Blog. NHK FM 「今日は一日”久石譲”三昧」 番組内容 -プレイリスト編-

Posted on 2018/08/16

8月15日(水)久石譲の魅力をジブリ作品を中心に9時間にわたって紹介する生放送番組、NHK FM『今日は一日“久石譲”三昧』が放送されました。出演は久石譲、鈴木敏夫(スタジオジブリプロデューサー)、奥田誠治(元日テレ 映画プロデューサー)、藤巻直哉(崖の上のポニョ主題歌 ボーカル)ほか。番組ではリクエスト募集もありメッセージとあわせて紹介されました。

 

「風の谷のナウシカ」から「かぐや姫の物語」まで。スタジオジブリ作品全11作の音楽を手がける久石譲が、作品ごとに鈴木敏夫プロデューサーらと語ったエピソードは貴重なものばかり。どんなお話が聞けたかはまた別の機会に紹介できたら。ミニマル・ミュージック、ベートーヴェン、ジブリ作品以外の映画音楽、多岐にわたる久石譲インタビューや対談はボリューム満点でした。

そして、リクエスト企画ならではの振り幅広い久石譲音楽。こんな曲も流してくれるんだ!こんな曲知ってる人いるんだ!と驚くラインナップでした。ということで、今回は「プレイリスト編」番組公開プレイリストをもとに収録CDをあわせてご紹介します。曲名だけ見てもわからない、膨大すぎて踏み込めない。多種多彩な久石譲音楽、こんなのも!こんなのも!の連続です。

こういった番組を通して、また好きな久石譲音楽が見つかった、と広がっていきそうでいいな~と思ったとてもありがたい番組。そして、、9時間では全然足りないということもわかりましたね。うーん、ディープなものもあったけど30%紹介できたのかなという印象。パート2、パート3も期待しています!

 

 

8月13日(月)~19日(日)までの7日間 NHK-FMでは「今日は一日“◯◯”三昧」を毎日放送!この“三昧”三昧な1週間を「三昧フェス2018」と銘打ち、あなたの夏をとことん盛り上げます!

8/13 今日は一日 ”サザンオールスターズ” 三昧
8/14 今日は一日 ”ユーミン” 三昧
8/15 今日は一日 “久石譲” 三昧
8/16 今日は一日 ”ありがとう!ヒデキ” 三昧
8/17 今日は一日 “アスリート勝負曲” 三昧
8/18 今日は一日 ”ドラマうた” 三昧
8/19 今日は一日 “ジャパニーズ・ミュージカル” 三昧
8/19 今日は一日 “ホラーソング” 三昧

 

 

今日は一日“久石譲”三昧
8月15日(水)
午後0時20分~午後6時50分
午後7時30分~午後9時30分

あらゆるジャンルの映画音楽を作り、一方で15秒のCM音楽にも心血を注ぎ、かと思うと完全オリジナルアルバムやクラシック音楽を手がけられる。そして毎年世界中でコンサートもおこなう。音楽界の「超人」、それが、久石譲さんです。今回の三昧は、そんな久石譲さんの魅力を、ジブリ作品を中心にたっぷりとお届けします。

〈司会〉
久保田祐佳アナウンサー
出田奈々アナウンサー

〈インタビュー〉
青池玲奈アナウンサー

〈出演〉
久石譲
鈴木敏夫(スタジオジブリプロデューサー)
奥田誠治(元日テレ 映画プロデューサー)
藤巻直哉(崖の上のポニョ主題歌 ボーカル)

 

タイムテーブル

12:20~ リクエスト
13:00~ ジブリ映画音楽① 出演:久石譲、鈴木敏夫
14:15~ リクエスト
14:30~ ミニマル・ミュージック & ベートーベン 出演:久石譲、西村朗
15:20~ リクエスト
    ジブリ映画音楽② 出演:久石譲、鈴木敏夫
16:20~ リクエスト
16:35~ ジブリ映画音楽③ 出演:久石譲、鈴木敏夫、奥田誠治

