Info. 2021/04/02 [TV] 金曜ロードショー 映画『ハウルの動く城』放送

Posted on 2021/03/04

【春の2週連続!スタジオジブリ】4月2日『ハウルの動く城』4月9日『ゲド戦記』を放送!

新年度を迎える4月から「金曜ロードSHOW!」は「金曜ロードショー」にタイトルを変更します。新タイトルとなる記念すべき1回目、4月2日は宮崎駿監督の『ハウルの動く城』を放送、そして翌週4月9日は宮崎吾朗監督の『ゲド戦記』と2週連続でスタジオジブリ作品を放送します。 “Info. 2021/04/02 [TV] 金曜ロードショー 映画『ハウルの動く城』放送” の続きを読む

Info. 2021/07公開予定 中国映画『川流不“熄”(A Summer Trip)』久石譲 音楽担当

Posted on 2021/03/03

中国映画『川流不“熄”(A Summer Trip)』の音楽を担当しました。

中国映画『川流不“熄”』
(英題:A Summer Trip / 邦題:A SUMMER TRIP ~僕とじいじ、1300キロの旅)

中国公開:2021年7月(予定)
監督:フォン・クーユー(FENG Keyu)
出演:ヤン・シンミン、フー・チャンリン、トゥ・ソンイェン、ダイ・ロロ、ヤン・トンス “Info. 2021/07公開予定 中国映画『川流不“熄”(A Summer Trip)』久石譲 音楽担当” の続きを読む

Info. 2021/03/01 「Chobani : Eat today, feed tomorrow」チョバニ 久石譲音楽担当 広告動画公開

Posted on 2021/03/01

チョバニ(Chobani)の広告動画の音楽を久石譲が担当しています。チョバニは主にギリシャヨーグルトに特化したアメリカ乳製品企業です。コマーシャル動画「Eat today, feed tomorrow」公開されました。 “Info. 2021/03/01 「Chobani : Eat today, feed tomorrow」チョバニ 久石譲音楽担当 広告動画公開” の続きを読む

Info. 2022/03/19 「久石譲指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団 特別演奏会」(三重)開催決定!!

Posted on 2021/02/27

2022年3月19日、「久石譲指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団 特別演奏会」開催が決定しました。【2021-2022年イベントカレンダー】4月から来年3月までの主催公演発表をうけてアナウンスされています。2020年公演予定は延期/中止になり、いよいよ待望の三重公演です。 “Info. 2022/03/19 「久石譲指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団 特別演奏会」(三重)開催決定!!” の続きを読む

Disc. 久石譲 『赤狐書生 オリジナル・サウンドトラック』 【2/21 Update!!】

2021年2月19日 デジタルリリース

 

映画『赤狐書生 (Soul Snatcher)』
公開日:2020年12月4日 *中国
監督:宋灝霖(ソン・ハオリン)伊力奇(イー・リーチー)
主演:陳立農(チェン・リーノン)李現(リー・シェン)哈妮克孜(ハニ・ケジー)裴魁山 (ペイ・クイシャン)姜超(ジアン・チャオ)張晨光(ジャン・チェングアン)

*日本公開未定

 

 

■メイキング動画について

映画予告映像、久石譲インタビュー、レコーディング風景で構成されたもの。

 

久石譲インタビュー 書き起こし

「今回の映画はとても素晴らしく出来ていると思います。ファンタジー・アクションといいますか、でもしっかりと二人の若者の友情みたいなものが、とてもしっかりと描かれていていたので。音楽的にも、通常よりもたくさん音楽を書いて。本当にエンターテインメントとして楽しめる、ダイナミックでありながら、やっぱりある程度こうきちんと知性もあるような。音楽が映像とマッチするように作ったと思っているので、音楽のあり方と映像のダイナミックさ。そういう音楽を目指したんですけれども、自分ではすごくよくできたと思って満足しています」

 

 

全体をとおして。

約2時間の上映時間に対して、約1時間半以上は音楽が配置されている。ファンタジー映画ということもあって、その世界観をつくりあげるための音楽配分は多めとなっている。39人編成オーケストラながら、乾いた重低感のあるパーカッションなどを巧みに盛りこむことで、土台のしっかりした足腰のつよい楽曲も存分にある。

音楽収録は2020年11月7日、ビクタースタジオにて、招集型オーケストラで行われている。新型コロナウィルスの影響によって、この規模のオーケストラへと予定変更を余儀なくされたのか、そもそもこの規模を予定していたのか。どちらかはわからない。いずれにしても、この39人編成オーケストラでありながら、ダイナミックに躍動感ある音楽には、打楽器群が大きく貢献している。

