Blog. ラジオ J-WAVE「ANA WORLD AIR CURRENT」(2005) 葉加瀬太郎×久石譲 出演内容

Posted on 2016/4/25

ラジオ J-WAVE 「ANA WORLD AIR CURRENT」

ヴァイオリニスト葉加瀬太郎さんがパーソナリティを務める同番組。2005年久石譲が出演した回での対談内容および楽曲オンエアリストです。

 

 

London 2005/02/26

トラブルを抱えてそれをクリアしていくっていうのは、人生そのものだと思う。

ラーメン屋の光景が出る度に、25歳の時の気持ちを思い出します。(久石)
海外で見るラーメン屋の威力ってすごいですよね(笑)。(葉加瀬)

葉加瀬:
久石さんが初めて海外を訪れたのはいつですか?

久石:
25歳の時にロンドンでした。

葉加瀬:
25歳でロンドンに向かうというのはどういう理由だったんですか?

久石:
たまたまある会社でレコードで20数枚の“映画音楽集”を作るという事で、1枚あたり何の曲を選ぶかっていうのを手伝った事があったのね。それが全部ロンドンレコーディングだったんですよ。それで「せっかくだから連いて行っちゃおう」って見に行ったのが最初でした。

葉加瀬:
なるほど。

久石:
後に「スーパーマン2」の音楽をやったケン・ソーンとかいろんな人たちがアレンジをしていました。だから1ヶ月半くらい、毎日彼らの世界レベルのアレンジ譜を見ていたんです。

葉加瀬:
スコアを現場でそのまま手にしてね。

久石:
そう、「ここの音が違う」とか言っている訳じゃないですか。あれはとても貴重だった。ブラスのかけ方なんかも、ほとんどフルオーケストラの編成ですから。リズムの入ったフルオケなんですけど。弦の密集でワーッとメロディにいったり、ブラスが入った時の弦の配置だとかが「なるほどな」って。あれはとてもいい勉強になったな。

葉加瀬:
初めて憬れのロンドンに行った時というのは、街の雰囲気などはどう映りました?

久石:
最初に歩いたのはケンジントンだったんですよ。「おー」って思って、きょろきょろと3回くらいしたらすぐ目の前にラーメン屋があって、いきなり入っちゃいました(笑)。「わー、懐かしい」って。「まだ4日だろ!」みたいなね。

葉加瀬:
分かる、気持ちが! 海外で見たときのラーメン屋の威力はすごいですよね。

久石:
そのラーメン屋は、その後自分のソロアルバムを録りに行ったりしてもずーっとあったんですよ。今度行ったらあるかどうか分からないけど、見る度に25歳の時にここを歩きながら、「ロンドンだ、世界だ」って思った事を思い出します。だから“世界だ”って思うとロンドンの街が真っ先に思い浮かぶんです。

葉加瀬:
初めてのっていうのは、やっぱりそれほど大きな印象になりますものね。

久石:
そのラーメン屋の光景が出る度に、何度もソロアルバムを録りに行っても25歳の時の気持ちを思い出します。だからロンドンに行ったら必ずそこを1人で歩くんですよ。

葉加瀬:
でもそれがテムズ川とかビックベンじゃなくて、ラーメン屋っていうのがいいですね(笑)。本当にリアルを感じるな。

 

イギリスって見事なくらい階級社会なんです。(久石)

葉加瀬:
海外にお住まいになったことはあるんですか?

久石:
今から11~2年くらい前かな。ロンドンに2年くらいいました。

葉加瀬:
それは拠点を移されるという気持ちですか?

久石:
その時はどうだったでしょうね。半々くらいか、出来たら移りたいなと思っていたんですね。ただ年間10数回東京と往復してました。

葉加瀬:
お住まいになられていたのはどの辺りですか?

