Disc. 久石譲 『機甲創世記モスピーダ スーパーコレクション』

久石譲 機甲創世記モスピーダ スーパー・コレクション

1986年11月21日 CD発売 VDR-1321

 

1983年 フジテレビ系アニメ放送 「機甲創世記モスピーダ」
音楽:久石譲

放送期間:1983年10月2日~1984年3月25日
放送時間:毎週日曜日9時30分~10時(関東地区)
放送局:フジテレビ系
放送話数:全25話

 

 

「機甲創世記モスピーダ Vol.1」「機甲創世記モスピーダ Vol.2」は、放送当時にLPにて発売されている。それをもとにベスト的セレクトをし、初CD化されたのがこの作品にあたる。Vol.1、Vol.2も1990年代にそれぞれ単品としてLPをもとにCD化、また企画シリーズとしてCD2枚組でもCD化されている。

 

 

久石譲 機甲創世記モスピーダ スーパー・コレクション

1. やっつけろ!
2. インビット
3. ヴィーナス・オブ・ザ・スペース
4. ドリーミー・シティー
5. ふたりでいたい
6. フーケのブルース
7. DREAM EATERS
8. ザ・ベトレイヤー
9. ブルー・レイン
10. 愛の涙
11. 荒れ野へ
12. 飛翔の儀式
13. モスパダの歌
14. フレンズ
15. 愛の小石
16. ヤング・スピリッツ
17. 伝説の河
18. 失なわれた伝説(ゆめ)を求めて
19. ブルー・レイン (ライブ・バージョン)

作詩:阿佐茜 (1,5,7,11,13,15) 売野雅勇 (9,18,19)
作曲:久石譲 (1~4,6,8,10,12~17) 小笠原寛 (5,7,11) タケカワユキヒデ (9,18,19)
編曲:久石譲
歌:松本美音 (1,5,7,11,13,15,19) 松本美音・アンディ (9) アンディ (18)
演奏:WHILE ROCK BAND (2~4,6,8,10,12,14,16,17)

 

Disc. 中島みゆき 『36.5℃』

1986年11月12日 LP発売 C28A0527
1986年11月12日 CT発売 28P6604
1986年11月12日 CD発売 YCCW-17

 

中島みゆきの14枚目オリジナル・アルバム。甲斐よしひろをプロデューサーに迎えた本作は、久石譲が「最悪」「白鳥の歌が聴こえる」の編曲を担当している。

 

 

中島みゆき 36.5℃ LP

(LPジャケット / LP盤)

 

中島みゆき 36.5℃ カセット 1

中島みゆき 36.5℃ カセット 2

中島みゆき 36.5℃ カセット 3

(カセットテープ)

 

 

中島みゆき 36.5℃

1.あたいの夏休み (編曲:後藤次利)
2.最悪 (編曲:久石譲)
3.F.O. (編曲:椎名和夫)
4.毒をんな (編曲:椎名和夫)
5.シーサイド・コーポラス
6.やまねこ (編曲:船山基紀)
7.HALF (編曲:椎名和夫)
8.見返り美人 (編曲:萩田光雄)
9.白鳥の歌が聴こえる (編曲:久石譲)

全作詞・作曲:中島みゆき

「最悪」「白鳥の歌が聴こえる」
Synthesizer Programming, Sequencer Programming and Drum Machine Programming:久石譲

 

Disc. 山形由美 『Neo Classique ネオ・クラシック』

1986年11月5日 LP発売 K28A 772
1993年12月22日 CD発売 KICS-1369
2008年6月25日 CD発売
2019年11月27日 CD発売 KICS-3878

 

クラシックとモダンを自由に越えるフルートの旋律

 

久石譲が編曲を担当した2楽曲「パシー通りの風」「光と風の舞踏曲(ワルツ)」が収録されている。

 

 

解説

フルートという楽器は、ある意味で個性の弱い楽器なのかもしれないと思う。もちろんその音色は、たとえどんなオーケストラのなかにあっても際立ってひびいてくるし、他のどんな楽器にもない精妙さとあたたかさを持ってはいる。自己主張ということから言えば、それはかなりの独自性を持ってはいるといっていい。しかし、これほど、さまざまな音楽に”合ってしまう”楽器も少ないように思われるのである。

さてそこで山形由美の登場である。もう良く知られているように、東京芸大の器楽科を卒業、デパートのイメージ・ガールにもなり、身長一六五の長身。美女である。六歳のころからクラシック・バレエを習い、レニングラード・バレエ団の来日公演にも参加した。

