『鉄道員(ぽっぽや)』『壬生義士伝』などの原作を手掛けた小説家・浅田次郎の短編を映画化し、中井貴一が主演した映画『柘榴坂の仇討』(ざくろざかのあだうち)の特報が公開され、中井演じる主人公とその敵役を務めた阿部寛による殺陣のシーンが披露された。
桜田門外で討たれた主君・井伊直弼(中村吉右衛門)の敵討ちの命を受けた主人公・志村金吾(中井)が、敵の一人である佐橋十兵衛(阿部)を探し出すさまを通して、誇りと覚悟をもって命に向き合った武士たちの物語を描いた本作。『ホワイトアウト』『沈まぬ太陽』の若松節朗監督がメガホンを取り、19年ぶりに俳優として映画出演を果たした中村のほか、高嶋政宏、真飛聖、吉田栄作、近江陽一郎、CHEMISTRYの堂珍嘉邦、藤竜也などそうそうたる出演陣がそろっている。
今回公開された特報では、久石譲による壮大な音楽とともに、白い雪の上に落ちた赤い血が印象的な井伊直弼が死亡する桜田門外の変のシーンや、江戸から明治に移り変わる激動の時代を象徴するような着物や洋服が入り混じる人々が映し出されるシーンなど、本作の重要場面がいくつも登場。中井の妻役として出演する広末涼子の姿も見られ、雪が降る中傘をそっと差し伸べる良妻ぶりを発揮している。
また物語の核となる役を務めた中井と阿部の二人による演技合戦も見どころ。中井の憎悪にあふれた表情や、阿部の常に悲しみの光をたたえる瞳には両者の役者魂が感じられる。特報のラストで見られる二人が切り合う壮絶な殺陣のシーンには思わず息をのんでしまうことだろう。(編集部・井本早紀)
映画『柘榴坂の仇討』は9月20日より全国公開
公式サイト:映画「柘榴坂の仇討」