Disc. 宮城純子 『DIGITAL TRIP シンセサイザー・ファンタジー 風の谷のナウシカ』

1984年6月21日 LP発売 CX-7160
1984年6月21日 CT発売 CAY-675
1993年9月21日 CD発売 COCC-11062

 

本作はアニメーションクリエーター・宮崎駿の名前を日本中にとどろかせたあまりに有名な作品である。本盤はその音楽をシンセサイザーで新たにアレンジしたもの。映画では使用されなかった宮城純子によるオリジナルの楽曲も収録されている。

 

 

曲目解説

風の伝説
映画のオープニングで使用された曲のアレンジです。原曲の雰囲気を尊重しつつ見事に受け継いでいます。自然と人間の関わり合いを描く「風の谷のナウシカ」の壮大な物語にふさわしく、重厚な語り口で私達を圧倒してくれます。しかし表面的な激しさではなく、例えば絵巻物でもながめながら老婆の呟くお話にじっと耳を傾けているような、そんな気持で聞ける曲になっています。重く、ゆっくりと繰り返される音色は、私達の生活、あるいは全ての生命の営みさえつつみ込んで静かに流れる時の流れの様に、よどみなく移ろってゆきます。

風の谷のナウシカ
原曲は松本隆氏が作詩、細野晴臣氏が作曲を手掛けた、映画のシンボルテーマソングです。話題を呼んだナウシカイメージガールの安田成美さんが歌って大ヒット、多くの人々に親しまれました。この曲のアレンジ物としては、久石譲氏によるシンフォニー編が有りますが、デジタル・トリップ版では前2曲とは違う新たな魅力を発見出来るに違いありません。すでにおなじみのメロディに落ち着きのある神秘的なアレンジがほどこされ、ひとり心静かに聞き入る事が出来るでしょう。ささらく様な主旋律にそっと耳を澄ませて下さい。

戦闘
冷たく、しかも正確に繰り返されるシンセサイザーのドラムマーチは、弾ける様に、跳ねる様に刻まれてゆきます。翻る軍旗、整然と足並をそろえて迫り来る装甲兵の群れ。ごつい鎧兜が不気味に輝きながら砂塵の中でひしめき合う。哀しい叫びとともにあちこちから火の手が上がり、後に残るはひたすらの焼野が原。風の空しく吹き抜けるばかり。力強いシンプルなリズムが、一歩一歩確実に食いつぶしてゆく圧倒的な「力の波」を想わせます。

飛翔 ~シリウスルに向かって~
従来フュージョンの世界で活躍して来られた宮城さんが、「ナウシカ」の世界から得たイメージのひとこまを、最も自分の身近に引き寄せた所で曲作りをされた。思わず体がリズムをとってしまう事受け合いのサウンドで、このアルバムの中では最もスピード感に溢れた曲に仕上がっています。激しさと軽快さに満ちた演奏の中に、生き生きとキーボードを操る宮城さんの指先が見える様です。

ナウシカのテーマ
男よりも男らしく、女よりも女らしく。軽やかに空を舞い、虫にさえ心を通わせる優しさを持ち、時に雄々しく力強く…。本編の主人公ナウシカのイメージを言葉にするのは大変です。どれひとつ欠けても言い足りなくなってしまう。そんな彼女のイメージを、明るく美しいメロディが伝えてくれます。映画の中でも様々なアレンジで使用されていました。このアルバムでは、シンセサイザーならではの音色を弾かせて、流れる様なすっきりした曲になっています。

破壊
この曲も宮城さんのオリジナルの世界です。しかし、この曲における音の扱いは、「飛翔」に見られた激しさとは異質の荒々しさが感じられます。いわば、音を”音そのもの”のまま、たたきつけて来るような恐さでしょうか。巨大なハンマーでも振りおろすかと思われる炸裂音はズバリ破壊の音に他なりません。冒頭から最後まで続く同一のリズムに乗って、高音部では不安感の高まるメロディがひたすら繰り返され、低音からは奇妙な唸り声がはい上がって来る。起伏のない旋律を聞くうちに、言い知れない危機感にとらわれている事に気付くでしょう。映画「風の谷のナウシカ」の中では、「火の七日間」を初めとして、破壊を想起させるエピソードがいくつか有りますが、それらを全て包括してストレートに表現されています。

谷への道
何処から来たのか旅人がひとり。海からの風を受けて回る、幾つもの風車を横目に谷へ続くなだらかな坂道を歩いている。心地良い午後の日ざしの中をゆっくりと、ゆっくりと。畑仕事の帰り道だろうか、向こうから手かごを下げた奥さん達が近付いて来た。親し気に話しかけられてとまどった一瞬、彼は何やら自分が昔からここにいたみたいな錯覚にとらわれていた……。「風の谷」-旅人が、いつの間にか忘れていた安らぎと、活気に満ちた日常生活がここに在る。自然と共に生きる人々の力強さがみなぎっている。「谷への道」この曲は淡々とした語り口で私達を故郷への道に案内してくれる。この喜びを感じる事が出来た今、僕等も風の谷の住人になれた様だ。

鳥の人
「生きている伝説の人ナウシカ」。そんな彼女のイメージが、ノスタルジックなメロディに乗って心地良く伝わって来ます。シンセサイザー(機械!)がこれ程情感あるれた音色を聞かせてくれるなんて。この曲中でナウシカは、ガンシップに乗ってつむじ風の様に飛ぶ人ではありません。むしろはるかな大空を、それこそ鳥が弧を描く様にゆったりと静かに舞っている…。そんな彼女を見て人々はなぜか言い知れぬ安堵感を覚えたりして。そんな情景が目に浮かぶ様です。曲の後半、映画本編では愛らしい少女の歌声で印象的だったメロディが、大幅に装いを変えたアレンジで演奏されています。それは愛らしさよりも、むしろおちついた、つつみ込む様な優しさを強く感じさせるものです。やがて多くの子供達の母親となって行くであろうナウシカの、少女というより女性、あるいは母性のイメージでしょうか。

菊池勝雄

(曲目解説 ~CDライナーノーツより)

 

 

(LPジャケット)

 

 

DIGITAL TRIP 風の谷のナウシカ

1. 風の伝説
2. 風の谷のナウシカ
3. 戦闘
4. 飛翔 ~シリウスルに向かって~
5. ナウシカのテーマ
6. 破壊
7. 谷への道
8. 鳥の人

作曲:久石譲 (1,3,5,7,8) 細野晴臣 (2) 宮城純子 (4,6)
編曲:宮城純子

シンセサイザー:宮城純子

 

Disc. 久石譲 『風の谷のナウシカ ドラマ編 風の神さま』

1984年4月25日 LP発売 ANL-1901~2
1984年4月25日 CT発売 38AN-1
1989年2月25日 CD発売 24ATC-176~7
1993年7月21日 CD発売 TKCA-70135

 

1984年公開 スタジオジブリ作品 映画「風の谷のナウシカ」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

本作品は映画本編を映像なしの音声のみで聴く作品である。BGMはもちろんセリフや効果音などもそのまま収録されている。

 

 

不幸な時代でもナウシカは存在します 宮崎駿監督・談

この作品の音響監督を斯波重治さんにひき受けてもらって、よかったと思ってます。声優さんと話す時に、あれだけ言葉を持って意味を語る人はいないですよ。音響効果の人たちも遠距離マラソン・ダビングをよくやってくれました(笑)。また、久石譲さんが先行してイメージレコードを製作してくれたので、音楽を考えるのに非常に助かりました。

ナウシカって少女は変な子なんです。蟲と人間を区別しないんですよ。もうちょっとで蟲の世界へ行ってしまいそうで、だけどギリギリのところで人間世界にとどまっている人物です。髪の毛が赤いのは-クラリスや小山田マキの血統だと言われるんだけど(笑)。-黒はラナでやっちゃってるから。金髪なんかだと人種が確定されちゃうでしょ。赤なら日本人にもいるしね。ホントは肌の色も、もっと濃くしようという意見もあったけれど、これはやめました。

城の斬り合いでも人を殺してしまうんですよね。でも、幸いなことに、うれしそうな顔をしていないでしょ。でも、杖は使っても刀では斬ってないんです。刀は持たせたくなかった。ナウシカは刀を手にしたけど、ユパが割って入らなくとも、刀を使うことはなかったでしょう。そういう人だと思います。

……これは、むずかしい作品でした!(嘆息)

彼女は最終的には、世俗の幸福は得られない人です。たとえば、自分が死ぬ時に、気に入っている娘に、自分の愛する男の子どもを生んでくれと平気で頼んじゃうような、嫉妬とかいう感情が最終的には無くなってしまうタイプじゃないかと思う。

現実にナウシカのような少女がいたら、たしかに集団から疎外され迫害されるでしょう。だからと言って、なぜ、フィクションの世界のこういうキャラクターまで、みんなは躍起になって否定しようとするんでしょうね。こういう人間、みんなキライですか?