久石:
最初はアビーロードのすぐ側。で、その次がケンジントンの方でした。こんな事言ったらまずいのかもしれないけど、日本のミュージシャンって皆勘違いしてロンドンに住むんですよ。第2の天地を求めてアパート借りたりするんですよね。僕もすぐ勘違いしたんだけど…。

葉加瀬:
はい。

久石:
向こうで家を借りたら、3日後にキング・クリムゾンのドラマーが傘を持ちながら「ハロー」って来た。次のレコーディングでオファーを出してたんですけど、すぐに来ちゃうんですよ。それで自分のデモテープとかを渡すんですよ。そうすると自分がすごく有名になったような気がするんです。あそこを見ていると、きっかけさえあったらチャートに入れることも出来るだろうし、いろんなことが出来そうな気がする。で、皆“ロンドンをベースに世界に羽ばたく”と思って行くの。

葉加瀬:
うん。

久石:
ところがこれは大きな間違い。イギリスって見事なくらい階級社会なんです。そうすると、例えば“ミック・ジャガーのツアーをやりました”。3ヶ月とか半年のツアーをやったギターの人はン千万円くらい入るんですよ。それで大きな家も建てて、ビックネームになったんだけど、普通はビックネームって上に突出したら裾野の仕事もあるじゃない。ところが無いんですよ、それだけなの。ここが一番問題なんです。

葉加瀬:
なるほど。

久石:
日本だとミック・ジャガークラスの人のツアーをやるという事は、裾野に一流人としていっぱい仕事があるわけじゃない。そうすると当然食べていける状況になるはず。ところが向こうでは棒グラフのように、“ミック・ジャガーのはやれた、でも後はない”んですよ。この現状に気付くのに住んで1、2年かかるんです(笑)。

葉加瀬:
はははは(笑)。

久石:
それで何となく日本に戻ってくるという、そういうケースが圧倒的に多くて。僕は幸か不幸か最初にそれが分かっちゃったんで、そういう欲望は抱かないことにした。でもとにかく日本にいる時より徹底的に集中出来るんですね。それからミュージシャン達の視野が広い。ロンドンのミュージシャンの人たちも、全く譜面を読めないけどすごい仕事をする人、耳で覚えちゃう人から譜面バッチリの人からいっぱいいますね。

葉加瀬:
はい。

久石:
そういう中で動いてるという事が、僕はとても気持ちよかったんで、その後もずっとロンドンでレコーディングをやってるという感じですね。

葉加瀬:
その2年間は楽しかったですか?

久石:
ロンドンにいる間はレコーディングしないで、暇だった(笑)。だって何にもないから公園散歩したり、そういうことばっかり。マネージャーが向こうにいるわけじゃないからね。東京からFAX来るのを見て、「嫌だ」とか言ってるだけで(笑)、自分の時間はたっぷり持てました。

葉加瀬:
はい。

久石:
それはすごい良かったんだと思う。きっと物を作る人たちっていうのは孤独でなきゃいけないと思うんですよ。皆嫌いですよね、孤独なんて。嫌いなんだけど1人になっている時間の中でのた打ち回ってないと、たぶんダメなんだろうなって思います。

葉加瀬:
その通りだと思います。

 

オーケストラってダンプカーだから、急には曲がれない。(久石)

葉加瀬:
昨年はカンヌで指揮をしたとか?

久石:
それはね、バスター・キートンというチャップリンと並んでトーキー映画(無声映画)の有名な映画人がいるんだけど、彼の作品をあるフランスの会社が買ったんです。キートンの『ザ・ジェネラル』、日本では『キートン将軍』って題なんですけど、その音楽を書いたんですよ。それで去年のカンヌ映画祭で“上映しながら生のオーケストラでやってくれ”っていうのがあったんですよ。

葉加瀬:
スクリーンの前でオーケストラ! かっこいいなぁ。

久石:
コートダジュール・カンヌオーケストラという、ちょっと小ぶりのオーケストラがあって、フランスではすごく有名なんです。そのオケでなんと僕は指揮をしちゃったんですよ。これが大変なの! 自分で言うのも何だけど、絶対に生で演奏できないんですよ(笑)。簡単に言っちゃうと、ピストルとか大砲のシーンがありますよね。それもフレーム単位で、30分の1秒まで合わせて「ドーン」とか、そういったきっかけが異常にあるわけよ。

葉加瀬:
全部入れたんですか?

