Disc. 久石譲 『千と千尋の神隠し サウンドトラック』

久石譲 『千と千尋の神隠し サウンドトラック』

2001年7月18日 CD発売 TKCA-72165
2020年11月3日 LP発売 TJJA-10028

 

2001年公開 スタジオジブリ作品 映画「千と千尋の神隠し」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

映画本編の楽曲を収録したサントラ盤。新日本フィルハーモニー交響楽団のフルオーケストラにより、サントラでは今回初めて、コンサートホールで生収録された。指揮・ピアノも久石が担当。録音は2001年5月、木村弓の主題歌も収録。

 

新日本フィルを自らのタクトで率い、
シンセサウンドとオーケストラサウンドの完璧な融合を実現
カラフルなリズムと荘厳な響きによって綴られる全21曲は必聴!

 

 

「実はこの作品のテーマを表現するためにオーケストラが必要かどうかっていうのは、よくわからないんですよ。主人公の心情だけを追っていくことを考えたらピアノ一本でも充分なわけだから。だけどあの世界観を表現するにはやはりフルオーケストラぐらいの広がりがないとダメだと思ったんです。それで宮崎さんもすごくその場の空気感を大事にされる方だから、今回はスタジオで収録するのではなくて、コンサートホールでライブで録ったんです。それはすごく成功していると思う。それでエスニックやガムラン、バリ島の音楽、沖縄民謡、中近東やアフリカのものまでいろんなものを使っているんだけど、それらは料理でいう飾りつけみたいなもので、実はそこにはあまり意味がないんです。意味があるとすれば、それは作品自体が限定した空間のリアリティを求めているものじゃないですから、いろんなものを使うことによって閉じた感じをなくしてどんどん広がりを出す。そのための手段として使った。それだけです。」

「映画の後半に千尋が海の上を走る電車に乗って銭婆のところへ向かうシーンがあるんですけど、僕はあのシーンが宮崎さんが今回一番やりたいところだったと思っているんです。それでイメージアルバムの中にある『海』という曲が、そのシーンにすごく合うんですよ。宮崎さんもイメージアルバムを作った時にその曲を真っ先に気に入ってくれたんですけどね。」

Blog. 久石譲 「千と千尋の神隠し」 インタビュー 劇場用パンフレットより 抜粋)

 

 

「湯婆婆のテーマ曲は苦労したなぁ。何度も書き直してるんです。宮崎さんのキャラクターって複雑で、善人が後ろに悪を抱えていたり、きびしい顔の裏に優しさがあったりするじゃないですか。必ず相反する両面を要求するから、単に怖いおばあさんとして書くことができないんです。でも、その分、自分でも、一、二の出来になったんじゃないかな。通常の楽器を使っているけど、その音がしないように作ったんですよ。ピアノの一番高い音と低い音が同時に鳴るような。あの曲は、気に入っている曲の1つです。」

Blog. 久石譲 「千と千尋の神隠し」 インタビュー ロマンアルバムより 抜粋)

 

 

「木管楽器の音をほんのわずかだけ出し入れしていたんです。今回はコンサート用のホールで、管楽器も弦楽器もそれぞれにマイクを立てて、同時に演奏して収録したんですが、管楽器のマイクにも弦楽器の音がわずかに漏れて入っている。そのために、例えば木管楽器の音を大きくすると、別の楽器の音も若干大きくなってしまう。だから、微妙な調整でベストのバランスを探していたんです。」

「毎回、挑戦の連続です。今回は、ガムランやエスニックな打楽器など、とてもオーケストラといっしょに奏でるようには思えない楽器を大胆に使っています。それに6.1チャンネルのドルビーサラウンドという、従来の5.1チャンネルよりもさらに進歩した、アニメ映画では初めての試みにも挑戦しているんです。」

Blog. 「千と千尋の神隠し 徹底攻略ガイド 千尋と不思議の町」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

「宮崎監督は最初、すごくミニマルっぽいものを要求したんです。もともと『となりのトトロ』などでもミニマル風の音楽を付けたことはありますが、今回、監督から『ここのシーン、普通なら(フルオケで)ジャーン!と鳴らすところをミニマルで行きませんか?』と言われてびっくりしました。いつも宮崎監督は『自分は音楽のことはよくわからないので』とエクスキューズしていますが、北野監督と同様、映像に付ける音のあり方に関しては、ものすごく鋭敏な神経をもっていますね。『千と千尋の神隠し』のサントラでは、あまり好きなやり方ではないのですが、キャラクターごとに音楽を付けていくハリウッド的な手法をとりました。あくまでも少女の話なので、彼女の心情にできるだけ寄り添いながら静かな音楽で押し通し、あとは監督の世界観に(フルオケで)合わせると。ただ、その世界観をつかむのが大変でしたね」

Blog. 「PREMIERE プレミア 日本版 October 2001 No.42」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

久石:
木管楽器の音をほんのわずかだけ出し入れしていたんです。今回はコンサート用のホールで、管楽器も弦楽器もそれぞれにマイクを立てて、同時に演奏して収録したんですが、管楽器のマイクにも弦楽器の音がわずかに漏れて入っている。そのために、例えば木管楽器の音を大きくすると、別の楽器の音も若干大きくなってしまう。だから、微妙な調整でベストのバランスを探していたんです。

