Disc. 久石譲 『風の谷のナウシカ サウントドラック はるかな地へ…』

久石譲 『風の谷のナウシカ サウンドトラック』

1984年3月25日 LP発売 ANL-1020
1984年3月25日 CT発売 25AN-20
1984年6月25日 CD発売 35ATC-3
1993年7月21日 CD発売 TKCA-70133
2004年8月25日 CD発売 TKCA-72717
2018年11月3日 LP発売 TJJA-10009

 

1984年公開 スタジオジブリ作品 映画「風の谷のナウシカ」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

久石譲による、宮崎駿監督作品最初のサウンドトラック盤。イメージアルバム「鳥の人…」、シンフォニー「風の伝説」を基に新たに録音された映画用BGMを収録。収録は1984年2月。「ナウシカ・レクイエム」のヴォーカルは当時4歳の麻衣が担当している。

このアルバムも、CDについてはしばらく経ってから新ジャケットで発売された。 ※下部ジャケット写真はCDデザイン

 

 

美しい自然とナウシカ

美しい自然がまだ残っているから「自然を大切にしよう!」「自然破壊を食いとめよう!」と人々は声を大にして叫んでいる。美しい自然が完全に破壊されてしまったとき、人々は何と叫ぶのか?

映画「風の谷のナウシカ」で宮崎駿が設定した未来の地球の自然-腐海は美しさのかけらも残っていない世界だ。それどころか、有毒の瘴気を発する菌類の広大な森として描かれ、人々が立ち入ることすら許されない。おまけにそこには美しい小鳥のさえずりのかわりに、王蟲とかウシアブという気持ちの悪い巨大な蟲たちを棲まわせている。この蟲たちを、そして腐海を、この時代に生きる人々は、当然のことだが忌み嫌い「自然を大切にしよう!」などとは叫ばない。

だが、野心からこの腐海を焼き払い世界をわがものにしようと企む愚者がこの時代にも登場する。自然を征服し科学文明で繁栄をきわめようという現代人に通じるタイプである。ただ、現代とちがうのは、この時代に於いて腐海を焼き払うことは人類の絶滅を意味していたことである。

-ナウシカは人々の無謀なもくろみに絶望する。彼女だけがそのことに直感で気づいていた。ナウシカは身を躍らせ、メーヴェに飛び乗る。そのとき、奇跡が起こる。そして、人々の忌み嫌う、この腐海という名の自然と調和して生きていかない限り、人類の未来はないことをナウシカは人々に指し示す。もしかしたらその未来は、人類が生き永らえるのは、ほんの短い期間だけなのかもしれないというのに。

人間が生きてゆけるのはほんの少しだけなのか、それとも未来永劫につづくものなのかこの映画は語らない。作者自身、まだその答がわかっていないのだ。やがて再開されるだろう連載のなかで、作者自身、その答をさがすのだろう。

それはともかく、前半がかなりたのしげな映画だっただけに、この映画のラスト、宮崎駿の叫びは悲痛である。

(CDライナーノーツ より)

 

 

NAUSICAÄ STUDIO MEMO

●2月7日、TAMCOスタジオ入り。17日間、全60曲以上にのぼるサントラのレコーディングの始まりだ。映画公開は3月11日だからギリギリのスケジュール。ディレクターの荒川さんの顔もヒキつろうというもの。

●すでに監督の宮崎駿さん、プロデューサーの高畑勲さんとの打ちあわせは終了。基本コンセプトは、前作のイメージアルバム「鳥の人…」でいこうと決定している。このレコードに付属している楽譜をはじめとする、いくつかの主題を、シーンごとに割りふっていく。

●作業はビデオになったラッシュフィルムを観ながら行なわれる。まず曲を入れるシーンの長さをはかり、曲の秒数を決定。これをMC-4というコンピューターに入力すると、秒数にあわせて、「キッコッコッ、カッコッコッ」というリズムガイドが打ち出される。これに合わせて、シーンのイメージを曲にしていくという手順。久石さんの演奏が24チャンネルのマルチレコーダーによって、ひとつずつ重ねられていく。仕上がったところで、ビデオを再生しながら曲のチェック、スタッフどうしで意見を出し、手なおしを加えて完成。

●「たとえ、ラッシュフィルムでも、画面があると、曲作りにすごくプラスになるね」と久石さん。アニメに限らず、現在のサントラの曲づくりでは、画面なしで、シナリオと秒数だけで作曲してしまうケースが多い。ラッシュフィルムのおかげで、メーヴェの飛翔にあわせて曲想を換えていくといった、きめ細かい作業を行うことができた。

●後半の「王蟲との交流」「ナウシカ・レクイエム」に聞かれる女の子の声は、久石さんのお嬢さん、麻衣ちゃん(4歳)。幼年時代のナウシカと王蟲との交流あたたかく表現しようというわけ。電子楽器を中心とした、とかく無機質になりがちなスタジオワークでの曲作りに、ライブな響きが加わった。

●2月15日、C・A・Cスタジオにて、フェアライトCMIを使ってレコーディング。これはコンピューターをフルに活用した万能電子楽器とでもいうべきもの。価格1200万円ナリ。「王蟲との交流」での、コーラスとストリングス系の音がこれ。ウクツシイ!

●2月20日、久石さんの演奏による録音はすべて終了し、にっかつスタジオにてオーケストラ録り。ビデオの画面に合わせて、久石さんから指揮者に細かい指示が送られる。シンフォニー編アルバム「風の伝説」とは、また違った生の迫力をもった曲が仕上がった。

●2月21日から24日まで、一口坂スタジオでミックスダウン。24チャンネルの音を2チャンネルの音に組み上げていく。そして完成!

●久石さんは語る。「ナウシカとは、イメージアルバムから数えると3枚の作品、約8か月間にわたる長いつき合いでした。一つの作品に対して、ここまでじっくり取り組めたことは大変満足しています。しかも、「ナウシカ」という作品のすばらしさ!これは映画を観ていただければ充分に分かっていただけるでしょう。本当に充実した仕事でした」。

(CDライナーノーツ より)

 

 

「音楽のつけ方が普通の映画とは違う場所で入れているんですよね。感情の起伏につけるのではなく、状況的なものにつける。ユパが谷へ降りてくるシーンなんかで突然音楽が盛り上がっているでしょ?ああいうところで目いっぱい音楽を使って、そのかわりセリフの入るところや効果音の生きるところにはなるべくBGMを入れないというポリシーですね。

つまり、音楽をナウシカの目を通して入れているんです。ナウシカの感情につけるのではなく、ナウシカが見て感じるものに入れていったわけで、そうやってアニメの虚構の状況というものを浮き出させようとしたんです。わりと成功したんじゃないかと思いますよ」

Blog. 久石譲 「風の谷のナウシカ」 インタビュー ロマンアルバムより 抜粋)

 

 

「当時、宮崎さんはもう40歳を超えていたんですが、仕事のことをこんなに夢中になって話せるおじさんがいたんだった驚いたのを覚えています(笑)。例えばセル画のことをひとつ取っても、イスに飛び乗って説明したりしているんですよ。ただ、僕は当時、全くアニメについて知識がなかったので、宮崎さんがカリスマ的な存在ということすら知らなかった(笑)。もうその時点で、あの有名な「ルパン三世 カリオストロの城」を作っていたのに……。でも、結果的にはそれが良かったのかもしれないですね。気負わずに済みましたから(笑)」