久石:
入れた。75分くらいの映画で全編音楽なんですよ。それを22曲に分けたんだけども、1曲の中で予備カウントもなくテンポがガンガン変わってくわけ。で、ちょっとトリッキーに譜面を作っちゃったの。「生でやれるわけないだろ」って所まで書いちゃって。そうしたら、それを自らやらなくちゃいけなくなって、もう真っ青。しかもオケの指揮なんてたまに振った事しかない自分が、フランス人のオーケストラを相手に!

葉加瀬:
格好いい!

久石:
東京でレコーディングしている時でも1曲でヒーヒー言って録った曲を、ぶっ通しで75分をスクリーンを見ながらやるんですよ。

葉加瀬:
当然、テンポを維持する為のクリック音も一緒に走っているという事ですか?

久石:
例のカンヌのメインの会場でやるわけですから、装置が良いのが無いんですよ。

葉加瀬:
なるほど。状況としては良くないですね。

久石:
一応僕がクリックを聞く、そしてバイオリンのそれぞれのセクションだとか木管などのトップの人もイヤホンをつけるということでやったんですよ。ところが、リハーサルが始まると1人抜け2人抜けで、皆が外してるんですよ。

葉加瀬:
オケの人にありがちな(笑)。

久石:
オケの中で合わなくなるから。やっぱりオケってダンプカーだから、急には曲がれないじゃない。そうすると音楽的にならないからと皆が外しだして、2日目にはコンサートマスターも外しちゃったんです。気付いたら僕1人なんですよ! 打点がいくら明確に振ったって、インテンポで始まったものって微妙にずれ出したら軌道修正効かないじゃない?

葉加瀬:
そうですね。気がついたら1拍2拍ですものね。

久石:
それで次のきっかけが来るでしょ。これで生演奏だったんですよ。頭の中は大変で「1小節半遅れた」「走った」とか、「どこかでその分かせがなきゃ、後3ページいったら崖がある」みたいなね。でも結果は、奇跡的にね…。

葉加瀬:
“奇跡的”って(笑)。

久石:
はっきり言ってあの成功は奇跡的でしたね。ところが今の話題で問題になってるのは音楽的な話でしょ。ところがここに“フランス人”っていうフィルターが入るわけよ。

葉加瀬:
はははは!

久石:
このバイアスがすごいんですよ(笑)。「OK」って言ってるけど「どこがOKだ」って言いたくなるくらい、きっちりしてないんですよ。全部話が食い違ってるし。その状況が全てに覆い被さるから「Oh, My God!」みたいな。本番まで1回もまともに通ってないんですから。

葉加瀬:
はー。

久石:
でもオケの人は素晴らしかった。日本人よりも几帳面。僕なんか「疲れたからもう止めます」なんて言ってると「ダメだ。時間が無いからもう1回」なんて言ってくれるくらい本気なんですよ。まあ、貴重な経験になりました。

葉加瀬:
なるほどね。

 

スペインはあまりにも文化が違って、曲が書けなくなった。(久石)

葉加瀬:
2002年にスペインへ行ったのは、お仕事ですか?

久石:
これはね、トマティートというギタリストにとても惚れ込んだんですよ。

葉加瀬:
トマティート! 素晴らしいですよね。

久石:
「どうしてもこの人とアルバムを作りたい」って叫んでたら、彼がちょうど日本に来ている時に会ったんですよ。それで意気投合して、僕はスペインに会いに行ったんです。そしてギターとピアノのためのコンチェルトを書く予定だったの。タイトルまで全部決めて、頭の中ではがっちり音楽構造も出来てた。ところが、そこで“フラメンコ”というものに出会っちゃったんですよ。彼はフラメンコギタリストだからね。

葉加瀬:
そうですね。

久石:
フラメンコギタリストっていうのは、まず譜面が読めない。一応僕も少しはフラメンコを知らなきゃいけないと思って、マドリードとかアンダルシア地方を周ったんだけど、調べいくうちに「ヤバイ」と思いました。何でかと言うと、あまりにもカルチャーが違うから。「これはダメだ」と思ったのが、「リズムの中にフラメンコというリズムがある」んじゃないんですよ。彼らは「リズム」のことを「フラメンコ」って言うんですよ。

葉加瀬:
はい。

久石:
僕が例えば向こうの図書館とかフラメンコ博物館だとかいろんな所へ行って、「フラメンコのギターのリズムの種類は何パターンあるか、書いてある本を見せてくれ」って言うわけ。すると「そんなものは無い」と。「無い」って言われてもねぇ…。僕は頭で考えちゃうから、「タンタンタタ」ってフラメンコ特有のリズムがいくつかあるじゃない?

