1988年8月21日 EP発売
1988年8月21日 CDS発売 N10C-701
久石譲作曲はもちろん本人歌唱による楽曲である。
1988年12月21日発売、オリジナル・ソロアルバム「illision」にて同2曲ともに収録されている。同バージョンである。

(CDジャケット)
1. Night City
2. L’ étranger
1988年8月20日 劇場公開日
1988年公開 映画「グリーン・レクイエム」
原作:新井素子 監督:今関よしあき 音楽:久石譲 出演:鳥居かおり 坂上忍 他
1985年映画化、諸事情により公開は3年後の1988年公開作品。
-話はかわりますが、久石さんが音楽を担当されたもので長い間お蔵になっていた「グリーン・レクイエム」が公開されますが、あの音楽についてはどうですか。
久石:
「あの作品は、結構イメージ・ビデオっぽかったんですよ、イメージ映画というか、一種のファンタジーだったんで、どう取り組もうか悩みまして、「卒業」のサイモン&ガーファンクルのような感じで歌を効果的に使っていこうとなったんです。いわゆる映画音楽的なインストもあるんですが、重要な部分はほとんど歌になるように仕上げました。因みにこの『グリーン・レクイエム』映画自体はとても冬っぽいものなんですけど、テーマは常夏のモルジブで思い浮かんだんですよ。でもうまく合いましたね。」
(Blog. 「キネマ旬報 1988年8月下旬号 No.991」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)
メイン・テーマ曲は「グリーン・レクイエム」。
オープニングでピアノ独奏にて流れるほか、本編中歌曲化されたヴォーカル・バージョンや、クライマックスのシンセサイザー・バージョンなどがある。エンドクレジットではピアノソロを基調に、バッグにシンセサイザーのコード伴奏(ストリングス系)が加わった、オープニングとも少し異なるバージョンが使用されている。
久石譲がこの映画のために書き下ろしたオリジナル歌曲は5楽曲。先の「グリーン・レクイエム」のボーカル版の他、「本当は帰りたくない」「ジェラシー・エフェクト」「どこかで見た風景」「戸惑いの扉」という楽曲である。どの楽曲も本編BGM的な扱いで随所に流れている。全5楽曲の作曲・編曲は久石譲である。エンドクレジットの文字からは字が潰れて読み取りにくいが、作詞には松井五郎他、歌には忍足敦子他、参加している。
インストゥルメンタルとしての本編音楽もいくつか書き下ろしているが、場面音楽として必要な数カ所のみで、あとは上記のメイン・テーマおよびそのバリエーションが主軸であり、その他歌曲5楽曲が登場する。
本作品における音楽ならびにサウンドトラックは発売されていない。
久石譲作品のなかではオリジナル・ソロアルバム『Piano Stories』に久石譲自身によるピアノ・ソロ作品として収録されている。映画冒頭でも同様のピアノソロ・バージョンではあるが、映画版はよりクラシカルでカデンツァ的な速いパッセージのあるピアノ奏法であり、少しバージョンが異なる。おそらく映画版の演奏はクラシックを専門としたピアニストであると思われる。
またチェリスト藤原真理の作品『藤原真理 『風 -Winds ~ナウシカの思い出に捧げる』にも収録されている。この作品は久石譲プロデュース・アルバムとなっている。こちらでは、チェロが旋律を奏で、久石譲によるシンセサイザーアレンジがバックに使われている。

