Disc. 久石譲 『海獣の子供 オリジナル・サウンドトラック』

2019年6月5日 CD発売

2019年公開映画『海獣の子供』
原作:五十嵐大介「海獣の子供」
監督:渡辺歩 
音楽:久石譲
主題歌:米津玄師「海の幽霊」

 

五十嵐大介によるマンガ「海獣の子供」が長編アニメーションとして映画化。2019年6月7日公開。約150館規模。「マインド・ゲーム」「鉄コン筋クリート」などで知られるSTUDIO4℃が制作を担当。本作は他人とうまく接することができない中学生の少女・琉花が、ジュゴンに育てられた不思議な2人の少年、“海”“空”と出会う海洋ファンタジーだ。第38回日本漫画家協会賞優秀賞、第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を獲得している。

音楽は日本国内外を問わずグローバルに活躍する久石譲が担当。この映画を鮮やかに、そして深海の様に神秘な音で彩る。

<CAST>芦田愛菜(安海琉花)、石橋陽彩(海)、浦上晟周(空)

(UNIVERSAL MUSIC JAPAN メーカー・インフォメーションより)

 

 

■ 久石譲コメント

この映画の面白さは、ストーリーとして予測できないところにあります。哲学的であるともいえます。全編を通してミニマルミュージックのスタイルを貫いたので、映画音楽としてはかなりチャレンジをしたと思います。
宇宙の記憶の息遣い、生命の躍動感など見る人のイマジネーションを駆り立てる作品です。音楽と映像によって見る人の感覚が開放されて楽しめることを期待します。

出典:「海獣の子供」公式サイト|NEWSより

 

■スタッフ メディアインタビューより

渡辺監督は「久石さんは最初の話し合いの時点で原作を読み込まれて、イメージを掴んでいらっしゃっていて、『シーンや心情に寄り添って、ストーリーを煽るような音楽よりは、ちょっと客観的なもの。それだったらできる』とおっしゃっていたんです。僕も久石さんが初期に作られていたような、ミニマル・ミュージックな路線でいけたらと思っていたから、それがうまく合致した」とやり取りを明かし、「久石さんとしても挑戦的な、久しぶりというより新しい扉をもう一度開きなおすような意気込みで臨まれた」とコメント。また最初に久石から音楽のスケッチを受け取ったときのことを「フィルムに一気に色が増すような感動を覚えました」と話し、「その感動が皆さんにも伝わっているとうれしい」と客席に笑顔を見せる。

出典:「海獣の子供」ワールドプレミア、総作画監督&CGI監督は“作画とCGとの境目”に自信|コミックナタリー より抜粋
https://natalie.mu/comic/news/332061

 

 

-そうしてできあがった映像をごらんになった、五十嵐先生の感想をお聞きしたいです。

五十嵐 完成に近い映像を見せていただいたのは、音楽収録の時ですね。映像を流しながら演奏するということで、見学にお邪魔したのですが……久石譲さん指揮の生演奏と合わせて観たということもあって、震えるような衝撃を受けました。もちろん、絵の密度や色彩も素晴らしかったのですが、細かい演出にも感心させられました。とにかく全てがすばらしかったです。

-久石譲さんのお名前が出てきたところで、音楽についてもお聞きしたいです。久石さんの参加は、どういったきっかけで実現したんでしょうか。

渡辺 いやあ、ダメ元ですよ(笑)。元よりファンだったこともあって、「もしできるのであれば」と相談したところ、さまざまな方のご協力もあって、奇跡的に実現することができました。

五十嵐 いや、震えましたね。素晴らしい音楽でした。

渡辺 実は久石さん、顔合わせの段階で、原作を深く読み込んできてくださったんですよ。それで「この作品には完全に感情に寄り添うような音楽ではなく、客観的な音楽の方が情感が引き立つのではないか」とご提案くださって……。私も同様のイメージを持っていたので、とても感激いたしました。『海獣の子供』は、そうした劇伴、効果音や声も含め“音の映画”としても魅力的だと考えています。

出典:【es】エンタメステーション|海獣の子供インタビュー より抜粋
https://entertainmentstation.jp/446925

 

 

久石譲音楽についてのスタッフコメントや、主題歌「海の幽霊」/米津玄師についてなどはこちらをご参照ください。

 

久石譲インタビューは「劇場用パンフレット」に1ページ収載されています。以下その内容にはふれていません。ぜひパンフレットご覧ください。

 

 

ここからレビュー。(2019.6.11 記)

 

久石譲の今の音がつまった、ミクロマクロの音楽設計図

こんなにも新鮮な感動につつまれた幸せ。思い返せば、この新鮮さは”点”ではない。『NHKスペシャル シリーズ ディープ オーシャン』や『プラネタリアTOKYO To the Grand Universe 大宇宙へ』でミニマル・ミュージックを軸に貫いた音楽。その流れの先にあるのが本作『海獣の子供』音楽になっている。しかし、挙げたふたつの作品はいずれも今現在未CD化、ようやく久石譲の今の音がつまったエンターテインメント作品が手元に届けられた感動はひとしお。

2013年公開スタジオジブリ作品『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』以来6年ぶりの長編アニメーションの音楽を手がけた本作。定着したジブリ音楽カラーがあるならば、同じアニメーション映画でも振りきりよく裏切ってくれている。一方で、小西賢一(キャラクターデザイン・総作画監督・演出)は『かぐや姫の物語』作画監督など、笠松広司(音響監督)は『崖の上のポニョ』『風立ちぬ』音響監督など、ジブリとゆかりのあるスタッフも多い。久石譲音楽をわかっている、音楽の見せ場や聴かせどころを尊重してくれるスタッフが多く関わった作品とも言えるかもしれない。

