Disc. 久石譲 『崖の上のポニョ サウンドトラック』

久石譲 『崖の上のポニョ サウンドトラック』

2008年7月16日 CD発売 TKCA-73340
2021年4月24日 LP発売 TJJA-10032

 

2008年公開 スタジオジブリ作品 映画「崖の上のポニョ」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

フルオーケストラと大コーラスで奏でる空前の宮崎駿ファンタジー
久石譲渾身の書き下ろし大作!!

映画本編の楽曲を収録。新日フィルハーモニー交響楽団の演奏に加え、本作では栗友会合唱団による大編成のコーラスが加わり“海と生命”をダイナミックに表現している。録音は2008年5月。林正子、藤岡藤巻と大橋のぞみの主題歌も収録。

 

 

ポニョと宗介のストレートな感情を音楽に

今回はすごく幸運なことに、『崖の上のポニョ』という曲が宮崎さんとこの作品の最初の打ち合わせをしている時に浮かんだんです。ただシンプルすぎて、これがメインのテーマ曲になるのかなと、しばらく寝かせておいたんですけど、2、3ヵ月経ってもそのメロディが頭から離れないので、この曲を今回の映画音楽の主役として随所で聴こえるようにしました。

あとは、この映画の主人公が5歳の男の子と女の子で、とにかく感情表現がストレートですから、彼らがお互いを好きになる勢いみたいなものをそのまま音楽で表現しています。映画の音楽を映像につける方法として一番シンプルな、原点に戻ったところで作業をした感じですね。そうした中でどれだけ壮大さを音楽で表現できるかということを意識していました。

また、今回はこの映画の根底にある宮崎さんの思想につながるグランマンマーレのテーマ曲を作っています。彼女はベーシックな意味で生命のもとが海にある。海なる母というこの映画全体のテーマそのものですから、全体の基調になるものとして曲を書きました。

演奏形態については、この映画にとって、また今の僕自身にとってもぴったりした表現方法だと思い、約90名の3管編成・フルオーケストラに演奏してもらいました。あとはコーラスですね。宮崎さんの作品でコーラスをしっかり入れたのは実は今回が初めてです。オーケストレーションという点でも存分に楽しんで頂けるように書けたと思います。

無駄なく完成されている宮崎さんの映像に調和する音楽をつけるのはかなり難しい。僕は映画音楽は映像と音楽がお互いに重量物になることなく、時には寄り添い、時には対立しながら常に対等でいるのが一番正しいと思っています。宮崎さんの作品は、そんな映像と音楽の関係を存分に出せる最高の仕事です。

この映画は、最近の宮崎さんの作品の中では101分と少し短めですが、中身はとても凝縮されていて、観終わった瞬間にもう一度観たくなります。ものすごくイマジネーションが豊かで、勇気が出ましたね。どのシーンもとにかくすごい!その中で、あえて僕が好きなシーンをあげると、宗介がいなくなってしまったリサを探して「リサーっ!!リサーっ!!」と叫ぶところです。このシーンの音楽は、僕のピアノソロで、音楽的にもすごく気持ちが入りました。

(映画「崖の上のポニョ」劇場用パンフレット より)

 

 

新しい海の唄の誕生 ~覚 和歌子作「さかな」より翻案

宮崎監督は、「崖の上のポニョ」で、これまでにない”新しい海の唄”を作りたいと考えていました。これまで海の唄というと「うみはひろいな 大きいな」(文部省唱歌「うみ」)という唱歌に代表されるように、海を風景や舞台として捉えた唄ばかりでした。監督は今回の作品のために、”海そのもの”を歌った唄を作りたいと思い悩んでいたのです。そんなある日、覚和歌子さんの詩集『海のような大人になる』(理論社刊)の中の一編の詩「さかな」に出会い衝撃を受けます。その詩には、監督が思い描いていた”海そのもの”が表現されていたからです。そして、宮崎監督はこの詩を元に、「海のおかあさん」の歌詞を書き上げたのでした。後日、音楽担当の久石譲氏に手渡された音楽ノートには、歌詞とともに次の一文が添えられていました。《これは覚和歌子さんの詩集『海のような大人になる』の一編「さかな」を元にしました。》こうして、宮崎監督と覚和歌子さんと久石譲さんによる全く新しい海の唄、「海のおかあさん」が生まれたのです。

(CDライナーノーツより)

 

 

ソーミ、ドーソソソの六音からなるこのフレーズは単純だけれども、だからこそさまざまにアレンジすることができる。この機能性は映画音楽では最高の武器だ。困ったらこのメロディに戻ればいいわけで、水戸黄門の印籠のようなものである。この瞬間、迷いは霧散した。

Blog. 「文藝春秋 2008年10月号」「ポニョ」が閃いた瞬間 久石譲 より抜粋)

 

 

久石:
だから逆に、音楽のほうも割り切った、新しいスタイルいできないかなと思って、今、取り組んでいるんですよ。というか、どちらかというとぼくは、長く曲をつけるのが好きだったんですよ、今までは。入り出したら2分とか、長く続けるのが好きで、その方式をとってきたんだけど、今回は逆に、5秒とかね。

鈴木:
ああ、短いんですよね。

久石:
すごく短い。ようするに、「はい、始まった。終わった」っていうよりも、(音が)「あった」。そのかわり、間もあるんだけど、「また、あった」みたいなね。まあ、理想で言うと、どこから音楽が始まって、どこで終わったか、あまりわかんない方式をとれないかなと思って。

鈴木:
いろいろ考えてますねえ。

久石:
いやいや……(笑)。

 

鈴木:
今回の『ポニョ』では、久石さんに作っていただいた曲がね、ラストシーンを決めました。

久石:
あははは(笑)。

鈴木:
いや、そういうことがあるんですよ。あの音楽によって、「ラストは、こうやればいいんだ」と、宮さん本人もわかったっていう……

久石:
いやあ、責任重大ですね。

Blog. 「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ 3」久石譲登場回(2008)「ジブリアニメとの25年」内容 より抜粋)

 

 

「子どもから大人まで誰もが口ずさめるような歌を作ってほしいというのが宮崎さんの希望でした。そうなると、一番大事なのがメインテーマ。幸いなことに、宮崎さんとの最初の打ち合わせのときに浮かんできたんですよ。”ポ~ニョポ~ニョポニョ”っていう部分のメロディーが。でも、あまりにもシンプルなメロディーだったので、2~3カ月くらい寝かせてたんです。でも結局、それが一番良いと思ったので、デモを作って宮崎さんに渡してみたら気に入ってくださって。最大の難関になるはずのメインテーマが最初にできたというのは非常に助かりましたね」

