Info. 2019/06/14 映画『海獣の子供』久石譲メイキングインタビュー 動画公開

映画『海獣の子供』の音楽を担当している久石譲。そのオフィシャル・メイキング・インタビューが公開されました。レコーディング風景をまじえながら、本作品について語っています。ぜひご覧ください。

 

映画『海獣の子供』 久石譲 メイキングインタビュー(JOE HISAISHI Making Interview) 約4分半

from TOHO Animation チャンネル Youtube

 

「やっぱりすごく絵がきれいだし。ストーリーを追って観たら、ああそういうものってなるんではなくて、ちょっと考えさせる部分がすごくある作品なんで。本質的には、いい意味でのファンタジーなんじゃないかなと思いますね。なので、こちらもわりとミニマルのスタイルで全部通してますんでね。そういう意味でいうと、あまり従来誰もやってない映画音楽の方法になってると思うから。基本的にね、映画音楽ってね、状況につけてるか心情につけるかどっちかなんですよね。僕両方ともやってない。主人公の気持ちも説明する気ないし、状況にもつける気ないし、すべてから距離をとる方法をとってるからね。むしろ、観てるお客さんのほうがこうイメージしやすい。ということは、音楽が「かなしいですよねえ」みたいなね、つまんないことは一切したくないんで。できるだけ今は距離とってますよね。音楽がちゃんと映像とついてきちんと共存していくにはね、そういうちゃんとした考え方もってないとつまんなくなりますよね。」

(ケーナの演奏場面)

「少し淡々としたい。なんかフリーに吹いてるような感じで隙間がほしいんだよね、ちょっとずつ。」

「今なんか、もうこういう電気機材がすごい発達してるから、もういくらでも細かくやってほとんど音楽がハリウッドでもそうですけど効果音楽になっちゃってるからね、効果音の延長になっちゃってるからね。そのてのつまんないものはね、やっても仕方がないんで。自分が想像してる以上に、世界はソーシャルメディアで変革されてきすぎっちゃってるんですね。そういうなかで結局、映画という表現媒体のなかで、アニメーションというものが持ってるものと、例えばゲームとかね、そういうものが持ってる力を、もう過小評価してはやっていけないだろうと。表現媒体に対する制作陣が昔のイメージで凝り固まって、作品とはこんなもんだっていうことで作っていくやり方が、もう時代に合わない。やはりアニメーションというのはある種の可能性があるわけだから、それをもっと若い世代の人とやっていく、あるいはその時に自分も今までの音楽のスタイルではないスタイルで臨む、今回みたいにミニマルで徹するとかね。そういう方法で新しい出会いがあるならば、これは続けていったほうがいいなあ、そういうふうに思います。」

「観る人のイマジネーションをきちんと駆り立てる。だからそれをアンテナを張ってればこれほどおもしろい作品はない。だからこれでたぶん1回観た2回観た、なんかそうするとちょっと別の景色が見えてきて。変に感情的に訴えかけてくるんではないんだけども、なんかそのなかで自分の感覚みたいなものが開放されたときに、ああこの映画に出会ってよかったって思える、そういう作品だと思います。」

(動画より 書き起こし)

 

 

映画『海獣の子供』
2019年6月7日公開

<CAST>
芦田愛菜 石橋陽彩 浦上晟周 森崎ウィン
稲垣吾郎 蒼井 優 渡辺 徹 田中泯 富司純子

<STAFF>
■監督/渡辺 歩 
■音楽/久石 譲 
■主題歌/米津玄師「海の幽霊」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
■キャラクターデザイン・総作画監督・演出/小西賢一 
■美術監督/木村真二  
■CGI監督/秋本賢一郎 
■色彩設計/伊東美由樹 
■音響監督/笠松広司 
■プロデューサー/田中栄子

<アニメーション制作>STUDIO4℃ 
<製作>「海獣の子供」製作委員会 
<配給>東宝映像事業部

<映画公式サイト>http://www.kaijunokodomo.com
<映画公式twitter>http://twitter.com/kaiju_no_kodomo

 

 

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