Info. 2015/01/23 着メロ15年間歴代ランキング発表 久石譲:第2位

久石譲 『となりのトトロ イメージ・ソング集』

株式会社フェイス・ワンダワークスは、本年15周年を迎え、スマートフォンが主流となった現在も、メガサイトとしてユーザーの支持を頂いている「GIGA エンタメロディ」。その15年間にダウンロードされた着信メロディの楽曲ランキングとアーティストランキングのTOP100を1月20日に発表した。

ランキング内容は、通常のヒットチャートではなく、自分好みのキャッチーなメロディという携帯電話の着信音ならではの特長を反映した、興味深い独自のランキング結果となっている。

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Info. 2015/02/26 久石譲 「臺南藝術節開幕之夜 世紀音樂大師久石譲」 コンサート開催決定

2015年久石譲のコンサート幕開けは海外公演から。

2月25日台湾・台北で開催される「世紀音樂大師-久石譲 Maestro of the Century – Joe Hisaishi」につづいて、翌26日台南でも同一プログラム内容にて開催予定。なお25日台北公演はすでにチケット完売と公式アナウンスされている。

 

世紀音樂大師-久石譲 Maestro of the Century – Joe Hisaishi

[公演期間]
2015/2/25 19:30開演

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Blog. 「久石譲 ニューイヤー・コンサート 2010」 コンサート・パンフレットより

Posted on 2015/01/22

2010年の幕開けを飾った「久石譲&新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ ニューイヤー・コンサート」

新年早々、長野・東京にて3公演開催されました。2004年に創立した久石譲&ワールド・ドリーム・オーケストラ(W.D.O.)その活動も軌道にのっている時期を象徴して、久石譲作品のみならず海外の映画音楽作品からクラシック音楽まで、新年を彩るにふさわしい華やかな楽曲たちが並んでいます。

 

 

久石譲&新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ ニューイヤーコンサート

[公演期間]
2010/01/06,07,09

[公演回数]
3公演
1/6 長野・ホクト文化ホール
1/7 東京・サントリーホール
1/9 東京・Bunkamuraオーチャードホール

[編成]
指揮・ピアノ:久石譲
演奏:新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ

[曲目]
バレエ組曲 「火の鳥」1919年版 (ストラヴィンスキー)
序曲~火の鳥とその踊り~火の鳥のヴァリエーション
王女たちのロンド
カスチェイ王の魔の踊り
子守唄
終曲

Winter Garden (ソロ・ヴァイオリン:豊嶋泰嗣)
1st movement
2nd movement
3rd movement

「坂の上の雲」組曲
時代の風
旅立ち
青春
戦争の悲劇
Stand Alone

久石譲 with W.D.O
ロシュフォールの恋人たち (作曲:ミシェル・ルグラン 編曲:山下康介)
24 Theme (作曲:シーン・カラリー 編曲:宮野幸子)
Adventure of Dreams
World Dreams
Mission Impossible (作曲:ラロ・シフリン 編曲:久石譲)

—アンコール—
あの夏へ (for Piano and Orchestra)
Runner of the Spirit

 

 

2015年の今現在から振り返りますと、演奏プログラムのなかに希少な作品たちを見ることができます。

「Winter Garden」は、2014年ジルベスター・コンサートにて再び全3楽章が演奏され、いまだCD化もされていないレア作品です。

「Adventure of Dreams」は、2009年日清カップヌードルCM曲として書き下ろされ、こちらもコンサートでも数回しか披露されておらず、同じくCD化もされていない現時点で幻の一品のひとつ。

「Runner of Spirit」は、2009年第85回箱根駅伝テーマソングとして書き下ろされ、その後毎年正月にお茶の間で聴くことのできる楽曲ですが、こちらもCD化されていません。さらにこの楽曲は、久石譲初の吹奏楽作品であり、このコンサートにおいては、オーケストラバージョンとして披露された、オリジナル版としてもコンサート版としてもすべてにおいて希少な作品です。

そんなことからも現時点では伝説的な作品が堪能できたプログラムです。

 

 

