NHKが総力を挙げて取り組むスペシャルドラマ『坂の上の雲』、その第2部の記者発表が渋谷区神南のNHKで行なわれた。
このドラマの原作は司馬遼太郎の長編小説「坂の上の雲」だ。司馬遼太郎が10年の歳月をかけ、「明治国家」が総力を挙げて戦った最初の国民戦争である日露戦争とその時代を生きた明治の青春群像を渾身の力で書き上げた作品で、ドラマではこの原作を通して、日本および日本人のあり方を探りながら、壮大なスケールで時代を再現するというもの。
3年にわたる長期制作で作り上げられた本作は3年にわたって放送予定で、2009年12月に第1部として全5回が放送され、第2部はNHK総合テレビで12月5日から毎週日曜全4回が放送され、完結編となる第3部は2011年12月に放送予定だ。
記者発表には本木雅弘、阿部寛、香川照之、菅野美穂、藤本隆宏が登場、第2部がスタートするにあたって、「第2部はそれぞれのキャラクターが粒だっていて、明治人のエネルギーが感じられる」(本木)、「今回は友情がテーマ。男たちが、坂の上を一段登って、またひとつ伸びて行くさまが描かれている」(阿部)、と、その見所を披露。また、「2009年に続き、2010年も同じ面子で会見するのはこのドラマでしかありえない経験」(菅野)、「はじめてのドラマ出演で、こんな役をもらえて感謝。3年にわたる制作期間を終えて、仲間と別れる寂しさと、やりとげたという安堵感がある」(藤本)と、長期間にわたり、苦労とともに充実感もあったドラマ制作の感想を語っていた。
そして、第2部のハイライトシーンのひとつである正岡子規の死の場面に関しては、本木、香川、菅野ともに、その死の舞台となった根津の子規庵の舞台セットの素晴らしさを絶賛。その役作りのため17キロもの減量を行った香川は「セットにも助けられた。非常に重いシーンだったが、このような作品に出会えたことを感謝している」と語り、菅野は「香川さんの俳優としての執念がすごかった」と、香川の演技を絶賛した。
更にこのドラマが国際エミー賞の候補にあがっているという指摘に対しては「これだけ苦労した作品が候補になるのは嬉しい。受賞すれば初の快挙となるが、最終選考に残ったというだけでも嬉しい。」(本木)と、素直にその喜びを語っていた。
スペシャルドラマ「坂の上の雲」のメインテーマは久石譲作曲の「Stand Alone」で、第1部メインテーマはサラ・ブライトマンが歌い話題を呼んだが、2010年の第2部メインテーマは日本のトップ・ソプラノ森麻季が歌う。この新ヴァージョンは今回の試写で初披露となった。同楽曲は『NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」オリジナル・サウンドトラック2』に収録される。このアルバムには、サウンドトラック第1弾未収録曲や新録音楽曲、さらにはドラマ中で使用されているサラ・ブライトマンの歌と久石譲のピアノによるデュオ・ヴァージョン「Stand Alone with Piano」もボーナス・トラックとして特別収録され、11月17日にドラマ第2部の放映に先がけ発売となる。
『NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」オリジナル・サウンドトラック2』
2010年11月17日発売 TOCT-27010 2,800円(税込)
音楽:久石譲
指揮:久石譲/演奏:東京ニューシティ管弦楽団
指揮:外山雄三/演奏:NHK交響楽団(M24:第2部メインテーマ)
ボーナストラック:サラ・ブライトマン×久石譲「Stand Alone with Piano」特別収録
http://emij.jp/sakanoue/(PC/携帯)
NHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』オリジナル・サウンドトラック
TOCT-26910 2,800円(税込)