昔の物語の主人公は単純明快でした。でもそれを見ていた人々が単純明快だったわけではないですよ。やっかみやら、コンプレックスやら、イジイジしているのやら、色んな人間がいて、そうじゃない主人公を見て、こういう風にやれたらなあ、とか思ってたわけでしょ。

そんな冒険物語を読んでね、人をいじめてばっかりいたような奴が、いじめんのやめたかっていうと、それは嘘ですよ。それとは全然、別なことなんですよ。人間ってのは実に不思議なもんで、自分は悪役のほうに似てるとは思わないんだから(笑)。

いまは、そういう意味では、不幸な時代なんだと思います。時代のせいにはしたくないんですけど、自分の身のまわりにいるイヤな奴とかそんなのを登場させて、作品を作ってもしょうがないですよ。最後に必要なのは人生を肯定していく活力です。だから、僕の作品の主人公みたいな人間はいないと言われると、すごく腹が立ちますね(笑)。

構成 by 鳴海丈 59年3月12日

(CDライナーノーツより)

 

 

サウンド(秘)情報

★最初の腐海のシーンで、「王蟲の~」というナウシカのセリフが2回つづくが、アフレコに立ち会っていた宮崎監督は、これを聞いて、「これが本当のオーム返しだな」

★アテレコは2月下旬に赤坂の新坂スタジオで、中1日休んで、4日間にわたって行われた。総勢26名の声優さんが出演しているが、4日間通してスタジオに通ったのは、ナウシカ役の島本須美さんだけである。

★登場人物が防瘴マスクをつけているシーンでは、実際にマスクをつけてアテレコが行われた。これは1個13円の紙コップに50本100円の輪ゴムをつけたもの。底の部分に星形の切れこみがいれてあり、声が響きすぎないように中にガーゼが張ってある。これをつけた島本さんは、さかんに「まるでブタみたい!恥ずかしいっ!!」

★音響監督は「科学忍者隊ガッチャマン」「未来少年コナン」「うる星やつら」などのベテラン、斯波重治さん。俳優の経験がる斯波さんは、「うる星~」では時々、ガヤのシーンなどで声を入れているそうだ。なお、「ナウシカ」と同時上映の「名探偵ホームズ」も斯波さんが録音を担当している。

★風の谷の少年役で出演している鮎原久子ちゃんは、「ラジオアニメック」のレギュラー。自分の出番を待っている時に、出演者に挨拶をしてから「番組を聞いてくださいね」としっかり宣伝をしていった。

★宮崎監督と高畑勲プロデューサーは、4日間、アテレコに立ち会った。いつものクセで宮崎監督は、終始、椅子の上にアグラをかいたままだった。

★「ナウシカ」にはヒゲのある人物が多く登場し、口の動きが見えないので、アテレコがむずかしい。ユパ役のベテラン納谷悟朗さん、大型船墜落のシーンでセリフが合わず、「あの最後の口がパカッと開くのがおかしい」それは木の葉です、と教えられて、「口に見えたんだよ…あっ!そうか!ヒゲで最初から口は見えないんだ!!(笑)」ナウシカの父、族長ジル役の辻村真人さんは、城おじのニガもアテしている。また、トエトと少女C役の吉田理保子さんは、宇宙船に避難する村人の中の老婆もアテた。

★少女時代のナウシカの演技を宮崎監督は絶賛している。父親を殺されて逆上、立ち回りになった時の気合もすごいが、斯波さんは島本さんに「獣になってください」と指導したそうだ。

★宮崎監督は好きなマンガ映画のひとつにソ連の「雪の女王」をあげているが、これを公民館で1回しか観ていないという。「映画を2回観ると、自分のイメージがふくらみすぎていて、なんか、ガッカリすることがあるでしょ?でもね、自分の心の中でふくらんだイメージというのは、明らかに最初に見た時の感動にもとづているわけ。だから、僕はそのイメージを大切にして、何度も同じ映画を観たりしません」そのかわり、公民館で録音してきたテープは飽きるほど聞いたそうだ。「ナウシカ」を劇場で1回しか観なかった人も、このCDは何回も聞いてください。

END

(CDライナーノーツより)

 

 

《LP盤初回特典》
・島本須美ポートレイト
・B2ポスター
・AR台本
・4頁カラーグラフ

風の谷のナウシカ ドラマ編 LP

(LPジャケット)

 

風の谷のナウシカ ドラマ編

DISC 1
・風使いの娘
・風の谷

DISC 2
・風と人々
・風の神さま

 

Disc. ジャッキー・チェン 『成龍拳 オリジナル・サウンドトラック』

1984年4月21日 LP発売 AF-7276
1984年4月21日 CT発売 CAR-1283
1997年10月21日 CD発売

 

1977年の香港映画「成龍拳」。日本では1984年に公開されているジャッキー・チェン主演映画。日本での劇場公開時には日本独自の主題歌 北原深の「成龍拳」がオリジナル編集のOPと劇中に挿入された。当時、日本オリジナルサウンドトラックが日本コロムビアより発売された。

主題歌を含む歌もの2曲に加え、インストゥルメンタルにセリフ入りの映画の1シーンを乗せたドラマ仕立ての曲を収録しており、当時まだ無名だった久石譲や甲斐正人などが音楽を手掛けている。1997年10月21日に復刻盤としてCD発売されたが現在は廃盤。

久石譲がBGM音楽を担当しているのは、2.ドラマ「花蜂党の復讐」~BGM:SAD DREAMS(作曲・編曲:久石譲)~BGM:THE GHOST(作曲・編曲:久石譲)~BGM:FIGHT OF JUSTICE(作曲:甲斐正人)~成龍拳(作曲:小田裕一郎)~FIGHT OF JUSTICE(作曲:甲斐正人) の楽曲内である。

 

 

補足

映画は1970年代後半に香港公開されている。オリジナル版では既成曲を多数拝借しており、日本公開に際して権利の問題が生じるため、日本公開版用に音楽を新たに制作しているという時代的経緯がある。下記日本公開日を念頭に、1980年代前半にかけて手がけた久石譲の仕事である。

映画「スネーキー・モンキー蛇拳」 日本公開日 1979年12月1日
映画「蛇鶴八拳」 日本公開日 1983年2月19日
映画「キャノンボール2」 日本公開日 1983年12月17日
映画「ドラゴン特攻隊」 日本公開日 1983年12月17日
映画「プロジェクトA」 日本公開日 1984年2月25日
映画「成龍拳」 日本公開日 1984年5月12日

 

 

 

 

東映映画《成龍拳》オリジナル・サウンドトラック

成龍10年遂に出る!鮮烈華麗の大拳劇!!
■カラー名場面満載■セリフ対訳付

ジャッキー・チェン 成龍拳 オリジナル・サウンドトラック

SIDE 1
1.成龍拳 歌/北原深
作詞:Jim Steele 作曲:小田裕一郎
2.ドラマ《花蜂党の復讐》
BGM) SAD DREAMS *
作曲:久石譲 編曲:久石譲
BGM) THE GHOST *
作曲:久石譲 編曲:久石譲
BGM) FIGHT OF JUSTICE *
作曲:甲斐正人
成龍拳 *
作曲:小田裕一郎
FIGHT OF JUSTICE *
作曲:甲斐正人
3.ドラマ《何処か遠くへ…》
BGM) I NEVER SAID IT’S FOREVER *
作曲:甲斐正人
4.ドラマ《竜四(ルン・スー)の告白》
BGM) 成龍拳 *
作曲:小田裕一郎
BGM) 成龍拳 *
作曲:小田裕一郎
5.I NEVER SAID IT’S FOREVER 歌/北原深
作詞:Gregory Starr 作曲:甲斐正人

SIDE 2
1.ドラマ《血雨党の逆襲》
BGM) FIGHT OF JUSTICE *
作曲:甲斐正人
2.ドラマ《小雷の危機》
BGM) I NEVER SAID IT’S FOREVER *
作曲:甲斐正人
BGM) 成龍拳 *
作曲:小田裕一郎
3.ドラマ《金川(チン・チュアン)の正体~竜四の死》
BGM) FIGHT OF JUSTICE *
作曲:甲斐正人
4.ドラマ《千々(チェン・チェン)を求めて~苦業の日々》
BGM) I NEVER SAID IT’S FOREVER *
作曲:甲斐正人
BGM) FIGHT OF JUSTICE *
作曲:甲斐正人
成龍拳 *
作曲:小田裕一郎
FIGHT OF JUSTICE
作曲:甲斐正人
10.ドラマ《激闘!成龍拳》
BGM) 成龍拳 *
作曲:小田裕一郎
成龍拳 歌/北原深
作曲:小田裕一郎

編曲:甲斐正人(SAD DREAMS, THE GHOST除く)
* インストゥルメンタル

先着30,000名
透明レコード + ジャッキー・チェン 特製カラーレーベル使用

 

Disc. 久石譲 『シンデレラ迷宮 イメージアルバム』

1984年3月 LP発売 CX-7155
1984年3月 CT発売 CAY-670

 

原作:氷室冴子 音楽:久石譲
ジャケットイラスト:藤田和子

 

氷室ファン待望のイメージアルバム

ミント・エージのシンデレラたちに贈る氷室ファンタジーのオリジナルサウンドトラック!

 

 

録音を終えて 久石譲・談

Q.原作を読んで、どんな印象をうけました?

Joe:
すごく変った物語だと思いましたね。ああいう設定ってあまりないでしょう。だから自分の持っている音楽性の中でどの方向からアプローチしようかと考えた時には、現実じゃない、という所から絞っていきましたね。非現実的なものをシンプルにやる、そしてそれをこの小説の読者である若い女の子たちの感性に最もフィットするようにやるにはどうしたらいいかと考えました。

Q.非現実的なものを表現する上で、具体的にはどういう方法をとったのですか?

Joe:
これは夢の中の物語で、見方によっては非常にビョーキしてる世界だよね。だから、ミニマル・ミュージックという、小さなパターンを繰り返して作っていく手法を使って、一種不訶思議な時間感覚を創り出そうと思ったわけです。もうひとつのポイントは、全体にオルガン・サウンドを中心にしたことかな。

Q.原作には、白鳥の湖とか白雪姫とかのパロディがいっぱいでてきますが、そのあたりはどのように考えたのですか?

Joe:
白雪姫、白鳥の湖、オーロラ姫、ジェイン・エア、そういったテーマが全部有名だったら、それをうまくパロディにして全く違った風に作っていく方法もあったかもしれません。実は《緋と黒の舞姫》では白鳥の湖のモチーフをちょっと出してるんだけど、全部のメロディをキチンと使えるんでなければ、パロディにする意味が無いですからね。それに個々のキャラクターを音楽的に表現する段になると、この小説はそれぞれの人物が実はこんなに暗かった、実はこんなに悲惨だったっていう話だから、単純なパロディでは描ききれなかったですね。

Q.登場人物の中で特に好きなキャラクターは?

Joe:
好きというか、やりやすかったのは、《待ち続ける女》のジェイン・エアでした。ヨーロピアン、それも戦前のドイツの暗い酒場、みたいなイメージが最初からあって、デカダンス、のような感じでやってみようということで一番最初にメロディが出来上りました。

Q.全曲を録音し終って、一番印象に残っているのはどの曲ですか?