(VHS)
1988年7月21日 CD発売 N32C-701
1988年7月21日 LP発売 N28U-701
1988年7月21日 CT発売 N28T-701
1992年11月21日 CD発売 NACL-1504
2000年12月6日 CD発売 WRCT-1001
数々の映画音楽をピアノソロ用にアレンジした
ピアノ・ソロアルバム、そのシリーズ第1作であり代表作
砂は湿り、水も冷たい。かもめが波しぶきの間をあてもなく飛び交う。
上昇、下降をくり返す。5:00am夏の日の浜辺。
ピアノ・ストーリーズについて
「Piano Stories」というアルバムは、日頃シンセサイザーを使用する仕事の多い僕が、一度原点に戻りたいということで制作したアルバムです。それがピアノソロだったわけで、まず虚飾を取り去り、表現をシンプルにする。そしてそれを如何に一枚のアルバムとして構成するか……それが、この作品の鍵となっていたわけです。
僕の音楽というのは、言ってみれば鏡のようなものです。
情緒や感性だけに流されずに表現したい……それはどんな作品でも必ず自分が心がけていることです。虚飾を取り去ったぎりぎりの音に出会った時、聴く人は自分のその時の状況、心境、その他いろいろな思い入れをそこに投影させることが出来る。しかし、逆に作家が思い入れを激しくすると、聴き手にその気持ちを限定してしまうということが起こるわけです。
このアルバムに関してもそれが言えて、ともするとメロディーに感情を込め過ぎて流されるところを、例えば左手の伴奏ひとつにしても出来るだけ表現をシンプルにして、右手で歌う。そういうシンプルさを心がけることによって、通常のピアノアルバムとは違った世界が作れるのではないかと考えたのです。
レコーディングには約3年程かかりました。1986年秋、ロンドンのサームウェストスタジオで、Resphoina、Lady of Spring、Green Requiem、そしてInnocentの4曲をベーゼンドルファーのピアノで、残りの曲はその後1988年1月、東京でスタインウェイのピアノで録音することが出来ました。
演奏方法は、かなりラフなスケッチを用意して、スタジオに入ってから即興的に演奏をしながら録音を進めていきました。それで出来るだけ自然に聴こえるように心がけたのです。
この楽譜を演奏するにあたって、特別に注意する点はありません。むしろ、音をひとつひとつ大切に、味わうように弾いて頂ければ曲の良さは出ると思います。ただ多少くせがあるのは、通常のクラシックのように3度とか6度などの指の配置からできているのではなく、比較的4度関係の音程が出てくるので、その点を心がけてもらえれば、僕が好んで出す響きについて、とてもわかりやすくなると思います。
ピアノという楽器は大変素晴らしい楽器で、たった一人のオーケストラと言われているように表現力が豊かです。これからも「Piano Stories 2」「Piano Stories 3」と、どんどん発展させていけたら、と思っています。そして皆さんに、それを一部でも弾いていただければ幸せです。
1989年1月 久石譲
(「Piano Stories -オリジナル・エディション」楽譜より 寄稿文)
「実は、僕の『Piano Stories』(1988年)を聞いて、タッチにマル・ウォルドロンと共通するものがあると指摘した友人が少なくなかった。いわれてみると、そうかもしれない。マルの曲はずいぶんコピーして弾いたことがあるからだ。たとえば、『レフト・アローン』の全曲、「オール・アローン」、ビリー・ホリデイに捧げたいくつかの曲だ。もちろん、アドリブのパートも含めてだ。だから、いつもまにか、マル風のピアノの弾き方が身に付いてしまっているのにちがいない。」
(書籍「I am 遙かなる音楽の道へ」 より 抜粋)
-この『ピアノ・ストーリーズ』というタイトルの由来は。
久石:
「映画のテーマを集めてはいるんですけど、その映画を見た人がああこの音楽はあの映画で見た時が懐かしかったね、と思うために作っているのではなくて、逆に映画で扱われた事を全然無視して、聞いた人が新たにストーリーを再構成するといいますか、新たに架空のサウンド・トラックみたいな感じでとらえて欲しい、ということで『Piano Stories』としたんです。」
(Blog. 「キネマ旬報 1988年8月下旬号 No.991」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)
2000年12月6日 リマスター盤CD発売
ジャケットをオリジナルデザインに完全復刻。
さらに音源もリマスターを加え、久石譲の原点が最新技術によりここに甦る。
銘器スタインウェイとベーゼンドルファーが深い陰影を刻む久石譲のピアノソロ。
RECORDING:1986.11~1988.1
Things left behind time
誰にも、過ぎ去った時の彼方に置き忘れてきたものがある。
それは心の奥深くに沈澱して、振り返られる時を静かに待ちつづけている。
久石譲の音楽は、心理時間と心理空間を共振させる重力場だ。
そこではもはや時間と空間は意識を失う。その重力場に足を踏み入れた者は出会うだろう。
忘れかけていたもの、忘れていたはずのものと。
「メロディこそが、送り手と聴き手の橋渡しになってくれるんです。どんなに複雑なアレンジの曲でも、しっかりしたメロディがあれば、それは人の心に残る。それはメロディが、時間軸と空間軸上の記憶回路だからなんですね。だから今はしっかりしたメロディを作ることを根本にしています。いいメロディさえあれば、バックがたとえどんなにアバンギャルドであっても許されると思うんです」(久石譲/1989年)
(デジタルリマスター盤 CDライナーノーツより)

Prologue:
1. A Summer’s Day [サマーズ・デイ]
Act 1:
2. Resphoina [レスフィーナ] (映画「アリオン」より)
3. W Nocturne [Wの悲劇] (映画「Wの悲劇」より)
Act 2:
4. Lady of Spring [早春物語] (映画「早春物語」より)
5. The Wind Forest [風のとおり道] (映画「となりのトトロ」より)
6. Dreamy Child [ドリーミー・チャイルド]
Act 3:
7. Green Requiem [グリーン・レクイエム] (映画「グリーン・レクイエム」より)
8. The Twilight Shore [砂丘] (映画「恋人たちの時刻より)
Act 4:
9. Innocent [空から降ってきた少女] (映画「天空の城ラピュタ」より)
10. Fantasia (for Nausicaä) [風の伝説] (映画「風の谷のナウシカ」より)
Epilogue:
11. A Summer’s Day [サマーズ・デイ]
Produced by JOE HISAISHI
All songs Composed and Arranged by JOE HISAISHI
Recorded at:
Sarm West Studio London
Hitokuchizaka Studio Tokyo
Taihei Studio Tokyo
Wonder Station Tokyo
Recorded on November 1986 ~ January 1988
1988年6月25日 CD発売 32ATC-167
1988年6月25日 LP発売 25AGL-3060
1988年6月25日 CT発売 25AGC-2060
映画「風の谷のナウシカ」から映画「となりのトトロ」まで。本作品は徳間書店が手がけた映画4作品の主題歌・挿入歌など主要楽曲をコンパイルした作品である。歌曲が中心となった構成である。徳間書店制作という企画ゆえ、スタジオジブリ作品以外の「アリオン」も含まれている。

