Info. 2019/12/31 「久石譲 ジルベスターコンサート 2019 in festival hall」開催決定!! 【8/23 Update!!】

Posted on 2019/08/12

毎年恒例!今年もやります、ジルベスターコンサート!
大晦日にはフェスティバルホールへ。

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Disc. 久石譲 『映画 二ノ国 オリジナル・サウンドトラック』

2019年8月21日 CD発売

2019年公開映画『二ノ国』
製作総指揮/原案・脚本:日野晃博
監督:百瀬義行
音楽:久石譲
主演:山﨑賢人
主題歌:須田景凪「MOIL」

 

人気RPG『二ノ国』シリーズを長編アニメーション映画化!製作総指揮/原案・脚本:日野晃博(『レイトン』シリーズ )×監督:百瀬義行(『おもひでぽろぽろ』原画 )×音楽:久石譲という日本を代表するドリームメーカーが集結!オリジナルストーリーで描かれる劇場版の本作では、主人公“ユウ”の声を演じる山﨑賢人をはじめ、宮野真守、津田健次郎、坂本真綾、梶裕貴、山寺宏一といった声優ドリームチームの参加も決定!全世界が待望するアニメーション映画『二ノ国』が誕生する。

(メーカーインフォメーションより)

 

 

 

ー久石さんはゲーム『二ノ国』から楽曲を担当されていますが、今回映画『二ノ国』の音楽をつくるにあたって、最初にどんなことを考えましたか。

久石:
多くの映画音楽は基本的には状況か、あるいは登場人物の心情に音楽をつけるのですが、僕はあまりそういう方法は取っていないんですよ。それよりも、観客側から客観的に見て、観客の心情を表現する音楽を作っている。だけど映画『二ノ国』はエンターテインメントな映画。こういう映画は、やはり物語の状況や心情に寄り添わないといけない。僕としては久しぶりに、物語に沿った音楽を書きましたね。

ー一ノ国で流れる曲と、二ノ国で流れる曲。具体的にはどのような違いがありますか。

久石:
一ノ国というのは私たちが暮らすのと同じような、現実世界。そこで流れる音楽は、室内楽のような小編成での演奏にしています。一方、二ノ国はファンタジーな異世界。ベーシックに、フルオーケストラでの演奏です。一ノ国と二ノ国で流れる音楽をきっぱりと分けるというのが基本。一ノ国と二ノ国で同じメロディを使っている場合もありますが、その場合も違うアレンジをしています。

ー映画だからこそできたこと、チャレンジされたことはありますか。

久石:
見ている方がワクワクするようにできたらいいなと思って、全体的にはパーカッションを使ってリズミックにしています。そこは僕にとってのチャレンジでしたね。ゲーム版のテーマ曲もさりげなく出していますから、ゲームファンの方にも楽しんでいただけるんじゃないでしょうか。

ーレコーディングはいかがでしたか。

久石:
僕のレコーディングに参加する人たちは、オーケストラでは首席奏者クラスの人たちばかり。ミニマル・ミュージックに慣れている人たちもいて、非常に助かりました。日本のミュージシャンは本当にすばらしいですよ。ちゃんと音楽上でコミュニケーションを取れる人たちと取り組んだので、その場で生み出されたものもあった。楽しくレコーディングができました。

ー久石さんにとって映画音楽をつくるお仕事は、どういう意味合いがありますか。

久石:
エンターテインメントな作品に関わるとたくさんの人とコミュニケーションを取るので、新しい表現が生まれてくる。自分だけではやらないようなこともできたりする。そういう新しい発見があるから楽しいし、やめられないんですよね。映画音楽もコンサートもそれは一緒。僕にとって生きることと同じなんです。

ー久石さんの音楽を楽しみにしている方々にメッセージを音楽します。

久石:
今年の2月にパリでコンサートを行った時、フランスメディアのインタビューを受けましたが、みんな『二ノ国』のことを知っていました。「今度映画化されるんですよね。音楽を担当するんでしょう」と質問された。日本国内のみではなく、海外でも認知されているタイトルが、『二ノ国』。それが映画化されるということで、みんな期待を持っているんだなと感じています。

日本のみならず海外にも、この音楽が映画とともにみんなに聞いてもらえたら、僕にとっては何よりの喜びです。

Blog. 「映画「二ノ国」公式アートブック」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

「今の自分のやり方ってどちらかと言うと非常にミニマル・ミュージック的なアプローチがすごく多いんです。ミニマル・ミュージックというのは、同じ音型を繰り返す。そういうやり方をしているから、今の自分のやり方だと、エンターテインメントの映画にはあまり合わないんですよね。普通ではお断りしちゃう仕事のひとつなんです。ですが、過去にゲームでいっぱい作ってきた音楽があったので、それとうまくバランスを取れれば、今までとは全く違う切り口・やり方の映画音楽になるかなと思って。その辺はちょっと意識しましたね」

本作の題材となったゲーム「二ノ国」シリーズの音楽も担当していた。その時々の楽曲制作に精一杯で過去のことはあまり考えないという久石は、10年前のゲーム音楽について聞くと「あの頃はこうやったんだなというのがわかります。今は同じやり方は全くしていないからね。頑張ってよく書いたなと思ったぐらいの感じですかね」とコメント。「(ゲーム版の)テーマはさりげなく出したりしています。そういうところは楽しんでもらえるのかなと思います」とゲームファンに向けて明かした。

Info. 2019/07/26 久石譲、音楽は「生きること」 映画『二ノ国』収録現場で語る (Webニュース2種より)より抜粋)

 

 

「まずゲームと映画はまったく違うものなので、やり方は変えています。ただ今回の映画はエンターテインメントな映画だったので、音楽のあり方も変えました。通常、映画音楽は映像を説明するような音楽、状況や登場人物の心情に音楽をつけるんですけど、僕は普段そういう方法を取ってないんです。観客側から客観的に見る方法を取ってるんですが、エンターテインメントな映画になればなるほど、状況や心情に寄り添わなければならないので、その意味で久しぶりに、そういう音楽を書きました。ただ、映画の製作側から、ゲームとはまったく違う音楽をつくってほしいと言われたんですが、それは根本的に間違っていると思ったのでそう答えました。ゲームであれ映画であれ『二ノ国』という世界観がひとたび出来上がると、ストーリーがどうであろうと、ベーシックな部分は一緒なんですよ。ある意味では、同じ曲を使ったほうがいいということもあります。だからこそ、そこは客観的に分析して、どこをどういう手法でやるか、それを考えました」

Blog. 「Men’s PREPPY 2019年9月号」映画『二ノ国』久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

 

【百瀬監督、製作総指揮/原案・脚本の日野氏からのコメント】

■監督 百瀬義行
壮大なオーケストレーションの中に、登場人物が揺れ動く繊細な心を汲み取った久石さんの音楽は、映画に新しい彩りを添えてくださいました。

■製作総指揮/原案・脚本 日野晃博
久石譲さんの音楽は、二ノ国の世界観を形成する最重要の要素です。
今回の音楽も、原作のゲームからさらに飛躍し、映画独自の世界観をカタチづくることに成功しています。二ノ国にいるときと一ノ国にいるときの、音楽性の違いなどにも注目ポイントです。
今回の映画二ノ国でもそうですが、久石さんのつくられる、感情に寄り添った音楽の流れは、映画音楽の神髄と言えると思います。

出典:映画『二ノ国』オフィシャルサイト|ニュース
http://wwws.warnerbros.co.jp/ninokunijp/news.html?id=186459891748

 

 

 

 

予告編・特報・PV動画などに使用されていた楽曲は、「2. おだやかな日常」「4.二ノ国へ」「8. エスタバニア城」「13.空のランデブー」「15.姫の心」「16.仕組まれた入場」「24.命をかけた戦闘」「33.決着のとき」など多岐にわたる。

 

録音は2019年5月23、24日アバコスタジオにて。日付については公式ツイッターによる投稿で把握することができる。おそらくアバコスタジオ録音分はフルオーケストラ編成楽曲を中心に行われいると推測する。Bunkamuraスタジオでは、小編成楽曲が録音されたのか、部分録り(楽器ごと)に使われたのか、日付ふくめて不明。

