Disc. 久石譲 『PRIVATE プライベート』

久石譲 『PRIVATE プライベート』

2004年1月21日 CD発売 WRCT-1007

 

久石譲はボーカリストだった!~本人セレクトによる初のボーカルベスト~

 

 

寄稿

映画を見ていると、ひとつやふたつ必ずや印象的なシーンがあります。特に一流の映画ともなれば、人間の視覚だけではなく、聴覚をも刺激して、音楽や効果音を含めた、ひとつのシーンを鮮明に心に刻み込むものです。また、逆に映像と音楽がミックスされることで、より印象に残るシーンが生まれます。たとえばホラー映画の代表作『エクソシスト』は、あの名曲「チューブラー・ベルズ」がなければ、怖さも半減してしまうでしょう。

日本映画を見ていて、あの名曲と言えば必ず”久石譲”という名前が浮かぶようになったのは、いつ頃からでしょうか?彼は誰もが知っている『千と千尋の神隠し』や『もののけ姫』などの宮崎駿作品、『ソナチネ』『菊次郎の夏』『BROTHER』などの北野武作品、『ふたり』『はるか、ノスタルジィ』などの大林宣彦作品の音楽を担当し、日本アカデミー賞最優秀音楽賞を5回も受賞している、日本映画音楽の”ヒットメーカー”です。久石譲作品はなぜたくさんの人たちのハートを捕らえて離さないんでしょうか?それは彼の作るメロディーが聴き手の心のひだにまで染み込んできて”心の琴線”を震わせる力があるからだ、と思います。

地震のエネルギーの大きさは”マグニチュード”で表します。だとしたら、名曲のエネルギーの大きさは”曲力”で表せるのではないでしょうか?すなわち、この曲は”曲力10”のすごい名曲である、云々。おそらく久石譲の作る曲は全て”曲力10以上”のすごい”名曲”に違いありません。だからこそ、たくさんの人たちのハートを侵食して、気づかないうちに心を奪ってしまっているのです。

ニューアルバム「プライベート」は、1987年『となりのトトロ・イメージソング集』から1993年のNHKスペシャル『人体II・脳と心』までのカタログから選りすぐられた久石譲本人によるボーカル曲のみで構成されています。今となってはピアニストのイメージが強い彼の作品の中でも、貴重な一枚になる事は間違いないでしょう。

このアルバムを聴いていると、自分の”脳裏のスクリーン”に自然と映像が浮かんできます。そして、いつしか心のひだから素直な感情が溶け出して、心が癒やされます。久石譲の作る曲はまさに”名曲”という”良薬”なのです。

宮澤一誠

(寄稿 ~CDライナーノーツより)

 

 

This album made by selection old following albums
M-3:NHKスペシャル 驚異の小宇宙「人体II 脳と心」サウンドトラック Vol.1 (1993)
M-12:「となりのトトロ」イメージソング集 (1987)
M-11:「ふたり」オリジナルサウンドトラック (1990)
M-4,5,6,9,10:illusion (1988)
M-2,7,8:PRETENDER (1989)

 

 

久石譲 『PRIVATE プライベート』

1.Nightmoves
2.MEET ME TONIGHT
3.Brain & Mind
4.風のHighway
5.Night City
6.冬の旅人
7.MARIA
8.WONDER CITY
9.ブレードランナーの彷徨
10. 少年の日の夕暮れ
11.草の想い
12.小さな写真

All Composed, Arranged, Produced and SUng by Joe Hisaishi

Original Tracks Recorded at Roppongi, Kannonzaki, New York and London

Remixed by Suminobu Hamada (M-7), Teruaki Ise (M-9)
Remixed at WonderStation
Mastering at WonderStation

 

1.Nightmoves
Lyric:Michael Franks
Composition:Michael Lewis Small
Arrangement:久石譲
Volcal:久石譲

2.MEET ME TONIGHT
Lyric:宇多田照實
Composition&Arrangement:久石譲
Vocal:久石譲

3.Brain & Mind
Lyric:久石譲
Composition&Arrangement:久石譲
Vocal:久石譲・Jackie Sheridan

4.風のHighway
Lyric:松本一起
Composition&Arrangement:久石譲
Vocal:久石譲

5.Night City
Lyric:三浦徳子
Composition&Arrangement:久石譲
Vocal:久石譲

6.冬の旅人
Lyric:松本一起
Composition&Arrangement:久石譲
Vocal:久石譲

7.MARIA
Lyric:BANDIT・KYSIA BOSTICK
Composition&Arrangement:久石譲
Vocal:久石譲

8.WONDER CITY
Lyric:宇多田照實
Composition&Arrangement:久石譲
Vocal:久石譲

9.ブレードランナーの彷徨
Lyric:松本一起
Composition&Arrangement:久石譲
Vocal:久石譲

10.少年の日の夕暮れ
Lyric:松本一起
Composition&Arrangement:久石譲
Vocal:久石譲・藤澤麻衣

11.草の想い
Lyric:大林宣彦
Composition&Arrangement:久石譲
Vocal:大林宣彦・久石譲

12.小さな写真
Lyric:宮崎駿
Composition&Arrangement:久石譲
Vocal:久石譲

 

