2013年に公開され話題を呼んだ、スタジオジブリの高畑勲・監督作『かぐや姫の物語』(音楽:久石譲)。公開当時、その匠の技で「国宝級」とまで称された本作が、1月15日(日本時間)、第87回米アカデミー賞のノミネート作品発表が米ロサンゼルスで行われ、「長編アニメーション部門」でのノミネートが決定した。
本作は、日本最古の物語文学「竹取物語」に隠された、ひとりの少女・かぐや姫の“罪と罰”を高畑監督が独特なタッチで描いたもの。製作に8年を費やし、総製作費は50億円が投じられている。
昨年、『アナと雪の女王』に軍配が上がった「長編アニメーション部門」。昨年度のノミネート段階では宮崎駿・監督作『風立ちぬ』(音楽:久石譲)も入っており、日本中の大きな期待を背負っていただけに「残念…」の声があとを立たなかったが、今回でスタジオジブリとしては2年連続のノミネーション。しかし、日本でも大ヒット中のディズニー作品『ベイマックス』もノミネートされており、そういった意味でも今回の受賞結果には大きな注目が集まるだろう。
もし仮に、2月にロサンゼルスで行われる授賞式で『かぐや姫の物語(英題:The Tale of Princess Kaguya)』の名が呼ばれることになれば、宮崎監督の雪辱を、高畑監督が果たすという面白い形になる。
「かぐや姫の物語」は、高畑監督にとって約14年ぶりの長編作で、日本では2013年11月に劇場公開された。アメリカでは昨年10月に公開され、アニメ界のアカデミー賞と言われるアニー賞の長編アニメーション賞にもノミネート。ボストン映画批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞などでアニメーション賞を受賞している。
アカデミー賞の長編アニメーション賞に日本映画がノミネートされるのは、昨年度の「風立ちぬ」に続き2年連続。アカデミー賞に長編アニメーション部門が設けられた第74回以降、過去にノミネートおよび受賞を果たした日本映画は、全て宮崎駿監督作品(受賞=「千と千尋の神隠し」/ノミネート=「ハウルの動く城」「風立ちぬ」)で、宮崎監督以外では初の快挙となった。
高畑勲監督は「ノミネートされたことを光栄に思います。ノミネートしてくださったアカデミー会員の方々、この作品を高く評価してくださった方々、そして北米での公開に協力してくださった方々に心から感謝します。そして、この作品に関わったすべてのスタッフに感謝します」というコメントを出しました。
第87回アカデミー賞の受賞結果は2月23日(日本時間)、授賞式にて発表。
<第87回米アカデミー賞「長編アニメーション部門」ノミネート作品一覧>
■『ベイマックス』
■『かぐや姫の物語』
■『ヒックとドラゴン2』
■『THE BOXTROLLS』(原題)
■『Song of the Sea 』(原題)