Disc. 藤井郁弥 『Mother’s Touch』

1988年12月7日 CDS発売 S10A-0224
1988年12月7日 EP発売 7A0934
1988年12月7日 CT発売 10P-13315

 

久石譲が「Mother’s Touch」」の編曲を担当している。

チェッカーズのメイン・ボーカルとして活動中にソロ歌手として最初に出したシングルである。また当時は本名の「藤井郁弥」名義としての発売だった。製薬会社「ライフィックス・胃腸薬」のコマーシャル・イメージソングとしてもタイアップされた。

 

 

Mother's Touch 藤井郁弥 LP 2

(EPジャケット)

 

 

Mother's Touch 藤井郁弥 CD 1

(CDジャケット)

 

 

Mother's Touch 藤井郁弥 カセット

(カセット)

 

1.Mother’s Touch
作詞:松本隆 作曲:宇崎竜童 編曲:久石譲
2.悲しきトリッキー・ガール
作詞:売野雅勇 作曲:森マカオ 編曲:入江純

 

Disc. 新井満 『尋ね人の時間』

新井満 尋ね人の時間

1988年12月5日 CD発売 30CH-339
2007年4月25日 CD発売 TECG-28005

 

秋川雅史が歌うあの「千の風になって」の日本語詞、作曲家。彼の芥川賞作品と共に発表された同名アルバム。編曲/サウンド・プロデュースを全曲久石譲が担当。二人が織り成す美しいコラボレーションが堪能できる1枚。

1988年小説「尋ね人の時間」で第99回芥川賞受賞。同年受賞作をベースとしたアルバム「尋ね人の時間」を発表。文学と音楽との境界線上に新しいジャンルを切り開く、歌う小説家(シンガー・ソングライター&ノベリスト)となる。

(メーカーインフォメーションより)

 

 

新井満 尋ね人の時間

1. 尋ね人の時間 -IN SEARCH FOR THE MISSING ONE-
2. レティシアの微笑
3. ずれ -OFF THE WALL-
4. パリソアールの女
5. 月の子供
6. 愛の翼
7. 夕陽海岸にて
8. さらば惑星
9. ラストワルツ

全編曲:久石譲 (収録中作曲は担当していない)

 

Disc. 久石譲 『The Passing Words』 *Unreleased

1988年 TV放送

 

TBS系 東芝日曜劇場
日本列島縦断スペシャル「伝言 メッセージ」

1988年11月20日 第1章 鳥は眠っていますか
1988年11月27日 第2章 風は呼んでいますか
1988年12月04日 第3章 土は泣いていますか
1988年12月11日 第4章 花は歌っていますか

 

1989年度JNNネットワーク協議会特別賞受賞作品。権利書を持ち主に返すため全国を歩く娘と中年男。30年間眠っていた土地の名義人は3人だった。日本列島縦断スペシャルとして放送された。「TBSを除く4局共同制作で4回シリーズ。1988年、青函トンネルが開通し、日本列島4島はすべて陸路で結ばれた。列島の北から南までの基幹局が揃って取り組めば、ユニークな企画ができるのではないか。脚本の市川森一と4局のプロデューサーが相談、列島を南北に縦断するストーリーができ上がった。北から南まで主人公(岩城滉一)が列島をさすらいながら、毎回4社がからむ複雑な構成。放送は1988年11月から12月にかけて4回。ちょうど「昭和」の最後の直前だった。

 

収蔵先:川崎市市民ミュージアム(神奈川県) にて視聴可能

 

 

久石譲がこのテレビドラマのテーマ曲を手がけている。オリジナルアルバム『I am』に収録の際にリアレンジしているため、TVオリジナル版は未音源化楽曲である。

印象的なピアノの旋律に、久石メロディを象徴するリズムパーカッションやシンセサイザー・バッキングを堪能することができる。「風のとおり道」(となりのトトロ)のあの感じといったらわかりやすいかもしれない。

 

 

 

 

