まれ変わりました。

(メーカーインフォメーションより)

 

 

アルバムに寄せて

このアルバムは2017年8月2日から16日まで国内5都市と韓国ソウル(2回公演)を巡ったコンサートツアー「久石譲&新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ 2017」で初演されたSymphonic Suite “Castle in the Sky”(交響組曲「天空の城ラピュタ」)とASIAN SYMPHONYを収めている。ファン待望の内容といえよう。

ところで、不思議なことがあるものだ。このところ書庫の雑物を始末しているのだが、その中に、久石譲グループが出演している西武美術館コンサート’78『現代音楽の変容』のチラシと六本木の俳優座劇場でのムクワジュ・アンサンブル・ファースト・コンサートのそれこそチラシを三つ折りしたような簡素なプログラムが混ざっていた。荒瀬順子の奏するマリンバ”ミトラ”の独特なうなり音を思い出しながら、何とはなしに横に除けておいた。そうしたら3日も経たないうちにこのCDの原稿依頼の電話を頂戴したのだった。

ファンの方はご存じだろうが、久石譲は70年代後半ミニマル・ミュージックの作曲と演奏に取り組んでいた。今は存在しない西武美術館コンサート・シリーズへの出演はその当時の記録である。そうした彼のレコード・デビューは1981年に作曲とプロデュースを手掛けたアルバム『MKWAJU』のLPであった。同年6月24日の旧俳優座劇場コンサートは、LPの発売記念を兼ねて演奏の中心メンバーであった荒瀬順子・定成庸司・高田みどりのパーカッション・トリオが「ムクワジュ・アンサンブル」の名前で催したものである。

もう40年近くも経っている。なんとも懐かしいとしか言いようがなかった。

俳優座劇場のプログラムに掲載されている久石譲の挨拶文には、「…まだ名前もついていないこのグループと僕は、新しいアンサンブルを作る事を話し合っていた。『20世紀に於ける音楽の大きな特徴はアフリカを中心としたリズムである。しかるにクラシックでは、19世紀の古びた感覚のままリズムをないがしろに…』などと話しつつ、僕はこのアンサンブルの必要性を説いた。」とあって、アフリカないしアフロ・リズムへの当時抱いていた強い関心のほどを示している。確かに、美術館コンサートの演目には『アジダ・ダンス』というガーナ音楽が含まれているし、LPのタイトルピースである”MKWAJU”(ムクワジュ)とは、アフリカ原産の常緑樹タマリンドのスワヒリ語というから、アフリカへのこだわりが良く出ている。

もうひとつ興味ぶかいのは、この挨拶文の最後の方で、LPとコンサートの音の様相との違いに触れている個所である。「レコードでは僕が今最も望んでいる音の状態として、よりポップな世界に仕上げているが、コンサートでのMKWAJU、Pluse In My Mindは、昨年最初に作曲した段階でのオリジナルコンセプトをそのまま例示する形で演奏される事になる。どうか聞き比べてみてください。」とある。たしかにLPでは、上記のトリオ以外にペッカーのラテン・パーカッションや久石自身のキーボード、さらには当時YMOのコンピュータ・プログラマーを務めていた松武秀樹も参加しており、ポップな感覚での処理が際立っている。このポップな世界への急接近がこのアルバムであったことは間違いない。

この美術館コンサートのチラシとムクワジュ・アンサンブル・ファースト・コンサートのプログラムを手にしながら、今回のアルバムを聴いて、いろいろと感ずるところがあった。なかでも、確かなことは、”MKWAJU”以降の転身先であるポップス界に於いて大きく青々と枝葉を広げた久石譲の存在感の大きさである。それと同時に、彼が自分の音楽的出自にしっかりと根を張って、いわばミニマル・ミュージックを自分にとっての飛行石のような大事な宝ものとして抱きかかえている姿であった。

重ねていえば、樹高20メートルに達するという常緑高樹ムクワジュは、ラピュタの大樹を思わせるが、同時に音楽家としての久石譲そのものにも思われた次第である。

 

Symphonic Suite “Castle in the Sky”
(交響組曲「天空の城ラピュタ」)

1960年代から70年代初めのアメリカでは、人種問題の複雑化、ベトナム戦争の泥沼化、公害問題の深刻化など、行き詰まりを見せる社会の支配文化に敵対し、反逆するカウンター・カルチャーの波が起こった。相似た状況は日本にもあったわけだが、全般的には支配体制への反逆、抵抗、異議申し立て、社会的逸脱から生み出された思想、価値観、ライフスタイルは、未来への展望を生み出すことはなかった。

しかし「科学がまだ人を不幸にするとは決まっていないころ、そこではまだ世界の主人公は人間だった」という人間に対する、あるいは人間を含む生命ある世界そのものの価値や意義を前提とする宮崎駿の冒険物語は、時代批判と過去への反省を込めながら、次世代のあるべき姿や心に描くべき夢を語っている。

1986年に公開されたスタジオジブリ作品、監督宮崎駿、音楽久石譲の映画『天空の城ラピュタ』は、まさしく方便でない正義、遊びでない愛、通貨に換算されぬ宝、そして発見の驚きや新しい出会いを、あるいは希望を熱く語り、自己犠牲や献身をとおして絆を深めてゆく冒険物語であり、久石譲の音楽も、古典的な骨格を備えてとてもシンフォニックなものである。てらいなく朗々と、あるいは心に染むように情緒深く、さらには軽やかに伸びやかに、そして堂々と要所要所で、映像とコラボレートする見事なものである。

映画のサントラ盤は同年8月に挿入歌「君をのせて」を含めたLPが、9月にCDが発売された。この好評を受けて、全8曲をシンフォニー化した「天空の城ラピュタ シンフォニー編 ~大樹~」のLPが同年12月に、翌年1月にはCDが発売された。さらに映画『天空の城ラピュタ』の評価は国際的なものとなり、2002年10月には北米での英語吹替版に合わせたニュー・サントラアルバム「Castle in the Sky ~天空の城ラピュタ・USAヴァージョン・サウンドトラック~」が発売された。

このSymphonic Suite “Castle in the Sky”(交響組曲「天空の城ラピュタ」)は、Symphonic Poem NAUSICAÄ 2015(交響詩「風の谷のナウシカ」)、Symphonic Suite PRINCESS MONONOKE(交響組曲「もののけ姫」)に続くスタジオジブリ交響作品化プロジェクトの第3弾に当たるもので、前述の3つのスコアを参照したうえで、構成されており、以下のような展開となっている。

01. Doves and the Boy ~ The Girl Who Fell from the Sky / ハトと少年~空から降ってきた少女
シンフォニー編のプロローグ。パズーの毎朝の日課はトランペットで「朝の曲」を奏でてからハトにパンくずをあげること。このトランペットから組曲は始まる。物語の中では、シータがパズーに助けられた翌朝、トランペットの音で彼女が穏やかに目覚めるシーンで奏でられる。「空から降ってきた少女」はいうまでもなくメインテーマである。