フルートは十四歳のころから習いはじめ、芸大卒業後は英国へ留学し、フルートの演奏のウデを磨いた。説明するまでもない。言ってみれば、エリートなのである。

スタートは勿論クラシックだ。だから今でもクラシックはベースにある。だが、いまの彼女のなかでは、ポップスもすべて同列に存在している。

「ビートのとりかたなど、クラシックとポピュラーとは多少違う部分もありますけど、基本的なところは変わらないと思います」と、彼女は実に淡々と語った。クラシック音楽で育った人たちがポピュラーも手がける時、必ずと言っていいほど”気負い”を見せる。新しい世界への積極的な興味である場合もあるのだが、時にそれは、コンプレックスの裏返しであったりする。自分はこんなにハバ広くやれるんだ、と言ったような思いである。だが山形由美というフルート奏者には、それが感じられない。たぶんそれは、森繁久弥やグラシェラ・スサーナのツアーに参加することによって、彼女のなかに、音楽と総称されるものの普遍的な価値への認識が定まったのだろうと思う。様式や形式はどうであれ、空気中を伝わっていく音によって作られる音楽は受け手の好みは別にして、ひとしく人々を楽しませることができるはずのものである。そのことを山形由美は身を持って知った。

それにしても、フルートの音色というものは、人の心をなごませる。吹く息のすべてが音になるという理想的な吹きかたをされたとき、それはたとえようもなく、やわらなか音色となる。世間というもののなかにある汚れは一切洗い流されて、純粋に音の世界が現出する。それは他の楽器の比ではあるまい。全くの私見だが、フルートには白のドレスが良く似合うと思えてしまうのは、その音色のせいだ。

ここにあるのは一枚の板に定着された音である。選曲には、こまかい神経が行き届いていて、軽やかなふんいきのものから、相当に思策的な作品までが収められている。金と銀それぞれの楽器の音色は微妙に違い、その選択もたしかである。ゆったりとした気分でスピーカーに耳をかたむければ、心は一層落ちつくだろう。

このアルバム、ネオ・クラシックと名付けられている。フォーレやラヴェル、バッハ、サティなど、レパートリーは多種にわたる。更に、フレデリック・ニオペイのオリジナルが二曲、糀場富美子のオリジナル曲も一曲、つまり、クラシックを軸に据えて、なおより新しいものへの挑戦の姿勢がうかがえる。それがこのアルバムの面白さだし、冒頭からこの原稿で書いてきた山形由美のハバの広さを示すと同時に、深さをも主張している。だからこのレコードに針を落せば、人は知らずにこの音楽空間のなかで蝶のように舞うことになるだろう。ただ、ここは音だけで終りたくはない。ここに収められた作品を軸として、彼女の数多くのレパートリーを有機的に組み合わせての演奏会を筆者は想像している。たぶんそれは心洗われるコンサートになるだろう。

世間に音楽は氾濫している。そのことは悪いことではない。だが、人々の心をなごませ、心洗い、生きていくことについて、ゆったりと考えるような、そんな音楽はあまりにも少い。あったとしても、多すぎる情報量のなかで、それらの音楽は埋没してしまっている。今こそ、そのことを問い直すべきだと思われる。山形由美は、そんなムーブメントの先頭を切れる音楽家であろう。真に音楽を愛する人たち、様式や形式にとらわれず、人々の心を豊かんにするものとしての音楽を愛する人たちにとって、山形由美は貴重な存在になり得るはずだ。そして、フルートという、一見控え目でありながら、その存在を主張することにかけては、かなり強いパワーを持つ楽器は、他の楽器に抜きん出て強力な武器である。

伊藤 強

(CDライナーノーツ より)

 

 

風のような、フルートを

風のように唄いたい、風のように舞いたい…。いろんな人が、こんな気持を歌にした。でも歌詞をつけたとたんに、この気持は伝わらなくなる。風のように…という気持を、いつも歌詞が邪魔をしてしまう。

そこで、山形由美だ。フルートの音色は、風そのものだ。

「自分の息がそのまま音になるだけに、ちょっとした気持の変化がすぐ表れてしまう。こわい楽器です」と彼女は言うけれど、だからこそ聴く人は、彼女の気持の変化を、息づかいで直接感じとることができる。

ジャケットの写真をながめながら、山形由美の息づかいにひたるもいいし、ちょっと意地悪をして、BGMとしてきき流すのもいい。それは聴き手の自由だし、このレコードを買う者だけに許されたぜいたくだ。

とり上げられている曲は、3曲を除いて、クラシックの名曲ばかりだ。

クラシック、と聴いただけで、何となくめんどうな気持になったあなたは、学校の授業でしかクラシックにふれたことのない、かわいそうな人だ。考えてもみたまえ。今日まで数えきれないほど多くの人が作ってきて、その中で生き残っているのがクラシックの名曲だ。聴いてみて気持悪いはずがない。山形由美は、それを無理をせずに、のびのびと歌い上げてくれる。多くとり上げられているフランス人の曲は彼女のセンスをひきたててくれる。このレコードを聴くことで、あなたには新しい世界が見えてくるかもしれない。