~18:50

19:30~ ジブリ以外の映画音楽
20:00~ リクエスト
20:15~ ジブリ映画音楽④ 出演:久石譲、鈴木敏夫、藤巻直哉
21:00~ リクエスト

~21:30

 

プレイリスト

*リンクURLは楽曲収録CD
*現在入手が難しいものもあります

01.海の見える街 / 久石譲
02.やっつけろ! / 松木美音
03.Cinema Nostalgia / 久石譲
04.草の想い~ふたり・愛のテーマ~ / 大林 宣彦 /FRIENDS
05.ムクワジュ / ムクワジュ・アンサンブル
06.「風の谷のナウシカ」~オープニング~ / 久石譲
07.王蟲との交流 / 久石譲
08.オーストリア交響曲 第2楽章 / 久石譲
09.オーストリア交響曲 第3楽章 / 久石譲
10.Resphoina / 久石譲
11.いのちの名前 / 平原綾香
12.水の旅人~メイン・テーマ~ / 久石譲
13.空から降ってきた少女 / 久石譲
14.君をのせて / 井上あずみ
15.Prologue~Spring Rain / 久石譲
16.なよたけのかぐや姫 / 久石譲
17.エレクトリック・ヴァイオリンと室内オーケストラのための室内交響曲, Mov. 1. / 久石譲,フューチャー・オーケストラ
18.交響曲 第5番 作品67「運命」第1楽章 / 久石譲&ナガノ・チェンバー・オーケストラ
19.We are SMAP! / SMAP
20.男たちの大和 / 久石譲
21.さんぽ / 井上あずみ
22.風のとおり道 / 久石譲
23.となりのトトロ / 井上あずみ
24.THE INNERS ~遥かなる時間(とき)の彼方へ~ (Opnening Theme-Synthesizer Version) / 久石譲
25.Stand Alone / サラ・ブライトマン × 久石譲
26.海の見える街 / 久石譲
27.仕事はじめ / 久石譲
28.デッキブラシでランデブー / 久石譲
29.おかあさん / 久石譲
30.旅立ちの時~Asian Dream Song~ / 宮沢和史 with 久石譲
31.時代の風~人が人でいられた時~ / 久石譲
32.アドリアの海へ / 久石譲
33.晴れた日に… / 久石譲
34.Oriental Wind / 久石譲
35.アシタカとサン / 久石譲
36.アシタカせっ記 / 久石譲
37.もののけ姫 / 米良美一
38.神さま達 / 久石譲
39.6番目の駅 / 久石譲
40.竜の少年 / 久石譲
41.あの夏へ / 久石譲
42.人生のメリーゴーランド / 久石譲
43.星をのんだ少年 / 久石譲
44.銀河疾風サスライガー / MOTCHIN
45.Main Theme (映画「Quartet カルテット」より) / 久石譲
46.にんげんっていいな / 赤い靴ジュニアコーラス
47.メーヴェ / 久石譲
48.君だけを見ていた / 久石譲
49.はつ恋 / 久石譲
50.忍豚レゲエ / 田中真弓
51.にんげんっていいな / 中嶋義実・ヤングフレッシュ
52.HANA-BI / 久石譲
53.Summer / 久石譲
54.メインテーマ (映画「妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII」より) / 久石譲
55.おくりびと ~ending~ / 久石譲
56.NHKスペシャル 「ディープオーシャン」メインテーマ / 久石譲
57.崖の上のポニョ / 藤岡藤巻と大橋のぞみ
58.流れ星の夜 / 久石譲
59.旅路 (夢の王国) / 久石譲
60.天人の音楽Ⅰ / 久石譲
61.タタリ神 / 久石譲
62.帰らざる日々 / 久石譲
63.恋だね / 久石譲
64.ふたたび / 久石譲

 

*番組公開プレイリストでは楽曲が漏れていたので修正しています(Playlist.20)

 