Joe:
勿論みんな気に入っているけれど、《シーラカンスの夢》は中でも一番満足していますね。あの曲ではテープ・ループという方法を使いました。アーと歌った声をテープに録音し、それをぐるっと回して秒数の異なる何本かのエンドレス・テープを作り、それを重ねあわせると非常に微妙な色合いがでる、という手法なんですけどね。

Q.アルバムが完成しての感想をひとつ。

Joe:
かなり常識からはずれたような音作りをした気がする、あまり意図はしなかったんだけれど。例えば、1コーラスがあって2コーラスがある、すると普通はその間に間奏という部分があって間奏のメロディがあるんだけど、このアルバムではあまりそういうことはしていない。ごく自然にやったことが、世間で言う、ビョーキしてますね、という音に近かった、しかしそれも決して暗くならなかったのが救いなんじゃないか、と本人は自負しているわけです。

(LPライナーノーツより)

 

 

楽曲解説

SIDE 1

シンデレラ迷宮
《シンデレラ迷宮》のテーマ曲。印象的なイントロと共に、このイメージ・アルバムの幕が上る。コンピューターを使ったシンプルなデジタル・リズムの上に、美しいメロディが静かに奏でられてゆく。クラシカルな音楽を”いま”の感覚で捉えなおした佳曲といえよう。この物語全体に漂う一種不訶思議なファンタジーを強く感じさせてくれる。

リネの夢
この物語そのものであるところの《リネの夢》のテーマ。現代音楽の手法であり、クラフトワーク、YMO等、近年のテクノ・ポップ・グループに大きな影響を与えた〈ミニマル・ミュージック〉(パターン・ミュージック)-最小単位の音のパターンを繰り返す音楽手法-を使い、”夢”の不思議な時間感覚を捉えている。この手法はアルバム全体を通して、非現実を象徴する音型として、何ヶ所かで使われている。

王妃の孤独
白雪姫の継母たる王妃のテーマ。バロック音楽の大聖堂のオルガンを思わせる重厚な響きに、単音のピアノが重なっていく。王妃の高貴さ、その運命のかなしさを淡淡と綴る。

緋と黒の舞姫
《リネの夢》の音型を使ったイントロの中から突然強烈なリズムが踊り出る。〈蒼ざめた湖〉のほとりに住む緋と黒の舞姫オディールのテーマ。途中、ストリングスの音色で、どこかエキゾチックな妖しいオブリガートがメロディに絡み合う。オディールは、舞姫というより、緋と黒のディスコ・クィーン、くらいの強烈なイメージで捉えられている。藤田和子氏描くところのオディールのイラストも、可愛く、かなしみに満ちたディスコ・クィーンというった方がイメージに合っているのではないだろうか。(中間部で二度出てくる白鳥の湖のパロディ、分かりますか?)

シーラカンスの夢
舞台一転、オディールの部屋。深い湖の底-テープ・ループを利用した人声の、不気味な、そして何処か荘厳な響き、そしてオルガンの静かな響きの上に、ダルシマがメロディを奏でる。婚礼の祝宴のシーンに出てくる箱琴のイメージを、このダルシマの音色にダブらせて聞くのも面白いだろう。オディール編のこの二曲、緋と黒の舞姫の妖しい情熱と、深い悲しみの眠りを見事に描き分けている。

SIDE 2

シンデレラ・シンドローム
カルメン、ジュリエット、輝子-皆、自分を絶望の淵から救ってくれる王子が現われるのを、ただ身をすくませて待っているだけのシンデレラ症候群(シンドローム)患者だ。ここでは個々の人物のイメージは追わず、不気味さ、ビョーキっぽさを前面に出し、〈ハーレム・ディスコ〉とでも言った印象の曲になっている。

オーロラ姫の嘆き
暁の国の姫君ゼランディーヌのテーマ。作曲者久石譲のイメージの中では、このオーロラ姫のセクションが最もビョーキっぽい感じがあったようだ。変拍子のミニマル・ミュージックによるベーシックな音作りの上に、高音の美しいメロディがゆるやかに絡み合い、その一種の不均衡さが、オーロラ姫の精神のアンバランスを暗示するかのようだ。

待ち続ける女
決して来ることのない自分自身を永遠に待ち続ける狂気の女、ジェイン。世紀末、頽廃、デカダンスをキーワードにして、けだるいスキャット・ボーカルと何処かヨーロッパ風のアコーディオンが、ジェインの憂愁を映し出す。

ソーンフィールド館の炎上
ジェインのつけた火によって、ソーンフィールド館は次第に炎に包まれてゆく。激しいデジタル・リズムの上に、オルガンのアドリブが繰り広げられる。途中、前曲のジェインのモチーフがはさまり、女性の叫び声とともに、吸いこまれるようにして曲は幕を閉じる。

シンデレラ迷宮 (クロージング)
物語は大団円をむかえ、真暗になった画面にゆっくりとクレジット・タイトルがせり上ってゆく。《シンデレラ迷宮》のメロディが静かに流れ出す。ピアノとストリングスの音色が、やわらかくクロージング・テーマを歌い出す……

(楽曲解説 ~LPライナーノーツより)

 

 

LPライナーノーツにはその他に下記も掲載されている。

・シンデレラ迷宮のことなど 氷室冴子
・氷室さんのこと 藤田和子
・小説と音楽と 石原秋彦 (集英社コバルトシリーズ編集長)

 

シンデレラ迷宮 久石譲 sc 6

シンデレラ迷宮 久石譲 sc 3

シンデレラ迷宮 久石譲 sc 7

シンデレラ迷宮 久石譲 sc 4

 

 

シンデレラ迷宮 久石譲 sc

Side 1
1.シンデレラ迷宮
2.リネの夢
3.王妃の孤独
4.緋と黒の舞姫
5.シーラカンスの夢

Side 2
1.シンデレラ・シンドローム
2.オーロラ姫の嘆き
3.待ち続ける女
4.ソーンフィールド館の炎上
5.シンデレラ迷宮 [クロージング]

原作:氷室冴子
作・編曲:久石譲
演奏:Wonder City Orchestra
ジャケットイラストレーション:藤田和子

All Composed & Arranged by Joe Hisaishi
Performed by Wonder City Orchestra

Guest:
Keiji Azami (dulcimer)
Kimie Kanai (scat)
Masumi Sasaki (voice)

Recorded at Columbia Studio & Arcadia Studio , Tokyo  Jan. – Feb. 1984

 

Disc. 久石譲 『風の谷のナウシカ サウントドラック はるかな地へ…』

久石譲 『風の谷のナウシカ サウンドトラック』

1984年3月25日 LP発売 ANL-1020
1984年3月25日 CT発売 25AN-20
1984年6月25日 CD発売 35ATC-3
1993年7月21日 CD発売 TKCA-70133
2004年8月25日 CD発売 TKCA-72717
2018年11月3日 LP発売 TJJA-10009

 

1984年公開 スタジオジブリ作品 映画「風の谷のナウシカ」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

久石譲による、宮崎駿監督作品最初のサウンドトラック盤。イメージアルバム「鳥の人…」、シンフォニー「風の伝説」を基に新たに録音された映画用BGMを収録。収録は1984年2月。「ナウシカ・レクイエム」のヴォーカルは当時4歳の麻衣が担当している。

このアルバムも、CDについてはしばらく経ってから新ジャケットで発売された。 ※下部ジャケット写真はCDデザイン

 

 

美しい自然とナウシカ

美しい自然がまだ残っているから「自然を大切にしよう!」「自然破壊を食いとめよう!」と人々は声を大にして叫んでいる。美しい自然が完全に破壊されてしまったとき、人々は何と叫ぶのか?

映画「風の谷のナウシカ」で宮崎駿が設定した未来の地球の自然-腐海は美しさのかけらも残っていない世界だ。それどころか、有毒の瘴気を発する菌類の広大な森として描かれ、人々が立ち入ることすら許されない。おまけにそこには美しい小鳥のさえずりのかわりに、王蟲とかウシアブという気持ちの悪い巨大な蟲たちを棲まわせている。この蟲たちを、そして腐海を、この時代に生きる人々は、当然のことだが忌み嫌い「自然を大切にしよう!」などとは叫ばない。

だが、野心からこの腐海を焼き払い世界をわがものにしようと企む愚者がこの時代にも登場する。自然を征服し科学文明で繁栄をきわめようという現代人に通じるタイプである。ただ、現代とちがうのは、この時代に於いて腐海を焼き払うことは人類の絶滅を意味していたことである。

-ナウシカは人々の無謀なもくろみに絶望する。彼女だけがそのことに直感で気づいていた。ナウシカは身を躍らせ、メーヴェに飛び乗る。そのとき、奇跡が起こる。そして、人々の忌み嫌う、この腐海という名の自然と調和して生きていかない限り、人類の未来はないことをナウシカは人々に指し示す。もしかしたらその未来は、人類が生き永らえるのは、ほんの短い期間だけなのかもしれないというのに。

人間が生きてゆけるのはほんの少しだけなのか、それとも未来永劫につづくものなのかこの映画は語らない。作者自身、まだその答がわかっていないのだ。やがて再開されるだろう連載のなかで、作者自身、その答をさがすのだろう。

それはともかく、前半がかなりたのしげな映画だっただけに、この映画のラスト、宮崎駿の叫びは悲痛である。

(CDライナーノーツ より)

 

 

NAUSICAÄ STUDIO MEMO

●2月7日、TAMCOスタジオ入り。17日間、全60曲以上にのぼるサントラのレコーディングの始まりだ。映画公開は3月11日だからギリギリのスケジュール。ディレクターの荒川さんの顔もヒキつろうというもの。

●すでに監督の宮崎駿さん、プロデューサーの高畑勲さんとの打ちあわせは終了。基本コンセプトは、前作のイメージアルバム「鳥の人…」でいこうと決定している。このレコードに付属している楽譜をはじめとする、いくつかの主題を、シーンごとに割りふっていく。

