Disc. 東海林修 『DIGITAL TRIP 1800 アリオン』

1986年5月21日 LP発売 CX-7276
1986年5月21日 CT発売 CAY-786
1993年10月21日 CD発売 COCC-11077
2001年10月21日 CD発売 COR-11077

 

1986年公開 映画「アリオン」
監督:安彦良和 音楽:久石譲

 

 

楽曲解説

1.地底王ハデス
アリオンをだましゼウス転覆を計るが、アリオンに気付かれ殺される王のテーマで、何度も現われますが、ドラマの展開を期待させるいい出だしです。シンセのたのしみのシーケンサーでかっこよくスタートです。はじめにきかれる笛のような響はデジタル・サンプリングしたものです。

2.セネカ
アリオンを慕う先住民の子セネカのテーマですが、思いきってテレビ・ゲームの音を使ってみました。大いに論の分かれるところかもしれません。じつは私の機材でもオリジナルとそっくり同じことが出来ます。また作り方も手に取るようにわかりますが、コピーを作っても全く無意味なので、こんな手段をとったわけで、このアルバムで最も苦労した点のひとつです。

3.アリオン
刺客として育てられたティターン族の少年のテーマらしく、大変スリルに満ちた感じを久しぶりにホワイト・ノイズのパーカッションでいきいきと描いてみました。フランジャーなど暫く使わなかったエフェクターも新鮮に響きました。

4.メインテーマ
大変詩的な美しいテーマです。アルペジオを左右に配し立体感をだしました。さらに、デジタルのドラムでリズムをつくれば当たり前で面白みに欠けるので、シンセサイザーらしいリズムセクションで飾ることにしました。

5.戦闘
ほんの少し、私なりの解釈でテーマの品位を傷つけないよう注意をしながら長めにしました。すさまじい争いの表現が見事な曲です。

6.レスフィーナ
私はこの曲がたいへん気にいってますし、オリジナルの音色演奏とも立派ですが、ここでは私なりの音選びをしました。これからはマニピュレーター評価の重要なポイントになっていくと考えられますのでとても神経をつかう場面が多いのが実情です。ともあれ、ゼウスによって秘力を封じられたレスフィーナの美しさが伝わると嬉しいと思います。

7.想い
アカペラで歌われたテーマですが、ここでもシンセサイザーアルバムらしくいまは少しばかり懐かしい感じのテクノ・ポップ風に仕立て直しをしてみましたが、少し高域を抑え賛美歌調の雰囲気を大切にしました。

8.プロメテウス~海蝕洞
黒の獅子王ながらアリオンを助け導く謎の味方らしく、抑えた感じにミステリアスな気分も加わった旋律。シンセサイザーで表現すると、なにやらエスニックな感じが強調され不思議な気分です。

9.ポセイドン
七つの海を制す王、ポセイドンらしくスケールの大きな曲です。もっとも電子楽器の得意とする分野でしょうか。

10.初陣
オリジナルは勇ましい戦場の様子がいきいきと表現されていて、ティンパニが轟き、ブラスが輝かしく響いています。ここではシンセサイザー・パーカッションですから、大いに頑張ってみました。それぞれの個性が楽しめると思います。

11.ハデス
サントラもこの辺りになると、オケも良く鳴りだし、立派な演奏になっています。ティターン三兄弟の長兄で、暗い地底の王らしく響かせるよう、懸命の努力を重ねました。

12.ポセイドンの死
最もシンセサイザーでの表現が楽しみな感じの曲で、このような曲ばかりだといいのですが。ともあれこの中で使ったドラムはとても満足しています。

13.オリンポスへ
スケールの大きなテーマで、よく扱われる題材ですが、見事に描かれています。そこで私も、二つのタイプを作り慎重に比較した結果、少し控え目のほうを採用しました。

14.テュポーン
古世代の巨大な翼龍テュポーン。アソス山に住むこの怪獣、素材としてとても興味深く音楽表現も楽しみで、ひびきもいきいきしています。オリジナルにはスネア・ドラムは聞けませんでしたが、ここではよりポップにリズミックに変えてあります。

15.アポロン
野望に燃えるアポロンにしては控え目な曲ですが、たいへん奥の深い民族色豊かな表現がなされています。ここではアップル・コンピュータでつくりだした、ギターにもハープにも聴ける音色を左に、シンセサイズしたリバーブを右に配して全く別の世界を作ってみました。リズム・セクションは慎重を期しましたが、カーツウェルのベースは、なかなか味わいがあって、びっくりしました。