「作っていくうちに”これは難しいな”と思ったことがありました。主人公の宗介は5歳の男の子なんですけど、それくらいの年齢の子は感情のブレがないんです。”行きたい””好き””会いたい”とか、とにかく真っすぐですからね。映画音楽では、主人公が揺れてくれるとありがたいんです。揺れると心理描写が入りますから、いろんなバリエーションの音楽を入れやすいんですよ。宗介もポニョも真っすぐなので、そこは大変でした(笑)。でも、『崖の上のポニョ』という作品は”子ども向け”に見えますけど、全然”子ども向け”じゃないですからね。人間の生と死とか、現実に生きている世界と裏返しの世界の間の物語なんですよ。グランマンマーレとか、向こうの世界の存在ですし、永遠の生命とか、まさに東洋哲学ですよね。でも、ただ深いものとして見せるんじゃなくて、子どもにも分かるように作るという、難しいことに挑戦した作品なんじゃないのかなって。僕はそう感じたので、作っている途中で”これは大変だなぁ”って思いました。一番大切なことは、作品の深さに見合った音楽を書かなくてはいけないということでした。つまり、表面に出てくるメロディーはシンプルなものだとしても、水面下にものすごく深いものがないと成立しないんです」

「小学校の音楽の授業で習うことですけど、音楽の中には”メロディー”と”ハーモニー”と”リズム”という三要素があるんです。僕らが音楽を作る上でも重要なのはこの三要素なんですよ。今回、メインテーマの”メロディー”が非常にシンプルで分かりやすいので、”リズム”や”ハーモニー”が相当複雑な構成になっても成立するんです。そこは良かったところですね。この曲の良さは、”ポ~ニョポ~ニョポニョさかなのこ”という最初の部分のメロディーですべて分かってしまうところ。そのメロディーを認識させるために4小節とか8小節とか必要としないですから。1フレーズだけで分かるので、どんな場面でも使えるんです。すごく悲しい感じにもできるし、すごく快活にもできるから、いくつでもバリエーションが作れるんです。メインテーマのアレンジを変えて使うという方法は、前作の『ハウルの動く城』の経験が生きましたね。今回、『崖の上のポニョ』でも徹底的にアレンジを変えました。使い回しは一つもありませんよ」

「音楽を入れるのに楽なところは一つもありません。その中でも悩んだところは、宗介が”リサ!リサ!”って叫ぶ場面と、その後のおばあちゃんたちがいる”ひまわりの家”が水没している場面ですね。ひまわりの家の場面には音楽が必要だと思ったんですが、そうすると宗介のシーンには音楽が入れられないなって。2つの連続する場面のどちらにも音楽が入っていたら”音楽ベッタリ”な感じになってしまいますからね。僕も宮崎さんも悩んだんですけど、宗介のシーンには音楽は要らないという話になりました。ところが、作っていくうちに、”やっぱりこれだとおかしい”っていうふうに思えてきたので、宗介のところにも音楽を入れることにしたんです。でも、ひまわりの家の部分がフルオーケストラなので、違いが出せるように宗介のところはピアノ一本で入れることに。いやぁ、うまくいきましたね。惜しいのは、僕のピアノがちょっと強かったことかな。オケの録音の後にとったので、ちょっと力が入り過ぎたみたいです(笑)」

「そうなんですよ。トータルバランスを考えて作るということが大切です。この映画の上映時間は1時間41分ですから、音楽も1時間41分の長さのシンフォニー(交響曲)を書くつもりで取り掛からないといけません。ずっとフルテンションの分厚い音楽だったら飽きちゃいますよね。厚い部分があれば薄い部分もあって、速い部分があれば遅い部分もある。その音楽がトータルで何を表現したいのかを考えないと作品として成立しないんです。音楽が入ってない場面も出てきますよね。”この場面には音楽を入れない”と決めるのも、僕の仕事なんです」

Blog. 「別冊カドカワ 総力特集 崖の上のポニョ featuring スタジオジブリ」(2008) 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

 

今作の作曲は、物語のはじめから終わりに向かって順番通りに書き下ろされている。久石譲曰く「通常とらない方法」とのこと。録音はホールにてオーケストラと総勢約70名のコーラスを別録りではなく同時録音する方法が採用されている。日本に4個しかないホルンのミュートも集め使用されている。

本格的にコーラスを取り入れた本作品、「深海牧場」などに聴かれるコーラスはラテン語から「mare(海)」「aqua(水)」「amor(愛)」「mater(母」「navigo(航海する)」「vita(生命)」等、映画に関連する単語を組み合わせてはめ込まれている。

 

 

 

 

書籍「折り返し点 1997~2008」/宮崎駿・著に、『久石譲さんへの音楽メモ』、作品についての説明とあわせて「ポニョ来る」「子守歌」「さんご塔」「ひまわりの家のロンド」「水魚」「発光信号」「いもうと達」といった詩やメモが収載されている。これは監督から久石譲へ作品イメージを伝えるために書いたもの。イメージアルバムの曲および曲名・歌詞として生かされている。

 

 

 

2021.4 Update

2021年発売LP盤には、新しく書き下ろされたライナーノーツが封入された。時間を経てとても具体的で貴重な解説になっている。

 

 

 

 

久石譲 『崖の上のポニョ サウンドトラック』

01. 深海牧場
02. 海のおかあさん 歌:林正子
03. 出会い
04. 浦の町
05. クミコちゃん
06. ポニョと宗介
07. からっぽのバケツ
08. 発光信号
09. 人間になる!
10. フジモト
11. いもうと達
12. ポニョの飛行
13. 嵐のひまわりの家
14. 波の魚のポニョ
15. ポニョと宗介 II
16. リサの家
17. 新しい家族
18. ポニョの子守唄
19. リサの決意
20. グランマンマーレ
21. 流れ星の夜
22. ポンポン船
23. ディプノリンクスの海へ
24. 船団マーチ
25. 赤ちゃんとポニョ
26. 船団マーチ II
27. 宗介の航海
28. 宗介のなみだ
29. 水中の町
30. 母の愛
31. トンネル
32. トキさん
33. いもうと達の活躍
34. 母と海の讃歌
35. フィナーレ
36. 崖の上のポニョ (映画バージョン) 歌:藤岡藤巻と大橋のぞみ

