Blog. 「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2015」WOWOW放送内容

Posted on 2015/9/29

2015年夏8年ぶりの全国ツアーとなった「久石譲&WORLD DREAM ORCHESTRA 2015」(W.D.O.2015)昨年につづいて今年もWOWOW放送されました。

 

久石譲 × 新日本フィルハーモニー交響楽団 WORLD DREAM ORCHESTRA 2015
2015年9月23日(水・祝) 15:00- WOWOWライブ

番組紹介/解説
久石譲×宮崎駿の原点である「風の谷のナウシカ」が交響詩となって登場。終戦70周年の2015年、日本と世界が抱える「祈り」をテーマにしたプログラムも披露する。

内容/物語
作曲活動、スタジオワークのみならず、ピアノソロ、アンサンブル、オーケストラといったさまざまな演奏活動で高い人気を誇る音楽家・久石譲。そんな彼が、2004年に新日本フィルハーモニー交響楽団と立ち上げた「ワールド・ドリーム・オーケストラ」は、ジャンルを超えた幅広い音楽性で人気を博している。その全国ツアーの中から、2015年8月8日、東京 サントリーホールでのコンサートを放送する。

2015年、大きな話題となっているのが、宮崎駿監督作品の楽曲をオーケストラ組曲として表現するシリーズのスタートだ。第1弾は「風の谷のナウシカ」の交響組曲。久石譲が宮崎作品と初めて関わることになった記念すべき楽曲のオーケストラ組曲が世界初演される。誰もが耳にした名曲がスケール感豊かに鳴り響くさまは必聴。さらに、終戦70周年に当たる今年、日本と世界が抱える「祈り」をテーマにしたオリジナルプログラムも世界初披露する。

 

 

もちろん完全版、プログラム全曲(アンコール含む)を完全ノーカットで、加えて久石譲のインタビューもまじえながらの永久保存版的内容でした。

 

 

久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2015

[公演期間]
2015/8/5 ~ 2015/8/13

[公演回数]
6公演
8/5 (大阪 ザ・シンフォニーホール)
8/6 (広島 上野学園ホール)
8/8 (東京 サントリーホール)
8/9 (東京 すみだトリフォニーホール)
8/12 (名古屋 愛知県芸術劇場コンサートホール)
8/13 (仙台 東京エレクトロンホール宮城)

[編成]
指揮:久石譲
管弦楽:新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ (W.D.O.)
カウンター・テノール:高橋淳
合唱:栗友会合唱団 ※東京公演のみ (8/8.9)
合唱:W.D.O.特別編成合唱団 ※大阪公演のみ (8/5)

[曲目]
久石譲:祈りのうた ~ Homage to Henryk Górecki~ ※世界初演
久石譲:The End of The World for Vocalists and Orchestra ※世界初演
I. Collapse
II. Grace of the St.Paul
III. D.e.a.d
IV. Beyond the World
久石譲編:The End of the World (Vocal Number) ※世界初演

—-休憩—-

久石譲:紅の豚 Il porco rosso ~ Madness (映画『紅の豚より)
久石譲:Dream More ※世界初演 (「ザ・プレミアム・モルツ・マスターズ・ドリーム」CM曲)
久石譲:Symphonic Poem “NAUSICCÄ” 2015 ※世界初演 (映画『風の谷のナウシカ』より)

—-アンコール—-
久石譲:Your Story 2015 (映画『悪人』より)
久石譲:World Dreams

※合唱編成曲
・The End of the World
・Symphonic Poem “NAUSICCÄ” 2015
・World Dreams

 

 

詳しい楽曲解説やコンサート・レポートはすでに書いています。

Blog. 「久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ 2015」 コンサート・レポート

 

 

WOWOW放送を観ての追加補足です。

【久石譲インタビュー内容】(約6分)