 

本作は、メインテーマやそのバリエーションといったメロディを展開する手法ではなく、ミニマルな手法をとっている。メインテーマに変わる、この映画のための第1主題・第2主題のような短いモチーフがあったとして、その短いモチーフたちを料理(交錯・分解・伸縮など)しながら、映像に対して一種の通奏低音のようにうまくなじませている。

映画鑑賞後に鼻歌で歌えるほどの、印象的なメロディはあまりないかもしれない。近年、久石譲の映画音楽に対する立ち位置の変化を現したような、かつ、クラシックの手法に重きを置いた音楽づくりになっている。映像と距離をとるための主張しすぎない音楽と、ファンタジー映画のために必要な音楽量とのバランス。

あえてイメージとして挙げるとするなら、映画『千と千尋の神隠し』のサウンドトラック「16.千の勇気」、千尋が油屋の階段を駆け下りるシーンなんかで使われていたと思う曲、こういったスリリングで緊迫感を演出する音楽テイストが多い。また、「3.誰もいない料理店」では、後半に「メインテーマ あの夏へ」の変奏旋律が登場するけれど、本作ではとにかくメロディにいかない。同曲前半のように、映像を補完する背景音楽のあり方で曲は流れていく。

ピッツィカートなどで奏される軽やかでコミカルな楽曲も、宴で艶やかに踊るような楽曲も、アジアン・ファンタジーらしく五音音階からなるものも多い。こういったことからも、無意識に『千と千尋の神隠し』を想起したのかもしれない。もちろん、似た曲があるかと言われたら、それはない。ハラハラドキドキ、緊迫シーン、戦う場面など、冒険ファンタジーなストーリー展開のなかで、ミニマル手法を駆使した楽曲が特徴といえる。

 

オーケストラサウンドに、エッセンスとしてシンセサイザー音もブレンドされている。シンセサイザーらしい音色の使い方や選び方をしている。生音のストリングスにシンセサイザーのストリングスを混ぜる手法(それもあるかもしれない、素人耳にはわからない)というよりも、『Deep Ocean』音楽のようにシンセサイザーにしか出せない音色をうまく組み合わせた楽曲たちが目立つ。

また、これまでにない久石譲音楽の特徴として、楽曲に使われている音楽的効果音(シンセサイザー音)と、本編に使われている映像的効果音(SE)が、くっきり区別することが難しいほど近い。これにより、SEから楽曲に自然と移っていったりその逆もあったりと、どこまでが曲でどこからがSEかの境界線が引きにくいという、音響全体(楽曲と効果音)の見事な通奏効果を生み出している。どこまで久石譲と音響効果の話し合いや調整による意図が働いているかはわからないが、今回の達成は、これからにつながる大きな成果といえると思う。

 

 

少し個別に。

3つの主要テーマ。

運命のテーマ。プロローグから、ダイナミックな物語の展開を予感させる、緩急あるミニマル・モチーフが展開する。静謐な弦楽合奏によるミニマル旋律にはじまり、幾重にも交錯し、強弱と重厚の増減でうねりをともなっていく。パーカッションの鼓動やホイッスルの遠くへ伸びる旋律を織りまぜながら、ファンタジー感と神秘感を演出している物語のはじまり。プロローグからタイトルバックまでの約15分にわたってつづく音楽は、タイトルバックでピークを迎える弦楽器の精巧な音型もまた、ミニマルな旋律になっている。(Track.1-3,29)(Track.3ラストでタイトルバック)

友情のテーマ。こちらは大きな弧を描くようなメロディで、優しく温かい曲想。シンプルな旋律線と、エモーショナルになりすぎないハーモニー。主人公二人の友情の交流を描いたシーンに、たびたびバリエーションで登場する。状況にあわせて短調な旋律で奏されることもある。(Track.7,14,21,28,34)

愛のテーマ。主要キャラクターの一人、女性が登場するシーンで多く聴かれる楽曲。お香のような、ゆらゆらと、ふわっとした、無軌道な和音ですすむ。ゆるやかな独奏、メロディとアドリブのあいだのような、動きまわりすぎない加減の無軌道な旋律がのる。魅惑的で妖艶な曲想は、これまでの久石譲には珍しい。クラリネット、ピアノ、フリューゲルホルン、フルート、ストリングス。登場するたびにメロディを奏でる楽器たちを変え、まるで衣装替えに見惚れるように、つややかに彩る。(Track.17,20,25,27)

 