葉加瀬:
「“タンタンタタ”ってやっていればフラメンコになるのかな」って思いますよね。

久石:
それをもうちょっと踏み込んで考えても、「そんな物は無い。フラメンコを知りたかったら、ここではワインを飲んでハモンを食べて、この光を浴びなさい」って皆言うんですよ。「いや、俺そんな暇ないから」って言うんだけどね(笑)。

葉加瀬:
はははは。

久石:
どこへ行ってもそれを言われちゃって。でも「俺はクラッシックの現代音楽を学ぶようなつもりでフラメンコというリズム構造を頭に入れようとしている。だけど、そんなものではフラメンコは分からないし、トマティートとやってもベーシックな部分の共通項は絶対に見つからない」と思っちゃったんです。その瞬間から、パツンとシャッターが下りて書けなくなっちゃった。

葉加瀬:
はー…。

久石:
たぶんアンダルシア地方とか行かないで、ミシェル・カミロとやったデュオCDなどを聞いて「あっ、この人とやりたい」って、自分のフィールドで作曲してたら出来てたんですよ。ところが踏み込んじゃった。

葉加瀬:
フラメンコのイメージだけを切り取ったらいけない、と思ったんですね。

久石:
あの時は学んだな。男と女もそうだけど、踏み込みすぎちゃダメだよね。適度に知らない方が上手くいくよね(笑)。

葉加瀬:
いや、本当に納得します。全然ジョークに聞こえない(笑)。でもそこで踏み込んでも久石さんだったら書けたと思うんですけど、「書いちゃいけない」と思ったんでしょうね。

久石:
うん。まだ自分がやる時期じゃなかったんだと思う。今でもその企画は持ってるし、やらなきゃいけないと思っているんだけど、それをやるためにはピアノ弾きとしてどうしてもクリアしないといけないものがあと3つくらいあるんですよ。これって“が熟してくるといろんな事がスパッとはまって出来る”っていうのあるじゃない?

葉加瀬:
はい。

久石:
あの時にある種の挫折も味わったけれども、やろうとした時の思いはあれから2年経っているけど全然消えてないんですよ。という事は、色褪せてないからあれは必ずいつかやるな。そういうことのほうが大切ですね。

葉加瀬:
そうですね。

 

音楽家人生を賭けたアルバムを出す時期が、必ず来る。(久石)
明るいメロディのほうがよっぽど救われるさ!(葉加瀬)

葉加瀬:
最新アルバムのお話を伺いたいと思いますが、リリースされたのは先月ですね。『Freedom-Piano Stories 4』。今回はどういった感じですか?

久石:
「心の自由を求めて」という事で、自分の心の垣根を取り払いたいと思って作りました。僕自身もそうなんだけど、「とても生きづらいな」って最近思う。ちょっと閉塞的な社会状況の中で、皆が苦しい。その時に、実は「生きづらいという思いを作っている一番大きな要因は自分の中にあるよね」っていうことに気付いた。でも「もうちょっとやるだけやってみようよ」とか、「そんなにネガティブに捉えないで、毎日楽しいことを考えることも必要なんじゃないか」というような気持ちがあって、『Freedom』って付けたんです。

葉加瀬:
なるほど。

久石:
アルバムで言うと『ハウルの動く城』のメインテーマだったり、テレビで流れているコマーシャルだったり。そういう耳馴染みの曲をちゃんと1曲にしてあるので、とにかく聴きやすいです。

葉加瀬:
僕も聴かせていただきました。“あのメロディーも久石だったのか”というコピーがついていますが、まさしくそうでした! 「これもそうだったの!?」の連続ですね。

久石:
世の中がこういう状況の時、物を作る人間ってどうしても重い発言をしたくなるんですよ。だけどね、結局「言うべきじゃないんだ」って気がしたんです。

葉加瀬:
僕は生意気ながらすごい賛成するな。それより明るいメロディのほうがよっぽど救われるさ!