音楽:久石譲
指揮・ピアノ:久石譲
演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団 ソロ・コンサートマスター:崔文洙
合唱:栗友会合唱団
ヴォイス:麻衣

音楽収録:すみだトリフォニーホール 2008年5月
ミキシングスタジオ:ON AIR 麻布スタジオ

16面パノラマブックレット封入

 

Ponyo on the Cliff by the Sea (Original Soundtrack)

1.Deep Sea Pastures
2.Mother Sea
3.The First Meeting
4.Town by a Cove
5.Kumiko
6.Ponyo and Sosuke
7.The Empty Bucket
8.Night Signals
9.I Want to Be a Girl!
10.Fujimoto
11.Ponyo’s Sisters
12.Ponyo Flies
13.The Sunflower House Caught in the Storm
14.Ponyo Rides a Sea of Fish
15.Ponyo and Sosuke II
16.Lisa’s House
17.A New Family Member
18.Ponyo’s Lullaby
19.Lisa’s Resolve
20.Gran Mamare
21.A Night of Shooting Stars
22.The Toy Boat
23.Towards the Sea of the Dipnorhynchus
24.March of the Boats
25.The Baby and Ponyo
26.March of the Boats II
27.Sosuke’s Voyage
28.Sosuke’s Tears
29.Underwater Town
30.A Mother’s Love
31.The Tunnel
32.Toki
33.Ponyo’s Sisters Lend a Hand
34.A Song for Mothers and the Sea
35.The Grand Finale
36.Ponyo on the Cliff by the Sea (Movie Version)

 

벼랑 위의 포뇨 Original Soundtrack
(South Korea, 2008) PCKD 20203

01 심해 목장
02 바다의 엄마
03 만남
04 포구의 마을
05 쿠미코
06 포뇨와 소스케
07 텅빈 양동이
08 발광신호
09 사람이 될래!
10 후지모토
11 포뇨 여동생들
12 포뇨의 비행
13 폭풍 속의 해바라기 집
14 파도 타는 물고기 포뇨
15 포뇨와 소스케Ⅱ
16 리사의 집
17 새로운 가족
18 포뇨의 자장가
19 리사의 결의
20 그란만마레
21 유성이 떨어지는 밤
22 통통배
23 디프노링크스의 바다로
24 호위함의 행진곡
25 아기와 포뇨
26 호위함의 행진곡Ⅱ
27 소스케의 항해
28 소스케의 눈물
29 수중 마을
30 엄마의 사랑
31 터널
32 토키
33 포뇨 여동생들의 활약
34 엄마와 바다의 찬가
35 피날레
36 벼랑 위의 포뇨(영화버전)

 

Disc. 東京ブラススタイル 『ブラスタジブリ』

ブラスタジブリ 東京ブラススタイル

2008年7月9日 CD発売 UCCY-10002

 

女性11人組ブラス・ユニット、東京ブラススタイル

『となりのトトロ』の「さんぽ」から『崖の上のポニョ』までおなじみのナンバーを色鮮やかなアレンジで披露。

これぞブアスタの真骨頂!ジブリの名作をずらりとカヴァー!ブラスタならではのオシャレで小粋なブラス・アレンジ!その名もずばり、『ブラスタジブリ』!

 

 

ブラスタジブリ 東京ブラススタイル

1. さんぽ ~オープニング・ジングル~ 『となりのトトロ』より
2. ハトと少年 『天空の城ラピュタ』より
3. 崖の上のポニョ 『崖の上のポニョ』より
4. 風の谷のナウシカ ~オープニング~ 『風の谷のナウシカ』より
5. さんぽ 『となりのトトロ』より
6. 風の丘 『魔女の宅急便』より
7. もののけ姫 『もののけ姫』より
8. いつも何度でも 『千と千尋の神隠し』より
9. 人生のメリーゴーランド 『ハウルの動く城』より
10. カントリー・ロード 『耳をすませば』より

全作曲:久石譲 except. M-8,10

 

Disc. DAISHI DANCE 『the ジブリ set』

DAISHI DANCE the ジブリ set

2008年7月2日 CD発売  XNAE-10016

 

スタジオジブリの名曲をハウスアレンジ・カヴァー
久石譲の娘 麻衣が参加した「君をのせて」 (英語歌詞) 他
一度は聴いたことのあるナンバーが上品なハウスアレンジに

 

 

DAISHI DANCE the ジブリ set

1. 天空の城ラピュタ:君をのせて feat. 麻衣
2. 千と千尋の神隠し:あの夏へ
3. となりのトトロ:風のとおり道
4. おもひでぽろぽろ:The Rose feat. Lori Fine (COLDFEET)
5. 魔女の宅急便:海の見える街
6. ハウルの動く城:人生のメリーゴーランド
7. 風の谷のナウシカ:ナウシカ・レクイエム
8. 風の谷のナウシカ:風の伝説
9. もののけ姫:もののけ姫
10. 千と千尋の神隠し:いつも何度でも feat. Chieko Kinbara
11. 耳をすませば:Take Me Home Country Roads feat. arvin homa aya
12. となりのトトロ:となりのトトロ

 

Disc. トロンボーン・クァルテット・ジパング 『黄金の国 -ジパング-』

2008年4月23日 CD発売 OVCC-00059

 

美しい調べの国、日本。
ジパングの名のもとに煌く黄金のハーモニー。
久石譲も絶賛し、アレンジを認めた、華麗なアンサンブル!!