ー全部の楽器を別々に録音しておけば、そうならないわけですね。

久石:
でもそうすると、ホールの音の響きの良さが失われてしまう。今回は響きの良さを選択したわけです。なんとなく聞いているだけでは、気が付かないことですが、こうしたことの積み重ねが、最終的な音楽の仕上がりを決定するんです。

ー宮崎監督とのコンビはこれで7作目。

久石:
毎回、挑戦の連続です。今回は、ガムランやエスニックな打楽器など、とてもオーケストラといっしょに奏でるようには思えない楽器を大胆に使っています。それに6.1チャンネルのドルビーサラウンドという、従来の5.1チャンネルよりもさらに進歩した、アニメ映画では初めての試みにも挑戦しているんです。

Blog. 「千と千尋の神隠し 徹底攻略ガイド 千尋と不思議の町」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

久石:
どう展開していくのか息をのむような話なんですよね。ですがベースは一人の少女の成長譚みたいな話なので。そこのところの表現、いろいろな神々が出てきて異世界に入ったりするところの音楽のあり方と、あくまで一人の少女が一歩一歩成長していく過程っていうのをどうやって音楽でつくるか、そこに一番苦心したかもしれない。それともう一個、普通でいうファンタジーのあっちの世界っていうのを通り越して、結構具体的なこの世界とあっちの世界みたいな違いが、宮崎作品のなかでもだんだん強く出てくる。それはのちのポニョにつながってくると思うんですが。「6番目の駅」っていう曲があるんですけど、ちょうど海を渡っていくところ。あれはある種もう黄泉の世界にいくんじゃないかみたいな、この世界とあっちの世界その境みたいなものが行き来する、そういうのをどうやって表現するかなあというのをすごく考えましたね。

Blog. NHK FM 「今日は一日”久石譲”三昧」 番組内容 -トーク編- より抜粋)

 

 

 

千と千尋の神隠し Spirited Away MEMORIAL BOX

2003年4月9日 CD-BOX発売 TKCA-5

第75回 アカデミー賞 アニメーション映画部門受賞

 

 

 

2020.11 Update

2020年発売LP盤には、新しく書き下ろされたライナーノーツが封入された。時間を経てとても具体的で貴重な解説になっている。

 

 

 

 

久石譲 『千と千尋の神隠し サウンドトラック』

1. あの夏へ
2. とおり道
3. 誰もいない料理店
4. 夜来る
5. 竜の少年
6. ボイラー虫
7. 神さま達
8. 湯婆婆
9. 湯屋の朝
10. あの日の川
11. 仕事はつらいぜ
12. おクサレ神
13. 千の勇気
14. 底なし穴
15. カオナシ
16. 6番目の駅
17. 湯婆婆狂乱
18. 沼の底の家
19. ふたたび
20. 帰る日
21. いつも何度でも 歌:木村弓

作曲・編曲・演奏:久石譲
プロデュース:久石譲

指揮・ピアノ:久石譲
演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団

オーケストレーション:久石譲 長生淳 三宅一徳

レコーディング・スタジオ:
ワンダーステーション
すみだトリフォニーホール

 

Spirited Away (Original Soundtrack)

1.One Summer’s Day
2.A Road to Somewhere
3.The Empty Restaurant
4.Nighttime Coming
5.The Dragon Boy
6.Sootballs
7.Procession of Gods
8.Yubaba
9.Bathhouse Morning
10.Day of the River
11.It’s Hard Work
12.The Stink God
13.Sen’s Courage
14.The Bottomless Pit
15.Kaonashi (No Face)
16.The Sixth Station
17.Yubaba’s Panic
18.The House at Swamp Bottom
19.Reprise
20.The Return
21.Always With Me

 

Le Voyage De Chihiro
(France, 2002) 198 732-2

1.Cet Eté La…
2.Le Chemin Où On Passe
3.Le Restaurant Où On Ne Voit Jamais Personne
4.La Nuit Tombe
5.Le Petit Dragon
6.La Punaise De La Chaudière 
7.Les Dieux 
8.Yubaba, La Vieille Du Bain Public 
9.Le Bain Public Au Matin 
10.La Rivière, Ce Jour Là 
11Le Boulot, C’est Tuant ! 
12.Une Divinité Calamiteuse 
13.Le Courage De Chi 
14.Un Trou Insondable 
15.Sans-Visage
16.Le Sixième Gite D’étape
17.La Folie Furieuse De Yubaba
18.La Maison Du Fond Du Marécage
19.De Nouveau…
20.Le Jour Du Retour 
21.Rêvons Toujours Les Memes Rêves Aimés

 

센과 치히로의 행방불명 Original Soundtrack
(South Korea, 2004) PCKD-20160

1.어느 여름날
2.통로
3.아무도 없는 음식점
4.밤이 다가온다
5.용의 소년
6.보일러 벌레 
7.신들 
8.유바바
9.온천장의 아침 
10.그날의 강 
11.일은 힘든 법이야 
12.오물의 신 
13.센의 용기 
14.밑빠진 구멍 
15.카오나시(얼굴없는 요괴) 
16.6번재 역 
17.유바바의 광란 
18.연못 아래의 집 
19.또 다시 
20.돌아가는 날