●作業はビデオになったラッシュフィルムを観ながら行なわれる。まず曲を入れるシーンの長さをはかり、曲の秒数を決定。これをMC-4というコンピューターに入力すると、秒数にあわせて、「キッコッコッ、カッコッコッ」というリズムガイドが打ち出される。これに合わせて、シーンのイメージを曲にしていくという手順。久石さんの演奏が24チャンネルのマルチレコーダーによって、ひとつずつ重ねられていく。仕上がったところで、ビデオを再生しながら曲のチェック、スタッフどうしで意見を出し、手なおしを加えて完成。

●「たとえ、ラッシュフィルムでも、画面があると、曲作りにすごくプラスになるね」と久石さん。アニメに限らず、現在のサントラの曲づくりでは、画面なしで、シナリオと秒数だけで作曲してしまうケースが多い。ラッシュフィルムのおかげで、メーヴェの飛翔にあわせて曲想を換えていくといった、きめ細かい作業を行うことができた。

●後半の「王蟲との交流」「ナウシカ・レクイエム」に聞かれる女の子の声は、久石さんのお嬢さん、麻衣ちゃん(4歳)。幼年時代のナウシカと王蟲との交流あたたかく表現しようというわけ。電子楽器を中心とした、とかく無機質になりがちなスタジオワークでの曲作りに、ライブな響きが加わった。

●2月15日、C・A・Cスタジオにて、フェアライトCMIを使ってレコーディング。これはコンピューターをフルに活用した万能電子楽器とでもいうべきもの。価格1200万円ナリ。「王蟲との交流」での、コーラスとストリングス系の音がこれ。ウクツシイ!

●2月20日、久石さんの演奏による録音はすべて終了し、にっかつスタジオにてオーケストラ録り。ビデオの画面に合わせて、久石さんから指揮者に細かい指示が送られる。シンフォニー編アルバム「風の伝説」とは、また違った生の迫力をもった曲が仕上がった。

●2月21日から24日まで、一口坂スタジオでミックスダウン。24チャンネルの音を2チャンネルの音に組み上げていく。そして完成!

●久石さんは語る。「ナウシカとは、イメージアルバムから数えると3枚の作品、約8か月間にわたる長いつき合いでした。一つの作品に対して、ここまでじっくり取り組めたことは大変満足しています。しかも、「ナウシカ」という作品のすばらしさ!これは映画を観ていただければ充分に分かっていただけるでしょう。本当に充実した仕事でした」。

(CDライナーノーツ より)

 

 

「音楽のつけ方が普通の映画とは違う場所で入れているんですよね。感情の起伏につけるのではなく、状況的なものにつける。ユパが谷へ降りてくるシーンなんかで突然音楽が盛り上がっているでしょ?ああいうところで目いっぱい音楽を使って、そのかわりセリフの入るところや効果音の生きるところにはなるべくBGMを入れないというポリシーですね。

つまり、音楽をナウシカの目を通して入れているんです。ナウシカの感情につけるのではなく、ナウシカが見て感じるものに入れていったわけで、そうやってアニメの虚構の状況というものを浮き出させようとしたんです。わりと成功したんじゃないかと思いますよ」

Blog. 久石譲 「風の谷のナウシカ」 インタビュー ロマンアルバムより 抜粋)

 

 

「当時、宮崎さんはもう40歳を超えていたんですが、仕事のことをこんなに夢中になって話せるおじさんがいたんだった驚いたのを覚えています(笑)。例えばセル画のことをひとつ取っても、イスに飛び乗って説明したりしているんですよ。ただ、僕は当時、全くアニメについて知識がなかったので、宮崎さんがカリスマ的な存在ということすら知らなかった(笑)。もうその時点で、あの有名な「ルパン三世 カリオストロの城」を作っていたのに……。でも、結果的にはそれが良かったのかもしれないですね。気負わずに済みましたから(笑)」

久石さんの手掛けたイメージ・アルバムを高く評価した宮崎監督は、当時まだ新人だった久石さんを本編のサウンドトラックにも起用、ここから今や切っても切れない関係となった両者のコラボレーションが始まった。

「自分の中で、初めて明確に映画音楽というものを意識したのは「風の谷のナウシカ」だったんです。映画音楽と自分のソロ・アルバムなどとの最も大きな違いは、映画というのはあくまで監督の世界だということだと思います。ですから、音楽を作るときも、自分の思いだけではなく、監督がどういう世界を作りたいのかということがフィルターとして必ず入ってくるのですが、そのフィルターがすごい人であればあるほど刺激を受けて、そこから新しい自分を発見できるんですよ」

ちょうどそのころ、音楽制作の面でも大きな転機が訪れた。サンプラーとの出会いである。

「「ナウシカ」をやってきたときに、知り合いの人が持っていたFAIRLIGHT CMIを初めて使ったんです。「人間の声みたいな音が出るんだ」って聞かされていたんですが、”そんなワケない”って思っていた。ところが、実際に使ったら本当だったので驚きましたね。そして、「ナウシカ・レクイエム」という曲の歌の部分のバッグを全部FAIRLIGHTで作ったんです。その後、これからはきっとこういう機材がメインになると思って、千数百万円を出してFAIRLIGHTを購入しました。清水の舞台から10回くらい飛び降りるような気持ちでしたね(笑)」

Blog. 「キーボードマガジン Keyboard Magazine 1999年8月号」 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

久石譲の初参加

音楽の久石譲は、当初イメージアルバム「鳥の人…」限定の担当であった。当時久石は、テレビシリーズのアニメーション用音楽を量産していた。それらは一様に、軽快なシンセサイザー音楽がメインであった。それは、久石の本業であったミニマル・ミュージックの傍らで取り組んだアルバイト的余技と言ってもよい。

当時、アニメーション化されていない人気漫画を題材としたイメージ音楽や音だけのドラマをアルバムとして発売する企画が流行していた。徳間も「アニメージュ・レコード」を立ち上げ、久石は様々な形で起用された。久石は徳間系列のジャパン・レコードからアルバムをリリースしており、近しい関係にあった。徳間発の人気漫画『アリオン』『バース』『ナウシカ』のイメージアルバムはいずれも久石に打診され、後二作が実現した。83年夏、宮崎は打ち合わせに訪れた久石に作品を熱心に解説し、請われて後日「腐海」「メーヴェ」など15個のキーワードを手渡した。久石の宮崎に対する第一印象は「素朴な手造りの人間性」であった。

「当時、作曲で苦労したことはない」と記す久石は、1カ月半でレコーディングまで終えてしまった。実質的には百数時間、スタジオに籠もって仕上げた。メイン・テーマであるピアノ曲「風の伝説」は、わずか30分で書き上げたという。久石が心がけたのは、シンセサイザーでありながら、「アコースティックで広がりのある音」に仕上げることであった。このため、民族音楽で用いられるダルシマ、ケーナなども使われている。

出来上がったアルバムは、静かなピアノ曲「風の伝説」、少女のハーモニー(当時4歳の久石の娘が歌唱)がかぶる「ナウシカ」のテーマ「はるかな地へ…」「遠い日々」、アップテンポのデジタル曲「メーヴェ」(本編未使用)「土鬼軍の逆襲」(本編の戦車シーンで使用)、エスニックな民族音楽風の「王蟲」(王蟲登場シーンで使用)など多彩な要素を備えていた。この段階で既に、ピアノによる主題曲、エスニ ック調、デジタルという後の久石・宮崎コンビ作の三大要素は出揃っていた。高畑と宮崎は久石のメロディを褒め称えた。二人の感想により、それまでサウンド中心に発想して来た久石は、初めてメロディ・メーカーとしての自分に才能に気づいたという。

本編音楽は既に別人に決まっていた。しかし、久石のアルバムを聴きながら制作を続けていた宮崎は、本編音楽に久石を強く推し、高畑もこれを尊重して関係者を説得。音楽の人選は大もめとなったが、84年早々最終的に久石に決定した。久石は、イメージアルバムの各曲を1月の2週間で「交響曲」に仕立て直し、再度アルバム 「風の伝説」をレコーディングした。おそらく本編には一段とスケールアップした音楽が欲しいという高畑・宮崎の意図があったのだろう。久石はオーケストラ50名の現場録音を初体験した。本編には、イメージアルバムとシンフォニーの双方が生かされた。

ほとんどのアニメーション作品は、完成画面が白紙の状態でシナリオと秒数に合わせて作曲が行われ、あとは編集で適宜各曲を切り刻まれて使用される。久石もそうした経験が多々あったが、今回は違った。多くはラッシュの未完成画面だったが、極力シーンに秒数を合わせて繊細に一曲一曲を仕上げた。17日間で全60曲以上を録音、2月24日に音楽は完成した。

久石は各シーンの選曲にもこだわりを見せた。冒頭部でナウシカが滑走し、メーヴェで谷へ帰るシーンにメインテーマが大音響でかぶる。これは久石が提案し、周囲を説得して実現したものだ。メインテーマの同様の使い方は、傷ついたウシアブと共にナウシカがメーヴェで空へ舞い上がるシーンでも見られる。しかし、こうした努力にもかかわらず、完成させた楽曲が「一部のシーンで切り刻まれて、とてもがっかりした」という。久石は、この苦い教訓を経て、さらに成長を遂げることになる。

久石は、『ナウシカ』のために約8カ月で3枚のアルバムを制作し計80曲以上を作曲した。「イメージアルバム」「シンフォニー」「サントラ」という連作によって、本編音楽を完成度の高いものに仕上げていくという贅沢な行程は、以降の宮崎作品の定形となっていく。これは、制作母体の徳間書店が音楽部門・徳間ジャパンを有していたこととも深く関わっている。とはいえ、売れもしない同類商品を販売ルートに出すことは許されない。『ナウシカ』の各アルバムは長期間ヒットチャートにランクインし続けた。長寿商品を生み出すほどの作品の生命力があって初めて連作が成立したとも言える。

(書籍「宮崎駿全書」より)

 

なお上の書籍には、主題歌に関する経緯について、使用したかった楽曲のこと、オリジナル主題歌制作を試みたこと、最終的にインストゥルメンタル「風の伝説」メインテーマが使われたことなどの詳細も記されている。