主に公式コンサート・パンフレットでも語られている内容と重複しますが、”ツアーコンセプト””カウンターテナー起用””宮崎作品交響組曲シリーズ”に関して、こぼれ話などありました。

【歌詞】

コンサート・レポートにも書きましたが、アンコール曲「World Dreams」は合唱版での披露でした。(東京/大阪)また「The End of The World 第3楽章《D.e.a.d》」も、今回書き下ろされた歌詞です。

どちらも歌詞は麻衣さんが担当されていますが、WOWOW放送では歌詞テロップが表示され、より深く理解することができたのは大きな収穫です。歌詞は掲載しませんが、上記2曲歌詞ともに公式コンサート・パンフレットにも掲載されておらず、そういう点でもとても貴重な保存版となると思います。

 

 

WOWOW LIVE放送は、とても上品な映像美、複数台によるカメラアングルで、指揮者、オーケストラ奏者と、楽曲や旋律にあわせてフォーカスされるところが醍醐味です。もし今回の放送を見逃した方は、再放送:2014年10月23日(金)19:00- がすでに決定しています。

余談になりますが、昨年のW.D.O.2014は初回放送から再放送をふくめて、約1年間の間に計3-4回は放送されています。おそらく今年のW.D.O.2015も数回再放送されると思います。やはり久石譲のコンサートは会場で体感できるのが一番ですが、行けなかった方や、細部復習したい方など、TV放送されることはとてもありがたい限りです。

エンドクレジットでも「音楽監修:久石譲」となっていたとおり、映像カット割りもそうですが、音響に関しても久石譲のチェックが入っている、WOWOWコンサート放送です。そんな編集にも手をかけ、クオリティーを高めた放送が、数回だけというのは非常にもったいない限りです。

録音用マイクもステージには相当数セットされていましたので、もちろんこのWOWOW放送用だとも思いますが、CD/DVD化できるクオリティで保管できているのではないか?!と。

昨年のリハーサルから本番まで計6回を録音し、CDとしてもクオリティーを追求した渾身のライヴ盤「WORKS IV」。ここまではできないかもしれませんが、それでもLive盤としては作品化してもおかしくない演奏と完成度です。むしろ瞬間封印したようなその鮮度こそ、一期一会な演奏こそ、Live盤の醍醐味でもあります。

作品化された暁には、WOWOWテプッロ表示のみとなっている、麻衣さんによる上記2曲の歌詞も刻まれるかもしません。何度も深く読み返すことができるようになります。とりわけ「World Dreams」は、普遍的な”希望の歌””愛の歌”として時代を超えて、歌い継がれたい合唱作品に昇華されていると思います。そういった要望も各方面から舞い込むくらい浸透するといいですね。

 

最後に、重ねて忘れないように。

再放送:2014年10月23日(金)19:00-

 

 

Related page:

 

WDO 2015 WOWOW

 

Info. 2015/09/29 [CDマガジン] 「クラシック プレミアム 46 ~ショスタコーヴィチ~」 久石譲エッセイ連載 発売

2015年9月29日 CDマガジン 「クラシック プレミアム 46 ~ショスタコーヴィチ~」(小学館)
隔週火曜日発売 本体1,200円+税

「久石譲の音楽的日乗」エッセイ連載付き。クラシックの名曲とともにお届けするCDマガジン。久石による連載エッセイのほか、音楽評論家や研究者による解説など、クラシック音楽の奥深く魅力的な世界を紹介。

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Blog. 「クラシック プレミアム クラシック プレミアム 45 ~フォーレ/サン=サーンス~」(CDマガジン) レビュー

Posted on 2015/9/27

クラシックプレミアム第45巻は、フォーレ / サン=サーンスです。

 

【収録曲】
フォーレ
レクイエム 作品48 (オリジナル版:第2稿)
キャサリン・ボット(ソプラノ)
ジル・カシュマイユ(バリトン)
アラステア・ロス(オルガン)
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク
モンテヴェルディ合唱団 / ソールズベリー大聖堂少年合唱団
録音/1992年