空間と時間を飛び越えるようなスケールの大きい音楽世界。無限の広がりとループ。ミニマル・ミュージックでありながら、淡白で無機質なくり返しではない、エモーショナルで有機的な結びつきによる音楽。実写やアニメーションというジャンルを超えたところにある、新しい映画音楽のかたち。久石譲の新しい到達点であり、いまなお進化しつづけているその瞬間を見せつけられた高揚感と清々しい気分でいっぱい。

 

予告1・特報1・特報2で使用された楽曲は「星の歌」「孤独な世界」「海」、そのまま使用しているものもあれば、加工編集しているものもある。

 

全体をとおして。

神秘的で色彩豊かな音楽世界。小編成オーケストラにシンセサイザーの混ぜ合わせ。おそらく生のオーケストラにほぼシンセサイザーの音も重ねていると思う。弦楽+シンセストリングスというように。これは生オーケストラのみのソリッドさよりも、広がりをもたせる効果を狙っていると思われ、シンセサイザー特有の音もあるなか、ひょっとしたら5:5くらいの混ぜ具合かもしれない。そのくらいの新しい感覚をおぼえる。

本編111分、音楽43分。映像の3分の1に音楽を配置したことになる。収録曲のいくつかは、別シーンでも使用されていたり(Track2.3.など複数登場する)、楽曲の一部パートを巧みに配置しているシーンもある。メロディー重視ではないミニマル・モチーフで構成された楽曲群だからこそ、切り取り感のない音楽をすっと映像や時間になじみこませる。

CGと手描き、生楽器とシンセサイザー、映像も音楽もアナログとデジタルの混合で、浮いてしまうことなく密着し融合している。効果音やセリフとの折り合いもよく、音響SEから音楽へのスムーズな流れ、クライマックスは映像×音楽のダイナミックなコラボレーション。サウンドトラック時間以上に、音楽がのこすインパクトは圧倒的な映像美と堂々と対峙している。さながら音楽映画の要素をおびた印象をも与えてくれる。

 

以下は、収録曲をフラットに並べて、久石譲の音楽設計図を紐解いてみたい。

音楽を中心に置いているけれど、どうしても必要な箇所は、原作からの引用(【 】)をしています。あくまでも個人の見解です。これを見てくれた人から新しい発見や声があるとうれしいです。

 

1. ソング
7. 宇宙の記憶
15. 空との別れ
18. 宇宙の誕生
19. 生命の理由
23. 海との別れ
一番多く登場するモチーフで作品の世界観につけたメインテーマといえる。「1.ソング」幻想的で一気に引き込まれる。「7.宇宙の記憶」しっかりとモチーフは鳴っていて、このメインテーマを構成している旋律のいくつかが引き算で奏でられる。また弦のこするような音を効果音のように使っている。「15.空との別れ」「23.海との別れ」は近い曲想になっているけれど、音符の数が違っていたり(ミニマル・モチーフを4分音符/8分音符/16分音符で刻むか)、編成パート数も違っていたり(23.は楽器数も多くバックで流れる旋律数も多い)と、聴き比べるとおもしろい。7.冒頭のハープ分散和音も23.に引き継がれ、後半部もふくめてモチーフが響きあう集合体になる。

「18.宇宙の誕生」「19.生命の理由」は映画本編で切れめなく流れるクライマックス。まるでビックバンのようなエネルギーの爆発を浴びせらせる。さも自分が体験しているような感覚、美しさと恐さに呑み込まれる。18.こそほぼ生オーケストラのみで構成されたソリッドな音響になっているので、他の楽曲とのコントラストがわかりやすい。18.のみ現れるミニマルの下降音型と、19.ほかで聴かれるミニマルの上昇音型。高い音から低い音へうつる下降音型は宇宙から降りてくるようでもあり、低い音から高い音へうつる上昇音型は海から湧きあがってくるようでもある。こういう見方もおもしろい。

このように、メインテーマの楽曲を紐解いてみると、「ミニマル・ミュージックで貫かれた映画音楽」というもののなかに整理ができてくる。”くり返しやズレ”を基調とした一般的なミニマル音楽をベースとしながらも、久石譲のそれは、一辺倒な方法論だけではない。”最小限の音型を足し算・引き算しながら変化させること”、”音(楽器)を豊かに変化させること”、これが久石譲の言うところのミニマル・ミュージック・ベースだと思っている。

 

原作では「ソング」とはザトウクジラの発する音・うたう歌とされている。【世界が生まれたときからの時間や記憶】【同じ旋律のくり返し……「ソング」だ】【聞いたことのない…「ソング」?】といったセリフが登場し、【そこら中あちこちに潜んでいるうたを、鯨が傍受して形を与える。それを海がマネする。そうやってあのうたがいつか世界を満たす……】(第4巻)ともある。

全巻において出現する「ソング」は、原作の柱であり有機的に交錯している。象徴的でありながら抽象的というとても難しいかたち。音階やメロディをもっているとは表現されていない。映画では音響SEとしての「ソング」も響く。久石譲は、「ソング」を音楽化した。【同じ旋律のくり返し】というミニマル音型をベースにしながらも、【聞いたことのない「ソング」】かたちの定まらない音型の足し算・引き算の変化。そうやって、旋律になりそうでなりきらない【あちこちに潜んでいるうた】を、【鯨が形を与える】ように音たちが集まり導かれ楽曲後半に悠々と重厚な旋律が奏でられる。冒頭に戻る、一番多く登場するモチーフで作品の世界観につけたメインテーマといえる。