公式公開されていた映画ワンシーン動画(約1-2分)、そこでも聴くことができたホイッスルをメインとした楽曲は、ホイッスルが細かく精巧な節まわしを披露していて、伸びやかに広がっていく。(Track.15)

 

総じて、主要楽曲は、登場の多い順に、友情のテーマ、愛のテーマ、運命のテーマが、本作において印象的で重要な柱になっていると思われる。また、それらを合算したとしても30分前後としたときに、ほかの多くをミニマル手法の音楽によって、映像にうまくなじませている。ファンタジー世界に立体感をあたえている。メイキング動画からも、音楽割のMナンバー「M36」と、少なくとも36曲は書き下ろしていることもわかる。

 

 

映画エンドロールに流れる主題歌は、作曲・編曲ふくめて久石譲楽曲ではない。主演俳優が歌唱している。

 

 

2021.02 追記

「赤狐書生 オリジナル・サウンドトラック」デジタル・リリース。中国公開の後、アメリカではVOD配信のかたちで公開されている。日本公開も待たれる。デジタルリリースのメリットも顕著で、CD収録時間を気にすることなく1時間20分の音楽が完全音源化されたこと、世界同時的に各国一斉に配信リリースされたこと。大きな可能性を示したリリースパターンといえ、映画音楽の認知や愛聴が広がる未来へのポテンシャルも感じる。サントラ・レビューも本文末にトラックナンバーを追記するかたちで補足した。

 

 

1.狐と書生
2.月夜の集い
3.旅の始まり
4.蚌人探し
5.逃げるロバ
6.密談
7.静かな街
8.苦海書院
9.蛙の罠
10.妖怪蛙
11.傀儡書生
12.妖怪蛙との対決
13.作戦失敗
14.兄を探して
15.川下り
16.建康城の誘惑
17.英蓮
18.牡丹桜
19.悪霊の呪い
20.告白
21.奮起の雷
22.試験開始
23.悪霊の誘い
24.中陰界
25.誓い
26.真実
27.英蓮の死
28.決裂の時
29.天命
30.最後の願い
31.怒りの決戦
32.子進のために
33.本物の狐仙
34.小白と子進

音楽:久石譲

 

1. A Fox and a Scholar 3:16
2. The Moonlight Gathering 2:34
3. The Beginning of the Journey 3:26
4. Finding My Clamen 1:57
5. Donkey Running Away 2:20
6. Secret Talk 0:25
7. A Quiet Town 1:36
8. The Academy of Miserable Sea 0:42
9. Frog’s Trap 2:09
10. The Frog Monster 1:29
11. Puppet Scholars 1:15
12. Battle with the Frog Monster 3:22
13. Mission Failed 0:39
14. Looking for Brother Daoran 2:32
15. Boat Ride 2:09
16. Temptation of Jiankang City 2:09
17. Yinglian 3:05
18. The Peony Brothel 1:18
19. Curse of the Evil Spirits 1:22
20. Proposal 3:16
21. Rousing of Thunderbolts 2:13
22. Starting the Imperial Examination 2:28
23. Lure of the Evil Spirits 2:05
24. The Bardo World 4:46
25. Promise 3:42
26. Truth 1:57
27. Death of Yinglian 2:35
28. Rupture of a Friendship 2:03
29. Providence 2:22
30. Last Wish 2:31
31. The Furious Showdown 3:14
32. For Zijin 2:02
33. A Real Immortal Fox 2:30
34. Xiao Bai and Zijin 3:55

Music by Joe Hisaishi

 

Overtone.第38回 「ジョン・ウィリアムズ・プレイズ・スピルバーグ」を聴く

Posted on 2021/02/20

ふらいすとーんです。

映画音楽の巨匠ジョン・ウィリアムズです。2017年、生誕85周年を記念して企画されたディスク「ジョン・ウィリアムズ・プレイズ・スピルバーグ」です。スティーヴン・スピルバーグ監督とのコンビ(43年間の交流と27本の作品)から、選りすぐりの曲をすべて新アレンジ・新スタジオ録音、ジョン・ウィリアムズ自ら指揮したアルバムです。

 

このアルバム、すごくいい!