02. A Street Brawl ~ The Chase ~ Floating with the Crystal / 愉快なケンカ~追跡~飛行石
パズーが暮らすスラッグ渓谷の住民とドーラ一家のケンカとトロッコ列車を舞台にしたドーラ一家とシータたちの追いかけっこ。シンフォニー編の「大活劇」。アメリカ版のA Street BrawlとThe Chase。そして飛行石に救われるパズーとシータ。

03. Memories of Gondoa / ゴンドアの思い出
シンフォニー編では「母に抱かれて」のサブ・タイトルがある。物語の最後の方、シータがムスカに追い詰められて玉座の間で言ったセリフと「ゴンドアの谷の歌」が科学力を極めたラピュタが滅亡した理由を物語っている。

04. The Crisis ~ Disheartened Pazu / 危機~失意のパズー
サントラ盤の「ゴンドアの思い出」、ラスト部分。迫り来る危機。ムスカに囚われたパズーはラピュタの探索を諦めるようシータに言われて失意の中、要塞を去っていく。アメリカ版のDisheartened Pazu。

05. Robot Soldier ~ Resurrection – Rescue ~ / ロボット兵(復活~救出)
アメリカ版のRobot Soldier ~Resurrection – Rescue~。ラピュタ人が作った「兵器」だが、あくまで「自分を持たない忠実で無垢な存在」。

06. Gran’ma Dola
シンフォニー編。欲望を隠すことなく、またなりふり構わず突き進む魅力的な悪人である空中海賊ドーラ一家のバアさま。物語の後半ではパズーとドーラは一族の母艦であるタイガーモス号の乗員となる。

07. The Castle of Time / 時間(とき)の城
サントラ盤の「天空の城ラピュタ」の後半部。

08. Innocent
「空から降ってきた少女」のピアノ独奏版である「Innocent」をほぼ使用している。作曲家自身のとてもしっとりとした演奏が味わえる。

09. The Eternal Tree of Life / 大樹
アメリカ版のThe Eternal Tree of Lifeのオーケストレーションを採用している。いうまでもなくラピュタの庭園の大樹。ラピュタを浮上させていた飛行石の巨大な結晶体はこの大樹の根に囲まれており、シータとパズーの唱えた滅びの言葉「バルス」によって城は崩壊するが、大樹とその大樹に支えられて残った城の上層部はさらに高度へと上昇しながら飛び去って行く。

 

 

ASIAN SYMPHONY

ミニマル・ミュージックの誕生は、いずれも1930年代後半生まれのラ・モンテ・ヤング、テリー・ライリー、スティーヴ・ライヒ、フィリップ・グラスなどのアメリカの作曲家たちに帰せられる。伝統を背負ったヨーロッパでなくアメリカの民俗音楽研究やサブ・カルチャーに出自をもつ音楽家たちであったことが重要である。

日本におけるミニマル・ミュージックの受容は、1968年の第2回「オーケストラル・スペース」でライヒの『ピアノ・フェイズ』、1970年の大阪万博鉄鋼館でのライリーの『イン・C』の演奏紹介に始まるが、1977年にはライリーが初来日し、狭山湖のユネスコ村で真夜中の2時ころから明け方まで、電子オルガンで長大なドローンに載せた即興演奏を繰り広げた。注)久石も当時その会場で聴いていた。

少なくともそれまでの現代音楽に聴くことのできなかった単調な音型やリズム・パルスの反復と心地よいハーモニーの同居。それはそれは新鮮に聴こえたものであった。創作の上でのミニマル・ミュージックの日本的受容も70年代には顕著なものとなっていた。

もちろん『ピアノ・フェイズ』を最初に紹介した一柳慧(1933~)の『ピアノ・メディア』(1972)のような、年長組の例もあるが主体は、本場の創始者たちのちょうど一回り下の、戦後生まれの1940年代後半から50年代前半の世代にあった。ロック世代でもあるし、アフリカ開放をうたうミンガスやローチの思想的ジャズの流行に心躍らせたりした世代でもあるし、ちょうど日本における民族音楽のフィールドワーク研究成果が盛んに紹介されるようになった時期に出合った世代でもある。

それぞれ背景も作風も目指した方向も異なったが『リタニア』(1973)の佐藤聰明(1947~)、『線の音楽』(1973)の近藤譲(1947~)、『ムクワジュ』(1981)の久石譲(1950~)、『ケチャ』(1979)の西村朗(1953~)等々、いずれも国際的な評価を受ける日本の代表的作曲家となったことは、嬉しいことである。

この久石譲の新作ASIAN SYMPHONYのベースとなっているのはソロ・アルバムの「Asian X.T.C.」(2006年発売)の収録曲である。このアルバムはメロディアスな前半6曲を陽side(Pop side)とし、ミニマル色を強く打ち出した後半4曲を陰side(Minimal side)に分けている。この後半に収録されていたアンサンブル編成の4曲は、その後フルオーケストラ編成に拡大されて2006年から2007年のアジアツアーにおいて「Asia組曲」として披露された。このASIAN SYMPHONYは新たに1曲(映画『花戦さ』の赦しのモティーフ)を加え、配列も新たに整えて全5楽章構成の交響曲として完結させたものである。なかでも1・4・5楽章は、リズム操作とオーケストレーションとで聴きごたえある作品となっている。

石田一志(音楽評論家)
2018年6月16日

(アルバムに寄せて ~CDライナーノーツより)

 

*CDライナーノーツ 英文併記

 

 

CDライナーノーツで紹介された1978年当時のコンサートチラシ (参考資料として)

 

 

 

久石譲コメント

最後に「天空の城ラピュタ」について。先日高畑勲監督と『かぐや姫の物語』の上映前にトークイベントをおこなったのですが、このラピュタについての話題がもっとも長かった。それだけ思い入れがあったわけです。考えてみれば宮崎監督、高畑勲プロデューサーという両巨匠に挟まれてナウシカ、ラピュタを作っていたわけですから、今考えれば恐ろしいことです。

今回すべてのラピュタに関する楽曲を聴き直し、スコアももう一度見直して、交響組曲にふさわしい楽曲を選んで構成しました。約28分の組曲ができました。

Blog. 「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2017」 コンサート・レポート より)

 

 

「主題歌を作るときに宮崎監督からいただいた詩がありました。ただちょっと文章(の文字量)が足りなかったりして、それを高畑さんと2人で、メロディーにはめていく作業を何日もやりました。ですから今、世界中の人に歌ってもらっている『君をのせて』という曲は、宮崎さんと僕と、実は高畑さんがいなかったら完成しなかった曲です」

Info. 2018/05/15 「高畑勲 お別れの会」三鷹の森ジブリ美術館で開かれる より)

 

 

2018年5月開催「JOE HISAISHI IN CONCERT」にて香港初演。以下久石譲コメント。

Castle in the Sky は1986年に製作された映画で宮崎さんとのコラボレーションは2回目の作品です。プロデューサーは「ナウシカ」に続いて高畑勳氏でした。考えてみれば両巨匠に挟まれて作っていたわけですから、今考えれば大変恐ろしいことです(笑)。