 

2. 孤独な世界
少ない音符の数、メロディのない旋律のなかにおいても、たしかな情感をあたえてくれる。ピアノの残響に添うようにシンセサイザー音をしのばせる。ピアノ高音はハンマー強く、低音は丸みのある音像。ハープも同じく高音は弦のはじく音が強く発せられ、低音はこもりがちなやわらかい音。少ない音符と楽器、ニュアンス豊かに表情をつけている。

 

3. ひとりぼっちの夏休み
ベーシックなミニマル・ミュージックのズレをゆっくり聴くことができる曲。ピッツィカートも生音でここまでふくよかな表情は出せない、シンセサイザーと巧みにブレンドされていると思う。またハープの特徴は「2.孤独な世界」に同じ。もし生音だけでピッツィカートを鳴らしたら、ハープの音に近くなり溶け合ってしまうだろう。ピアノ、ハープ、ピッツィカート、グロッケンシュピールのたゆたう調べ。

 

4. 海と琉花
6. 海に連れられて
9. 出航
13. 海と琉花 ~出会い~
3人の主人公〈琉花〉〈海〉〈空〉の交流を描いたシーンで使われている。出だしから聴かれるモチーフたちを楽曲ごと楽器を置き換えることでカラフルにしている。軽快なミニマル音型のズレ、楽器の出し入れによるくっきりとした多重奏。同じモチーフでもピッツィカートの均一な音幅で奏でられるのと、管楽器ののびやかなフレージング。映画シーンごとに主人公の心情や場面の変化にあわせているというよりも、決して同じものはない・同じところにとどまることのない人や場所や時間の変化という俯瞰と客観性かもしれない。バリエーションを意味づけするよりも、変化することが自然とでもいうように。

 

5. 海
14. 光る夜の海へ
短い音型が小さな上昇・下降をくり返しながら渦を巻くように上がっていく。ピュアな螺旋を描いて昇りつめ、今度は少しの不協音をおびて一気に下降する。「14.光る夜の海へ」ここでもハープが効果的に使われ、また呼吸をするように音型のテンポが一定でないのも印象深い。映画と照らしあわせると、海の世界観・海のもつ生命力のような、大切なシーンで使われている。出番は少なくても象徴的な位置におかれた主要テーマ曲のひとつといえる。

 

8. 星の歌 ~ケーナ version~
12. 星の歌 ~シンセサイザー version~
17. 星の歌 ~ケーナ&ムックリ version~
22. 星の歌
聴いた瞬間にとりこになってしまう曲。あまに言葉にしないほうがいい。

原作を読んだとき「星のうた」にどんなメロディをつけるのか、大きな期待と楽しみで膨らんでいた。この歌には言葉がある。【星の。星々の。海は産みの親。人は乳房。天は遊び場。】。映画のなかで「星の歌」メロディ全貌が登場するのは「12.星の歌 ~シンセサイザー version~」から。「8.星の歌 ~ケーナ version~」のときには【星の。星々の。海は産みの親。】というところまでの言葉が登場する。12.のときにはじめてそのつづき【人は乳房。天は遊び場。】が出てくる。そう、しっかりメロディにこの言葉たちが歌詞としてのっかる。節まわしできれいに言葉がハマる旋律になっている。頭のなかで歌ってみると鳥肌が立つ。メロディの出し方と言葉の出し方(前半部分・全貌)が暗黙のようにリンクしている。

原作には「星のうた」についていろいろなエピソードが散りばめられているので、中途半端に持ち出すのはよくない。それでも曲につながるのではと思う(最低限の)いくつかを紹介させてもらう。

【むかしこのうたを聞いた人間が、自分たちの言葉に置きかえた……形をかえたから力を失ったけど、これは特別なうた。】(第4巻)。【”語ってはならない神話”や”うたってはならないうた”を冒涜しようとしているから。】(第4巻)。原作で「星のうた」は「ソング」を聴いた人間たちが置きかえたものだと語られている。久石譲が書き下ろした「ソング」と「星の歌」のモチーフに音楽的つながりを見つけることはできなかったけれど、もしかしたら発見もあるかもしれない。もちろん、人間が置きかえてしまったもの、とするならば、つながっている必要もない。

本作はミニマルモチーフの楽曲群が多いなか、「星の歌」はえもいわれぬ旋律美で深く染みわたる。そして、歌詞をのせて歌われることはしなかった。メロディの力で映画と原作を補間し大きく包みこむ。心ふるわせ涙腺ゆるむのは、初めて聴いた感動というよりも、もともと体のなかに持っていた、昔から受け継いできたものが反応しているよう。「22.星の歌」メロディが枝分かれし、時間軸で交錯している。「ソング」を人間たちが置きかえたものは「星のうた」だけではないのかもしれない。いくつもの言葉と旋律がこれまで形をかえて生まれては消え、伝え遺り。メロディの紡ぎあいは、そんなことにまで想い馳せさせてくれる。原作では「星のうた」について【旅の道標】【誕生の物語り】などとも出てくる。

楽器についても考察したかったが、なぜケーナが選ばれたのか? ムックリについては映画とリンクしているのでぜひご鑑賞を。

 

10. ジンベエザメ
低弦を基調とした太いラインと、まわりに散らばり飛び交う音たち。群れが集まり互いに交信しているような情景が浮かぶ。変な言い方にはなるけれど、要素が同じミニマルでも久石譲オリジナル作品ではこうはならない、エンターテインメント音楽だからこそ、という曲の展開をしてくれている。しっかり求められているものに応えているというか。

 