当日配布されたコンサート・プログラムより各楽曲解説を紐解いていきます。

 

Word Dreams

ワールド・ドリーム・オーケストラ(以下W.D.O.)のテーマ曲。2004年、新日本フィルハーモニー交響楽団とのこの共同プロジェクトをスタートさせるにあたり、久石譲が”祝典序曲”のコンセプトのもと書き下ろした。シンプルで朗々とうたうメロディは、国家のような格調をも感じさせる。
*W.D.O.のファースト・アルバム『WORLD DREAMS』、『W.D.O. BEST』収録

 

Winter Garden
・1st movement
・2nd movement
・3rd movement

ミニマル・ミュージックの手法をベースに、ヴァイオリンとピアノのために書き下ろした2006年の作品『Winter Garden』を、今回はヴァイオリン・ソロとオーケストラの小協奏曲に改訂、新たに第3楽章が付け加えられた。8分の15拍子の軽快なリズムをもった第1楽章、特徴ある変拍子のリズムの継続と官能的なヴァイオリンのメロディによる第2楽章。そして初披露となる第3楽章は、8分の6拍子を基調とし、ソロパートとオーケストラが絶妙に掛け合いながら、後半はヴィルトゥオーゾ的なカデンツァをもって終焉へと向かっていく。W.D.O.コンサートマスターの豊嶋泰嗣のヴァイオリン・ソロでおくる。
*2006年版の『Winter Garden』は、ヴァイオリニスト鈴木理恵子のアルバム『Winter Garden』に収録されている。

 

バレエ音楽「火の鳥」(1919年版)
・序曲~火の鳥とその踊り~火の鳥のヴァリエーション
・王女たちのロンド
・カスチェイ王の魔の踊り
・子守唄
・終曲

1910年から1919年にかけてパリ・オペラ座のために書かれた『火の鳥』(全曲)はロシアの作曲家ストラヴィンスキーの代表作のひとつである。本日演奏される1919年版というのは組曲として構成されたもので、この版以外にも1911年、1945年版があるが、最もよく演奏されるのがこの1919年版である。ストラヴィンスキーは今でこそ20世紀の重要な作曲家のひとりとして挙げられるが、この作品が書かれた当時は全くの無名の新人作曲家と言ってよい存在だった。先に依頼した同じくロシアの作曲家リャードフがなかなか作曲にとりかからなかったからとは言え、その代替案として無名のストラヴィンスキーに作曲を委嘱したロシアバレエ団率いるディアギレフにとっては大きな賭けとなったわけだが、見事ストラヴィンスキーは彼の期待に応え、バレエ公演は成功、そして作曲家自身も一躍スターとなった。

物語はイワン王子が魔王カスチェイに囚われたツァレーヴナ姫と恋に落ち、ふたりの危機を伝説の火の鳥が救う、というもの。組曲は1序奏~火の鳥とその踊り~火の鳥のヴァリエーション 2王女たちのロンド 3カスチェイ王の魔の踊り 4子守唄 5終曲から成り、音楽は途切れることなく演奏される。各シーンの音楽自体は勿論だが、組曲としてそれぞれの音楽の切り替え、つながりは見事としか言い様がない。『火の鳥』はその後、やはりロシアバレエ団のために書かれた『ペトルーシュカ』、『春の祭典』とともに現代オーケストラの重要なコンサート・レパートリーである一方、ディズニーの映画『ファンタジア』にも取入れられるなどバレエ以外のヴィジュアルとのコラボレーションに多用されるのはこの作品が持つ特別なエネルギーに強く惹きつけられるからだろう。

 