第3回:「眠い!」

連載 ハウルの動く城 久石譲

連載 久石譲が挑む「ハウル」の動く音 (読売新聞)
第3回:「眠い!」

2003年10月16日。アルバムの録音が行われるチェコ・プラハへの出発日。久石譲は、フライトの1時間前に成田空港に到着した。開口一番「眠い!」。前日も遅くまで譜面に向かっていたようだ。

この日まで、オーケストラ用の譜面制作のために、午後1時ごろにスタジオ入りし、翌朝までこもりきりの毎日が続いていた。編曲にまだ納得していない様子で、機内で3曲を手直しするという。

ここで、プラハ行きのメンバーを紹介したい。久石、スタジオジブリの音楽担当の稲城和実と津司紀子、徳間ジャパンコミュニケーションズの小林潔、スーパーバイザーの大川正義、久石の拠点スタジオ「ワンダーステーション」のエンジニア浜田純伸と秋田裕之、そして記者の8人。現地の気温が摂氏0度前後と予想されるため、皆、すっかり冬装備だ。

「できれば機内で少し眠りたいけど、緊張して無理かも知れない」と久石。午前11時35分、定刻通り成田を出発。

チェコへは直行便がないため、ドイツ・フランクフルトでトランジット。飛行機から降り立った久石は、まだ険しい顔のままだった。「直しはあと少し。でも、終わりは見えてきたよ」

トランジットの合間も、空港のカフェで修正を続ける。ノートを取り出し、メロディーを口ずさんでは、メモを書き込んでいく。周囲の喧騒はまったく耳に入らないようだ。

修正が一段落し、ワインを口に運ぶ。表情に穏やかさが戻ってきた。「やっとお酒が飲めたよ。いつもの旅なら、飛行機に乗るとすぐに気持ちよくなっているはずなのに」と笑う。

同じくプラハ市内の旧市庁舎広場に面して立つティーン教会

お酒も入ったためか、それまで寡黙だった久石が、にこやかに語り始めた。近々、解剖学者の養老孟司と対談本を出すという。以前、ラジオで話して興味深い話ができたため、もう少し広げてみようということになったそうだ。「養老さんは、難しいことをちゃんと分かるように話してくれる人だよね」

例えばこんな話。「映画音楽の場合、音は絵とジャストのタイミングじゃ駄目なんだ。ジャストだと絵と一緒になった時に早すぎるように聞こえてしまう。1秒間24コマのうち、実際は2、3コマ遅らせてちょうどいいんだ。僕はそれを経験で知っていた。養老さんにその話をしたら、脳の知覚から考えても正しいと言っていたね。視覚情報というのは感覚的で、聴覚情報は論理的だからって」

「音楽というのは、時間と切り離して考えられない。話し言葉と一緒だよね。だから論理的になるんだって。それに対して、絵のような視覚情報というのは、時間と関係なく存在するから感覚的なんだね」

「そうそう、養老さんの書いた『バカの壁』は面白かった。みんなに勧めたよ」

休日の話題に移る。「日曜日はできるだけ休むようにしている。ジムに行って、夜はかみさんと寿司を食べるのが日曜日の大切な行事。世田谷の寿司屋はほとんど開拓したよ」

さて、そろそろ時間だ。プラハへ向かうため、再び、荷物を持つ。

1時間あまりのフライトを終え、現地時間16日20時10分(日本時間17日午前3時)、チェコのルズィニェ国際空港に到着。思った通りの寒さだ。摂氏2度の気温の中、一行を乗せた車は、夜のプラハ市街に滑り込んでいく。(依田謙一)

(2004年1月20日 読売新聞)

 

連載 ハウルの動く城 久石譲

 

第2回:「何かが降りてきたのかも知れないね」

連載 ハウルの動く城 久石譲

連載 久石譲が挑む「ハウル」の動く音 (読売新聞)
第2回:「何かが降りてきたのかも知れないね」

2003年9月。久石譲は、8月に宮崎駿監督とイメージアルバムの打ち合わせをして以来、絵コンテなどをもとに様々な思いを巡らせていたが、まだ1曲もできていなかった。

しかし、悠長に構えているわけにはいかない。録音までに残された時間は、あと1か月となっていた。

時間だけが過ぎていくなか、久石はスタッフに「静かな場所にスタジオを手配できないか」と持ちかけた。都心を離れ、気分を変えるのは、没頭したい時の「恒例行事」だ。

山梨・小淵沢のスタジオが確保されると、久石は自らハンドルを握り、東京を発った。

道中、渋滞につかまったため、疲れもあったが、到着するなりスタジオに入った。ピアノの前に座り、一息つく。

次の瞬間、音が鳴り出した。まるで知っている曲を弾くように、滑らかに指が動く。監督との打ち合わせ以来、頭の中で巡らせていたイメージが、小淵沢の静寂によって、一気に溢れ始めていた。