Disc. 久石譲 『となりのトトロ サウンドブック』

久石譲 『となりのトトロ サウンドブック』

1988年9月25日 CD発売 32ATC-171
1988年9月25日 LP発売 25AGL-3062
1988年9月25日 CT発売 25AGC-2062
1996年11月21日 CD発売 TKCA-71027
2004年8月25日 CD発売 TKCA-72726
2018年11月3日 LP発売 TJJA-10016

 

1988年公開 スタジオジブリ作品 映画「となりのトトロ」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

映画公開後に、「トトロ」の楽曲をヴァイオリン、ギター、フルート等のアンサンブルで新録音した”音楽の絵本”。サントラとはまた違う、素朴で温かな味わいはいわば「トトロ・アンプラグド」の趣がある。久石譲プロデュース、LPとCDのジャケットは同一。

 

 

久石譲 『となりのトトロ サウンドブック』

1. 風のとおり道 ~Acoustic Version~
2. おかあさん
3. 五月の村
4. さんぽ
5. となりのトトロ
6. まいご
7. すすわたり
8. ねこバス
9. 小さな写真
10. 風のとおり道

演奏:
篠崎正嗣(バイオリン)
赤木りえ(フルート)
宮野弘紀(ギター)

作曲:久石譲

編曲:
宮野弘紀 (1)
大森俊之 (2,5,7,10)
篠田元一 (3,4,6,8,9)

 

My Neighbor Totoro Sound Book

1.The Path of the Wind (Acoustic Version)
2.Mother
3.The Village in May
4.Hey Let’s Go
5.My Neighbor Totoro
6.A Lost Child
7.The Dust Bunnies
8.Cat Bus
9.A Small Photo
10.The Path of the Wind

 

Disc. 久石譲 『Night City』

1988年8月21日 EP発売
1988年8月21日 CDS発売 N10C-701

 

久石譲作曲はもちろん本人歌唱による楽曲である。

1988年12月21日発売、オリジナル・ソロアルバム「illision」にて同2曲ともに収録されている。同バージョンである。

 

久石譲 Night City シングル

(CDジャケット)

 

1. Night City
2. L’ étranger

 

Disc. 久石譲 『グリーン・レクイエム』 *Unreleased

1988年8月20日 劇場公開日

 

1988年公開 映画「グリーン・レクイエム」
原作:新井素子 監督:今関よしあき 音楽:久石譲 出演:鳥居かおり 坂上忍 他

 

1985年映画化、諸事情により公開は3年後の1988年公開作品。

 

 

-話はかわりますが、久石さんが音楽を担当されたもので長い間お蔵になっていた「グリーン・レクイエム」が公開されますが、あの音楽についてはどうですか。

久石:
「あの作品は、結構イメージ・ビデオっぽかったんですよ、イメージ映画というか、一種のファンタジーだったんで、どう取り組もうか悩みまして、「卒業」のサイモン&ガーファンクルのような感じで歌を効果的に使っていこうとなったんです。いわゆる映画音楽的なインストもあるんですが、重要な部分はほとんど歌になるように仕上げました。因みにこの『グリーン・レクイエム』映画自体はとても冬っぽいものなんですけど、テーマは常夏のモルジブで思い浮かんだんですよ。でもうまく合いましたね。」

Blog. 「キネマ旬報 1988年8月下旬号 No.991」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

メイン・テーマ曲は「グリーン・レクイエム」。

オープニングでピアノ独奏にて流れるほか、本編中歌曲化されたヴォーカル・バージョンや、クライマックスのシンセサイザー・バージョンなどがある。エンドクレジットではピアノソロを基調に、バッグにシンセサイザーのコード伴奏(ストリングス系)が加わった、オープニングとも少し異なるバージョンが使用されている。

久石譲がこの映画のために書き下ろしたオリジナル歌曲は5楽曲。先の「グリーン・レクイエム」のボーカル版の他、「本当は帰りたくない」「ジェラシー・エフェクト」「どこかで見た風景」「戸惑いの扉」という楽曲である。どの楽曲も本編BGM的な扱いで随所に流れている。全5楽曲の作曲・編曲は久石譲である。エンドクレジットの文字からは字が潰れて読み取りにくいが、作詞には松井五郎他、歌には忍足敦子他、参加している。