公式サイト:NHK 今日は一日”久石譲”三昧
http://www4.nhk.or.jp/zanmai/343/

公式サイト:NHK 今日は一日○○三昧(ざんまい) プレイリスト
http://www4.nhk.or.jp/zanmai/65/

 

 

Info. 2018/06/25-30 [TV] 「NHK ディープオーシャン」関連番組 放送 【8/16 Update!!】

Posted on 2018/06/24

NHK シリーズ ディープオーシャンの関連番組が放送されます。過去放送したシリーズからの抜粋かもしれませんが、番組紹介には「久石譲のオリジナル音楽とテロップのみで伝える」(※25日放送分)とあります。ぜひご覧ください。

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Info. 2018/08/sun. [ラジオ] TBSラジオ「辻井いつ子の今日の風、なに色?」久石譲ゲスト出演(全4回) 【8/15 Update!!】

ピアニストの辻井伸行さんを育てられた辻井いつ子さんがパーソナリティを務めるラジオ番組「辻井いつ子の今日の風、なに色?」に、8月のゲストとして久石譲が出演いたします(全4回)。初回は8月5日(日)。どうぞお聴きください。 “Info. 2018/08/sun. [ラジオ] TBSラジオ「辻井いつ子の今日の風、なに色?」久石譲ゲスト出演(全4回) 【8/15 Update!!】” の続きを読む

Blog. NHK「ジブリのうた」 番組内容紹介 (関連本も紹介)

Posted on 2018/08/12

スタジオジブリの高畑勲監督と宮崎駿監督が、心をこめて創り上げてきた作品にスポットをあて、世代を越えて愛される音楽を主役にしたNHK音楽特番『ジブリのうた』が放送されました。

 

 

『ジブリのうた』
日時:8月9日(木)19:58~20:43 NHK総合

案内役:神木隆之介

出演アーティスト(五十音順):
新井美羽 / King & Prince / 五嶋龍 / 二階堂和美 / 久石譲 / Little Glee Monster / 横山だいすけ

ナレーション:入野自由

ことしは、映画、「となりのトトロ」と「火垂るの墓」が同時公開されてからちょうど30年。そして日本のアニメーションを牽引してきた巨匠・高畑勲監督が惜しまれつつ亡くなられた年です。そこで、高畑監督と宮崎駿監督が、心をこめて創り上げてきた、スタジオジブリの作品にスポットをあて、中でも世代を越えて愛される音楽を主役にした特番を放送します。

名作ぞろいの歌を歌うのは、人気者やジブリ縁のアーティストたち。作品の世界観を再現した空間で、楽しく、感動的なパフォーマンスを披露してくれます。もちろん、宮崎監督作品にまつわるエピソードや、高畑監督の偉大な足跡もたっぷりと紹介します。

番組案内の舞台は、多くの来場者が訪れる「ジブリの大博覧会」(広島県立美術館)会場。様々な作品の感動の名シーンも含め、ジブリの魅力が満載の45分間です。

(番組概要より)

 

 

番組内容をご紹介します。

 

♪ さんぽ / King & Prince
♪ 風のとおり道 / 久石譲、五嶋龍
♪となりのトトロ / King & Prince
♪ 崖の上のポニョ / 新井美羽、横山だいすけ
♪ ミミちゃんとパンダ・コパンダ / 新井美羽、横山だいすけ
♪ 君をのせて / Little Glee Monster
♪ いのちの記憶 / 二階堂和美
♪ 天人の音楽2018 / 久石譲(指揮)

 

 

風のとおり道 / 久石譲、五嶋龍

映画『となりのトトロ』から。主題歌「さんぽ」「となりのトトロ」に負けないくらいトトロ・スタンダードとして印象深い名曲です。久石譲のピアノと五嶋龍のヴァイオリンによる豪華デュオ。TV音楽番組「題名のない音楽会」テーマ曲「Untitled Music」(2015-2017)で初共演を果たし、久石譲海外公演でもステージ共演している華麗なコラボレーション。味わい深い熟成された二人の演奏に、ただただうっとりしてしまいます。久石譲ピアノソロ版もある、チェロ&ピアノ版もある、ピアノ&ストリングス版もある、もちろんオーケストラ版もある。そのなかで、今回のピアノ&ヴァイオリン版はこの番組のためだけ、一期一会の演奏です。ピアノ・パートも従来と変化あり、ヴァイオリンとのかけあいを際立たせる調べ。この夏とびっきりのプレゼントです!