CDライナーノーツ・クレジットより、フルオーケストラ編成と小編成の編成表がはっきりとわかることもうれしい。フルオーケストラ楽曲についても、既存のオーケストラ楽団ではなく、楽曲のために必要な編成の招集型であり、久石譲の音楽活動の線でいうと、FOC(フューチャー・オーケストラ・クラシックス)の流れをくむ方法になっている。FOCメンバーとの重複具合は細かく照合していないけれど、もちろん周知のメンバーも参加している。

また、フルオーケストラ編成と小編成の奏者が一致していないこと。ピアノを除くすべての楽器で、小編成の奏者は異なる。ヴァイオリンは、FOCコンサートマスターの近藤薫さんが務めている。このあたりは、奏者が違うことで演奏の質をも分離したかった(フルオーケストラ 対 小編成)というよりも、どのリーダーを起点として招集をかけたか、という実務的なものによるところが大きいと推測している。

 

 

 

 

(映画を観て…サントラを聴いて… レビュー後日 予定)

 

 

 

 

 

 

1. 不思議なお爺さん
2. おだやかな日常
3. 忍び寄る危機
4. 二ノ国へ
5. 未知なる異世界
6. 酒場
7. 侵食する呪い
8. エスタバニア城
9. 疑惑
10. 険悪なムード
11. 募る思い
12. 思いがけない出会い
13. 空のランデブー
14. 清めの舞
15. 姫の心
16. 仕組まれた入場
17. コロシアムの戦い
18. 決死の賭け
19. 異世界への旅立ち
20. ふたつの道
21. 命のゆくえ
22. 黒の侵攻
23. 激しい攻防
24. 命をかけた戦闘
25. 届かぬ思い
26. 襲撃
27. 悲しき過去
28. マリオネット
29. ガバラスとの戦い
30. 守る覚悟
31. 受け継がれるもの
32. 伝説の勇者
33. 決着の時
34. 別れ
35. 似た者同士

 

All Music Composed, Arranged and Produced by Joe Hisaishi

Conducted by Joe Hisaishi

Orchestration by Chad Cannon, Joe Hisaishi

Performed by
Except Track-1, 2, 3, 6, 9, 10, 11, 19, 26
Flute:Hirioshi Arakawa
    Misao Shimomura
Oboe:Ami Kaneko
    Masato Satake
Clarinet:Soushi Nakadate
      Kei Kusunoki
Bassoon:Mariko Fukushi
       Masashi Maeda
Horn:Yoshiyuki Uema
    Hirofumi Wada
    Kazune Fukae
Trumpet:Takaya Hattori
       Homare Onuki
Trombone:Shinsuke Torizuka
Bass Trombone:Koichi Nonoshita
Tuba:Nana Ishimaru
Timpani:Tadayuki Hisaichi
Percussion:Mitsuyo Wada
      Keiko Nishikawa
      Nanae Uehara
Harp:Yuko Taguchi
Piano/Celesta:Febian Reza Pane
Strings:Manabe Strings

Track-1, 2, 3, 6, 9, 10, 11, 19, 26
Clarinet:Hidehito Naka
Percussion:Akihiro Oba
Piano:Febian Reza Pane
Synthesizer:Naoko Imamura
Guitar:Go Tsukada
Violin:Kaoru Kondo
Cello:Sin-ichi Eguchi
Tin Whistle:Akio Noguchi (Track-6)

Recorded at Avaco Studio, Bunkamura Studio
Mixed at Bunkamura Studio
Recording & Mixing Enginner:Suminobu Hamada
Derector & Manipulator:Yasuhiro Maeda

and more…

 

Blog. 「映画「二ノ国」公式アートブック」 久石譲インタビュー内容

Posted on 2019/08/20

2019年夏公開映画『二ノ国』関連書籍、映画「二ノ国」公式アートブックより久石譲インタビュー内容です。

 

 

インタビュー 音楽 久石譲

ゲーム版のテーマ曲もさりげなく出しています。ゲームファンの方にも楽しんでほしい。

ゲーム「二ノ国」から引き続いて、映画『二ノ国』でも音楽を担当する久石氏。音楽を通して並々ならぬ想いを本作に込める。

 

ー久石さんはゲーム『二ノ国』から楽曲を担当されていますが、今回映画『二ノ国』の音楽をつくるにあたって、最初にどんなことを考えましたか。

久石:
多くの映画音楽は基本的には状況か、あるいは登場人物の心情に音楽をつけるのですが、僕はあまりそういう方法は取っていないんですよ。それよりも、観客側から客観的に見て、観客の心情を表現する音楽を作っている。だけど映画『二ノ国』はエンターテインメントな映画。こういう映画は、やはり物語の状況や心情に寄り添わないといけない。僕としては久しぶりに、物語に沿った音楽を書きましたね。

 

ーどのようなプロセスでつくっていったのでしょうか。

久石:
つくるにあたって考えたのは、『二ノ国』の世界観。一ノ国と二ノ国の人間は、命がつながっているというのがこの作品のポイントです。ストーリーにかかわらず、一ノ国と二ノ国で流れる音楽の根っこは一緒。時には同じ曲を両方で使ったほうがいいケースもあるわけですね。まずはできるだけ客観的に分析して、どのシーンにどんな曲を使うかとても考えました。

 

ー一ノ国で流れる曲と、二ノ国で流れる曲。具体的にはどのような違いがありますか。

久石:
一ノ国というのは私たちが暮らすのと同じような、現実世界。そこで流れる音楽は、室内楽のような小編成での演奏にしています。一方、二ノ国はファンタジーな異世界。ベーシックに、フルオーケストラでの演奏です。一ノ国と二ノ国で流れる音楽をきっぱりと分けるというのが基本。一ノ国と二ノ国で同じメロディを使っている場合もありますが、その場合も違うアレンジをしています。

 

ー映画だからこそできたこと、チャレンジされたことはありますか。

久石:
見ている方がワクワクするようにできたらいいなと思って、全体的にはパーカッションを使ってリズミックにしています。そこは僕にとってのチャレンジでしたね。ゲーム版のテーマ曲もさりげなく出していますから、ゲームファンの方にも楽しんでいただけるんじゃないでしょうか。

 

ーレコーディングはいかがでしたか。

久石:
僕のレコーディングに参加する人たちは、オーケストラでは首席奏者クラスの人たちばかり。ミニマル・ミュージックに慣れている人たちもいて、非常に助かりました。日本のミュージシャンは本当にすばらしいですよ。ちゃんと音楽上でコミュニケーションを取れる人たちと取り組んだので、その場で生み出されたものもあった。楽しくレコーディングができました。

 

ー久石さんにとって映画音楽をつくるお仕事は、どういう意味合いがありますか。

久石:
エンターテインメントな作品に関わるとたくさんの人とコミュニケーションを取るので、新しい表現が生まれてくる。自分だけではやらないようなこともできたりする。そういう新しい発見があるから楽しいし、やめられないんですよね。映画音楽もコンサートもそれは一緒。僕にとって生きることと同じなんです。

 

ー久石さんの音楽を楽しみにしている方々にメッセージを音楽します。

久石:
今年の2月にパリでコンサートを行った時、フランスメディアのインタビューを受けましたが、みんな『二ノ国』のことを知っていました。「今度映画化されるんですよね。音楽を担当するんでしょう」と質問された。日本国内のみではなく、海外でも認知されているタイトルが、『二ノ国』。それが映画化されるということで、みんな期待を持っているんだなと感じています。

日本のみならず海外にも、この音楽が映画とともにみんなに聞いてもらえたら、僕にとっては何よりの喜びです。

(映画「二ノ国」公式アートブック より)

 

 

補足)

映画『二ノ国』の久石譲インタビューは、雑誌・Webなどいくつかの媒体で発信されています。大枠は同じです。おそらくは、音楽レコーディング時の同一取材をベースにしています。どこを取り上げるか、どういった構成で書くか、という違いによる詳細やニュアンスの差異はあります。ぜひ読み比べてみてください。

 

 

 

また映画制作エピソードとして久石譲に関連するものを抜粋してご紹介します。

 

インタビュー 製作総指揮/原案・脚本 日野晃博

二ノ国はあたたかみがあって柔らかいひなたぼっこみたいで癒やされる世界であってほしいと思っています。

ゲーム『二ノ国』から、本作をけん引し続けてきた日野氏。当初から想定していたという本作品の映画化に何を思うのか。

ゲームとアニメーションによるストーリーテリングの違い

~中略~

久石譲氏のアドバイスによって大幅に変更されたシナリオ

ー映画用のストーリーをつくるうえでは、どのような点にこだわりましたか?