「坂の上の雲」組曲
・時代の風
・旅立ち
・青春
・戦争の悲劇
・Stand Alone

司馬遼太郎の長編小説『坂の上の雲』が初の映像化。同名のNHKスペシャルドラマとして2009年11月から放送を開始した。音楽を担当した久石は、「史実・そこに立ち向かう人々の”凛とした”生き様を描きたかった」という。今回はその作品群の中から『時代の風』『旅立ち』『青春』『戦争の悲劇』『Stand Alone』と5つのテーマを選りすぐり、組曲形式に再構築した。あえて日本の五音階と西洋のモダンな音階を融合させることにより、独特の世界観を引き立たせている。明治時代、近代国家として新しく生まれ変わろうとする「日本」。純粋さやひたむきさだけでなく、高み=”坂の上”を目指そうとする人々の強い志と貪欲さが時代を動かす風となっていく。世界の歌姫サラ・ブライトマンが歌う『Stand Alone』は、明治の人々の”凛として立つ”美しき姿をイメージしたというメインテーマ。今回はオーケストラとピアノのバージョンで演奏する。自然と口ずさんでしまいような普遍的なメロディと壮大なオーケストレーションが秀逸。
*NHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』オリジナル・サウンドトラック収録

 

久石譲 with W.D.O.

ロシュフォールの恋人たち

監督ジャック・ドゥミ、音楽ミシェル・ルグラン、主演カトリーヌ・ドヌーヴのゴールデン・トリオが生み出した、フランス・ミュージカル映画の傑作の一つ。お祭りにわきたつロシュフォールの街を舞台に、さまざまな恋が展開されてゆく1965年の作品。小気味よいリズムが生み出すグルーヴ感と、ストリングスの優美なハーモニーが、いっそう華やかさを盛り立てる。
(『パリのアメリカ人』 ライナーノーツより一部転用)

 

24 Theme

アメリカで2001年に放送開始されたキーファー・サザーランド主演のテレビ・シリーズ「24-TWENTY FOUR-」の主題曲。W.D.O.では2007年の「There is the Time」で初演された。冒頭から手に汗を握る緊迫感あふれる音楽は、『ニキータ』『ミディアム 霊能者アリソン・デュボア』等のテレビ・シリーズを手掛けるショーン・キャラリーによって作曲された。〈シーズン7〉に至るも依然人気は衰えることを知らない。

 

Adventure of Dreams

日清カップヌードルのCF 『DREAM! 夢こそが、明日をつくる』シリーズのテーマ曲としてつくられた。2009年の第4弾「ベーリング海峡篇」からこのCFに参加し、第5弾「北米大陸篇」、そして現在は第6弾の「南米大陸篇」が放映中。人類の歴史を辿るその壮大なスケール感と高揚感をそのままに、重厚感溢れるサウンドが心を打つ。当初よりフル・オーケストラ曲として制作されたが、冒頭に繊細で印象的なピアノ・ソロが書き加えられ、さらにドラマチックなオーケストラ作品として生まれ変わった。

 

Mission Impossible

『スパイ大作戦』のテーマ曲。アメリカで1966年から1973年にかけて放映された人気テレビ・シリーズ同様、トム・クルーズ主演で映画化された『ミッション:インポッシブル』も有名。一瞬で映画を彷彿させるオープニングとエンディング。特徴的な5拍子のリズムは、スリルと爽快さを味あわせてくれる。作曲を手がけたラロ・シフリンは、『ダーティー・ハリー』シリーズや『燃えよドラゴン』等の映画音楽でも名高い。

(久石譲&新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ ニューイヤーコンサート コンサート・パンフレット より)

 

 

ニューイヤーコンサート

久石譲 ニューイヤー・コンサート 2010 プログラム

 

Score. 久石譲・高畑勲 「かぐや姫の物語 ~女声三部合唱のための~」 [声楽]

2015年1月21日 発行

高畑 勲監督と作曲家・久石 譲、夢のタッグ!ジブリ映画「かぐや姫の物語」の劇中歌「わらべ唄」「天女の歌」が合唱曲に!さらに劇中の主要なテーマ「なよたけ」に高畑 勲が詞をつけ、久石 譲が合唱曲へと書き改めて新たな命を吹き込みました。久石 譲監修による合唱曲集です。

(メーカー・インフォメーションより)

 

 

かぐや姫の物語 ~女声三部合唱のための~
高畑勲・久石譲

プリント

なよたけのかぐや姫 作詞:高畑勲 作曲:久石譲 編曲:久石譲
わらべ唄 作詞:高畑勲 作曲:高畑勲 / 坂口理子 編曲:久石譲

 