 

 

 

「君をのせて」エピソード

「君をのせて」っていうのは、もともとイメージアルバムっていう本編の映画ではないアルバムを作っていたんですね。その時に、どんな曲が必要なのかっていうことで、宮崎さんが短いコメントを書かれるんですね。そのコメントと、たまたま僕が冒険映画にしてはしっとりしたメロディを書いちゃたんですね。それを高畑さんが非常に気に入られて、これをテーマにしたいと。それで、その時にイメージポエムから言葉をはめていったんですね。ですが、ちょっとやっぱり短いわけで入らないわけですよね。それを高畑さんと二人でいろんな言葉をメロディにあわせてはめていく作業。すごく楽しかったですけども。だから、作詞作曲が宮崎さんと僕ってなってるんですけど、あれを生み出す原動力になったのは高畑さんの力なんですよね。

久石譲

(エピソード・インタビュー 書き起こし)

 

 

天人の音楽2018 / 久石譲(指揮)

映画『かぐや姫の物語』から。印象的なストーリーに斬新な発想で観客を驚かせた「天人の音楽」。本番組で演奏されたのは冒頭で「なよたけのテーマ(久石譲作曲)」と「わらべ唄(高畑勲作曲)」の旋律が同時進行的に絡み合うパートを導入部に。弦楽合奏と篳篥・龍笛・太鼓などの邦楽器、さらにはサンプリングボイスまでが絶妙なブレンドで鳴り響く「天人の音楽」。楽器編成の和洋折衷を超えた別の世界の音楽。今年5月に開催された「高畑勲 お別れの会」でも会場で流れつづけた曲です。

 

 

 

 

関連書籍を少しご紹介します。

 

ジブリの教科書 19 かぐや姫の物語 (文春ジブリ文庫・2018刊)

映画『かぐや姫の物語』にまつわるエピソード満載の本です。久石譲による音楽制作も語り下ろし収載されています。そのなかには「天人の音楽」ができるまでのやりとりも鮮明に記されています。また鈴木敏夫プロデューサーによる語り下ろしは18ページにおよぶ長尺なもので、「高畑勲 お別れの会」を経て語られている内容です。今まで語られることのなかった高畑勲監督とのエピソード、壮絶なスタジオジブリ現場、そこから垣間見える高畑勲という人の強烈さ巨大さ。宮崎駿監督と高畑勲監督の距離感、鈴木プロデューサーだからこそ目撃できたエピソード。震えるほど読み応えあります。

 

この鈴木敏夫プロデューサーの語りは、同旨に近い内容で現在公開中です。

公式サイト:文春オンライン
「なぜ高畑勲さんともう映画を作りたくなかったか」――鈴木敏夫が語る高畑勲 #1
http://bunshun.jp/articles/-/8406
「高畑勲監督解任を提言したあのころ」――鈴木敏夫が語る高畑勲 #2
http://bunshun.jp/articles/-/8407
「緊張の糸は、高畑さんが亡くなってもほどけない」――鈴木敏夫が語る高畑勲 #3
http://bunshun.jp/articles/-/8408

 

 

 

禅とジブリ / 鈴木敏夫 著 (淡交社・2018刊)

三人の禅僧との対談を収めたもので、禅の世界へわかりやすく誘ってくれます。それは『もののけ姫』『火垂るの墓』などジブリの名作から、死生観や人生哲学などを禅的に読みとき、宮崎駿・高畑勲両監督との映画制作の経験に照らして禅を語っているからでもあります。【スタジオジブリプロデューサー鈴木敏夫氏が禅僧と奔放対談。ジブリの名作を禅的に読みとき、映画制作の経験から禅を語る。】というキャッチコピーのとおりです。