日野:
最初に書いたシナリオは、いまとはかなり違ったものでした。

ーそれはどういった内容でしたか?

日野:
ほとんど二ノ国だけでストーリーが展開していました。ゲームの「1」(『漆黒の魔道士』『白き聖灰の女王』)のときは一ノ国と二ノ国を行ったり来たりする話を書いたんですけど、「2」の『レヴァナントキングダム』では二ノ国だけのストーリーになっていて、最初はこの映画用のシナリオも同様に、一ノ国がなくてもいいくらいの内容でした。

ー二ノ国のにの、完全なファンタジー作品ですか?

日野:
そうです。僕はファンタジーが大好きで、ジブリ作品にしてもほかの映画作品にしても、もちろんゲームも、架空の世界のお話ならなんでも好きですから、無意識にファンタジーに寄っていったんでしょうね。もちろん、そのシナリオの段階でもワーナー・ブラザーズさんの各部門からはOKをもらっていたんですけど、久石譲さんにお見せしたときに、「一ノ国と二ノ国を行き来するのが『二ノ国』の楽しさなのに、それがなくていいの?」と、ちょっとした挑戦状を突きつけられたんですよ(笑)。

でも、たしかにそのとおりだったのでショックを受けました。『二ノ国』で最初につくったコンセプトのおもしろみは、2つの世界があって、それがつながっているということなんです。いくらファンタジーが好きだからといっても、この企画の本質的な部分が欠落していてはいけない。久石さんからの指摘を受けて、脚本をイチから書き直しました。

ー久石さんからは音楽面のみならず、そういった関わり方もあったんですね。

日野:
そういう大事なことを、いつも最初に久石さんが気づかせてくれるんです。だから久石さんの言うことは聞かなきゃ……と思わされますね(笑)。特に今回の映画のストーリーでは、命のやりとりがあって、2人の男の子が親友同士なのに戦うことになります。「自分の愛する人のために他人を殺せますか?」とか「大切なものを守るためになんでもできますか?」といったショッキングなメッセージを含んでいるので、脚本にも殺伐としたセリフが多かったんです。久石さんはあたたかい作品をつくりたい人だから、あんまり物騒な言葉は使ってほしくない、といった趣旨のことも言われました。だからセリフもだいぶ変更しましたよ(笑)。

『二ノ国』の世界観だからこそ生まれた独自のストーリー展開

~中略~

あたたかくて柔らかい二ノ国

~中略~

ファンタジーとして楽しんでもらいたい『二ノ国』

~中略~

(映画「二ノ国」公式アートブックより 一部抜粋)

 

 

補足)

日野氏はセリフの変更についてのエピソードをこのようにも語っています。

 

――リテイクして出来上がったものは久石さんもいいねと言っていただけたんですか?

日野:はい、新しいコンセプトで作ったものに関しては。ただ、そのあともいろいろとアドバイスを受けました。

今回のテーマ上、命のやり取りがあるので、殺伐とした言葉も多かったんです。久石さんは温かい作品を作りたかったこともあって、「“殺す”っていう言葉が多すぎる!」と言われ、「うーん……」と悩みましたね。

言葉を極力シナリオから減らしていったりと、そういうところを久石さんには気づかせてもらえました。久石さんの言うことは聞かなきゃいけないかなって思っています(笑)。

出典:アニメイトタイムズ|映画『二ノ国』製作総指揮/原案・脚本日野晃博さんインタビュー|夢の『二ノ国』映画化には様々な試練が……! 梶裕貴さんのキャスティング秘話も!? より抜粋

 

同旨インタビュー

出典:ライブドアニュース|重要なのは「原動力」と「子供心」。『二ノ国』誕生秘話から紐解く、日野晃博の思考術

 

 

 

映画「二ノ国」公式アートブック
映画「二ノ国」製作委員会

【目次】

イントロダクション
映画『二ノ国』ビジュアルストーリー
美術ボード&設定画
キャラクター設定
百瀬義行アートワークス
インタビュー 製作総指揮/原案・脚本 日野晃博
インタビュー 監督 百瀬義行
インタビュー 魔法宰相・ヨキ役 宮野真守
インタビュー 音楽 久石譲
絵コンテ集
映画『二ノ国』を読み解く8つの視点
ゲーム「二ノ国」の世界

定価:本体2,700円+税
発売日:2019年08月16日
ページ数:160ページ
判型・造本・装丁:A4判 軽装 並製カバー装

 

Info. 2019/11/13,14,16 「Joe Hisaishi Concert」(台北・高雄)開催決定!! 【8/19 Update!!】

Posted on 2019/06/30

2019年11月、久石譲コンサートが台湾の台北・高雄で開催されます。昨年は映画「となりのトトロ」公開30周年記念として「オーケストラストーリーズ となりのトトロ」などを同楽団と共演しています。今年は「千と千尋の神隠し 組曲」です。 “Info. 2019/11/13,14,16 「Joe Hisaishi Concert」(台北・高雄)開催決定!! 【8/19 Update!!】” の続きを読む

Info. 2019/08/21 『映画 二ノ国 オリジナル・サウンドトラック』久石譲 CD発売決定!! 【8/17 Update!!】

人気RPG「二ノ国」シリーズを長編アニメーション映画化!

製作総指揮/原案・脚本:日野晃博(「レイトン」シリーズ)×監督:百瀬義行(『おもひでぽろぽろ』原画)×音楽:久石 譲という日本を代表するドリームメーカーが集結!

オリジナルストーリーで描かれる劇場版の本作では、主人公“ユウ”の声を演じる山﨑賢人をはじめ、宮野真守、津田健次郎、坂本真綾、梶裕貴、山寺宏一といった声優ドリームチームの参加も決定! “Info. 2019/08/21 『映画 二ノ国 オリジナル・サウンドトラック』久石譲 CD発売決定!! 【8/17 Update!!】” の続きを読む

Info. 2019/08/16 映画「二ノ国」 公式アートブック 発売

レベルファイブの人気ゲームシリーズ「二ノ国」の世界観をもとにしたアニメーション映画『二ノ国』が、今夏公開となります。製作総指揮/原案・脚本を日野晃博(「レイトン教授」シリーズ)、監督に百瀬義行(『おもひでぽろぽろ』原画)、音楽が久石譲(『千と千尋の神隠し』)と日本を代表するドリームメーカーが集結! “Info. 2019/08/16 映画「二ノ国」 公式アートブック 発売” の続きを読む

Blog. 「Men’s PREPPY 2019年9月号」映画『二ノ国』久石譲インタビュー内容

Posted on 2019/08/16

雑誌「Men’s PREPPY メンズプレッピー 2019年9月号」(8月1日発売)に掲載された久石譲インタビュー内容です。劇場公開をひかえた映画『二ノ国』について語られています。

 

 

日本屈指のトップクリエイター集結!
今夏、再注目のエンターテインメントファンタジー!

『妖怪ウォッチ』『レイトン』シリーズなど数多くのヒット作を生み出した、日野晃博さんが製作総指揮/原案・脚本を担当し、監督は『おもひでぽろぽろ』などの原画を手掛けた百瀬義行さん、そして世界にその名を轟かせる映画音楽界の巨匠・久石譲さんが音楽を担当するという、夢の共演が実現!

 

CREATOR INTERVIEW
音楽監督 久石譲さん

各分野のトップクリエイターが集った今回の作品。ゲーム『二ノ国』からずっと音楽に携わり、誰もが一度は耳にしたことがあるジブリ作品をはじめ、数多くの映画音楽を手掛け、さらに指揮者・ピアニストとしても活躍されている久石譲さんが、今作について語ってくださいました。

-ゲーム版と映画版との違い、またあえて踏襲したところはありますか?

久石:
「まずゲームと映画はまったく違うものなので、やり方は変えています。ただ今回の映画はエンターテインメントな映画だったので、音楽のあり方も変えました。通常、映画音楽は映像を説明するような音楽、状況や登場人物の心情に音楽をつけるんですけど、僕は普段そういう方法を取ってないんです。観客側から客観的に見る方法を取ってるんですが、エンターテインメントな映画になればなるほど、状況や心情に寄り添わなければならないので、その意味で久しぶりに、そういう音楽を書きました。ただ、映画の製作側から、ゲームとはまったく違う音楽をつくってほしいと言われたんですが、それは根本的に間違っていると思ったのでそう答えました。ゲームであれ映画であれ『二ノ国』という世界観がひとたび出来上がると、ストーリーがどうであろうと、ベーシックな部分は一緒なんですよ。ある意味では、同じ曲を使ったほうがいいということもあります。だからこそ、そこは客観的に分析して、どこをどういう手法でやるか、それを考えました」

-”一ノ国”と”二ノ国”、それぞれでの変化は?