主題歌の「君をのせて」は多くの人々に歌われ、親しまれ作曲者としては嬉しい限りです。31年後の2017年、僕と新日本フィルハーモニーが主催 する World Dream Orchestra のコンサートのために交響組曲として再構成しました。

その際にすべての楽曲を聴き直し、スコアももう一度見直しました。原作の持つ夢への挑戦と冒険活劇的な要素を活かしたとても楽しい約28分の組曲ができました。

曲目解説:久石 譲

(JOE HISAISHI IN CONCERT コンサート・パンフレット より)

 

 

ASIAN SYMPHONY 軌跡

2006年5月10日開催「「名曲の旅・世界遺産コンサート」〜伝えよう地球の宝〜」のために書き下ろされ、同コンサートにて「Asian Crisis」がオーケストラ作品(二管編成)として初演。

2006年8月10日開催「久石譲&新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ サイコ・ホラーナイト 一日だけのスペシャルコンサート 真夏の夜の悪夢」においても演奏され、三管編成へと再構築されている。

2006年10月4日発売オリジナル・ソロアルバム『Asian X.T.C.』では、「Asian Crisis」他アジアをテーマとした楽曲が多数収録される。編成はバラネスク・カルテットやパーカッションなどによるアンサンブル構成。

同アルバム収録曲から選ばれたアジアン・ミニマル楽曲、2006年からの「アジアツアー2006」を経て、2007年3月5日開催「アジアオーケストラツアーファイナルコンサート」まで、オーケストラ作品として披露された4曲「Dawn of Asia」「Hurly-Burly」「Monkey Forest」「Asian Crisis」を総称して《アジア組曲》と呼ばれている。(=久石譲自身がそう名付けている)

 

 

「タイトルは『Asian Crisis』。この楽曲を作曲していた久石は実に楽しんで作曲していた。不協和音ギリギリの官能的な楽曲に細かい作業が続き、体力の限界にもかかわらず、終始笑顔が絶えなかった。去年は、「『D.E.A.D.』、今年はこれが出来たからもういいや」という声が出るくらい出来上がりに満足していた。「6分前後だけど、本当は12分前後の曲だな」とも言っていた。~(略)~”危機(Crisis)の中の希望”と久石がいっていた通り、核心に迫るような、官能的なイメージが頭をよぎる。」

(名曲の旅・世界遺産コンサート レポートより ファンクラブ会報 JOE CLUB 2006.6)

 

 

「今回、このコンサートのために新曲を書き下ろしたのは、今、作家として自分が書かなくてはいけないと思っていたテーマと、このコンサートの企画意図が同じだと感じたからなんです。実はこの夏、アジアをテーマにしたアルバムを作るつもりなんですよ。ここ数年、韓国映画や香港映画の音楽を担当する機会に恵まれ、”アジア”という地域の存在が、自分の中で大きくなってきた。ちょうど「自分もアジア人の一人なんだ」という意識が高まっていたときだったんですね。お話をいただいたときも、まさに中国で映画の仕事をしていたんです。そのために今回の新曲にかけられる時間は実質10日間だったのですが、基本テーマが非常に明確だったために、とても満足できる作品になりました。「Asian Crisis」は、”危機”とは言え、未来への希望につながる楽曲になったらいいなと思って書きました。世界遺産を守ることは大切ですが、危機にあるからといって人間の立ち入りを禁じるだけでは意味がない。人類の遺産は時間の流れととも変わるものだから、両者が共存していくことが本来のあり方だと思うんです。アジアには危機にひんした世界遺産が多くあるという認識を持ったうえで、厳しさの中にある”希望”のようなものを感じ取ってもらえたらうれしいなと思います。」

(NHKウィークリーステラ 2006年5/27~6/2号より)

 

 

2007/3/5 東京・サントリーホール with 新日本フィルハーモニー交響楽団

「ピアノソロコーナーの後はアルバム『Asian X.T.C』の中から。「Dawn of Asia」、続いて「Hurly-Burly」「Monkey Forest」と、勢いのある3曲が続きました。駆け上がるようなフレーズがたたみかけるように続くのが特徴的なこの「Dawn of Asia」、実はリハーサルで最も時間を割いた曲なのです。続いての「Hurly-Burly」は遊び心満載な楽曲です。オリジナルはサクソフォーンが印象的でしたが、オーケストラバージョンも更に力強く、題名のとおり大騒ぎを物語る作品になりました。弦楽器だけという編成で演奏された「Monkey Forest」、テンポも速いし、複雑なリズム。他の楽曲にも増してしっかりと指揮をしなくては、と、久石は本番前に構えていました。「Asian Crisis」、後半に行くにつれての緊張感は圧巻でしたね。」

(久石譲 アジアオーケストラツアー ファイナルコンサート レポートより ファンクラブ会報 JOE CLUB 2007.6)

 

 

久石譲コメント

「ASIAN SYMPHONY」は2006年におこなったアジアツアーのときに初演した「アジア組曲」をもとに再構成したものです。新たに2017年公開の映画『花戦さ』のために書いた楽曲を加えて、全5楽章からなる約28分の作品になりました。一言でいうと「メロディアスなミニマル」ということになります。作曲時の上昇カーブを描くアジアのエネルギーへの憧れとロマンは、今回のリコンポーズで多少シリアスな現実として生まれ変わりました。その辺りは意図的ではないのですが、リアルな社会とリンクしています。

Blog. 「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2017」 コンサート・レポート より)

 

 

 

本作に収録された2大作品のレビューは、コンサート・レポートに瞬間を封じ込め記した。

 

 

 

本作は、初演されたコンサートからのライヴ・レコーディングではなく、CD化のために改めてセッション・レコーディングが行われている。コンサートを経てスコアに修正が施された箇所もある。臨場感と緻密な音づくりを極めたクオリティ、圧巻と貫禄のパフォーマンス、作品完成度を追い求めここに極めた渾身のCD作品化。満を持して世に送り届けられる。

 

 

 

久石譲 & 新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ
交響組曲「天空の城ラピュタ」

Joe Hisaishi & New Japan Philharmonic World Dream Orchestra
Symphonic Suite Castle in the Sky

Symphonic Suite “Castle in the Sky”
01. Doves and the Boy ~ The Girl Who Fell from the Sky
02. A Street Brawl ~ The Chase ~ Floating with the Crystal
03. Memories of Gondoa
04. The Crisis ~ Disheartened Pazu
05. Robot Soldier ~ Resurrection – Rescue ~
06. Gran’ma Dola
07. The Castle of Time
08. Innocent
09. The Eternal Tree of Life

ASIAN SYMPHONY
10. I. Dawn of Asia
11. II. Hurly-Burly
12. III. Monkey Forest
13. IV. Absolution
14. V. Asian Crisis

 