3曲を除いて、と書いたけど、残る3曲、フレデリック・ニオペイと糀場富美子の曲は、このアルバムのために書き下ろされた新曲だ。

ニオペイは、ポール・モーリア楽団のベース・プレイヤーで、作曲家。自分のコンボも持っている。2曲とも、いかにもフランスらしいしゃれたセンスで、その風がダンスをしているような、美しいメロディだ。

一方の糀場富美子は、昨年、広島平和祈念音楽祭で、「広島レクイエム」が初演され、ついで小澤征爾指揮ボストン交響楽団の全米ツアーで、同じ曲がとり上げられたため、一躍脚光をあびた作曲家だ。本人も広島出身で「レクイエム」はまれに見る独創的、感動的な名曲となっているが、その一方で、フランスの小品を愛し、八代亜紀の曲にも興味を持つなど、幅広い音楽性を持っている。山形由美とは、たまたま芸大の先輩に当る(山形由美は器楽科、糀場富美子は作曲科)。「セピアの黄昏」と名づけられたこの曲は、”都会の夕暮れの中でゆれている心”とでも言いたいようなアンニュイな情景がみえてくる。よどみながらも、ほんの少しづつ、流れてゆく風だろうか。女性だけに作れる曲だし、吹ける曲だと思う。

その他の曲の、簡単なメモを書いてみよう。

 

シシリアーノ
シシリア地方の民謡で、さまざまの作曲家が作品のテーマとしてとり入れている。どんな楽器で演奏しても美しい名曲。

ドビュッシー/月の光
もとは歌曲だっただけに、ピアノとからみあうフルートがぞっとするほど美しい。刻々と色を変える和音は、いかにもフランス人らしいドビュッシーのセンスだ。

ショパン/ノクターン op9の2
ショパンの「夜想曲」(ノクターン)はもともとピアノ曲だが、その中で一番有名なのがこのop9の2だ。意外とむずかしいトリルが多く、それを由美は軽やかにこなしている。

パッヘルベル/カノン
パッヘルベルは1653年ドイツ生まれの作曲家。もともとはフルートのパートはなく、弦楽合奏の曲だった。

ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
名曲としてあまりにも有名。もとはピアノ曲だがあらゆる編成で録音されている。1899年パリでの作曲。

サティ/ジムノペディ
1866年にパリに生まれたサティは、現在ちょっとしたブームになっている。ひとつひとつの音を切りはなした独特のメロディ・ラインは、現代人のとびきりの疲労回復剤だ。

バッハ/アンナ・マグダレーナの為のメヌエット
小さいステップの踊りをメヌエットと言うが、このバッハのメヌエットは、「ラヴァーズ・コンチェルト」として有名になった。

モーツァルト/ピアノ・コンチェルト第21番
いかにもモーツァルトらしい心が洗われるようなメロディで、「みじかくも美しく燃え」としてポピュラーになった。

グノー/セレナード
この曲はもともと歌曲で、「フランス風」というよりはフォーク・ソング風である。グノーはいわば19世紀の流行歌作曲家だったのだ。

マスネ/タイスの瞑想曲
1894年、パリで初演されたオペラ「タイスの間奏曲」。美しい娼婦タイスが信仰にめざめるシーンに使われただけに、なまめかしさと清らかさが同居した美しいメロディ。

井崎 洋

(CDライナーノーツ より)

 

 

久石譲編曲の2楽曲は、シンセサイザー・アレンジとなっている。とりわけ「パシー通りの風」は、使われているデジタルサウンドが、「君をのせて」(映画『天空の城ラピュタ』主題歌)のそれに近しく、久石サウンドが全面に出ている。メロディも哀愁ただよう美しい旋律で、同じような空気感・雰囲気を感じることができる。

「光と風の舞踏曲(ワルツ)」も、シンセサイザーによる壮大なストリングス・サウンドとリズムによるグルーヴを聴くことができる。

同2楽曲以外は、クラシック作品も多く、アレンジもアコースティックを基調としている。だからこそより一層久石譲編曲による2楽曲が斬新かつ新鮮な印象を強烈に与えている。

 

 