映画「風の谷のナウシカ」より
01. 風の谷のナウシカ / 安田成美
02. 王蟲との交流 (インストゥルメンタル)
03. 風の妖精 / 安田成美
映画「アリオン」より
04. ペガサスの少女 / 後藤恭子
映画「天空の城ラピュタ」より
05. もしも空を飛べたら / 小幡洋子
06. 合唱 君をのせて / 杉並児童合唱団
07. 君をのせて / 井上あずみ
映画「となりのトトロ」より
08. となりのトトロ / 井上あずみ
09. さんぽ / 井上あずみ
10. おかあさん / 井上あずみ
11. まいご / 井上あずみ
12. 風のとおり道 / 杉並児童合唱団
作曲:久石譲 (except. 1,3,4,5)
1988年6月21日 CD発売 N20C-6
1988年6月21日 LP発売 N20U-6
1988年6月21日 CT発売 N20T-11
2004年9月25日 CD発売 ABCA-5067
「王家の紋章」
原作:細川智栄子 音楽:久石譲
原作コミックをもとにイラスト・ストーリー・ビデオ(約45分)が制作され、その音楽を久石譲が担当した作品。
シンセサイザーを基調としたさまざまなサンプリングされた民族楽器がその世界観を表現している。メインテーマである(1)は、エジプトを舞台とした作品だけに、音色的にはオリエントだが、その旋律は久石譲ならではの壮大かつ美しいメロディになっている。他アニメーション作品の「アリオン」や「ヴィナス戦記」に通じる、芯があり心を揺さぶられる久石メロディである。
その他軽快なポップス調の(2)や、ピアノとフェアライトの旋律がからみあう(4)など、この時代の久石譲の旋律美や音色美を感じさせる作品である。
とりわけメインテーマは、フルオーケストレーションされた、壮大な生のオーケストラサウンドで聴いてみたい。

1. 王家の紋章 ~メイン・テーマ~
2. キャロル ~きらめく瞳の中に~
3. 王者 ~蒼き獅子たち~
4. 愛のテーマ ~はるかなる時空を超えて~
5. キャロル ~想い~黄金の乙女の夢~
ALL TITLES MUSIC & ARRANGEMENT BY JOE HISAISHI
1988年6月21日 CD発売 33CO-2302
1993年10月21日 CD発売 COYO-45
2002年6月21日 CD発売 COCO-70460
2010年8月18日 CD発売 COCO-73099
「自然との共生」というメッセージのもと藤原真理の幅広い音楽性をアピールしたヒット・シリーズ 、「風」の第1作。久石譲のトータル・プロデュースで名作「風の谷のナウシカ」の他、映画音楽、クラシックの名曲を藤原真理の豊かなチェロが奏でる。決してカヴァーという言葉では語れない新たな魅力を放つ楽曲に生まれ変わっている。
ほろびゆく自然をみつめて
名手 藤原真理が新境地を拓いた大ヒット・アルバム。
解説
藤原真理さんの《風シリーズ》は、「風」「風のメッセージ」「風のかたみ」の3部からなります。いずれも、自然をテーマとするクラシックやポピュラーの名曲をアレンジしたものを集めて収めていますが、藤原真理さんのチェロが奏でる音風景は、偉大なる自然の力と生命の尊さ、滅びゆく自然への讃歌、そして哀歌、さらに私たちの心に刻まれた喜びや哀しみ、といったすべてを包みこんで、さわやかな感動とともにはこんでくれます。
また、藤原真理さんが共感にみちた演奏で紡ぎだす個々の小品名曲が、深々とした大きな世界となって聴きての前に広がるときの感銘は、言葉では伝えきれないほどです。
太陽から三番目に近い惑星…ブルー・プラネットに、吹く風はとても不思議。青い空の下、高い波が砕けた防波堤のあいだを吹いていた透明な風が、今朝は、名も無い駅に咲くコスモスをそっと揺らしています。街中ではほとんど感じられなくなりましたが、緑のある風景のなかにいくと、風にもにおいがあり、色があることもわかります。季節の変わり目をまっさきに教えてくれるのも風。きのうまでと違う、きょうの風に、誰よりも早く気づいたとき、嬉しい発見に心がときめきます。
自然との共生をテーマにした藤原真理さんのアルバム「風」を初めて耳にしたときも、土や光や風といった自然の肌触りを感じ、心ときめくとともに、とてもやさしい気持ちになりました。過去から未来へと受け継ぐもの、受け継がれるものは、懐かしくも新しい、普遍の美しさにみちた永遠のメッセージ。私たちが人にも自然にもやさしくなれたとき、誰もがきっと自然のぬくもりを感じることができるでしょう。それを伝えるのも、風…。そんな気がしています。
横堀朱美