 

Disc. 久石譲 『いつも何度でも / いのちの名前』

久石譲 『千と千尋の神隠し いつも何度でも』

2001年7月18日 CDS発売 TKCA-72166

 

2001年公開 スタジオジブリ作品 映画「千と千尋の神隠し」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

 

「いのちの名前」は映画メインテーマ曲「あの夏へ」(イメージアルバム楽曲名は「あの日の川へ」)である。後に平原綾香にもカバーされている。

本作品に収録されている「いのちの名前」はピアノ伴奏を基調としながらも、中盤からシンセサイザー・ストリングスなどが奏でられていて、久石譲によるピアノ演奏以外は、シンセサイザー音源となっている。メインテーマ曲「あの夏へ」としても、サントラ盤はオーケストラによる生演奏であることからみても、貴重なヴァージョンである。3曲目のインストゥルメンタル版は、オリジナル・カラオケである。

 

 

いのちの名前 平原綾香

 

こちらはヴォーカルとピアノのみによるふたりのコラボレーション。

 

 

 

久石譲 『千と千尋の神隠し いつも何度でも』

1. いつも何度でも 歌:木村弓 作詞:覚和歌子 作曲:木村弓
2. いのちの名前 歌:木村弓 作詞:覚和歌子 作曲・編曲:久石譲
3. いのちの名前 (インストゥルメンタル) 作曲・編曲:久石譲

プロデュース:久石譲

ジャケット監修:宮崎駿

 

Disc. 久石譲 『千と千尋の神隠し イメージアルバム』

久石譲 『千と千尋の神隠し イメージアルバム』

2001年4月4日 CD発売 TKCA-72100
2020年11月3日 LP発売 TJJA-10027

 

2001年公開 スタジオジブリ作品 映画「千と千尋の神隠し」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

宮崎監督の音楽イメージメモを歌詞とする歌4曲を含む全10曲を収録。う~み、おおたか静流、上條恒彦、ムッシュかまやつ、RIKKIら多彩な顔ぶれが歌唱。監督のメモが詩に近いものが増えてきたことを反映し、約半分が歌となった。2001年1~2月に制作。

 

 

インタビュー

-今回のこのアルバムの特徴は?

久石:
「ボーカルがたくさん入っているということですね。全10曲のうちの約半数が歌で、しかも宮崎さんが作詞しています。割とジブリの近況そのもののような歌詞もたくさんあるんですよね(笑)。それはやっぱり大きな特徴かな。純粋にその、アルバムとして聴けるものを目指していますね。」

-宮崎さんからは、どのようなリクエストがあったのでしょうか?

久石:
「いつもイメージポエムというか、キーになる言葉を頂いているんですが、『もののけ姫』のあたりからは、だんだん言葉だけじゃなくて、そこにこめた想いというか、ちょっと詩に近いものも頂けるようになってきまして。それを核にしてこちらでもってイマジネーションを膨らませていきました。現実の裏側にある異世界に迷い込んでしまった10歳の女の子の話でしょ。そのへんの、現実との境であるとか、そこで戸惑ってる千尋の気持ちっていうのをどう表現するかが一番重要なところでしたね。それに、絵を見ていてもアジアチックなものが多かったり、でもそれも限定的なアジアじゃなかったりしてるじゃないですか。たぶん昭和の初期だったりとか、大正時代なのかな。すごくレトロな雰囲気と今アジアが持っているパワーみたいなものが渾然としているところがあって、世界観を作るのがとても難しかったですね。音楽的にも、割とバリ島ケチャ風なものから沖縄からアジア風なものまで総動員して作ってますね。又、今まで宮崎さんの世界ではあまりやらなかった、ジャジーでメローな感じのものも作りました。そういう意味ではイメージアルバムとしては、すごく幅が広いですよね。限定していくことよりは、広がっていることを意識して作っています。」

-楽器の特徴などはありますか?

久石:
「今まで自分がやってきたものに比べれば大変カラフルですね。あがってきている詞が『神々さま』とか『油屋』とかね。宮崎さんの気持ちが強く出ているので、あえて五音階的なあるいは沖縄的な、そういうスパイスを強めにふりかけました。だからヴォーカルも純邦楽の人だったりとか、エスニックな歌を得意としている人だったりとか、とても色の濃い人を起用しています。特にかまやつさんと上條さんに唄ってもらえたのは幸せでした。一見バラバラのように聞こえながら、どこで統一をとるか、というのは難しいところでしたけど。」

-楽しみにしています。

久石:
「とにかく、本当に楽しいアルバムになっています。おそらく今頃、ジブリの皆さんは必死の思いで作業していると思いますが、僕は後ろから暖かく見守る応援団のような気持ちで作ってますから(笑)」

2001年2月12日 ワンダーステーションスタジオにて

(インタビュー ~CDライナーノーツより)

 

 

楽曲解説

1.あの日の川へ スキャット:う〜み
アルバムの1曲目を飾るのはう〜みさんの透明感あふれるスキャット。耳に残る印象的なメロディに「ぜひ歌詞を付けて!」と思うのはスタッフだけでしょうか?