インストゥルメンタルとしての本編音楽もいくつか書き下ろしているが、場面音楽として必要な数カ所のみで、あとは上記のメイン・テーマおよびそのバリエーションが主軸であり、その他歌曲5楽曲が登場する。

 

本作品における音楽ならびにサウンドトラックは発売されていない。

久石譲作品のなかではオリジナル・ソロアルバム『Piano Stories』に久石譲自身によるピアノ・ソロ作品として収録されている。映画冒頭でも同様のピアノソロ・バージョンではあるが、映画版はよりクラシカルでカデンツァ的な速いパッセージのあるピアノ奏法であり、少しバージョンが異なる。おそらく映画版の演奏はクラシックを専門としたピアニストであると思われる。

またチェリスト藤原真理の作品『藤原真理 『風 -Winds ~ナウシカの思い出に捧げる』にも収録されている。この作品は久石譲プロデュース・アルバムとなっている。こちらでは、チェロが旋律を奏で、久石譲によるシンセサイザーアレンジがバックに使われている。

 

 

久石譲 『piano stories』

 

 

グリーン・レクイエム VHS sc

(VHS)

 

Disc. 久石譲 『Piano Stories』

久石譲 『piano stories』

1988年7月21日 CD発売 N32C-701
1988年7月21日 LP発売 N28U-701
1988年7月21日 CT発売 N28T-701
1992年11月21日 CD発売 NACL-1504
2000年12月6日 CD発売 WRCT-1001

 

数々の映画音楽をピアノソロ用にアレンジした
ピアノ・ソロアルバム、そのシリーズ第1作であり代表作

砂は湿り、水も冷たい。かもめが波しぶきの間をあてもなく飛び交う。
上昇、下降をくり返す。5:00am夏の日の浜辺。

 

 

ピアノ・ストーリーズについて

「Piano Stories」というアルバムは、日頃シンセサイザーを使用する仕事の多い僕が、一度原点に戻りたいということで制作したアルバムです。それがピアノソロだったわけで、まず虚飾を取り去り、表現をシンプルにする。そしてそれを如何に一枚のアルバムとして構成するか……それが、この作品の鍵となっていたわけです。

僕の音楽というのは、言ってみれば鏡のようなものです。

情緒や感性だけに流されずに表現したい……それはどんな作品でも必ず自分が心がけていることです。虚飾を取り去ったぎりぎりの音に出会った時、聴く人は自分のその時の状況、心境、その他いろいろな思い入れをそこに投影させることが出来る。しかし、逆に作家が思い入れを激しくすると、聴き手にその気持ちを限定してしまうということが起こるわけです。

このアルバムに関してもそれが言えて、ともするとメロディーに感情を込め過ぎて流されるところを、例えば左手の伴奏ひとつにしても出来るだけ表現をシンプルにして、右手で歌う。そういうシンプルさを心がけることによって、通常のピアノアルバムとは違った世界が作れるのではないかと考えたのです。

レコーディングには約3年程かかりました。1986年秋、ロンドンのサームウェストスタジオで、Resphoina、Lady of Spring、Green Requiem、そしてInnocentの4曲をベーゼンドルファーのピアノで、残りの曲はその後1988年1月、東京でスタインウェイのピアノで録音することが出来ました。

演奏方法は、かなりラフなスケッチを用意して、スタジオに入ってから即興的に演奏をしながら録音を進めていきました。それで出来るだけ自然に聴こえるように心がけたのです。

この楽譜を演奏するにあたって、特別に注意する点はありません。むしろ、音をひとつひとつ大切に、味わうように弾いて頂ければ曲の良さは出ると思います。ただ多少くせがあるのは、通常のクラシックのように3度とか6度などの指の配置からできているのではなく、比較的4度関係の音程が出てくるので、その点を心がけてもらえれば、僕が好んで出す響きについて、とてもわかりやすくなると思います。