久石:
「一ノ国はリアルワールドで、二ノ国はファンタジーという別世界なので、一ノ国は室内楽というか小さな編成にして、二ノ国に行ったらフルオーケストラ。そういう形でかなりはっきり分けました」

-同じメロディラインで編成だけ違うというものもありますか?

久石:
「1曲やりましたね。でももともと異なる世界なので、できるだけ違うようにはしました。音楽でも一ノ国にいるのか二ノ国に行ったのか、わかるようになったと思います」

-映画だからこそ表現できたこと、チャレンジしたことは?

久石:
「今回はパーカッション系など、打楽器をかなり増やして全体にリズミックに仕上げました。ワクワクするようにもっていけたらいいなと、チャレンジしてみました」

-難しいと思うのですが、久石さん自身の好きな部分、聞いてほしい部分を教えてください。

久石:
「それはもう全部ですね。ある意味で、僕の今のやり方はミニマル・ミュージックなやり方が多いんです。ミニマル・ミュージックというのはパターン化された同じメロディを繰り返す方法なんですけど。でもそればっかりだと、エンターテインメントな映画いは合わないんですよ。だから、普段ならお断りする可能性もあるお仕事だったのですが、今までゲームで作ってきた音楽があったので、それとうまくバランスがとれれば、今までとは違った切り口の映画音楽ができるかなと思って、そこは意識しましたね」

-ということは、10年前のゲームファンが観ても、メロディラインに気づくような部分もありますか?

久石:
「テーマはさりげなく出したりしているので、そこは楽しんでもらえるかなと思います」

-映画音楽をつくるとは、久石さんにとってどういうことでしょう?

久石:
「エンターテインメントな仕事は嫌いじゃないし、それをつくることで、例えば今回は日野さんとコミュニケーションを取ることで、新しい表現とか自分ではやらない表現に挑戦したりするので、新しい発見があるっていうことは楽しいですよね。もちろんこれは映画だけに限らずですが」

-ではファンの方へメッセージをお願いします。

久石:
「今年2月にパリでコンサートをやっていたときもインタビューを受けたんですけど、みんな『二ノ国』は知ってるんですよ。つまり、国内のみではなく、海外でも広く認知されているゲームなんです。それが映画化されるということで、世界中が期待しているので、希望としては海外も含めて、自分の音楽が映画と共に届いて、聞いてもらえると嬉しいです」

(Men’s PREPPY 2019年9月号 より)

 

 

Info. 2019/08/16 久石譲が語り明かす 映画『二ノ国』楽曲秘話公開(ぴあ より)

久石譲が語り明かす 映画『二ノ国』楽曲秘話公開

製作総指揮・原案・脚本に日野晃博(『レイトン』シリーズ)、監督に百瀬義行(『おもひでぽろぽろ』原画)、音楽に久石譲(『千と千尋の神隠し』)と、日本を代表するドリームメーカーが贈るアニメーション超大作『二ノ国』が8月23日(金)より公開される。この度、音楽を担当した久石による楽曲秘話が公開された。 “Info. 2019/08/16 久石譲が語り明かす 映画『二ノ国』楽曲秘話公開(ぴあ より)” の続きを読む

Blog. 「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2019」コンサート・レポート

Posted on 2019/08/14

8月1日から8月12日まで国内7都市8公演で巡った「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2019」コンサートツアー。

❝久石譲と新日本フィルによるワールド・ドリーム・オーケストラ、発足から15年。
これまでの集大成として組曲「World Dreams」を披露!
宮崎駿監督の楽曲を交響組曲にするプロジェクト、今年は「魔女の宅急便」!❞

キャッチコピーに胸躍りチケットは即SOLD OUT、期待と楽しみ膨らんだファンの熱気と興奮は各会場ともスタンディングオベーションと鳴り止まないカーテンコール、大きな感動につつまれました。

 

 

まずは演奏プログラム・アンコールのセットリストから。

 

久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2019
JOE HISAISHI & WORLD DREAM ORCHESTRA 2019

[公演期間]  
2019/08/01 ~ 2019/08/12

[公演回数]
8公演
8/1 静岡・静岡市民文化会館 大ホール【A】
8/2 愛知・愛知県芸術劇場 コンサートホール 【A】
8/5 広島・ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ 【B】
8/6 長崎・長崎ブリックホール 【B】
8/8 東京・サントリーホール 【A】
8/9 東京・サントリーホール 【B】
8/11 京都・京都コンサートホール 大ホール 【B】
8/12 兵庫・兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール 【A】

[編成]
指揮:久石 譲
管弦楽:新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ
コンサートマスター:豊嶋泰嗣

[曲目]
【PROGRAM A】 All Music by Joe Hisaishi
組曲「World Dreams」 *世界初演
1.World Dreams
2.Driving to Future
3.Diary

ad Universum *世界初演
1.Voyage
2.Beyond the Air
3.Milky Way
4.Spacewalk
5.Darkness
6.Faraway
7.Night’s Globe
8.ad Terra

—-intermission—-

[Woman] for Piano, Harp, Percussion and Strings *改訂初演
Woman
Pnoyo on the Cliff by the Sea
Les Aventuriers

Kiki’s Delivery Service Suite *世界初演

—-encore—-
Il Porco Rosso (Pf.Solo)
Merry-Go-Round

 

【PROGRAM B】 All Music by Joe Hisaishi
組曲「World Dreams」 *世界初演
1.World Dreams
2.Driving to Future
3.Diary

Deep Ocean
1.the deep ocean
2.mystic zone
3.trieste
4.radiation
5.evolution
6.accession
7.the origin of life
8.the deep ocean again
9.innumerable stars in the ocean

—-intermission—-

[Woman] for Piano, Harp, Percussion and Strings *改訂初演
Woman
Pnoyo on the Cliff by the Sea
Les Aventuriers

Kiki’s Delivery Service Suite *世界初演

—-encore—-
Summer (Pf.Solo) ※広島/長崎/東京
あの夏へ (Pf.Solo) ※京都
Merry-Go-Round

 

About
Kiki’s Delivery Service Suite

Original Orchestration by Joe Hisaishi
Orchestration by Chad Cannon

Mandolin:Tadashi Aoyama
Accordion:Tomoni Ota

[参考作品]

久石譲 千と千尋の神隠し 組曲 久石譲 『Another Piano Stories』 久石譲 『魔女の宅急便 サントラ音楽集』 久石譲 『ENCORE』

 

 

さて、個人的な感想はひとまず置いておいて、会場にて販売された公式パンフレットより紐解いていきます。

 

Program Interview

ーWORLD DREAM ORCHESTRA(W.D.O.)の活動を再開して以降、今年で6回目のツアーです。

久石:
W.D.O.は2004年から活動を始めました。最初の頃、第1期と呼べる時期は、ロックもポップスも含め、様々な世界中の音楽をオーケストラ作品として表現してきました。2年間の小休止後、第2期が始まり、自分の作品を中心に演奏してきました。今年はその第2期の区切りの年だと捉えています。

ーテーマ曲でもある「World Dreams」が組曲になりますね。

久石:
「World Dreams」は活動を始めた2004年に作った曲です。2001年に9.11(米同時多発テロ)が起きてから、世界はバラバラになって今までの価値観ではもうやっていけなくなるという感覚が自分の中で強くありました。だからこそ、世界中の人々が違いを言うのではなく、世界を一つの国として捉えるような曲、つまり国歌のような朗々としたメロディーの曲を作りたいと思ったんです。

実は「World Dreams」を組曲にしたいという構想はこれまでもありましたが、今年テレビ番組(「皇室日記」)からオファーを受けて「Diary」を書いた時に「World Dreams」の世界観と通じるものがあると感じ組曲にしました。

ーAプロでは次の曲が「ad Universum」です。

久石:
今年オープンしたプラネタリウム(コニカミノルタ プラネタリウム)のために書いた曲を組曲として構成し直しました。宇宙がテーマだったので、ミニマル・ミュージックでありながら聴きやすさを大事にして作った曲です。つまり相反する要素を一つの曲の中で表現している。そういう意味ではBプロで演奏する深海をテーマにした「Deep Ocean」の続編としての側面もあります。