作曲のために用意された期間は、14日から24日までの11日間。オーケストラ用の譜面制作などを考えると、なんとしてもこの期間で書き上げなければならないはずだが、久石は「時間はなかっだけど、できなくても仕方ないと思って、構えずに臨んだ」と振り返る。

アイデアを冷静にまとめるために、合宿中は規則正しく過ごした。9時45分に起床し、10時から約1時間の散歩。11時30分にブランチを取り、12時30分にスタジオ入り。以降、18時まで、トイレ以外一歩も出ることなく作曲。夕食後、19時から再開し、午前0時過ぎまで取り組む。これが毎日続いた。

最終的に、久石は10曲の「動く音」を生んだ。それぞれモチーフの違うオーケストラ用の曲をこれだけの期間で作るのは、驚異的なペースだ。自分でも「奇跡だ!」と興奮する集中力だった。

コンピューターに打ち込まれた音は、すでに豊かな響きを獲得しており、どれも短期間で作られたとは思えないクオリティーに達していた。

小淵沢は、一般に観光地として知られているが、実際に訪れると、南アルプスや八ヶ岳が目前に迫り、あまりの迫力に、美しさへの感嘆より、畏敬の念を抱く。実は、宮崎監督もこの周辺の風土を愛し、近くに別荘を所有している。

スタジオを後にする頃、久石はこうつぶやいた。「こんなに順調に進むなんて、何かが降りてきたのかも知れないね」──。(依田謙一)

(2004年1月18日 読売新聞)

 

連載 ハウルの動く城 久石譲

 

第1回:「そろそろチェコ・フィルでいかがですか?」

連載 ハウルの動く城 久石譲

連載 久石譲が挑む「ハウル」の動く音 (読売新聞)
第1回:「そろそろチェコ・フィルでいかがですか?」

宮崎駿監督作品の魅力を語る上で、決して欠かせないものがある。

久石譲の音楽だ。

2人がコンビを組んだ最初の作品「風の谷のナウシカ」(1984年)は、久石の音楽と宮崎監督の紡ぎ出した世界が絶妙に絡み合い、冒頭から一気に引き込まれる。

以来、その「習慣」は変わらない。2人はいつも、最初の3分で、とてもつない映画が始まったことを教えてくれる。

そんな2人が取り組んだのが、2004年11月公開の新作「ハウルの動く城」だ。

同作の音楽打ち合わせが初めて行われたのは、03年8月。まず、これまでの作品と同様に、イメージアルバムを作ることが確認された。

イメージアルバムとは、本編のサウンドトラック制作前に、監督によるイメージ詩やキャラクター設定、作品への思いなどが書かれた手紙をもとに作られる、デモテープ的アルバム。監督はこのアルバムを聴きながら作業を続け、サウンドトラック制作時に、「この要素をもっと広げてほしい」などの要望をする。「ナウシカ」以降、2人が組んだ作品はすべてこの方法で作られてきた。

打ち合わせで、監督は久石に対し「客観的な音楽を」と求めた。日頃、登場人物ごとに「いかにも」なテーマ曲をつけるハリウッド映画的な音楽に疑問を抱き続けていた久石は、この言葉に共感した。

宮崎監督は、決して音楽に詳しいわけではない。楽譜も読めない。しかし、スタジオジブリの音楽担当の稲城和実はこう話す。「勘がいいし、鋭い。音楽に精通した人間でもはっとさせられることがしばしばある」

打ち合わせが終わると、稲城が不意にある提案をした。「そろそろチェコ・フィル(ハーモニー管弦楽団)でいかがですか?」

チェコ・フィルは、ヨーロッパを代表する名門オーケストラ。19世紀末にドボルザークの指揮でコンサートを行って以来、結成100年を超える。日本にもファンが多く、機械的でない「歌心」のある演奏には定評がある。

久石も以前から一目置いており、「もののけ姫」(97年)公開後には、サウンドトラックとは別に、楽曲としての完成度を追求した「交響組曲 もののけ姫」を録音している。

稲城の提案は、そのチェコ・フィルにイメージアルバムで演奏してもらってはどうかというものだった。

このところオーケストラとの共演が続いていた久石は、作曲時に自然とフルオーケストラを想定することが多く、素直にこの提案を受け入れた。何より、「ハウル」の世界観を表現するには、ヨーロッパの正統派オーケストラが演奏するような曲が合うと思っていたのも、決断した大きな理由となった。