ピアノという楽器は大変素晴らしい楽器で、たった一人のオーケストラと言われているように表現力が豊かです。これからも「Piano Stories 2」「Piano Stories 3」と、どんどん発展させていけたら、と思っています。そして皆さんに、それを一部でも弾いていただければ幸せです。

1989年1月 久石譲

(「Piano Stories -オリジナル・エディション」楽譜より 寄稿文)

 

 

「実は、僕の『Piano Stories』(1988年)を聞いて、タッチにマル・ウォルドロンと共通するものがあると指摘した友人が少なくなかった。いわれてみると、そうかもしれない。マルの曲はずいぶんコピーして弾いたことがあるからだ。たとえば、『レフト・アローン』の全曲、「オール・アローン」、ビリー・ホリデイに捧げたいくつかの曲だ。もちろん、アドリブのパートも含めてだ。だから、いつもまにか、マル風のピアノの弾き方が身に付いてしまっているのにちがいない。」

(書籍「I am 遙かなる音楽の道へ」 より 抜粋)

 

 

-この『ピアノ・ストーリーズ』というタイトルの由来は。

久石:
「映画のテーマを集めてはいるんですけど、その映画を見た人がああこの音楽はあの映画で見た時が懐かしかったね、と思うために作っているのではなくて、逆に映画で扱われた事を全然無視して、聞いた人が新たにストーリーを再構成するといいますか、新たに架空のサウンド・トラックみたいな感じでとらえて欲しい、ということで『Piano Stories』としたんです。」

Blog. 「キネマ旬報 1988年8月下旬号 No.991」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

 

 

 

2000年12月6日 リマスター盤CD発売

ジャケットをオリジナルデザインに完全復刻。
さらに音源もリマスターを加え、久石譲の原点が最新技術によりここに甦る。

銘器スタインウェイとベーゼンドルファーが深い陰影を刻む久石譲のピアノソロ。
RECORDING:1986.11~1988.1

Things left behind time

誰にも、過ぎ去った時の彼方に置き忘れてきたものがある。
それは心の奥深くに沈澱して、振り返られる時を静かに待ちつづけている。
久石譲の音楽は、心理時間と心理空間を共振させる重力場だ。
そこではもはや時間と空間は意識を失う。その重力場に足を踏み入れた者は出会うだろう。
忘れかけていたもの、忘れていたはずのものと。

 

「メロディこそが、送り手と聴き手の橋渡しになってくれるんです。どんなに複雑なアレンジの曲でも、しっかりしたメロディがあれば、それは人の心に残る。それはメロディが、時間軸と空間軸上の記憶回路だからなんですね。だから今はしっかりしたメロディを作ることを根本にしています。いいメロディさえあれば、バックがたとえどんなにアバンギャルドであっても許されると思うんです」(久石譲/1989年)

(デジタルリマスター盤 CDライナーノーツより)

 

 

久石譲 『piano stories』

Prologue:
1. A Summer’s Day [サマーズ・デイ]
Act 1:
2. Resphoina [レスフィーナ] (映画「アリオン」より)
3. W Nocturne [Wの悲劇] (映画「Wの悲劇」より)
Act 2:
4. Lady of Spring [早春物語] (映画「早春物語」より)
5. The Wind Forest [風のとおり道] (映画「となりのトトロ」より)
6. Dreamy Child [ドリーミー・チャイルド]
Act 3:
7. Green Requiem [グリーン・レクイエム] (映画「グリーン・レクイエム」より)
8. The Twilight Shore [砂丘] (映画「恋人たちの時刻より)
Act 4:
9. Innocent [空から降ってきた少女] (映画「天空の城ラピュタ」より)
10. Fantasia (for Nausicaä) [風の伝説] (映画「風の谷のナウシカ」より)
Epilogue:
11. A Summer’s Day [サマーズ・デイ]

Produced by JOE HISAISHI

All songs Composed and Arranged by JOE HISAISHI

Recorded at:
Sarm West Studio London
Hitokuchizaka Studio Tokyo
Taihei Studio Tokyo
Wonder Station Tokyo