2.夜が来る
映画の特報に使われた曲よりもさらにパワーアップして、忍び寄る暗闇を描いているインスト曲。なんとも不気味な雰囲気を醸し出している作品。

3.神々さま ヴォーカル:おおたか静流 合いの手:藤堂彰寛
エスニックからはじまり純邦楽や沖縄の5音階など、この曲ほどカラフルなものない。メロディを聴いてビックリ!歌詞を聴いてビックリ!!の驚きの1曲。

4.油屋 ヴォーカル:上條恒彦
力強い上條さんの唄声と監督自らによる作詞で語られる労働歌(?)。「言ってみればボクらのことを歌っているんです」と誰かがコメントしたとかしなかったとか…

5.不思議の国の住人
木管とピアノ、ティンパニーといった珍しい編成の曲。可愛らしさとおどけた感じにバッハのエチュードを思わせるような独特のメロディが加わって…一体どういう曲でしょう?

6.さみしい さみしい ヴォーカル:ムッシュかまやつ
パラリンピック以来、久しぶりの共演となったかまやつ氏。明るいメロディとかまやつ氏のアジのあるいなたい唄声が、さみしさを語る詞を一段と際立てている作品。

7.ソリチュード ヴァイオリン:鈴木理恵子 チェロ:近藤浩志
「菊次郎の夏」のサントラに参加して頂いた鈴木さんと、久石さんとはツアーで全国を駆け抜けた仲である近藤氏。この御二方による共演はアルバム内でも稀有な存在ともいえる。ヴァイオリンとチェロの奏でる美しいメロディはエレジーなのかラブソングなのか…

8.海
静かで深い海を連想させるようなインスト。久石さんのピアノソロも聴き逃せませんよ!

9.白い竜 ヴォーカル:RIKKI
RIKKIさんとは「醍醐寺音舞台」以来の共演。その美しい唄声と歌詞で繰り広げられる世界観は、聴く人の心を揺さぶります。

10.千尋のワルツ
曲の流れに身を任せると自然に体が動いてしまいそうな、穏やかで愛らしいワルツ。

(楽曲解説 ~ワンダーシティ・スタッフ より)

※出典元が今となってはわからないが映画および本CD制作時期にWeb公開されていた情報である

 

 

書籍「折り返し点 1997~2008」/宮崎駿・著に、『千と千尋の神隠し イメージアルバム』のためのメモ、「1.あの日の川へ」「2.白い竜」「3.夜が来る」「4.油屋」「5.神々さま」「6.海」「7.さみしい さみしい さみしい」が収載されている。これは監督から久石譲へ作品イメージを伝えるために書いたもの。イメージアルバムの曲および曲名・歌詞として生かされている。

 

 

 

 

久石譲 『千と千尋の神隠し イメージアルバム』

1. あの日の川へ 歌:う~み
2. 夜が来る
3. 神々さま 歌:おおたか静流
4. 油屋 歌:上條恒彦
5. 不思議の国の住人
6. さみしい さみしい 歌:ムッシュかまやつ
7. ソリチュード
8. 海
9. 白い竜 歌:RIKKI
10. 千尋のワルツ

作詞:宮崎駿
作曲・編曲・演奏:久石譲

プロデュース:久石譲

レコーディングスタジオ:ワンダーステーション

ゲスト・ミュージシャン:
ヴォーカル:う~み (M-1)
ヴォーカル:おおたか静流 (M-3)
ヴォーカル:藤堂彰寛 (M-3)
ヴォーカル:上條恒彦 (M-4)
ヴォーカル:西田美和 (M-4)
ヴォーカル:ムッシュかまやつ (M-6)
アコースティックギター:古川昌義 (M-6)
ヴァイオリン チェロ:近藤浩志 (M-7)
ヴァイオリン:鈴木理恵子 (M-7)
ヴォーカル:RIKKI (M-9)

 

Spirited Away Image Album

1.To the River of that Day
2.The Night is Coming
3.Gods
4.Yuya
5.People in the Wonderland
6.I’m Lonely, Lonely
7.Solitude
8.Sea
9.White Dragon
10.Waltz of Chihiro

 

Disc. 久石譲 『JOE HISAISHI Best Selection』

久石譲 JOE HISAISHI Best Selection

1999年12月22日 CD発売 PICL-1194
2006年3月22日 CD発売 GNCL-1053

 

久石譲がパイオニア在籍時に発表したアルバム4枚からのベスト・セレクション

 

 

久石譲 JOE HISAISHI Best Selection

1. Piano
2. 「魔女の宅急便」~Hush~木洩れ陽の路地
3. 「紅の豚」~Rosso Adriatico~真紅の翼
4. MIRAGE~1994 Paradise
5. 「はるか、ノスタルジィ」~I Stand Alone~追憶のX.T.C.
6. 「水の旅人」~I Believe In You~あなたになら
7. Girl (時をかける少女・メインテーマ)
8. GRANADA
9. ぴあの (English Version)
10. 「ふたり」~Two Of Us~草の想い
11. 「女ざかり」~THE WALTZ~For World’s End (メインテーマ)
12. 「青春デンデケデケデケ」~Here We Are~青春のモニュメント
13. Labyrinth of Eden
14. 「ぴあの」~ぴあの (純名里沙&JOE’S PROJECT)