(解説 ~CDライナーノーツより)
【曲目メモ】
「風の谷のナウシカ」から5つのメロディー(組曲)/久石譲
「風の谷のナウシカ」は、1982年2月号から雑誌「アニメージュ」に連載された漫画原作をもとに1984年3月に公開された宮崎駿原作・脚本・監督による不朽の名作です。巨大産業文明が「火の七日間」とよばれる大戦で崩壊して1000年後、地上は死の森「腐海」に覆われ、かろうじて生き延びた人口500人の小さな王国「風の谷」の族長の娘ナウシカは、侵攻してきたトルメキア軍に父を殺され、自らも腐海に落下…。ひとりの少女の愛が奇跡を呼びます。音楽は久石譲が担当。ここで演奏される5つのメロディーは、映画で使用された楽曲と、サウンド・トラックに先行して発売されたイメージ・アルバムから選ばれています。
鳥の歌/カタロニア民謡
スペインのカタロニア地方は、バルセロナを中心に優れた芸術を育んできました。この地方から出た不世出のチェロの巨匠で、作曲家、パブロ・カザルス(1876~1973)の名前とともに忘れられないのが「鳥の歌」でしょう。故郷カタロニアの古いクリスマス・キャロルからカルザスが編曲して、国連総会の会場や、ホワイトハウス・コンサートで演奏・紹介して以来、平和を象徴する曲になりました。「カタロニアの鳥たちはピース、ピースと鳴きます」と、鳥の鳴き声とピース(平和)をあわせて語ったエピソードも有名です。
甘き春に/カルミナ11世紀
10世紀から13世紀頃、諸国を遍歴したゴリアードとよばれる学生や下級聖職者たちによってうたわれたラテン語の世俗歌集「カルミナ・ブラーナ」に含まれる1曲です。「カルミナ」とは「歌」のこと。自然と恋愛への讃歌「甘き春に」は11世紀の作。ネウマ符でメロディーが付されていました。
ウォーキング・イン・ジ・エア/ハワード・ブレイク ~アニメーション「スノーマン」より
少年の作ったゆきだるまが、真夜中に動きだして、少年とゆきだるまが楽しく遊びます。不思議な一夜の出来事、そして朝になって…。美しい詩情にみちたレイモンド・グリッグスによる絵本「ザ・スノーマン」がアニメーション化され、音楽はハワード・ブレイクが担当しました。1982年作。
緑の森を楽しく歩いた/マーラー
後期ロマン派の作曲家マーラー(1860~1911)の創作は、交響曲と歌曲に集中し、両者の楽想を緊密に融合させた音楽には、19世紀末の苦悩と永遠の平和と自然観がうたいこめられています。この曲は、3巻からなる歌曲集「若き日の歌」の第2巻に収められています。ドイツ古来の民謡詩集からとられた歌詞に、のびやかな美しさをもつメロディーがつけられています。
野生のエルザ/ジョン・バリー
1966年に公開されたジェームズ・ヒル監督の映画「野生のエルザ」は、ケニアの草原に生まれた野生のライオン、エルザと、狩猟家アダムソン夫婦との心あたたまる交流の物語。原作はJ.アダムソンの同名ノンフィクションです。映画音楽を担当したジョン・バリーは、ご存知『007』シリーズはじめ多数の作品を手がけています。マット・モンローの美声で一世を風靡した主題曲「ボーン・フリー」は、アカデミー作曲賞、主題歌賞を受賞。
グリーン・レクイエム/久石譲 ~映画「グリーン・レクイエム」より
新井素子の人気作であり出世作である小説「グリーン・レクイエム」をもとに、1985年に今関あきよし監督が映画化したSFファンタジー。1988年に公開。物語は、国立植物学研究所の研究員、嶋村信彦と、緑の髪の少女、光合成する異星人を中心に展開します…。音楽は久石譲が手がけています。
空と太陽と海/フランソワ・ドゥゲルト
1965年にフランソワ・ドュゲルトのオリジナル・ソングとしてフランスで人気を集めた曲です。南欧の、輝く太陽と青い空と美しく広がる海のもとでの風情と、自然のなかでの解放感がうたわれています。
ラルゴ~協奏曲集『四季』の「冬」より/ヴィヴァルディ
4つのヴァイオリン協奏曲からなる『四季』は、四季折々の自然と人々の表情を描写した標題音楽で、イタリア・バロック最大の作曲家ヴィヴァルディ(1678~1741)の代表作です。「冬」の第2楽章にあたるこのラルゴでは、暖炉のかたわらでのおだやかでやすらかな憩いが描かれています。全曲を通じてもっとも詩的で美しい楽章です。
(曲目メモ ~ 2002年発売CD ライナーノーツより)
2010年8月18日発売 Blu-spec CD
コロムビア創立100周年記念「DENON CLASSICS BEST 100」 シリーズとして高音質ブルースペックCD仕様にて再リリースされてる。(それまでにも幾度か再発盤がある)