Recorded on November 1986 ~ January 1988

 

Disc. V.A. 『アニメ・ザ・ムービー』

1988年6月25日 CD発売 32ATC-167
1988年6月25日 LP発売 25AGL-3060
1988年6月25日 CT発売 25AGC-2060

 

映画「風の谷のナウシカ」から映画「となりのトトロ」まで。本作品は徳間書店が手がけた映画4作品の主題歌・挿入歌など主要楽曲をコンパイルした作品である。歌曲が中心となった構成である。徳間書店制作という企画ゆえ、スタジオジブリ作品以外の「アリオン」も含まれている。

 

 

アニメ・ザ・ムービー

映画「風の谷のナウシカ」より
01. 風の谷のナウシカ / 安田成美
02. 王蟲との交流 (インストゥルメンタル)
03. 風の妖精 / 安田成美

映画「アリオン」より
04. ペガサスの少女 / 後藤恭子

映画「天空の城ラピュタ」より
05. もしも空を飛べたら / 小幡洋子
06. 合唱 君をのせて / 杉並児童合唱団
07. 君をのせて / 井上あずみ

映画「となりのトトロ」より
08. となりのトトロ / 井上あずみ
09. さんぽ / 井上あずみ
10. おかあさん / 井上あずみ
11. まいご / 井上あずみ
12. 風のとおり道 / 杉並児童合唱団

作曲:久石譲 (except. 1,3,4,5)

 

Disc. 久石譲 『王家の紋章 イラスト・ストーリー・ビデオ・オリジナル・サウンドトラック』

久石譲 王家の紋章

1988年6月21日 CD発売 N20C-6
1988年6月21日 LP発売 N20U-6
1988年6月21日 CT発売 N20T-11
2004年9月25日 CD発売 ABCA-5067

 

「王家の紋章」
原作:細川智栄子 音楽:久石譲

 

原作コミックをもとにイラスト・ストーリー・ビデオ(約45分)が制作され、その音楽を久石譲が担当した作品。

シンセサイザーを基調としたさまざまなサンプリングされた民族楽器がその世界観を表現している。メインテーマである(1)は、エジプトを舞台とした作品だけに、音色的にはオリエントだが、その旋律は久石譲ならではの壮大かつ美しいメロディになっている。他アニメーション作品の「アリオン」や「ヴィナス戦記」に通じる、芯があり心を揺さぶられる久石メロディである。

その他軽快なポップス調の(2)や、ピアノとフェアライトの旋律がからみあう(4)など、この時代の久石譲の旋律美や音色美を感じさせる作品である。

とりわけメインテーマは、フルオーケストレーションされた、壮大な生のオーケストラサウンドで聴いてみたい。

 

 

久石譲 王家の紋章

1. 王家の紋章 ~メイン・テーマ~
2. キャロル ~きらめく瞳の中に~
3. 王者 ~蒼き獅子たち~
4. 愛のテーマ ~はるかなる時空を超えて~
5. キャロル ~想い~黄金の乙女の夢~

ALL TITLES MUSIC & ARRANGEMENT BY JOE HISAISHI

 

Disc. 藤原真理 『風 -Winds ~ナウシカの思い出に捧げる』

藤原真理 風 wind ナウシカの思い出に捧げる

1988年6月21日 CD発売 33CO-2302
1993年10月21日 CD発売 COYO-45
2002年6月21日 CD発売 COCO-70460
2010年8月18日 CD発売 COCO-73099

 

「自然との共生」というメッセージのもと藤原真理の幅広い音楽性をアピールしたヒット・シリーズ 、「風」の第1作。久石譲のトータル・プロデュースで名作「風の谷のナウシカ」の他、映画音楽、クラシックの名曲を藤原真理の豊かなチェロが奏でる。決してカヴァーという言葉では語れない新たな魅力を放つ楽曲に生まれ変わっている。

 

