Info. 2013/01/25 山田洋次監督×久石譲 スペシャルトークセッション

2013年1月25日 国立音楽大学(久石譲:招聘教授)にて映画「東京家族」で初タッグを組んだ山田洋次監督と久石譲のスペシャルトークセッションが開催された。

250名の学生を前に、映画や音楽を巡る現状について熱く語り合い、久石譲によるピアノ演奏なども披露された。

今回、監督作品81作目にして初めて久石譲に音楽を依頼したが「もちろん(久石が担当した)作品は拝見していましたし、ぜひ一度、お仕事させていただきたいと思ってました。映画音楽は映画が好きな人じゃないとダメなんです」と念願かなってのタッグ実現を嬉しそうに振り返った。だが映画監督にとっては音楽家との仕事はなかなか気疲れするもののようで「最終的なイメージは作曲家の中にあるんでね。とても気を使うんです。お見合いのようにドキドキします」と語る。

一方の久石譲は今回の仕事について「苦労しましたよ!」と告白。「普通、2時間の映画にだいたい50分から60分くらい音楽が付くんですが、今回は2時間半くらいの映画で音楽は25分くらい。平均して40秒から50秒くらいの曲が多いんです。短い音楽を書くのは難しいんです」と述懐する。しかも監督からは「空気のような音楽」というリクエストがあったとか。「芝居の邪魔にならずにそれでもどこかで共存するものとして考えました。いかに薄く書くか? でも痩せちゃいけない…。工夫する中で新たな発見がありました」と明かす。

映画音楽の在り方について山田監督が「映画音楽を学ぶ場や研究する人がいないのが不思議」と語ると久石譲は「論理的、学問的にやらないとムードで曲を付けることになってしまう」と深くうなずく。さらにいまのテレビドラマやアメリカの大作映画の音楽について久石譲は「画面をなぞっているような音楽が多すぎる。ハリウッドは特に最悪」と辛辣な言葉を浴びせる。「情報を知ることで物事を知ったと勘違いしている」という久石譲の嘆きに山田監督も大いに賛同。

またトークの合間には、久石譲がピアノソロで『千と千尋の神隠し』より「One Summer’s Day」を演奏し、続いてチェロ奏者・花崎薫氏が加わり『東京家族』のメインテーマ曲、映画『おくりびと』からは「Departues」という3曲を披露し会場を沸かせた。

参考文献:山田洋次監督×久石譲、音大生を前に現代の映画音楽を痛烈批判

 

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