 

Disc. V.A. 『スタジオジブリ・ソングズ+1 ~オルゴール・メロディーズ2000~』

1999年12月22日 CD発売 TKCA-71826

 

「STUDIO GHIBLI SONGS + ONE ~オルゴール・メロディーズ 2000~」

「風の谷のナウシカ」から「ホーホケキョ となりの山田くん」まで、スタジオジブリ13作品の主題歌・挿入歌17曲を収録したオルゴール集。

 

 

スタジオジブリ ソングズ +1 オルゴール

1. 風の谷のナウシカ
2. 君をのせて
3. さんぽ
4. となりのトトロ
5. はにゅうの宿
6. ルージュの伝言
7. やさしさに包まれたなら
8. 愛は花,君はその種子
9. さくらんぼの実る頃
10. 時には昔の話を
11. 海になれたら
12. アジアのこの街で
13. いつでも誰かが
14. カントリ・ロード
15. On Your Mark
16. もののけ姫
17. ひとりぼっちはやめた

 

Disc. V.A. 『となりのトトロ ソング&カラオケ』

1999年12月1日 CD発売 TKCA-71780

 

「いっしょに歌おう!大きな声で となりのトトロ ソング&カラオケ」

イメージソング集&カラオケ&オルゴール1曲含む全21曲
40ページ・ブックレット(全曲メロディ譜面付き)

 

公開から数年が経とうとも『となりのトトロ』の人気は不滅。そんな名作アニメで使われたヴォーカル曲を、カラオケとともに収録したのがコレ。幼稚園児の定番合唱曲「さんぽ」をはじめ楽しい曲の数々は、子供たちに聴かせ、一緒に歌って楽しみたいものばかり。

 

 

Track1-10が「となりのトトロ イメージ・ソング集」と同一内容であるが、「イメージ・ソング集」収録11曲目「風のとおり道(インストゥルメンタル)」は本作品には収録されていない。Track11-20が上記楽曲のカラオケ・バージョン。Track.21が本作品に追加収録されたオルゴール・ヴァージョン。

 

 

となりのトトロ BOX~イメージソング集・オリジナルカラオケ集

1994年7月25日 CD発売 TKCA-70340

 

 

なお、CD作品「となりのトトロBOX」(1994.7.25)と収録楽曲(ソング&カラオケは同一である。こちらの作品はCD+となりのトトロ オリジナルグッズ付きBOXセットである。Track.21「さんぽ(オルゴール)」は収録されていない。

 

 

 

となりのトトロ ソング&カラオケ

1. となりのトトロ 歌:井上あずみ
2. 風のとおり道 歌:杉並児童合唱団
3. さんぽ 歌:井上あずみ・杉並児童合唱団
4. まいご 歌:井上あずみ
5. すすわたり 歌:杉並児童合唱団
6. ねこバス 歌:北原拓
7. ふしぎしりとりうた 歌:森公美子
8. おかあさん 歌:井上あずみ
9. 小さな写真 歌:久石譲
10. ドンドコまつり 歌:井上あずみ
11. となりのトトロ
12. 風のとおり道
13. さんぽ
14. まいご
15. すすわたり
16. ねこバス
17. ふしぎしりとりうた
18. おかあさん
19. 小さな写真
20. ドンドコまつり
21. さんぽ (オルゴール)

 

Disc. 久石譲 『WORKS II Orchestra Nights』

久石譲 『WORKS2』

1999年9月22日 CD発売 POCH-1830

 

コンサートツアー「Piano Stories ’98 Orchestra Night」での名演を収録した7年振りの貴重なオーケストラ・ライブ録音

24bitデジタル・レコーディングによるナチュラルなサウンドで臨場感を余さず収録

 

 

寄稿

いい音楽には永遠の生命力がある。

時代とか流行、様式とか国籍…そうしたものすべてを超えて存在する音楽。「WORKS」と名づけられたシリーズは久石譲という稀有な才能を持った音楽家の”仕事”を数々の映画音楽の曲を中心にオーケストラとの共演という形で再構築していくものだが、新たに録音された曲を聞くと、改めてその音楽性の高さとオリジンルな魅力を実感することができる。一度聞いただけで記憶の奥底に刻みつけられてしまう美しいメロディと卓抜したアレンジ、それにピアニストとしての力量。今回の「WORKS II」は7年ぶりのオーケストラ・コンサートのライブ録音という形になっているが、ひとつひとつの音符の鳴り方、そこから紡ぎ出されたハーモニーの美しさは、驚くほどに完成度が高い。

だから、僕は出来ることなら可能な限りの音量でこのアルバムを聞いて欲しいと思う。収録された13曲は、インストゥルメンタルでありながら大量生産、大量遺棄されるヒット曲とは一線を画す本物の”唄”というのはどんなものかを教えてくれるし、ロマンティシズムとダイナミズムが完璧な形で同居し、輝ける結晶体になっていることがわかる。