 

 

 

鈴木:
イメージアルバムというのは高畑さんの発案。当時の日本映画って映像が出来てから慌てて音楽をやる。しかも期間にして1日か2日、それで映画音楽をつけなきゃいけない。つまり音楽を重視してこなかったんですよ。それを高畑勲という人は、その歴史を変えようと。音楽にたっぷり時間を作ろうと。最初自由にイメージして音楽を作ってもらう。それで図々しいこと考えたんですよ。作ってもらったなかに作品に合う良いものと悪いものがある。そうすると映画音楽を当てはめるまでに2回チャンスがある、音楽が充実する。それが高畑さんの考えだった。

数多くいる候補の中から「久石さんがいい」って高畑さんが言い出した。高畑さんの決め手は「久石さんは教養がある。要するにクラシック音楽の勉強をしてる。その基礎があると、映像に音楽を合わせてもらう映画音楽をつくるのにその教養が役に立つに違いない。それがないと注文しにくい。」って言ったんですよ。音楽を聴いて高畑さんはそれを発見するんですよ。周りの人たちがみんな反対するなか、そこが高畑勲のすごさ。ここで決まっちゃうんですもん、宮崎・久石コンビ。

イメージアルバムを作るときに、高畑さんが宮崎に頼んだのが、タイトルとイメージを文章にして渡すこと。こんな感じの曲があるといいというのを10個くらい書いた。だからこれも高畑さんが考えたこと。イメージアルバムを最初に聴いたのは僕と高畑さん。高畑さんは「いける」って言ったんですよ。その後宮崎に聴いてもらって一発で気に入った。当時はカセットテープ、宮崎はそれを一日中大音量で聴くわけですよ。しかも朝9時から午前4時まで同じテープを延々鳴りっぱなしなんですよ、周りは静かに作業してるなか。

久石:
当時はあまり時間がなくてスタジオにこもって作ってたんだけど、実は原作難しくて理解できなかった。今考えると逆に素晴らしいことなんだけど、いい映画ってそうなんだけど、説明を結構省いているから。これは何なんだろうと思ったことを徳間の関係者の人がその都度、これはこうです、これはこうです、って説明もらって。それで一応かたちになったっていう。

鈴木:
忘れちゃいけないのが、高畑さんは「オーケストラでやりたい」と。当時、日本の映画音楽でオーケストラなんてなかったですよ、編成小さかったですもん。結局、イメージアルバムと本編のサントラ、加わった楽曲もあるけれど基本は変わらなかったですもんね。それでいうと、最初からもう気に入っちゃったんですよ。

久石:
イメージアルバムの時が、当時流行りの打ち込みの音で作ってた曲もいっぱいあった。高畑さんはそこから、これがオーケストラに変わればもっといいというのを見抜かれたんですね。

Blog. NHK FM 「今日は一日”久石譲”三昧」 番組内容 -トーク編- より抜粋)

 

 

 

風の谷のナウシカ LP復刻

(LPジャケット)

 

久石譲 『風の谷のナウシカ サウンドトラック』

1. 「風の谷のナウシカ」〜オープニング〜
2. 王蟲の暴走
3. 風の谷
4. 虫愛ずる姫
5. クシャナの侵略
6. 戦闘
7. 王蟲との交流
8. 腐海にて
9. ペジテの全滅
10. メーヴェとコルベットの戦い
11. 蘇る巨神兵
12. ナウシカ・レクイエム
13. 「鳥の人」〜エンディング〜

 

EXECUTIVE PRODUCER: KOKI MIURA
ASSOCIATE PRODUCER: HISAO HIRATA
PRODUCED by JOE HISAISHI
DIRECTED by MASARU ARAKAWA
MUSIC COMPOSED AND ORCHESTRATION by JOE HISAISHI
RECORDING AND MIXING ENGINEER: MASAYUKI HAYASHI, TAKEO SUZUKI
RECORDING at TAMCO st. HITOKUTHI ZAKA ST. NIKKATSU at C.A.C st
TECHNICAL ASSISTANT: KAORU NASHIMOTO

 

Nausicaä of the Valley of the Wind (Original Soundtrack)

1.Nausicaä of the Valley of Wind – Opening theme
2.Stampede of the Ohmu
3.The Valley of the Wind
4.The Princess Who Loves Insects
5.The Invasion of Kushana
6.Battle
7.Contact with the Ohmu
8.In the Sea of Corruption
9.Annihilation of Pejite
10.The Battle Between Mehve and Corvette
11.The Resurrection of the Giant Warrior
12.Nausicaä Requiem 
13.The Bird Man – Ending theme

 

바람계곡의 나우시카 Original Soundtrack
(South Korea, 2007 CD) PCKD-20201

1.바람계곡의 나우시카
2.오무의 폭주
3.바람계곡
4.곤충을 사랑한 공주
5.크샤니의 침략
6.전투
7.오무와의 교류
8.부해에서
9.페지테의 전멸
10.부활한 거신병
11메베와 콜베트의 전투
12.나우시카 진혼곡
13.하늘을 나는 사람

 

Disc. まんが日本昔ばなし 『にんげんっていいな / この子はだあれ』

1984年2月 EP発売 CK-706
1984年2月 CT発売 CFK-515

 

TVアニメ「まんが日本昔ばなし」の新エンディング・テーマ曲の編曲を、久石譲が手がけている。

 

まんが日本昔ばなし にんげんっていいな LP

(EPジャケット / EP盤)

 

1.にんげんっていいな
作詞:山口あかり 作曲:小林亜星  編曲:久石譲 歌:中島義実、ヤング・フレッシュ
2.この子はだあれ
作詞:山口あかり 作曲:小林亜星 編曲:久石譲  歌:森田牧子、 満仲志保、ヤング・フレッシュ

 

 

 

運動会ようレコード「にんげんっていいな / まっかなおひさま / コンピューターおばあちゃん / よさこい鳴子おどり」(1984)

1984年4月 EP発売 EE-3077

(EPジャケット / EP盤)

 

A面
1.にんげんっていいな 「まんが日本昔ばなし」から
2.まっかなおひさま

B面
1.コンピューターおばあちゃん NHK「みんなのうた」から
2.よさこい鳴子おどり

 

 

 

「にっぽん昔ばなし/にんげんっていいな」(1986)

1986年4月21日 EP発売 EK-766
1986年4月21日 CA発売 CFK-574

(EPジャケット)

 

1.オープニング・テーマ にっぽん昔ばなし 歌/花頭巾
2.エンディング・テーマ にんげんっていいな 歌/中島義実、ヤング・フレッシュ

 

 

 

「ぼくらは空とぶ仲間たち/にんげんっていいな」(1988)

1988年 EP発売 EE-3184

(EPジャケット / EP盤)

 

1.ぼくらは空とぶ仲間たち
2.にんげんっていいな

 

 

 

なお、上記オリジナルEP「にんげんっていいな」「この子はだあれ」2曲ともに収録されているCDは下記。

 

「まんが日本昔ばなし にんげんっていいな」

1991年10月1日 CD発売 COCC-9130

1.にっぽん昔ばなし
作詩:川内康範 作曲:北原じゅん 編曲:小谷充 うた:花頭巾
2.にんげんっていいな
作詩:山口あかり 作曲:小林亜星  編曲:久石譲 歌:中島義実、ヤング・フレッシュ
3.みんなでたんじょうび
作詩:伊藤アキラ 作曲:小林亜星 編曲:高田弘 うた:中村花子、ヤング・フレッシュ
4.かあさん(マザー)
作詩:川内康範 作曲:川内康範 編曲:竜崎孝路 うた:関森れい&ミンツ
5.もりのスープとあおぞらサラダ
作詩:吉沢久美子 作曲:小森昭宏 編曲:小森昭宏 うた:田中真弓
6.ともだちがいっぱい
作詩:伊藤アキラ 作曲:越部信義 編曲:越部信義 うた:林幸生、森の木児童合唱団
7.あめといっしょに
作詩:山本正之 作曲:山本正之 編曲:田中公平 うた:田中真弓
8.この子はだあれ
作詩:山口あかり 作曲:小林亜星 編曲:久石譲 うた:森田牧子、満仲志保、ヤング・フレッシュ
9.トッピンからげて逃げられて
作詩:玉木宏樹 作曲:玉木宏樹 編曲:玉木宏樹 うた:常田富士男
10.グルッパーの歌
作詩:川内康範 作曲:北原じゅん 編曲:小谷充 うた:キーパー・メイツ
11.ジャンケン ポン
作詩:川内康範 作曲:北原じゅん 編曲:角田圭伊悟 うた:ひまわり
12.早口ソング
作詩:川内康範 作曲:曽根幸明 編曲:角田圭伊悟 うた:スウィング・キャッツ
13.ランランニングかけっこ
作詩:冬杜花代子 作曲:小森昭宏 編曲:小森昭宏 うた:中嶋安名、ヤング・フレッシュ
14.ぼくはサンタだ
作詩:伊藤アキラ 作曲:乾裕樹 編曲:乾裕樹 うた:田中真弓
15.ゆきはおそらのケーキやさん
作詩:高田ひろお 作曲:有澤孝紀 編曲:有澤孝紀 うた:中村花子、ヤング・フレッシュ
16.ほしさがし
作詩:伊藤アキラ 作曲:有澤孝紀 編曲:有澤孝紀 うた。相田文三(東京少年少女合唱隊)

 

Disc. 久石譲 『機甲創世記モスピーダ Vol.2』

久石譲 機甲創世記モスピーダ2

1984年2月21日 LP発売 JBX-25032
1984年2月21日 CT発売 VCK-6097
1994年2月23日 CD発売 VICL-23064

 

1983年 フジテレビ系アニメ放送 「機甲創世記モスピーダ」
音楽:久石譲

放送期間:1983年10月2日~1984年3月25日
放送時間:毎週日曜日9時30分~10時(関東地区)
放送局:フジテレビ系
放送話数:全25話

 

 

機甲創世記モスピーダ LP 3

機甲創世記モスピーダ LP 4

(LPジャケット)

 

 

ビクター・アニメ・ミュージック”殿堂”シリーズ 8
さすらい戦い行くヒーロー達に明日はあるのか!?
久石譲のモスピーダ・ミュージック第2弾!