ほろびゆく自然をみつめて
名手 藤原真理が新境地を拓いた大ヒット・アルバム。

 

解説

藤原真理さんの《風シリーズ》は、「風」「風のメッセージ」「風のかたみ」の3部からなります。いずれも、自然をテーマとするクラシックやポピュラーの名曲をアレンジしたものを集めて収めていますが、藤原真理さんのチェロが奏でる音風景は、偉大なる自然の力と生命の尊さ、滅びゆく自然への讃歌、そして哀歌、さらに私たちの心に刻まれた喜びや哀しみ、といったすべてを包みこんで、さわやかな感動とともにはこんでくれます。

また、藤原真理さんが共感にみちた演奏で紡ぎだす個々の小品名曲が、深々とした大きな世界となって聴きての前に広がるときの感銘は、言葉では伝えきれないほどです。

太陽から三番目に近い惑星…ブルー・プラネットに、吹く風はとても不思議。青い空の下、高い波が砕けた防波堤のあいだを吹いていた透明な風が、今朝は、名も無い駅に咲くコスモスをそっと揺らしています。街中ではほとんど感じられなくなりましたが、緑のある風景のなかにいくと、風にもにおいがあり、色があることもわかります。季節の変わり目をまっさきに教えてくれるのも風。きのうまでと違う、きょうの風に、誰よりも早く気づいたとき、嬉しい発見に心がときめきます。

自然との共生をテーマにした藤原真理さんのアルバム「風」を初めて耳にしたときも、土や光や風といった自然の肌触りを感じ、心ときめくとともに、とてもやさしい気持ちになりました。過去から未来へと受け継ぐもの、受け継がれるものは、懐かしくも新しい、普遍の美しさにみちた永遠のメッセージ。私たちが人にも自然にもやさしくなれたとき、誰もがきっと自然のぬくもりを感じることができるでしょう。それを伝えるのも、風…。そんな気がしています。

横堀朱美

(解説 ~CDライナーノーツより)

 

 

【曲目メモ】

「風の谷のナウシカ」から5つのメロディー(組曲)/久石譲
「風の谷のナウシカ」は、1982年2月号から雑誌「アニメージュ」に連載された漫画原作をもとに1984年3月に公開された宮崎駿原作・脚本・監督による不朽の名作です。巨大産業文明が「火の七日間」とよばれる大戦で崩壊して1000年後、地上は死の森「腐海」に覆われ、かろうじて生き延びた人口500人の小さな王国「風の谷」の族長の娘ナウシカは、侵攻してきたトルメキア軍に父を殺され、自らも腐海に落下…。ひとりの少女の愛が奇跡を呼びます。音楽は久石譲が担当。ここで演奏される5つのメロディーは、映画で使用された楽曲と、サウンド・トラックに先行して発売されたイメージ・アルバムから選ばれています。

鳥の歌/カタロニア民謡
スペインのカタロニア地方は、バルセロナを中心に優れた芸術を育んできました。この地方から出た不世出のチェロの巨匠で、作曲家、パブロ・カザルス(1876~1973)の名前とともに忘れられないのが「鳥の歌」でしょう。故郷カタロニアの古いクリスマス・キャロルからカルザスが編曲して、国連総会の会場や、ホワイトハウス・コンサートで演奏・紹介して以来、平和を象徴する曲になりました。「カタロニアの鳥たちはピース、ピースと鳴きます」と、鳥の鳴き声とピース(平和)をあわせて語ったエピソードも有名です。

甘き春に/カルミナ11世紀
10世紀から13世紀頃、諸国を遍歴したゴリアードとよばれる学生や下級聖職者たちによってうたわれたラテン語の世俗歌集「カルミナ・ブラーナ」に含まれる1曲です。「カルミナ」とは「歌」のこと。自然と恋愛への讃歌「甘き春に」は11世紀の作。ネウマ符でメロディーが付されていました。