判型/頁 : 全音判/32頁
JAN : 4511005087157
コード : ISBN978-4-11-734011-2
発行:全音楽譜出版社
定価 : 1,200円(税抜)

 

 

◎音源は久石譲・高畑勲 『かぐや姫の物語 ~女声三部合唱のための~』に収録されています。

 

Info. 2015/01/21 「スタジオジブリ 高畑勲 サントラBOX」 CD発売

2015年1月21日 CD-BOX 発売

根強いファンが数多く存在する高畑勲監督が手掛けた作品の豪華サントラBOXがいよいよ登場!現在では入手不可能な超レア盤も含んだ、全作品紙ジャケット・高音質HQCD仕様の10枚組セット!

発売後、大好評を博した「宮崎駿&久石譲 サントラBOX」に続く第2弾BOXとして、「スタジオジブリ高畑勲BOX」がいよいよ登場。

 

『スタジオジブリ「高畑勲」サントラBOX』
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Disc. 久石譲・高畑勲 『かぐや姫の物語 ~女声三部合唱のための~』

2015年1月21日 CDS発売 TKCA-74173

 

2013年公開 映画『かぐや姫の物語』
監督:高畑勲 音楽:久石譲

 

スタジオジブリ作品において、高畑勲と久石譲の初タッグとなった作品。その劇中歌「わらべ唄」と「天女の歌」が女声三部合唱曲として映画の世界を超えて新たに誕生した。

さらに映画本編における主要テーマ曲のひとつ「なよたけのテーマ」に、高畑勲が新たに詞を書き下ろし、「なよたけのかぐや姫」として、インストゥルメンタル楽曲からこちらも女声三部合唱曲として生まれ変わる。

(メーカーインフォメーションより)

 

 

久石譲作曲「なよたけのテーマ」は主要テーマ曲であり、高畑勲作曲「わらべ唄」は映画本編の核となる曲であった。映画冒頭でもこのふたつのメロディは久石譲の絶妙なオーケストレーションにより互いに織り重なりかけ合うように流れていたのが印象的。

そんな日本美を感じる旋律と日本語歌詞の楽曲たちが、日本古来の童謡というよりも、さらにおしすすめた未来へ歌い継がれる、現代の合唱曲として緻密につくりこまれた作品となっている。

「なよたけのかぐや姫」は7分に及ぶ合唱曲大曲に仕上がっている。日本語の美しい歌詞とその響きが、女声三部合唱の優美なハーモニーで。複雑に絡み合う旋律と日本語歌詞。ミニマル的な要素や複雑なハーモニーもあって、神秘的で叙情的な調べ。まさに日本語による”ミニマル合唱” “ミニマルコーラス” “ミニマルクワイア”という新しい息吹きが吹きこまれた楽曲である。

今回の女声三部合唱をベースとして、今後「弦楽四重奏版」や「弦楽オーケストラ版」が誕生してもおかしくない、そんな憶測さえ醸しだす、単なる合唱曲ではない、力作かつ意欲作となっている。

 

「わらべ唄」は、映画本編でもおなじみの楽曲である。こちらも女声三部合唱として、メロディーである主旋律を大切にしつつも、三声が追っかけ、かけあい、織りなすハーモニー。4分半の楽曲のなかに「天女の歌」も中盤に盛り込まれるかたちとなっている。

 

 

 

「なよたけのかぐや姫」

なよたけの かぐや姫
なぜに こころ ふさぐ
風になり 野をかけた
あの夏の日の におい
うすれてゆく 遠くなる
いつか 帰るゆめをみる
いつか 帰るゆめをみる
あの山をこえ

なよたけの かぐや姫
なぜに こころ さわぐ
さよならも せぬままの
あの秋の日の わかれ
置きわすれた 籠のなか
だれが 食べてくれたやら
だれが 食べてくれたやら
あの山ぶどう

 