 

『機甲創世記モスピーダ Vol.II』

1994年2月23日 CD発売 VICL-23064

 

星目がちなヒーローへ愛をこめて
作曲家 久石譲

最初から申し訳ないことだが、正直なところテレビ・アニメーション(以下”アニメ”という)を、ほとんど見ていない。というよりも、テレビそのものを見る時間がない。僕の担当した番組も第1回目の放送は必ず見るが、その後は見ることが少ない。それは僕だけでなく、レコード会社のディレクター、現場のアニメーターの皆さんにしても同じではないだろうか?(と、勝手に思ってなぐさめている) したがってアニメについて語れることはあまりないのである。おわり、ジャン!……

お、まあ、いつもながら強引に終末を迎えるのだが、今回は違う。なにせ注文(御用聞きみたいだが)が、二枚目的に、だからネ、二枚目的にネ。(どういう原稿依頼の仕方ジャ)(編集部注、久石氏の二枚目とアルバムの2枚目をかけたのだが、氏は200字詰2枚のつもり)。で、さっきの話に戻るけど、はやい話が、夜の比較的早い時間帯(編集部注、「モスピーダ」は日曜日朝9時30分からの放映だが)に家にいて、テレビを見ているということは、仕事をしていないということだからネ。もう、仕事人間、ひいては日本の社会のりっぱな成人としては終わりなわけヨ。特に僕のようなフリーの人間にとっては、言うのもおぞましいが、暇=仕事がない=食べられないということだからネ。

それでさぁ、僕は見てないけどね、くどいけどホントに見てないけどネ、他のディレクターの人達はさぁ、ヤッパシ自分の番組は見てるといわないと、まずいんじゃあないの、立場あるからさぁ。(その割には…○○たりして!)

とにかく実際のところ、アニメの持っているパワーには驚いている。専門的にいうと昨今のレコード業界全体的には伸び悩みであるといわれているが、アニメだけは上昇カーブをえがいてるんですネ。(他には演歌とカラオケ・テープが好調) 最近のヒット・チャートを見てもアニメ作品が上位にランクされていたりして、これは以前には見られなかった傾向といえるんですヨ。

そして感心するのはアニメ作品の多さと複雑さ。これだけ多くの”星目がち”なヒーロー、ヒロインがいれば、名前を覚えきれないではないか、合体ロボット等にいたっては、何と何が組み合わせってどんな物になるのかパズルなみの複雑さになっていると、僕の頭はこんがらがっているのが、そこはそれ、ファンの皆さんが、それぞれご自分の感性で作品を選んで応援してくれるのでうれしくなっちゃう。

そこで、我が「モスピーダ」だが、またまた驚きました。Vol.Iはこの原稿を書いている12月20日現在、「オリコン」チャート(注、コンフィデンス誌TOP LP100)で第33位なのである。はっきりいって売れているのである。笑いがとまらないのである。アハハハ……。

この「モスピーダ」Vol.IIの音楽制作にあたっては内容的なことでの問題はほとんどなかった。タケカワ氏のテーマも番組にふさわしく、ダイナミックな曲で、アレンジも気に入っている。制作者側からの注文も「あまり子供っぽくなく、若者を中心に考えてもらって良い」ということで、気が楽だった。それからひとことでいえば、スタッフの音楽理解力が大変高いのである。(御世辞ぬきで) 我々が作った音楽をもとにストーリーを作ってしまうほどなのである。スタッフは、あの「マクロス」を制作したメンバーとほとんど同じといえば、皆さんも納得してくれるでしょう。

余談になるけれども、制作会社の竜の子プロダクションのあるところが、むかし僕が学生時代に住んでいたところで、打ち合せに時も非常にローカルな話題で盛り上がってしまった。角の喫茶店、駅前のケーキ屋さん、色っぽいおかみさんのいる料理店。赤ちょうちん……、青春してました。

ついでにもう一つ余談。しばらく前に某レコード会社を通じて、一通のファン・レターをいただいた。内容がすごい。「テクノポリス」「さすがの猿飛」から、僕のソロ・アルバムまで、ほとんど学術的といっていいような研究レポートなのである。アニメ・ファンらしい大学生からなのだが、返事を出そうと思いつつ、今だにビビって持ち歩いている次第である。

ああ、二枚目の予定あ、十枚目(編集部注、200字詰原稿10枚分)になってしまった!!

レコードをよろしく。

(CDライナーノーツより) ※当時のオリジナルLPと同一掲載

 

 

久石譲 機甲創世記モスピーダ2

1. ザ・ベトレイヤー
2. 若き戦士
3. 大地の風
4. 荒れ野へ
5. ドリーミー・シティー
6. SASURAI
7. 愛の涙
8. フレンズ
9. ロンリー・エラント
10. エンジェル
11. モスパダの歌
12. 軍靴の響

作詩:阿佐茜 (4,11)
作曲:久石譲 (1~3,5~12) 小笠原寛 (4)
編曲:久石譲
歌:松本美音 (4,11)
演奏:WHILE ROCK BAND (1~3,5~10,12)

 

Disc. 久石譲 『機甲創世記モスピーダ』

久石譲 機甲創世記モスピーダ

1983年12月5日 LP発売 JBX-25029
1983年12月5日 CT発売 VCK-6091
1994年2月23日 CD発売 VICL-23063
2021年8月25日 CD発売 NCS-10254

 

1983年 フジテレビ系アニメ放送 「機甲創世記モスピーダ」
音楽:久石譲

放送期間:1983年10月2日~1984年3月25日
放送時間:毎週日曜日9時30分~10時(関東地区)
放送局:フジテレビ系
放送話数:全25話

 

 

1983年5月10日 EP発売 KV-3045

機甲創世記モスピーダ LP 5

(EPジャケット)

 

オープニング・テーマ「失われた伝説を求めて」
エンディング・テーマ「ブルー・レイン」

 

 

「機甲創世記モスピーダ」

機甲創世記モスピーダ LP 10

(LPジャケット)

 

 

ビクター・アニメ・ミュージック”殿堂”シリーズ 7
モスピーダが変形する!
レイの、そしてスティックの勇姿が今、音楽と共に蘇る!!

 

『機甲創世記モスピーダ』

1994年2月23日 CD発売 VICL-23063

 

インタビュー/柿沼秀樹(メカニック・デザイン)

僕はこの作品にメカ・デザイン及び企画として参加しました。もともとの企画は、スポンサーでもある玩具メーカーから出たものですが、僕らは面白い仕掛けのあるメカニックをいっぱい出した冒険SFアクションを作ろうと思ったのです。

当時はちょうど『超時空要塞マクロス』が話題になっていた時期で、あっちが戦闘機だからこっちはオートバイでいこうということになりました。そして生まれたのがライドアーマーです。結局、戦闘機も出そうということになりましたけどね。メカの変形に関しては、やはり玩具で再現できるということが大きな前提としてありますので、何枚も図面を書いたり、モデルを作ったりといろいろ試行錯誤した覚えがあります。メカ・デザインは、味方側が荒牧くんで、僕は敵側を担当しました。敵側のデザインは曲線を主体として、生物的なイメージを持たせました。

作品の主眼としては、パーソナリティーのあるキャラがパーソナリティーのあるメカに乗るということがありました。当初はハードな軍隊ものになる予定だったんです。イメージとしては「ノルマンディー上陸作戦の宇宙版」という感じの。機能によって分類されたメカがたくさん出て、それが全部キャラ商品化される予定でした。ところが放映時間が日曜日の朝になったことやテレビシリーズということもあって、結果的にはややソフトな感じになってしまいましたね。いろいろなものを詰め込んでしまったために、ちょっと消化不良だったかな、というところもありました。

そうした反省も含めて、今この作品をリメイクしたら面白いなと思いますし、実際にやってみたいと思ってますよ。テレビシリーズは制約が多いので、ビデオで。もしリメイクするとしたら、主人公たちのチームがどこかへ誰かを助けに行くというようなシチュエーションでやりたいと思ってます。スピーディーなアクションに主眼を置いて。素材としてはとてもいいと思いますよ。

この作品の音楽は、すごくアップテンポでノリのいい音楽でしたね。今聴いても、きっと古びてないと思いますよ。当時のビクターさんて、ターゲットの年齢層をあまり考えないで自由な音楽作りをしていたと思いますね。そうした良さがこの作品の音楽にも表れているんじゃないでしょうか。

(1993年11月)

(インタビュー ~CDライナーノーツより)

 

 

解説

謎の敵インビットに占領された地球。それを奪還するために闘い、敵の本拠地を目指して旅する主人公たち。『機甲創世記モスピーダ』は、そうした魅力的な設定を持った作品だった。映画でいうならば、戦争超大作というよりも、アクションに充填を置いた爽快さ溢れる小気味のいい作品という感じである。『モスピーダ』といえばライドアーマーというくらい、この作品の主役メカ、ライドアーマーは大きな話題となった。乗っているバイクを装甲強化服として身につけてしまうという斬新なアイデアもさることながら、その仕掛を見事アクションに生かした映像、そして見事に再現してしまう玩具。いずれも当時のアニメが持っていた”ノリのよさ”というべきものであろう。

そうしたメカを乗りこなすには、キャラクター側にもそれ相応の個性が必要となる。当の主役チームは、リーダーこそ軍人であるものの、他はメカいじりの好きな少年あり、元暴走族の少女あり、結婚願望の強い少女あり、女装のアイドル歌手ありと、いずれも個性的なキャラばかりが揃っていた。メカもキャラもひとつの躍動感に満ちていた作品であったといえよう。

そうした躍動感が顕著に出た要素として、音楽性の重視ということが挙げられる。主役チームのひとりである女装のアイドル歌手イエローはそうした必要性から生まれたキャラでもあるが、そのミステリアスな魅力とともにライブシーンにおけるカッコよさも手伝って、人気の面でも大きな支持を得た。テレビシリーズ終了後にミュージックビデオがリリースされたという点でも、この作品の音楽性の高さがうかがい知れよう。ちなみに「襲撃のプレリュード」「老兵たちのポルカ」など、一部の例外はあるものの、サブタイトルが音楽のジャンルを表わす言葉で構成されていたのも印象深い。