11. 嵐の中のふたり
24. 私の夏の物語
往年の久石譲ミニマル・スタイルがつまっている。音もハーモニーも。音数・楽器・旋律が増殖したり浸食したり、ずっと眺めていられる雲の流れや海の満ち引きのよう。この楽曲を聴いて楽しいとも悲しいとも押しつけることはない。独特の和音感でありながら長調とも短調ともはっきりしない。映画を観る聴く人または体感するタイミングによって何色にでも染まることができる。「11.嵐の中のふたり」映画ではいくつかの場面が切り替わっていたと思うが、音楽は約3分半通奏で流れていた。結構大胆な使い方をしているな、という印象を受ける。登場人物や状況に合わせない、映像に合わせて音楽を展開させたり切り替えたりしない、突き放したその一例といえる。

 

16. 星の消滅
20. 生命の繋がり
「16.星の消滅」ピアノのみで奏でられた楽曲は、「20.生命の繋がり」前半部ではシンセサイザー+弦楽合奏が重なり引き継がれる。映画ストーリーでは「ソング」をモチーフにもつ「19.生命の理由」からの流れで躍動感あふれるクライマックスの一端を担っている。また後半部に力強く鳴りおろされる”ラミー””シファー”という音型(1:17~)は、「2.孤独な世界」に出てくる”ラミー”(0:03~)”シファー”(0:44~)と共鳴しているのかもしれない。この4度の動きが交錯している「2.孤独な世界」がある種〈琉花〉のモチーフだとしたときに、ここで力強く鳴らされているものは、しっかりと繋がってくるように思えるから。

 

21. 生命の源
異色を放つシンセサイザーとそのヴォイスによるもの。楽曲のなか常にどこかに”ファ”の音が聴こえてくるような気がする。遠くまでの伸びるシンセサイザーの一線や、吐くヴォイスの音程に。

原作で「ソング」や「星のうた」と同じく注目していた3つめの音楽的ポイント。【698.45ヘルツの音波のような】【「ファ」の音】【生まれる場所からの声】【星が死ぬときの音】と出てくる音。映画のなかでは超音波のような凄まじい音圧の音響効果で圧倒されるシーンがある(この楽曲箇所ではなかったような)。それがファの音を帯びていたか記憶が薄いけれど、原作にあるこの音を表現した効果音は必ずどこかに登場している。同じように、久石譲がこれらのキーワードから音楽化したものが、この楽曲だと思っている。

 

25. エピローグ
(1. ソング/2. 孤独な世界)
「ソング」のモチーフをハープで〈琉花〉のモチーフをピアノで織りかさなっている。終曲において、久石譲は物語をとおして《たしかに何かが起こった》ことを暗示した。だからふたつの異なる旋律が同時進行する対位法のように絡みあう。それは同時に、映画を観る前と観た後に起こる《観客の変化(感じたこと・行動すること・ものの見え方)》にもつながる。壮大で哲学的な『海獣の子供』世界は難解でひとつの正解はない。だからこそ最後はシンプルに帰する、神話を経てリアルな今に返る、そしてまたひとりひとりからはじまる。ひとりぼっちだった〈琉花〉のモチーフがひとりではなくなったように、あるいは、ひとりではなかったことに気づいたように。

 

 

 

1. ソング
2. 孤独な世界
3. ひとりぼっちの夏休み
4. 海と琉花
5. 海
6. 海に連れられて
7. 宇宙の記憶
8. 星の歌 ~ケーナ version~
9. 出航
10. ジンベエザメ
11. 嵐の中のふたり
12. 星の歌 ~シンセサイザー version~
13. 海と琉花 ~出会い~
14. 光る夜の海へ
15. 空との別れ
16. 星の消滅
17. 星の歌 ~ケーナ&ムックリ version~
18. 宇宙の誕生
19. 生命の理由
20. 生命の繋がり
21. 生命の源
22. 星の歌
23. 海との別れ
24. 私の夏の物語
25. エピローグ

 

All Music Composed, Arranged and Produced by Joe Hisaishi

Conducted by Joe Hisaishi

Performed by
Flute & Piccolo:Yusuke Yanagihara
Oboe:Hokuto Oka
Clarinet:Emmanuel Neveu
Bassoon:Mariko Fukushi
Horn:Akane Tani, Misaki Haginoya, Sachiko Furuya
Trumpet:Cheonho Yoon, Tomoki Ando
Trombone:Yuri Iguchi
Bass Trombone:Koichi Nonoshita
Timpani:Akihiro Oba
Percussion:Hitomi Aikawa, Shoko Saito
Harp:Kazuko Shinozaki
Piano & Celesta:Febian Reza Pane
Strings:Manabe Strings
Quena:Hideyo Takakuwa
Mukkuri (Jew’s Harp):Leo Tadakawa

Recorded at Victor Studio
Mixed at Bunkamura Studio
Recording & Mixing Engineer:Suminobu Hamada (Sound Inn)
Director & Manipulator:Yasuhiro Maeda

and more…

 

Disc. 久石譲 『Oriental Wind』 2017 New version *Unreleased

2017年7月17日 CMオンエア開始

サントリー緑茶 伊右衛門「川下りの夏 編」にて「Oriental Wind」のNewヴァージョン登場。2004年から2012年まで同CMシリーズにて様々なヴァージョンで使用されてきた「Oriental Wind」が5年ぶりに新ヴァージョンにて再登場である。

商品:サントリー緑茶 伊右衛門
CM:川下りの夏 編 15秒
出演:本木雅弘
音楽:久石譲「Oriental Wind」

サントリー公式サイトにおいてCM動画視聴可能 (※2017年7月現在)