《風の谷のナウシカ》から5つのメロディー 〈組曲〉 (久石譲)
1. I-風の伝説
2. II-はるかな地へ
3. III-レクイエム
4. IV-遠い日々
5. V-谷への道
6. 鳥の歌 (カタロニア民謡)
7. 甘き春に (カルミナ11世紀)
8. ウォーキング・イン・ジ・エア (ハワード・ブレイク) ~アニメーション『スノーマン』より
9. 緑の森を楽しく歩いた (マーラー)
10. 野生のエルザ (ジョン・バリー)
11. グリーン・レクイエム (久石譲) ~映画『グリーン・レクイエム』より
12. 空と太陽と海 (フランソワ・ドュゲルト)
13. ラルゴ (ヴィヴァルディ) ~協奏曲集『四季』~「冬」より
藤原真理 (チェロ)
秦はるみ (ピアノ) 1~6, 9
久石譲 (シンセサイザー) 6, 8~13
プロデュース・編曲:久石譲
録音:1987年6月~1988年4月 日本コロムビア第1スタジオ、ワンダー・ステーション
1988年5月1日 CD発売 32ATC-165
1988年5月1日 LP発売 25AGL-3058
1988年5月1日 CT発売 25AGC-2058
1996年11月21日 CD発売 TKCA-71026
2004年8月25日 CD発売 TKCA-72725
2018年11月3日 LP発売 TJJA-10015
1988年公開 スタジオジブリ作品 映画「となりのトトロ」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲
映画で使用されたBGMを収録したサントラ盤。「ナウシカ」「ラピュタ」とはひと味違った、ほのぼのとした温かさをもつ久石の音楽が心ゆくまで楽しめる。オープニング主題歌「さんぽ」、エンディング主題歌「となりのトトロ」収録。録音は1988年2~3月。
LPと同時発売されたCDのジャケットは、絵柄は同じだがデザインが多少異なっている。 ※下部ジャケット写真はCDデザイン
宮崎作品はぼくの修行の場
-久石さんは10代から20代にかけては超前衛の現代音楽に属していたしたとお聞きしましたが。
久石 「10代の頃にミニマル・ミュージックを始めてね、テリー=ライリーとか、フィリップ=グラスとか、スティーブ=ライヒとか、それにシュトックハウゼンとか、ジョン=ケージとか、ほとんど現代音楽の人から影響を受けていました。あと学生時代は、勉強として、日本の人でいうと、武満徹さんや三善晃さんであったり──そういう人たちの譜面の分析とかをやっていましたから。」
-もともとはクラシックから出発されたんですね。
久石 「そうですね。もっと最初から言うと、4歳の時からヴァイオリンをやっていた蓄積になっちゃうんでしょうね。クラシックって短期間に身につけようとしても、なかなかむずかしいんです。例えば、ピアニストにしても、みんな4歳や5歳の頃からレッスンを始めているでしょ。ヴァイオリンもそうだし。そうして、ずっとやっていても、なかなか芽の出ない世界ですから(笑)。わりと時間がかかる世界なんですよ。」
-それとは逆に、映画音楽はいかに時間をかけずに仕上げるかが勝負なんじゃないかと思うんですけど。
久石 「あ、それは分かります。ただぼくの場合は吉野家の牛丼みたいな、”早い、安い、うまい”仕事は一切断る。つまり1日で音楽を収録してしまうような仕事はやらずに、フェアライト(生の弦音やヴォーカルを加工して使うコンピューターによるサンプリング・キーボード)など、いろんな機械を使いますから、そのための時間がすごくかかるんですよ。当然それに付随して、費用もかかるし、スタジオにも何日間かカンヅメにならなくちゃいけない。それで最後の仕上げにフルオーケストラも使うから、大変なんですよ。
ただ20代のかけ出しの頃は、そんな仕事なんて来ないし、それこそ、3日で70曲近く書くような仕事もやりましたから、早く書くこと自体は、そんなに問題じゃないんですが、あんまり”早い、安い、うまい”仕事ばかりやっていくと、どんどん状況が悪くなっていきますから。だから、例えば、制作期間に2週間、それに、その期間を支えるだけの予算、そういう条件をクリアできない仕事は、今、全部お断りしている状況なんです。」
-宮崎さんの映画の場合、イメージアルバムから、ひっくるめると、相当な時間が……。
久石 「かかりますよ。もう……大変ですね(笑)。ただ、宮崎さんの仕事は内容的にも非常に素晴らしいものだし、共感できますから、ぼくはとても大切にしているし。宮崎さんの映画をやる場合は、それを優先的にしてスケジュールを空けて、そこからやるしかないと思ってます。」
直感的に入ってゆきたい「トトロ」の世界
-前回の「天空の城ラピュタ」は、アイルランド民謡を頭において作曲されたそうですが、「となりのトトロ」で、ベースに考えていらっしゃるのは、どんな音楽ですか?
久石 「いやぁ……。むずかしいんですよね。実は「ラピュタ」をやる時は、すごく悩んだんです。あの映画にある、愛と夢と冒険というのは、ぼくとは全然相容れないから(笑)。どちらかというと、ぼくは不純だからね。例えば、マイナーのアダルトなメロディを書く方が楽なんですよ。ところが、メロディ自体が非常に夢を持っていて、優しくて包容力があるものとなると、すごくむずかしいんです。制作中は、えらい騒ぎだった。困ったなと思っていたら、今度はもっと可愛らしい話になって(笑)、「うわぁ、どうしよう」というのが正直な話。しかも「となりのトトロ」のイメージアルバムを作りながら同時進行していたのがセゾン劇場(東京銀座)で上演した、沢田研二さんや役所広司さん出演の「楽劇ANZUCHI」の音楽。かたや、えらくおどろおどろしい悪魔の世界ですからね。それと、あの清純な世界が同時進行していたんだから、ちょっと気が狂いそうだった(笑)。でも、それはある意味で試練であるわけです。」
-ラッシュはご覧になったんですか?
久石 「部分ごとにできたものを、全然脈略なしにつないだフィルムを、先日一度観せていただきました。」
-かなり、手がかりに?
久石 「なりましたね。やはり、また素晴らしい作品になりそう。かなりメロディラインを重要視して、何かとっかかりができるんじゃないだろうかって気がしたんです。いわゆるストーリーらしいストーリーの展開をしていないでしょう。」
-そうですね。「ナウシカ」や「ラピュラ」は、物語のメリハリで見せるというか、緩急自在な展開の映画でしたからね。