トロンボーン・クァルテット・ジパングが描く、満を持してのジパング的日本アルバムの登場です。

日本のオーケストラの名手たちによるトロンボーン四重奏団”ZIPANG”。

これまで5枚のアルバムがリリースされ、どのアルバムもトロンボーン・アンサンブルの可能性とエンターテイメント性を全面に出し、管楽器ファンならずとも、多くの方から讃辞を受けてきました。

その団体がちょうど結成10年目を迎える今年、自らの団体名であり、自らのアイデンティティとも言える”ZIPANG”をテーマにアルバムを発表します。

それはまさに、日本に溢れる美しいメロディ、ハーモニーが凝縮されたような濃度の高い”ZIPANG”が収められています。

当団体によって委嘱された日本の地名が付けられたスパーク、高嶋圭子の組曲。ジパングに多くのインスピレーションを与え続けたパリトロンボーン四重奏団の為に書かれた「パスピエ」。宮澤賢治の小説にインスピレーションを受け作曲された建部知弘の作品。そして日本最高の人気作曲家、久石譲の珠玉のジブリ映画名曲集。そのメロディには日本への暖かな眼差しと音楽への愛情が込められています。

日本とトロンボーンによる”ジパング”という名の調和。トロンボーンの魅力が最高に詰まったアルバムです。

(メーカーインフォメーションより)

 

 

演奏:トロンボーン・クァルテット・ジパング

メンバー:
吉川 武典(Takenori Yoshikawa)
桑田 晃(Akira Kuwata)
岸良 開城(Haruki Kishira)
門脇 賀智志(Kachishi Kadowaki)

収録:2008年1月8日~10日 富山・北アルプス文化センターにて収録

 

 

黄金の国ジパング トロンボーン

1. トウキョウ・トリプティック/フィリップ・スパーク
Tokyo Triptych/Philip Sparke
I. 新宿 楽譜
2.  II. 泉岳寺
3.  III. 渋谷
4. 4本のトロンボーンの為の「パスピエ」/高嶋圭子
Passepied for 4 Trombones/Keiko Takashima
5. 古都三景/高嶋圭子
Three ancient capitals/Keiko Takashima
I. 鎌倉~紫陽花咲く寺にて~
6.  II. 奈良~大仏開眼~
7.  III. 京都~落日の金閣寺~
8. トロンボーン四重奏のための五章「ケンタウル祭の夜に」
~宮澤賢治「銀河鉄道の夜」によせて~/建部知弘
5 Chapters for the Trombone Quartet “On the Night of the Centaur Festival”
/Tomohiro Tatebe
I. 午後の授業 楽譜
9.  II. ジョバンニ
10. III. カンパネルラ(レクイエム)
11. IV. ケンタウルス、露をふらせ!
12.  V. 星めぐりの歌
13. 組曲「心色-HISAISHI-」/久石譲(編曲:吉川武典)
Suite Shinshoku-HISASHI-/Joe Hisaishi(arr.Takenori Yoshikawa)
I. 人生のメリーゴーランド-映画「ハウルの動く城」より-
14. II. 晴れた日に…-映画「魔女の宅急便」より-
15. III. 旅立ち-映画「魔女の宅急便」より-
16. IV. あの日の川-映画「千と千尋の神隠し」より-
17. V. 風の谷のナウシカ-映画「風の谷のナウシカ」-
18. VI. 君をのせて-映画「天空の城ラピュタ」-

 

Disc. 久石譲 『Piano Stories Best ’88-’08』

久石譲 『Piano Stories Best ’88-’08』

2008年4月16日 CD発売 UPCI-1080
2018年4月25日 LP発売 UMJK-9075/6

 

’88年に第一弾をリリースして以来 Piano Stories シリーズの4枚から、久石譲が自らセレクトした本格ベストアルバム。

映画、CM、ジブリ作品等に使われた名曲の数々がピアノ&ストリングスによるアレンジでより美しく輝きを放つ。久石譲の入門編としても親しみやすく、ファンの間でも名盤として評価の高い作品。

 

 

久石譲 『PIANO STORIES BEST ’88-’08』 に寄せて

この『Piano Stories Best ’88-’08』に収録された楽曲は、久石が折に触れて発表してきたソロ・アルバム・シリーズ『PIANO STORIES』全4枚の中からセレクションされた楽曲と、ピアノ・ソロとしては今回が初収録となる未発表音源「人生のメリーゴーランド」を加えた構成となっている。1枚目のアルバム『Piano Stories』が発表されたのが1988年だから、今年でちょうど20年。その20年という時間の流れの中で、久石という音楽家が歩んできた「Histories=歴史」つまり「His Story=彼(久石)の物語」が語られてきたのであり、また、彼の音楽に接し続けてきた我々自身の「歴史=物語」が語られてきたわけである。

このアルバムに収録されている楽曲の多くは、これまで久石が手がけてきた映像音楽(映画音楽やCM、テレビ音楽)の代表作を中心に、久石自身がソロ・アルバム用にアレンジし直した=ピアノで語り直したものである。だからといって、これが単なる久石の「映像音楽集」というかというと、実はそうではない。いささか逆説めいた言い方になるが、久石の音楽は映像音楽であって、映像音楽ではないのである。このことを、少し細かく見てみたい。

宮崎作品での方法論が典型なのだが、久石は具体的な映像を見る前から音楽的構想を組み立てていく作曲家である。誤解を恐れずに書けば、久石は特定の”映像”に音楽を付けているわけではない。「僕の映画音楽の作り方というのは、監督の作りたい世界を根底に置いて、そこからイメージを組み立てていく」という久石の言葉に端的に表れているように、あくまでも久石は映画やテレビ番組の”世界観”に音楽を付けているのである。だからこそ、作品の世界観を出発点として生まれた音楽を、繰り返しアレンジする自由も生まれてくる。

久石にとって、映像作品の完成は、即、音楽の完成とはならない。現代音楽の用語を用いれば、久石の映像音楽は常に”ワーク・イン・プログレス”なのである。ソロ・アルバム『PIANO STORIES』のシリーズは、ある映像の世界観をきっかけにして生まれた久石の音楽を「ピアノで語り直した物語」なのだ。

言うまでもなく、ピアノは作曲家・久石譲のアイデンティティと密接に結びついている、きわめて特権的な楽器である。例えば『風の谷のナウシカ』のメインテーマとして知られる《風の伝説》、すなわち[04]「Fantasia (for NAUSICAÄ)」を聴いてみていただきたい。ここに収められたのはピアノ・ソロ・ヴァージョンによる演奏だが、映画本編のサウンドトラック盤の演奏でも、あるいは映画完成前に作られたイメージアルバムの演奏でも、《風の伝説》の主題は常にピアノで演奏されている。つまり、『ナウシカ』という作品の世界観-主人公ナウシカの凛とした面持ち、彼女の勇気ある姿勢など-の核心(ハート)を音楽で表現する時に、ピアノに自己を託す作曲家であることを意味する。ピアノという楽器は、久石自身の核心(ハート)でもあるのだ。