おすすめしたい理由は2つあります。ひとつは、音がいい。ひとつは、聴き逃していた名曲たちです。収録曲だけ見たなら、なかなか手にとらない一枚かもしれません。自信をもっておすすめします。

 

音がいい

音がいい。サウンドトラック盤よりもダイレクトに解放された音像がそこにはあります。耳が喜ぶ楽器たちの生の音がします。

ハリウッド映画音楽ってフィルターかかってる?!音質が抑制されてる?! そんなことを思うときがあります。マイルドな音像仕上がりといえば聞こえはいいですが、どうも薄い膜が一枚あるような印象を受ける。端的に言えば、楽器そのもののからの音がダイレクトに響かない。ざくざく強く摩擦する弦楽器も、突き抜けて破裂するような金管楽器も、息を吹き込む風圧の木管楽器も。まるでそのままだと粗いからと、少しヤスリをかけたようなまろやかなミキシングになっている。

ジョン・ウィリアムズの手がけた『ハリー・ポッター』や、近年フィナーレを迎えた『スター・ウォーズ』の新作音楽も、そのほか多くのハリウッド超大作に同じような音像を感じていまうときがあります。ずっと鳴りっぱなしのハリウッド映画音楽だから?音も丸くしてる?、、、これはハリウッドでは主流な音響の仕上げ方なのかな? 久石譲音楽や邦画サウンドトラックではあまり感じないことです。

そこへきての本アルバムです。音楽作品として新アレンジ・新録音したというだけでも、期待は高まりますが、一曲目からそのダイレクトな楽器音に感動します。特に、ハリウッド映画音楽といえば、フルオーケストラのなかでも、金管楽器たちの咆哮が魅力です。ファンファーレ的ホーンセクションは定番ものです。ここに収録された楽曲たちは、音楽構成として映像から解放されただけでなく、音像としてもなんの遠慮もいらないほど解放的に響きわたります。

 

聴き逃していた名曲たち

わりと新しめのスピルバーグ作品から選ばれています。それは、スピルバーグ作品集の3枚目にあたるからです。

スピルバーグ×ウィリアムズのコラボレーションによる作品集は、過去2枚リリースされています。本作同様、サウンドトラック盤からのセレクトではない、本人指揮・新録音されたもので、演奏はいずれもボストン・ポップスです。そちらのほうに『ジョーズ』『未知との遭遇』『レイダース』『E.T.』『インディ・ジョーンズ』『ジュラシックパーク』『シンドラーのリスト』等、世界中で大ヒットした映画から収録されています。(『スピルバーグの世界』1991CD/『スピルバーグ・スクリーン・ミュージック・ベスト Williams on Williams』1995CD)

あえて、過去2枚のウィークポイントをあげるとすれば、サントラ盤と変わらない1990年代の音質であり、サントラ盤と変わらない同アレンジで録音だけが新しい。コンサート用に書き直されたものではない。ボストン・ポップスの音でとおして聴きたいファンにはうれしいディスクです。

3枚目に当たる本作は、演奏会用に再構成されたもの、より大胆で自由な多楽章に飛躍したもの、サウンドトラック盤よりも解放された高音質。収録曲だけを眺めてみると、いくぶん馴染みのないラインナップに見えますが、そんな心配を見事に裏切ってくれます。そこには、今も変わらぬ最高に豊かで実りの多いコラボレーションの結晶たちが、自信に満ち輝きながら待っています。

 

 

ジョン・ウィリアムズ・プレイズ・スピルバーグ(2017)

The Spielberg/Williams Collaboration Part III

 

※日本独自企画2枚組
(Blu-spec CD2+DVD)

DISC1(CD)
01. マットの冒険~『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』(2008)
02. アフリカよ、涙を拭いて~『アミスタッド』(1997)
03. BFG~『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』(2016)
04. 何人に対しても悪意を抱かず~『リンカーン』(2012)
05. 決闘~『タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密』(2011)
06. 新たな始まり~『マイノリティ・リポート』(2002)
ー アルト・サックスとオーケストラのための逃奏曲~『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002)
07. 第1楽章《包囲》
08. 第2楽章《揺れる心》
09. 第3楽章《歓喜の飛翔》
10. マリオンのテーマ~『レイダース 失われたアーク《聖櫃》』(1981)
11. 戦没者への讃歌~『プライベート・ライアン』(1998)
12. 1912年、ダートムア~『戦火の馬』(2011)
13. ヴィクターの物語~『ターミナル』(2004)
14. 平和への祈り~『ミュンヘン』(2005)
15. 移民と建築~『アンフィニッシュト・ジャーニー』(1999)
16. 何人に対しても悪意を抱かず[オルタネイト・ヴァージョン]~『リンカーン』(2012)