「わらべ唄」

まわれ まわれ まわれよ 水車まわれ
まわって お日さん 呼んでこい
まわって お日さん 呼んでこい
鳥 虫 けもの 草 木 花
春 夏 秋 冬 連れてこい
春 夏 秋 冬 連れてこい

まわれ まわれ まわれよ 水車まわれ
まわって お日さん 呼んでこい
まわって お日さん 呼んでこい
鳥 虫 けもの 草 木 花
咲いて 実って 散ったとて
生まれて 育って 死んだとて
風が吹き 雨が降り 水車まわり
せんぐり いのちが よみがえる
せんぐり いのちが よみがえる

 

「天女の歌」

まわれ めぐれ めぐれよ 遥かなときよ
めぐって 心を 呼びかえせ
めぐって 心を 呼びかえせ
鳥 虫 けもの 草 木 花
人の情けを はぐくみて
まつとしきかば 今かへりこむ

 

 

「わらべ唄」の歌詞にある「せんぐり」とは、京ことばで【次々に 順番に 順繰り】という意味。「天女の歌」の歌詞にある「まつとしきかば 今かへりこむ」は、百人一首 中納言行平の句にも登場する。映画本編でも台詞として【本当にあなたが待っていてくれるなら、すぐにでもここへ帰ってきます】と。

 

 

<タイアップ楽譜>

 

プリント

 

 

 

かぐや姫の物語 ~女声三部合唱のための~

1. なよたけのかぐや姫
作詞:高畑勲 作・編曲:久石譲
2.わらべ唄
作詞:高畑勲・坂口理子 作曲:高畑勲 編曲:久石譲

プロデュース:久石譲
合唱:東京混声合唱団
指揮:山田茂
ソプラノ・ソロ:佐藤祐子 (なよたけのかぐや姫)

音楽収録:すみだトリフォニーホール 2014年12月17日

 

 

Info. 2015/01/20 [CDマガジン] 「クラシック プレミアム 28 ~ピアノ名曲集~」 久石譲エッセイ連載 発売

2015年1月20日 CDマガジン 「クラシック プレミアム 28 ~ピアノ名曲集~」(小学館)
隔週火曜日発売 本体1,200円+税

「久石譲の音楽的日乗」エッセイ連載付き。クラシックの名曲とともにお届けするCDマガジン。久石による連載エッセイのほか、音楽評論家や研究者による解説など、クラシック音楽の奥深く魅力的な世界を紹介。

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Blog. 「久石譲 ジルベスター・コンサート 2007」 コンサート・パンフレットより

Posted on 2015/01/19

2007年大晦日に開催された「久石譲 ジルベスター・コンサート 2007」です。

念願の初ジルベスターコンサートにして、3回ものアンコールという興奮につつまれた2006年につづいて2回目です。演奏プログラムも前年よりもパワーアップ、ほぼリアルタイムな作品群や世界初演など、まさに2007年を象徴する楽曲たちが並んでいます。これがツアーではなく、一夜限りのジルベスターコンサートでのお披露目ですから、なんと贅沢な至福の時間だったことか、と思います。

 

 

久石譲ジルベスターコンサート2007

[公演期間]
2007/12/31

[公演回数]
1公演
大阪・ザ・シンフォニーホール

[編成]
指揮・ピアノ:久石譲
指揮:金洪才
管弦楽:関西フィルハーモニー管弦楽団

[曲目]
[第1部]
Orbis
組曲「マリと子犬の物語」 (全4楽章) ~「ふるさと」「奇跡の再開」 他2曲~
組曲「太王四神記」 (全4楽章) ~「タムドクのテーマ」「スジニのテーマ」(Pf.Solo) 「勝利へ」「運命」~

[第2部]
Links

[オーケストラストーリーズ となりのトトロ2007]
さんぽ
五月の村
ススワタリ~お母さん
トトロがいた!
風のとおり道
まいご
ネコバス
となりのトトロ

HANA-BI
Tango X.T.C.