久石の依頼を、チェコ・フィル側も快諾。すぐに準備が始まった。しかし、録音日に選ばれた10月中旬までに残された時間は、2か月を切っていた──。

「ハウル」に臨む久石を追った。(依田謙一)

(2004年1月11日 読売新聞)

 

連載 ハウルの動く城 久石譲

 

Disc. V.A. 『小田和正 音楽集 KAZUMASA ODA music file Orchestral Instrumental 120』

2003年 CD-BOX発売 OCD-89001 ~ 89010

 

久石譲が編曲を手がけた一曲「ラブ・ストーリーは突然に」(オリジナル:1991)が収録されている。通販流通商品でもしかしたら一般流通していた時期もあるかもしれない。発売日は調べきることが出来なかったが、商品CDレーベルなどに「2003」と明記されている。収録曲からみても、当時の最新楽曲で2002年の曲があったり、本企画に1年かけたという制作ノートの言及などもあり、過去の編曲ワークをリパッケージしてものではなさそうである。現時点では久石譲が2002~2003年にかけて参加したもではないかと推察している。

 

 

小田和正 音楽集 KAZUMASA ODA music file Orchestral Instrumental 120 CD全10巻

こんなインストゥルメンタル全集が欲しかった!まるで運命のように出会ってしまった「名曲」と「名演」が生み出す優しく、力強く、純粋な「音楽の感動」を今、あなたへ…

大ヒット曲「ラブ・ストーリーは突然に」をはじめ、小田和正の名曲120曲を、小田和正の盟友であり、音楽プロデューサーとして共に数々の作品を創造してきた武藤敏史、13組もの日本屈指の名アレンジャー、国内外の130名(グループ)以上に及ぶ一流ミュージシャンが、それぞれ持てる力を結集し、ヴォーカルが入らない「インストゥルメンタル」として全曲新規録音した全集が『小田和正 音楽集』です。

「誰より楽しんでいるのは、この僕に違いない」―本全集に寄せて、小田和正はこんな風に語っています。オリジナル曲のメロディーの良さや雰囲気がより引き立つように、さまざまな楽器、そしてさまざまな演奏形態で1曲1曲個性的に編み上げられた魅力溢れる音楽世界をどうぞ存分にご堪能ください。

記録的ヒットとなった名曲から、アルバムの中に大切にしたためられたナンバーまで、選りすぐられた120曲が、フル・オーケストラ、ソロ・ピアノ、アコースティック・ギター、バンド演奏などに編曲され、1年以上に及ぶ制作時間をかけて丁寧にレコーディングされた、真に上質のインストゥルメンタル全集です。

編曲は安部潤、井上鑑、大島ミチル、国吉良一、斉藤恒芳、服部隆之、久石譲、Far East Club Band、深浦昭彦(S.E.N.S.)、船山基紀、溝口肇、山川恵津子、山弦が担当。日本屈指の名アレンジャー13組によるバラエティー豊かな編曲でお楽しみいただけます。

演奏には朝川朋之、伊東たけし、櫻井哲夫、鈴木健治、ダニー・ゴッドリーブ、バカボン鈴木、ビル・エバンス、フェビアン・レザ・パネ、松原正樹他130名(グループ)以上に及ぶ一流ミュージシャンが参加!まさに名演の宝庫といえるコレクションです。

 

付録1 カラーブックレット Message in a Box

小田和正自身や今回の企画に参加したアーティストの興味深い話が満載!小田和正の音楽世界をより深く知ることのできる充実した内容です。

LPサイズ/64ページ/オールカラー

 

付録2 全曲歌詞集 Words & Liner Notes

全曲の歌詞と解説を掲載。年代を追って書かれた解説で、バイオグラフィーとしても楽しめる1冊です。

LPサイズ/88ページ

(メーカーインフォメーションより)

 

 

 

BOXセットにはLPジャケットサイズのブックレットが封入されている。

「Words&Liner Notes」は88ページに及ぶもので、全収録曲の歌詞と楽曲解説が掲載されている。楽曲解説は田家秀樹氏によるもの。

「Message in a Box」は64ページに及ぶもので、各ページをさいて編曲を手がけた音楽家や参加ミュージシャンからメッセージや制作エピソードが寄せられている。久石譲はプロフィール紹介と写真のみでコメントは寄せられていない。ほかにもそのようなミュージシャンが数名いる。レコーディング風景写真も随所に収められている。また「特別座談会ーもう一つのLOOKING BACK」小田和正×武藤敏史×朝妻一郎も巻末収録されている。

 

なお楽曲ごとの楽器編成や演奏者のクレジットはない。

 

アルバム『My Lost City』から「Tango X.T.C.」や「JEALOUSY」を彷彿とさせる本格的なタンゴアンサンブルになっている。”ちょっと編曲のお仕事しました”の枠を超えたクオリティの高い楽曲に仕上がっている。Piano Storiesシリーズにあっても違和感ないほどの完成度でとにかくかっこいい。ここでしか聴けないのがもったい、言葉にできない。