久石:
そうなの。ここまで現実が暗い時に、覆い被せるような物は「聴きたくないよ、そんな言葉」って。何年後になるかわからないけど、自分たちの音楽家人生を賭けたようなアルバムを出さなきゃいけない時期が必ず来るのよ。だけどこの時期はやるべきではないと思います。むしろ皆が重いんだから、せめてこのアルバムを聞いている間は気持ちが救われて欲しい。それが今、僕ら音楽家として一番大事なことかなと思っちゃう。

葉加瀬:
なるほど。では久石さんにとっての「旅」とは?

久石:
音楽を作っている行為自体が「旅」みたいなものじゃないですか。だから実際の旅ってあまり好きじゃなかったんですよ。ところがこの数年で分かったんだけど、旅に行くっていうのは、“自分のホームが良い事を確認しに行く”ようなものですよね。

葉加瀬:
そうかもしれませんね。

久石:
旅に行くと、いろいろと思い通りに行かなかったり、物を失くしたり盗られたりとか、「一流ホテルだ」って言われてるのに2階がうるさかったとかさ。

葉加瀬:
お湯が熱すぎるとか、お湯にならないとか(笑)。

久石:
「こんな“わらじ”みたいなステーキ食えないぞ」とか、トラブルが絶えずあるでしょ。いろんなトラブルを抱えてそれをクリアしていくっていうのは、人生そのものだと思うんですね。行って帰ってくると、一個ずつ視野が広がってるっていうか、変わるでしょ? だから今年は出来るだけ旅したいと思います。

葉加瀬:
そうしたら、またすごい作品がいっぱい出来ちゃうんでしょうね。待ってます! どうもありがとうございました。

久石:
こちらこそ。

 

ON AIR LIST
海の見える街 / 久石譲
ORIENTAL WIND / 久石譲
もののけ姫 / 米良美一
WILD STALLIONS / 葉加瀬太郎
EN CASA DEL HERRERO / TOMATITO
人生のメリーゴーランド / 久石譲

久石譲 葉加瀬太郎 2

久石譲 葉加瀬太郎 1

出典元:J-WAVE:ANA WORLD AIR CURRENT アーカイブ

 

Info. 2016/04/20 [雑誌] 「Nagano ARTOlé -長野市芸術館開館記念BOOK-」発売

長野市芸術館の記念ブック「Nagno ARTOlé(アトレ)」が、4月20日より発売されます。
芸術館がオープンするまでの軌跡など、久石も取材等で協力させて頂きました。
独自の切り口で長野市芸術館の魅力に迫る必読の一冊となっています。

「別冊KURA《Nagano ARTOlé》長野市芸術館開館記念BOOK」
価格:1,000円(税込)
※長野県を中心に、隣県・東名阪・北陸方面の書店やコンビニエンスストア、
サービスエリア、パーキングエリア等で販売されるそうです。

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Disc. 航空自衛隊航空中央音楽隊 『究極の吹奏楽 ~ジブリ編 vol.2』

2016年4月20日 CD発売 POCS-1421

 

世界に発信できる高い音楽性と高品質な録音が特徴な『究極の吹奏楽シリーズ』第7作目は好評を博したジブリ編の続編。

 

 

1.ジブリ・メドレー【空編】
ハトと少年(天空の城ラピュタ)~ふたたび(千と千尋の神隠し)~旅路(風立ちぬ)~時代の風(紅の豚)~月夜の飛行(となりのトトロ)~鳥の人(風の谷のナウシカ)

2.「崖の上のポニョ」Highlights
深海牧場~ポニョの飛行~母の愛~いもうと達の活躍~母と海の讃歌~崖の上のポニョ

10.「紅の豚」Highlights
セピア色の写真~セリビア行進曲~ピッコロの女たち~遠き時代を求めて~荒野の一目惚れ~時代の風-人が人でいられた時-~Porco e Bella~Ending~

12.ジブリ・メドレー【森編】
あの夏へ(千と千尋の神隠し)~Arrietty’s Song(借りぐらしのアリエッティ)~ねこバス(となりのトトロ)~テルーの唄(ゲド戦記)~アシタカせっ記(もののけ姫)