1.The Adventures Of Mutt  “Indiana Jones And The Kingdom Of The Crystal Skull”
2.Dry Your Tears, Africa  “Amistrad”
3.The BFG  “The BFG”
4.With Malice Toward None  “Lincoln”
5.The Duel  “The Adventures Of Tintin”
6.A New Beginning  “Minority Report”
7.Escapades For Alto Saxophone And Orchestra Movement 1:Closing In  “Catch Me If You Can”
8.Escapades For Alto Saxophone And Orchestra Movement 2:Reflections  “Catch Me If You Can”
9.Escapades For Alto Saxophone And Orchestra Movement 3:Joy Ride  “Catch Me If You Can”
10.Marion’s Theme  “Raiders Of The Lost Ark”
11.Hymn To The Fallen  “Saving Private Ryan”
12.Dartmoor, 1912  “War Horse”
13.Viktor’s Tale  “The Terminal”
14.Prayer For Peace  “Munich”
15.Immigration And Building  “The Unfinished Journey”
16.With Malice Toward None (Alternate Version)  “Lincoln”

指揮、作曲:ジョン・ウィリアムズ
演奏:レコーディング・アーツ・オーケストラ・オブ・ロサンゼルス
録音:2016年9月~10月

DISC2(DVD)
スペシャル・ドキュメンタリー映像(2016年10月撮影)

スピルバーグとウィリアムズの対談/レコーディング風景
日本語字幕付 approx.24min

 

 

※世界発売4枚組「JOHN WILLIAMS・STEVEN SPIELBERG THE ULTIMATE COLLECTION」(3CD+DVD)から、最新盤のDISC3と日本語字幕付DVDとして発売。DISC1・2は上にも書いた過去作品(1991・1995)です。

 

 

 

公式チャンネルSony Soundtracks VEVO には、本作から3曲ほどセレクトされた公式音源が公開されています。くわえて、DVD収録されているレコーディング風景+インタビューの動画もいくつかの曲でトリミング公開されています。それらをまじえながら。

 

01. マットの冒険~『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』(2008)

一曲目から音がいい!よく鳴ってる!インディ・ジョーンズのあのメロディがモチーフとして散りばめられて、あらるゆところで顔を出す愉快な一曲。勢いある序曲のような迫力です。

(search for “Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull – The Adventures of Mutt (John Williams – 2008)”)

(*以下、くすぐる好奇心すぐに音源聴いてみたい人は、英語曲名で検索すると便利かも、サントラver.も本アルバムver.もヒットしやすくなるかも)

 

02. アフリカよ、涙を拭いて~『アミスタッド』(1997)

いかなるテーマの映画でも、本格的な音楽をつくりあげてしまうジョン・ウィリアムズ。本盤のために編成されたオーケストラ95名と合唱120名はレコーディング風景動画でも見ることできます。この曲を聴きながら、、『ライオン・キング』や南の島を題材にしたディズニー映画なんかをふと思い出し、、そういえばジョン・ウィリアムズってディズニー映画やったことないよね、、たぶん。

John Williams – Dry Your Tears, Afrika from “Amistad” (Pseudo Video)

John Williams – Dry Your Tears, Afrika from “Amistad” (Behind the Scenes)

 

03. BFG~『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』(2016)

『ハリー・ポッター』にも負けないファンタジー音楽に心躍ります。ストリングスが大きく羽ばたいたり、フルートが自由に駆けまわったり、スリリンズな緊迫シーンもはさみながら、映画本編ダイジェストのような約7分作品に。思わず映画見ました、思わずサウンドトラック聴きました。こんな作品あるなんて知らなかった。

 

04. 何人に対しても悪意を抱かず~『リンカーン』(2012)

サウンドトラックでは2分に満たないメインテーマ、かつ、ストリングス・メインだったもの。新アレンジでは約5分構成、メロディにトランペットをフィーチャーしています。沁みます。アメリカを象徴する音=トランペット、みたいなイメージを築いた感のあるジョン・ウィリアムズ。『JFK』『プライベート・ライアン』の主題曲でも、気高い旋律を悠々と奏するトランペットは、アメリカの誇りすら感じます。またメロディだけを抜き取るとちょっと牧歌的だったりするところも、郷愁感を刺激するのかもしれません。

 

ー アルト・サックスとオーケストラのための逃奏曲~『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002)
07. 第1楽章《包囲》
08. 第2楽章《揺れる心》
09. 第3楽章《歓喜の飛翔》

本作のハイライト約16分の大作です。アルト・サックス、ビブラフォン、ベースにそれぞれゲスト・プレーヤーを迎え、JAZZYで華やかなザ・アメリカンです。フィーチャーされた楽器たちはカデンツァのような独奏パートもふんだんに盛り込まれ、かなりかっこいい、とにかく楽しい作品です。