そして、次にはそこに自分自身の記憶や思いを重ね合わせていくといい。映像は形になって残っているが、いい音楽というのはそこから離れて空間の中で旋回し始めるのである。「WORKS」はいい仕事の理屈抜きの証拠品である。

立川直樹

(寄稿 ~CDライナーノーツより)

 

 

 

久石譲 『WORKS2』

交響組曲「もののけ姫」より
1. アシタカせっ記
2. もののけ姫
3. TA・TA・RI・GAMI
4. アシタカとサン
5. Nostalgia (サントリー山崎CF曲)
6. Cinema Nostalgia (日本テレビ系列「金曜ロードショー」オープニングテーマ)
7. la pioggia (映画「時雨の記」メインテーマ)
8. HANA-BI (映画「HANA-BI」メインテーマ)
9. Sonatine (映画「Sonatine」より)
10. Tango X.T.C (映画「はるか、ノスタルジィ」より)
11. Madness (映画「紅の豚」より)
12. Friends
13. Asian Dream Song (長野パラリンピック冬季競技大会テーマ曲)

ピアノ:久石譲
指揮:曽我大介
管弦楽:東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団 (東京)
管弦楽:関西フィルハーモニー管弦楽団 (大阪)
録音:1998年10月19日 東京芸術劇場
録音:1998年10月27日 ザ・シンフォニーホール

 

WORKS II Orchestra Nights

1.The Legend of Ashitaka (Symphonic Suite “Princess Mononoke”)
2.Princess Mononoke (Symphonic Suite “Princess Mononoke”)
3.TA-TA-RI-GAMI (The Demon God) (Symphonic Suite “Princess Mononoke”)
4.Ashitaka and San (Symphonic Suite “Princess Mononoke”)
5.Nostalgia
6.Cinema Nostalgia
7.la pioggia
8.HANA-BI
9.Sonatine
10.Tango X.T.C.
11.Madness
12.Friends
13.Asian Dream Song

 

Disc. 久石譲 『NOSTALGIA ~PIANO STORIES III~』

久石譲 『PIANO STORIES 3』

1998年10月14日 CD発売 POCH-1731

 

1988年から続くピアノ・ストーリーズ・シリーズ第3弾
北イタリアの情景をモチーフに作られた作品

 

 

イタリアには唄がある。
伸びやかなメロディーは人生の哀歓や、ユーモアをおりまぜひらすら唄う。
ふと、幸せという名前の思い出を数えてみた。
そのすきまからこぼれおちる哀しみの時間(とき)。
イタリアっ子は言うだろうな「Quel che sara sara -なるようになるさ」。
そして今日もまた唄っている。たぶん・・・・

久石譲

(CDライナーノーツより)

 

 

久石:
「Nostalgia」は、イタリアで現地のオーケストラとレコーディングしましたけど、オケには機能性よりも『唄』を望みました。多少荒っぽくても、そこには『唄』があるというアルバムを作りたかった。だからイタリアにしたんです。

次に自分のソロアルバムを、と考えたとき、根底に『唄』を表現したいということがありました。それは、去年「HANA-BI」でベネチアへ行って、公式記者会見で外国人記者から「音楽がすごくイタリア的なメロディだ」と指摘されて、「ああ、そうなのかな」と思ったのがきっかけです。確かにベネチアで「HANA-BI」を観たとき、自分でも「この音楽、イタリア的に聴こえるなあ」と思いました。そのあたりですね。イタリア的な『唄』を表現しようと思ったのは。

それと、今回のアルバムでは、イタリアというテーマの中でカヴァーをやってみたいと思って、サン=サーンスのオペラ「サムソンとデリラ」の有名なアリア(アルバムでは「バビロンの丘」)とニノ・ロータの「太陽がいっぱい」を、最もイタリア的な香りのするメロディということで選びました。アレンジという部分も自分の中の大事な要素ですから、人のメロディを借りてきても自分の世界が作れるというところにチャレンジしてみたかったのです。

技術的な面でも現時点で可能な限りの最先端の技術で録るという、徹底的にハードディスク・レコーディングを行いました。ここが大事なところなんだけど、古臭いやりかたでノスタルジックな音を録ったら、本当に古臭くなってしまう。それは僕の欲してる音ではないんですよ。それで、オケがそのレコーディング方式に不慣れだったってこともあって、レコーディングの2日目からは予定外に僕がピアノを弾いて、オケをひっぱるという、同時録音に切り替えざる得なかったんです。でも、そのうちに現場の雰囲気が一変して、オケがピタッとついてくるのがわかりました。そういう意味では柔軟性のある若いオーケストラでよかったですね。

イタリアにはやっぱり、日本のオーケストラにも、またイギリスのオーケストラにもない、独特のおおらかなメロディーの唄い方がありました。結果をみても、これはイタリアに行かなかったら成立しないアルバムだったと、今、改めて思っています。

(久石譲インタビュー ~「久石譲 PIANO STORIES ’98 Orchestra Night」 コンサートパンフレット より)