久石さんの手掛けたイメージ・アルバムを高く評価した宮崎監督は、当時まだ新人だった久石さんを本編のサウンドトラックにも起用、ここから今や切っても切れない関係となった両者のコラボレーションが始まった。

「自分の中で、初めて明確に映画音楽というものを意識したのは「風の谷のナウシカ」だったんです。映画音楽と自分のソロ・アルバムなどとの最も大きな違いは、映画というのはあくまで監督の世界だということだと思います。ですから、音楽を作るときも、自分の思いだけではなく、監督がどういう世界を作りたいのかということがフィルターとして必ず入ってくるのですが、そのフィルターがすごい人であればあるほど刺激を受けて、そこから新しい自分を発見できるんですよ」

ちょうどそのころ、音楽制作の面でも大きな転機が訪れた。サンプラーとの出会いである。

「「ナウシカ」をやってきたときに、知り合いの人が持っていたFAIRLIGHT CMIを初めて使ったんです。「人間の声みたいな音が出るんだ」って聞かされていたんですが、”そんなワケない”って思っていた。ところが、実際に使ったら本当だったので驚きましたね。そして、「ナウシカ・レクイエム」という曲の歌の部分のバッグを全部FAIRLIGHTで作ったんです。その後、これからはきっとこういう機材がメインになると思って、千数百万円を出してFAIRLIGHTを購入しました。清水の舞台から10回くらい飛び降りるような気持ちでしたね(笑)」

Blog. 「キーボードマガジン Keyboard Magazine 1999年8月号」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

久石譲の初参加

音楽の久石譲は、当初イメージアルバム「鳥の人…」限定の担当であった。当時久石は、テレビシリーズのアニメーション用音楽を量産していた。それらは一様に、軽快なシンセサイザー音楽がメインであった。それは、久石の本業であったミニマル・ミュージックの傍らで取り組んだアルバイト的余技と言ってもよい。

当時、アニメーション化されていない人気漫画を題材としたイメージ音楽や音だけのドラマをアルバムとして発売する企画が流行していた。徳間も「アニメージュ・レコード」を立ち上げ、久石は様々な形で起用された。久石は徳間系列のジャパン・レコードからアルバムをリリースしており、近しい関係にあった。徳間発の人気漫画『アリオン』『バース』『ナウシカ』のイメージアルバムはいずれも久石に打診され、後二作が実現した。83年夏、宮崎は打ち合わせに訪れた久石に作品を熱心に解説し、請われて後日「腐海」「メーヴェ」など15個のキーワードを手渡した。久石の宮崎に対する第一印象は「素朴な手造りの人間性」であった。

「当時、作曲で苦労したことはない」と記す久石は、1カ月半でレコーディングまで終えてしまった。実質的には百数時間、スタジオに籠もって仕上げた。メイン・テーマであるピアノ曲「風の伝説」は、わずか30分で書き上げたという。久石が心がけたのは、シンセサイザーでありながら、「アコースティックで広がりのある音」に仕上げることであった。このため、民族音楽で用いられるダルシマ、ケーナなども使われている。

出来上がったアルバムは、静かなピアノ曲「風の伝説」、少女のハーモニー(当時4歳の久石の娘が歌唱)がかぶる「ナウシカ」のテーマ「はるかな地へ…」「遠い日々」、アップテンポのデジタル曲「メーヴェ」(本編未使用)「土鬼軍の逆襲」(本編の戦車シーンで使用)、エスニックな民族音楽風の「王蟲」(王蟲登場シーンで使用)など多彩な要素を備えていた。この段階で既に、ピアノによる主題曲、エスニ ック調、デジタルという後の久石・宮崎コンビ作の三大要素は出揃っていた。高畑と宮崎は久石のメロディを褒め称えた。二人の感想により、それまでサウンド中心に発想して来た久石は、初めてメロディ・メーカーとしての自分に才能に気づいたという。

本編音楽は既に別人に決まっていた。しかし、久石のアルバムを聴きながら制作を続けていた宮崎は、本編音楽に久石を強く推し、高畑もこれを尊重して関係者を説得。音楽の人選は大もめとなったが、84年早々最終的に久石に決定した。久石は、イメージアルバムの各曲を1月の2週間で「交響曲」に仕立て直し、再度アルバム 「風の伝説」をレコーディングした。おそらく本編には一段とスケールアップした音楽が欲しいという高畑・宮崎の意図があったのだろう。久石はオーケストラ50名の現場録音を初体験した。本編には、イメージアルバムとシンフォニーの双方が生かされた。

ほとんどのアニメーション作品は、完成画面が白紙の状態でシナリオと秒数に合わせて作曲が行われ、あとは編集で適宜各曲を切り刻まれて使用される。久石もそうした経験が多々あったが、今回は違った。多くはラッシュの未完成画面だったが、極力シーンに秒数を合わせて繊細に一曲一曲を仕上げた。17日間で全60曲以上を録音、2月24日に音楽は完成した。

久石は各シーンの選曲にもこだわりを見せた。冒頭部でナウシカが滑走し、メーヴェで谷へ帰るシーンにメインテーマが大音響でかぶる。これは久石が提案し、周囲を説得して実現したものだ。メインテーマの同様の使い方は、傷ついたウシアブと共にナウシカがメーヴェで空へ舞い上がるシーンでも見られる。しかし、こうした努力にもかかわらず、完成させた楽曲が「一部のシーンで切り刻まれて、とてもがっかりした」という。久石は、この苦い教訓を経て、さらに成長を遂げることになる。

久石は、『ナウシカ』のために約8カ月で3枚のアルバムを制作し計80曲以上を作曲した。「イメージアルバム」「シンフォニー」「サントラ」という連作によって、本編音楽を完成度の高いものに仕上げていくという贅沢な行程は、以降の宮崎作品の定形となっていく。これは、制作母体の徳間書店が音楽部門・徳間ジャパンを有していたこととも深く関わっている。とはいえ、売れもしない同類商品を販売ルートに出すことは許されない。『ナウシカ』の各アルバムは長期間ヒットチャートにランクインし続けた。長寿商品を生み出すほどの作品の生命力があって初めて連作が成立したとも言える。

(書籍「宮崎駿全書」より)

 

なお上の書籍には、主題歌に関する経緯について、使用したかった楽曲のこと、オリジナル主題歌制作を試みたこと、最終的にインストゥルメンタル「風の伝説」メインテーマが使われたことなどの詳細も記されている。

 

 

 

鈴木:
イメージアルバムというのは高畑さんの発案。当時の日本映画って映像が出来てから慌てて音楽をやる。しかも期間にして1日か2日、それで映画音楽をつけなきゃいけない。つまり音楽を重視してこなかったんですよ。それを高畑勲という人は、その歴史を変えようと。音楽にたっぷり時間を作ろうと。最初自由にイメージして音楽を作ってもらう。それで図々しいこと考えたんですよ。作ってもらったなかに作品に合う良いものと悪いものがある。そうすると映画音楽を当てはめるまでに2回チャンスがある、音楽が充実する。それが高畑さんの考えだった。