All Music Composed, Arranged and Produced by Joe Hisaishi

Conducted by Joe Hisaishi
Performed by New Japan Philharmonic World Dream Orchestra, Yasushi Toyoshima (Concertmaster)
Solo Piano by Joe Hisaishi (Track-08)

Recorded at Sumida Triphony Hall, Tokyo (April 6th, 2018)

Symphonic Suite “Castle in the Sky”
Original Orchestration by Joe Hisaishi
Orchestration by Chad Cannon, Joe Hisaishi

Recording & Mixing Engineer:Suminobu Hamada (Sound Inn)
Assistant Engineer:Hiroyuki Akita
Mixed at Bunkamura Studio
Mastering Engineer:Shigeki Fujino (UNIVERSAL MUSIC)

and more…

 

Info. 2018/08/15 [ラジオ] NHK FM「今日は一日”久石譲”三昧」放送・出演

8月15日(水)久石譲の魅力をジブリ作品を中心に9時間にわたって紹介する生放送番組、NHK FM『今日は一日“久石譲”三昧』が放送予定です。出演は久石譲、鈴木敏夫(スタジオジブリプロデューサー)、奥田誠治(元日テレ 映画プロデューサー)、藤巻直哉(崖の上のポニョ主題歌 ボーカル)ほか。番組ではリクエスト募集中。 “Info. 2018/08/15 [ラジオ] NHK FM「今日は一日”久石譲”三昧」放送・出演” の続きを読む

《号外》 プログラム紹介 ~W.D.O. 2018 をもっと楽しむために~

Posted on 2018/07/24

8月9日からいよいよスタートする「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2018」コンサートツアー。最新のプログラム予定をもとに楽曲紹介します。コンサートをもっともっと楽しむために。久石譲&新日本フィルが今届けたい音楽をからだいっぱい浴びたい!受けとめたい!最高の感動・一生の思い出は、ほんの少しの予習と気持ちの向かう先に♪ “《号外》 プログラム紹介 ~W.D.O. 2018 をもっと楽しむために~” の続きを読む

Info. 2018/07/23「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2018」プログラム&ABプロ対象会場 更新お知らせ

「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ2018」のプログラムを更新しました。プログラムの対象会場も更新されました。

 

【PROGRAM A】
[ミニマリズム]
 Links
 Encounter
 Single Track Music 1 *世界初演 “Info. 2018/07/23「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2018」プログラム&ABプロ対象会場 更新お知らせ” の続きを読む

Blog. 「ナガノ・チェンバー・オーケストラ 第7回 定期演奏会」 コンサート・レポート

Posted on 2018/07/19

7月16日開催「ナガノ・チェンバー・オーケストラ 第7回 定期演奏会」です。「アートメントNAGANO 2018」のフィナーレを飾る最終公演、2016年から2年間をかけてベートーヴェン全交響曲を演奏するプロジェクトのシリーズ完結でもあります。

 

先立って5月に公開されたプロモーションで久石譲はこう語っています。

 

長野だからこそという「第九」になるのがいい。

ベートーヴェンの曲もリズムを重要視して書かれている。それを現代的なリズム感覚でNCOではずっとアプローチをかけて来たわけです。ですから単純に言うと速いです、テンポも。NCOはどうしても速いです。トータルで言うと、まるでロックを聴いたようなリズムで、興奮するねっていうようなベートーヴェンをやろうと。

(久石譲)

Info. 2018/05/06 「ナガノ・チェンバー・オーケストラ 第7回定期演奏会」PV公開 より

 

 

まずはセットリストとパンフレットからご紹介します。

 

久石譲(指揮) ナガノ・チェンバー・オーケストラ(NCO)
第7回定期演奏会 〈久石譲 ベートーヴェン・シンフォニー・ツィクルス〉

[公演期間]  
2018/07/16

[公演回数]
1公演
長野・長野市芸術館メインホール

[編成]
指揮:久石譲
管弦楽:ナガノ・チェンバー・オーケストラ(NCO)
コンサート・マスター:近藤薫
ソリスト:安井陽子(ソプラノ)、山下牧子(メゾソプラノ)、福井敬(テノール)、山下浩司(バスバリトン)
合唱:栗友会合唱団、信州大学混声合唱団、市民合唱団

[曲目]
久石 譲:Orbis ~混声合唱、オルガンとオーケストラのための
久石 譲:Symphonic Poem NAUSICAÄ 2015 から「ナウシカ・レクイエム」「鳥の人」 (with mixed chorus)

—-intermission—-

ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 作品125「合唱付き」

 

 

解説

久石譲:Orbis ~混声合唱、オルガンとオーケストラのための

曲名はラテン語で”環”や”繋がり”を意味します。2007年の「サントリー1万人の第九」の時、冒頭に演奏する楽曲として委嘱された。サントリーホールのパイプオルガンと大阪城ホールを二元中継で”繋ぐ”という発想から生まれました。祝典序曲的な華やかな性格と、水面に落ちた水滴が波紋の”環”を広げていくようなイメージを意識しながら作曲しています。

歌詞に関しては、ベートーヴェンの《第九》と同じように、いくつかのキーワードとなる言葉を配置し、その言葉の持つアクセントが音楽的要素として器楽の中でどこまで利用できるか、という点に比重を置きました。”声楽曲”のように歌詞の意味内容を深く追求していく音楽とは異なります。言葉として選んだ「レティーシア/歓喜」や「パラディウス/天国」といったラテン語は、結果的にベートーヴェンが《第九》のために選んだ歌詞と近い内容になっています。作曲の発想としては、音楽をフレーズごとに組み立てていくのではなく、拍が1拍ずつズレていくミニマル・ミュージックの手法を用いています。そのため演奏が大変難しい作品です。約10分の長さですが、11/8拍子の速いパートもあり、難易度はかなり高いものがあります。

(*コンサート・プログラム歌詞掲載あり)

 

久石譲:Symphonic Poem NAUSICAÄ 2015 から「ナウシカ・レクイエム」「鳥の人」

1984年に公開された映画『風の谷のナウシカ』のために書いた曲です。それをもとにして新たに交響組曲として2015年に再構成した楽曲で、今回は2曲「ナウシカ・レクイエム」と「鳥の人」を演奏します。

これは宮崎さんと出会ったきっかけでもあるので、人一倍思い入れがあります。よく宮崎さんとの映画でどれが一番好きですか?と聞かれます。僕は「全部好きですが、あえて選ぶなら『風の谷のナウシカ』です、ここから始まったんですから」と答えます。

久石譲

 

ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 作品125「合唱付き」

(*コンサート・プログラム ~柴田克彦氏(音楽評論家)による解説)

 

(アートメント NAGANO 2018 パンフレット より)

*同冊子には全公演データ(スケジュール/プログラム/解説/出演者プロフィール)が日本語・英語で収載されています。全77ページ。

 

 