プロローグでは、宮崎駿監督新作映画のホットなエピソードが収められています。現在製作中の今、宮崎駿監督と鈴木敏夫プロデューサーの旬なやりとり・駆け引きです。また問答後談などでは、『となりのトトロ』や『風立ちぬ』など蔵出し秘話も。

『かぐや姫の物語』からは、「天人の音楽」シーンが対談話題にあがっています。

 

玄侑:
「~略~ あの月から使者が迎えに来るラストの光景と音楽はちょっと忘れられないですね」

鈴木:
「仏教の来迎図(らいごうず)がモデルです。高畑さんは、来迎図の菩薩たちが持っている楽器を全部調べて、それぞれの音色を再現して演奏してもらった。最後の曲はそういう曲ですね」

 

阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)
国宝 鎌倉時代 知恩院蔵

 

 

ジブリと禅からの勇気をもらえる一冊です。

 

【今、ここ】
目の前のことをコツコツやって拓けていく人生

【一日暮らし】
どんなつらいこともその日一日だと思えば耐えられるし、どんな楽しいこともその日一日だと思えば浮かれることはない

【日々是好日(にちにちこれこうじつ)】
いい日ばかりじゃないけど、いかにいい日にしていくかが大事なんだ

 

あとはゆっくり本をめくってみてください。

 

 

南の国のカンヤダ / 鈴木敏夫 著 (小学館・2018刊)

初のノンフィクション小説で、鈴木敏夫プロデューサーが都内のマンションのエレベーターで偶然知り合ったタイ人シングルマザー・カンヤダをめぐる物語です。この本のエピローグに高畑勲監督とのエピソードが記されています。「高畑勲 お別れ会」のこと、『となりのトトロ』で宮崎駿監督は当初、監督:高畑勲、作画:宮崎駿を希望したこと、加藤周一さんと『火垂るの墓』エピソード。これまでの回想を経ながらも、「宮さんにしてもぼくにしても、この先、ずっと「高畑勲とは何者か?」を考え続けるに違いない」という結びが印象的です。

 

 

 

Info. 2018/08/09 [TV] NHK総合 音楽特番「ジブリのうた」久石譲・二階堂和美・五嶋龍 他出演 【8/2 Update!!】

 

 

 

Info. 2018/08/10 「ドラマCD シノビナイトメア コンプリートBOX」 コミックマーケット94 先行販売

2016年リリースアプリゲーム「シノビナイトメア」、メインテーマ「Nightmare」を担当した久石譲。その楽曲を収録したCDが登場。2018年8月10日から12 日まで開催される『コミックマーケット 94』にて先行販売。 “Info. 2018/08/10 「ドラマCD シノビナイトメア コンプリートBOX」 コミックマーケット94 先行販売” の続きを読む

Info. 2018/08/29 久石譲『TBS系 日曜劇場 この世界の片隅に オリジナル・サウンドトラック』発売決定!!

久石が音楽を担当するTBS系 日曜劇場『この世界の片隅に』のオリジナル・サウンドトラックが8月29日(水)に発売されます。

ヒロイン・すずを演じる松本穂香さんが歌う「山の向こうへ」(作詞:岡田惠和 作曲:久石譲)を含む、ドラマを彩る音楽が収録されます。ぜひご期待ください。 “Info. 2018/08/29 久石譲『TBS系 日曜劇場 この世界の片隅に オリジナル・サウンドトラック』発売決定!!” の続きを読む

Info. 2018/09/08 TBS系 日曜劇場『この世界の片隅に』公式ピアノ楽譜集 発売決定

日曜劇場『この世界の片隅に』の公式ピアノ楽譜集が登場!