数多くいる候補の中から「久石さんがいい」って高畑さんが言い出した。高畑さんの決め手は「久石さんは教養がある。要するにクラシック音楽の勉強をしてる。その基礎があると、映像に音楽を合わせてもらう映画音楽をつくるのにその教養が役に立つに違いない。それがないと注文しにくい。」って言ったんですよ。音楽を聴いて高畑さんはそれを発見するんですよ。周りの人たちがみんな反対するなか、そこが高畑勲のすごさ。ここで決まっちゃうんですもん、宮崎・久石コンビ。

イメージアルバムを作るときに、高畑さんが宮崎に頼んだのが、タイトルとイメージを文章にして渡すこと。こんな感じの曲があるといいというのを10個くらい書いた。だからこれも高畑さんが考えたこと。イメージアルバムを最初に聴いたのは僕と高畑さん。高畑さんは「いける」って言ったんですよ。その後宮崎に聴いてもらって一発で気に入った。当時はカセットテープ、宮崎はそれを一日中大音量で聴くわけですよ。しかも朝9時から午前4時まで同じテープを延々鳴りっぱなしなんですよ、周りは静かに作業してるなか。

久石:
当時はあまり時間がなくてスタジオにこもって作ってたんだけど、実は原作難しくて理解できなかった。今考えると逆に素晴らしいことなんだけど、いい映画ってそうなんだけど、説明を結構省いているから。これは何なんだろうと思ったことを徳間の関係者の人がその都度、これはこうです、これはこうです、って説明もらって。それで一応かたちになったっていう。

鈴木:
忘れちゃいけないのが、高畑さんは「オーケストラでやりたい」と。当時、日本の映画音楽でオーケストラなんてなかったですよ、編成小さかったですもん。結局、イメージアルバムと本編のサントラ、加わった楽曲もあるけれど基本は変わらなかったですもんね。それでいうと、最初からもう気に入っちゃったんですよ。

久石:
イメージアルバムの時が、当時流行りの打ち込みの音で作ってた曲もいっぱいあった。高畑さんはそこから、これがオーケストラに変わればもっといいというのを見抜かれたんですね。

Blog. NHK FM 「今日は一日”久石譲”三昧」 番組内容 -トーク編- より抜粋)

 

 

 

風の谷のナウシカ LP復刻

(LPジャケット)

 

久石譲 『風の谷のナウシカ サウンドトラック』

1. 「風の谷のナウシカ」〜オープニング〜
2. 王蟲の暴走
3. 風の谷
4. 虫愛ずる姫
5. クシャナの侵略
6. 戦闘
7. 王蟲との交流
8. 腐海にて
9. ペジテの全滅
10. メーヴェとコルベットの戦い
11. 蘇る巨神兵
12. ナウシカ・レクイエム
13. 「鳥の人」〜エンディング〜

 

EXECUTIVE PRODUCER: KOKI MIURA
ASSOCIATE PRODUCER: HISAO HIRATA
PRODUCED by JOE HISAISHI
DIRECTED by MASARU ARAKAWA
MUSIC COMPOSED AND ORCHESTRATION by JOE HISAISHI
RECORDING AND MIXING ENGINEER: MASAYUKI HAYASHI, TAKEO SUZUKI
RECORDING at TAMCO st. HITOKUTHI ZAKA ST. NIKKATSU at C.A.C st
TECHNICAL ASSISTANT: KAORU NASHIMOTO

 

Nausicaä of the Valley of the Wind (Original Soundtrack)

1.Nausicaä of the Valley of Wind – Opening theme
2.Stampede of the Ohmu
3.The Valley of the Wind
4.The Princess Who Loves Insects
5.The Invasion of Kushana
6.Battle
7.Contact with the Ohmu
8.In the Sea of Corruption
9.Annihilation of Pejite
10.The Battle Between Mehve and Corvette
11.The Resurrection of the Giant Warrior
12.Nausicaä Requiem 
13.The Bird Man – Ending theme

 

바람계곡의 나우시카 Original Soundtrack
(South Korea, 2007 CD) PCKD-20201

1.바람계곡의 나우시카
2.오무의 폭주
3.바람계곡
4.곤충을 사랑한 공주
5.크샤니의 침략
6.전투
7.오무와의 교류
8.부해에서
9.페지테의 전멸
10.부활한 거신병
11메베와 콜베트의 전투
12.나우시카 진혼곡
13.하늘을 나는 사람

 

Disc. まんが日本昔ばなし 『にんげんっていいな / この子はだあれ』

1984年2月 EP発売 CK-706
1984年2月 CT発売 CFK-515

 

TVアニメ「まんが日本昔ばなし」の新エンディング・テーマ曲の編曲を、久石譲が手がけている。

 

まんが日本昔ばなし にんげんっていいな LP

(EPジャケット / EP盤)

 

1.にんげんっていいな
作詞:山口あかり 作曲:小林亜星  編曲:久石譲 歌:中島義実、ヤング・フレッシュ
2.この子はだあれ
作詞:山口あかり 作曲:小林亜星 編曲:久石譲  歌:森田牧子、 満仲志保、ヤング・フレッシュ

 

 

 

運動会ようレコード「にんげんっていいな / まっかなおひさま / コンピューターおばあちゃん / よさこい鳴子おどり」(1984)

1984年4月 EP発売 EE-3077

(EPジャケット / EP盤)

 

A面
1.にんげんっていいな 「まんが日本昔ばなし」から
2.まっかなおひさま

B面
1.コンピューターおばあちゃん NHK「みんなのうた」から
2.よさこい鳴子おどり

 

 

 

「にっぽん昔ばなし/にんげんっていいな」(1986)

1986年4月21日 EP発売 EK-766
1986年4月21日 CA発売 CFK-574

(EPジャケット)

 

1.オープニング・テーマ にっぽん昔ばなし 歌/花頭巾
2.エンディング・テーマ にんげんっていいな 歌/中島義実、ヤング・フレッシュ

 

 

 

「ぼくらは空とぶ仲間たち/にんげんっていいな」(1988)

1988年 EP発売 EE-3184

(EPジャケット / EP盤)

 

1.ぼくらは空とぶ仲間たち
2.にんげんっていいな

 

 

 

なお、上記オリジナルEP「にんげんっていいな」「この子はだあれ」2曲ともに収録されているCDは下記。

 