 

 

 

1.ジブリ・メドレー【空編】
2.「崖の上のポニョ」Highlights
3.人生のメリーゴーランド (「ハウルの動く城」より)
4.「ルージュの伝言」 (「魔女の宅急便」より)
5. 「やさしさに包まれたなら」 (「魔女の宅急便」より)
6.「アシタカとサン」 (「もののけ姫」より)
7.「アシタカとせっき」 (「もののけ姫」より)
8.「ハトと少年」 (「天空の城ラピュタ」より)
9.「平成狸合戦ポンポコ」Highlights
10.「紅の豚」Highlights
11. 「風になる」 (「猫の恩返し」より)
12.ジブリ・メドレー【森編】
13.「カリオストロの城」Highlights  (Bonus Track)

Composed by:
Joe Hisaishi (01~03, 06~08, 10)
Yumi Arai (04, 05)
Yoko Ino, Kouryuu, Manto Watanobe (09)
Ayano Tsuji (11)
Joe Hisaishi , Simon Caby, Cecile Corbel, Hiroko Taniyama (12)
Yuji Ohno (13)

Arranged by:
Hideaki Miura (01, 10)
Hiroki Takahashi (02)
Masahiko Yamada [山田 雅彦] (03, 08)
Tsutomu Tajima [田嶋 勉] (04, 05, 11)
Takamasa Sakai (06, 07)
Tohru Kanayama (09)
Takashi Hoshide (12)
Naohiko Hatano [波田野 直彦] (13)

Performed by:
Japan Air Self-Defense Force Central Band

Conducted by:
Katsuo Mizushina [水科 克夫]

 

Info. 2016/04/16 [CM] 三井ホームCM「TOP OF DESIGN」 久石譲音楽担当

三井ホームのCM音楽を久石が担当いたしました。
4月16日からオンエアースタート。

CMは三井ホームの公式サイト内の
「広告ライブラリー」からもご覧いただけますので
どうぞご覧ください。久石のコメントも必見です。

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Disc. 久石譲 『三井ホーム』 *Unreleased

2016年4月16日 TVCM放送

 

三井ホーム「TOP OF DESING」
音楽:久石譲 曲名:三井ホーム

 

・「TOP OF DESIGN」 美しさが育つ家篇 (京都) 15秒
・「TOP OF DESIGN」 美しさが育つ家篇 (仙台) 15秒
・「TOP OF DESIGN」 人生を築く家篇 (15秒)
・「TOP OF DESIGN」 人生を築く家篇 (30秒)

CMは、三井ホーム公式サイト内「広告ライブラリー」にて閲覧可能
(※2016年4月現在)

三井ホーム「広告ライブラリー」

 

同ホームページにて視聴できるのは、上の4本すべてである。

また久石譲コメントも一緒に掲載されている。

「三井ホーム、およびCM制作のみなさまの厚い理解により、恐らく日本初の本格的なミニマル音楽でのCMが完成しました。アート性と高級感、それに親しみやすさが感じられるように作曲しました。楽しんで頂けると幸いです。」

(三井ホーム 広告ライブラリーより)

 

 

久石譲本人のコメントにもあるとおり、ミニマル・ミュージックによる刺激的で鮮烈な印象が残る音楽になっている。

麻衣のヴォイスと、弦楽、マリンバ、木管など小編成のアンサンブルにて、小刻みに弾けるようなアコースティック・グルーヴを堪能することができる。

CD作品でいうならば「ミニマリズム2 Minima_Rhythm 2」(2015)、さらに言うなれば2014年から新たなコンサート企画として始動した「ミュージック・フューチャー シリーズ」(毎年1回開催)。これらの活動の延長線上、はたまたその進化系として新たに生まれた久石譲の”今旬な”カタチでのミニマル・ミュージックとなっている。

上質で心地よい、ミニマル・ミュージックだからこそ、15秒や30秒ではもちろん足らず、エンドレスで聴き浸りたい音楽であり、転調やズレなど、さらなる楽想としての発展も興味深い作品である。

 

未発売曲、CD化が期待される上質な作品である。

 