ーBプロは今お話に出た「Deep Ocean」。

久石:
もともとはNHKの番組「深海」シリーズのために書いた曲です。ストイックでありながら、難しくなってしまうギリギリ手前で楽しんでもらえる曲になっていると思います。

ー後半は「Woman」から始まります。

久石:
ここ数年挑んでいるピアノと弦楽オーケストラの形です。指揮者としてオーケストラと対峙する関係と違い、演奏者として一体感が高く、とても好きなスタイルです。一方、指揮者もやらなければならないので、とてもハードなスタイルでもあります。作曲家の久石譲さんは演奏家にとても厳しいので、ピアニストとしてはいつも大変です(笑)。

今回はハープともう一台のピアノ、パーカッションを入れました。「Woman」「Ponyo on the Cliff by the Sea」「Les Aventuriers」の3曲とも「Another Piano Stories」というアルバムに入っていた曲です。12人のチェロとピアノ、ハープとパーカッションという特殊な編成のバージョンをベースにしながら、今回のツアーのために書き直ししました。

ー最後は「Kiki’s Delivery Service Suite」。

久石:
W.D.O.の第2期では宮崎駿監督作品を交響組曲にするシリーズを続けてきました。今年は「魔女の宅急便」です。

映画用に書いた曲というのは、台詞や物語の流れを踏まえ、音楽があえて語り過ぎないようになっています。さらにもともとこの作品は軽めのヨーロピアンサウンドを目指して作った曲です。それをシンフォニックな曲にしてしまうのは違うと思い、ずいぶん悩みました。今から30年前に書いた曲で、譜面もまともに残っていなかったのにも苦労しました(笑)。今回のツアーではアコーディオンとマンドリンの奏者を加え、映画の世界観を追体験しながら、音楽を存分に楽しんでもらえたら嬉しいですね。

ー今後のW.D.O.については。

久石:
最初にお話しした通り、今回が第2期の区切りです。オーケストラのコンサートで一人の作曲家が自作品だけで様々なプログラムを提示し、続けてこられたことは奇跡で、それが実現できたのはお客様の期待あってのこと。本当に感謝しています。第3期をどうしていくか。大事なことはお客様だけでなく、自分もオーケストラも心からエキサイティングな気持ちで臨めることだと思います。そのことを今年のツアーを通じて考えていきたいですね。

(「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2019」コンサート・パンフレット より)

 

 

 

 

さて、久石譲本人による楽曲解説で充分にコンサートの雰囲気は伝わると思います。補足程度に感想や参考作品、アンコールもまじえてご紹介していきます。

 

組曲「World Dreams」 【AB】
15周年を華やかに飾る組曲化で壮大に。2004年発足時にW.D.O.テーマ曲として書き下ろされた「World Dreams」が第1曲に。『Spirited Away Suite』(2019CD)にも収録されている永遠の定番です。近年はアンコールで披露されることも多かったなか、今年は堂々とコンサートの幕開けに響きわたります。

第2曲に書き下ろされた「Driving to Future」は本邦初披露。ミニマルベースの明るい曲で、木管楽器や打楽器が弾むようにキラキラと飛び交い、ストリングスの大きなフレーズが流れるように広がります。精巧に散りばめられた管楽器・打楽器の短いモチーフのズレと、ゆったりと大きく歌うフレーズが後から追っかけてくる弦楽器の旋律のズレ。今最も旬な久石譲のアプローチがつまっています。メロディのはっきりした性格をもつ第1曲と第3曲にはさまれたこの曲は、絶妙な立ち位置でこの組曲の世界観を広げているように思います。イメージを狭める先入観は避けたいですが、TV番組『シリーズ ディープオーシャン』や映画『海獣の子供』とりわけ「10.ジンベエザメ」「9.出航」「11.嵐の中のふたり」あたりを彷彿とさせる(アプローチ・楽想・ハーモニーなど)と聴きながら思っていました。

第3曲「Diary」はTV番組『皇室日記』の新テーマ曲として2019年5月から使用されている楽曲。TV版は約3分の楽曲として一度だけO.A.されたことがありますが、それとは異なる組曲用の再構成、大幅にドラマティックに加筆されていました。第1曲のキメのフレーズが再循環で登場したりと、組曲を統一するにふさわしい壮大なオーケストレーション。

楽章間の拍手をなくすためか、コンサートでは3つの曲がなめらかにつながって披露されました。クロスフェードのように、曲の終音のフェードアウトとクロスして次の曲の始音が立ち上がってくる。素晴らしい集中力と演奏技術です。もしCD化される際には、このあたりがひと呼吸おくのか、同じようにつながるのか。僕はたっぷりひと呼吸おきたい派です。

15周年にして壮大に組曲化された「World Dreams」。これにて完全版でしょうか? また新しいひとつの期待をしています。それは、節目ごとにもっと巨大な作品になっていくのではないか。単純計算ですが、各5分の楽曲として約15分の作品になりました。”組曲”とうたいながら3曲構成?  世界観的にも時間的にもまだまだ大きなスペースを潜在的に秘めているように思えてきます。久石さんが音楽活動をしていくなかで、現代社会と呼応していくなかで、これからも作られていく曲。そこで生まれた曲と「World Dreams」との共鳴。もしくは、すでになんらかのかたちで発表されている作品だけれども、未音源化惜しまれる名曲たち「Mt.Fuji」とか。20周年・25周年のメモリアルに組曲「World Dreams」はまた大きく進化するのかもしれない。そんな楽しみと希望がまたひとつ芽生えました。

 

ad Universum 【A】
コニカミノルタプラネタリアTOKYO『To the Grand Universe 大宇宙へ music by 久石譲』のために書き下ろされた曲たちが『ad Universum』というタイトルで組曲化されました。この作品についてはとても曖昧な印象、な話になってしまいます。現在もロングラン上映中かつ未CD化のオリジナル楽曲たちだからです。

おそらくほとんどの曲が組曲化で盛り込まれているような気はします。小さい編成のオーケストラ+シンセサイザーで組み立てられたオリジナル版は、ミニマル手法を貫いた楽曲たちです。コンサートの印象では、やや編成を大きくし、アクセントやパンチの効いたダイナミックなオーケストレーションも施され、あくまでも管弦楽をベースとして必要最小限のキーボードによる電子音使用、まさに演奏会用の音楽作品に再構成されているんだろうと思います。静かな曲での電子音はエッセンスとしてとても効果的で、オーケストラも厚すぎず、散りばめられた星たちが適度な距離感でまたたくように、音たちもそれぞれの距離感で奏であい、、やっぱり曖昧な印象になってしまう。

エンディングに流れる曲はオリジナル版では合唱編成あり、この楽曲だけラジオO.A.音源として聴くことができます。コーラスの厚みが金管楽器などに置き換わっていました。さすが演奏会用に昇華されたダイナミックなエンディング曲です。ということで、、プラネタリウム鑑賞時のレビューのほうが各楽曲について細かく記しているかもしれません。

さて、今回この作品を聴かせてもらえたことで、次の夢も浮かんできてしまいます。『Deep Ocean』『ad Universum』という進化つづける久石譲がつまった作品たち、きちんとした音楽作品としての組曲化。次の候補は? 『Children of the Sea』!そう映画『海獣の子供』音楽の組曲化!きっと素晴らしいものになるとわかってしまう確信してしまう空想してしまう、今回この『ad Universum』を聴けたことで。

 

Deep Ocean 【B】
2017年コンサートでも披露された作品。ピアノ2台をオーケストラが囲むというなかなかお目にかかれない編成の魅力。音階をもったカウベル(チューンドカウベル)や珍しいパーカッション群、いつもの楽器が特殊奏法で効果音のようだったりと、生楽器だけで多彩な音世界を魅せてくれる作品です。今回編成が少し大きくなっていました。弦14型(14.12. ~ 7.)と通常オーケストラサイズ、音やフレーズが追加されていたり、厚みが増していたり。……でもこれは、もしかすると編成が変わったことでのバランスの変化、今まで聴こえなかった音が聴こえてきた……気のせいかもしれません……内心気のせいだとは思っていない自分がいますけれども。テレビサントラはまだかな、コンサート音源はまだかな、とずっと追っかけている作品です。楽曲について、追いかけ記録はこちら。

 

[Woman] for Piano, Harp, Percussion and Strings 【AB】
『Another Piano Stories ~The End of the World~』(2009)収録曲から3曲セレクト。CD版は12人のチェロとピアノ、ハープとパーカッションという編成、コンサートでは弦楽オーケストラへと拡大しています。久石譲のミニマル音楽に欠かせないハープは、一般的な流麗な演奏とは対照的なリズミックで時に鋭い音が求めらます。そんな奏法や音色の違いを生で感じることができて感動です。

「Woman」は、モダンな旋律とハーモニー、軽やかな疾走感で、現代女性の象徴のような美しくかっこいい曲です。編成のPercussionというのがポイントで、いくつの打楽器が縦横無尽に使われていたのか(マリンバ、ヴィブラフォン、グロッケンシュピールetc…)、奏者は何人だったか。CD版は2台のハープ、コンサートは1台のハープ、打楽器へ少なくとも1台分のパートが置き替わっている、複数に振り分けられているだろうからです。[Woman]コーナー全体をとおして、ぜひ映像で確認したいところです!

