Disc. 久石譲 『天空の城ラピュタ サウンドトラック 飛行石の謎』

1986年8月15日 LP発売 25AGL-3025
1986年8月15日 CT発売 25AGC-2025
1986年9月25日 CD発売 32ATC-115
1993年12月21日 CD発売 TKCA-70227
2004年8月25日 CD発売 TKCA-72721
2018年11月3日 LP発売 TJJA-10012

 

1986年公開 スタジオジブリ作品 映画「天空の城ラピュタ」
監督:宮崎駿 音楽:久石譲

 

映画本編で使用されたBGMを収めたサントラ盤。挿入歌「君をのせて」も収録。「ラピュタ」は4chドルビーステレオを初めて採用した宮崎作品であり、音楽もそれにふさわしく、壮大なスケールの内容になった。1986年6~7月にかけて制作。

このアルバムのCDは、LP発売後1ヶ月少々経ってから新ジャケットで発売された。 ※下部ジャケット写真はCDデザイン

 

 

LAPUTA STUDIO MEMO

●6月20日(金)オールラッシュフィルム(セリフや音楽のない状態で編集されたフィルム)がほぼ完成。小雨が降り続く、深夜の東京・吉祥寺東映に関係スタッフを集めて映写された。映像のクオリティの高さに、一同息をのむ。

●6月23日(月)『ラピュタ』の制作をしている、スタジオジブリの近くにある喫茶店でBGMの本格的な打ちあわせ。3月に制作したイメージアルバム『空から降ってきた少女』をもとに、監督の宮崎駿さん、プロデューサーの高畑勲さん、音楽の久石譲さんが互いに意見を出し合って決めていく。1曲目からたちまち熱のこもった議論に。シータが捕らわれている飛行船に、海賊たちのフラップターが急襲するシーンに、音楽をつけるのかどうか、それはどんな曲か。熱論2時間、結局この曲は最後にもう一度話し合うことになった。午後4時から場所をジブリ第2スタジオ(実は仮眠室)に移して、深夜まで打ちあわせが行われた。

●6月24日(火)久石さんのワンダーステーション(スタジオ)にてレコーディング開始。「今回は徹底して絵の動きと音楽の流れを合わせることにこだわりたい」と久石さん。ラッシュフィルムのビデオをもとに、絵の動きのポイントの秒数を正確にチェック。『フェアライトIII』というスーパーシンセサイザーにデータを入れて、ベースとなるリズム体を作っていく。タイガーモス号の見張台にいるパズーとシータの曲からスタート。

●7月2日(水)連日徹夜の日が続く。海賊たちとスラッグ渓谷の親方との力くらべのシーンの曲を録る。絵のユーモラスな動きと完全に一致した曲に。楽しいシーンになりそう。

●7月7日(月)作品の最後に流れるテーマ曲『君をのせて』のボーカル録り。イメージアルバムの曲『シータとパズー』のメロディを生かした曲。作詩も宮崎さんとあって、作品にぴったり合ったテーマ曲に。井上杏美のそんだ越えがスタジオに響く。

●7月8日(火)日活スタジオでオーケストラ部分の録り。録るシーンごとに絵をスクリーンに映し、見て感じをつかんでもらってから、レコーディング開始。日活スタジオはじまって以来という総勢50名近くの大編成オーケストラの響きはさすが!

●7月10日(水)クライマックスで使用される児童合唱を録る。『ナウシカ』では4歳の女の子の歌った曲が話題になったが、今回は、杉並児童合唱団の30人の女の子を起用。3声にアレンジされた『シータとパズー』のメロディを歌う。

●7月12日(土)それぞれに録った音をひとつにまとめ上げる作業、トラックダウンを行う。最後まで課題として残っていた、作品の冒頭、フラップターの急襲シーンの曲を入れることに決定。あとはセリフや効果音とのダビング作業を待つばかりとなる。公開まであと1ヵ月弱、『ラピュタ』は4チャンネルドルビーサウンドで公開される。迫力あるラピュタサウンドが楽しめるはずだ。

●『ナウシカ』のサントラ盤を出した時、もう一度『ナウシカ』に、宮崎駿さんに会いたいと書いた。そして今、こうして『ラピュタ』のサントラをお届けできることを大変うれしく思う。あれから2年、自然と人間の調和の中に人間の未来を指し示した『ナウシカ』の叫びが起こした、様々な反響とは裏腹に世相はますます荒れすさんでいくように思える。「おとなから子どもまで、けなげにも非人間的なデジタル的なものにむりやり適応しようと涙ぐましい努力をしている現在、あらゆる面でアナログ的なものこそ人間的であると信じ、徹底してその復権を作品世界の中でめざす熱血漢・宮崎駿の、これは現代人全体への友愛の物語」(企画書の高畑さんの文章より)。という、『ラピュタ』のコンセプトは、このアルバムにも生かされている。そのサウンドに心安らぎ、胸ときめかせてほしい。 (渡辺)