サン=サーンス
組曲 《動物の謝肉祭》

マルタ・アルゲリッチ、ネルソン・フレイレ(ピアノ)
ギドン・クレーメル、イザベル・ファン・クーレン(ヴァイオリン)
タベア・ツィマーマン(ヴィオラ)
ミッシャ・マイスキー(チェロ)
ゲオルク・ヘルトナーゲル(コントラバス)
イレーナ・グラフェナウアー(フルート)
エドゥアルト・ブルンナー(クラリネット)
マルクス・シュテッケラー(シロフォン)
エディット・ザルメン=ヴェーバー(グロッケンシュピール)
録音/1985年

 

 

「久石譲の音楽的日乗」第43回は、
最もシンプルな音楽の形式は?

前号にてWDO2015の編集部ルポルタージュをはさみ久石譲音楽講義の再開です。

超多忙なスケジュールも垣間見れ、一人何役こなしてるんだろうかと感嘆の想いです。また今号のエッセイでは、クラシック音楽の基本、とりわけ形式を理解するうえでもとてもわかりやすい解説です。

一部のみをかいつまんで抜粋してしまうと、理解できなくなるおそれがあり、意図に反することになりかねませんので、限りなくすべてを紹介させていただきます。

 

「この夏のコンサート・ツアーのため、しばらく原稿書きから遠ざかっていたら文章が浮かんで来ない。まあプロの文筆家ではないから仕方ないのだが、頭が音符でいっぱいになると他のことはできなくなるのだろうか? はたまた単にブランクが原因か? もしブランクなら作曲が心配になる。ツアーをしている間は、さすがに作曲するのは無理だ。とするとここにもブランクができている。」

「5月のコンサート以来約2ヶ月半、毎日自宅と仕事場の往復だけの日々は至って地味でシンプルだった。何日も何も書けず泥沼を這いずり回ったような苦しい時期もあったが、今振り返ると確実に曲はできていたのだった。毎日こつこつと同じことをする、あるいは定期的なサイクルで繰り返し、同じことを続ける。もちろんそれは演奏でも作曲でも文章を書くのでも同じことで、続けること、それが一番。これぞミニマルな生活だ。さあ、作曲に戻るためにも早く原稿を上げよう。」

「前回、ホモフォニー(ハーモニー)の時代は機能和声の確立によって音楽はよりエモーショナルな表現が可能になったと書いた。この『クラシック プレミアム』で取り上げる楽曲の大半がそうであるように、多くの人が今日耳にするいわゆるクラシック音楽はこの時代の音楽である。」

「構造は至ってシンプル、メロディーラインとそれを支える和音が主になる歌謡形式に近いものだ。つまり8小節(これが7でも10小節でも同じ)のフレーズが基準になる。もちろんシェーンベルクの《浄められた夜》のように複雑な対旋律やリズムも加わるものもあるからそんなに単純ではない、と言われてもしょうがないのだが、ベーシックな構造は同じなのである。ヴィヴァルディや初期のハイドンを想像してもらえばわかりやすいかもしれない。もちろん8小節では20秒前後で曲が終わってしまうので、これをいくつも組み合わせて一つのまとまった曲にしていくわけだが。」

「ここで重要なのが形式だ。何となくダラダラとメロディーが続いていても、聴き手には何も訴えてこないし、締りがない。なんらかの約束事であるその音たちを受けるお皿のようなもの、あるいは容器がいる。それが形式である。」

「音楽は論理性が大事だ。ドだけでは意味を持たず、それに続く音の連なりがあって初めて音楽として成立する。この連続性には時間が必要なので論理的であると前に書いた。その一つの固まりが先ほどの8小節のメロディーあるいはモティーフなのだが、それを組み合わせ、時間軸の上で構築していくのに必要な約束事が形式なのだ。最もシンプルなものは三部形式である。こう書くとまた講義かと思われるから別の言いかたをする。」