ここからは個人的な感想、コンサート・レポートです。

どうしてもシリーズ完結はその場に居合わせたい!NCOが奏でる「Orbis」を聴いてみたい!体感したコンサートがそのままCD化される!一日の経験が一生の宝物になる、そんな期待に胸をふくらませこの日をとても楽しみにしていました。

長野市芸術館のホール開演ベルも久石さんが手がけたメロディです。優しいやわらかいその旋律は、木のぬくもりを感じる響きのよいホールに包みこまれます。

 

久石譲:Orbis ~混声合唱、オルガンとオーケストラのための

ベートーヴェン「第九」に捧げる序曲、この作品を取り上げるときには「第九」と並列プログラムとなる、過去のコンサート略歴からみても必然です。NCOがどんな「Orbis」を聴かせてくれるのか。リズムを武器にもつ若い精鋭たちがつくりあげる、これまたリズムを肝にした作品。圧巻でした。ソリッドで瑞々しい生き生きとしたリズム、ダイナミクスに富んだエネルギー溢れる勢い。まさに一点に集中した波紋の”環”が一気に解き放たれる瞬間。今のNCOだからこそ、久石譲のもとで3年間築いてきた成長と進化があってこその一期一会の「Orbis」がそこにはありました。重厚で威厳のある「Orbis」もいいけれど、生命力に溢れたエネルギッシュな「Orbis」もとびきり素晴らしい。音を楽しんでいる粒子たちが飛びかっているようでした。

2015年「Orbis」は全3楽章作品としても初演されていますが、本公演では2007年オリジナル版(2015年版第1楽章にあたる)のプログラムです。

 

久石譲:Symphonic Poem NAUSICAÄ 2015 から「ナウシカ・レクイエム」「鳥の人」

合唱編成の組まれた本公演ならでは。合唱団も全プログラムにおいて出番があるというのも珍しいかもしれません。それだけリハーサルから本番まで大変だったと思います。観客としては得した気分でうれしいセレクトです。それはおのずと、公演によっては合唱編成なしの「ナウシカ」プログラムもあるということです。「風の谷のナウシカ」作品ほど、合唱編成ありなし、甲乙つけがたいものはないですね。合唱がなくても物足りなさを感じないオーケストレーションの完成度と壮大さ、合唱編成があるとまたそこに世界観が広がるような。不思議な作品です。別の言葉でいいかえるなら、稀にみる驚異的な作品です。

「Orbis」にはじまり「第九」まで。コーラスパフォーマンスも素晴らしく、オーケストラとも絶妙なバランスで溶け合っていました。「第九」のときに気づいたのですが、男女比は男声合唱のほうが多かったような気がします。これはなにか意図するものだったのか?たまたまなのか?(たまたまってことはないか)「第九」合唱編成のものさしを調べてみたけれど、わかりませんでした。

 

ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 作品125「合唱付き」

いまこの交響曲が生まれたばかりのようなエネルギーとフレッシュさ全開の快演。快速なんだけれど、勢いまかせではないかちっとそろったリズムとフレーズ。クラシック交響曲の金字塔といわれる「第九」、歴史と作品の重みから、畏敬や荘厳の精神性を込めた重厚な演奏が定番だとしたら、NCO版はそんな一種肩に力の入った窮屈さを解放してくれるような演奏。もしかしたら、当時の人たちはこのくらいセンセーショナルに受け止めていたのかもしれない、と一気に引き込まれていきました。

第1楽章からとにかく激しいパワー全開、ベートーヴェンの創作性が爆発している瞬間のようでした。音楽の哲学というよりはむきだしのベートーヴェン、「どうだっ!これが今おれが世に問う作品だ!」と言わんばかりの。崇拝の第九ではなくて生身の第九、神の領域ではなくて人間に根ざした第九。第2楽章も執拗にくり返される主題、有無を言わさず観客をのみこんでしまう指揮者とオーケストラの集中力。

第3楽章にも驚きました。一般的に緩徐楽章(ゆっくりしたテンポの楽章)で、ベートーヴェンが構築した到達点ともいわれる美しい楽章。久石譲とNCOがつくりだす世界はとても軽やか。第1楽章からの速いテンポ流れを考えたら、第3楽章もテンポを底上げするという考え方もできるでしょう。でも、それともちがう。流れるようなしなやかな旋律というよりは、メヌエットのようなステップのはっきりしたリズミカルな演奏。これはとても新鮮でこれまでには聴いたことがない衝撃でした。たしかにそう思って注意深く聴いていくと第3楽章は3拍子が基本なので、ロンドともとれる。静かにさとすような緩徐楽章ではなく、からだが自然と揺れ動くような調べ。

第4楽章、久石譲が「ギリシャの王様」ではなくここは「ベートーヴェン本人」なんだと語っていた冒頭も、違う違うと否定しながらこれだっ!と確信に至るベートーヴェンの姿や頭のなかが浮かぶようで、おもしろかったです。わかりやすく誇張して奏してくれていたのではと思えるほどでした。初めてベーレンライター版楽譜を使用して臨んだ「第九」、楽譜版の差異がわかる知識はないのが残念ですが、とにかく心からだ踊る第九でした。もうね、久石さんはじめステージのみなさん、力込めすぎて血がのぼりすぎないかな、倒れないかなというほどの気迫と燃焼度で圧巻の第九でした。

 

 

ちょっと終われない。

ティンパニがなあ、ティンパニが気になって気になってしょうがない。

NCOのティンパニは乾いた音がする。重厚で沈みこむ一般的なティンパニに比べてかなり軽い響き。このことがコンサート前から離れないお題で、じかに体感できる確認できる楽しみのひとつでもありました。

さかのぼることお正月。ラジオ番組「真冬の夜の偉人たち – 久石譲の耳福解説〜ベートーベン交響曲〜-」(末尾に詳細あります)で紹介されたノリントン指揮のベートーヴェン交響曲がとても心地よく、古楽奏法の特徴などもわかりやすく解説されたのもあり、ぜひ聴いてみたいと気がついたらノリントン指揮全交響曲をそろえていました。今まで聴いていたものとはがらりと印象が違うものも多く、持っているCD盤と聴き比べていくのが楽しかったんですね。

古楽器奏法またはピリオド奏法(その時代の楽器を使ってその時代の弾き方で演奏する)、、”基本的にビブラートをかけない、正弦波に近くなって波形がぐちゃぐちゃにならない、そうすると非常に透き通って遠くまで音がよく届く”、、、そういった久石譲解説があって、なるほどー!と聴き方の手引きをもらったように、今までの無味乾燥のイメージが少し変わりはじめ。

絵でいったら具材がちがうのかな。絵の具なのか、クレヨンなのか、色鉛筆なのか。割り当てられた色味や完成図は同じでも具材が異なれば、完成したそれは異なる表情をみせ違う印象を与えます。絵の具であれば濃淡や厚みを表現しやすいかもしれないし、色鉛筆であれば清涼感や柔らかさがあるかもしれない。僕は、古楽器による演奏と現代楽器による演奏をこんな風にとらえるようになりました。どちらが良い悪いでもなく、どちらにも良さや持ち味があると。そしてまた、具材をまぜあわせる表現方法もあるように、ピリオドやモダンにとらわれない、ミックスアップした奏法もあると。