山形由美 Neo Classique ネオ・クラシック

1. パシー通りの風/フレデリック・ニオベイ(arr.久石譲)
2. 光と風の舞踏曲(ワルツ)/フレデリック・ニオベイ(arr.久石譲)
3. シシリアーノ/ガブリエル・フォーレ(arr.美野春樹)
4. 月の光/クロード・ドビュッシー(arr.美野春樹)
5. ノクターン/フレデリック・ショパン(arr.美野春樹)
6. セピアの黄昏/糀場富美子(arr.美野春樹)
7. パッヘルベルのカノン/ヨハン・パッヘルベル(arr.坪能克裕)
8. 亡き王女の為のパヴァーヌ/モーリス・ラヴェル(arr.美野春樹)
9. ジムノペディ/エリック・サティ(arr.美野春樹)
10. アンナ・マグダレーナの為のメヌエット/ヨハン・セバスティアン・バッハ(arr.美野春樹)
11. みじかくも美しく燃え/ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(arr.坪能克裕)
12. セレナード/シャルル・グノー(arr.美野春樹)
13. タイスの冥想曲/ジュール・マスネ(arr.美野春樹)

 

Disc. V.A. 『ネオ・ヒロイック・ファンタジア アリオン HI TECH』

久石譲 『アリオン ハイテックシリーズ』

1986年10月25日 CD発売 32ATC-118
1986年10月25日 LP発売 28AGL-3031
1986年10月25日 CT発売 28AGC-2031

 

1986年公開 映画「アリオン」
監督:安彦良和 音楽:久石譲

 

久石譲作曲によるオリジナル楽曲たちをシンセサイザーをメインにリアレンジした作品。

 

 

【STUDIO MEMO】

戦闘 作曲/久石譲
「アリオン」のアクションシーンで効果的に使われていた曲。原曲はフェアライトCMIを中心にしたサンプリングサウンドと、本物のオーケストラで演奏されており、バスドラム、スネア、タムなどのドラムスの音を使っていないのが特徴。今回はダンスビートを生かしたロックとしてアレンジした。ドラムの音もリズムマシンではなく、シンクラヴィアの音を使っている。

ペガサスの少女 作曲/林哲司
後藤恭子の歌う主題歌。原曲は、いわゆるアイドルポップスだが、これをナイトキャップミュージック的にアレンジした。このアルバムはほとんどコンピュータのプログラムで演奏されているが、この曲だけ全て手弾きでレコーディングしている。音のリアルさは、シンクラヴィアならではのもの。ベース、トロンボーンなど単音系の音は、ボーカル、サックスプレイヤーでもある李家さんが担当。ギター、ピアノなどの和音系は、ギタリストでもある鈴川さんが、それぞれ担当している。

地底王ハデス 作曲/久石譲
同じリズムでメロディをくりかえすシーケンスサウンドにより、スピード感を強調してアレンジした。原曲の、シンフォニーによるクラシカルな緊迫感に代えて、リズムに、生楽器では不可能なサウンド、たとえば2オクターブ以上も周波数を下げたリムショットの音などを使用して、曲を盛りあげている。

想い 作曲/久石譲
ヒロインのレスフィーナ役の高橋美樹が、ハミングで歌う挿入歌が原曲。メロディをとっているのは、李家さんの口笛をサンプリングした音。素朴な響きが、機械くささを感じさせない。続いてメロディをとるハーモニカも、シンクラヴィアの鍵盤で弾いているわけだが、李家さんによれば、目をつぶって弾くと、あたかも口で本当に吹いているような感覚にとらえられるという。

アリオン・メインテーマ 作曲/久石譲
4~5人編成のバンドにハープを加えたコンボを想定してアレンジ。ハープのアルペジオは手弾きによるもの。ピアノの響きのリアルさ、透明感に注目してほしい。イージーリスニングミュージックとしてアレンジ。原曲のシンフォニックな響きと好対象をなしている。

テュポーン 作曲/久石譲
原曲に比較的近い構成でアレンジしているが、よりファンタジックな広がりを感じさせる仕上りを目ざした。後半のリズムのポイントになっている破裂音は、バスケットボールを体育館にたたきつけた音と、ショットガンの音をまぜたもの。テュポーンとは、アリオンたちを乗せて飛翔する巨大な翼龍である。

レスフィーナ 作曲/久石譲
メロディをとっているのは、「ニューパイプ」と名づけられた、シンクラヴィアのオリジナルサウンド。サウンドトラック盤の中でも特に人気のある曲。スネアドラムの音も深い響きのある音を選び情感タップリにアレンジしている。

初陣 作曲/久石譲
昔なつかし?プログレッシヴロックを感じさせる、変拍子のリズムを基調にして、シンプルなメロディモチーフが組みあわされた曲。曲の流れをリードする音色が次々に変わっていき、重々しい原曲をポップに展開していく。