公式サイト:サントリー緑茶 伊右衛門

 

 

おなじみのメロディーに胸が躍る。涼しく爽やかな清涼感ある響きになっている。ピアノによるメロディー、弦楽合奏による切れ味のよい刻みから、弦楽の盛りあがる旋律へと展開していく。

サンプラーを巧みに使用した隠し味エッセンスも効いていて、心地よいエッジ感で魅了している。

Aメロは4拍子、サビ(仮に)は3拍子(または8分の6拍子)で展開していて装い新た感に驚かされる。またAメロの旋律の配置がすごく独特である。バッグで鳴っている電子音が拍子を正確に刻んでいると思われるので、メロディーが少しずらしてあるように聴こえる。タララララ~ンで始まるメロディー、通常は4つ目のラ~ンのところが拍子の1拍目にくる。今回のNewヴァージョンはラ~ンの「ラ」までが前の小節で「~ン」のところが1拍目になっている。シンコペーションのようなひっかかりになっているのだけれど、とてもおもしろい。TVで流れてきたときにも強いひっかかりインパクトになってつい手が耳がとまってしまうはずである。

なぜこれができるか?成立するか?と考えてみたときに。それはまさに「おなじみのメロディー」だからである。2004年から足かけ10年以上もお茶の間に浸透している曲。だからこそ、ちょっとメロディに独特な動きをみせたとしても、聴く人は「いつもの」メロディーおよびリズムを頭のなかで容易にすり合わせることができる、だから絶妙な違和感の範囲でおさまってしまうのではないか。

メロディーを聴くだけですぐそれとわかるということは、あまりメロディに装飾や手を加えないほうがいい場合もある。実際にメロディーはまったく同じである。変わったのは楽器や構成といったアレンジはもちろんだが、メロディーのちょっとした音の配置の変化。いや絶妙で確信的な音の配置の変化。

もしこの解釈が逸脱しすぎていないならば、すごすぎる!久石譲! とため息。

 

 

久石譲の代表曲のひとつともいえるこの曲「Oriental Wind」。サントリー緑茶 伊右衛門 CM曲として四季折々なバリエーションでお茶の間に響いてきた楽曲。実は2004年から現在にいたるまでCMバージョンは音源化されていない。十数バージョンに及ぶ全バージョンがいずれもCDにはなっていないという信じられない作品。

また2012年からの「新テーマ」もCD化されていない。今回のNewヴァージョン再登場をきっかけに全CMヴァージョンのパッケージ化の機運が高まってくれればと心から願っている。

 

日本を代表する曲「Oriental Wind」の歴史は下記ご参照

 

 

 

Disc. 久石譲 『スタジオジブリ 宮崎駿&久石譲 サントラBOX』

スタジオジブリ 宮崎駿&久石譲 サントラBOX

2014年7月16日 CD-BOX発売

『風の谷のナウシカ』から2013年公開の『風立ちぬ』まで。
久石譲が手掛けた宮崎駿監督映画のサウンドトラック12作品の豪華BOXセット。
スタジオジブリ作品サウンドトラックCD12枚+特典CD1枚

【商品内容】
<ジャケット>
「風の谷ナウシカ」「天空城ラピュタ」「となりのトトロ」「魔女の宅急便」は発売当時のLPジャケットを縮小し、内封物まで完全再現した紙ジャケット仕様。

<特典CD「魔女の宅急便ミニ・ドラマCD」>
1989年徳間書店刊「月刊アニメージュ」の付録として作られた貴重な音源。

<ブックレット>
徳間書店から発売されている各作品の「ロマンアルバム」より久石譲インタビューと、宮崎駿作品CDカタログを掲載。

<収録CD>

DISC1-12 HQCD (Hi Quarity CD)
DISC1,3,4 LP復刻 紙ジャケット&ライナー
DISC2 LP復刻 紙ジャケット&パズーとシータの複製セル画
DISC5-12+特典CD オリジナル紙ジャケット
34ページブックレット付き

紙ジャケット/封入特典:カタログ・ブックレット/特典CD付

 

 

Disc 1 風の谷のナウシカ サウンドトラック盤 はるかな地へ・・・
久石譲による宮崎駿監督作品最初のサウンドトラック盤。イメージアルバム「鳥の人・・・」、シンフォニー「風の伝説」を基に新たに録音された映画用BGMを収録。1984年2月録音。「レクイエム」のヴォールは当時4歳の麻衣が担当している。

4ページカラーグラフ&スコアーつき(風の伝説 メインテーマ / ナウシカのテーマ)

風の谷のナウシカ LP復刻

 

Disc 2 天空の城ラピュタ サウンドトラック 飛行石の謎
映画本編で使用されたBGMを収めたサントラ盤。挿入歌「君をのせて」も収録。ラピュタは4chドルビーステレオを初めて採用した宮崎作品であり、音楽もそれにふさわしく壮大なスケールの内容になった。1986年6~7月かけて制作。

天空の城ラピュタ LP 復刻

 

Disc 3 となりのトトロ サウンドトラック集
映画で使用されたBGMを収録したサントラ盤。「ナウシカ」「ラピュタ」とは一味違った、ほのぼのとした温かさをもつ久石音楽が心ゆくまで楽しめる。オープニング主題歌「さんぽ」、エンディグ主題歌「となりのトトロ」収録。 録音は1988年2 ~3月。

となりのトトロ LP 復刻

 