「まんが日本昔ばなし にんげんっていいな」

1991年10月1日 CD発売 COCC-9130

1.にっぽん昔ばなし
作詩:川内康範 作曲:北原じゅん 編曲:小谷充 うた:花頭巾
2.にんげんっていいな
作詩:山口あかり 作曲:小林亜星  編曲:久石譲 歌:中島義実、ヤング・フレッシュ
3.みんなでたんじょうび
作詩:伊藤アキラ 作曲:小林亜星 編曲:高田弘 うた:中村花子、ヤング・フレッシュ
4.かあさん(マザー)
作詩:川内康範 作曲:川内康範 編曲:竜崎孝路 うた:関森れい&ミンツ
5.もりのスープとあおぞらサラダ
作詩:吉沢久美子 作曲:小森昭宏 編曲:小森昭宏 うた:田中真弓
6.ともだちがいっぱい
作詩:伊藤アキラ 作曲:越部信義 編曲:越部信義 うた:林幸生、森の木児童合唱団
7.あめといっしょに
作詩:山本正之 作曲:山本正之 編曲:田中公平 うた:田中真弓
8.この子はだあれ
作詩:山口あかり 作曲:小林亜星 編曲:久石譲 うた:森田牧子、満仲志保、ヤング・フレッシュ
9.トッピンからげて逃げられて
作詩:玉木宏樹 作曲:玉木宏樹 編曲:玉木宏樹 うた:常田富士男
10.グルッパーの歌
作詩:川内康範 作曲:北原じゅん 編曲:小谷充 うた:キーパー・メイツ
11.ジャンケン ポン
作詩:川内康範 作曲:北原じゅん 編曲:角田圭伊悟 うた:ひまわり
12.早口ソング
作詩:川内康範 作曲:曽根幸明 編曲:角田圭伊悟 うた:スウィング・キャッツ
13.ランランニングかけっこ
作詩:冬杜花代子 作曲:小森昭宏 編曲:小森昭宏 うた:中嶋安名、ヤング・フレッシュ
14.ぼくはサンタだ
作詩:伊藤アキラ 作曲:乾裕樹 編曲:乾裕樹 うた:田中真弓
15.ゆきはおそらのケーキやさん
作詩:高田ひろお 作曲:有澤孝紀 編曲:有澤孝紀 うた:中村花子、ヤング・フレッシュ
16.ほしさがし
作詩:伊藤アキラ 作曲:有澤孝紀 編曲:有澤孝紀 うた。相田文三(東京少年少女合唱隊)

 

Disc. 久石譲 『風の谷のナウシカ シンフォニー編 風の伝説』

久石譲 『風の谷のナウシカ シンフォニー編 風の伝説』

1984年2月25日 LP発売 ANL-1017
1984年2月25日 CT発売 25AN-17
1984年5月25日 CD発売 35ATC-2
1993年7月21日 CD発売 TKCA-70132
2004年8月25日 CD発売 TKCA-72718
2018年11月3日 LP発売 TJJA-10010

 

1984年公開 スタジオジブリ作品 映画「風の谷のナウシカ」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

「ナウシカ」の名曲の数々を、約50名のオーケストラで再現したシンフォニー編。シンフォニー・バージョンの制作は通常はサントラの後だが、「ナウシカ」のみはサントラ録音前の1983年11~12月に、主にイメージアルバムの曲をベースにして制作された。

このアルバムも、CDについてはしばらく経ってから新ジャケットで発売された。 ※下部ジャケット写真はCDデザイン

 

 

解説

人類の最終戦争があって1000年、地球には高度に発達した産業文明の遺産と歪んだ自然、そしてひとにぎりの人類が生き残った。そのような世界で、人類はどのように生きながらえ、どのような思想を持とうとするのか。再びなぞらえる人類の前史、そして繰り広げられる戦闘。人類は窮極的な最後の地球絶滅の危機を前にしてもみにくく争おうとする。そこに登場する木々を愛で虫と語り風をまねく伝説の少女ナウシカ。彼女は生きることの素朴な喜びを最も敏感に感じとれる少女として登場し、たったひとりの力でこの未来の地球を救おうとする-。

原作は「未来少年コナン」「ルパン三世・カリオストロの城」のアニメーション演出家・宮崎駿がアニメ雑誌「アニメージュ」(徳間書店)に好評連載中の(現在は中断)人気オリジナル・コミック。娯楽大作として、日常性に支配された昨今のマンガでは味わうことのできないダイナミックな世界を描き、テーマ的にも環境汚染・自然破壊・エネルギー消費など現代社会の抱える大問題とまともに対応したことで評判を呼んだ話題作である。

今回のこのCDは、「さすがの猿飛」「愛してナイト」の作曲家久石譲がその原作および宮崎駿の伝えるメッセージをもとに作ったイメージ・レコード集のシンフォニー盤である。

なおこのアニメ映画が、㈱徳間書店・㈱博報堂の製作、配給/東映㈱で’84春休みに公開され、大好評を博した。また、原作者の宮崎駿自身が脚本・監督を担当してこの映画化に取り組んだことでも注目を集めた。

(解説 ~CDライナーノーツより)

 

 

ナウシカへのクラい日々・遠い日々… 久石譲

ナウシカ- 妙になつかしさを感じさせる響き。その名前の少女が活躍する物語は、未来の出来事であるはずなのに、ギリシア時代よりずっと前から育んだ人間のいわば手造りの歴史を感じさせます。「風のイメージなのです。ドッと吹くのではなくて山あいをスーッと抜けるような…」前作の時お会いした原作者の宮崎駿氏自身にもそういう素朴な手造りの人間性を感じました。

前作のシンセサイザーバージョンでは、約百数十時間スタジオにこもって、プロフィットリンドラム等を使って制作したが、その過程で一番注意した事は、いかにアコースティックで広がりのある音創りをするか、でした。そのために、ダルシマ、ケーナ、等の素朴なニュアンスを出せる楽器をブレンドしてみた。もともと民族音楽が大好き人間としては、それなりに納得ができた。

が、今回のオーケストラバージョンの話があったとき、はっきり言って悩みましたよ。それはシンセサイザーを使っていかにアコースティックで広がり…というコンセプトで作った楽曲をオーケストラを使ってそれをやれば、もろ当たり前の事になってしまうではりませんか!それはオモシロくないし、だいいちオーケストラなんてもう何年も書いていないから、あの恐怖の30段スコアを目の前にしたら卒倒するのではないか等々、色々言い訳を考えつつ、約2週間ピアノの前で、クラーイ生活が続きました。

んで終わって我想うに「やってよかった、コンビニエンス」 シンセのレコーディングと違ってオーケストラは、一曲一時間、約50名のメンバーはダビングなしの全員集合、どんどん録っていくのです。もうそれは大きなスタジオが小さく見えて肘を張れば隣りのバイオリンにぶつかるわ、トロンボーンのスライドをカッコよく延ばせば灰皿は飛ぶわ、ティンパニ叩けば珈琲はこぼれるわ、マイクは倒れるわ、はっきり言ってお祭りなのです。普段の一人コツコツ多重どんぶりとはエラく違うのです。興奮しましたよ。

今はトラックダウンも終わり、かなり良い音の仕上がりに満足しています。それはミキサーの大川氏を始めスタッフの皆さんの協力によるものです。

とにかく聞いてみてください。

(CDライナーノーツより)

 

 

音楽解説

〈風の伝説〉
一陣の風が静かに砂漠を渡っていく……。地球のたそがれの時代に生きたひとりの少女があった。美しく、やさしく、熱い闘志を心に秘め、蟲とすら語りあった鳥の人、ナウシカ。ピアノの旋律がナウシカのメイン・イメージを語っていく。その心を表わすボリュームあるオーケストレーション。風は語る。彼女の物語を。そして、風は聞く人の耳に、一筋の涼感を残して吹きずさっていく。ナウシカは、まさに風のような人であったというプロローグ。この曲が全アルバムのメイン・テーマとなっていく。

〈戦闘〉
進撃する軍団や巨大なメカニック、集団のイメージ。雄々しいだけでなく、哀しみ、苦戦、その中から立ちあがっていく戦隊と情感のあふれるダイナミックな曲が続いていく。その中で押しよせる打楽器の激しいリズムが戦闘のイメージをもりあげる。曲は静かなリズム感へ進み、勝利と平安の予感が。進撃の高まりをリズミカルにもう一度くりかえし、戦いは終局へ向かう。