前後して2月にCD化された「ベートーヴェン:交響曲 第2番 & 第5番「運命」 / 久石譲指揮 ナガノ・チェンバー・オーケストラ」を聴きながら、あれっ?こんなところでこんな勢いよくティンパニ鳴ってたかなと一瞬耳を疑ったのが、Track.1から収録されている第5番 第1楽章。アレンジしたのかな?!(そんなはずはありません、失礼しました)と思うくらいのインパクトです。

NCOのティンパニの音は、ノリントンさんのティンパニの音に近い。ちょうど同時期に聴いていたのでつながったのかもしれません。ティンパニにも当時のオリジナル楽器ってあるのかな、古楽器奏法があるのかな、でもNCOは編成こそ当時の規模に近いコンパクトながらも、楽器はモダンオーケストラのはずで。解決の糸口が見つからない。

……。

本公演「第九」のティンパニは、やっぱりNCO特有のティンパニの音でした。そして際立ち具合や炸裂具合はノリントン盤の比ではない。コンサート前半「ナウシカ」のティンパニとも明らかに違う。いつものティンパニがドーン!と大砲だとしたら、パンパンパーン!と小刻みに撃てる。楽譜のおたまじゃくしは変えられないので、同じ威力として比較したら、顔をのぞかせる頻度としてという意味です。うん、ティンパニが表立って活躍する場がふえる、そういうことなのか!?とひっかかりだした。ひとつ大きく後悔し反省しています。休憩時間のセットチェンジのときに、ティンパニを見張っておくべきだった。ティンパニそのものを入れ替えているのか、なにか付け替えたり調整したりしているのか。叩く棒(マレット)やその硬さが違うだけなのか、鼓面の膜のようなものその素材が違うのか…などなど。強く後悔しています。

 

僕の出した回答。

ティンパニの響きが乾いて軽いということは、NCOの小回りが効く駆動力ある編成の要のひとつかもしれない。第5番第1楽章などでも聴かれるティンパニの強烈で小切れよいアタックは、その乾いた響きゆえに重くならず絶妙なリズム感を推進する。パーカッションのアクセントにとどまらない、エンジンフル稼働ティンパニ。エネルギッシュでスポーティーなNCO版ベートーヴェン交響曲、急発進もアクセルふかしもカーブさばきも、ティンパニがギアチェンジをひっぱっているのかもしれない。

いつかこのことはゆっくりまた。すでに発売された第1番・第3番・第5番・第2番、そしてCD化されたばかりの第7番・第8番も。ティンパニだけではない久石譲の視点がいっぱいに詰まっているんだと思います。第5番第1楽章の耳を疑ったティンパニ箇所も、注意深く聴きなおすとどのCD盤でも鳴っていました。でも全然気づかない。そのくらい譜面からなにをどう読み取って表現するのか。作曲家/指揮者 久石譲盤の楽しみ方のひとつになります。本公演の第9番もティンパニは終始炸裂していましたし、まさに興奮するアドレナリンを誘発する巧妙な仕掛け。ほかにも聴き比べて発見できること新しい感動があるはず、CD化が待ち遠しい。CDライナーノーツでアンサー解説があるととてもうれしいです。

 

PS.
Track.1「ベートーヴェン 交響曲第5番 第1楽章」の0:34~0:37や1:06~1:09に聴かれるティンパニ。第5番のなんらかの演奏盤があったら聴き比べてみてください。ティンパニの乾いた響きってこのことね、と伝わると思います。そしてこの久石譲&NCO版のようにティンパニは前面に出ていないんじゃないかな、と思います。こんな小さな探しものから入るクラシックの楽しみ方もおもしろいですよ♪

Disc. 久石譲指揮 ナガノ・チェンバー・オーケストラ 『ベートーヴェン:交響曲 第2番&第5番「運命」』

 

 

全7回公演データを振り返り。ベートーヴェンと並列してプログラムされた意欲的な他作品、そして久石譲作品たち。輝かしいNCO全集としてCD化される日がくるのなら、もっともっとこれから先も”日常に音楽のある”生活をつづけていくことができます。そしてそれは長野発信という輝かしい歴史であり財産です。くり返しくり返し時間をかけて根づかせていく。コンサートをきっかけに豊かになった人、CDを手にとって豊かになった人、そしてこれから始まる人へのきっかけづくり。ぜひっ!

 

久石譲(指揮) ナガノ・チェンバー・オーケストラ(NCO)
第1回定期演奏会 〈久石譲 ベートーヴェン・シンフォニー・ツィクルス〉

[公演期間]  久石譲 ナガノ・チェンバー・オーケストラ 定期演奏会
2016/7/16

[公演回数]
1公演 (長野 長野市芸術館メインホール)

[編成]
指揮:久石譲
管弦楽:ナガノ・チェンバー・オーケストラ(NCO)
コンサートマスター:近藤薫

[曲目]
ヴィヴァルディ(久石譲編曲):ラ・フォリア 独奏:原雅道 / 小林久美(ヴァイオリン) / 西山健一(チェロ)
ヘンリク・グレツキ:あるポルカのための小レクイエム 作品66

–intermission–

ベートーヴェン:交響曲第1番 ハ長調 作品21

[参考作品]

 

久石譲(指揮) ナガノ・チェンバー・オーケストラ(NCO)
第2回定期演奏会 〈久石譲 ベートーヴェン・シンフォニー・ツィクルス〉

[公演期間]  久石譲 ナガノ・チェンバー・オーケストラ 定期演奏会
2016/7/17

[公演回数]
1公演 (長野 長野市芸術館メインホール)

[編成]
指揮:久石譲
管弦楽:ナガノ・チェンバー・オーケストラ(NCO)
コンサートマスター:近藤薫

[曲目]
久石譲:シンフォニア~室内オーケストラのための~
ウラディーミル・マルティノフ:カム・イン! ヴァイオリン独奏:近藤薫

–intermission–

ベートーヴェン:交響曲第2番 ニ長調 作品36

[参考作品]

ベートーヴェン:交響曲 第2番&第5番「運命」

 

久石譲(指揮) ナガノ・チェンバー・オーケストラ(NCO)
第3回定期演奏会 〈久石譲 ベートーヴェン・シンフォニー・ツィクルス〉

[公演期間]  久石譲 ナガノ・チェンバー・オーケストラ 定期3
2017/2/12

[公演回数]
1公演 (長野 長野市芸術館メインホール)

[編成]
指揮:久石譲
管弦楽:ナガノ・チェンバー・オーケストラ(NCO)

[曲目]
久石譲:Encounter for String Orchestra  *世界初演
ベートーヴェン:交響曲 第4番 変ロ長調 作品60
ベートーヴェン:交響曲 第3番 変ホ長調 作品55 「英雄」