「Ponyo on the Cliff by the Sea」は、おなじみ「崖の上のポニョ」のメロディを、すべての楽器が同じ奏で方で一曲とおす魅力です。弦楽器はピッツィカートで弦をはじき、打楽器は鍵盤を打ち、音符の粒たちがコロコロとかわいく跳ねあいます。マリンバ系のパートが増えていたりと、弦楽の拡大に合わせて打楽器もバランスを合わせているのだろうと思います。

「Les Aventuriers」は、『Piano Stories II』(1996)にも収録されている久石さんお気に入り曲(ライナーノーツ公言)。と言いながら、コンサートで聴けるのは何年ぶりだろう?何十年ぶりだろう? ファンのあいだでもとても人気のある楽曲です。ズバリしびれました。弦楽オーケストラに拡大した真骨頂を垣間見ました。サビ(Another CD盤1:38~)のところでこれまでにはなかったフレーズが聴こえてきます。ヴィオラが低音から一音一音駆け上がってくるんですね、相当な圧で。あまりにも強烈な印象すぎて釘づけになってしまいました。ヴィオラが歌ってる歌ってる、サビのメロディに堂々と対峙して圧巻でした。後半のくり返しでも登場します。ABプロと2公演聴くことができたので、1日目終わってCD聴きなおし、やっぱりないよね…、2日目再確認してノックアウト、もう頭から離れません。ほんとかっこよかった。5拍子のグルーヴ感が魅力なこの曲、そこへさらにうねりができたような、改訂という言葉以上の進化を感じてゾクゾクしました。

 

Kiki’s Delivery Service Suite 【AB】
ジブリ交響組曲第5弾は映画『魔女の宅急便』。構成楽曲は次のとおりです(サントラTrack.No・曲名)。「1. 晴れた日に…」「3. 海の見える街」「5. パン屋の手伝い」「6. 仕事はじめ」「7. 身代わりジジ」「8. ジェフ」(前半部) 「9. 大忙しのキキ」「10. パーティーに間に合わない」「12. プロペラ自転車」「13. とべない!」「14. 傷心のキキ」「16. 神秘なる絵」「17. 暴飛行の自由の冒険号」「18. おじいさんのデッキブラシ」「19. デッキブラシでランデブー」「11. オソノさんのたのみ事…」。サウンドトラック全21曲中、主題歌2曲とTrack.2,4,15を除くほぼすべての曲が組曲化されていました。Track.2,4,15 も同じメロディで他曲にあるので、”All Music for KIKI” 完全版です!

弦14型(14.12.~ 7.)の対向配置による弦楽編成と、3管編成の木管楽器(フルート、オーボエ、クラリネットなど)、フルパワーの金管楽器各4本(トランペット、トロンボーン、ホルンなど)、さらには2奏者による鍵盤楽器(ピアノ、チェレスタ、キーボード)の弾き分け、マリンバ、ヴィブラフォン、シロフォン、グロッケンシュピール、ハープ、カスタネットも、そしてマンドリンとアコーディオンまで編成された、『魔女の宅急便』のためのフルスペック・フルオーケストラです。

「晴れた日に…」オーケストレーションもパワーアップして冒頭からマンドリン、アコーディオンも登場し一気に世界に誘われます。このふたつの楽器は、メロディに伴奏にと全編とおして大活躍でとても大切な組曲エッセンスになっていてニンマリしてしまいます。「海の見える街」『久石譲 in 武道館』『久石譲 in パリ』『Works IV CD』『WDO2018版』これらのすべてを踏襲していない、あくまでもサウンドトラックを基調にしたヴァージョンにはびっくりしました。「身代わりジジ」クラリネット、トランペット、バストロンボーンがフィーチャーされ絡み合う独奏を立って披露、イベント感あるとても楽しい演出です。ホンキートンク・ピアノ(少しチューニングが狂ったような音色を出す)がポイントのこの曲はキーボードでしっかり聴くことができます。「ジェフ」チューバの愛くるしいメロディはじめ金管楽器メインの前半部分を抜粋。「大忙しのキキ」『久石譲 in 武道館』での「海の見える街」後半部分の6/8拍子スイングはここでたっぷり登場します。「プロペラ自転車」冒頭からキーボードであの伴奏リズムがしっかり聴かれ、後半は管楽器のフレーズも追加されていたような。「神秘なる絵」オカリナによる美しいソロとそのあと広がる三和音の神秘ハーモニーにはうっとり。オカリナは音程を合わせるのがとても難しい楽器、完璧を超えて身を委ねてしまうほどの美音に包まれます。「 暴飛行の自由の冒険号」「おじいさんのデッキブラシ」「デッキブラシでランデブー」息つくひまもないスリリングとスペクタクルで圧巻。音楽だけだからこそできる怒涛のたたみかけ。「オソノさんのたのみ事…」WDOコンサートマスター豊嶋泰嗣さんのヴァイオリンソロと久石譲ピアノも華を添えます。『久石譲 in 武道館』では「かあさんのホウキ」となっているあの曲です。組曲での曲名もこちらでしょう。永久保存版映像で親しまれている武道館演奏も、もちろん豊嶋泰嗣さんです。エバーグリーンなパフォーマンス、涙モノです。

 

すべての曲について感想書けるほど覚えていませんので印象に残ったポイントだけになりました。それでも、ぜひサウンドトラックから構成楽曲でプレイリストをつくってみてください。これがフルオーケストラで組曲になったのかあ!イメージふくらませるたびに感動します。

サウンドトラックから16曲も!と思いながら聴きかえすと、たしかに原曲は短い曲が多い。たとえば、『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『天空の城ラピュタ』などは映画音楽を越えてシンフォニー音楽作品としてもCD化されてきました。だから組曲を構成する1楽曲が長いものもあります。一方で、『魔女の宅急便』は映画の世界観をそこなわない忠実なアップデートとしたときに、この方法が一番良いとなったんだと思います。イメージアルバムもシンセサイザーで組み立てられていたので、今回のオーケストラベースの組曲化は相当に大変だったと思います。当時と感覚も違うでしょうし、だからといって今の手法やスタイルを持ちこんでもうまく合わないでしょうし。

大満足しています。『魔女の宅急便』音楽ってこんなにもメロディの宝庫だったんだなって思えるほど、ひとつひとつの曲がはっきりしていて、とにかく楽しいです。イベント感やフェスティバル感といった華やかさもあって、にぎやかなヨーロッパの街にいるよう。これは海外公演でも人気出るだろうなあ。野外フェスとかで聴いてみたい。よく海外で行われているオーケストラの野外フェスティバル、自然のなかで芝生に腰おろしてリラックスして楽しんでいる光景、そんなのいいなあ。

 

Il Porco Rosso 【Encore A】
『久石譲 in 武道館 2008』や海外開催『Joe Hisaishi Symphonic Concert:Music from the Studio Ghibli of Hayao Miyazaki』でプログラムされている『紅の豚』コーナーから。コンサートでは久石譲ピアノ+管楽器約7奏者によるジャジーなアンサンブルですが、それをベースにピアノパートだけを抜き出したソロバージョン。日本公演初お披露目。これがえも言われぬほどいいのですよ。常に候補曲として持ち歩いてほしい逸品です。

 