「ラブ・ストーリーは突然に」(オリジナル:1991)で偶然にも『My Lost City』(1992)と近いため、この時期の編曲かと考えることもできるかもしれない。ただ、本企画はおそらくゼロベースから全ての楽曲制作は同時期に行われたであろうことが制作インタビューなどからうかがえる。久石譲によるこの編曲も2000年代以降の創作性を感じる現代的な構成と響きを押し出していて、そういう点では『FREEDOM PIANO STORIES4』(2005)「Constriction」などもイメージできるかもしれない。あの日、あの時、あの場所で、、このお仕事の経緯が知りたい。

 

 

 

(ユーキャン公式サイトより)

 

 

 

 

 

小田和正 音楽集 01

01

1. 僕の贈り物 編曲:船山基紀
2. よみがえるひととき 編曲:船山基紀
3. 水曜日の午後 編曲:国吉良一
4. ほんの少しの間だけ 編曲:国吉良一
5. さわやかな朝を迎えるために 編曲:船山基紀
6. 別れの情景 I 編曲:安部潤
7. 別れの情景 II ~もう歌は作れない 編曲:安部潤
8. 秋ゆく街で 編曲:井上鑑
9. 首輪のない犬 編曲:井上鑑
10. ワインの匂い 編曲:井上鑑
11. 眠れぬ夜 編曲:井上鑑
12. 雨の降る日に 編曲:安部潤
13. 倖せなんて 編曲:山弦
14. 愛の唄 編曲:服部隆之
15. 老人のつぶやき 編曲:国吉良一

 

02

1. めぐる季節 編曲:安部潤
2. こころは気紛れ 編曲:井上鑑
3. ひとりで生きてゆければ 編曲:井上鑑
4. 青空と人生と 編曲:国吉良一
5. 歌を捧げて 編曲:国吉良一
6. 愛のきざし 編曲:国吉良一
7. あなたのすべて 編曲:井上鑑
8. やさしさに さようなら 編曲:安部潤
9. 秋の気配 編曲:船山基紀
10. 去っていった友へ -T氏に捧げる- 編曲:国吉良一
11. 夏の終り 編曲:山弦
12. 冬が来るまえに 編曲:船山基紀
13. いつもいつも 編曲:船山基紀

 

03

1. 愛を止めないで 編曲:船山基紀
2. 思いのままに 編曲:国吉良一
3. その時はじめて 編曲:安部潤
4. 風に吹かれて 編曲:井上鑑
5. 生まれ来る子供たちのために 編曲:船山基紀
6. 僕等の時代 編曲:大島ミチル
7. きかせて 編曲:船山基紀
8. 時に愛は 編曲:安部潤
9. Yes-No 編曲:井上鑑
10. さよなら 編曲:大島ミチル
11. 私の願い 編曲:国吉良一

 

04

1. 愛の中へ 編曲:山川恵津子
2. 哀しいくらい 編曲:山川恵津子
3. I LOVE YOU 編曲:山川恵津子
4. 言葉にできない 編曲:国吉良一
5. YES-YES-YES 編曲:船山基紀
6. 心はなれて 編曲:井上鑑
7. NEXTのテーマ ~僕等がいた 編曲:安部潤
8. 夏の日 編曲:Far East Club Band
9. 気をつけて 編曲:溝口肇
10. 君が、嘘を、ついた 編曲:船山基紀
11. 緑の日々 編曲:国吉良一
12. ふたりで生きている 編曲:大島ミチル

 

05

1. もっと近くに 編曲:安部潤
2. IT’S ALL RIGHT (ANYTHING FOR YOU) 編曲:安部潤
3. たそがれ 編曲:国吉良一
4. 時代のかたすみで (せめて、今だけ) 編曲:深浦昭彦 (S.E.N.S.)
5. she’s so wonderful 編曲:安部潤
6. 白い渚で 編曲:船山基紀
7. 多分 その哀しみは 編曲:井上鑑
8. 夏の別れ 編曲:井上鑑
9. 昨日 見た夢 編曲:国吉良一
10. 君住む街へ 編曲:大島ミチル
11. still a long way to go -また会う日まで- 編曲:井上鑑

 

06

1. 1985 編曲:Far East Club Band
2. 切ない愛のうたをきかせて 編曲:国吉良一
3. 夜の行方 編曲:船山基紀
4. 哀しみを、そのまゝ 編曲:国吉良一
5. 空が高すぎる 編曲:溝口肇
6. 一枚の写真 編曲:船山基紀
7. 静かな夜 編曲:国吉良一
8. ためらわない、迷わない 編曲:Far East Club Band
9. 誇れるのはたゞ 編曲:深浦昭彦 (S.E.N.S.)
10. a song of memories 編曲:船山基紀
11. between the world & the heart -言葉と心- 編曲:深浦昭彦 (S.E.N.S.)