家族愛の溢れる感動作 日曜劇場「この世界の片隅に」の公式ピアノ楽譜集。太平洋戦争の最中、広島県の江波から呉に嫁いだヒロイン・すずが嫁ぎ先の北條家で暮らすかけがえのない日常を丹念に描く。このストーリーを彩る音楽を、宮崎駿監督作品や北野武監督作品など、幾多の映画作品を手掛けてきた久石譲が担当。 “Info. 2018/09/08 TBS系 日曜劇場『この世界の片隅に』公式ピアノ楽譜集 発売決定” の続きを読む

Blog. スタジオジブリ小冊子「熱風 2018年6月号」《特集/追悼 高畑勲》 久石譲 内容紹介

Posted on 2018/08/08

スタジオジブリ小冊子「熱風 2018年6月号」に掲載されたものです。《特集/追悼 高畑 勲》のなかで5ページにわたって綴られています。5月15日に開かれた「高畑勲 お別れの会」でのお別れの言葉にも通じる内容になっています。

宮崎駿監督、大塚康生さん、小田部羊一さん、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督は、「お別れの会」で語られた言葉が再録されています。

 

 

特集/追悼 高畑 勲

またいつか、どこかで 久石譲

『かぐや姫の物語』を作っていたときのことです。ダビング作業の合間に、僕が翌月指揮をしなければいけないブラームスの交響曲第3番のスコアを見ていると、ふいに高畑さんがやってきました。「それは何ですか?」と言ってスコアを手に取ると、第4楽章の最後のページを開いて、「ここです。ここがいいんです」とおっしゃいました。

第1楽章のテーマがもう一度戻ってくるところなんですが、そういうことを言える方はなかなかいない。少なくとも僕はそういう監督に会ったことがありません。それぐらい高畑さんは音楽に造詣が深かった。

高畑作品を見ていると、どれも音楽の使い方がすばらしいですよね。たとえば、『セロ弾きのゴーシュ』。よくあの時代に、あそこまで映像と音楽を合わせられたなと思いますし、『田園』(ベートーヴェンの交響曲第6番)から選んでいる箇所も絶妙なんです。音楽を知り抜いていないと、ああはできません。

『ホーホケキョ となりの山田くん』では、音楽で相当遊んでいます。マーラーの5番『葬送行進曲』を使ったかと思ったら、急にメンデルスゾーンの『結婚行進曲』がタタタターンと来る。あの映画は音楽通の人にとっては、見れば見るほど笑えるというか、すごい作品です。

すべての作品で、使うべきところに過不足なく音楽が入っている。作曲家の目から見ても、音楽のあり方が非常に的確なんです。世界を見渡しても、こんな監督はいないと思います。

 

論理的な楽天主義者

高畑さんと初めてお会いしたのは、『風の谷のナウシカ』のときでした。もちろん音楽のミーティングには宮崎さんも出席されましたが、作画のほうが忙しかったこともあって、音楽のほうは主にプロデューサーの高畑さんが見ていらっしゃいました。7時間以上の長時間のミーティングはあたりまえ。それを何回も何回も繰り返して、「いったいどこまで話すんだ」というぐらい音楽の話をしました。

高畑さんは論理的な方だから、必ず「なぜ」を聞きます。「なぜ、ここはこのテーマなのか。こっちでいいんじゃないですか」「いやいや、ここはぜったいこのテーマです」。何度も話し合いをしました。たぶん、僕も譲らなかったんだと思います。そうやって、一所懸命、高畑さんと戦って、『ナウシカ』の音楽はできました。

そのときのことを高畑さんは後年、「久石、宮崎両氏の出会いがいかにしあわせな”事件”であったかを思わずにはいられない」と書いてくださいました。

続く『天空の城ラピュタ』では、主題歌「君をのせて」を作るにあたって、まず宮崎さんからいただいた詞がありました。それをメロディにはめていく作業を、高畑さんと二人で何日もやったことを覚えています。いまでは世界中の人から愛されるようになったあの歌は、宮崎さんと僕、そして高畑さんがいなかったら、生まれていなかったのです。