〈はるかな地へ〉
静かに砂漠を歩く旅人…やがて、その旅人の心の中にわきあがる人々が群れつどい、平和と笑いがうずまく村のイメージ。民族歌的なメロディが広がっていくその心と、さらに大空を静かに飛翔していくナウシカのイメージがだぶっていく。戦うナウシカや人々の心のよりどころである、人々の住む村を予感させ、曲はもりあがっていく。曲全体のバックに、進む旅人の心の躍動が感じられ待ちうける見知らぬ土地への想いがあふれていく。ラストは、眼前にその土地が現われ、まるで朝焼けの中にうかびあがるような鐘のイメージでしめくくられる。

〈腐海〉
りん光発する腐海、ふきだす胞子、異形の者の住む世界-そのオドロオドロしたイメージ、蟲たちのリズム感のイメージが続く。次第に力強く広がっていく生命力のイメージ。リズムの中に、チカチカと光るりん光の処理が印象的。しかし、やがて異形のメロディーの中に、次第に清浄な、汚染された地球を清浄化する生命力があふれていることを、曲が変わり印象づけてゆく。この腐海と人間の折りあいをどうつけていくのか。このキーワードがナウシカであることは言うまでもないだろう。曲は明るさの予感を感じさせ、クロージングしていく。

〈メーヴェ〉
大空を駆けるメーヴェ。雲海をぬけ、視界が一気に広がっていく解放感。メーヴェに乗るナウシカのはずむ表情が手に取るように判るオープニングである。小気味よいメーヴェの飛翔ぶりのイメージが浮かびあがってくる。飛べ!ナウシカ。その自由な心のままに! 前から後ろから上から下から、アップに、ロングに大空を飛ぶメーヴェを空中撮影でとらえるようなリズミカルなビートが印象的。大空をかける主人公の飛翔に、人間の自由をオーバーラップさせる宮崎アニメならではのイメージ曲。

〈巨神兵〉
不気味な導入部-何か異形の、巨大な存在がそこにいる実感。それは次第に力を取り戻そうとしている。不気味なもりあがり。メカニカルな、あくまでも非人間的な作動のイメージ。巨神兵は、その作動を開始する。悪魔の心臓に炎が戻り、目が光をおび、腕が静かに上がり始める。起き上がり、動き始める巨神兵-いかなる者も止めることができない悪魔の復活を感じさせるパワフルなメロディーが続く。かつて地球を7日間で破壊しつくした悪魔の兵器、巨神兵-その破壊のリズム感は再び世界をのみこんでいくのか!? 『動』のイメージの後は、巨神兵の『静』のイメージ曲が続く。それは、腐海の中に残骸となって立ちつくす巨神兵のムクロのイメージか。もうこの悪魔の牙も地球には届かない。巨神兵でさえ悠久の時の流れの前には無力なのか。今はただ腐海の景色の一部として、眠るだけである……。眠る兵士の魂をかなでるメロディーで終幕となる。

〈風の谷のナウシカ〉
風の伝説の導入部から、「風の谷のナウシカ」のメロディーへと入ってゆく。弦楽器と木管楽器の情感あふれるメロディーがナウシカのすがすがしさとその心情をあますことなく伝えていく。

〈遠い日々〉
A面の”はるかな地へ”と同じリズムが静かにかなでられていく。その”はるかな地へ”とは、”平安なる地、理想郷”であることは明らかで、その平和のリズム感が、牧歌的な民族歌調のメロディーの中でくりかえしくりかえし、大きくなっていく。いよいよ、シンフォニー「風の谷のナウシカ」も終幕まぢかである。

〈谷への道〉
弦楽器のメドレーが、終曲を形作り、人間の、人々の、私たちの物語を伝える。風の谷とは、明日の人類の姿であると同時に、永遠に生きる”人間”の住み家である。あらゆる人々に門を開く風の谷。そこには暴力ではなく、やさしさが、生きていく力強さがあり、あふれる人々の喜びと哀しみ、人生がある。これこそナウシカの、我々の住む場所である。第1曲の”風の伝説”をくりかえし、ここにシンフォニー「風の谷のナウシカ」は終っていく。

解説/池田憲章

(音楽解説 ~CDライナーノーツより)

 

 

風の谷のナウシカ シンフォニー編 LP

(LPジャケット)

 

久石譲 『風の谷のナウシカ シンフォニー編 風の伝説』

1. 風の伝説
2. 戦闘
3. はるかな地へ…
4. 腐海
5. メーヴェ
6. 巨神兵〜トルメキア軍〜クシャナ殿下
7. 風の谷のナウシカ
8. 遠い日々
9. 谷への道

 

Nausicaä of the Valley of the Wind – Symphony

1.The Legend of the Wind
2.Battle
3.To the Land of Faraway…
4.The Sea of Corruption
5.Mehve
6.The Giant Warrior – The Tolmekian Army – Her Highness Kushana
7.Nausicaä of the Valley of the Wind
8.The Distant Days
9.The Road to the Valley

 

EXECUTIVE PRODUCER
KOKI MURA
PRODUCED BY MASARU ARAKAWA, JOE HISASHI
COMPOSED AND ORCHESTRATION BY JOE HISAISHI
SONG BY
JOE HISAISHI
HARUOMI HOSONO(M-7)
MUSIC PERFORMED BY T.J.C ORCHESTRA
RECORDING AND MIXING ENGINEER
MASAYOSHI OKAWA
TAKEO SUZUKI(B-3)
RECORDING AT HITOKUCHI ZAKA STUDIO
ALBUM COORDINATION BY WONDER CITY I.N.C
A&R
AKIRA SHIMABUKURO

 

Disc. 久石譲 『機甲創世記モスピーダ Vol.2』

久石譲 機甲創世記モスピーダ2

1984年2月21日 LP発売 JBX-25032
1984年2月21日 CT発売 VCK-6097
1994年2月23日 CD発売 VICL-23064

 

1983年 フジテレビ系アニメ放送 「機甲創世記モスピーダ」
音楽:久石譲

放送期間:1983年10月2日~1984年3月25日
放送時間:毎週日曜日9時30分~10時(関東地区)
放送局:フジテレビ系
放送話数:全25話

 

 

機甲創世記モスピーダ LP 3

機甲創世記モスピーダ LP 4

(LPジャケット)

 

 

ビクター・アニメ・ミュージック”殿堂”シリーズ 8
さすらい戦い行くヒーロー達に明日はあるのか!?
久石譲のモスピーダ・ミュージック第2弾!

 

『機甲創世記モスピーダ Vol.II』

1994年2月23日 CD発売 VICL-23064

 

星目がちなヒーローへ愛をこめて
作曲家 久石譲

最初から申し訳ないことだが、正直なところテレビ・アニメーション(以下”アニメ”という)を、ほとんど見ていない。というよりも、テレビそのものを見る時間がない。僕の担当した番組も第1回目の放送は必ず見るが、その後は見ることが少ない。それは僕だけでなく、レコード会社のディレクター、現場のアニメーターの皆さんにしても同じではないだろうか?(と、勝手に思ってなぐさめている) したがってアニメについて語れることはあまりないのである。おわり、ジャン!……

お、まあ、いつもながら強引に終末を迎えるのだが、今回は違う。なにせ注文(御用聞きみたいだが)が、二枚目的に、だからネ、二枚目的にネ。(どういう原稿依頼の仕方ジャ)(編集部注、久石氏の二枚目とアルバムの2枚目をかけたのだが、氏は200字詰2枚のつもり)。で、さっきの話に戻るけど、はやい話が、夜の比較的早い時間帯(編集部注、「モスピーダ」は日曜日朝9時30分からの放映だが)に家にいて、テレビを見ているということは、仕事をしていないということだからネ。もう、仕事人間、ひいては日本の社会のりっぱな成人としては終わりなわけヨ。特に僕のようなフリーの人間にとっては、言うのもおぞましいが、暇=仕事がない=食べられないということだからネ。

それでさぁ、僕は見てないけどね、くどいけどホントに見てないけどネ、他のディレクターの人達はさぁ、ヤッパシ自分の番組は見てるといわないと、まずいんじゃあないの、立場あるからさぁ。(その割には…○○たりして!)