—–アンコール—–
あの夏へ (for Piano and Orchestra)
Oriental Wind
夢の星空 (Pf.solo)

 

当日会場で配布されたコンサート・プログラムより各楽曲解説をご紹介します。

 

 

Orbis

今年で25回目を迎えた『サントリー1万人の第九』の記念委嘱作品。本年12月2日、大阪城ホールとサントリーホールとを結び同時衛星中継により世界初演され話題となった。パイプオルガンとオーケストラ、1万人の合唱団からなるこの楽曲を、今回のコンサートのためにフルオーケストラバージョンに書きかえた。華やかさがよりいっそう増すこととなった祝典序曲である。生命の起源となる水の小さな水泡が繋がって、やがて大きな環となる…。Orbisとはラテン語で”環” ”輪”などの意。

 

組曲『マリと子犬の物語』(全4楽章)

12月8日に全国一斉に劇場公開された映画『マリと子犬の物語』のために書かれたオリジナル・サウンドトラックより抜粋。今回はその中から、ブラスによる牧歌的なメロディが印象的なメインテーマを含め、物語を構成する主要な楽曲を再構成、組曲とした。世界初演。物語は2004年の新潟中越地震直後、全村避難の際に村に取り残された犬たちと村の人々との実話をもとにした心温まる感動ストーリー。音楽が作品をより起伏の富んだものへと彩りを添えている。
(『マリと子犬の物語』オリジナル・サウンドトラック収録)

 

組曲『太王四神記』(全4楽章)

12月4日より、NHK BS-hiによって放映が開始され話題となっている、ペ・ヨンジュン主演の韓国歴史ドラマ『太王四神記』おために書き下ろされた楽曲の中より、メインテーマを含む4曲を抜粋、世界初演の演奏となる。久石はこのドラマのために50曲以上もの楽曲を提供、フルオーケストラ編成の壮大なスケールの楽曲はダイナミックなドラマの世界観をより一層際立たせている。
(『太王四神記』オリジナル・サウンドトラック収録)

注)4曲とは、「タムドクのテーマ」 「スジニのテーマ」 「勝利へ」 「運命」

 

-休憩-

 

Links

Japan国際コンテンツフェスティバル(CoFesta)のテーマ曲としての委嘱作品。ミニマルミュージックのスタイルを多分に踏襲した楽曲で、冒頭に現れる8分の15拍子のリズミックで特徴的なフレーズをほぼ一貫して全曲中に使用。一つのテーマをオーケストラという可能性の中で様々な形に発展・展開してゆく妙は必聴。曲は後半にいくにつれ、緊張感と共に盛り上がっていく。15拍子という変拍子の中にグルーヴさえをも感じさせるスピード感溢れる楽曲。

 

オーケストラストーリーズ となりのトトロ2007

初めてオーケストラに接する子供たちと大人たちのための入門的作品。おなじみの「さんぽ」では楽器の音色や役割、特徴をわかりやすく解説。一つのオーケストラ作品としても完璧なまでに完成され、ストーリーの展開もさることながら、聴く者を飽きさせることのない内容に富んだ作品である。今回、新たに3管編成に編曲。
(『オーケストラストーリーズとなりのトトロ』収録)

 

HANA-BI

第54回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した映画『HANA-BI』のメインテーマ曲。アルバム〈Nostalgia〉に収録され、レコーディングを行ったイタリアを感じさせる哀愁漂う作品である。3拍子と4拍子のセクションが交互に置かれ、その上に乗る官能的なメロディーが印象的である。
(アルバム『WORIS II』等に収録)

 

Tango X.T.C.

華やかなこの楽曲はコンサートで演奏される機会が多く、「HANA-BI」同様、久石本人が大切にしている楽曲の一つでもある。映画『はるか、ノスタルジィ』のテーマ曲で、1992年にTango X.T.C.(エクスタシー)と名付けられ、アルバム〈My Lost City〉に収録された。その後オーケストラのために新たに書き直され、前作とはひと味違った作品に生まれ変わっている。
(アルバム『WORKS II』等に収録)

(久石譲 ジルベスターコンサート 2007 コンサート・プログラムより)

 

 

ジルベスター・コンサート 2007