—-encore—-
久石譲:Kiki’s Delivery Service for Orchestra

[参考作品]

 

久石譲(指揮) ナガノ・チェンバー・オーケストラ(NCO)
第4回定期演奏会 〈久石譲 ベートーヴェン・シンフォニー・ツィクルス〉

[公演期間]  
2017/7/15

[公演回数]
1公演 (長野 長野市芸術館メインホール)

[編成]
指揮:久石譲
管弦楽:ナガノ・チェンバー・オーケストラ(NCO)
ピアノ:横山幸雄

[曲目]
〈前半〉
久石譲:5th Dimension
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 「皇帝」

—-encore—-
ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番「悲愴」より第2楽章

〈後半〉
ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 作品67 「運命」

—-encore—-
ブラームス:ハンガリー舞曲 第5番

[参考作品]

ベートーヴェン:交響曲 第2番&第5番「運命」

 

久石譲(指揮) ナガノ・チェンバー・オーケストラ(NCO)
第5回定期演奏会 〈久石譲 ベートーヴェン・シンフォニー・ツィクルス〉

[公演期間]  
2017/7/17

[公演回数]
1公演 (長野 長野市芸術館メインホール)

[編成]
指揮:久石譲
管弦楽:ナガノ・チェンバー・オーケストラ(NCO)
コントラバス:石川 滋(読売日本交響楽団ソロ・コントラバス奏者)

[曲目]
〈前半〉
久石譲:コントラバス協奏曲 (2015・日本テレビ委嘱作品)

—-encore—-
パブロ・カザルス:鳥の歌

〈後半〉
ベートーヴェン:交響曲第6番 ヘ長調 作品68 「田園」

—-encore—-
久石譲:Dream More

 

久石譲(指揮) ナガノ・チェンバー・オーケストラ(NCO)
第6回定期演奏会 〈久石譲 ベートーヴェン・シンフォニー・ツィクルス〉

[公演期間]  
2018/2/12

[公演回数]
1公演 (長野 長野市芸術館メインホール)

[編成]
指揮:久石譲
管弦楽:ナガノ・チェンバー・オーケストラ(NCO)

[曲目]
〈前半〉
アルヴォ・ペルト:カントゥス~ベンジャミン・ブリテンの追悼に (1976)
ベートーヴェン:交響曲第8番 ヘ長調 作品93

〈後半〉
ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 作品92

—-encore—-
”Merry-go-round” 『ハウルの動く城』より

[参考作品]

ベートーヴェン:交響曲 第7番&第8番

 

久石譲(指揮) ナガノ・チェンバー・オーケストラ(NCO)
第7回定期演奏会 〈久石譲 ベートーヴェン・シンフォニー・ツィクルス〉

[公演期間]  
2018/7/16

[公演回数]
1公演 (長野 長野市芸術館メインホール)

[編成]
指揮:久石譲
管弦楽:ナガノ・チェンバー・オーケストラ(NCO)
コンサート・マスター:近藤薫
ソリスト:安井陽子(ソプラノ)、山下牧子(メゾソプラノ)、福井敬(テノール)、山下浩司(バスバリトン)
合唱:栗友会合唱団、信州大学混声合唱団、市民合唱団

[曲目]
久石 譲:Orbis ~混声合唱、オルガンとオーケストラのための
久石 譲:Symphonic Poem NAUSICAÄ 2015 から「ナウシカ・レクイエム」「鳥の人」 (with mixed chorus)

—-intermission—-

ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 作品125「合唱付き」

 

 

 

久石譲がベートーヴェンについて語ったこと

 

「人間が日々感じている喜びは、単純な嬉しさにとどまらない部分があります。「辛かったけれど、努力して続けてきて良かった」と思うような、ジワっと伝わってくる喜びから全身の細胞が波打つような興奮した喜びまで様々です。たとえ”喜び”の大半が”苦しみ”や”辛さ”を占めているのだとしても、それでも人間は生きるに値する。人類に対しての深い愛、それが、おそらく晩年を迎えた老作曲家・ベートーヴェンが《第九》え伝えようとしている”歓喜”の意味ではないか。そこに、日本人が《第九》をこよなく愛する大きな理由のひとつがあると思います。」

Blog. 「久石譲 第九スペシャル」 コンサート・プログラムより 抜粋)

 

「大概の作曲家が言うことですが、第九はフォームがよくない。五番や七番に比べると、一、ニ、三楽章はいいけれど、四楽章はバランスが変。交響曲としての完成度で言うと、第九ってどうなの?と、僕を含めて多くの作曲家が疑問を持っていた。それはベートーヴェン自身にもあった。

でも、何回か第九を指揮しているうちに、そんなことは吹っ飛びました。あの四楽章の持っているカタルシス。まるでマリオブラザーズの一面クリア、二面クリア(笑)……という感じの、あの興奮。それから合唱が持つ圧倒的なエネルギーなどを考えていくと、やはり音楽は理屈じゃないのだと最後に気づきますよ。構成だ、論理的構造だとか言っていたことは一体何だったんだというのを最後に感じます。そのぐらい第九はすさまじい。」

Blog. 「考える人 2014年秋号」(新潮社) 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

「例えば、ベートーヴェンの交響曲第9番第1楽章の冒頭。多くの指揮者の場合、ピアニッシモで抑えに抑えて、深淵から音が現れるように演奏するが、僕は第2ヴァイオリンとチェロが6連符を刻み続けるリズムを大事にしたいので、あまり弱くはしない。第2主題になるとだいたい遅くなるのだが、そこはどうしてもリズムをキープしたい、ソリッドな構造が見えるベートーヴェンにしたい。それは最初の練習の時にはっきり伝える。そうすると、オーケストラの奏者も、この指揮者は全体を通して何をやるたいのかが見えてくる。2日か3日のリハーサルしかない中で、極論すれば、指揮者は自分のやりたいことを最初の10分で伝えなければならない。」

Blog. 「クラシック プレミアム 33 ~エルガー/ホルスト~」(CDマガジン) レビュー より抜粋)

 

「実は他にもたくさん「第九」には不都合な場所、整合性が取れていないところがあります。今日多くの優れた指揮者がそれに対する答えを用意して、それぞれの「第九」に挑戦していますが、まるで「答えのない質問」をベートーヴェンから突きつけられているか、のようです。

僕の指揮の師匠である秋山和慶先生はすでに400回以上「第九」を指揮されていますが、それでも「毎回新しい発見があるんですよ、だから頑張ろうと」と仰っています。「第九」はその深い精神性を含めて表現しようとする指揮者、演奏家にとって永遠の課題なのかもしれません。」

Blog. 「久石譲 第九スペシャル 2015」「久石譲 ジルベスター・コンサート 2015」コンサート・レポート より抜粋)

 

「音楽する日乗」(久石譲著・2016)では、【《第9》を指揮して思うこと】【「神が降りてきた」】(台湾での第九コンサート出来事)などクラシック音楽を中心に「振る」「伝える」「知る」「考える」「創る」のテーマで執筆されています。創作活動、演奏活動、指揮活動など作曲家・指揮者としての久石譲を多角度的に紐解くことができます。