そのことを非常に象徴的に表した例として、もうひとつ、『ハウルの動く城』のメインテーマである[13]「人生のメリーゴーランド」を挙げてみよう。本編をご覧になったリスナーならご存知だと思うが、『ハウルの動く城』ではほぼ全編にわたり《人生のメリーゴーランド》の主題が繰り返し登場する(スコア全体が一種の変奏曲と言っても過言ではない)。本編の冒頭シーン、《人生のメリーゴーランド》は久石のピアノ・ソロで2回繰り返して演奏されるが、そのシーンの登場人物の会話から、我々観客はハウルが他人の心臓を取ってしまう魔法使いであること、すなわちハウルにとって心臓(ハート)が重要であることを知る。映画の中で最後にピアノ・ソロが登場するのは、ハウルが心臓(ハート)を取り戻す場面であり、そこで演奏される楽曲は本編冒頭の音楽と全く同じである(変奏曲の最後に主題が回帰する手法に似ている)。つまり《人生のメリーゴーランド》が流れる冒頭シーンは、物語的にも音楽的にも”主題提示部”の役割を果たしており、『ハウル』本編で展開される物語と音楽は、この主題を用いた”変奏曲”に他ならない。こうした作曲手法は、バッハやベートーヴェンがピアノ(鍵盤楽器)のために書いた変奏曲の方法論と、実は何ら変わるところがないのだ。さらに『ハウル』全体の音楽を注意深く聴いてみると、《人生のメリーゴーランド》の演奏にピアノが使用される箇所は、ヒロインのソフィーがハウルに抱く恋愛感情を表現した場面に限定されていることがわかる。《人生のメリーゴーランド》は、ピアノという楽器で演奏されることで”愛のテーマ”の役割も果たしているわけだ。ハウルがソフィーの恋愛感情によって心臓(ハート)を取り戻すこと。これこそが『ハウルの動く城』という作品の核心(ハート)的テーマに他ならない。その最も重要なテーマを、久石はピアノという楽器に託していたのである。

このような奇跡的な作曲を可能にしたのは、繰り返すまでもないが、ピアノという楽器が、久石のアイデンティティの根幹に関わる核心(ハート)的楽器だからである。そうしたことを頭の片隅に置きながら、この『Piano Stories Best ’88-’08』に耳を傾けていただきたい。久石譲という音楽家の核心(ハート)が、彼のピアノ演奏同様、いささかも曇ることのないタッチで、明確に語られていることに気づくはずだ。

2008年3月 前島秀国

(寄稿文 CDライナーノーツより)

 

 

【楽曲解説】

01. The Wind of Life
『PIANO STORIES II』に収録。ポップス・メロディの作曲家としても、久石が第一線の才能を有していることを示した好例である。

02. Ikaros -2008 Remix-
『PIANO STORIES 4』に収録。ブラームスのピアノ音楽に通じる重厚さと、躍動感溢れるミニマルのパルスの対比が絶妙である。2008年再ミックス音源。

03. HANA-BI
『PIANO STORIES III』に収録。北野武監督『HANA-BI』メインテーマ。ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞など、この作品と縁の深いイタリアで録音された演奏である。イタリアならではのストリングスの色合いが、楽曲の風格を高めることに貢献している。

04. Fantasia (for NAUSICAÄ)
『Piano Stories』に収録。宮崎駿監督『風の谷のナウシカ』のメインテーマ《風の伝説》に基づく。

05. Oriental Wind -2008 Remix-
『PIANO STORIES 4』に収録。サントリー緑茶「伊右衛門」CMソング。”和”のテイストを基調としながら、久石自身のルーツであるミニマル的な要素や新ウィーン楽派風のストリングス・アレンジも顔を覗かせる。2008年再ミックス音源。

06. Innocent
『Piano Stories』に収録。宮崎駿監督『天空の城ラピュタ』のメインテーマ《空から降ってきた少女》のソロ・ピアノ・ヴァージョン。

07. Angel Springs
『PIANO STORIES II』に収録。サントリー「山崎」CMソング。冒頭のチェロとピアノの絡みが美しい。希望に満ち溢れた楽曲。

08. il porco rosso
『PIANO STORIES III』に収録。宮崎駿監督『紅の豚』メインテーマで、同映画のサウンドトラック盤に収録された《帰らざる日々》をさらにジャジーにアレンジしたもの。作品の舞台はアドリア海周辺という設定だったが、そのアドリア海に面したイタリアでの録音である。

09. The Wind Forest
『Piano Stories』に収録。宮崎駿監督『となりのトトロ』の《風のとおり道》が原曲。冒頭のミニマル風の音型が小さき生命の存在をユーモラスに表現し、東洋的なメロディが森の大らかな生命を謳い上げる。

10. Cinema Nostalgia
『PIANO STORIES III』に収録。日本テレビ系「金曜ロードショー」オープニングテーマ。久石の敬愛するニーノ・ロータにオマージュを捧げたような、クラシカルな佇まいが美しい。

11. Kids Return
『PIANO STORIES II』に収録。北野武監督『キッズ・リターン』メインテーマをピアノ+弦楽四重奏、すなわちピアノ五重奏曲の形で演奏したもの。

12. A Summer’s Day
『Piano Stories』に収録。ミニマル・ミュージックの先駆者的作曲家として知られる、エリック・サティの楽曲を彷彿とさせるピアノ曲。

13. 人生のメリーゴーランド -Piano Solo Ver.-
『PIANO STORIES 4』にオーケストラ伴奏のアレンジ版が収録されていたが、ここに聴かれるピアノ・ソロ・ヴァージョンはそれとは別に収録されたもので、本盤が初出となる。宮崎駿監督『ハウルの動く城』のメインテーマ。

text by 前島秀国

(楽曲解説 ~CDライナーノーツより)

 

 

 

「Piano Stories」 ・・ (4) (6) (9) (12)
「Piano Stories II ~The Wind of Life」 ・・ (1) (7) (11)
「NOSTALGIA ~PIANO STORIES III~」 ・・ (3) (8) (10)
「FREEDOM PIANO STORIES 4」 ・・ (2) (5)

 

 

 

2018年4月25日 LP発売 UMJK-9075/6
完全生産限定盤/重量盤レコード/初LP化

 

 

 