久石 「そう。ハッキリと、ストーリーがあったでしょう。でも今度は、田舎の一日というか、ちょっとしたシークエンスが、つながっていく種類のもので、ストーリーが大きく展開するものじゃないからね。その分だけ、こちらも従来のやり方とは、スタンスを変えなきゃいけないという気がするんですよ。まだ具体的には言えないけど、非常に直感的に今回は仕事に入りたいなという気がしてるんです。」
-3本続けて組まれてみて、宮崎さんの映画作りについての印象を。
久石 「宮崎さんは、生きる姿勢というものと、アニメーションを通して表現していくこととが、全部一致してるんですね。映画のための映画、アニメのためのアニメではなくて、自分が生きるという姿勢の中に、ちゃんとアニメーション──アニメーションじゃなくてもいいんですけど、そういう自分の創造物がありますから。非常に姿勢が明確というか、個人的にすごく尊敬しています。
仕事自体は中途半端なことはできないから、メチャクチャ苦しいんですよ。ただ、それをやることによって、こちらも一回りも二回りも大きくなれる。試練の場でもあるし、修行の場でもある。と同時に、自分のアイデンティティを確認できる場でもあるから、とても大切にしています。
ぼくらの場合は、年間にかなりの量の仕事をこなしますでしょう。すると、その中にはビジネスのための仕事があったり、いろいろあるわけですよ。だけど、その中でやっぱり、自分がこれは、という仕事って、年間に何本かあるんです。宮崎さんの映画は、その中でも、ぼくにとっては、特に一番大きな仕事ですね。」
●’88年4月号「月刊アニメージュ」の「野村正昭のジブリ制作レポート・音楽監督から見た〈トトロ〉&〈火垂るの墓〉」より転載。
(CDライナーノーツより)
解説
88年4月16日より全国東宝系で公開された宮崎駿監督のアニメ映画「となりのトトロ」。監督の前作「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」に引き続き、音楽を担当したのは久石譲氏。
物語の舞台は昭和30年代の自然と四季の美しい日本、とある田舎に越してきた、小学校6年のサツキと5歳のメイのふたりの女の子と、昔からそこに住むオバケ達(トトロ)との心暖まるふれあいが、日常のエピソードを積み重ねながら、のどかに描かれる。
音楽の制作にあたって、まず10曲のイメージソングが制作された。(イメージソング集として87年11月25日LP、CD、TAPE 発売) これをもとにした宮崎駿監督と久石譲氏、録音演出の斯波重治氏らのディスカッションののち2月25日から3月26日まで、東京・六本木のワンダーステーションスタジオ、にっかつスタジオセンターにおいて録音された。
このアルバムでは映画に使用された曲のほか、メロディが使用されているイメージ曲から「まいご」「風のとおり道(インストゥルメンタル)」の2曲を、リミックス(楽器の音のバランスを変えること)した上で収録した。「さんぽ(合唱入り)」もこのアルバムのために楽器を追加、リミックスしたもの。なお、「メイとすすわたり」「メイがいない」の前半部分、「オバケやしき!」「ずぶぬれオバケ」の後半部分は、映画では演出のため使用されていないが、このアルバムでは完全に収録している。
「ナウシカ」「ラピュタ」とはひと味違ったほのぼのとした暖かさをもつ久石譲氏の音楽を、心ゆくまでお楽しみいただきたい。
(解説 ~CDライナーノーツより)
「それはこういう物語のあり方とも関わってくるんだけれど、この作品は中編でしょう? ちょっといい方が難しいけれど、普通のオーケストラだけの曲を書くと、ごくあたりまえの幼児映画になってしまうんですよ。だから『トトロのテーマ』はミニマル・ミュージック的な、ちょっとエスニックなふんい気を持たせています。子どもたちが家の中を駆けまわるシーンでは、メロディー自体がリズミックな感じの曲にして、リズム感を出したり。そういうことはかなり意識的にやったし、BGMの曲数もかなり多く作りましたしね、あとで抜いてもいいようにと思って。
エスニックなものと普通のオーケストラの曲を両方使うということでは『ナウシカ』以来一貫しているんですよ。ただ今回は、『さんぽ』 『となりのトトロ』という歌をメインテーマにして、僕らが”裏テーマ”と呼んでいた『風のとおり道』を木の出てくるシーンに使った。そのへんの構造がうまくいったのでよかったんじゃないかな」
「そうですね。それと、一ヵ所ね、三分五十秒ぐらいの曲をオケでやった部分があります。それは、メイがオタマジャクシをみつけて、それから小トトロを発見して、不思議な森の迷路をぬけて、トトロに出会うというシーンなんだけど、この間、五十何ヵ所か、絵とタイミングをピッタリ合わせるという離れ技をやったんです。ゼロコンマ何秒かというタイミングでキッカケ出して。単純になっちゃいけないからというので、倍速にしてリズムをきざんだりとか、いままでのなかでいちばん時間かかったんじゃないですかね。ただ、ダビングの音量レベルが低かったみたい。だからスクリーンで見てもバシッと決まる音が小さいから、いまひとつしまらないというか……」
(Blog. 久石譲 「となりのトトロ」 インタビュー ロマンアルバムより 抜粋)
「となりのトトロ」は、映画に先駆けて制作されるイメージアルバムのデモ作りから参加させてもらいました。主題歌はわたしが歌うことになっていたのですが、当初「さんぽ」は杉並児童合唱団が歌うことになっていました。でも、「井上あずみの声が入った方がしんがあっていいのでは」とうことになり、児童合唱団用に歌ったわたしのデモがそのまま映画に使われたんです。こんな経験は後にも先にもこの一曲だけです。その曲が、20年たった今でも子どもたちが歌ってくれるわたしの代表曲になったのですから、出会いや縁は大切なものだなってつくづく思いましたね。
(Blog. 「別冊カドカワ 総力特集 崖の上のポニョ featuring スタジオジブリ」(2008) 久石譲インタビュー内容 より抜粋)
音楽と声の出演について
宮崎監督はこの映画に使われる歌について、当初からはっきりとした意向を持っていた。前述の企画書には、「追記 音楽について」として次のように書かれている。
「この作品には二つの歌が必要です。オープニングにふさわしい快活でシンプルな歌と、口ずさめる心にしみる歌の二つです。(中略) せいいっぱい口を開き、声を張りあげて歌える歌こそ、子供達が望んでいる歌です。快活に合唱できる歌こそ、この映画にふさわしいと思います。(後略)」