アポロン~レスフィーナとアリオン 作曲/久石譲
サントラ盤から「アポロン」と「レスフィーナとアリオン」の2曲をメドレーでアレンジ。今や、流行ともいえるエスニックなメロディから、あたかも70年代初頭のLAサウンドを思わせるピアノとハーモニカのなつかしいサウンドへ移行していく。原曲は大オーケストラで映画の最後をかざっているが、ここではむしろさわやかにしめくくっている。

ペガサスの少女 (REPRISE) 作曲/林哲司
A面の2局目から一転して、明るいデジタルポップに。生のブラスではむずかしい、広域のブラスサウンドでスタート。全体に歯切れのいい音色で構成。生音に近づけるというよりは、むしろ機械くさいノリのおもしろさ、スピード感を重視した。これをカラオケに「ペガサスの少女」を歌ってみるのも一興かも。

(CDライナーノーツより)

 

 

久石譲 『アリオン ハイテックシリーズ』

1. 戦闘
2. ペガサスの少女
3. 地底王ハデス
4. 想い
5. アリオン・メインテーマ
6. テュポーン
7. レスフィーナ
8. 初陣
9. アポロン~レスフィーナとアリオン
10. ペガサスの少女(REPRISE)

編曲:鈴川真樹 / 李家毅

 

Disc. 久石譲 『めぞん一刻 サウンドトラック』

1986年10月25日 LP発売 25MS-0113
1986年10月25日 CT発売 25CS-0113

 

1986年公開 映画「めぞん一刻」
監督:澤井信一郎 音楽:久石譲 出演:石原真理子 他

 

 

(LPジャケット / LP盤)

 

(カセットテープ)

 

 

Side 1
1. 一刻館のテーマ#1
2. 響子
3. 想い・で
4. 御神楽池
5. 響子と父
6. Get Down
7. 雨と二人

Side 2
1. それぞれの過去
2. それぞれの想い
3. 時の過ぎゆくままに
4. 一刻館のテーマ#2
5. 響子のテーマ
6. 男と女の会話 ~テーマ~
7. 響子と五代の会話 ~Alone Again~

Side 1 作・編曲:久石譲(1,2,4,5,7)、作詞:石原真理子、作曲:玉置浩二(3)、編曲:星勝(3)、作詞/作・編曲:ギルバート・オサリバン(6)

Side 2 作・編曲:久石譲(1,2,4,5,6)、作詞:澤井信一郎(1)、作詞:阿久悠(3)、作曲:大野克夫(3)、編曲:久石譲(3)、作詞/作・編曲:ギルバート・オサリバン(7)

 

【テーマソング】
アローン・アゲイン
作詞・作曲・編曲・歌:ギルバート・オサリバン

ゲット・ダウン
作詞・作曲・編曲・歌:ギルバート・オサリバン

 

Disc. 来生たかお 『I Wil…』

1986年9月25日 LP発売 28MS-0107
1986年9月25日 CT発売 28CS-0107
1986年9月25日 CD発売 H33K-20054

 

来生たかおの12枚目オリジナル・アルバム。久石譲が編曲を担当した「森への地図」が収録されている。

CDは1991年、1995年(デジタル・リマスター盤)他、再リリースされている。

 

来生たかお I Will LP 1

来生たかお I Will LP 2

来生たかお I Will LP 3

(LPジャケット / LP盤)

 

 

来生たかお I will

1.WE WILL
作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:清水信之
2.Simply
作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:矢倉銀
3.恋のHard Days
作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:矢倉銀
4.夢の加速
作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:武部聡志
5.森への地図
作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:久石譲
6.フェアウェル
作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:清水信之
7.DOUBT
作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:武部聡志
8.夏色の彼方
作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:武部聡志
9.水の抱擁
作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:矢倉銀
10.夢のスケッチ
作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:八木正生

 

Disc. 久石譲 『CURVED MUSIC』

1986年9月25日 LP発売 28MX2531
1986年9月25日 CT発売 28CX2531
1986年9月25日 CD発売 H33P-20107
1995年2月25日 CD発売 POCH-1485

 

CM音楽だけを集めたBGM集

 

 

「できあがってきたフィルムを見て、そこに音楽をつけていくやり方が多いです。僕の場合は、画面を見た時のインパクトで、音も70%ぐらい決まります。最初見た時にこのCMは何を伝えようとしているのかということを読みとり、どういう音楽をつければ、それが見ているほうにうまく伝わるかを大事に考えます。

スタジオへ入ると大体5~6時間ぐらいで完成しますね。長くて30秒か60秒の短い時間の音楽を、長い時間試行錯誤して作っても良いものができるとは思わない。特に僕の場合、見る人を画面に引きつけるための、インパクトを大事にしています。インパクトという一瞬の力は、一瞬の集中力で作るべきだと、僕は思いますね。」