(ラピュタ・スタジオ・メモ ~CDライナーノーツより)

 

 

天空の城ラピュタ LP 復刻

(LPジャケット)

 

 

「君をのせて」井上あずみ

1998年3月25日 CDS発売 10ATC-162

天空の城ラピュタ 君をのせて

(CDSジャケット)

 

1.君をのせて /井上あずみ
2.合唱 君をのせて /杉並児童合唱団

 

 

以降、Track.3に「君をのせて(カラオケ)」が追加収録されている。

2000年4月26日 CDS発売 TKDA-71925

(CDSジャケット)

 

1.君をのせて /井上あずみ
2.合唱 君をのせて /杉並児童合唱団
3.君をのせて (カラオケ)

 

 

2004年にはマキシシングルとして再発売されている。

2004年10月27日 CDS発売 TKCA-72755

(CDSジャケット / CD盤)

 

1.君をのせて /井上あずみ
2.合唱 君をのせて /杉並児童合唱団
3.君をのせて (カラオケ)

 

 

 

映画「風の谷のナウシカ」から「魔女の宅急便」までの主題歌・挿入歌を集めたオムニバスCDには、歌曲版とカラオケ版が各楽曲収録されている。

Disc. V.A. 『アニメージュ・ヒットソング ヴォーカル&カラオケ』

 

 

 

「そうなんです。明るくて、しかも胸にジーンとくるような良さを持った曲というのは、なかなか作れませんからね。しかし、今回はそれにどうしても挑まなければならなかったと思います。それと、音とイメージは、あくまでもアコースティックにいこうと、はじめから考えました。『アリオン』の場合は、音のサンプルの数がひじょうに多かったわけで、この『ラピュタ』ではむしろシンプルなアコースティックの音が中心になっています」

「ただ密度そのものはかなり濃いんです。というのは、実際に映画用の音楽を書くまえに、イメージアルバム(『空から降ってきた少女』)を作っているでしょう。だから、高畑さんの頭にも、ぼくの頭にも、そのイメージアルバムのメロディが鳴っているわけです。たとえばこのシーンではあのテーマ、あのシーンには別のテーマ、というように、きわめて具体性があるんですね。おたがいにそのメロディを鳴らしながら、打ちあわせをしていくわけです。たぶんこんなことは、他の誰もやっていないでしょう。それだけレベルの高い打ちあわせなわけです。だから『ラピュタ』の音楽は、いわば二段階をへて書かれていったわけですね」

Blog. 久石譲 「天空の城ラピュタ」 インタビュー ロマンアルバムより 抜粋)

 

 

「天空の城ラピュタ」の「君をのせて」は、最初、久石譲さんが歌われたデモテープを聴かせていただいたんですが、温かくて広がりのあるすてきな歌だと思いました。オーディションだったので、「絶対この曲を歌いたい!」って心から願いました。レコーディングのとき、宮崎駿監督に「自由に歌ってください」と言っていただいたことで気持ちが楽になったのを覚えています。完成披露試写会で作品を見たんですけど、どこで流れるのかを知らされてなくて、いつまでたっても流れてこないので、「使われなかったのかな…」って思っていたらエンディングで流れてきたんですよ。映画の感動もあって、号泣しました。

Blog. 「別冊カドカワ 総力特集 崖の上のポニョ featuring スタジオジブリ」(2008) 久石譲インタビュー内容 より抜粋)

 

 

 

久石譲の会心作

『ナウシカ』のケースと同じく、本作の音楽担当も当初は久石譲ではなかった。久石は『ナウシカ』のスコアで各界の絶賛を浴び、澤井信一郎監督の『Wの悲劇』(84年)『早春物語』(85年)、蔵原惟繕監督の『春の鐘』(85年)など多くの映画で音楽を担当していた。『ラピュタ』準備中には、86年4月公開の映画『アリオン』(安彦良和監督)を手掛けており、『ラピュタ』を担当することは実質的に不可能と思われた。しかし、宮崎はあくまで久石を希望した。久石は宮崎の信頼に応え、86年2月までに『ラピュタ』を担当することを決断した。宮崎・高畑が久石に伝えたコンセプトは「子供たちに向けて今何を残さなければならないか」。宮崎の構想に久石は、アイルランド民謡の持つ五音音階の素朴な響きを重ね見て「イメージアルバム」の作曲に臨んだ。そこには次のような決意があった。「僕にとって是が非でも素晴らしい作品を創らねばならないという無言のプレッシャーが、録音の最中、毎日襲って来ました」