Summer / あの夏へ【Encore B】
会場によってセレクトのちがう久石譲ピアノソロ。やっぱり久石さんのコンサートに行ったら、久石さんのピアノを少しでも多く聴きたいよね、と思ってしまうのです。特に若い人や新しいファン層も多いW.D.O.コンサートでは、CDやTVから聴こえていた久石譲の曲が、ピアノの音色が、目の前で今、生で聴いてる!ご本人の演奏で!!となってしまうのです。聴いた公演では、「Summer」のイントロ左手が3音くらい鳴り出すだけで大きなどよめきが起こる。こんなことってあります?! このリアクションこそが言葉での説明を必要としません。すごいです。

 

Merry-Go-Round 【Encore AB】
映画『ハウルの動く城』から「人生のメリーゴーランド」です。2018年NCO公演で初演されたヴァージョンで、それ以降海外公演でも披露されています。オリジナル版は言えばすぐ浮かぶ、ピアノの切ないイントロに始まり、ピアノの美しいメロディがつづきます。タイトル「Merry-Go-Round」となっているこのヴァージョンは、ピアノがありません。イントロをハープで、出だしのメロディをグロッケンシュピールとチェレスタで、というようにピアノパートがオーケストラ楽器に置き替わっています。楽曲構成は同じですが印象は変わります。よりヨーロッパになったかなあ、というか、これなら久石譲以外のコンサートでもっと爆発的に演奏されるんじゃないかな、そんな新しい魅力も。アメリカやヨーロッパをはじめ海外指揮者・海外オケによる純粋な管弦楽作品として披露できる。

おっと、これは言わないといけない。本公演はマンドリンとアコーディオンが編成されていたこともあって、この曲にも特別に参加しているスペシャルヴァージョンです。よりサントラ版に近い印象で、すごくよかったです。いや、すごく得した気分です。

 

 

今後の久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラについて。

久石さんはパンフレットで「第2期の区切り」と語っています。2004年~2011年の第1期、2014年~2019年の第2期。ここからは個人の推測です。来年はTOKYO2020オリンピック開催です。交通機関や宿泊施設などの影響も大きく都心でのイベント規制などもあるのかもしれません。ちょうど例年のW.D.O.開催時期とも重なります。2022年公開目指して製作が進められている宮崎駿監督の最新作『君たちはどう生きるか』。(同年には愛知県『ジブリパーク』開業予定もある。)そんな外的要因と、久石さんのこれから先に向けて思うところ、、来年はおそらく、数年の小休止になるのかもしれませんね。

W.D.O.第2期の大きな柱のひとつとなったジブリ交響組曲化プロジェクトは、『Symphonic Poem “NAUSICCÄ” 2015』(2015/『The End of the World』収録)、『Symphonic Suite PRINCESS MONONOKE』(2016/未CD化)、『Symphonic Suite “Castle in the Sky”』(2017/『交響組曲「天空の城ラピュタ」』収録)、『Spirited Away Suite』(2018/『Spirited Away Suite』収録)、『Kiki’s Delivery Service Suite』(2019)と現在5作品で、そのほとんどがハイクオリティな演奏と録音でCD化されています。

もし第3期が再始動するときがあれば、きっとこの交響組曲化プロジェクトも再開してくれると願っています。第2期に象徴されるオール久石譲プログラムなW.D.O.コンサートになるのかはわかりません。おそらく久石譲さんという人は予定調和やマンネリは嫌う人だと勝手に思っているのですが、だからこそ一度リセットして、当たり前をなくしたい、もっと新しい刺激的なもの魅力的なものを提示し観客と共有したい、そんな勝手な思い巡らせたインタビュー内容でした。

今は、久石さんと新日本フィルが盤にのこしてくれているCDたちを、ゆっくり何回も聴き楽しむとき。聴いて聴いてW.D.O.第2期の感動をあらためてかみしめ、絶対なんてないW.D.O.第3期の再始動を強く熱望し想い届け!と願います。

 

 

 

久石譲コンサート公式ツイッターでは、ツアー期間中会場ごとのコンサート風景やリハーサル風景がリアルタイムに写真付き公開されていました。毎日楽しみにしていた人も多いと思います。

久石譲コンサート 2019-2020 公式ツイッター
https://twitter.com/joehisaishi2019

 

コンサート期間中チェックしていた新日本フィルハーモニー交響楽団の関連ツイッターです。奏者の方たちがリアルタイムにツイートした内容は、舞台裏を垣間見れたり楽器や人を身近に感じるきっけかにも。それに対してコメントするファンの人、返信くれる楽団とのやりとり。コンサート会場での感動がもっともっとふくらみます。久石譲コンサートをきっかけに、好きな楽器や奏者のファンにもなっていく。

新日本フィルハーモニー交響楽団
https://twitter.com/newjapanphil

東珠子(ヴァイオリン)
https://twitter.com/tamako_azuma

佐々木絵理子(ヴァイオリン)
https://twitter.com/Erillante

甲斐涼太郎(ヴァイオリン)
https://twitter.com/RyotaroViolin

醍醐のり子(ヴィオラ)
https://twitter.com/sKKtfyp9sR0OS3L

藤井将矢(コントラバス)
https://twitter.com/SHOYA1213

荒川洋(フルート)
https://twitter.com/nekoranpa2

中舘壮志(クラリネット)
https://twitter.com/soushi_clar

石川晃(ファゴット)
https://twitter.com/fg_akira

佐藤和彦(チューバ)
https://twitter.com/kazuhiko_tuba

柴原誠(打楽器)
https://twitter.com/shiba_da

高橋ドレミ(ピアノ/チェレスタ)
https://twitter.com/si_doremi21

青山忠(マンドリン)※客演
https://twitter.com/aoyamandolin

 

インスタグラムで発信されている方もいるでしょうし、ここにはご紹介していない方もたくさんSNSされているかもしれませんね。

 

 

ファンサイトではコンサート・レポートも募集し掲載させてもらいました。コンサートでもらった感動を!コンサートのありがとう!を。久石さんや新日本フィルのみなさんへめぐりめぐって届きますように。

 

 

東京公演ではマイクをはじめたくさんのカメラもありました。次の朗報も待ち遠しいところです!

久石譲さん、新日本フィルの皆さん、演奏者の皆さん、今年のW.D.O.もほんと最高でした!幸せな時間をありがとうございます!

 

 

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最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

Overtone.第24回 「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2019」コンサート・レポート by ふじかさん

Posted on 2019/08/13

ふらいすとーんです。

8月1日静岡を皮切りに国内8公演で開催された「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2019」コンサートツアー。各会場ともにスタンディングオベーションの大盛況!

今回ご紹介するのは、久石譲ファンの一人、ふじかさんのコンサート・レポートです。初日公演、まさに世界初演幕開けの瞬間、とても臨場感あふれる詳細レポートです。

 

 

昨年に引き続き、WDO2019静岡公演の模様をレポートさせて頂きます。

2019年8月1日 静岡市民文化会館 18:30開演

ここ数年での久石さんと新日本フィルによるWDOツアー、静岡市内では初めての開催となりました。

早速会場に入ると、楽団の方がステージで練習をしており、いつものオーケストラの楽器はもちろん、今回はオカリナの音色も聴こえました。

開演時間を過ぎると楽団の全員がステージに集結し、チューニングが終わると束の間静寂。その後割れんばかりの拍手の中、笑顔の久石さんが登場しました。

 

組曲「World Dreams」
ⅰ.World Dreams
例年のコンサートだとアンコールでの演奏機会が多かった一楽章の「World Dreams」ですが、今回は1曲目。組曲化ということでしたが、この楽曲に関しては大きな変更等はなかったと思います。いつもよりメロディの抑揚が感じられ、最初からグッと心を掴まれてしまいました。

ⅱ.Driving to Future
某企業への書き下ろし曲がまさかの組曲の構成曲になるとは思いませんでした。楽曲自体も初めて聴くことなりました。マリンバの刻みに合わせて、メロディのような持続音のような音がチェロから紡ぎだされ、その後弦全体へと広がっていきました。ミニマルとメロディの融合を目指したようなこの楽曲は、近年の『二ノ国Ⅱ』や『海獣の子供』でも実践しており、今の久石さんを凝縮したような作品に仕上がっていました。

Ⅲ.Diary
皇室日記のテーマ曲へと書き下ろされたこの楽曲も組曲への衝撃参入でした。「ラーレー、レーミラー」とゆったりと奏でられるメロディは厳かな雰囲気もありつつ、一楽章と似た要素もあり三楽章にピッタリな楽曲となりました。中盤では一楽章を連想させるようなシーンもあり、終盤ではチューブラーベルズも響きわたり、組曲としての統一性も感じられました。