「そうですね。僕は今、フェアライトII、IIIという2台のサンプリング楽器を使ってますが、しょせん音素材にすぎないと思っています。自分の頭の中にある音をうまく伝えることができるので、シンセをよく使っているだけで、例えば自分のイメージにオーケストラが合うと思うと、そちらを使います。とにかく自分が頭の中に描いた音のイメージが最も重要な事だと思います。」

Blog. 「CM NOW 1988年 冬号 VOL.19」久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

「THE WINTER REQUIEM」「A RAINBOW IN CURVED MUSIC」にて作詞を手がけているのは宇多田ヒカルの父、宇多田照實氏である。

なお、13曲目「月の砂漠の少女(歌劇“真珠採り”より)」のCMオリジナル・ヴァージョンは調性が異なり、アレンジも若干ながら異なる。

 

 

1. A RING OF THE AIR (電気事業連合会 事業PR)
2. THE WINTER REQUIEM (MAZDA Familia 4WD)
3. WHITE SILENCE (資生堂UVホワイト)
4. OUT OF TOWN (キャノン キャノビジョン8)
5. A VIRGIN & THE PIPE-CUT MAN (東海ベスタ バイオパイプ)
6. 794 BDH (MAZDA Familia 4WD)
7. ZTD (日産 フェアレディZ)
8. PÚFF ÁDDER (小西六 コニカ望遠王)
9. A RAINBOW IN CURVED MUSIC (東洋タイア トランピオ)
10. SYNTAX ERROR II (日経産業新聞)
11. “CLASSIC” (サントリー クラシック)
12. FLOWER MOMENT (オリンパスOM2)
13. 月の砂漠の少女(歌劇“真珠採り”より) (日立 マスタックス)

 

CURVED MUSIC

1.A RING OF THE AIR
2.THE WINTER REQUIEM
3.WHITE SILENCE
4.OUT OF TOWN
5.A VIRGIN & THE PIPE-CUT MAN
6.794 BDH
7.ZTD
8.PÚFF ÁDDER
9.A RAINBOW IN CURVED MUSIC
10.SYNTAX ERROR II
11.“CLASSIC”
12.FLOWER MOMENT
13.A Girl of the Moon-Desert (from Opera “The Pearl Fishers”)

 

except. 13. 作曲:George Bizet

Joe Hisaishi Plays
FAIRLIGHT CMI IIX & III
PPG Wave 2.2 , Prophet 5 , DX-7 ,
Mini Moog , Lindrums , TR-808 and Voice

Musicians
Asuka Kaneko(Violin)
Hitoshi Watanabe(Cello)
Tomofumi Suzuki(Electric Guitar)
Soul Tohru(Drums)
Hiromi Iizuka(Vocal)

Recording:Wonder Station,Hitokuchizaka Studio&Studio; Two Two One
From Winter 1985 to Summer 1986

 

Disc. CHAGE and ASKA 『MIX BLOOD』

1986年9月21日 CD発売 YCCR-00025

 

チャゲ&飛鳥(CHAGE and ASKA)8枚目のオリジナルアルバム。

久石譲が編曲を担当した1楽曲「Newsにならない恋」が収録されている。同曲は早見優に提供した楽曲のセルフカバーである。なお同楽曲はKeybordsとしても参加している。早見優のシングル楽曲として提供されたものは編曲:伊豆一彦であり、本作には久石譲による別アレンジとして収録されている。

 

 

chage and aska mix blood

1.EXPLOSION
作詞・作曲:飛鳥涼 編曲:瀬尾一三・THE ALPHA
2.MIX BLOOD
作詞・作曲:飛鳥涼 編曲:瀬尾一三
3.TEKU TEKU
作詞・作曲:飛鳥涼 編曲:瀬尾一三
4.不条理なkissを忘れない
作詞:澤地隆 作曲:CHAGE 編曲:新川博
5.黄昏を待たずに
作詞・作曲:飛鳥涼 編曲:瀬尾一三・飛鳥涼・THE ALPHA
6.Newsにならない恋
作詞:澤地隆 作曲:CHAGE 編曲:久石譲
7.ADIOS SEÑORITA
作詞:澤地隆 作曲:CHAGE 編曲:佐藤準
8.かけひき
作詞・作曲:飛鳥涼 編曲:新川博
9.シングル・ベッド
作詞:澤地隆 作曲:CHAGE 編曲:瀬尾一三
10.やっぱりJAPANESE
作詞・作曲:飛鳥涼 編曲:瀬尾一三・飛鳥涼
11.月のしずく
作詞・作曲:飛鳥涼 編曲:瀬尾一三

 

Disc. 高橋真梨子 『FOREST』

1986年9月21日 LP発売
1992年7月22日 CD発売

 