音楽は『ナウシカ』『ラピュタ』に引き続き、今回も久石譲に決定。そして、これまでの二作と同様に、まずイメージアルバムが作られることになった。映画に実際に使うサントラの音楽を制作する前に、イメージを膨らまし具体化するために生み出される様々な曲をアルバム化したものがイメージアルバムだが、今回は宮崎のこうした意向を受けて、イメージアルバムは歌集として制作されることに。そして歌詞を児童文学作家の中川李枝子に依頼することになった。中川の『いやいやえん』を読んで大きな衝撃を受け、以来ファンとなった宮崎たっての希望であり、中川はこれを承諾。最終的にアルバムは中川作詞の六曲、宮崎他の作詞による四曲のボーカル曲全十曲とインストゥルメンタル一曲の全十一曲の「イメージ・ソング集」として完成した。その中から中川作詞の「さんぽ」が映画のオープニングに、宮崎作詞の「となりのトトロ」がエンディングに使用され、いずれも子供達に広く歌われるスタンダードナンバーとなった。特に「さんぽ」は全国の保育園・幼稚園ではほぼ必ず歌われる歌となり、日本で生まれ育った現在二十歳以下のほとんどすべての人が、この歌を歌ったことがあるのではないだろうか。
サントラ音楽は、久石得意のミニマル・ミュージックの要素を随所に取り入れて制作され、いたずらに神秘的ではなく、不思議でありながら親しみもあるという感じをうまく醸し出し、映画の世界に見事にマッチしていた。また、イメージソング集に入っていたインスト曲の「風のとおり道」はBGMとして劇中のいくつかの場面で使用され、『トトロ』のいわばもう一つのテーマ曲として大変強い印象を残した。なお、前二作は高畑監督がプロデューサーとして音楽の打ち合わせも行ってきたが、『トトロ』は宮崎監督が前面に出て久石と打ち合わせを行った初の作品でもある。
(ジブリの教科書 3 となりのトトロ より抜粋)
宮崎:
「(中略) 久石さんと話してて、音楽のことなんかも随分悩んだけど、つまり神秘性をやたら強調しちゃうと違うしね。かといって、ムジナが隣に出てきましたっていうふうに、やたら親近感を持って作っちゃうと、これも違う。だから、久石さんのミニマル・ミュージックの無性格な感じが、あれが一番よかったですね。あれよりもっと神秘的になっちゃうと、神秘になっちゃうし、どっかで聞いたような音が入ったりして、そこら辺がわかってるけどちょっと違うっていう、そういう感じがちょうどよかったんじゃないかなと思うんです。
不思議だったのは、サツキの横に現われて立っている時にかかってる音楽はね、一回できた音楽を──七拍子の基調のリズムがあるのを──それがずーっと入ってたのを少し多すぎるから抜いてくれっていったんですよ。
それで、一回ごとに久石さんがミキシングの中で抜いたんですよ。”一、二、三、四、五、六、七。フッ”と数を数えて抜いてね。また数を数えて入れたり。そしたら、とてもよくなったんです。それを映画にひょいとあてたらぴったり合ってたんです。不思議なくらいにうまく合っちゃったんです。
サツキが見上げる時にはリズムがなくて、トトロが出てくるとそのリズムがガガンとかかってね。まあ、こんなことも世の中あるんだなって思いました(笑)。あそこの音楽はよかったですねえ。邪魔しないで、性格を決めないで、なおかつ妙な、不思議な感じが出てきて、でもやたらに不思議じゃなくて、妙に親しくて……音つけて、音楽つけて、あのシーンは本当によくなりました。
音楽の制作に関しては、久石さんもずいぶん悩んでましたね。つまり、明るくしなくてはいけないんだと彼は思ってたわけです。でも、明るくしなくてもいいんだってことが、僕自身もはっきりいいきれたのは、映画が終わってからです。途中では、久石さんにはそんなに明るくする必要はない、アッケラカンと音楽を全部につけちゃうとよくないといって、やり直した所もあります。しまった、音楽は僕がもう少し歌舞音曲にくわしければ、こんなことにはならなかったと思う箇所がいくつかあります。音楽というのは、本当にあててみないとわからないというところがあるんですねえ」(後略)
(ジブリの教科書 3 となりのトトロ より)
(Blog. 久石譲 「となりのトトロ」 インタビュー ロマンアルバムより 抜粋)
鈴木:
ぼく、忘れもしないのがね、トトロとサツキとメイが、雨のバス停で出会うシーン。あそこは、すごい大事なシーンでしょ。なのに、宮さんは久石さんに言ってるんですよ、「音楽はいらない」って。でね、しょうがないんで、宮さんには内緒で、『火垂る』を作ってる高畑さんに相談に行ったんです(笑)。そしたら、高畑さんって決断が早いから、「いや、あそこは、音楽があったほうがいいですよ」って。「ミニマルでいくべきだ。久石さんだから、絶対できる」って言った。
久石:
だから、いわゆるメロディーでいくんじゃなくて、ミニマル・ミュージック的な……
鈴木:
そう。で、曲ができました。で、宮さんっていう人は面白いんですよ。聴いた瞬間、「これはいい曲だ!」って(笑)。「あそこは音楽いらない」って言ったのは、かけらも覚えてないわけ。
一同:
あははは(笑)。
鈴木:
とにかく、あの映画の一番のポイントはね、バス停でのトトロとの出会い。子供は、それを信じてくれますよ。だけど、大人が果たして信じてくれるのか。それを、あの曲によって実現した、とぼくは思ってるんですよ。大人も、トトロの存在を信じることができた。そういう意味でね、あの音楽は、本当に大事な曲だったと思います。
鈴木:
いや、だからね、さっきの、バス停での出会い──やっぱりあそこに音楽がなかったら、あの映画がほんとに名作になったのかなって思う。そのぐらいの力を、音楽は持っている。トトロの存在を大人の観客に信じさせるためには、あの音楽は必須でしたね。
(Blog. 「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ 3」久石譲登場回(2008)「ジブリアニメとの25年」内容 より抜粋)
『トトロ』のオープニング原画はもともと久石譲のイメージアルバム主題歌を元に描かれている。イントロが太鼓とシンバルだけの曲。ところが原画が上がる頃にバグパイプの入った曲が届けられると、これを聴いた宮崎駿は一瞬で気に入って曲の変更を決めている。
from ふたりのトトロ 宮崎駿と『となりのトトロ』の時代/木原浩勝