 

 

「サウンドはガッチリと構築するスタイルなのですが、このスタイルを一回壊してみたい。メロディに集約し直してみたい。僕の場合、作曲もアレンジも演奏も自分でやってしまいますから、少し荒っぽくてもいいから原質が出るような、そういうアルバムを作ってみたいなというのが一番根底にありました。で、北野武監督『HANA-BI』ベネチア映画祭出品の間などでイタリアへ行って、イタリア的ニュアンスなんだというのが自分なりに分かりましてね。イタリアというとカンツォーネだとかオペラだとか、歌という感じがありますね。何かそういうところのアプローチをしたいなという……。

タイトルが『ノスタルジア』だからといって、郷愁といったニュアンスでは作っていないんです。われわれふだんレコーディングしていると、どうしてもドンカマで作っていく傾向がすごく多い。そればっかりだと、揺らぎのある音楽から遠ざかっちゃうんですね。歌のエスプリみたいなものが最近の音楽では、ほとんど聴くことが出来ませんよね。今、忘れがちになっているそういう重要な要素に、もう1回スポットを当ててみたい。それが最も新鮮なんじゃないか。そういうのが大まかなコンセプトです」

Blog. 「FM fan 1998 No.25 11.16-11.29」 『NOSTALGIA ~PIANO STORIES III~』久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

 

 

 

サウンドもアコーディオンやハーモニカがフィーチャーされイタリアンテイストたっぷりに仕上がっている。イタリア的な「唄」をコンセプトに、自身の作曲作品のみならず、イタリア名作映画からの映画音楽も選曲。

1998年、イタリアの古都モデナにて。「時代の波に流されずにひたむきに生き、個々それぞれの世界を築き上げた人々を描きたい」という久石譲はアルバムのイメージとしてこう語っている。

時代設定は「1930年台のイタリアを中心とするヨーロッパ」。そこでレコーディングはイタリアで行われることになった。「音楽の原点の”歌”に戻って」制作したというこのアルバムでは、ピアノが1930年イタリアという時空で交錯する人々の思いを、雄弁に語っている。

 

 

 

久石譲 『PIANO STORIES 3』

1. Nostalgia (サントリー山崎CF曲)
2. 旅情
3. Cinema Nostalgia (日本テレビ系列「金曜ロードショー」オープニングテーマ)
4. il porco rosso (映画「紅の豚」より)
5. Cassanova
6. 太陽がいっぱい
7. HANA-BI (映画「HANA-BI」メインテーマ)
8. Nocturne
9. バビロンの丘
10. la pioggia (映画「時雨の記」メインテーマ)

指揮:レナート・セリオ 演奏:フェラーラ管弦楽団

Composed by JOE HISAISHI , except 6. 9.

Piano:JOE HISAISHI
Orchestra:ORCHESTRA CITTA DI FERRARA
Conductor:RENATO SERIO

Piano,Rhodes:MASAHIRO SAYAMA 4.

(アコーディオン 2. / バンドネオン 6.)

Musicians
ORCHESTRA CITTA DI FERRARA
RENATO SERIO(Conductor)
Nobuo Yagi(Harmonica)
Fumihiko Kazama(Accordion)
Chuei Yoshikawa(Guitar)
Hideo Yamaki(Drum)
Kunimitsu Inaba(W.Bass)
Masahiro Sayama(Piano Rhodes)
Tomonao Hara(Flugel Horn)
Ryota Komatsu(Bandoneon)
etc.

Recorded at:
TEATRO STORCHI DI MODENA,KIOI HALL,Wonder Station
August-September, 1998

 

NOSTALGIA – PIANO STORIES III

1.Nostalgia
2.Sentimenti di Viaggio
3.Cinema Nostalgia
4.il porco rosso
5.Casanova
6.Plein Soleil
7.HANA-BI
8.Nocturne
9.A Hill of Babylon
10.la pioggia

 

Disc. 久石譲 『交響組曲 もののけ姫』

久石譲 『交響組曲 もののけ姫』

1998年7月8日 CD発売 TKCA-71395
2020年7月22日 LP発売 TJJA-10026

 

1997年公開 スタジオジブリ作品 映画「もののけ姫」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

久石が「もののけ姫」の楽曲を8章からなる交響組曲に構成し、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団と共に新録音。収録は1998年6月に、プラハのドヴォルザーク・ホール~芸術家の家で行われた。「もののけ姫」の感動が再び蘇るメモリアルアルバム。

 

 

コメント

「アシタカせっ記」を、スラブ色の強い一流のオーケストラで聴いてみたい。それが、チェコ・フィルにお願いした最大の理由だ。宮崎さんの持っている空気感のようなものと東欧のそれは、相通じるのではないか。一番聴いてほしい人は宮崎さん、そして、「もののけ姫」を大好きなすべての人々、ゆっくり楽しんで下さい。

久石譲

 

「もののけ姫」の音楽ダビングをしながら、やっぱり 久石さんにお願いしてよかったと思った。バンダナをとった久石さんが、ぼくは とても 好きだ。

宮崎駿

(コメント ~CDライナーノーツより)

 