Disc 4 魔女の宅急便 サントラ音楽集
映画本編で使用された全楽曲を収録したサントラ盤。高畑勲が本作では音楽演出を担当している。録音は1989年6~7月ソロアルバムの作業で渡米していた久石の帰国直後に行われた。CDとLPのジャケットは同一。荒井由実の挿入歌2曲も収録。

魔女の宅急便 LP 復刻

 

Disc 5 紅の豚 サウンドトラック 飛ばねぇ豚は、ただのブタだ!
映画本編で使用された楽曲を収録したサントラ盤。アコースティックなサウンドにこだわり、ほぼ70名のフルオーケストラで録音。収録は1992年5~6月に行われた。加藤登紀子の歌2曲も収録。本作から、LPの発売は行われなくなった。

久石譲 『紅の豚 サウンドトラック』

 

Disc 6 もののけ姫 サウンドトラック
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団のフルオーケストラによるサントラ盤。録音は1997年5月。映画本編の楽曲を米良美一の主題歌も含め完全収録。本作の主題歌で久石は日本レコード大賞作曲賞を受賞。アルバム自体も企画賞を受賞している。

久石譲 『もののけ姫 サウンドトラック』

 

Disc 7 千と千尋の神隠し サウンドトラック
映画本編の楽曲を収録したサントラ盤。新日本フィルハーモニー交響楽団のフルオーケストラによりサントラでは初めて、コンサートホールでライブ収録された。指揮・ピアノも久石が担当。録音は2001年5月。木村弓の主題歌も収録。

久石譲 『千と千尋の神隠し サウンドトラック』

 

Disc 8 Castle in the Sky ~天空の城ラピュタ・USAヴァージョン・サウンドトラック~
ディズニーが2003年に北米でリリースした「ラピュタ」の英語吹替版用に久石自らが、ハリウッド映画音楽のオーケストラを率いて壮大なスケールと迫力あるサウンドで再録音したニュー・サントラアルバム。一部書き下ろしの新曲も含まれている。

久石譲 『Castle in the sky 天空の城ラピュタ・USAヴァージョン』

 

Disc 9 ハウルの動く城 サウンドトラック
新たに作曲されたテーマ「人生のメリーゴーランド」を中心に構成された映画本編の楽曲を収録。新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏で今回もホールでライブ収録された。指揮・ピアノも久石が担当。録音は2004年6月。倍賞千恵子の主題歌も収録。

ハウルの動く城 サウンドトラック

 

Disc 10 崖の上のポニョ サウンドトラック
映画本編の楽曲を収録。新日フィルハーモニー交響楽団の演奏に加え、本作では栗友会合唱団による大編成のコーラスが加わり“海と生命”をダイナミックに表現している。録音は2008年5月。林正子、藤岡藤巻と大橋のぞみの主題歌も収録。

久石譲 『崖の上のポニョ サウンドトラック』

 

Disc 11 ラ・フォリア / パン種とタマゴ姫 サウンドトラック (ジブリ美術館公開)
三鷹の森ジブリ美術館映画「パン種とタマゴ姫」のサウドトラック。宮崎監督がこの映画を製作している時にずっと聴いてたという、ヴィヴァルディの「ラ・フォリア」という曲を素材に、宮崎監督の映像が与えてくれるインパクトに沿う形で、古典曲を現代的なアプローチで再構築した作品。録音は2010年10月。

久石譲 『ラ・フォリア パン種とタマゴ姫 サウンドトラック』

 

Disc 12 風立ちぬ サウンドトラック
読売日本交響楽団によるフルオーケストラ演奏ほか、バラライカ・マンドリン・バヤン・アコーディオ等の民族楽器での楽曲も印象に残るサウンドトラック。荒井由実の歌う主題「ひこうき雲」も収録。録音は2013年5月。

久石譲 『風立ちぬ サウンドトラック』

 

特典Disc 魔女の宅急便 ミニ・ドラマ「元気になれそう」 (詩:宮崎駿/ナレーション:高山みなみ)
1989年徳間書店刊「月刊アニメージュ」の付録として作られた貴重な音源。

魔女の宅急便 元気になれそう

 

定価:¥ 21,600(税込)
品種:CD 13枚組
商品番号:TKCA-74104
発売日:2014/07/16
発売元:(株)徳間ジャパンコミュニケーションズ
JAN:4988008160246

 

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スタジオジブリ 宮崎駿&久石譲 サントラBOX

スタジオジブリ 宮崎駿&久石譲 サントラCDBOX

 

Disc. DAISHI DANCE 『the ジブリ set 2』

2013年12月18日 CD発売

札幌を拠点に活動するハウスDJ/プロデューサー DAISHI DANCE
大ヒット・アルバムとなった前作『the ジブリ set』の続編『the ジブリ set 2』

往年のジブリの名曲に新たな息吹が吹き込まれる。流麗かつ壮大なダンスミュージックにアレンジされた「ジブリ楽曲」たち。

 

2008年リリースの「the ジブリ set」から5年。同じく2008年はスタジオジブリ作品 宮崎駿監督 映画「崖の上のポニョ」が公開。それから5年。2013年は宮崎駿監督 映画「風立ちぬ」、そして高畑勲監督 映画「かぐや姫の物語」が同年公開。

今作ではオリジナル楽曲を歌っていたアーティストも多数参加の豪華アルバム。DAISHI DANCE自身、アーティストとして活動する以前からジブリ作品の大ファンであり、同時に音楽を手掛ける久石譲の楽曲に大きな影響を受けていたと語っている。

いわばDAISHI DANCEの原点と言えるジブリ・サウンドを自らのフィールドであるダンスミュージックと、原曲、そしてジブリ作品の世界観を損なう事無く融合させる。