 

 

2016.10追記
三井ホーム「広告ライブラリー」(上記紹介)にて、WEB限定動画が配信される。そのなかでCMでは15秒版・30秒版でしか聴くことができなかった同曲が、約1分間視聴可能となった。楽曲の展開の先が少し垣間見れる貴重な動画である。

「震度7に60回耐えた家。」研究員篇 (15秒)
「震度7に60回耐えた家。」インタビュー篇 (15秒)
「震度7に60回耐えた家。」WEB限定動画 (約2分)
菅野美穂 WEB限定インタビュー動画 (約1分)

CMテーマ音楽を約1分間視聴できた動画は、「菅野美穂 WEB限定インタビュー動画 (約1分)」である。

 

 

 

もうひとつが2016年一番新しいCM音楽として発表された『三井ホームCM音楽』。ソリッドに研ぎ澄まされたミニマル・ミュージック全開で、CM音楽におけるインパクトとしては抜群ですが、キャッチーさを求めるならば真逆な作品といえます。

最初聴いたときに「えらく(ミニマルサイドに)振り切った作品だな」とびっくりしたのを覚えています。ただ、これまた考察をもとにすると違う発見があります。マリンバ・ピアノのミニマル伴奏にコーラスが旋律として構成されたこの作品。随所にピッコロとグロッケンシュピールによる装飾が出てくると思います。そしてピッコロはとてもシャープな強く息を吹きかける奏法になっています。

…これがなかったとしたときに?

ミニマル・ミュージックの躍動感は維持されますが、一見すごく耳あたりのいいサウンドともなります。心地よいグルーヴ感と優美なコーラス・メロディ。本来ならば、これだけのミニマル音楽がテレビから流れてきただけでもひっかかりは強いですね。普段聴き慣れない音楽としてインパクト充分です。がしかし、やはりあの高音域装飾(ピッコロ・グロッケン)が、強烈すぎるアクセントになっている。あのフレースがあった時点で、久石譲の勝ちだな、と思ってしまうくらいの凄み。

従来の久石譲アンサンブル手法からだった場合、おそらくあのパートはピアノ、サックス、ハープなどの楽器で別の装飾モチーフとして奏でられていた、かもしれません。それが、今の久石譲の手にかかるとあの完成形となるわけで。ない場合、従来手法の場合、そしてお茶の間に響いた楽曲。イメージするだけでも響きの違いは雲泥の差。15秒・30秒の音楽を聴いて、久石譲という作曲家の感性と論理性をまざまざと魅せつけられた思いです。

もっとマニアックな見解をさせてください。

弦楽器や管楽器は持続音です。弾いている・吹いている間、一定の音が鳴り続けます。一方で、ピアノやマリンバ・シロフォン(木琴の種)・グロッケンシュピール(鉄琴の種)などは減衰音です。叩いたときに音が発せられそのあとは減衰していきます。

さて、ここで減衰音のグロッケンと、持続音のピッコロをブレンドして編成する。かつピッコロの奏法を息を強く吹きかける、つまりは音の立ち上がりを強くすることで、フッと息をするようにシャープになり減衰音と同じような音の減衰を期待できます。そうすることで、メロディという主旋律の邪魔をすることなく、もちろんナレーションやセリフの邪魔をすることもなく、かつ瞬間的に強烈なインパクトを印象づけることができる。ほんと久石譲という人が末恐ろしくなってくる数十秒間です。

一連のピッコロ、シロフォン、グロッケンシュピール、トライアングルという高音域楽器をブレンドした妙技は、『コントラバス協奏曲』でもいかんなく発揮されています。またこのことは、”余白のある音楽・そぎ落とした構成”と表現した同作品にもつながります。持続音を減らすことで音厚になりすぎず、減衰音と同じ効果を期待できるパーカッションをふくめ巧みにオーケストレーションしているからです。

Blog. 次のステージを展開する久石譲 -2013年からの傾向と対策- 2 より抜粋)

 

 

2019.1.9追記
三井ホーム「広告ライブラリー」(上記紹介)にて新しい動画公開。同じ曲が使用されている。

「TOP OF DESIGN」 人生を築く家 湖畔篇 (30秒)
「TOP OF DESIGN」 人生を築く家 湖畔篇 (15秒)