どうしても聴いてほしい、探しました。公式楽譜もあるということかな、同じ構成で演奏されたコンサートから。アメリカ音楽=『ウエスト・サイド物語』と定着した演目もありますね。この作品は、演奏会に腕利きプレーヤーたちを招集し、新定番のアメリカン・プログラムになっていける作品。そんな未来を感じます。映像でみるとソリストたちの活躍も光ります。聴いてしまったら、アメリカ夢見心地。

John Williams – Catch Me If You Can, conducted by Andrzej Kucybała

 

 

ここで唐突に久石譲。新たにサックスパートが書き加えられた2015年版『The End of the World for Vocalists and Orchestra』 II. Grace of the St. Paul も印象的です。

 

II. Grace of the St. Paul
“楽章名はグラウンド・ゼロに近いセント・ポール教会(9.11発生時、多くの負傷者が担ぎ込まれた)に由来する。冒頭で演奏されるチェロ独奏の痛切な哀歌が中近東風の楽想に発展し、人々の苦しみや祈りを表現していく。このセクションが感情の高まりを見せた後、サクソフォン・ソロが一種のカデンツァのように鳴り響き、ニューヨークの都会を彷彿とさせるジャジーなセクションに移行する。そのセクションで繰り返し聴こえてくる不思議な信号音は、テロ現場やセント・ポール教会に駆けつける緊急車両のサイレンのドップラー効果を表現したものである。”(楽曲解説より)

 

 

10. マリオンのテーマ~『レイダース 失われたアーク《聖櫃》』(1981)

この新アレンジ版は、以降のコンサート定番曲になっていきます。ウィーン・フィルとの世紀の共演(2019)でもプログラムされました。その話はまたいつか。

John Williams – Marion’s Theme from “Raiders of the Lost Ark” (Pseudo Video)

John Williams – Marion’s Theme from “Raiders of the Lost Ark” (Behind the Scenes)

 

11. 戦没者への讃歌~『プライベート・ライアン』(1998)

あっ、ここで出てきた『プライベート・ライアン』。『リンカーン』で話したことです。アメリカを象徴するような音=トランペット、崇高で厳粛な佇まい、胸に手をあてる誇りと気高さ。愛国心と郷愁感を包みこむ旋律。ジョン・ウィリアムズの3大アメリカン・トランペット・メロディ(と勝手に呼んでいる)、一番好きなのは『JFK』です。

John Williams – Hymn to the Fallen from “Saving Private Ryan” (Pseudo Video)

John Williams – Hymn to the Fallen from “Saving Private Ryan” (Behind the Scenes)

from SonySoundtracksVEVO YouTube

 

ほかにも、5.『タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密』楽しい冒険音楽とハラハラドキドキ臨場感、13.『ターミナル』クラリネットが自由に跳躍、14.『ミュンヘン』重厚な弦楽が美しい、15.『アンフィニッシュト・ジャーニー』ファンファーレ金管楽器の大活躍。この音楽構成にこの最高音質あり、録音してくれてありがとう!と叫びたくなるアルバムです。

 

 

ジョン・ウィリアムズが語ったこと

■映画音楽の仕事の魅力について

「音楽を書くチャンスを与えられること、かな。もし映画が成功すれば、何万、何百万もの観客がその音楽を聴くことになる。より多くの人が楽しんでくれれば、より大きな喜びになるからね。このことは作曲家にとって今世紀でも新しいことのひとつだ。今世紀初めには千人、2千人だった観客が、今では世界中の人が対象になっているんだ」

■理想的な映画音楽について

「理論でいえば、音楽それ自体がしっかりしたメロディーを持ち、さらに覚えやすい要素を持っているものだろう。言い換えるなら、個性的で覚えやすく、音楽自体が力強いものということになる」と述べており、旋律への配慮の一方で「テクスチュア(構造)やトーンカラー(音色)を考えることはとても重要なこと」とも加える。

(CDライナーノーツより 一部抜粋)

 

 

久石譲がジョン・ウィリアムズ音楽について語ったこと

”「何なに風に書いてください、と頼まれると、すぐお断りしますね。たとえば、ジョン・ウィリアムズ風に勇壮なオーケストラ・・・・・じゃジョン・ウィリアムズに頼めば・・・・・となっちゃうわけですよ。僕がやることじゃない。余談になりますけど、ジョン・ウィリアムズの曲はどれを聞いても同じだ、という風に良く言われますけど、それはまったくナンセンスな話なんですね。つまり、彼ほど音楽的な教養も、程度も高い人になると、あれ風、これ風に書こうと思えば簡単なんですよ。だけど、あれほどあからさまに『スター・ウォーズ』と『スーパーマン』のテーマが似ちゃうのは、あれが彼の突き詰めたスタイルだから変えられないわけですよ。次元さえ下げればどんなものでも書けるんです。だけど、自分が世界で認知されている音というものは、一つしかないんです。大作であればあるほど、自分を出しきれば出しきるほど、似てくるもんなんです」”