前作から5年、進化するジブリ作品を見、久石譲の新曲を聞いている内に、前作では収録しきれなかった名曲、また新曲の数々を、今だからこそ出来る、新たな「the ジブリ set 2」を制作したいとDAISHI DANCE自身思う様になったと。

「the ジブリ set 2」はメロディアスでドラマティックな定番のスタイル、現在進行形のダンスミュージックのトレンドを意識した“今らしさ”、そして 新たにメロウなビート構成と、3つの音楽性を織り交ぜる事でさらなる魅力を生み出す事に成功。

同時に前作で収録しきれなかった楽曲に加え前作で収録されていた楽曲も新たにリアレンジしコンパイル。さらには今回オリジナルのアーティストも参加するなど大幅にパワーアップ。

 

 

ジブリ set 2

1. 君をのせて (JPN ver.) feat.麻衣 (天空の城ラピュタ)
2. やさしさに包まれたなら feat.GILLE (魔女の宅急便)
3. カントリー・ロード (JPN ver.) feat.本名陽子 (耳をすませば)
4. 風のとおり道 feat.吉田兄弟 (となりのトトロ)
5. アシタカとサン (もののけ姫)
6. Arrietty’s Song feat.Cecile Corbel (借りぐらしのアリエッティ)
7. 帰らざる日々 (Mellow mix) (紅の豚)
8. 時には昔の話を feat.COLDFEET (紅の豚)
9. ひこうき雲 feat.arvin homa aya (風立ちぬ)
10. あの夏へ (Mellow mix) (千と千尋の神隠し)
11. さよならの夏~コクリコ坂から~ feat.Lori Fine(COLDFEET) (コクリコ坂から)
12. Take Me Home, Country Roads feat.arvin homa aya, SHINJI TAKEDA (Re-Visited SAX mix)  (耳をすませば)

 

Disc. DAISHI DANCE 『WONDER Tourism』

DAISHI DANCE WONDER Tourism

2012年11月14日 CD発売

DAISHI DANCE オリジナル・アルバムにて久石譲カバー1曲収録

舞台「祝典音楽劇 トゥーランドット」に書き下ろした劇中音楽
(DVD発売 サントラCD未発売)

同曲は「Destiny of Us (from Musical Turandot)」としてアコースティック・インストゥルメンタル・ヴァージョンがオリジナルアルバム『Another Piano Stories ~The End of the World~』に収録されている。

本作品では楽曲名も異なり、英語で歌われている。

 

DAISHI DANCE WONDER Tourism

15. Predestinate feat.麻衣

 

Disc. 久石譲 『二ノ国 白い聖灰の女王』 *Unreleased

久石譲 二ノ国 白き聖灰の女王

2011年11月17日 PS3用ゲームソフト発売

レベルファイブ×スタジオジブリ によるプレイステーション3用ゲームソフト「二ノ国 白い聖灰の女王」。先の2010年12月9日に発売された任天堂DS用ゲームソフト「二ノ国 漆黒の魔導士」からのシリーズ第2弾。単なるソフト移植ではない、新たなストーリー、新キャラクター、新マップの登場、とある。

 

メインテーマは、DS版よりもよりリズミカルなフルオーケストラになっている。あの壮大な冒険心をくすぐる響きに、躍動感がパワーアップした印象。

DS版サウンドトラックの『(14)バトル』も、より打楽器、パーカッション、管楽器が増え、スリリングな仕上がりになっているし、DS版サウンドトラックの『(6)シズク』は、お祭りの音頭を思わせる楽しい佳曲や、リコーダーをメインとした小編成、オルゴール風など、いろんなモチーフで登場する。

新録でいうと、おそらく麻衣であろう女声コーラスをフィーチャーした曲。女王のテーマなのか、妖しい魔法の世界が味わえる。その他、仲間や友情をテーマにしたような壮大なシンフォニー、ミニマルでより弦楽器の重厚な曲など、世界観に広がりと深みがプラスされている。

 

シンセサイザー制作、プログラミングされている曲も随所にあり、それは新曲もあれば、メインテーマのモチーフを編曲したものも登場する。おそらくこのあたりは久石譲ではない、別の方ではないか、と推測する。音楽に近藤嶺さんなど別の方のクレジットもある。

とりわけ、「天外魔境Ⅱ 卍MARU」のテーマを懐かしく思わせる、メインテーマと主題歌をモチーフに組み合わせたシンセサイザーアレンジには心が踊ったけれど。

 

DS版、PS3版とふたつ合わせて完結する作品だけに、音楽としてもサウンドトラックとしても、PS3版が発売されてほしいと熱望するが、久石譲名義の作品という前提からはしょうがないのかもしれない。新録・未発表曲、またその作曲・アレンジ、と複数のプロ職人が携わっていると思われる。

その証拠に、既発DS版サウンドトラック 「二ノ国 漆黒の魔導士 オリジナル・サウンドトラック」にもDS版ゲームで使用された全曲収録されていない。これもある意味では頷ける理由ではある。

なにはともあれ、誰がどんな役割分担であろうと、違和感なく見事に完成している世界観はすごい。もちろん主軸となる久石譲作曲のメインテーマや主要テーマ曲が素晴らしいからこそどんなアレンジが施されても、芯のあるぶれない世界観があるわけだけれども。そういった意味でも、垣根を越えて、この2作品の全曲を聴いてその世界に浸ってみたい。

「ファンタジー・冒険」というキーワードにおいては、ジブリ作品とはひと味違う遊び心やスリリング感、ハリーポッターのようなハリウッド大作にも負けない、音楽世界を堪能することができる。ジブリ作品の新作に触れたような、それであってジブリの枠から自由に飛び出したような、ファンとしてはこの上ないオイシイ思いを味わえる渾身の作品だと思う。