久石譲が編曲を担当した4楽曲が収録されている。それらの楽曲は、キーボード&シンセサイザー・プログラミングも担当している。「黄昏人」は映画『化身』主題歌である。

 

 

高橋真梨子 フォレスト 久石譲

1.デスティニー
作詞:大津あきら 作曲:崎谷健次郎 編曲:松本晃彦
2.二度目の恋人
作詞:高橋真梨子 作曲:崎谷健次郎 編曲:松本晃彦 コーラスアレンジ:三沢またろう
3.ノンフィクション
作詞:松井五郎 作曲小倉良 編曲:松本晃彦 コーラスアレンジ:ヘンリー広瀬
4.ブルースを聞かせて
作詞:都志見隆 作曲:都志見隆 編曲:岩本正樹 コーラスアレンジ:三沢またろう
5.嵐ヶ丘
作詞:大津あきら 作曲:鈴木キサブロー 編曲:久石譲
6.ジゴロに警告
作詞:松井五郎 作曲:亀井登志夫 編曲:岩本正樹
7.上海BOY
作詞:高橋真梨子 作曲:鈴木キサブロー 編曲:久石譲 コーラスアレンジ:三沢またろう
8.黄昏人
作詞:松井五郎 作曲:亀井登志夫 編曲:久石譲
9.レイトリー
作詞:松井五郎 作曲:鈴木キサブロー 編曲:久石譲 コーラスアレンジ:三沢またろう

 

Disc. 久石譲 『天空の城ラピュタ ドラマ編 光よ甦れ!』

1986年8月15日 LP発売 19AGL-3029~30
1986年8月15日 CT発売 19AGC-2029~30
1989年2月25日 CD発売 24ATC-178~9
1993年12月21日 CD発売 TKCA-70230

 

1986年公開 スタジオジブリ作品 映画「天空の城ラピュタ」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

本作品は映画本編を映像なしの音声のみで聴く作品である。BGMはもちろんセリフや効果音などもそのまま収録されている。

 

 

解説

●宮崎アニメはいつも魅惑のキャラクター・ボイスを生み出す。古くは「未来少年コナン」のラナス役を演じた信沢三恵子さんにはじまり、おなじみ「ルパン三世 カリオストロの城」のクラリス役をはじめ「新ルパン・最終話」の小山田マキや「風の谷のナウシカ」のナウシカを演じた島本須美さんなどのヒロインたち。宮崎作品にふれたことのある人なら、彼女たち以外の脇役にも、必ずひとりやふたりのお気に入りがいるはずだ。

●宮崎アニメの登場人物たちは、その一部分が、宮崎さん自身の”こうあってほしい”という想いから形作られている。と同時に、彼ら彼女らはとても存在感に満ちて描かれている。だから、その”想い”と”存在感”を同時に演じていかなければならないという宿命が、声を演じる人たちの上にのしかかっているはずである。これは、とても大変な仕事だと思う。その想いと存在感が両立したときに、はじめてそのキャラクターが生きてくるからだ。

●はたして「天空の城ラピュタ」ではどうだったのだろうか?

●それはぼくが書くまでもなく、映画をみていただければ、おわかりのはずである。じつに見事に”キマッタ”と思う。

●ロマンアルバムという単行本のための取材で、ぼくは「ラピュタ」の3日間のアフレコのあいだ、東京テレビセンターにほとんどぴったりはりつける、という幸運に恵まれた。詳しくは、ロマンアルバムに掲載されるそのレポートを読んでいただくとして、参考までに、いくつかのことをメモしておきたい。

●アフレコは、6月28日(土)、7月5日(土)、7日(日)の3日間だった。初日の午前中は、出演者全員そろって、オールラッシュを見る。台本片手に見ていた出演者の方々が、いつの間にか、台本から目を離して、映画にひきずりこまれている。台所で料理をするシータのところへ、海賊たちが次から次へと入って来るところは、大爆笑!だった。

●初日の午後は、まずパズー・田中真弓、シータ・横沢啓子のおふたりだけに、録音する。演技のポイントは、オーバーアクト、つまり役を作り過ぎないように、ということだった。自然な少年らしさ、少女らしさを演ずることが、どんなに大変なことか。

●7月5日、6日は一転して、出演者勢ぞろい。永井一郎さんをはじめ芸達者がそろい、自然とアフレコは盛りあがる。そのなかで、ムスカ役の田中農さんだけが淡々としているのが印象的。圧巻はなんといってもドーラ役の初井言榮さんで、ガラス越しに聞いている宮崎さんも思わず笑い出してしまうほど。ドーラには、おそらく”あんな年になっても元気なバアさんがいたら、世の中は平和になるだろう”という宮崎さんの強烈な想いが託されているにちがいない。