「宇宙人に遭遇したらあなたはどうしますか?…はあ?…この質問に作曲家の武満徹氏は確か「相手の言ったことを繰り返す」というような意味のことを答えていたと思う。随分前に読んだ本なので記憶が定かではないのだが、僕も多分同じことをすると思う。その根拠は「わからなかったら繰り返す」ということだ。」

「そしてこれが三部形式の大前提なのである。あるメロディーから始まった、しばらく経ってからまた最初のメロディーが聞こえた。そうすると多くの人は一つのまとまったもの、あるいは完結したものと認識する。つまりa-b-aということになる。これは古今東西を問わずあらゆる音楽の基本形態であると言っていい。もう一度繰り返す、あるいはもう一度聞こえたということが人間の生理に合致しているのである。じゃあ先ほどの宇宙人は繰り返すのか? などと余計な質問をしてはいけない…これは人間の生理の話なのだから…なんとか収めたのだから蒸し返してはいけない(笑)。」

「さて8小節のメロディーがa-b-aで24小節前後になったとしても多くの場合は(テンポにもよるが)40~50秒くらいにしかならない。それでa-a’-b-a’とかa-b-a’-c-b-a-b-a’など様々な工夫をしながら音楽は徐々に大きな建物になっていった。その極致が交響曲である。特にその第1楽章が最たるものである。10~15分、マーラーに至っては30分もかかるその楽曲はどう作られているのか?」

「それがソナタ形式という形であり、実はこれもa-b-aの拡大版三部形式なのである。具体的にはまずテーマを演奏する提示部(a)、それからそのテーマを様々に変奏する展開部(b)、そしてもう一度最初のテーマを演奏する再現部(a)で構成されているのだが、ごらんのとおりa-b-aの三部形式になる。もちろんそんなに単純ではなく、提示部には第1主題と第2主題があり、それぞれもっと細かく約束事があるのだが、それは次回に書く。」

「重要なのは、ホモフォニー音楽は根がシンプルな分、情緒に訴える力が強く、それゆえ様々な約束事を作ることで大きな建造物にしていったということ。だが、それもやがて行き詰まっていくのである。」

 

 

そういえば最近読んだ本におもしろいコラムがありました。ワーグナーの「ニーベルングの指環」を取り上げてだったと思います。

ワーグナーはライトモチーフという手法を用いたことでも有名で、このメロディーは登場人物Aを表す、このメロディーは登場人物Bを表す、つまりスター・ウォーズの”ダースベイダーのテーマ”でも有名な手法がライトモチーフです。

さらにストーリーがある作品なので、状況によって、喜怒哀楽の表情へと変奏されます。これが上のエッセイにも書かれているa-a’、さらにはa-a’-a”などと連なっていく。

膨大なモチーフと、かつ膨大な変奏が入り乱れる作品において、ワーグナーは聴衆がついていけるか理解できるか心配で、あちこちにストーリーやライトモチーフを復習する場面を設けたというわけです。だから「ニーベルングの指環」などあれだけの長い演奏時間がかかることになったと。

おもしろいと最初に書いたのは、そのコラムに『ワーグナーが聴衆を信じていないさまが、異常にしつこいという人間性が表れている』と書かれていたからです。そういう捉え方もあるのかと、おもしろかったです。

たしかに時代もあります。CDもDVDもない時代に聴衆がその演奏会だけで作品を理解してくれるか、心配になるのもわかります。ちょうど今号での”形式”の講義と、直近で読んだ本の内容とがつながったのでご紹介まででした。

 

最後に。今回のエッセイ冒頭にさらっと書かれている久石譲の言葉は名言ですね。

 

”毎日こつこつと同じことをする、あるいは定期的なサイクルで繰り返し、同じことを続ける。もちろんそれは演奏でも作曲でも文章を書くのでも同じことで、続けること、それが一番。これぞミニマルな生活だ。”