とにかく実際のところ、アニメの持っているパワーには驚いている。専門的にいうと昨今のレコード業界全体的には伸び悩みであるといわれているが、アニメだけは上昇カーブをえがいてるんですネ。(他には演歌とカラオケ・テープが好調) 最近のヒット・チャートを見てもアニメ作品が上位にランクされていたりして、これは以前には見られなかった傾向といえるんですヨ。

そして感心するのはアニメ作品の多さと複雑さ。これだけ多くの”星目がち”なヒーロー、ヒロインがいれば、名前を覚えきれないではないか、合体ロボット等にいたっては、何と何が組み合わせってどんな物になるのかパズルなみの複雑さになっていると、僕の頭はこんがらがっているのが、そこはそれ、ファンの皆さんが、それぞれご自分の感性で作品を選んで応援してくれるのでうれしくなっちゃう。

そこで、我が「モスピーダ」だが、またまた驚きました。Vol.Iはこの原稿を書いている12月20日現在、「オリコン」チャート(注、コンフィデンス誌TOP LP100)で第33位なのである。はっきりいって売れているのである。笑いがとまらないのである。アハハハ……。

この「モスピーダ」Vol.IIの音楽制作にあたっては内容的なことでの問題はほとんどなかった。タケカワ氏のテーマも番組にふさわしく、ダイナミックな曲で、アレンジも気に入っている。制作者側からの注文も「あまり子供っぽくなく、若者を中心に考えてもらって良い」ということで、気が楽だった。それからひとことでいえば、スタッフの音楽理解力が大変高いのである。(御世辞ぬきで) 我々が作った音楽をもとにストーリーを作ってしまうほどなのである。スタッフは、あの「マクロス」を制作したメンバーとほとんど同じといえば、皆さんも納得してくれるでしょう。

余談になるけれども、制作会社の竜の子プロダクションのあるところが、むかし僕が学生時代に住んでいたところで、打ち合せに時も非常にローカルな話題で盛り上がってしまった。角の喫茶店、駅前のケーキ屋さん、色っぽいおかみさんのいる料理店。赤ちょうちん……、青春してました。

ついでにもう一つ余談。しばらく前に某レコード会社を通じて、一通のファン・レターをいただいた。内容がすごい。「テクノポリス」「さすがの猿飛」から、僕のソロ・アルバムまで、ほとんど学術的といっていいような研究レポートなのである。アニメ・ファンらしい大学生からなのだが、返事を出そうと思いつつ、今だにビビって持ち歩いている次第である。

ああ、二枚目の予定あ、十枚目(編集部注、200字詰原稿10枚分)になってしまった!!

レコードをよろしく。

(CDライナーノーツより) ※当時のオリジナルLPと同一掲載

 

 

久石譲 機甲創世記モスピーダ2

1. ザ・ベトレイヤー
2. 若き戦士
3. 大地の風
4. 荒れ野へ
5. ドリーミー・シティー
6. SASURAI
7. 愛の涙
8. フレンズ
9. ロンリー・エラント
10. エンジェル
11. モスパダの歌
12. 軍靴の響

作詩:阿佐茜 (4,11)
作曲:久石譲 (1~3,5~12) 小笠原寛 (4)
編曲:久石譲
歌:松本美音 (4,11)
演奏:WHILE ROCK BAND (1~3,5~10,12)

 

Disc. アイ高野&ビーハイブ 『愛してナイト ROCK TRIP ビーハイブ・パーティ』

1984年1月 LP発売 CX-7140
1984年1月 CT発売 CAY-655

 

TVアニメ「愛してナイト」から生まれたロックグループ・ビーハイブ(BEEHIVE)の2枚目アルバム。

久石譲が全編曲を担当している。なお、久石譲はこのテレビアニメの主題歌や挿入歌の作曲・編曲も複数手がけている。

 

愛してナイト ビーハイブ・パーティ LP

(LPジャケット)

 

SIDE 1
1.恋のモータータウン
2.今夜こそ情熱 ~Woman Needs Love~
3.ONLY SEVENTEEN
4.OH, DARLIN’
5.ON THE BEACH

SIDE 2
1.ただひとりの人 ~You’re the One~
2.BIRTHDAY BOOGIE
3.色褪せた街
4.さすらいの東京キッド ~Driftin’ Tokyo Kid~
5.今日GOOD ROCK & ROLL BAND [Studio Live]

全編曲:久石譲

 

 

 

 

Disc. ビートきよし 『全日本当選音頭』

1983年 EP発売 SV-7326

 

久石譲が作曲を手がけている。

 

全日本当選音頭 2

(EPジャケット)

 

1.全日本当選音頭
作詞:ゴジン・カーン 作曲:久石譲 編曲:あかのたちお 歌:ビートきよし
挿入曲「軍艦マーチ」(瀬戸口藤吉)

2.全日本当選音頭(カラオケ)

 

 

なお同楽曲はオムニバスCDにも収録されている。

 

「真夏の音頭カーニバル~THE ONDO GROOVE~」

2003年7月24日 CD発売 TECN-25914

「東京五輪音頭」から「イエロー・サブマリン音頭」まで、日本が生んだ魂のダンス・グルーヴ<音頭>。多彩な音楽性を貪欲なまでにクロスオーヴァーさせて進化を続ける驚異のミクスチャー・ミュージック<ONDO>の名作、怪作を集めた世界初のコンピレーション!!

 

真夏の音頭カーニバル~THE ONDO GROOVE~

1.東京五輪音頭 三波春夫
2.イエロー・サブマリン音頭 金沢明子
3.笑点音頭 立川談志
4.地下鉄音頭 春日三球・照代
5.ゴマスリ音頭 植木 等
6.21世紀の宇宙音頭 三波春夫
7.よしみの!招き猫音頭 天童よしみ
8.全日本当選音頭 ビートきよし
9.長野冬季スポーツ音頭 清水アキラ / 小林由紀子
10.しんちゃん音頭 ~オラといっしょにおどろうよ!~ 三波春夫 & のはらしんのすけ
11.うわさの音頭 葵三音子
12.もちもち音頭 坊屋三郎
13.まんまる音頭 杉良太郎
14.ルパン音頭 三波春夫
15.怪獣音頭 ハニー・ナイツ
16.政子ちゃん音頭 大屋政子 / ボニー・ジャックス
17.これから音頭 大泉逸郎
18.恐竜音頭 三波春夫
19.ブースカ音頭 高橋和枝
20.寅さん音頭 渥美 清
21.デンセンマンの電線音頭 デンセンマン / 伊東四朗 / 小松政夫 / スクール・メイツ・ジュニア
22.新二十一世紀音頭 植木 等 with 三波春夫