●最終日の最後に登場したのがボムじいさん役の常田富士男さんだった。ヒョウ然と現われ、ヒョウヒョウと語り、そしてまた去った、という感じで、アフレコは静かな幕切れをむかえたのだった。

片桐卓也

(解説 ~CDライナーノーツより)

 

 

空から降ってきた少女
雲間から月光が射す夜、定期飛行船が空中海賊ドーラ一味に襲撃された。その時、飛行船の中で怪しい男たちに捕らえられていた少女シータは、船外へと飛びだし夜の闇に消えた。

地上の鉱山町、スラック渓谷に住む見習い機械工パズーは、光と共に空から降ってきた少女を助ける。翌朝、パズーの家で目を覚ましたシータに、彼は、死んだ父親が見たという伝説の空中の浮き島”ラピュタ”の話をした。いつか父の話を証明したいと願うパズー。

そこへシータのペンダントを狙うドーラたちが乗り込んできた。機関車にとび乗り、逃げるパズーたち。そこに現われた国防軍の装甲列車。シータを捕らえていた怪しい男たちだ。追っ手の発砲で崩れる橋から、深い谷底へと投げだされるふたり。だがその時、不思議なことが起こった。シータのペンダントが光を放ち始めると、ふたりの体は、空中に浮いていたのだ。

 

飛行石の謎
深い廃坑の底に降り立ったふたりは、そこで鉱山の石の専門家、ボムじいさんに会う。彼はシータのペンダントを見て、それはラピュタの技術だけが可能にする、飛行石の結晶だと言った。

廃坑を出たふたりは、追ってきた国防軍の男たちに捕らえられ、ティディス要塞へと連行された。そこでシータは、政府の調査機関のムスカに、地上のものでない壊れたロボットを見せられる。彼はシータの「リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ」という本名、彼女がラピュタの王位継承者であることまで知っていた。そして、パズーの命と引き換えに”ラピュタ”の位置を示す呪文を教えるよう迫るのだった。そうとは知らず、追い返されるパズー。家には海賊たちが陣どり、ティディスを襲撃しようとしていた。シータの言葉が実は、自分を救うためだということに気づいたパズーは、海賊たちとともに出撃する。

 

竜の巣
捕らえられシータが、幼い頃、おばあちゃんに教わった”われを助けよ、光よ、甦れ!”という呪文を唱えると、ペンダントが強烈な光を発した。すると壊れたはずのロボットが動き、シータを救うかのように要塞を破壊しはじめた。城の塔に出るとペンダントの光は天の一点を指した。混乱の中、パズーと海賊たちは、ついにシータを救い出したが、ペンダントを失ってしまった。それを手に入れたムスカは、ラピュタを目ざし空中戦艦ゴリアテを出動させた。そしてシータとパズーも海賊たちのタイガーモス号でラピュタへと向かう。途中、ゴリアテに遭遇し攻撃を受けたため、パズーたちは凧で偵察に出るが、ラピュタを取り巻く環境の中で、タイガーモス号と離れてしまう。どうにか嵐を抜けた凧は緑の草地に着地する。そこは、あのロボットが守る、緑に囲まれた、天空の城ラピュタだった。

 

天空の城ラピュタ エンディングテーマ 君をのせて
城の中心には巨大な樹が茂り、ラピュタの墓標を見守っていた。突然、爆発音が響く。ゴリアテと、捕らえられたタイガーモス号がラピュタに着船したのだ。財宝を発見し、狂喜する将軍たち。それを尻目にラピュタを調査するムスカ。パズーたちはペンダントを取り戻そうとするが、逆にシータが捕まってしまった。ムスカはシータを連れ、城の奥へ。そこには巨大な飛行石が輝いていた。自分のラピュラ人の末裔だと言うムスカは、ラピュラの地上を一瞬に焼き尽くす強大な力を手中に収め、将軍や兵士たちを殺害する。ムスカのスキをついてペンダントを取り返したシータは、単身、救出に来たパズーとともに滅びに呪文を唱えた。ほとばしる閃光の中、崩壊していくラピュタ。脱出するドーラたち。巨大な樹だけとなったラピュタが飛行石を抱えて天に昇っていく。茫然としたドーラたちの目に何かが映った。パズーとシータが乗った凧がゆっくりと滑空してきた。

(ストーリー解説 ~CDライナーノーツより)

 

 

《LP盤特典》
ジャケット特典/パズーとシータの複製セル画

天空の城ラピュタ ドラマ編 LP

(LPジャケット)

 

天空の城ラピュタ ドラマ編

DISC 1
1. 空から降ってきた少女
2. 飛行石の謎

DISC 2
1. 竜の巣
2. 天空の城ラピュタ
3. 君をのせて〜エンディングテーマ〜