ミニマルな生活、なかなかいい表現だなあと気に入ってしまいました。

ミニマルな生活
~シンプルに
~ミニマル(最小限)とは、選択と集中で優先順位をつけて
~ミニマル(音形)とは、モチーフつまり最も大切な核なこと
~繰り返し続ける

そう勝手に解釈いたしました。

なんだかとても力をもらった気がします、勝手な解釈でもって。

 

クラシックプレミアム 45 フォーレ サン=サーンス

 

Info. 2015/10/04 「題名のない音楽会」新テーマ曲 久石譲『Untitled Music』 TV出演 【9/21 update】

テレビ朝日『題名のない音楽会』の新テーマ曲を久石が担当しました。

世界一長寿のクラシック音楽番組『題名のない音楽会』が、
2015年秋、若き天才ヴァイオリニスト・五嶋龍さんを司会に迎え大胆リニューアル。
その新テーマ曲「Untitled Music」を久石が担当しました。
放送は、2015年10月からの予定です。ぜひご期待ください。 “Info. 2015/10/04 「題名のない音楽会」新テーマ曲 久石譲『Untitled Music』 TV出演 【9/21 update】” の続きを読む

Info. 2015/09/19 [web] 「Music Voice」 久石譲インタビュー掲載

Music Voice(ミュージックヴォイス)に久石のインタビューが掲載されました。
8月にリリースされた新作アルバム「ミニマリズム 2」のことはもちろん、
直近のコンサートや作曲にかける熱い意気込みを語っています。
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Info. 2015/10/2,9 [TV] 金曜ロードショー 『秋のジブリ』2作品放送&オープニング映像限定復活!

スタジオジブリ最新作『思い出のマーニー』(米林宏昌監督)が10月9日、日本テレビ系『金曜ロードSHOW!』(毎週金曜 後9:00)で、テレビ初放送される。30周年を迎える番組は今回、『秋のジブリ』と題して、2週連続でスタジオジブリ作品が放送されることとなり、1週目(10月2日)には宮﨑駿監督による『ハウルの動く城』を送る。

さらに30周年記念として、スタジオジブリが手がけた懐かしのオープニング映像も『秋のジブリ』限定で復活。久石譲作曲の音楽と映写機を回す可愛らしいおじさんのキャラクターが帰ってくる。

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Info. 2015/12/31 久石譲 「ジルベスターコンサート 2015 in festival hall」 開催決定!! 【9/19 update】

2014年につづき今年も久石譲ジルベスター・コンサート開催決定!!

今回の演奏曲目は、久石譲の作品に加えてベートーヴェンの第九を大編成の合唱団と共にお届けいたします。

 

久石譲 ジルベスターコンサート 2015 in festival hall

2015年12月31日(木) 17:00開演 (16:00開場)
フェスティバルホール(大阪)

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Info. 2016/春 RPGゲーム「シノビナイトメア」 久石譲メインテーマ曲担当

Fuji&gumi Gamesは、「東京ゲームショウ2015」において、新作モバイルゲーム2本『誰ガ為のアルケミスト』および『シノビナイトメア』を発表した。

Fuji&gumi Gamesの国内第3弾タイトル『シノビナイトメア』は、「アニメ×RPG」をコンセプトに、クノイチの少女たちが綴る青春群像劇を豪華クリエイター陣が描くダンジョン探索型”大河”RPG。クノイチたちは緻密に描かれた美しい3Dフィールドを縦横無尽に駆け巡り、古の「サムライ」たちの力を借りて強敵に立ち向かう。フィールド上には仕掛けやトラップが多数用意されており、謎解き要素も満載となっている。 “Info. 2016/春 RPGゲーム「シノビナイトメア」 久石譲メインテーマ曲担当” の続きを読む

Blog. 久石譲 「WORKS・I」 レコーディング日誌 (1997 コンサート・パンフレットより)