この作品に企画時から参加していたアートミックは、その後さまざまな話題作を提供し、ファンの大きな人気を得ることになる。一連の作品のルーツを辿るならば、この『モスピーダ』に行き着くことになるだろう。

(解説 ~CDライナーノーツより)

 

 

”殿堂”シリーズの企画にあたって

名作と呼ばれる映画には、必ずそこに素晴らしい音楽があるものです。アニメにも同じことが言えます。誰でも、好きな作品の好きな音楽をひとつやふたつ心の奥底に刻みこんでいるのではないでしょうか。幸いなことに、アニメは他にも増して、そうした音楽がアルバムという形でリリースされることが盛んなジャンルです。ビクターエンタテインメントでは、これまでに数々のアニメアルバムを世に送ってきましたが、そこには話題作を彩ってきた素晴らしいサウンドが息づいています。

そうしたアルバムの中から特に厳選し、再リリースしたのが今回の”殿堂”シリーズです。いずれもファンの間で高い人気を誇った作品のアルバムで、当時の音源をそのまま復刻しました。中には初めてCD化されるアルバムもあり、ファンにとっては貴重なコレクションになるはずです。

作品のラインナップは、今から約10年ほど前の作品が多くなっています。オリジナル・ビデオ・アニメという新しいジャンルの登場と共に、アニメーションが大きな転機を迎えた頃。テレビシリーズ、劇場映画では、多くの名作が世に送り出され、アニメの音楽はこの時期を境に、よりポップなものへと変化してきました。そうしたサウンドを、10年という歳月をひとつの区切りとして見直そう、というのが、この”殿堂”シリーズなのです。初めて聴く人も、もう1回聴いてみたい人も、何か新しい発見があるかもしれません。どれから聴くかはあなた次第です。

(CDライナーノーツより)

 

 

機甲創世記モスピーダ CD

1. 失われた伝説(ゆめ)を求めて
2. ヴィーナス・オブ・ザ・スペース
3. エグゾーステッド・シティー
4. やっつけろ!
5. ダッシュ・アンド・ダッシュ
6. ヤング・スピリッツ
7. フーケのブルース
8. ふたりでいたい
9. 飛翔の儀式
10. インビット
11. DREAM EATERS
12. プリティー・キューピッド
13. 青春への手紙
14. 愛の小石
15. 伝説の河
16. ブルー・レイン

作詩:売野雅勇 (1,16) 阿佐茜 (4,8,11,14)
作曲:タケカワユキヒデ (1,16) 久石譲 (2~7,9,10,12~15) 小笠原寛 (8,11)
編曲:久石譲
歌:アンディ (1,16) 松本美音 (4,8,11,14,16)
演奏:WHILE ROCK BAND (2,3,5~7,9,10,12,13,15)

 

Genesis Climber Mospeada “Mospeada”

1.Ushinawareta Yume O Motomete
2.Venus Of The Space
3.Exhausted City
4.Yattshukero!
5.Dash and Dash
6.Young Spirits
7.Houquet No Blues
8.Futari De Itai
9.Hisho No Gishiki
10.Inbit
11.Dream Eaters
12.Pretty Cupid
13.Seishun E No Tegami
14.Ai No Koishi
15.Densetsu No Kawa
16.Blue Rain

 

Disc. 久石譲 『風の谷のナウシカ イメージアルバム 鳥の人…』

久石譲 『風の谷のナウシカ イメージアルバム 鳥の人』

1983年3月25日 LP発売 ANL-1013
1983年3月25日 CT発売 25AN-13
1985年6月25日 CD発売 32ATC-103
1993年7月21日 CD発売 TKCA-70131
2004年8月25日 CD発売 TKCA-72716
2018年11月3日 LP発売 TJJA-10008

 

1984年公開 スタジオジブリ作品 映画「風の谷のナウシカ」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

久石譲と宮崎駿が初めて出会った記念すべきアルバム。映画の準備段階で宮崎監督から作品の説明を受けた久石は、原作漫画を読み返しそのイメージをもとに、1983年8~9月に作曲・レコーディングを行った。「ナウシカ」音楽の原点と言える作品集。

「ナウシカ」イメージアルバム発売当時はまだCDという媒体が普及しておらず、CDの同時発売は無かった。CDはレコードの約1年半後に、新ジャケットで発売された。 ※下部ジャケット写真はCDデザイン

 

 

「ナウシカ」主題歌の候補曲

宮崎駿さんは「ポーリシュカ・ポーレ」というロシアの歌が大好きで、この曲を勇壮に響かせながら仕事をしていた、というエピソードがある。力強いマーチで、しかも悲しみをおびている、これが宮崎さんの好みの音楽だ。

”白い翼をもった 胸高き風よ/はるかな地へ すぎゆく風よ/種は死にはしない/母は子等を見すてはしない/大地は 今心をひらく”-これは宮崎さんが書いた「ナウシカ」の”幻の主題歌”の一節(ロマンアルバム「ナウシカ」に完全な形で掲載してある)。勇壮なマーチにより、この詩が流れていたら、映画の感じが変わってしまったかも。

「ナウシカ」のシンボルテーマソングやBGMが決定するまでには、いろいろなアイディアが提出された。宮崎さんがはじめに気に入ったのは、水牛楽団の自主制作テープ「ポーランドの歌」。水牛楽団は、戦後日本有数の作曲家・高橋悠治さんを中心とするグループで、従来の作曲・演奏の形式にとらわれず、民族楽器とバイオリンの組みあわせでアジアの民衆の歌を紹介するコンサートを開いていた。この「ポーランドの歌」は、第二次大戦中にポーランド民衆に歌われた反戦歌を集めたもの。やはり、悲しいけれど力強さのある歌が多かった。

プロデューサーの高畑勲さんが発見して、宮崎さんも「これがいい」と本気で考えていた主題歌候補曲もあった。ソヴィエトの俳優兼シンガーだったウラディミール・ヴィッソツキが歌っていた「地球の唄」という曲。詩の内容が「ナウシカ」のテーマにぴったりで、たんたんとしたメロディーをヴィッソツキーがすこしシワガレた声で歌っていた。ソヴィエトでは大ヒットし、その後フランスを中心にヨーロッパでも歌われたが、日本ではほとんど知られていなかった(レコードは輸入盤か自主制作盤のみ)。

「ナウシカ」制作が追いこみに入ると、宮崎さんは多忙をきわめたため、音楽については高畑さんは知る人ぞ知る音楽通。いろいろな音楽素材を集めては、宮崎さんに聞いてもらって参考意見を出したり、音楽制作担当者と激論をかわしたり。「こんな厚みのある音楽がいいと思う」と高畑さんが聞かせてくれたテープには、新ウィーン楽派のオーケストラ作品などがあった。

余談だが、宮崎さんの作画机には大きなカセットデッキが置かれていた。宮崎さんがもっぱら聞くテープは、南こうせつ、海援隊、松任谷由実など。気に入ったら同じテープを何度でも聞くのが習慣になっていたようだ。

このイメージアルバムの作曲者・久石譲さんは「ナウシカ」がきっかけで、澤井信一郎監督の「Wの悲劇」に起用されたり、井上陽水のアルバム「9・5カラット」のなかでアレンジャーとしても活躍。最近は「炎のアルペンローゼ」も手がけている。

片桐卓也

(CDライナーノーツより)

 

 

高畑:
~中略~ 「ナウシカ」について言えばね、最初にイメージ。レコードっていうのを作ろうということで、久石さんていう人に頼んで作ってもらったんですね。そしたらなかなか面白い曲がその中に含まれていた。で、いろいろ経緯はあったんだけど、映画の音楽も久石さんにやってもらおうということになった時にね、その面白い曲が含まれていたものの、それがどういう風に使われるかということは何の関係もなく作られているわけですね。それは溜め録りと同じことなんでね、ある意味で言えば。それをどういう風に設計しようかっていうことで考えたわけです、あれはね。ま、あの場合三曲がテーマとして何度も使われているわけだけど。それを中心に据えてやっていくってことでね、むしろかえって上手くいったかもしれない。その、のっけからね、劇伴として「ここはこういう感じなんです、音楽入れてください」って書いてもらうよりね、その人が全力をあげて書いたものです。要するに久石譲という人にとって、映像に劇伴としてつけるんじゃなくて、原作を読んで想像力を駆使して、独立した音楽として聞かせるつもりで全力をあげて書いたもんでしょ? その魅力を全面的に発揮させるように後で音楽設計をする。一種の溜め録りですね。久石さんの初めに書かれた曲が全部良かったと別に思うわけじゃないけれど、その中で「これはイケル!」と思ったものがあった。それをどういう風に扱うか……要するに、曲はいいかもしれないけれど、使えないかもしれないですね。でしょ? 「ナウシカ」の場合でもそう思ったんですよ、実は。出来上がったものを聞いて「これとこれがイイ!面白い!……面白いんだけど、さて、どういう風に使えばいい?……久石さんの力は示してもらったけど、映画用にはやはり改めて書いてもらわないといかんかなあ?」ということを一時は思ったりした位で。だけど、いろいろ行きつ戻りつ考えて、ある所に落ち着いてね、で、出来上がってくると、もうそれしかなかった様に思えたりね(笑)、その、「感じ」っていうのは出て来るわけだからね。どれだけ聞かせてくれる音楽が書かれてるかであってさ、「いかにも劇伴でござい」っていう音楽は使い途がないんですよ、土台。ちょっと、こういうことは載っかると困るかもしれないけれど、久石さんなんかでもね、その腐海がどうのとかさ、巨神兵がどうのとか、戦闘がどうのとかいうのはほとんど使えなかった。語弊はあるけどね、「なんだ、ありきたりの曲を、今はやりで書いてるな」という感じしかしなかった。だから、それは全然使う気がしなかった。

