Info. 2009/02/24 ポニョっと生まれた旋律 久石譲 ソロ・アルバム (産経ニュースより)

宮崎駿監督のアニメ映画「崖の上のポニョ」のテーマソングなどで知られる作曲家、久石譲がソロ・アルバム「アナザー・ピアノ・ストーリーズ~ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド~」を発売した。自身が手掛けたCM曲や映画のテーマ曲をリアレンジした同シリーズ。最新作は、12人のチェロ奏者によるアンサンブルという編成で「シンプルかつダイナミックなサウンドをめざした」と語る。新作にあわせて「ポニョ」の秘話を聞いた。(岡田敏一)

最新作は国民的ヒットソングになった“ポニョ”のテーマや婦人服のCMテーマ曲「ウーマン」、映画「私は貝になりたい」のメーンテーマなど、誰もがどこかで耳にしたメロディーが収められている。

とりわけ2001年の米中枢同時テロ以降、世界に広がる不安と混沌(こんとん)を4楽章でなる壮大で劇的な組曲で表現した「ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド」は最大の聞きどころ。今回“アナザー”と名付けた理由もこの大作の導入によるところが大きい。

「冒頭の『ウーマン』から最後の『ジ・エンド-』までの流れを、全く異なる世界観の楽曲をうまく並べることで統一させました」と満足げ。「『ジ・エンド-』の第3楽章『ビヨンド・ザ・ワールド』は演奏技術的にもギリギリで不協和音も混じっていますが、うまくいきました。とはいえリズムは14拍子と11拍子が混在する難曲。ちゃんと演奏できるのかという心配はありましたね(笑)」。

ところで、一度聞いたら耳から離れない“ポニョ”のあのメロディーの誕生秘話を-。

「実は宮崎監督とスタジオジブリの鈴木敏夫代表取締役との3人で最初の打ち合わせをした2年前の11月。監督の説明を聞いていたらあのメロディーが浮かび、企画書の裏に楽譜を走り書きしました」

そんなに簡単に?

「そもそもポニョという言葉の勝利です。アクセントは“ポ”にあって“ニョ”で下がるからまず音程が下がる。下がった分だけ音程は上がる。僕は同じ言葉を3回繰り返すのが好きなので最初の2小節ができました」

曲のアイデアがよく浮かぶのは、お風呂やトイレ、ベッドの中という。

「ナチュラルな状態で良いアイデアが浮かぶんです。打ち合わせの帰りの車の中で台本の裏に走り書きしたりして(笑)」

(Web産経ニュース より)

 

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