久石譲 『Piano Stories Best ’88-’08』

1. The Wind of Life
2. Ikaros -2008 Remix- (東ハト「キャラメルコーン」CMソング)
3. HANA-BI (映画『HANA-BI』より)
4. Fantasia (for NAUSICAÄ) (映画『風の谷のナウシカ』より)
5. Oriental Wind -2008 Remix- (サントリー緑茶「伊右衛門」CMソング)
6. Innocent (映画『天空の城ラピュタ』より)
7. Angel Springs (サントリー「山崎」CMソング)
8. il porco rosso (映画『紅の豚』より)
9. The Wind Forest (映画『となりのトトロ』より)
10. Cinema Nostalgia (日本テレビ系「金曜ロードショー」オープニングテーマ)
11. Kids Return (映画『キッズ・リターン』より)
12. A Summer’s Day
13. 人生のメリーゴーランド -Piano Solo Ver.- (映画『ハウルの動く城』より) ※未発表音源

All Music Composed , Arranged and Produced by Joe Hisaishi

Piano by Joe Hisaishi (except Track-08 Backing Piano by Masahiro Sayama)

 

Piano Stories Best ’88-’08

1.The Wind of Life
2.Ikaros -2008 Remix- 
3.HANA-BI
4.Fantasia (for NAUSICAÄ)
5.Oriental Wind -2008 Remix-
6.Innocent
7.Angel Springs
8.il porco rosso
9.The Wind Forest
10.Cinema Nostalgia
11.Kids Return
12.A Summer’s Day
13.Merry-Go-Round (Piano Solo Version)

 

Disc. 久石譲 『崖の上のポニョ イメージアルバム』

久石譲 『崖の上のポニョ イメージアルバム』

2008年3月5日 CD発売 TKCA-73309
2021年4月24日 LP発売 TJJA-10031

 

2008年公開 スタジオジブリ作品 映画「崖の上のポニョ」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

宮崎駿監督からのメッセージをもとに久石譲が録り下ろしたヴォーカル6曲を含むイメージアルバム。

宮崎・久石の組み合わせはこの作品でついに9作目となった。麻衣の歌う「ひまわりの家の輪舞曲」等、宮崎監督の音楽メモを歌詞とする歌が3曲収録されており、主題歌「崖の上のポニョ」、藤岡藤巻の作詞・歌唱による歌も2曲収録されている。

 

 

書籍「折り返し点 1997~2008」/宮崎駿・著に、『久石譲さんへの音楽メモ』、作品についての説明とあわせて「ポニョ来る」「子守歌」「さんご塔」「ひまわりの家のロンド」「水魚」「発光信号」「いもうと達」といった詩やメモが収載されている。これは監督から久石譲へ作品イメージを伝えるために書いたもの。イメージアルバムの曲および曲名・歌詞として生かされている。

 

 

 

 

あと、「ひまわりの家の輪舞曲」という曲も、生と死を考えさせられる曲です。もともとは宮崎駿監督のお母さまがご病気になられたときに、ずっと「お料理したい、お洗濯をしたい」とおっしゃられていたそうで、そんな想いを歌詞に込められたそうなんです。「♪おむかえはまだこないから その間に一寸だけ歩かせて」という歌詞があるんですが、この「おむかえ」はお出かけしていてのお迎えとかではなく、天からのお迎えという意味なんですね。ただ、私がこの曲を初めて歌ったのはおそらく14~15年前だったかと思うんですけど、当時は今よりも若かったので、そういう私が歌うと「おむかえ」があんまり暗くならずに、幼稚園のお迎えとかそういう感じに聴こえたようなんですね。今、お聴きになるとどうなるか分からないですけど。そもそもこの歌詞は、曲を作る際にもかなり議論があったところで、「おむかえ」という表現が具体的すぎるんじゃないか、その時はまだ来ないから、とかオブラートに包んだ方がいいんじゃないか、と論争があったんですね。でも私が歌うことで、印象が明るくなったから「おむかえ」で行きましょう、となった部分だったんです。「おむかえ」は人間であれば誰しもが通らなくてはならないこと。そこに向き合いながらも、ポジティブにとらえられるこの曲は、改めていい曲だなと感じました。

出典:【インタビュー】麻衣 with リトルキャロル Beautiful Harmony|クラシックのチケット ローチケ[ローソンチケット] より一部抜粋 2023.04.06
https://l-tike.com/classic/mevent/?mid=687602

 

 

なおこのアルバム全曲をとおして、ピアノ演奏は久石譲ではなく、フェビアン・レザ・パネである。久石譲の音楽制作において時おりクレジットされている奏者。

 

 

久石譲 『崖の上のポニョ イメージアルバム』

1. 崖の上のポニョ
歌:藤岡藤巻と大橋のぞみ/作詞:近藤勝也/補作詞:宮崎駿/作・編曲:久石譲
2. サンゴ塔
作・編曲:久石譲
3. ポニョ来る
作・編曲:久石譲
4. 海のおかあさん
Vn.Solo:豊嶋泰嗣/作・編曲:久石譲
5. いもうと達
歌:Little Carol/作詞:宮崎駿/作・編曲:久石譲
6. フジモトのテーマ
歌:藤岡藤巻/作詞:藤岡藤巻/作・編曲:久石譲
7. 発光信号
作・編曲:久石譲
8. ポニョの子守唄
歌:大橋のぞみ/作詞:宮崎駿/作・編曲:久石譲
9. 本当の気持ち
歌:藤岡藤巻/作詞:藤岡藤巻/作・編曲:久石譲
10. ひまわりの家の輪舞曲(ロンド)
歌:麻衣/作詞:宮崎駿/作・編曲:久石譲

作曲・編曲・プロデュース 久石譲

レコーディング&ミキシングスタジオ:
ON AIR 麻布スタジオ
音響ハウス
サウンド・シティ
スタジオジブリ
ビクタースタジオ
Bunkamuraスタジオ
ワーナーミュージック・レコーディングスタジオ

 

Ponyo on the Cliff by the Sea Image Album

1.Ponyo on the Cliff by the Sea
2.The Coral Tower
3.Ponyo Comes
4.Mother Sea
5.Ponyo’s Sisters
6.Fujimoto’s Theme
7.The Light Signal
8.Ponyo’s Lullaby
9.Real Feelings
10.Rondo of the House of Sunflowers

 

Disc. 久木田薫 『Unplugged GHIBLI アンプラグド・ジブリ』

2007年12月19日 CD発売 PCCR-458

 

女性チェロ奏者久木田薫による、ジブリの名曲カバー企画アルバム。ジブリの名曲をアコースティックな編成で再構築。「ジブリ・ザ・クラシックス」の続編となる第2弾。「ゲド戦記」「天空の城ラピュタ」他の楽曲を収めた内容。

 

 