(LPジャケット)
「となりのトトロ」/井上あずみ
1987年10月25日 EP発売 7AGS-12

(EPジャケット)
1.となりのトトロ
2.君をのせて
「となりのトトロ」/井上あずみ
1988年3月25日 EP発売 7AGS-14
1988年3月25日 CDS発売 10ATC-163

(EPジャケット)
1.となりのトトロ
2.さんぽ

(CDSジャケット)
「となりのトトロ」CD MINI ALBUM
1988年8月25日 CDS発売 15ATC-170

(CDSジャケット)
1.さんぽ /井上あずみ
2.風のとおり道 /杉並児童合唱団
3.まいご /井上あずみ
4.となりのトトロ /井上あずみ
なお、2000年再発盤にはTrack.3,4に(カラオケ)が追加収録されている。
2000年4月26日 CDS発売 TKDA-71926


(CDSジャケット/ CDS盤)
1.となりのトトロ
2.さんぽ
3.となりのトトロ(カラオケ)
4.さんぽ(カラオケ)
2004年にはマキシシングルとして再発売されている。
2004年10月27日発売 CDS発売 TKCA-72756



(CDSジャケット / CDS盤)
1.となりのトトロ
2.さんぽ
3.となりのトトロ(カラオケ)
4.さんぽ(カラオケ)
なお、同主題歌をふくめたジブリ映画歌曲集やカラオケ版収録CDも発売されている。

1. さんぽ -オープニング主題歌-
2. 五月の村
3. オバケやしき!
4. メイとすすわたり
5. 夕暮れの風
6. こわくない
7. おみまいにいこう
8. おかあさん
9. 小さなオバケ
10. トトロ
11. 塚森の大樹
12. まいご
13. 風のとおり道 (インストゥルメンタル)
14. ずぶぬれオバケ
15. 月夜の飛行
16. メイがいない
17. ねこバス
18. よかったね
19. となりのトトロ -エンディング主題歌-
20. さんぽ (合唱つき)
歌唱:井上あずみ、杉並児童合唱団
作曲:久石譲
作詞:中川李枝子、宮崎駿
編曲:
久石譲
平部やよい (2、10後半、15後半、4、5、6)
武市昌久 (20)
プロデューサー:久石譲
スタジオ:ワンダーステーション、にっかつスタジオセンター
My Neighbor Totoro (Original Soundtrack)
1.Hey Let’s Go – Opening Theme Song
2.The Village in May
3.A Haunted House!
4.Mei and the Dust Bunnies
5.Evening Wind
6.Not Afraid
7.Let’s Go to the Hospital
8.Mother
9.A Little Monster
10.Totoro
11.A Huge Tree in the Tsukamori Forest
12.A Lost Child
13.The Path of the Wind (Instrumental)
14.A Soaking Wet Monster
15.Moonlight Flight
16.Mei is Missing
17.Cat Bus
18.I’m So Glad
19.My Neighbor Totoro – Ending Theme Song
20.Hey Let’s Go – With Chorus
Mon Voisin Totoro
(France, 1999) LBS A99011-2
1.La ballade / Thème d’ouverture
2.Le village au mois de mai
3.La maison hantée
4.Mei et les boules de suie
5.Le vent du matin
6.Même pas peur
7.Allons à l’hôpital
8.Maman
9.Le petit monstre
10.Totoro
11L’arbre de la forêt de Tukamori
12L’enfant perdu
13.Le chemin du vent
14.Le monstre tout mouillé
15.L’envol au clair de lune
16.Mei a disparu
17.Nekobus
18.Je suis triste
이웃집 토토로 Original Soundtrack
(South Korea, 2004) PCKD-20166
1.산책 (오프닝 테마송)
2.오월의 마을
3.도깨비집!
4.메이와 숯검댕이
5.해질 무렵의 바람
6.무섭지 않아
7.문병 가자
8.엄마
9.작은 도깨비
10.토토로
11.츠카모리의 큰 나무
12.미아
13.바람이 지나는 길 (Instrumental)
14.흠뻑 젖은 도깨비
15.달밤의 비행
16.메이가 없다
17.고양이 버스
18.다행이야
19.이웃집 토토로 (엔딩 테마송)
20.산책 (합창)
1988年3月16日 LP発売 C28A-0625
1988年3月16日 CT発売 28P-6783
1988年3月16日 CD発売 D32A-0351
中島みゆき15枚目のオリジナルアルバム。椎名和夫がアルバムプロデュースを手がけ、久石譲は「泥は降りしきる」「クレンジング クリーム」の2楽曲で編曲を担当している。なお両曲ともにシンセサイザーで参加している。

(LPジャケット)



(カセットテープ)

1.湾岸24時
作詞:中島みゆき 作曲・編曲:椎名和夫
2.御機嫌如何
作詞・作曲:中島みゆき 編曲:椎名和夫
3.土用波
作詞・作曲:中島みゆき 編曲:椎名和夫
4.泥は降りしきる
作詞・作曲:中島みゆき 編曲:久石譲
5.ミュージシャン
作詞・作曲:中島みゆき 編曲:椎名和夫
6.黄色い犬
作詞・作曲:中島みゆき 編曲:椎名和夫
7.仮面
作詞:中島みゆき 作曲:甲斐よしひろ 編曲:椎名和夫
8.クレンジング クリーム
作詞・作曲:中島みゆき 編曲:久石譲
9.ローリング
作詞・作曲:中島みゆき 編曲:椎名和夫