 

 

 

 

久石譲 『交響組曲 もののけ姫』

第一章 アシタカせっ記
第二章 TA・TA・RI・GAMI
第三章 旅立ち 〜西へ〜
第四章 もののけ姫
第五章 シシ神の森
第六章 レクイエム 〜呪われた力〜
第七章 黄泉の世界 〜生と死のアダージョ〜
第八章 アシタカとサン

作曲・編曲・演奏・プロデュース:久石譲

ピアノ:久石譲 (M-4,8)
指揮:マリオ・クレメンス
演奏:チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

収録ホール:芸術家の家 (ドヴォルザーク・ホール/プラハ1998年6月6~8日)

 

Symphonic Suite Princess Mononoke

1.1st movement The Legend of Ashitaka
2.2nd movement TA TA RI GAMI (The Demon God)
3.3rd movement The Journey to the West
4.4th movement Mononoke Hime
5.5th movement The Forest of the Deer God
6.6th movement Requiem – The Demon Power
7.7th movement The World of the Dead – Adagio of Life and Death
8.8th movement Ashitaka and San

 

Disc. 『「もののけ姫」はこうして生まれた。』

1998年6月26日 VHS発売 VWSZ-8016
2001年11月21日 DVD発売 VWDZ8016

 

宮崎駿監督が渾身の力をこめて制作し、公開されるや大ヒットとなった1997年スタジオジブリ作品『もののけ姫』。本作はそのアニメーション制作現場から、宣伝戦略、アテレコにおける声優と宮崎監督のやりとり、さらに公開後の大ヒットの様子までを約2年にわたり克明に記録したドキュメント映像である。さらには、北米公開時に宮崎監督がトロント、ロスアンゼルス、ニューヨークの3都市をキャンペーンで回った際の映像も特典として収録している。

 

 

1997年、日本映画界を席巻、話題を独占した「もののけ姫」。数々の記録を破り、映画史に残る金字塔を打ち立てたこの映画は、いかにして生まれたのか?

激しい思いを叩きつけていく宮崎駿監督とそれを支えるスタジオジブリ・スタッフの未知なる挑戦。常識破りの戦いに挑んだ鈴木プロデューサーの戦略とは…。そして久石譲、米良美一による華麗なる音声作りの舞台裏。さらに映画に登場する強烈なキャラクターにのりうつっていった豪華声優陣たち。全ての力が結集した時、「もののけ姫」は、社会現象と化していった。

未だかつてないスケールで作られた「もののけ姫」。多くの謎を秘めた表現と映画に情熱を捧げた人間たちを2年間にわたって熱く、そして静かに見つけ続けた完全ドキュメント。これを見れば「もののけ姫」の全てがわかる!

(DVDジャケットより)

 

 

音楽を担当した久石譲も本作品には登場している。

ひとつは、主題歌「もののけ姫」のレコーディング風景。米良美一とのやりとりや監督もふくめたスタジオでのやりとり、OKテイクまでの道のりが収められている。「アシタカの心の声。この歌はアシタカからサンへの想いである」という宮崎監督のひと言で、ヴォーカルの表現が大きく変化した様子、またそれをうけて歌詞が一部変更になった瞬間など貴重な場面が収められている。

イメージアルバムでの同歌詞と本主題歌の「おまえ」「そなた」という言葉の順番が逆になった瞬間が記録されている。

 

 

もうひとつは、映画冒頭の「旅立ち」の音楽について。ここには当初宮崎監督の構想とは違う勇壮な楽曲が使われている。これは鈴木プロデューサーの提案からである。その経緯については下記ご参照。

Blog. 映画「もののけ姫」 アシタカ旅立ちの音楽 制作秘話

 

そしてこのドキュメントに収録されているのはまさに「旅立ち -西へ-」のフルオーケストラによるレコーディング風景。しかも、レコーディング当日奏でられた同曲は、盛り上がる箇所にシンバルとティンパニが鳴っていない。スタジオで同席していた鈴木プロデューサーからのさらなる提案で、シンバルとティンパニを加えたヴァージョンをその場で演奏してみるというやりとりが全て収められている。打楽器による高揚感なし・ありを聴くことができる貴重な記録である。

なぜそういった提案がされたのか?久石譲と鈴木プロデューサーのこのシーンの解釈の違いからである。久石譲はあくまでも「村を追われたアシタカ・これからの試練」を思っておさえた。一方の鈴木プロデューサーは、「悲壮感を出すよりは、これは新たな旅立ちという祝福」という解釈をしていた。だからもっと勇壮にしたいと。

結果、宮崎駿監督がどちらを採用したかは、周知のとおりである。満面の笑みで「こっちがいいね!」と言って鈴木プロデューサーや久石譲が合いの手を入れる和気あいあいとしたシーンが映像として記録されている。

 

 

VHS:3本組/360分

 

DVD:3枚組/400分

本編ディスク3枚組
<ディスク1> 第1章 紙の上のドラマ 約132分
<ディスク2> 第2章 生命が吹きこまれた! 約137分
<ディスク3> 記録を超えた日 約130分 / 映像特典 約20分

ピクチャーディスク仕様