 

07

1. Little Tokyo 編曲:井上鑑
2. 君が戻って来るなんて 編曲:井上鑑
3. Far East Café 編曲:Far East Club Band
4. 君に Merry Xmas 編曲:安部潤
5. 恋は大騒ぎ 編曲:井上鑑
6. 16号を下って 編曲:山弦
7. 春風に乱れて 編曲:斉藤恒芳
8. time can wait 編曲:船山基紀
9. good times & bad times 編曲:斉藤恒芳
10. あの人に会える 編曲:井上鑑

 

08

1. 二人の夏 編曲:井上鑑
2. いつか どこかで 編曲:国吉良一
3. 恋する二人 編曲:井上鑑
4. 思い出に変わるまで 編曲:井上鑑
5. ふたつの奇跡 編曲:安部潤
6. 時に抱かれて/正木のテーマ 編曲:斉藤恒芳
7. Oh! Yeah! 編曲:斉藤恒芳
8. 君に届くまで 編曲:斉藤恒芳
9. ラブ・ストーリーは突然に 編曲:久石譲
10. 風と君を待つだけ 編曲:船山基紀
11. あなたを見つめて/冬子のテーマ 編曲:井上鑑

 

09

1. my home town 編曲:国吉良一
2. 君との思い出 編曲:国吉良一
3. 遠い海辺 編曲:安部潤
4. 渚 ふたりで 編曲:国吉良一
5. let me hold you baby 編曲:船山基紀
6. そのままの 君が好き 編曲:安部潤
7. 今はきかない 編曲:国吉良一
8. だからブルーにならないで 編曲:安部潤
9. Come on 編曲:斉藤恒芳
10. so long my love 編曲:安部潤
11. 風の坂道 編曲:井上鑑
12. 真夏の恋 編曲:船山基紀
13. 緑の街 編曲:井上鑑

 

10

1. 伝えたいことがあるんだ 編曲:国吉良一
2. また、春が来る 編曲:国吉良一
3. the flag 編曲:井上鑑
4. woh woh 編曲:国吉良一
5. 青い空 編曲:国吉良一
6. 君たちを忘れない 編曲:船山基紀
7. はるかな夢 編曲:国吉良一
8. 19の頃 編曲:安部潤
9. 風の街 編曲:安部潤
10. こんな日だったね 編曲:国吉良一
11. キラキラ 編曲:服部隆之
12. 風のように 編曲:船山基紀
13. とくべつなこと 編曲:大島ミチル

 

All Songs
Produced by 武藤敏史
Directed by 米田恵一

Special Thanks
Far East Club

発売:フォアレコード
販売:U-CAN ENTERTAINMENT

 

Disc. 近藤浩志 『ARCANTO』

近藤浩志 ARCANTO

2003年12月3日 CD発売 WRCT-1008

 

久石譲プロデュースによる、チェリスト・近藤浩志のデビューアルバム。

 

 

~曲目について~

久石さんから僕のソロアルバムを創ろうよ、とのお話を頂き当初、全曲久石さんの曲でと思っていた僕にとって、選曲はとても困難な作業でした。しかし久石さんの助言のもと、練りに練られたこの選曲は、今、録音を終えてみると、どの曲も最初から決まっていたかの様な愛しい気持ちを持てる物になりました。

久石さんの曲、「風の谷のナウシカ組曲」……。
この曲との出会いは当時学生だった僕と、今のこの時をつなぐかけがえのないものになりました。その20年の軌跡の中で幾度となくこの曲に触れてきましたが、作曲者である久石さんと10年ほど前から一緒に音楽をさせて頂けるようになり、少しずつ本当の歌を教わってきたことが今ここに、僕が出来ること全てを懸けたナウシカ組曲となったことを幸せに思います。共に成長してきたこの組曲は僕の音楽の原点であり続けると思います。光と影。光が強ければ強いほど影は色濃くなり、また、影が深ければ深いほど、僅かな光に優しさや暖かさを感じる。そんなことを感じながらこの曲を弾きました。

静かな湖面に輝く曲線を浮かべてたたずむ「白鳥」。清らかな魂への救いを神に祈るタイスの姿を描いた「タイスの瞑想曲」。2曲とも微細ながらも生命の源を感じる力強さや厳しさがあるような気がします。力強く、厳しく、そして優しく歌うことを教えていただいたのは他でもない久石さんになのです。

歌うと言うことは僕の音楽の原点です。歌のように弾きたい。ずっとそう思ってきました。このアルバムにも原曲が歌の曲が3曲あります。夢にまであらわれる、愛する人への思いを歌った「夢のあとに」。愛してしまったことを悔やみながらも忘れ得ぬ思いをうちあける「花の歌」。そして、張り裂けそうな切ない旋律が終わりなく満ち引きする波のように歌いうねる「ヴォカリーズ」。