Posted on 2015/9/17

久石譲の過去のコンサートから。「PIANO STORIES ’97 CINEMA WORKS JOE HISAISHI -Ensemble Night-」1997年に開催されたアンサンブル構成の全国ツアーです。

 

公式パンフレットによる演奏プログラムや楽曲解説は

Blog. 「久石譲 PIANO STORIES ’97」 コンサート・パンフレットより

 

 

同パンフレットに特集掲載された『WORKS・I』のロンドン・レコーディング日誌をご紹介します。

 

 

Making in LONDON

10月リリースのNew Album 「WORKS・I」のレコーディングが、8月中旬にロンドンで行われた。現地での様子を、同行したスタッフによるレコーディング記と写真でお伝えしよう。

【レコーディング記】

8.14 第1日目
ロンドン着。さっそくスタッフミーティングを行う。今回は生の録音が中心であることをふまえ、音のポイント、曲順など、久石さんのアイディアをもとにスタッフの意見をまとめる。明日はエンジニア、指揮者を含めたミーティングを行う予定である。

8.15 第2日目
朝9:20、Air Studios入り。メインホールのコントロールルームでスタッフミーティングを行う。譜面上で重要なポイントを確認したり、マイキングの説明を受けたり。午後、久石さんはピアノに向かい約2時間のリハーサル。明日から本番が始まる。

8.16 第3日目
10:00ロンドン・フィルハーモニック管弦楽団(LPO)のメンバーがスタジオ入り。緊張感が高まる。久石さんの紹介のあといよいよスタート。いきなり音の迫力に圧倒される。1曲目の「交響詩曲ナウシカ」は18分にもおよぶ大曲。久石さんは、コントロールルームから指示を出したり、譜面の確認や楽員からの質問があるたびに、コントロールルームとホールを何度も往復して、大変な様子。

8.17 第4日目
イギリスのSundayの習慣に合わせ、off。

8.18 第5日目
オーケストラ録り2日目。「ソナチネ」からスタート。しかし、譜面の一部が抜けてしまっていたために、急きょ「Two of Us」からのレコーディングに。スタッフのミスにより、アーティストに迷惑をかけてしまったことを深く反省。オーケストラが昼食の間も久石さんの音のチェックは続く。この日はほかに「Tango X.T.C.」「Silent Love」を収録。「Silent Love」の弦の美しさはとても魅力的だった。LPOとのセッションはこれで終了。

8.19 第6日目
Air Studiosメインホールでの作業最終日。LPO以外の楽器や歌のレコーディングを行う。久石さんのピアノも録る。音色、音の響き、ともにとても良い結果となった。「交響詩ナウシカ」のボーイ・ソプラノの録りもあったが、先生と一緒にやってきた12歳の少年がとてもかわいらしく、澄んだ歌声を聴かせてくれた。19:00全レコーディングを終了。

8.20 第7日目
本日よりTD(トラックダウン/音をまとめる作業)に入る。スタジオもメインホールよりTD用の第2スタジオに移動。まずは「交響詩ナウシカ」から。音の微妙なズレ、ノイズなどをデジタル技術で補整しながら編集しなおす。また、久石さん、プロデューサー、エンジニアが相談しながらベストテイクを選ぶ作業が続けられる。22:00TD初日は「交響詩ナウシカ」のみで終了。

8.21 第8日目
TD2日目。「ソナチネ」からスタート。ホールで得た、あの響きを逃さないよう何度も聴きなおし比べながら編集していく。長時間にわたる作業にも久石さんの集中力はまったく衰えない。真のプロの姿を目の当たりにした。続いて「Madness」「For You」を作業、22:00終了。時間のペース配分も予定通り。

8.22 第9日目
TD最終日。「Tango X.T.C.」「Two of Us」「Silent Love」の順でTD作業は進む。バランスのとりかたで意見が飛び交い、一時息が詰まるようなムードが流れたが、ディスカッションの成果は仕上がりに反映された。TD終了後、即マスタリングの準備に入る。23:00終了。