図らずも最後の作品となった『かぐや姫の物語』で、初めて高畑作品の音楽を担当することになりました。

最初にラッシュを見せてもらったとき、かぐや姫が月に帰るクライマックスシーンの話になりました。高畑さんは、子どもみたいに笑って、「これはまだプロデューサーにも言ってないんだけど、サンバで行こうと思っているんです」とおっしゃいました。こちらは「え!?サンバですか」とびっくりです。普通に考えれば、お別れの場面ですから、悲しい音楽を想定します。ところが、高畑さんはそうは考えない。

月の世界には悩みも苦しみもない。かぐや姫も月に帰ったら、地上で起きたことをぜんぶ忘れて幸せになる。そういう悩みのない”天人”たちの音楽はなんだろうかと考えたとき、地球上にある音楽でいえばサンバになる——というのが高畑さんの発想でした。

非常に論理的に詰めていった上で、サンバへと飛躍する感覚的なすごさ。われわれ作曲家もそうですが、多くの人は、論理的な思考と感覚的なものとの間で葛藤しながら、ものを作ります。でも、高畑さんはそこの折り合い方がすごく自然で、自由だったんだと思います。

その自然さはどこから来るんだろうと、ずっと不思議に思っていたんですが、あるとき高畑さんがこうおっしゃったんです。「僕はオプティミストなんですよ。楽天主義者だから、楽しいことが大好きなんです」。それで、「ああ、なるほど」と納得しました。楽しいこと、おもしろいことに対して素直に喜ぶ。そこに基準を置きながら、論理的、意識的な活動と、感覚的なものを両立していた。それが高畑勲という人だったんじゃないでしょうか。

『かぐや姫の物語』は、映画音楽への向き合い方という意味で、僕にとって大きな転機になった作品でもあります。

高畑さんは、その前に僕が書いた『悪人』の音楽を気に入ってくれていました。「登場人物の気持ちを説明するわけではなく、シーンの状況にも付けない。観客のほうに寄っている音楽のあり方がいい」。そうおっしゃっていました。だから、『かぐや姫』に取りかかるときも、「あれと同じように、観客の感情を煽らない、状況にも付けない音楽を」と言われていたんです。

その前も多少は気をつけていましたが、それをきっかけに僕の中でスタンスがはっきりと変わりました。いわゆる普通の映画音楽は、登場人物が泣いていたら悲しい音楽、走っていたらテンポの速い音楽というように、状況に付けて、観客の感情を煽ります。でも、『かぐや姫』を作っていく中で、そういうことはいっさいやめて”引く”ようになったんです。観客が自然に映画の中に入っていって感動するのをサポートするぐらいでいいと考えるようになりました。それまでの僕のやり方は、もう少し音楽が主張していたと思うんですけど、主張の仕方を極力抑えるようになりました。

近年のハリウッド映画などは、あまりにも状況にぴったり付けることで、映画音楽が”効果音楽”に陥っているものも多いですよね。でも僕は、映画音楽にもある種の作家性みたいなものが残っていて、映像と音楽が少し対立していたほうがいいと思うんです。映像と音楽がそれぞれあって、もうひとつ先の別の世界まで連れて行ってくれるようなものが理想。高畑さんはそういう部分も尊重してくれました。

最初のうち、高畑さんの言わんとしていることを理解するまでは大変でしたけど、途中で、「あっ、ここだ」というポイントを掴んでからはスムーズに進むようになりました。最後はほとんどあうんの呼吸のようになって、ニコニコと「それでいいです」と言ってもらえることが増えた。

だから、できることなら、もう一、二本撮っていただきたかったし、できることなら一緒にやりたかった。残念ながら、それは叶いませんでしたが、高畑さんとの仕事で掴んだ方法論は、いまも僕の中で活きています。

 

磁石のような、羅針盤のような存在

高畑さんは僕のコンサートもよく聴きに来てくれました。「ミュージック・フューチャー」という現代の最先端の音楽を紹介するコンサートにも足を運んでくださったんですが、終わった後の感想が的確すぎるぐらい的確なので、怖いぐらいでした。「どうしてこういう楽曲になったのか」という論理構造を持たないものは、スパッと見抜かれてしまうんです。