 

Disc. コロムビアゆりかご会 『創立50周年記念 うたえ!ゆりかご会』

1983年 LP発売 2枚組  CZ-7232~7233

 

コロムビアゆりかご会創立50周年記念 うたえ!ゆりかご会

数多くのアニメソング参加してきた歴史に残る老舗児童合唱団、コロムビアゆりかご会の唯一のリードアルバム。

コーラス:コロムビアゆりかご会
指揮:浅香心治/田中誠子
伴奏:コロムビア・オーケストラ

 

久石譲による編曲4楽曲が収録されている。

 

うたえ!ゆりかご会 LP 1

うたえ!ゆりかご会 LP 2

うたえ!ゆりかご会 LP 3

(LPジャケット / LP盤)

 

《A面》
1.「いとまきのうた」(唄:斉藤誠/作詞:香山美子/作曲・編曲:小森昭宏)
2.「おもちゃのチャチャチャ」(唄:中山祐子&泉香奈/作詞:野坂昭如&吉岡治/作曲・編曲:越部信義)
3.「北風小僧の寒太郎」(唄:青木君枝/作詞:井出隆夫/作曲・編曲:福田和禾子)
4.「からすの赤ちゃん」(唄:松本知子/作詞・作曲:海沼実/編曲:小森昭宏)
5.「みかんの花咲く丘」(唄:三宅幸子/作詞:加藤省吾/作曲:海沼実/編曲:若松正司)
6.「お猿のかごや」(唄:コロムビアゆりかご会/作詞:山上武夫/作曲:海沼実/編曲:越部信義)
7.「みてござる」(唄:高羽千尋/作詞:山上武夫/作曲:海沼実/編曲:越部信義)
8.「ちんから峠」(唄:高木真吾&大園智英子/作詞:細川雄太郎/作曲:海沼実/編曲:高原哲)
9.「生まれた兄弟11人」(唄:石井由美/作詞:山上武夫/作曲:海沼実/編曲:越部信義)
10.「パパとママのラブレター」(唄:丸山摩梨香/作詞:山上武夫/作曲:海沼実/編曲:越部信義)

《B面》
1.「シグナルさんのおめめ」(唄:福谷恭子/作詞:広瀬とし男/作曲:海沼実/編曲:久石譲)
2.「青い風」(唄:天谷研一/作詞:勝承夫/作曲:海沼実/編曲:岩河三郎)
3.「ワン・ツー・スリー・ゴー」(唄:コロムビアゆりかご会/作詞:高野博明&丘灯至夫/作曲:海沼実/編曲:貴峰啓之)
4.「夢のお馬車」(唄:高木真吾&天谷研一/作詞:斎藤信夫/作曲:海沼実/編曲:越部信義)
5.「夢のおそり」(唄:矢荻知佳/作詞:齋藤信夫/作曲:海沼実/編曲:越部信義)
6.「お花のホテル」(唄:丸山摩梨香/作詞:加藤省吾/作曲:海沼実/編曲:横山菁児)
7.「やさしいお母さま」(唄:松本知子/作詞:稲穂雅巳/作曲:海沼実/編曲:横山菁児)
8.「あの子はだあれ」(唄:青木君枝/作詞:細川雄太郎/作曲:海沼実/編曲:横山菁児)
9.「里の秋」(唄:三宅幸子/作詞:斎藤信夫/作曲:海沼実/編曲:若松正司)
10.「蛙の笛」(唄:大園智英子/作詞:斎藤信夫/作曲:海沼実/編曲:若松正司)
11.「さようなら」(唄:東千尋/作詞・作曲:倉品正二/編曲:横山菁児)

《C面》
1.「世界はひとつ(=It’s a Small World)」(唄:コロムビアゆりかご会/作詞・作曲:シャーマン兄弟/意訳:山口昇/編曲:冬木透)
2.「2001年のマーチ」(唄:三宅幸子/作詞曲:岩渕まこと/編曲:久石譲)
3.「スターズ・オン・アニメ(少女まんが編)」(唄:泉香奈&女性コ-ラス/編曲:石田かつのり)
●使用曲●キャンディキャンディ~ハロー・サンディベル~ハローララベル~花の子ルンルン~おしえて~はいからさんが通る~若草のシャルロット~ペリーヌものがたり~虹になりたい~裸足のフローネ~ラムのラブソング~Lはラブリ-~ワイワイワールド~あの子はあさりちゃん
●各作曲●渡辺岳夫~渡辺岳夫~いずみたく ~小林亜星~渡辺岳夫~関田昇介~ 鈴木宏昌 ~渡辺岳夫~坂田晃一~井上かつお~小林泉美~馬飼野康二~菊池俊輔~小林亜星
4.「めだかの兄妹」(唄:高羽千尋&石井由美&大園智英子/作詞:荒木とよひさ/作曲:三木たかし/編曲:たかしまあきひこ)
5.「手のひらを太陽に」(唄:コロムビアゆりかご会/作詞:やなせたかし/作曲:いずみたく/編曲:高原哲)
6.「サンサンサンメイト」(唄:泉香奈/作詞:山上武夫/作曲・編曲:越部信義)
7.「どんぐりころころ」(唄:矢荻知佳/作詞:青木存義/作曲:梁田貞/編曲:横山菁児)
8.「めだかの学校」(唄:長田幸子/作詞:茶木滋/作曲:中田喜直/編曲:前田憲男)
9.「こいぬのマーチ」(唄:鬼頭雅子&東千尋&矢荻知佳/作詞:久野静夫/作曲・編曲:越部信義)
10.「きいろいパレード」(唄:三宅幸子/作詞:関根栄一/作曲・編曲:福田和禾子)

《D面》
1.「かなりや」(唄:戸塚真琴/作詞:西條八十/作曲:成田為三/編曲:横山菁児)
2.「ゆりかごの歌」(唄:近藤光子/作詞:北原白秋/作曲:草川信/編曲:横山菁児)
3.「かわいいかくれんぼ」(唄:益田恵/作詞:サトウハチロー/作曲:中田喜直/編曲:岩河三郎)
4.「風船ぷわあ」(唄:益田恵&松本知子&天谷研一/作曲・編曲:小森昭宏)
5.「肩たたき」(唄:山上万智子/作詞:西條八十/作曲:中山晋平/編曲:岩河三郎)
6.「夕やけ小やけ」(唄:中井幹子/作詞:中村雨紅/作曲:草川信/編曲:若松正司)
7.「とんがり帽子」(唄:海沼実&高羽千尋/作詞:菊田一夫/作曲:古関裕而/編曲:久石譲)
8.「あの町この町」(唄:金子弓子/作詞:野口雨情/作曲:中山晋平/編曲:松山祐士)
9.「農家のみなさんこんばんは」(唄:コロムビアゆりかご会/作詞:山上武夫/作曲:海沼実/編曲:久石譲)
10.「たきび」(唄:長田幸子/作詞:巽聖歌/作曲:渡辺茂/作曲・編曲:小森昭宏)
11.「赤とんぼ」(唄:益田恵/作詞:三木露風/作曲:山田耕筰/編曲:松山祐士)
12.「月の砂漠」(唄:藤間啓子/作詞:加藤まさを/作曲:佐々木すぐる/編曲:横山菁児)

 

 

また収録曲のなかには、別途EP販売時に収録されているものも多数ある。

 

幼稚園・保育園
保育・行事レコード
「たんぽぽちゃん/2001年のマーチ」(1981)

1981年4月 EP発売 EK-692

(EPジャケット / EP盤)

 

1.たんぽぽちゃん
作詩:香山美子 作曲・編曲:小森昭宏 歌:大和田りつこ、コロムビアゆりかご会
2.2001年のマーチ
作詩・作曲:岩渕まこと 編曲:久石譲 歌:大倉正丈、三宅幸子、こおろぎ’73、コロムビアゆりかご会

 

 

Disc. ジャンケンポー 『ROCK TO THE MUSIC』

1983年 EP発売 SY-07-002

 

テクノ歌謡コンピにも収録された「スペース小町」で知られる3人組、JAN KEN POWの日本初のロック競作としてタケカワユキヒデ、PASSING LANE、藍ともこ、サーカス等と共にリリースした83年のシングル!! 作詞TONY BENDER、作曲タケカワユキヒデ、そしてアレンジが久石譲という超豪華シングル!!

