NHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』効果で、2009年以来“坂の上の雲”ゆかり各地で観光客が増加、サントラCDも異例のヒットを記録しているという。
愛媛新聞によると、主人公の秋山好古・真之兄弟や正岡子規の故郷愛媛県では県内主要観光地15カ所で観光客11%増、2003年度以降では最多を記録。ドラマ『坂の上の雲』の放送中から終了後にかけ客足が伸び、2010年1月は県内全体で前年同月比29.3%の大幅増となったという。2009年推計では松山を訪れた観光客は525万人に増加、これは過去10年で最多。2010年11月、松山市の『坂の上の雲ミュージアム』では入館者60万人を2007年4月開館から3年7カ月で達成、同市内の『子規記念博物館』でも2010年11月、1981年4月の開館以来30年目という節目に入館400万人を達成、『坂の上の雲』のドラマを見て初めて松山を訪れた神奈川の夫妻に認定書が贈呈された。
同市内の『秋山兄弟生誕地』の入場者数も、ドラマ放送開始以降、前年比約2倍の来場者となり、ドラマのオープニング映像のロケが行なわれた松山城天守閣の入場者数も前年比約114%と好調。「坂の上の雲のまち」を目指して街つくりを行なってきた松山市の想いが、ドラマ放映に伴って成果を出したといえる。
“坂の上の雲”効果で盛りあがっているのは愛媛県、松山市だけではない。
2010年放送の第2部のクライマックスのひとつである正岡子規の最後の舞台となった東京台東区根岸の「子規庵」でも、ドラマ放送開始の2009年度、前年比約2倍の入庵者を記録。2010年度はさらに2008年度比約3倍のペースで増加する見込みだ。子規庵保存会広報によれば、子規の旧居(子規庵)があることを初めて知った人も多く、司馬遼太郎ファン、特に『坂の上の雲』ファンの増加が目立ち、子規ファンだけでなく秋山兄弟の存在が大きいそうで、秋山真之が子規庵を訪れたかという質問も多いそうだ。
また来年放送の第3部のクライマックスのひとつとなる日露戦争で、秋山真之が参謀として乗艦し、バルチック艦隊を撃破した戦艦「三笠」を保存した「記念艦 三笠」ではドラマ放送が開始された2009年度、観覧者数が37年ぶりに15万人を超えた。2010年度はそれを上回るペースで観覧者が増加している。記念艦三笠の広報によれば、ドラマ放映以降は若いカップルなど20~30代の来場者がぐっと増えたという。
ゆかりの各地では、2011年にかけての更なる観光客の増加に期待を寄せている。あわせて久石譲が手掛けているドラマのサントラCDもヒット中だ。2009年に発売された第1弾と2010年に発売された第2弾の2作の合計出荷枚数は3万枚を超え、問い合わせも多いという。
現在サントラ特設サイトでは、“坂の上の雲”ゆかりの地とサントラCDが一緒に楽しめるユニークな企画『坂の上の雲 音楽旅行記』が掲載されている。スタッフがゆかりの地を訪れドラマのサントラCDを試聴、その場所で聞いてみてほしいおススメ曲をゆかりスポットと共に紹介しているというものだ。
『坂の上の雲』オリジナル・サウンドトラック(音楽:久石譲)
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『坂の上の雲』オリジナル・サウンドトラック2(音楽:久石 譲)
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