「Young Composer’s Competition」という若い作曲家から作品を募集する企画では、審査員も務めていただきました。すでにご病気が進んでいたはずですが、引き受けていただいて、本当に感謝しています。そこでも、やはり高畑さんはきちんとした構造を持っている作品を選んでいました。

去年は長野で現代音楽のコンサートをいっしょに聴き、対談もしました。話すたびに音楽に対する深い知識に驚かされました。

僕の中で高畑さんは、「大きな磁石みたいな人」というイメージがあります。ドンとそこにいるだけで、まわりに才能のある人が集まってきて、いろんなことが始まっていく。押しつけがましくしているわけじゃないのに、なぜか人を引き寄せる。

高畑さんの中には膨大な引き出しがあって、その中で考えたあらゆることを駆使して、ひとつひとつの決断をしていく。しかも、オプティミストとして、軽やかなスタンスでそれをやっている。僕にとって、宮崎さんが憧れの”お兄さん”のような人だとしたら、高畑さんは”理想の人”です。

僕は仕事や人間関係や、いろんなことで悩むとき、よく「宮崎さんだったらどうするだろう」「鈴木敏夫さんだったらどうかな」「養老孟司先生だったらどうするだろう」と考えます。そのとき最後にはやはり「高畑さんならどうするだろう」と考える。

僕の中では、思考するときの羅針盤みたいな存在なんです。論理的なものと、感覚的なもの。自分はいまどちらを取ろうとしているんだろう? 高畑さんならこっちだろうか? そうやって考えているとき、いつも決まって浮かんでくるのは高畑さんの笑顔です。そうすると、何だか希望が湧いてきて、次の自分の行動が決まります。

そういう意味では、高畑さんは、僕の中ではいまも生きています。

無名だった僕を『ナウシカ』で起用していただいてから35年。今日の僕があるのは高畑さんのおかげです。長い間、本当にお世話になりました。いっしょに仕事ができたことを誇りに思っています。心からご冥福をお祈りします。でも、お別れは言いません。またいつか、どこかでお会いしましょう。

(作曲家 ひさいし・じょう)

(スタジオジブリ小冊子「熱風 2018年6月号」より)

 

 

熱風 2018年6月号

[目次]

特集/追悼 高畑 勲
高畑 勲を偲んで(宮崎 駿)
映画製作の喜び知った瞬間/最期の外出(鈴木敏夫)
悔しくて悔しくてしょうがない(大塚康生)
パクさん戻ってきて下さい(小田部羊一)
またいつか、どこかで(久石 譲)
高畑さん(マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット)
「視座」としての、高畑映画。 ――畏友・高畑 勲さん、有難う。(大林宣彦)
どうしてもしたかった会話(池澤夏樹)
最初で最後のデート(二階堂和美)
お悔やみ(ユーリ―・ノルシュテイン)
追悼・高畑 勲監督(太田 光)
『漫画映画の志』のこと(井上一夫)
「どこか宇宙人のような感じがする人」(貝の火)
ご挨拶(高畑耕介)

連載
第10回  丘の上に小屋を作る(川内有緒)
     ~小屋を建てる工法を考える~

第14回   海を渡った日本のアニメ
     私のアニメ40年奮闘記(コルピ・フェデリコ)
     ――外国人差別と心の傷

第9回  ワトスン・ノート~語られざる事件簿~(いしいひさいち)

第5回  十二の禅の言葉と「ジブリ」(細川晋輔)
     ――「当処即ち蓮華国」と「火垂るの墓」

第17回  グァバよ!(しまおまほ)
     ――お母さん、明日だいじょうぶ?

第10回  シネマの風(江口由美)
     ――[今月の映画]『レディ・バード』

第26回  日本人と戦後70年(青木 理)
     ――[ゲスト]古賀 誠さん

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