 

 

 

 

 

Info. 2016/06/10 五嶋みどり IECP報告コンサート 久石譲「MIDORI SONG」初演予定

ミュージック・シェアリング理事長五嶋みどりと、ICEP(インターナショナル・コミュニティー・エンゲージメント・プログラム)メンバーの若手演奏家による弦楽四重奏をお楽しみいただけるコンサートです。今年のICEP報告コンサートは、現在、全国に参加を広めている「楽器指導支援プログラム」を中心に活動をご紹介します。

久石譲氏が当法人と五嶋みどりの夢の実現に想いを込めて作曲された『Midori Song』をICEPメンバーで初演します。

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Info. 2016/Jul. Aug. Oct. 久石譲2大コンサート「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ2016」「ミュージック・フューチャーVol.3」開催決定!!

久石譲のふたつの異ったタイプのコンサート、『ワールド・ドリーム・オーケストラ 2016』と『ミュージック・フューチャー Vol.3』が今年も開催される。

『ワールド・ドリーム・オーケストラ』は2004年に久石譲と新日本フィルハーモニー交響楽団が始めたプロジェクトで、今年で10回目を迎える。2014年以来続けて来た同コンサートでのテーマ、「鎮魂」と「祈り」の最終章として、久石が書き下ろす壮大なシンフォニーを世界初披露。しかも今年はAとBのふたつのプログラムを用意。Aプロは宮崎駿監督作品の楽曲を交響組曲にするプロジェクトから第2弾「もののけ姫」を初披露、Bプロでは「天空の城ラピュタ」と「ハウルの動く城」を演奏。会場によって演奏プログラムが違っており、東京はAとBのプログラムが2日間に渡って演奏される。『ワールド・ドリーム・オーケストラ』ツアーは7月29日の長野を皮切りにWDO過去最多となる国内9都市で10公演行われる。 “Info. 2016/Jul. Aug. Oct. 久石譲2大コンサート「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ2016」「ミュージック・フューチャーVol.3」開催決定!!” の続きを読む

Info. 2016/04/08 [新聞] 朝日新聞(東京本社版)夕刊 久石譲コメント掲載

本日、4月8日(金)朝日新聞夕刊(東京本社版)の
「映画の情報広場 ASAHI Cinema SQUARE」に久石が登場、
映画『グランド・フィナーレ』の魅力についてインタビューを受けました。
“デヴィット・ラングの音楽が良い。華美な映像と相まってアートにした”
と、久石も映画へコメントを寄せているのですが、
“Info. 2016/04/08 [新聞] 朝日新聞(東京本社版)夕刊 久石譲コメント掲載” の続きを読む

Info. 2016/04/07 [雑誌] 長野市芸術館 久石譲インタビュー各種 広報誌/ぶらあぼ/音楽の友

いよいよ来月に差し迫った長野市芸術館のグランドオープンに向け、
取材を通して、芸術監督・久石譲としての熱い思いを語らせて頂きました。
ぜひご覧ください。

◆長野市芸術館 広報誌 Vol.1(NCAC Magazine)4月1日発行
巻頭特集「Focus NOW!」
「音楽を日常にする第一歩
久石譲に聞く「グランドオープニング・コンサート」への思い
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Info. 2017年公開予定 映画「花戦さ」 久石譲音楽担当

狂言師の野村萬斎と歌舞伎役者の市川猿之助が、鬼塚忠の歴史ドラマ小説(「花いくさ」)を映画化する『花戦さ』(2017年全国公開)で初共演することが明らかになった。萬斎は、時の天下人・豊臣秀吉に刃(やいば)ではなく「花」で戦いを挑む花僧・池坊専好(いけのぼう せんこう)を、猿之助が秀吉を演じる。日本の伝統芸能の継承者である萬斎と猿之助はテレビ番組で対談したことはあるものの、映画やドラマ作品で共演するのは初めて。また、織田信長役に中井貴一、前田利家役に佐々木蔵之介、千利休役にかつて父・三國連太郎さんも同役を務めた佐藤浩市を迎え、邦画界きっての実力派との競演も実現した。

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