16.ペガサスの少女
作家の異なる作品で少しばかり雰囲気が変わります。型通りのしっかりしたポップス調。テクノの感じが使って、私なりの衣変えを施しておきました。

(楽曲解説 ~CDライナーノーツより)

 

 

(LPジャケット)

 

 

Digital Trip 1800 アリオン

1. 地底王ハデス
2. セネカ
3. アリオン
4. メインテーマ
5. 戦闘
6. レスフィーナ
7. 想い
8. プロメテウス~海触洞
9. ポセイドン
10. 初陣
11. ハデス
12. ポセイドンの死
13. オリンポスへ
14. テュポーン
15. アポロン
16. ペガサスの少女

作曲:久石譲 (1-15) 林哲司 (16)
編曲:東海林修

シンセサイザー:東海林修

 

Disc. 宮城純子 『DIGITAL TRIP シンセサイザー・ファンタジー 風の谷のナウシカ』

1984年6月21日 LP発売 CX-7160
1984年6月21日 CT発売 CAY-675
1993年9月21日 CD発売 COCC-11062

 

本作はアニメーションクリエーター・宮崎駿の名前を日本中にとどろかせたあまりに有名な作品である。本盤はその音楽をシンセサイザーで新たにアレンジしたもの。映画では使用されなかった宮城純子によるオリジナルの楽曲も収録されている。

 

 

曲目解説

風の伝説
映画のオープニングで使用された曲のアレンジです。原曲の雰囲気を尊重しつつ見事に受け継いでいます。自然と人間の関わり合いを描く「風の谷のナウシカ」の壮大な物語にふさわしく、重厚な語り口で私達を圧倒してくれます。しかし表面的な激しさではなく、例えば絵巻物でもながめながら老婆の呟くお話にじっと耳を傾けているような、そんな気持で聞ける曲になっています。重く、ゆっくりと繰り返される音色は、私達の生活、あるいは全ての生命の営みさえつつみ込んで静かに流れる時の流れの様に、よどみなく移ろってゆきます。

風の谷のナウシカ
原曲は松本隆氏が作詩、細野晴臣氏が作曲を手掛けた、映画のシンボルテーマソングです。話題を呼んだナウシカイメージガールの安田成美さんが歌って大ヒット、多くの人々に親しまれました。この曲のアレンジ物としては、久石譲氏によるシンフォニー編が有りますが、デジタル・トリップ版では前2曲とは違う新たな魅力を発見出来るに違いありません。すでにおなじみのメロディに落ち着きのある神秘的なアレンジがほどこされ、ひとり心静かに聞き入る事が出来るでしょう。ささらく様な主旋律にそっと耳を澄ませて下さい。

戦闘
冷たく、しかも正確に繰り返されるシンセサイザーのドラムマーチは、弾ける様に、跳ねる様に刻まれてゆきます。翻る軍旗、整然と足並をそろえて迫り来る装甲兵の群れ。ごつい鎧兜が不気味に輝きながら砂塵の中でひしめき合う。哀しい叫びとともにあちこちから火の手が上がり、後に残るはひたすらの焼野が原。風の空しく吹き抜けるばかり。力強いシンプルなリズムが、一歩一歩確実に食いつぶしてゆく圧倒的な「力の波」を想わせます。

飛翔 ~シリウスルに向かって~
従来フュージョンの世界で活躍して来られた宮城さんが、「ナウシカ」の世界から得たイメージのひとこまを、最も自分の身近に引き寄せた所で曲作りをされた。思わず体がリズムをとってしまう事受け合いのサウンドで、このアルバムの中では最もスピード感に溢れた曲に仕上がっています。激しさと軽快さに満ちた演奏の中に、生き生きとキーボードを操る宮城さんの指先が見える様です。

ナウシカのテーマ
男よりも男らしく、女よりも女らしく。軽やかに空を舞い、虫にさえ心を通わせる優しさを持ち、時に雄々しく力強く…。本編の主人公ナウシカのイメージを言葉にするのは大変です。どれひとつ欠けても言い足りなくなってしまう。そんな彼女のイメージを、明るく美しいメロディが伝えてくれます。映画の中でも様々なアレンジで使用されていました。このアルバムでは、シンセサイザーならではの音色を弾かせて、流れる様なすっきりした曲になっています。

破壊
この曲も宮城さんのオリジナルの世界です。しかし、この曲における音の扱いは、「飛翔」に見られた激しさとは異質の荒々しさが感じられます。いわば、音を”音そのもの”のまま、たたきつけて来るような恐さでしょうか。巨大なハンマーでも振りおろすかと思われる炸裂音はズバリ破壊の音に他なりません。冒頭から最後まで続く同一のリズムに乗って、高音部では不安感の高まるメロディがひたすら繰り返され、低音からは奇妙な唸り声がはい上がって来る。起伏のない旋律を聞くうちに、言い知れない危機感にとらわれている事に気付くでしょう。映画「風の谷のナウシカ」の中では、「火の七日間」を初めとして、破壊を想起させるエピソードがいくつか有りますが、それらを全て包括してストレートに表現されています。