Book. 久石譲 「音楽する日乗」

 

「隔年で僕もベートーヴェンの「第9」を演奏させていただいていましたが、「暮れって第9だけ?」という素朴な疑問があったからです。もちろん「第9」はとても好きですし、来年の夏!に演奏(初めてベーレンライター版で臨みます)も決まっています。」

Blog. 「久石譲 ジルベスターコンサート 2017 in festival hall」 コンサート・パンフレットより 抜粋)

 

「すごく高邁な理想と下世話さが同居しているんですよ。高邁さだけだと扉の向う側ににある偉いもので終わってしまいますよね。でもベートーヴェンのなかには必ず一般の人にどううけるかというのをたえず意識しているんですよ。そこのところがすごくおもしろくて。突然下世話さが顔を出したり、瞬時にまた芸術的といいますか高邁になったりするんですよ。これが作曲家から見てるとおもしろくて仕方がないですよね。」

「だけどさっき説明したように、冒頭でやってる人っていうのは基本的にベートーヴェンなんですよね。本人なんです、これ違う、あれ違うって。ギリシャの王様じゃないんだよコラっ、て僕はいつも言ってるわけ。だけどどうしてもやっぱり何回か第九を演奏しましたけれども、どうしても抜けないわけですよ。いやそうじゃない、ベートーヴェンだから、もっとせかせかせかせかして、これ違うあれ違う、これだ!あっこれいいっ!、ってもっと軽くやろうと言ってるんだけどなかなかうまくいかないんだなあ。このノリントンさんのノリというのがその感じなわけですよね。僕の解釈だとこれが正しい。作曲家本人でなきゃいけない。というのがあって、ちょっとこれを聴いてもらうとどうかなあと思いました。」

「(ベートーヴェンとは)冒頭でも言いましたけれども、非常に高邁な理念と非常に大衆的な下世話さと、両方あわせもつという、ものをつくる人間にとっての本当の手本。非常にクリアな明快なコンセプトでつくる、そういう意味ではやはり金字塔といいますか一番の頂点の人であって。やはり音楽をつくることを目指す人間は、ベートーヴェンという存在を意識しながらやってくべきではないかと、そういうふうに思っています。」

Blog. NHK FM 「真冬の夜の偉人たち – 久石譲の耳福解説〜ベートーベン交響曲〜-」 番組内容 より抜粋)

 

「それから、作曲家としてもう一回クラシック音楽を再構築したいっていうふうになるわけですね。どういうことかというと、指揮者の人が振る時の指揮の仕方って、やっぱりメロディだとかフォルテだとかっていうのをやっていくんだけど、僕はね作曲家だから、メロディ興味ないんですよ。それよりも、この下でこうヴィオラだとかセカンド・ヴァイオリンがチャカチャカチャカチャカ刻んでるじゃないですか。書くほうからするとそっちにすごく苦労するんですよ。こんなに苦労して書いてる音をなんでみんな無視してんだコラっ!みたいなのがある。そうすると、それをクローズアップしたりとか。それから構成がソナタ形式ででてるのになんでこんな演奏してんだよ!と。たとえばベートーヴェンの交響曲にしてもね。そうすると、自分なら作曲家の目線でこうやるっていうのが、だんだん強い意識が出てきちゃったんですよね。そして、それをやりだしたら、こんなにおもしろいことないなあと思っちゃったんですよ。たとえば、ベートーヴェンをドイツ音楽の重々しいみたいな、どうだっていいそんなもんは、というふうに僕はなっちゃうんですよ。だって書いてないでしょ、譜面に書いてあることをきちんとやろうよ、っていうことにしちゃうわけです。そうするとアプローチがもうまったく違う。ドイツの重々しい立派なドイツ音楽で聴きたいなら、ベルリン・フィルでもウィーン・フィルでも聴いてくれよと。僕は日本人だからやる必要ないってはっきり思うわけね。そういうやり方で迫っていっちゃうから。」

「それともう一個あったのは、必ず自分の曲なり現代の曲とクラシックを組み合わせてるんです。これは在京のオーケストラでもありますね、ジョン・アダムズの曲とチャイコフスキーとかってある。ところが、それはそれ、これはこれ、なんですよ、演奏が。だけど重要なのは、ミニマル系のリズムをはっきりした現代曲をアプローチした、そのリズムの姿勢のままクラシックをやるべきなんですよ。そうすると今までのとは違うんです。これやってるオケはひとつもないんですよ。それで僕はそれをやってるわけ。それをやることによって、今の時代のクラシックをもう一回リ・クリエイトすると。そういうふうに思いだしたら、すごく楽しくなっちゃって、やりがいを感じちゃったもんですから、一生懸命やってる(笑)。」

「(MC:久石譲指揮のベートーヴェン交響曲第7番・第8番を聴いたんですけど、もうロックなんですね、まさに) はははっ(笑)もしかしたら当時もこうだったんじゃないかっていう。今みたいに大きい編成じゃなくてね、非常に明快にやってたはずなんですよ。だから、ある意味ではベートーヴェンが目指したものを、今という時代にもう一回実現する方法として、長い間クラシックの人がいっぱい演奏してきたそのやり方を全部捨てて、新たな方法でやれれば一番いいかなとちょっと思いましたね。(ナガノ・チェンバー・オーケストラは)在京のN響・読響・都響・東フィル、全部の首席あるいはコンサートマスターがどっと集合してて、もうスーパー・オーケストラですね。ここで僕もすごく育ててもらったんだけど。すごくね毎回やっぱり怖いんですよね、イヤなこともあって。イヤなことっていうのは、たとえば自分のミニマルの現代曲とベートーヴェン一緒にやりますね、チャイコフスキーでもいいです。そうするとね、長い時代を経て生き残った曲って名曲なんですよ。もう本当に永遠の名曲。それに対して自分ごときの曲が一緒にやるってなった時に、ほんとにつらいですよね。うあ、すまないなあって気持ちにいつもなるんですよ(笑)。逆にいうと、作曲家としてもっとがんばれよっていう、ほんとにそう思いますよね。」

Blog. TBSラジオ「辻井いつ子の今日の風、なに色?」久石譲ゲスト出演 内容紹介 より抜粋)

 

 

 

Info. 2018/08/29 TVドラマ『この世界の片隅に』サウンドトラック発売決定 (Webニュースより)

TBS系で7月15日から始まった日曜劇場「この世界の片隅に」(毎週日曜夜9:00-9:54)。このドラマの音楽を担当するのが久石譲。久石の音楽は放送前から注目を集めていたが、このたびドラマのオリジナル・サウンドトラックを8月29日(水)に発売することが決定した。 “Info. 2018/08/29 TVドラマ『この世界の片隅に』サウンドトラック発売決定 (Webニュースより)” の続きを読む