(メーカーインフォメーションより)

 

 

ROCK TO THE MUSIC

(EPジャケット)

 

1.ROCK TO THE MUSIC
作詞:トニー・ベンダー 作曲:タケカワユキヒデ 編曲:久石譲
2.ROCK TO THE MUSIC (英語ヴァージョン)
作詞:トニー・ベンダー 作曲:タケカワユキヒデ 編曲:ミッキー吉野

 

Disc. V.A. 『JAM TRIP さすがの猿飛』

1983年12月 LP発売 CX-7134
1983年12月 CT発売 CAY-649

 

Jam Trip Sasuga no Sarutobi

ジャズれば痛快、ジャズれば最高!
名手・猪俣猛のパーカッショナブル・サウンド!

編曲:飯吉馨
演奏:猪俣猛とサウンドリミテッド&パーカッションアンサンブル

 

TVアニメ「さすがの猿飛」
放送期間:1982年10月17日~1984年3月11日
放送時間:毎週日曜日19時00分~19時30分
放送局:フジテレビ系
放送話数:全69話
原作:細野不二彦 音楽:久石譲

 

 

本作品は下記TVアニメからのカバーアルバムである。

 

 

(LPジャケット / LP盤)

 

SIDE A
01 恋の呪文はスキトキメキトキス
02 哀愁のロマン
03 ハ・チャ・メ・チャ
04 Love & ハート
05 忍豚レゲエ

SIDE B
06 ワ・タ・テク・ロマンス 
07 004989-00893
08 ピンク・スパイナー
09 フレンズ
10 恋のB級アクション

Composers:
小林泉美 (01, 09, 10)
久石譲 (02~08)

Arranged by 飯吉馨

Performers:
Sound Limited
Percussion Ensemble
Takeshi Inomata

Drums: Takeshi Inomata
Piano: Kaoru Iiyoshi (飯吉馨)
Guitar: Sadanori Nakamure, Masatsugu Matsumoto
Bass: Kosho Akimoto
Keyboard: Naoki Nishi
Saxophone: Ichiro Mimori (三森一郎)
Trumpet: Kenji Yoshida
Trombone: Tadataka Nakazawa (中沢忠孝)
Percussion: Kenichi Kitano (北野謙一), Norikazu Ejiri
Vibraphone: Hitoshi Hamada

 

Disc. 平松混声合唱団 『演奏会用混声合唱曲集 海をだく』

1983 or 1984年 LP発売 EFO-2065

 

演奏会用混声合唱曲集
海をだく

合唱:平松混声合唱団
指揮:平松剛一

(同名楽譜集は音楽之友社より発売されています。)

 

 

曲目について

A-1 えをかく
この曲は、”ことば”そのもののニュアンスを音とリズムにした曲で、大変ユニークな、すばらしい曲だと思います。まずこの詩を正確な発音で、はっきり何回も読んでから練習に入ることです。言葉の表出により、この絵の世界が広がります。

A-2 勉強に疲れてちょっとひと休みのうた
シンコペーションや、付点8分音符のリズムがあまくならないよう注意。常に新鮮な心の躍動感を失わずに、中間部は少し声を変えて、動きをもった方が良い。明るいはりのある声で歌うことを心がけたい。

A-3 時は流れても
フレーズ感を大切に、流れの中に、Ten.(音符表記省略)等の表現、言葉、特に子音を立てることに注意し、ブスターベ[H]からは、希望を持って、力強く歌い上げ、声は決して固くならず、特に男声は、のどに力が入らぬように心がけたい。

A-4 青い麦
寺島先生の曲には、人の心や、自然への思いやりが、流れるようにこみあげてきます。意図的な変化、急激な高まりはありません。やさしくそよぐ風のように、自然な美しさがピアノと合唱のデュエットによって奏でられれば幸せです。

B-1 まっさらなノート
男声のメロディーが多いが、高音がフラットにならぬよう発声に注意。声を出して詩を読み、まっさらな心で歌うことが、この曲をより一層美しい響きにさせると思います。ただ[D]からの音色の変化に注意したい。

B-2 ともしびを高くかかげて
とにかくこの曲は、明るい響きのある声で歌うことです。ただ明るく in Tempo で歌うというだけではなく、言葉のニュアンス、心の変化にも気をくばりたい。常に暖かい思いやりを忘れずに。

B-3 風に寄せて その1
立原道造の世界には、人間の魂の叫び、生きることの崇高さを感じさせてくれるものがあります。技術的には易しくありませんが、詩を心で受けとめ、歌い込むことにより、この曲の必然性が感じられると思います。限りない躍動感、自然で透明な美しさ、何とも表現しがたい深みがあります。

B-4 海をだく
12/8のリズム、特にタイの部分が流れないように、又それを意識しすぎて、言葉が切れぬように、全体に静かな、やさしい春の海を歌うことが大切です。中間部 Moderato のカノンの部分は、Marcato と legato をはっきり区別し、おおらかな支えのある声で表現するようにしたい。

B-5 新・こころの旅 竹田
ヴォカリーズでつつまれた、美しいメロディーを、ソフトな声でしみじみと歌いたい。あまり固くならずに、むしろ遊びのある歌い方の方が良いと思います。オブリガードとメロディーの人数のバランスを考慮することが必要です。

平松剛一

(LPライナーノーツ より)

 

 

海をだく 合唱 LP sc 1

海をだく 合唱 LP sc 2

(LPジャケット)

 

SIDE A
1.えをかく
作詞:谷川俊太郎 作曲:西村朗
2.勉強に疲れてちょっとひと休みのうた
作詞:新川和江 作曲:新実徳英
3.時は流れても
作詞:山上路夫 作曲:池辺晋一郎
4.青い麦
作詞:関根栄一 作曲:寺嶋尚彦

SIDE B
1.まっさらなノート
作詞:海野洋司 作曲:久石譲
2.ともしびを高くかかげて
作詞:岩谷時子 作曲:冨田勲
3.風に寄せて その1
作詞:立原道造 作曲:尾形敏幸
4.海をだく
作詞:鶴見正夫 作曲:荻久保和明
5.新・こころの旅 竹田
作詞:橋本淳 作曲:青島広志

演奏:平松混声合唱団
指揮:平松剛一
ピアノ:遊間郁子

録音:1983年9月21、22日 10月14日 大田区民センター