谷への道
何処から来たのか旅人がひとり。海からの風を受けて回る、幾つもの風車を横目に谷へ続くなだらかな坂道を歩いている。心地良い午後の日ざしの中をゆっくりと、ゆっくりと。畑仕事の帰り道だろうか、向こうから手かごを下げた奥さん達が近付いて来た。親し気に話しかけられてとまどった一瞬、彼は何やら自分が昔からここにいたみたいな錯覚にとらわれていた……。「風の谷」-旅人が、いつの間にか忘れていた安らぎと、活気に満ちた日常生活がここに在る。自然と共に生きる人々の力強さがみなぎっている。「谷への道」この曲は淡々とした語り口で私達を故郷への道に案内してくれる。この喜びを感じる事が出来た今、僕等も風の谷の住人になれた様だ。

鳥の人
「生きている伝説の人ナウシカ」。そんな彼女のイメージが、ノスタルジックなメロディに乗って心地良く伝わって来ます。シンセサイザー(機械!)がこれ程情感あるれた音色を聞かせてくれるなんて。この曲中でナウシカは、ガンシップに乗ってつむじ風の様に飛ぶ人ではありません。むしろはるかな大空を、それこそ鳥が弧を描く様にゆったりと静かに舞っている…。そんな彼女を見て人々はなぜか言い知れぬ安堵感を覚えたりして。そんな情景が目に浮かぶ様です。曲の後半、映画本編では愛らしい少女の歌声で印象的だったメロディが、大幅に装いを変えたアレンジで演奏されています。それは愛らしさよりも、むしろおちついた、つつみ込む様な優しさを強く感じさせるものです。やがて多くの子供達の母親となって行くであろうナウシカの、少女というより女性、あるいは母性のイメージでしょうか。

菊池勝雄

(曲目解説 ~CDライナーノーツより)

 

 

(LPジャケット)

 

 

DIGITAL TRIP 風の谷のナウシカ

1. 風の伝説
2. 風の谷のナウシカ
3. 戦闘
4. 飛翔 ~シリウスルに向かって~
5. ナウシカのテーマ
6. 破壊
7. 谷への道
8. 鳥の人

作曲:久石譲 (1,3,5,7,8) 細野晴臣 (2) 宮城純子 (4,6)
編曲:宮城純子

シンセサイザー:宮城純子

 

Disc. V.A. 『JAM TRIP さすがの猿飛』

1983年12月 LP発売 CX-7134
1983年12月 CT発売 CAY-649

 

Jam Trip Sasuga no Sarutobi

ジャズれば痛快、ジャズれば最高!
名手・猪俣猛のパーカッショナブル・サウンド!

編曲:飯吉馨
演奏:猪俣猛とサウンドリミテッド&パーカッションアンサンブル

 

TVアニメ「さすがの猿飛」
放送期間:1982年10月17日~1984年3月11日
放送時間:毎週日曜日19時00分~19時30分
放送局:フジテレビ系
放送話数:全69話
原作:細野不二彦 音楽:久石譲

 

 

本作品は下記TVアニメからのカバーアルバムである。

 

 

(LPジャケット / LP盤)

 

SIDE A
01 恋の呪文はスキトキメキトキス
02 哀愁のロマン
03 ハ・チャ・メ・チャ
04 Love & ハート
05 忍豚レゲエ

SIDE B
06 ワ・タ・テク・ロマンス 
07 004989-00893
08 ピンク・スパイナー
09 フレンズ
10 恋のB級アクション

Composers:
小林泉美 (01, 09, 10)
久石譲 (02~08)

Arranged by 飯吉馨

Performers:
Sound Limited
Percussion Ensemble
Takeshi Inomata

Drums: Takeshi Inomata
Piano: Kaoru Iiyoshi (飯吉馨)
Guitar: Sadanori Nakamure, Masatsugu Matsumoto
Bass: Kosho Akimoto
Keyboard: Naoki Nishi
Saxophone: Ichiro Mimori (三森一郎)
Trumpet: Kenji Yoshida
Trombone: Tadataka Nakazawa (中沢忠孝)
Percussion: Kenichi Kitano (北野謙一), Norikazu Ejiri
Vibraphone: Hitoshi Hamada