 

追記

久石譲名義のフルオーケストラによるサウンドトラック盤『Ni No Kuni: Wrath of the White Witch OST Original Soundtrack』は輸入盤のみで発売されている。DS版からバージョンアップした楽曲や新たに書き下ろした楽曲もほぼすべて収録されている。なお、シンセサイザー音源は収録されていない。いずれにしても、シンセサイザー楽曲は、久石譲のオリジナル版(オーケストラ)をモチーフにしたものが多いので、同サウンドトラックでその世界観は存分に味わうことができる。

 

 

久石譲 二ノ国 白き聖灰の女王

 

Disc. 麻衣 『麻衣』 

麻衣 『麻衣』

2010年12月15日 CD発売

久石譲の愛娘、麻衣。4際の時に、映画『風の谷のナウシカ』の中で、ナウシカ幼少時の回想シーンで流れる「ラン ラン ララ~」のメロディーを歌っていたのは彼女。その後も久石譲作品やハリーポッター作品などの活動を経て、オリジナルアルバム。久石譲が作曲・編曲を手がけているのは、(3) (9) (10)。

本作には収録されていないが、2012年1月からの中部電力CMにて自身が作詞作曲した「Dreamland」という曲が使用されている。中部電力公式サイトにて、同曲フルバージョンをweb限定公開している。

 

2015.4 追記
「Dreamland」は、セカンドミニアルバム『空みあげて』(2015年4月8日発売)に収録された。

 

 

麻衣 『麻衣』

1. 光の朝
2. 大きな木 ~The Giving Tree~ (キョーリン製薬グループCMソング)
3. I will be (日産スカイラインCMソング)
4. きみを守りつづける
5. 永遠の地へ
6. きみにわらい きみになく
7. 大地のはじまり
8. 月と宇宙ひっくり返っても
9. ウルルの唄 (映画「ウルルの森の物語」主題歌)
10. 心のかけら (RPGゲーム「二ノ国」(DS/PS3)主題歌)
11. 空の奇跡
12. Lullaby

「I will be」
作詞:麻衣 作曲・編曲:久石譲

「ウルルの唄」
作詞:麻衣 作曲・編曲:久石譲

「心のかけら」
作詞:鈴木麻実子 作曲・編曲:久石譲

 

Disc. SMAP 『We are SMAP!』

we are smap!

2010年7月21日 CD発売

SMAP 19枚目のオリジナル・アルバムへの楽曲提供。ラストを飾る「We are SMAP!」作曲・編曲を手がけている。作詞は爆笑問題の太田光という豪華コラボレーション。「シルク・ドゥ・ソレイユ クーザ日本公演イメージソング」にもなっている。

 

7分半にも及ぶ壮大な曲は、大きな世界観をもっている。おそらく2000年以降ほとんどポップスソングに携わっていないなか、久しぶりに生バンドやシンセ音源とフルオーケストラというアレンジの妙を聴くことができる。

壮大なダイナミックな曲ながら、かなり緻密に計算された音が散りばめられている。後半は子供たちによるコーラスも入り、さながら博覧会テーマソングのよう。ぜひ歌なしのインストゥルメンタル・アレンジヴァージョンを聴いてみたい作品。

 

we are smap!

16.We are SMAP! 作詞:太田光 作曲・編曲:久石譲

 

Disc. 麻衣 『ウルルの唄』

麻衣 『ウルルの唄』

2009年12月16日 Single CD発売

映画「ウルルの森の物語」主題歌

久石譲の娘・麻衣は、この曲でメジャーデビューを果たす。なおサウンドトラック盤収録の同主題歌は映画バージョンとなっており、このシングル盤とはアレンジが少し異なる。

また、DAISHI DANCE によるremix ver.もカップリングとして収録されている。原曲の雰囲気をそのままに、打込みリズムが加わったアレンジとなっている。

 

麻衣 『ウルルの唄』

1.ウルルの唄
2.最上級の勇気
3.ウルルの唄 (DAISHI DANCE “EXTENDED” remix.)
4.ウルルの唄 (Karaoke)
5.最上級の勇気 (karaoke)

「ウルルの唄」
作詞:麻衣 作曲・編曲:久石譲

「最上級の勇気」
作詞:麻衣 作曲:Tony Nilsson & 枚 編曲:田上修太郎

 

Disc. DAISHI DANCE 『the ジブリ set』

DAISHI DANCE the ジブリ set

2008年7月2日 CD発売

スタジオジブリの名曲をハウスアレンジ・カヴァー
久石譲の娘 麻衣が参加した「君をのせて」 (英語歌詞) 他
一度は聴いたことのあるナンバーが上品なハウスアレンジに

 

DAISHI DANCE the ジブリ set

1. 天空の城ラピュタ:君をのせて feat. 麻衣
2. 千と千尋の神隠し:あの夏へ
3. となりのトトロ:風のとおり道
4. おもひでぽろぽろ:The Rose feat. Lori Fine (COLDFEET)
5. 魔女の宅急便:海の見える街
6. ハウルの動く城:人生のメリーゴーランド
7. 風の谷のナウシカ:ナウシカ・レクイエム
8. 風の谷のナウシカ:風の伝説
9. もののけ姫:もののけ姫
10. 千と千尋の神隠し:いつも何度でも feat. Chieko Kinbara
11. 耳をすませば:Take Me Home Country Roads feat. arvin homa aya
12. となりのトトロ:となりのトトロ