8.23 第10日目
The Townhouseにてマスタリング。16:00全て終了。

(久石譲 PIANO STORIES ’97 コンサート・パンフレットより)

 

 

この「WORKS・I」のレコーディング記は、当時の旧久石譲オフィシャルサイトでももっと詳しく見ることができました。今はすでに残っていなくて残念です。

 

久石譲 works レコーディング

(指揮者のNick Ingman(中央奥)と 古い教会を改築したAir Studiosにて)

 

Blog. 「久石譲 PIANO STORIES ’97」 コンサート・パンフレットより

Posted 2015/9/17

久石譲の過去のコンサートから。「PIANO STORIES ’97 CINEMA WORKS JOE HISAISHI -Ensemble Night-」1997年に開催されたアンサンブル構成の全国ツアーです。1997年という年が、久石譲の音楽活動においてどういう1年だったか。それはコンサートパンフレット冒頭に寄せた、久石譲のメッセージからわかります。

 

 

”「パラサイト・イヴ」にはじまり、「もののけ姫」、「HANA-BI」まで、とにかく今年は映画に明け暮れた。

うれしいことに、宮崎駿監督の「もののけ姫」は空前のヒットとなり、北野武監督の「HANA-BI」は、このほどベネチア国際映画祭で金獅子賞(グランプリ)を獲得した。

すばらしい作品と出会え、かけがえのない1年になった。映画にかけてきた情熱とエッセンスを今夜は生の音楽で表現してみたい。”

久石譲

 

 

PIANO STORIES ’97 CINEMA WORKS JOE HISAISHI -Ensemble Night-

[公演期間]21 PIANO STORIES ’97
1997/10/02 – 1997/11/01

[公演回数]
10公演
10/2 長野・長野県県民文化会館中ホール
10/6 新潟・新潟テルサ
10/15 横浜・関内ホール
10/17 島根・島根県民ホール
10/19 広島・広島国際会議場フェニックスホール
10/24 栃木・鹿沼市民文化ホール
10/25 東京・ゆうぽうと簡易保険ホール
10/29 大阪・シアター・ドラマシティ
10/31 名古屋・名古屋市民会館中ホール
11/1 兵庫・神戸新聞松方ホール

[編成]
ピアノ:久石譲
ヴァイオリン:後藤勇一郎
ヴァイオリン:杉浦清美
ヴィオラ:桑野聖
チェロ:近藤浩志
コントラバス:斉藤順
木管:吉田治
パーカッション:福島優美

[曲目]
MKWAJU
TIRA-RIN
Modern Strings

アシタカせっ記 (映画『もののけ姫』より)
もののけ姫
アシタカとサン

Two of Us (映画『ふたり』より)
Tango X.T.C (映画『はるか、ノスタルジィ』より)

Sonatine (映画『ソナチネ』より)
Silent Love (映画『あの夏、いちばん静かな海。』より)
HANA-BI (映画『HANA-BI』より)
Kids Return (映画『キッズ・リターン』より)

794BDH
Les Aventuriers
Asian Dream Song

—–アンコール—–
風のとおり道(Piano & Violin) (映画『となりのトトロ』より)
Parasite EVE (映画『パラサイト・イヴ』より)
Madness

 

 

 

【楽曲解説】 Ensemble Night Program

MKWAJUより
I. MKWAJU
IV. TIRA-RIN
Modern Strings
オープニングはアルバム「MKWAJU」(ムクワジュ)からの2曲。アフリカの多重的なリズムを取り入れ、その構造を”見せる”かのような仕上がりが特徴的だ。ミニマル・ミュージックの面白さも味わえるのが聴きどころ。ストリングスのカッティングが耳に残る「Modern Strings」はソロ・アルバム『I am』(1991)から。