ウォーキング・イン・ジ・エア/ハワード・ブレイク ~アニメーション「スノーマン」より
少年の作ったゆきだるまが、真夜中に動きだして、少年とゆきだるまが楽しく遊びます。不思議な一夜の出来事、そして朝になって…。美しい詩情にみちたレイモンド・グリッグスによる絵本「ザ・スノーマン」がアニメーション化され、音楽はハワード・ブレイクが担当しました。1982年作。

緑の森を楽しく歩いた/マーラー
後期ロマン派の作曲家マーラー(1860~1911)の創作は、交響曲と歌曲に集中し、両者の楽想を緊密に融合させた音楽には、19世紀末の苦悩と永遠の平和と自然観がうたいこめられています。この曲は、3巻からなる歌曲集「若き日の歌」の第2巻に収められています。ドイツ古来の民謡詩集からとられた歌詞に、のびやかな美しさをもつメロディーがつけられています。

野生のエルザ/ジョン・バリー
1966年に公開されたジェームズ・ヒル監督の映画「野生のエルザ」は、ケニアの草原に生まれた野生のライオン、エルザと、狩猟家アダムソン夫婦との心あたたまる交流の物語。原作はJ.アダムソンの同名ノンフィクションです。映画音楽を担当したジョン・バリーは、ご存知『007』シリーズはじめ多数の作品を手がけています。マット・モンローの美声で一世を風靡した主題曲「ボーン・フリー」は、アカデミー作曲賞、主題歌賞を受賞。

グリーン・レクイエム/久石譲 ~映画「グリーン・レクイエム」より
新井素子の人気作であり出世作である小説「グリーン・レクイエム」をもとに、1985年に今関あきよし監督が映画化したSFファンタジー。1988年に公開。物語は、国立植物学研究所の研究員、嶋村信彦と、緑の髪の少女、光合成する異星人を中心に展開します…。音楽は久石譲が手がけています。

空と太陽と海/フランソワ・ドゥゲルト
1965年にフランソワ・ドュゲルトのオリジナル・ソングとしてフランスで人気を集めた曲です。南欧の、輝く太陽と青い空と美しく広がる海のもとでの風情と、自然のなかでの解放感がうたわれています。

ラルゴ~協奏曲集『四季』の「冬」より/ヴィヴァルディ
4つのヴァイオリン協奏曲からなる『四季』は、四季折々の自然と人々の表情を描写した標題音楽で、イタリア・バロック最大の作曲家ヴィヴァルディ(1678~1741)の代表作です。「冬」の第2楽章にあたるこのラルゴでは、暖炉のかたわらでのおだやかでやすらかな憩いが描かれています。全曲を通じてもっとも詩的で美しい楽章です。

(曲目メモ ~ 2002年発売CD ライナーノーツより)

 

 

2010年8月18日発売 Blu-spec CD
コロムビア創立100周年記念「DENON CLASSICS BEST 100」 シリーズとして高音質ブルースペックCD仕様にて再リリースされてる。(それまでにも幾度か再発盤がある)

 

 

藤原真理 風 wind ナウシカの思い出に捧げる

《風の谷のナウシカ》から5つのメロディー 〈組曲〉 (久石譲)
1. I-風の伝説
2. II-はるかな地へ
3. III-レクイエム
4. IV-遠い日々
5. V-谷への道

6. 鳥の歌 (カタロニア民謡)
7. 甘き春に (カルミナ11世紀)
8. ウォーキング・イン・ジ・エア (ハワード・ブレイク) ~アニメーション『スノーマン』より
9. 緑の森を楽しく歩いた (マーラー)
10. 野生のエルザ (ジョン・バリー)
11. グリーン・レクイエム (久石譲) ~映画『グリーン・レクイエム』より
12. 空と太陽と海 (フランソワ・ドュゲルト)
13. ラルゴ (ヴィヴァルディ) ~協奏曲集『四季』~「冬」より

藤原真理 (チェロ)
秦はるみ (ピアノ) 1~6, 9
久石譲 (シンセサイザー) 6, 8~13

プロデュース・編曲:久石譲

録音:1987年6月~1988年4月 日本コロムビア第1スタジオ、ワンダー・ステーション