 

深いお話です。これ、1987年のインタビューなんです。当時からいち早くジョン・ウィリアムズの魅力とその本質を見抜いていた! そんな決定的証拠になります。その後も、けっこういろいろな機会に語っています。上に抜粋した同旨を別の言葉でかみくだいていたりと、多角的に発言の真意をつかみやすくなる、とても興味深いです。こちらにまとめています。

 

 

本作録音のあと。

29本目のコラボレーションとなった新作映画『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(2017)。これがなぜか、今回の流れに反して、サントラ盤の音がいい。鳴りのいいダイレクトな音しています。

実話をもとにしたもので、サウンドトラックも40分ほど、音楽の出番は控えめです。このために編成された76人オーケストラながら、ハリウッドらしい音の厚みもまた控えめです。

CDライナーノーツには、”同音型や律動の反復による劇的緊迫の創出”、”これみよがしな旋律美は差しこまれない”、”実にストイックな仕事”、などというキーワードが並んでいますが、この言葉のピースたちで十分に言い表している、そんな作品です。

 

The Court’s Decision And End Credits (“The Post” Soundtrack)(約11分)

エンドロール楽曲11分と長いですが、これは本編の主要楽曲たちをつなげているからです。アレンジもエンドロール用に書き直されていて、紹介するのにわかりやすい。

4:10~6:00
「ラシドレ」とか「シドレミ」とか、横並びする4つの音が基本音型になっています。このシンプルな音型が強弱や厚みをともないながら緊張感増していきます(4:30~)。音型の間隔がタイトになり、金管楽器も重厚にプラスされます(5:05~)。つかのまクールダウン、木管楽器に音型を引き継ぎ(5:15~)、ダイナミクスの十分なバネで大きく展開ピークを迎えます(5:30~)。

7:10~9:00
なんとも極上サスペンスな極小音型。最初だけ登場するようにみえますが、主役が管楽器に移ってからも後ろにまわり(7:40~)、高音弦楽器が大きなメロディを奏でるときも低音弦楽器で刻みつづけ(7:47~)、大きく開ける展開になっても通奏パターンは保たれ(8:03~)。最後にまた第1主題を再現します(8:45~)。

 

えーっ!ジョン・ウィリアムズでもこんな音楽書くんだ! それでいて、ちゃんとジョン・ウィリアムズしてる! そんなふたつの感想をもってしまう。作家性の垣間見える珍しい立ち位置の楽曲、好きです。クラシック音楽でいえば、ベートーヴェン:交響曲 第5番《運命》第1楽章が「ダダダダーン」のモチーフで構築されているのと同じ手法ですよね。そのピンポイント版というか、手法のひとつを抜き出したわかりやすさみたいなものがあります。

 

 

近年の映画音楽の傾向。

これは個人の解釈です。旋律美のメインテーマとそのバリエーションという方法論は少し影をひそめ、同音型の反復手法やそこからの変化・発展という方法論に、ますますシフトしてきているように感じます。もちろん旋律タイプも音型タイプも昔からあるものですが、その比重やバランスが変わってきているように感じる。

ミニマル・ミュージック主流とも、ポスト・ミニマルとも言わないけれど、明らかにモチーフ主体の音楽構成が増えてきています。『ファンタスティック・ビースト』の映画音楽もそうですし、日本ではまだ少ないかもしれないけれど、海外TVドラマ音楽(欧米・アジア)などでも強く感じます。

少し前までは、この手法がなんちゃってミニマルみたいで、あまり好きではありませでした。とりあえず、通奏低音のように鳴っているBGMや場繋ぎ音楽みたいで。でも、『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』のジョン・ウィリアムズのように、一線を画して本格的につくりあげている人はいるしいたし、この手法をメインとした映画音楽作曲家たちの点在は、若い世代へも着実に増えてきているように思います。

同音型の反復手法やそこからの変化・発展という方法論。言い換えると、モチーフ、小さいメロディ、限られた一つの素材、短い旋律のパターン、これらを変化させること・展開させていくこと。久石譲の映画音楽ではおなじみのことです。いや、むしろ何十年も前からその手法をリードしてきた人のひとりです。久石譲の”幹をつくる”音楽たちが、次の世代の作曲家たちの”花”へとなろうとしているような気がしてきます。そういう視点で、いろいろな国の、いろいろなサウンドトラック盤にふれてみるとおもしろいです。