久木田薫 アンプラグド・ジブリ

1. 空飛ぶ宅急便 (魔女の宅急便)
2. 人生のメリーゴーランド (ハウルの動く城)
3. 愛は花、君はその種子 (おもひでぽろぽろ)
4. 遠き時代を求めて (紅の豚)
5. シータの決意~君をのせて (天空の城ラピュタ)
6. メイがいない~となりのトトロ (となりのトトロ)
7. 五月の村~さんぽ (となりのトトロ)
8. ナウシカレクイエム (風の谷のナウシカ)
9. ルージュの伝言 (魔女の宅急便)
10. あの日の川 (千と千尋の神隠し)
11. 鳥の人~エンディング (風の谷のナウシカ)
12. 時の歌 (ゲド戦記)
13. アシタカせっ記 (もののけ姫)
14. テルーの唄 (ゲド戦記)

 

Disc. 藤岡藤巻と大橋のぞみ 『崖の上のポニョ』

久石譲 『崖の上のポニョ 主題歌』

2007年12月5日 CDS発売 YCCW-30013

 

2008年公開 スタジオジブリ作品 映画『崖の上のポニョ』
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

歌詞カードと一緒に、メロディ譜(メロディ,コード)が掲載されている。

 

なおサウンドトラック盤では、主題歌「崖の上のポニョ」(映画バージョン)となっており、このシングル盤はフルサイズとなっている。ちなみに同フルサイズ版は、「崖の上のポニョ イメージアルバム」にも収録されている。

 

 

 

 

久石譲 『崖の上のポニョ 主題歌』

1. 崖の上のポニョ 作詞:近藤勝也 補作詞:宮崎駿 作曲・編曲:久石譲
2. フジモトのテーマ 作詞:藤岡藤巻 作曲・編曲:久石譲
3. 崖の上のポニョ (カラオケ)
4. フジモトのテーマ (カラオケ)
5. 崖の上のポニョ (のぞみちゃんデモ)

※5.はデモ・バージョンのため、最終的に完成したものと一部、歌詞が違っています。

 

Disc. DJ NOZAWA 『MEMORY OF THE FUTURE』

MEMORY OF THE FUTURE DJ NOZAWA

2007年4月21日 CD発売 WLA-002

 

映画「となりのトトロ」の楽曲「風のとおり道 (塚森の大樹)」をサンプリング。アナログLP盤で1万5000枚以上セールスを記録した作品をCD化。

 

 

MEMORY OF THE FUTURE  ALBUM MIX
1997年制作、2003年にアナログリリース、サンプリングソースには久石譲氏の”塚森の大樹”を使用、この曲の完成当時は考えられる限りの事を尽くし、何とか承諾を得、正規リリースをしたかったのですが当時の世の中はサンプリングの認知は全くと言って良いほど無く、何処に連絡をしても相手にされなくて5年間世に出ず仕舞い、承認を得られないままCDをリリースしようにも、ディストリビューター(音楽問屋)が怖がって取り扱ってくれないので、泣く泣く2003年にアナログのみでリリース、それが出来たのは、アナログのディストリビューターには業界特有の自由な体質があったので商品を卸す事が出来る事が解ったからです。それから三年後の2006年1月にジャスラック経由でスタジオジブリから著作権使用料を支払い要請が僕のホームページにメールで連絡が入り、実は8年前から僕は承諾が欲しくて何度も連絡をしていた事を伝えると僕と話したスタジオジブリの方がサンプリングに対して理解がある方だった事もあり、スムーズに話が進み、承諾を得ることが出来、アルバムタイトル曲に。

ASKING WHY  EXTENDED ALBUM MIX
映画『紅の豚』のサウンドトラックの最後を飾る、加藤登紀子さんの”時には昔の話を”がサンプリングソース、自分が創った曲の中で一番気に入ってるし、本当に良い曲は何度でも生まれ変わる事が出来る事を証明出来たと自負しています。是非、皆さんには原曲と聞き比べ原曲の良さと、本作品に携わったスタッフの仕事量を耳で測って戴きたいです。

(CDライナーノーツより)

 

 

MEMORY OF THE FUTURE DJ NOZAWA

01. Memory Of The Future feat. Shing02 Album Mix
02. To Breathe
03. 靉 Ai
04. Like It
05. 楸 Autumn Oak
06. Children Of Light
07. Asking Why Extended Album Mix
08. 碧 Ao
09. Asking Why Extended JazzGuitar Club Mix
10. Royal Milk Slow Stream
11. Piapercus

 

Disc. 久石譲 & 新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ 『W.D.O.』

久石譲 『W.D.O.』 DVD

2006年12月20日 DVD発売 UPBI-1014

 

久石譲&新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ、ついに初映像作品発売!

2004年にリリースした1枚目のアルバム「ワールド・ドリームス」を受けて行われた”ハードボイルド”をコンセプトにした全国ツアー、2005年12月にリリースした2枚目のアルバム「パリのアメリカ人」を受けて30名の女性コーラス「リトルキャロル」を従えたツアー「12月の恋人たち」、そして今夏「真夏の夜の悪夢」と題して100人を超える合唱団を迎えて一夜限り行われた”背筋が凍るような熱い特別な夜”の3つの異なるコンサートを収録。珠玉の名演が1枚のDVDにコンパイルされた、これ以上ないほどの大満足の内容!

 

 

World Dreams
これは、ワールド・ドリーム・オーケストラのテーマ曲。このオーケストラのアイデンティティを象徴する曲といってもいい。もともと祝典序曲のような曲を創ろうと思っていた。シンプルで朗々と唄う、メロディを主体とした曲。メジャーで、ある種、国歌のような格調あるメロディで、あまり感情に訴えるものではないもの。ストーンと潔い曲を書きたかった。

以前、『Asian Dream Song』という曲を書いた。今回は『World Dreams』だ。じゃあ、アジアの夢が世界の夢になったのかというと、そんなことはない。情報技術の飛躍的な進歩によって、世界はどんどん小さくなって、地域になってきている。同時に世界全体のシステムというものが壊れ始めている。しかし、これが世界の夢だったのか? 世界中の人々の夢は何だったのか? こんな世界を人々は望んではいなかったはずだ。音楽家としてできることは何なのか。僕は憑かれたように作曲した。

この曲が、聴く人のささくれ立った感情を少しでも和らげ、そして「まあ、いいか、明日もまた頑張ろう」と思ってくれたら…。そんな気持ちを代表しているようなのがこの曲だ。