もうひとつ、歌曲ではないですが僕の中では歌になった曲。死者への問いかけ。鎮魂。そして思い出。凛とした流れの中に胸が裂ける様な慟哭の溢れている「ノクターン 第20番 嬰ハ短調」。演奏中涙がとまりませんでした。

心の一番深い場所に咲く一輪の花のような曲達です。そしてその場所へはとても一人では行けませんでした。このアルバム制作に関わって下さったスタッフ誰一人欠けてもこの演奏は出来なかったと思います。久石さんの大きな愛情は勿論ですが、是認の優しい気持ちが僕の音楽の道標になりました。

沢山の優しさと思いやりで創られたこのアルバム。
聴いて頂ける全ての方々にその心が伝わればと思っています。

2003年10月 近藤浩志

(CDライナーノーツ より)

 

 

近藤さんとのこと

近藤さんは、僕の文字通りの戦友である。数々の修羅場をふたりでくぐり抜けて来て、今や「あうん」の呼吸で演奏できる数少ない演奏家である。

近藤さんとは、彼が新日本フィルでチェロのトップをやっている頃に知り合った。だからもう10年以上の付き合いになる。その後、久石譲アンサンブルのコンサートにソリストとして参加してもらい、ミニマルミュージック系のやや先鋭な音楽をずっと一緒にやってきた。今年春先の9人のチェリストとピアノのコンサートツアーでは、コンサートマスターとして、僕の音楽を再現するのに最大の力を発揮して頂いた。近藤さん抜きでは、あのコンサートの成功はあり得なかった。そしてその感動の模様をDVDとして世に出す決心までつけさせたのも近藤さんの力だと思っている。

今回ワンダーランドレコード初のオリジナルアルバムアーティストとして近藤さんを迎えられたことは、僕個人としてもワンダーランドレコードとしても最大の喜びである。

ナウシカ組曲は、藤原真理さんによる素晴らしい名演が残されているが、今回、近藤さんの力強い演奏で、新たな「ナウシカ」として蘇った(一部編曲の手直しも行った)。

近藤さんはその大柄の体型から、優しくおおらかな人柄を想像しがちであるが(事実その通りでもあるのだが)、実に神経の細やかな、芸術家としての資質を十二分に持っている人である。そのあたりはこのアルバムにも十分に反映されている。アルバムアーティストは点であってはならない。線として次回作、そのまた次回作と作っていくべきだと僕は思っている。今後とも近藤さんの次回作、そして僕のコンサートと、一緒にやっていけることを心から愉しみにしている。

2003年10月 久石譲

(CDライナーノーツ より)

 

 

 

名曲「風の谷のナウシカ組曲」[改訂版]、2003年4月オペラシティで行われた久石譲コンサートツアーのライブ音源「la pioggia」(久石譲ピアノ)、その他にもフォーレやショパンなどクラシックの名曲を収録。

タイトルの「ARCANTO」(アルカント)とは…Arco(弓)、とCanto(歌う)をかけあわせた造語である。

 

 

近藤浩志 ARCANTO

「風の谷のナウシカ」組曲[改訂版] / 久石譲
1. 風の伝説
2. レクイエム
3. 遠い日々
4. 谷への道
5. はるかな地へ

6. 夢のあとに / フォーレ
7. 白鳥 / サン=サーンス
8. ヴォカリーズ / ラフマニノフ
9. 花の歌~歌劇「カラメン」より~ / ビゼー
10. ノクターン 第20番 嬰ハ短調 / ショパン
11. タイスの瞑想曲 / マスネ
12. La Pioggia / 久石譲 (映画「時雨の記」より)

近藤浩志(チェロ)
吉澤友里絵(ピアノ) except M-12

久石譲(ピアノ) M-12

 

1 ~ 5 are labeled “Nausicaa of the Valley of Wind” Musical Suite (Revised Edition)
12 is a live version of “la pioggia” from “Diary of Early Winter Shower”

Produced by Joe Hisaishi

Violoncello: Hiroshi Kondo
Piano: Yurie Yoshizawa (Except M-12)
Joe Hisaishi (M-12)

Violoncello (M-12): Takashi Kondo, Susumu Miyake, Makoto Osawa
Haruki Matsuba, Yoshihiko Maeda, Masanori Taniguchi
Hiromi Uekusa, Seiko Ishida

Recording & Mixing Engineer: Suminobu Hamada
Assistant Engineer: Toshiyuki Takahashi
Recorded & Mixed at Wonder Station
Mastered at Wonder Station

 

Disc. 久石譲 『空想美術館 ~2003 LIVE BEST~』

久石譲 『空想美術館』 2003 LIVE BEST

2003年10月22日 CD発売 UPCH-1299
2018年4月25日 LP発売 UMJK-9073/4

 

 