アシタカせっ記
もののけ姫
アシタカとサン
ここでは、今年7月に公開され空前の大ヒットとなった宮崎駿監督の『もののけ姫』から3曲を演奏する。日本を舞台に繰り広げられる”一大冒険時代活劇”を彩るサウンド・トラックは、広大なスケールとその深いメロディ・ラインが印象的。冒頭で響くメロディはメインテーマの「アシタカせっ記」。おなじみの挿入歌「もののけ姫」、そしてラストシーンでは「アシタカとサン」のピアノの音色が感動的なストーリーをしめくくる。今回のスタイルでは、コンサート初演。

Two of Us
Tango X.T.C.
この2曲は、大林宣彦監督作品からの選曲。「Tango X.T.C.(エクスタシー)」(映画『はるか、ノスタルジィ』より)、「Two of Us」(映画『ふたり』より)は、いずれもソロ・アルバム『My Lost City』(1992)に収録されている。

Silent Love
Sonatine
HABNA-BI
Kids Return
『あの夏、いちばん静かな海。』『Sonatine』『Kids Return』そして来年公開の『HANA-BI』と、久石さんは北野武監督作品の話題作も担当した。「Silent Love」は、『あの夏、いちばん静かな海。』の主人公ふたりの”無音の世界”を包みこむような神秘的なサウンドが印象深い。コンサートでは「Kids Return」とともにストリングスなどで演奏され、人気が高いナンバーでもある。スリリングなメロディラインが耳に残る「Sonatine」は、今回のアンサンブルのスタイルでは初演。今年9月に開催されたベネチア国際映画祭でのグランプリ受賞作品「HANA-BI」は、来年の映画公開とサントラ発売に先がけてのタイムリーな初演。

794BDH
Les Aventuriers
Asian Dream Song
「Les Aventuriers」は昨年リリースのソロ・アルバム『PIANO STORIES II ~ The Wind of Life』から。ストリングス、木管、パーカッションによるアンサンブルが斬新なサウンドを聴かせてくれる。アコースティク・インストの魅力を充分に堪能できる構成。
「Asian Dream Song」は来年の長野パラリンピック冬季競技大会のテーマソングのインスト・バージョン。

(【楽曲解説】 ~コンサート・パンフレットより)

 

 

コンサート会場で販売されたこの公式パンフレットには、楽曲解説のほか小池聰行(オリコン社長)寄贈文なども収録されています。さらには映画『もののけ姫』の音楽レコーディング記が、レコーディング・スタジオの写真風景とともに記されています。

 

f19

このあたりの記録は、『もののけ姫は、こうして生まれた。』(DVD)にも収録されています。

 

 

もうひとつの特集は、『WORKS I』のロンドン・レコーディング日誌です。

Blog. 久石譲 「WORKS・I」 レコーディング日誌 (1997 コンサート・パンフレットより)

 

 

この時期の久石譲コンサートのスタイルは、ピアノ・ソロ、アンサンブル、オーケストラ、バンドなど、とてもバラエティに富んだ構成を循環していました。あらためてパンフレットを振り返って、「Silent Love」「Sonatine」の本公演構成での、アコースティック・アンサンブルは今となっては貴重ですね。

シンセサイザー基調のオリジナル版、オーケストラ・シンフォニーとして昇華した「WORKS・I」、そしてコンサートのみで披露されていたアンサンブル・バージョン。

楽曲解説を見ても、「HANA-BI」が当時公開前でのお披露目だったんです。とても新鮮な感覚で聴いていたということになります。1990年代後半を象徴するコンサートスタイルとその内容です。

パンフレットをパラパラめくっていたら、アンコールで披露された楽曲をメモしていました。懐かしい。でも、どの会場で聴いたんだろう、と思いながら。

 

 

久石譲 97 コンサート 3

久石譲 97 コンサート 2

久石譲 97 コンサート 1