トータルで聴いてみると、この組曲は2016年WDOのテーマ「再生」の延長線上にある印象を受けました。「再生」から「希望・夢・日常」へ。今回がWDO二期の〆とパンフレットに書いてありましたが、テーマも集結へ向かった気がしました。

 

ad Universum
プラネタリウムの為に書き下ろされた楽曲達が再構成されて、コンサートで披露されました。ミニマルミュージックを軸に構成されており、反復で表現されていく様子はまさしく音のプラネタリウムでした。8曲から構成され、プラネタリウムで使用された楽曲はほとんど使用されていたのはないでしょうか? 絶え間なく演奏され、1曲ずつの感想は書けませんが、印象に残ったことを書いていきます。

冒頭(1.Voyage)では、ゆったりとしたストリングの調べから、突如マリンバのソロが入ります。そこから繰り広げられていくミニマルの刻み。『D.E.A.D』組曲の三楽章『死の巡礼』のように迫りくるリズムが続きます。

2.Beyond the Airでは『The East Land Symphony』の二楽章『Air』のような浮遊する雰囲気を感じられます。全体としてメロディの要素は少ないですが、途中で現れる「ラレド♯ー」のような特徴的なメロディの欠片からは流れ星の煌めきを連想させます。低音から高音へ、波の揺らぎのような部分からは『Deep Ocean』のような雰囲気も。

終盤(8.ad Terra)からは大迫力のミニマルワールド。ひたすら繰り返されるリズムの刻みに終始圧倒されました。大迫力のフィナーレのあと、マリンバのソロで静かに終わるのが印象的でした。

 

ここで前半終了です。

通常だと舞台替えでピアノがステージ中央に設置されますが、今回は設置されませんでした。

 

[Woman] for Piano, Harp, Percussion and Strings
今回のストリングスとピアノのコーナーは久石さんは指揮に専念する形となりました。2008年のツアー以来演奏されて来なかった『Another Piano Stories』の楽曲がドレスアップして披露されました。ピアノパートの高橋ドレミさんが力強い演奏をしておりました。

Woman
レリアンのCM曲で、軽やかなリズムと優雅なメロディが特徴的な1曲。弦の伴奏に合わせて、ピアノから紡がれるメロディが聴いていてとても心地よかったです。演奏終了後、拍手が途切れてしまって、久石さんが客席に拍手をあおる場面も笑

Ponyo on the Cliff by the Sea
『崖の上のポニョ』のメインテーマで、公開から10年以上もたちますが、久石さんのポニョマジックは健在でした。ピアノがポニョのテーマを奏でるとともに、会場からはクスクスと笑い声が。非常にキャッチ-なメロディのこの楽曲ですが、演奏風景を見ていると伴奏隊は非常に複雑な動きをしているのを改めて実感しました。

Les Aventuriers
5拍子が特徴的で、スリリングなカッコよさがあるこの楽曲はファンの中でも人気曲なのでしょうか? マリンバが5拍子の刻みに輪郭をハッキリとして、近年の久石さんの表現の仕方と相まって、非常にキレのあるかっこいい演奏に進化していました。終盤にはピアノのグリッサンドも追加され、ズチャッという最後の〆も進化していました。

 

ここで再度舞台替えがあり、ピアノが指揮台横に設置され、マンドリンとアコーディオン用の音の返しスピーカーも設置されました。

 

Kiki’s Delivery Service Suite
宮崎駿監督作品の交響組曲化の第五弾は魔女の宅急便。

構成曲は
1.晴れた日に…
2.海の見える街
3.パン屋の手伝い
4.仕事はじめ
5.身代わりジジ
6.ジェフ
7.大忙しのキキ
8.パーティーに間に合わない
9.プロペラ自転車
10.とべない!~傷心のキキ
11.神秘なる絵
12.暴飛行の自由の冒険号
13.おじいさんのデッキブラシ
14.デッキブラシでランデブー
15.かあさんのほうき

会場でメモ書きしながら聴きましたが、抜けている可能性もあります…

全体的にヨーロピアンテイストを感じられる楽曲が多い作品で、サントラの雰囲気はそのままに壮大なシンフォニーに生まれ変わっていました。マンドリン、アコーディオン奏者も加わり、よりサントラの世界観に沿った形となりました。

1.晴れた日に…での「ファー、ソー、ラー♭」と一気にオケの音色が花開くところは圧倒されてしまいました。

2.海の見える街では、コンサートでの定番となっている『Kiki’s Delivery Service 2018』等でのアレンジがあまり継承されずに、サントラに沿った形になっていました。そのため後半のスパニッシュワルツのパートは若干短くなっていました。

5.身代わりジジでは、クラリネット、トロンボーン、トランペットのソロ奏者が立ち上がって演奏する場面も。

9.プロペラ自転車では、シンセサイザーメインの楽曲が見事にオーケストレーションされ、まったく違和感なく構成されていました。

10.傷心のキキでは、アコーディオンがキキの心を表現するようにしっとりと演奏されているのが印象的です。

11.神秘なる絵ではシンセの部分にオカリナが登場し、柔らかい音色が会場を温かく包み込みます。

13.おじいさんのデッキブラシは、オケの力強い迫力がピッタリの楽曲。映画終盤でのスリリングなシーンを彷彿とさせてくれました。

15.かあさんのほうきでは、久石さんもピアノ演奏も加わり、豊嶋さんの美しいヴァイオリンソロが会場を包み込みました。アレンジとしては武道館で披露されてものが近く、組曲の最後にふさわしい極上の仕上がりでした。

 

拍手喝采のなか、アンコールへと進みます。

 

il Porco Rosso (Pf.solo)
演奏前に久石さんが、さあ弾こうか!という感じでピアノに向かったのが印象的でした。今回は久石さんによるピアノ演奏が少ないコンサートでしたが、まさかのアンコールでたっぷり堪能できました。しかも今回は国内では初披露となるil Porco Rossoのピアノソロバージョン。左足でリズムを刻みながら、ジャジーな演奏に終始うっとりしてしまいました。

この演奏が終わると、数名が久石さんに花束を渡すシーンも伊右衛門を渡され、会場に笑いが起きる場面も。

Merry-Go-Round
コンサート最後の曲は、ハープから始まる人生のメリーゴーランド、長野チェンバーオーケストラの演奏会でのアンコールとして披露されていたアレンジがWDOでも組み込まれました。終盤の転調後は、オーケストラの迫力に会場も圧倒されて、会場も熱気で包まれました。

 

演奏終了後、割れんばかり拍手の中、次々と観客が立ち上がり、スタンディングオベーションに!楽団のみなさんも帰りはじめても鳴りやまない拍手と声援に久石さんも何度もステージに登場していました。

初日の静岡公演、最高潮の熱気のまま幕を閉じました。

今回のレポートは以上です。

会場での雰囲気を少しでも感じ取ってもらえれば幸いです! 

 

ふじか

 

後日談) by ふじかさん

後日プラネタリウムをまた見ますので、楽曲聴いて改めて加筆あるかもしれないです。

 

 

8月1日 静岡公演風景

from 久石譲コンサート 2019-2020 公式ツイッター
https://twitter.com/joehisaishi2019

 

 

「行った人の数だけ、感想があり感動がある」。会場ごとにプログラムはもちろん、演奏や雰囲気も違う。公演を重ねるごとに修正やバージョンアップをくり返して磨きをかけていく。そう、CDのように全く同じ演奏ってないんですよね。

初日公演だからこその緊張感や集中力ってきっとあります。そんなところ気づかなかった、なるほどそういう見方もあるよなあ、そこが印象的だったんだ。自分にはなかった新しい発見があってうれしいです。そしていつもふじかさんのレポートや着眼点はとても具体的!

ふじかさんとは2018年7月にツイッターでつながりました。全国各地の久石譲ファンとSNSをとおしてつながれる。それをきっかけにコンサート会場でお会いすることもできました。いい時代です。

2年連続のコンサートレポート、ほんとうにありがとうございます!

 

 

 

 

reverb.
コンサートのときは、拍手のメモの交互に忙しいです(^^;)

 

 

*「Overtone」は直接的には久石譲情報ではないけれど、《関連する・つながる》かもしれない、もっと広い範囲のお話をしたいと、別部屋で掲載しています。Overtone [back number] 

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