~空想美術館紀行~

久石譲さんの演奏には必ず光景が伴う。オーケストラや観客、或いは久石さん本人の向う側に、かつて旅で出会った人々やその時々の風のようなものが立ち上がるのだ。たとえ有名な映画曲であろうと、目をつぶれば私には独自のシーンが浮かんでくる。見事、としか言い様がない魔法である。

 

Musée imaginaire (Orchestra Ver.)
エクアドルの首都キトからバスでアンデス山脈を越えた時、高度四千メートルで突然もやが晴れ、笑顔で手を振るインディオの子供たちが現れた。この曲をあの峠でもう一度聴いてみたい。

Summer
米国オレゴン州のキャノンビーチには日本の風鈴八百個と暮らす老人がいた。彼は東京を空襲したパイロットで、海風に鳴りやまぬ風鈴を聴きながら静かに枯れ枝と化していくのだった。風鈴はまだ揺れているだろうか。

MIBU
展開とともにまったく新しいイメージが湧きあがるこの曲は、アンコールワットの日の出を思い出させた。たとえ大地が戦乱の荒廃にあったとしても、日輪は何万もの色彩をもって新たな一日を祝福しようとしたのだ。

Silence
トルコのエフェス遺跡のイメージ。エーゲ文明の遥か昔に愛しあった男女の吐息が、今もなお朽ちた柱に絡み付いているようだった。風は時の向う側から情念と音楽を運んでくるらしい。

月に憑かれた男
三年間暮らしたニューヨークで、やるせない気持ちになる度にブルックリン橋を歩き、そこから見える窓灯りを数えていた。どの窓にも命があり、苦悩があり、歓喜がある。その痛いような感覚を思い出させる曲。

夢の星空
ベトナムの漁村を夜明けに訪れたら、歩き始めたばかりの漁民の子が丸太の上に乗って用を足し始めた。あっけらかんとした笑い声、世界で一番幸せそうだったあの子の笑顔に、いつまでも美しい星空とこの曲を捧げたい。

Bolero
チェコの田舎街道はひまわり畑に埋もれているため、夏になると地平線までの黄色で覆われる。しかしその横を走る線路はかつてアウシュビッツまで続いていたのだ。無数の魂が風にそよいでいたようなあの夏空。黄色。

a Wish to the Moon
沖縄から台湾までは貨物船の旅がお薦め。島をひとつ経る度に珊瑚礁の色は濃くなり、五線譜から飛び出す音符のようにイルカたちがジャンプを繰り返していた。

KIKI
洞窟ホタルを見るためにオーストラリアのアウトバックを踏破した夜。気がつけば横をカンガルーの群れが並走していた。この曲のように心が舞い続けた夜。

谷への道
ヨルダン砂漠のロレンス砦に行った時、どこまでも続く赤い砂漠の果てに、三千年前の落書きがあることを知った。どうしてこの曲はあの時のジープの荷台を思い出させるのだろう。歴史なんて一瞬で、それよりも大切なのは今生きているこの鼓動なのだと曲が伝えているようである。

Musée imaginaire (9 Cellos Ver.)
バージョンが変われば曲がイメージさせる疾走感も異なる。世界で一番好きな列車、ハンブルグ発ブダペスト行のハムレット号だ。エルベ川沿いの小鹿飛び出す列車の旅を、この曲を聴いたすべての人に体験してもらえたらと思う。

TETSUYA (ex. ドリアン助川)

(空想美術館紀行 ~CDライナーノートより)

 

 

2003年春のチェリストとのツアーと、同年夏の新日本フィルとのツアー、この2つのツアーからベスト・テイクを選りすぐったライヴ・ベスト盤。ピアノ・ソロアルバム『ETUDE』の名曲たちをシンフォニック・アレンジで聴くことができる。

 

 

2018年4月25日 LP発売 UMJK-9073/4
完全生産限定盤/重量盤レコード/初LP化

 

 

 

久石譲 『空想美術館』 2003 LIVE BEST

1.Musée imaginaire (Orchestra Ver.) (NHK「世界美術館紀行」より)
2.Summer (映画「菊次郎の夏」/トヨタ カローラ CM より)
3.MIBU (映画「壬生義士伝」より)
4.Moonlight Serenade
5.Silence (ダンロップ VEURO CMより)
6.月に憑かれた男
7.夢の星空
8.Bolero
9.a Wish to the Moon (キリン一番搾り生ビール CMより)
10.KIKI (映画「魔女の宅急便」より)
11.谷への道 (映画「風の谷のナウシカ」より)
12.Musée imaginaire (9 Cellos Ver.) (NHK「世界美術館紀行」より)

Recorded at Tokyo Metropolitan Art Space , Tokyo Opera City Concert Hall , Niigata-City Performing Arts Center

Conducted by Kim Hongje (except M10-12) , Joe Hisaishi (M10-12)

Orchestra:New Japan Philharmonic