ところが、普通劇伴というのは、主にそういう曲の集合体になることが多いんです。「メニュー」というのを作るわけですよ。あの、「スリラー」とかね(笑)、そういう「メニュー」があるわけ。「サスペンス」とかね(笑)、「ほんわかした情緒」とかね(笑)、「感動!」とかね(爆笑)、それをもとに作曲家の方が書く。で、これねえ、いいのが出来て来ないのが普通なんですよ。アリモノになっちゃうんですよ。自分の引き出しっていうか……それぞれの作曲家のね。

-その「メニュー」以外ほとんど参考にするものがないということですね、作曲家の方は…。

高畑:
うん、だから、もちろん話し合ったり、原作があればそれから発想してもらったりするんだけど。とにかく、その「メニュー」から思い切ってどうやって良い音楽を書いてもらうかっていうことに尽きるんですけどね。それさえちゃんと出来れば、逆に今度は使い方を工夫するのが演出とかそういう立場の人間が考えることなわけね。

-要するに、その場に合う音楽であれば、溜め録りでも何でもいいと……。

高畑:
いやいや、「その場に合う」って……だから、「その場に合う」んじゃなくて……。その場に合うだけの音がうは下らんのですよ。音楽の魅力が欲しいんです。

音楽のつけ方っていうのはいろいろあるんですよ、ついでに言うと。音楽によってはね、打ち合わせでは欲しいと言ったところを「ス」(空白)にしてね、「ス」にするといったところに音楽を入れても、非常に上手くいく可能性だってあるわけ。音楽が何を分担するか……まるっきりひっくり返してつけることも出来るわけでしょ?「ここに愉快な音楽下さい」と。ね? で、「ここで入って……愉快な音楽が入って、ここで、バン! って衝突するときに、パッととります」と、そういう打ち合わせをするわけです。ところが、思っていたような愉快な音楽が出来て来ないことがよくある。チャカチャカしてるだけだったりして。そんな場合、困るけど、決断しなくちゃならない、演出としては。書き直してもらうか、別の音楽の入れ方を考えるか。「愉快さは音楽がなくともいいよ」と、「効果音と声だけで十分出せる」と、ね? そしてその前後を考えてみるとかいろいろ工夫するんですよね。そういうものの兼ね合いだからねえ、これはもう。面白いといや面白いけど、大変といや大変で、その危険至極なことなんです。~中略~

(書籍「映画を作りながら考えたこと」高畑勲 著 より抜粋)

 

 

風の谷のナウシカ イメージアルバム 鳥の人 LP

(LPジャケット)

 

 

久石譲 『風の谷のナウシカ イメージアルバム 鳥の人』

1. 風の伝説
2. はるかな地へ…(〜ナウシカのテーマ〜)
3. メーヴェ
4. 巨神兵 〜トルメキア軍〜クシャナ殿下
5. 腐海
6. 王蟲
7. 土鬼軍の逆襲
8. 戦闘
9. 谷への道
10. 遠い日々(〜ナウシカのテーマ〜)
11. 鳥の人(〜ナウシカのテーマ〜)

PRODUCED BY MASARU ARAKAWA , JOE HISAISHI
RECORDING & MIXING ENGINEER BY YASUHIRO ABE
ASSISTANT ENGINEER: KUNIHIKO IMAI, HIDEAKI IKEDA
RECORDING AT STAR SHIP STUDIO
ALL COMPOSE & ARRANGEMENT BY JOE HISAISHI
PLAY BY WONDER CITY ORCHESTRA

 

Nausicaä of the Valley of the Wind Image Album: The Bird Man

1.The Legend of the Wind
2.To the Land of Faraway…
3.Mehve
4.The Giant Warrior – The Tolmekian Army – Her Highness Kushana
5.Sea of Corruption
6.Ohmu
7.Counter-attack of the Tolmekians
8.Battle
9.The Road to the Valley
10.The Distant Days
11.The Bird Man

 

Disc. 久石譲 『銀河疾風サスライガー』

久石譲 銀河疾風サスライガー

1983年 TV放送開始

 

テレビ東京系TVアニメ「銀河疾風サスライガー」
音楽:久石譲

放送期間:1983年4月5日~1984年1月31日(全43話)
放送時間:毎週火曜日17:55-18:25

 

 

1983年 EP発売 K06S-3049

銀河疾風サスライガー LP

(EPジャケット)

 

主題歌
オープニング『銀河疾風サスライガー』
作詞:山本優 作曲:山本正之 編曲:久石譲
歌:MOTCHIN

エンディング1:『ハピィ ソング』(第1話~第27話)
作詞:山本優 作曲:山本正之 編曲:久石譲
歌:増田直美

 

 

1983年9月5日 EP発売  K06S-3061

銀河疾風サスライガー 挿入歌 LP 1

銀河疾風サスライガー 挿入歌 LP 2

(EPジャケット)

 

挿入歌
「ロング・グッナイ / メイビー・ベイビー」

 

 

「銀河疾風サスライガー I BGM集」

1983年7月21日 LP発売  K22G-7135
1983年7月21日 CA発売 K22H-4142

銀河疾風サスライガー LP 11

銀河疾風サスライガー LP ポスター

(LPジャケット / 封入ポスター)

 

1. 銀河疾風サスライガー 歌:MOTCHIN
2. ホンキートンク・アステロイド
3. ギャラクシー・ポップ
4. レッツ・スペンド・ザ・J9・トギャザー
5. グリーン・プラネッツ・メランコリー
6. ハッピー・ウィンド
7. イエロープラネッツ・フライヤー
8. ハート・アタック
9. オレンジ・ハート・ハイウェイ
10. フィーリング・アタック
11. コールド・フラッシュ
12. クール・シャウト
13. オレンジプラネッツ・バイオレンス
14. ブループラネッツ・カスタム
15. グッドラック・マイ・フレンド
16. ハピイ ソング 歌:増田直美

 

 

「銀河疾風サスライガー II “JJ9 EVERY NIGHT”」

1983年11月21日 LP発売 K22G-7157
1983年11月21日 CA発売 K22H-4185

銀河疾風サスライガー 2 JJ9 Every Night LP

銀河疾風サスライガー 2 JJ9 Every Night LP 2

銀河疾風サスライガー 2 JJ9 Every Night LP ポスター

(LPジャケット / 封入ポスター)

 

1. トライ!トライ!トライ! 歌:英莉花
2. デンジャラス・ナイト
3. ブレイク・アウト
4. ショッキング・アステロイド
5. ロカビリー・モーニング
6. ミッドナイト・トレイン
7. ソー・ロング・マイ・フレンド
8. ロング・グッナイ 歌:MOTCHIN
9. メタル・ハード
10. クレイジー・ダイヤモンド
11. バッド・ルッキン
12. タカオ・フォー・ユー
13. プラネッツ・ベイ・ロード
14. 恋人たちの星まつり 歌:山形ユキオ
15. メイビイ・ベイビィ
16. ワンウエイ・ランニング

 

 

 

1984年6月21日 LP発売 K22G-7193

 

 

 

あの久石譲が手掛けるJ9シリーズ完結編。ねっから明るいサスライガー!!
「BGM集」と「JJ9 EVERY NIGHT」を初CD化+カラオケ・未収録BGM収録。
四辻たかおのライナーノーツ付。レッツ・ゲット・トゥギャザーJ9!

 

『銀河疾風サスライガー~スターチャイルドコレクション(2 CD) 』

1993年12月22日 CD発売 KICA-2165~6

 

↓ 同一内容

『銀河疾風サスライガー音楽集』

2009年10月23日 CD発売 TPST-011/012 (TGCS-5849/5850)

 

久石譲 銀河疾風サスライガー

Disc1 BGM集
1. 銀河疾風サスライガー 歌:MOTCHIN
2. ホンキートンク・アステロイド
3. ギャラクシー・ポップ
4. レッツ・スペンド・ザ・J9・トギャザー
5. グリーン・プラネッツ・メランコリー
6. ハッピー・ウィンド
7. イエロープラネッツ・フライヤー
8. ハート・アタック
9. オレンジ・ハート・ハイウェイ
10. フィーリング・アタック
11. コールド・フラッシュ
12. クール・シャウト
13. オレンジプラネッツ・バイオレンス
14. ブループラネッツ・カスタム
15. グッドラック・マイ・フレンド
16. ハピイ ソング 歌:増田直美
17. 銀河疾風サスライガー(カラオケ)
18. ハピイ ソング(カラオケ)
19. 未収録 BGM 1
20. 未収録 BGM 2
21. 未収録 BGM 3

作曲:久石譲 (2~15, 19~21) 山本正之 (1,3,6,7,15~18)
編曲:久石譲
作詩:山本優 (1,16)

Disc2 JJ9 EVERY NIGHT
1. トライ!トライ!トライ! 歌:英莉花
2. デンジャラス・ナイト
3. ブレイク・アウト
4. ショッキング・アステロイド
5. ロカビリー・モーニング
6. ミッドナイト・トレイン
7. ソー・ロング・マイ・フレンド
8. ロング・グッナイ 歌:MOTCHIN
9. メタル・ハード
10. クレイジー・ダイヤモンド
11. バッド・ルッキン
12. タカオ・フォー・ユー
13. プラネッツ・ベイ・ロード
14. 恋人たちの星まつり 歌:山形ユキオ
15. メイビイ・ベイビィ
16. ワンウエイ・ランニング
〈ボーナス・トラック〉
17. トライ!トライ!トライ!(カラオケ)
18. ロング・グッナイ(カラオケ)
19. プラネッツ・ベイ・ロード(カラオケ)
20. 恋人たちの星まつり(カラオケ)
21. メイビイ・ベイビィ(カラオケ)

作曲:
久石譲 (2~7, 9~12, 14~16, 20,21)
中島正雄 (1,13,17,19)
アイ高野 (8,18)

編曲:
久石譲 (1~14, 16~20)
中島正雄 (15,21)

作詩:山本優 (1,8,13~15)

構成:四辻たかお

※このディスクはLP「銀河疾風サスライガー」BGM集とJJ9 EVERY NIGHTにボーナストラックを加えたものです。