Blog. 「久石譲 ジルベスター・コンサート 2007」 コンサート・パンフレットより

Posted on 2015/01/19

2007年大晦日に開催された「久石譲 ジルベスター・コンサート 2007」です。

念願の初ジルベスターコンサートにして、3回ものアンコールという興奮につつまれた2006年につづいて2回目です。演奏プログラムも前年よりもパワーアップ、ほぼリアルタイムな作品群や世界初演など、まさに2007年を象徴する楽曲たちが並んでいます。これがツアーではなく、一夜限りのジルベスターコンサートでのお披露目ですから、なんと贅沢な至福の時間だったことか、と思います。

 

 

久石譲ジルベスターコンサート2007

[公演期間]
2007/12/31

[公演回数]
1公演
大阪・ザ・シンフォニーホール

[編成]
指揮・ピアノ:久石譲
指揮:金洪才
管弦楽:関西フィルハーモニー管弦楽団

[曲目]
[第1部]
Orbis
組曲「マリと子犬の物語」 (全4楽章) ~「ふるさと」「奇跡の再開」 他2曲~
組曲「太王四神記」 (全4楽章) ~「タムドクのテーマ」「スジニのテーマ」(Pf.Solo) 「勝利へ」「運命」~

[第2部]
Links

[オーケストラストーリーズ となりのトトロ2007]
さんぽ
五月の村
ススワタリ~お母さん
トトロがいた!
風のとおり道
まいご
ネコバス
となりのトトロ

HANA-BI
Tango X.T.C.

—–アンコール—–
あの夏へ (for Piano and Orchestra)
Oriental Wind
夢の星空 (Pf.solo)

 

当日会場で配布されたコンサート・プログラムより各楽曲解説をご紹介します。

 

 

Orbis

今年で25回目を迎えた『サントリー1万人の第九』の記念委嘱作品。本年12月2日、大阪城ホールとサントリーホールとを結び同時衛星中継により世界初演され話題となった。パイプオルガンとオーケストラ、1万人の合唱団からなるこの楽曲を、今回のコンサートのためにフルオーケストラバージョンに書きかえた。華やかさがよりいっそう増すこととなった祝典序曲である。生命の起源となる水の小さな水泡が繋がって、やがて大きな環となる…。Orbisとはラテン語で”環” ”輪”などの意。

 

組曲『マリと子犬の物語』(全4楽章)

12月8日に全国一斉に劇場公開された映画『マリと子犬の物語』のために書かれたオリジナル・サウンドトラックより抜粋。今回はその中から、ブラスによる牧歌的なメロディが印象的なメインテーマを含め、物語を構成する主要な楽曲を再構成、組曲とした。世界初演。物語は2004年の新潟中越地震直後、全村避難の際に村に取り残された犬たちと村の人々との実話をもとにした心温まる感動ストーリー。音楽が作品をより起伏の富んだものへと彩りを添えている。
(『マリと子犬の物語』オリジナル・サウンドトラック収録)

 

組曲『太王四神記』(全4楽章)

12月4日より、NHK BS-hiによって放映が開始され話題となっている、ペ・ヨンジュン主演の韓国歴史ドラマ『太王四神記』おために書き下ろされた楽曲の中より、メインテーマを含む4曲を抜粋、世界初演の演奏となる。久石はこのドラマのために50曲以上もの楽曲を提供、フルオーケストラ編成の壮大なスケールの楽曲はダイナミックなドラマの世界観をより一層際立たせている。
(『太王四神記』オリジナル・サウンドトラック収録)

注)4曲とは、「タムドクのテーマ」 「スジニのテーマ」 「勝利へ」 「運命」

 

-休憩-

 

Links

Japan国際コンテンツフェスティバル(CoFesta)のテーマ曲としての委嘱作品。ミニマルミュージックのスタイルを多分に踏襲した楽曲で、冒頭に現れる8分の15拍子のリズミックで特徴的なフレーズをほぼ一貫して全曲中に使用。一つのテーマをオーケストラという可能性の中で様々な形に発展・展開してゆく妙は必聴。曲は後半にいくにつれ、緊張感と共に盛り上がっていく。15拍子という変拍子の中にグルーヴさえをも感じさせるスピード感溢れる楽曲。

 

オーケストラストーリーズ となりのトトロ2007

初めてオーケストラに接する子供たちと大人たちのための入門的作品。おなじみの「さんぽ」では楽器の音色や役割、特徴をわかりやすく解説。一つのオーケストラ作品としても完璧なまでに完成され、ストーリーの展開もさることながら、聴く者を飽きさせることのない内容に富んだ作品である。今回、新たに3管編成に編曲。
(『オーケストラストーリーズとなりのトトロ』収録)

 

HANA-BI

第54回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した映画『HANA-BI』のメインテーマ曲。アルバム〈Nostalgia〉に収録され、レコーディングを行ったイタリアを感じさせる哀愁漂う作品である。3拍子と4拍子のセクションが交互に置かれ、その上に乗る官能的なメロディーが印象的である。
(アルバム『WORIS II』等に収録)

 

Tango X.T.C.

華やかなこの楽曲はコンサートで演奏される機会が多く、「HANA-BI」同様、久石本人が大切にしている楽曲の一つでもある。映画『はるか、ノスタルジィ』のテーマ曲で、1992年にTango X.T.C.(エクスタシー)と名付けられ、アルバム〈My Lost City〉に収録された。その後オーケストラのために新たに書き直され、前作とはひと味違った作品に生まれ変わっている。
(アルバム『WORKS II』等に収録)

(久石譲 ジルベスターコンサート 2007 コンサート・プログラムより)

 

 

ジルベスター・コンサート 2007

 

カテゴリーBlog

コメントする/To Comment