 

 

話を、音がいい、に戻して。

久石譲さんです。

2001年に指揮者デビューを果たして以降、オリジナルアルバムもサウンドトラックも久石譲指揮によるものが多くを占めています。サントラ音楽であっても、映像のために音質を犠牲にすることはありません。すべての録音でプロデュース、トラックダウンの仕上げまできっちり監修しています。

ここで、条件の近いもの(オーケストラメインの編成・ホール録音)として、『千と千尋の神隠し』を聴いてみます。サウンドトラック盤も交響組曲盤も、どちらも臨場感あるダイナミックな音像が広がっています。

2001年に指揮者デビューを果たして以降、、そう書きました。ここは結構なポイントになりそうです。なぜなら、指揮者久石譲として研ぎ澄まされていくということは、音楽収録にもおのずと反映されてくるからです。そこには、指揮者の耳、指揮台で耳にする音、ダイレクトに録音される。今、聴いている久石譲音楽たちは、指揮台で久石譲が耳にしていたものに限りなく近い音、指揮台で楽器ごとバランスや立体的な音配置を納得した音、指揮者のもとへ集まってくる音圧を感じた音、それをそのままバーチャル体感することができている。そんな言い方もできるかもしれませんね。

もしそう言えるのなら。『交響組曲 風の谷のナウシカ』(2016)や『交響組曲 天空の城ラピュタ』(2018)は、1980年代から時代を経て、新たに久石譲による指揮はもちろん、新たに指揮台バーチャルな音質的価値を獲得した録音の登場となった。そんな言い方もできるかもしれませんね。

 

久石譲 『千と千尋の神隠し サウンドトラック』

 

 

 

監督と作曲家の運命的な出会い。ジョン・ウィリアムズ自身が指揮した、スピルバーグ映画がなければ作曲しなかった、生まれることのなかったかもしれない名曲の数々。輝けるコラボレーションの軌跡を集大成したアルバム「ジョン・ウィリアムズ・プレイズ・スピルバーグ」です。どんどんいい音にふれていきましょう!

それではまた。

 

reverb.
次のコラボレーションは映画『インディ・ジョーンズ 5』(2022予定)です♪

 

 

*「Overtone」は直接的には久石譲情報ではないけれど、《関連する・つながる》かもしれない、もっと広い範囲のお話をしたいと、別部屋で掲載しています。Overtone [back number] 

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Info. 2021/02/19 久石譲「赤狐書生 オリジナル・サウンドトラック」 デジタルリリース

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2020年中国公開映画『赤狐書生 (Soul Snatcher)』(日本公開未定)のオリジナル・サウンドトラックがデジタル・リリースされました。全34曲、収録時間1:19:24のボリュームです。リリース状況は各種配信サイトにてご確認ください。 “Info. 2021/02/19 久石譲「赤狐書生 オリジナル・サウンドトラック」 デジタルリリース” の続きを読む

Info. 2021/07/07 久石譲「Minima_Rhythm IV ミニマリズム 4」CD発売決定!! 【2/18 Update!!】

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待望の久石譲「ミニマリズム」シリーズ第4弾!!

今作は「ミニマル×コンチェルト」がコンセプト。久石譲が書き下ろした協奏曲の中でも、際立つ存在の2作品を豪華に収録。世界でも稀有な存在である「コントラバス協奏曲」、そして「3本のホルンのための協奏曲」は、独奏楽器としての今までにない表現の可能性と限界に挑んだ意欲作。当代随一のソリストを迎え、今注目の久石譲指揮、フューチャー・オーケストラ・クラシックス(FOC)の演奏で、コンチェルト×ミニマル・ミュージックの新たな魅力に出会える一枚。 “Info. 2021/07/07 久石譲「Minima_Rhythm IV ミニマリズム 4」CD発売決定!! 【2/18 Update!!】” の続きを読む

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「崖の上のポニョ」「風立ちぬ」「かぐや姫の物語」サントラ初LP化決定

大好評発売中の“宮崎駿監督&音楽:久石譲”作品のアナログ盤シリーズに、「崖の上のポニョ」「風立ぬ」、そして高畑勲監督との唯一の作品となった「かぐや姫の物語」が遂に登場!

各イメージアルバム、サウンドトラック 作品が、リマスタリング、新絵柄のジャケットと豪華な仕様、解説も充実、ライナーノーツも楽しめる内容となっております。しかも、この4作品のアナログ盤は、これまで発売されたことがありません。ジャケットの美しさ、アナログならではの、音の豊かさ、をお楽しみ下さい。

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