曲ができて、3管編成のフルオーケストラのスコアにまとめるまで1週間ほど。それはちょっと「自分は何かに書かされているんじゃないか」と思うくらいの速さだった。

 

天空の城ラピュタ
これは、ティム・モリソンさんが吹くことを想定して、彼のためにアレンジした。これまで何度もやってきた曲だけれども、ティムさんという演奏家を得て、新日本フィルと共に演奏するというところで、改めてアレンジした。今までの印象とは違う曲になっている。ティムさんは本当に音楽性豊かな演奏家。大いに期待してほしい。

 

Iron Side
テレビで部分的に使われることが多くて、そういうイメージが強いが、とてもいい曲だ。「鬼警部アイアンサイド」のテーマで、創ったのはクインシー・ジョーンズ。僕はクインシー・ジョーンズが好きでよく聴いてるけど、いつも羨ましいと思うのは、彼がソウル・ミュージックやブルースといったブラック・コンテンポラリーの原点をちゃんと持っていて、いつでもそこに帰ることができるということ。そんな彼の曲の中でも、これはとても洗練された楽曲。いろんなものが凝縮している曲だ。

 

風のささやき
映画「華麗なる賭け」のテーマ。これを選んだのは、映画よりもミシェル・ルグランの作品だから。彼にはクラシックの要素があり、ジャズにも精通していて、楽曲がとても機能的にできている。それでいて、変に情緒に流れない。有名な2小節のフレーズがほとんど変わらずにずっと続くこの曲は、フランス人である彼のハリウッド・デビューの曲だ。全世界を相手にしようって時に、彼は敢えて、このような機能的で情緒に流れない曲を持ってきた。これは大チャレンジだと思う。しかも、「このコード進行しかありえない」って時に、メロディは違うところにいって、不協和音になってしまう。この曲については、アレンジは10通りくらい書いたと思う。一番苦労した曲だ。木管と弦だけという非常にシンプルな形態をとったが、決して楽ではないこの曲で、CDでもオーケストラが素晴らしい演奏をしている。

 

Raging Men
HANA-BI
北野武監督の映画「BROTHER」の中で使った曲。エネルギーの塊みたいな曲なので、オーケストラのパーカッションとブラスの激しさを聴いてもらいたい。『HANA-BI』は、マイ・フェイバリット・ソングのひとつ。今回はヴァイオリンをフィーチャーしている。これまでとは違った魅力を感じてほしい。

 

ロミオとジュリエット (プロコフィエフ)
この曲は、ひとつひとつ挙げられないほど、多くの映画に使われている。複雑なテクスチュアというよりも、素朴な、強いメロディの楽曲。

 

Blog. 「World Dream Orchestra 2004」 コンサート・パンフレットより

 

 

本作品には、久石譲インタビューもおりこまれている。インタビュー内容は各公演コンサート・プログラムや雑誌インタビューなどで活字化されているものとほぼ同内容である。

 

 

久石譲 『W.D.O.』 DVD

2004 | World Dreams ~ハード・ボイルド・オーケストラ
1.World Dreams 2004 / 久石譲
2.風の谷のナウシカ (風の伝説) / 久石譲
3.天空の城ラピュタ / 久石譲
4.アイアンサイド TVシリーズ『鬼警部アイアンサイド』より / クインシー・ジョーンズ
5.Raging Men 映画『BROTHER』より / 久石譲
6.HANA-BI 映画『HANA-BI』より / 久石譲
7.風のささやき 映画『華麗なる賭け』より / アラン・バーグマン, マリリン・バーグマン & ミシェル・ルグラン
8.ロミオとジュリエット / セルゲイ・セルギーヴィッチ・プロコフィエフ

2005 | 12月の恋人たち
9.男と女 / ピエール・バロウ & フランシス・レイ
10.白い恋人たち / ピエール・バロウ & フランシス・レイ
11.キャロル・オブ・ザ・ベルズ / ミクロ・レオントヴィッチ
12.ロシュフォールの恋人たち / ミシェル・ルグラン, ジャック・デミ & レイモンド・ルイス
13.ボレロ / M.ラヴェル

2006 | 真夏の夜の悪夢
14.カルミナ・ブラーナ「おお、運命の女神よ」 / カール・オルフ
15.ジ・オーケストラ・チューブラー・ベルズ パート1 映画『エクソシスト』より / マイク・オールドフィールド
16.映画『殺しのドレス』より テーマ曲 / ピノ・ドナジオ
17.レクイエム「怒りの日」 / ジュゼッペ・ヴェルディ
18.「もののけ姫」組曲 / 久石譲
19.カルミナ・ブラーナ「アヴェ、この上なく姿美しい女」〜カルミナ・ブラーナ「おお、運命の女神よ」 / カール・オルフ
20.World Dreams 2006 / 久石譲

All Produced & Conducted by JOE HISAISHI

Orchestra:JOE HISAISHI & NEW JAPAN PHILHARMONIC WORLD DREAM ORCHESTRA

2004 World Dreams ~ハード・ボイルド・オーケストラ 〈2004.7.27 Sumida Triphony Hall〉
2005 12月の恋人たち 〈2005.12.5 Yokohama Minato Mirai Hall〉
2006 真夏の夜の悪夢 ~Psycho Horror Night 〈2006.8.13 Sumida Triphony Hall〉

Iron Side:Arranged by Kosuke Yamashita
The Windmills of Your Mind:Arranged by Joe Hisaishi
Un Homme et Une Femme:Arranged by Joe Hisaishi
Treize Jours En France:Arranged by Joe Hisaishi
Carol of The Bells:Arranged by Yasuo Minami
Les Demoiselles De Rochefort:Arranged by Kosuke Yamashita
The Orchestra Tubular Bells Part 1 “The Exorcist”:Arranged by Kosuke Yamashita
“Dressed to Kill” Main Theme:Arranged by Chieko Matsunami
“PRINCESS MONONOKE” Suite:Scoring by Kenji Ashimoto

Recording & Mixing Engineer
2004: Satoshi Inoue (VIVIA) Mixed at TV-Asahi Surround Audio Edit ROOM

2005: 5.1ch Mixed by Suminobu Hamada (Wonder Station) at Wonder Station
Music Sheet Preparation: Kouchi Baba (Wonder City Inc.), Kenji Ashimoto, Chieko Matsunami

2006: Tomoyoshi Ezaki, Takeshi Muramatsu (Octavia Records Inc.) Mixed at EXTON Studio, Yokohama