「イメージアルバム」のトラック・ダウンはロンドンで行われた。模索状態であった『ナウシカ』の「イメージアルバム」には劇中で使用されない曲もあった。しかし、より高い完成度を目指した『ラピュタ』では、無駄な曲はひとつもなかった。効果音的構成の「竜の巣」を除き、全曲がアレンジされて劇中で活用された。

『ナウシカ』同様、「イメージアルバム」に続いて「シンフォニー編」 も制作された。久石の構想は当初からフルオーケストラによる演奏が主軸であった。演奏は東京シティフィルハーモニックオーケストラの総勢60名、録音は85年10月25日、26日の2日間で行われた。「イメージアルバム」の各曲はスケールアップされ、大作にふさわしい仕上がりとなっていた。

そして、本番用音楽の作成が開始された。久石はシーンと音楽の完全な一体化を心がけ、初めて0.1秒単位の緻密な音楽設計に挑戦した。この結果、鉱山町での大喧嘩、軽便鉄道の追っかけ、要塞からのシータの救出など、長いシーンに途切れることのない音楽を作り上げた。特にシータ救出のくだりは、フラップターで疾駆するパズーとドーラー家、ロボット兵とシータ、ムスカと軍という三者三様の異なるモチーフを場面毎に切り替えて作曲し、見事に作品を盛り立てている。輝く飛行石のキャラキャラ…というシンセサイザーの効果音混じりの音楽、ラピュタ崩壊時に流れる杉並児童合唱団の少女30人による「パズーとシータ」も印象深い。

一方、久石・宮崎・高畑の間で解釈が異なり、議論で衝突したシーンもあった。まず、導入部の旅客船襲撃シーンについて、高畑は音楽なしを提案したが、久石は「入れたい」と希望。結局入れることに決まり、ギリギリの7月中旬に曲が書かれた。これとは逆に、ムスカがドームから軍の兵士を落下させる残酷なシーンについては、宮崎から「音楽を」と要請があったが、久石が「残酷さが強調された方が、シータとパズーの優しさや人間愛が胸を打つ」と音楽ナシを主張し、これが通った。ラピュタ崩壊シーンで流れる少女の合唱についても、高畑は「途中で止めるべき」、宮崎は「流し続けたい」と論議があったというが、高畑案が通ったようだ。

総じて本作の音楽は、久石が「これ以上のものは出来ない」と自画自賛するほどの出来栄えであった。

本編には主題歌は使われない予定であった。しかし、高畑は、観終わった観客に「宝を求めて行ったんだけれど、宝は手に入らなかった。かわりに何を手に入れたんだろう…」と和やかな気持ちで映画を反芻してもらいたい、そのためには歌があった方がいいのではないかと提案。急遽、高畑日く「映画全体と有機的に結びついた」主題歌制作が決定した。

高畑は宮崎に作詞を要請。曲は、「イメージアルバム」収録の「パズーとシータ」を元に中盤のサビを加えるよう久石に依頼した。高畑は久石と共に、メロディに合わせて助詞を添削してこれを補作し、主題歌「君をのせて」が出来上がった。レコーディングは86年7月7日であった。余りにもギリギリに完成したため、公開時にはシングルレコード発売は間に合わず、「サウンドトラック」に収録される形となった。

 

(書籍「宮崎駿全書」より 抜粋)

*以後のUSA盤サウンドトラックについての記述は省略

 

 

 

久石:
「ナウシカ」をやった直後に同じ徳間で「アリオン」ってアニメーション大作やったんですよ。その音楽を担当してたから、「ラピュラ」を作ってるのは知ってたけど、まあ自分はないなあと100%諦めてました。

鈴木:
当時宮崎駿には久石譲という考えはなかったですね。それはラピュタによって決定づけられるんですよ。いろんな人の作品をもう一度聴き直して、結果久石さんしかいないと。高畑さんがおもしろいこと言ったんですよ、「宮崎駿と久石譲は似てる」って。「二人とも熱血漢、すごい率直、すごい無邪気ですよ」って。意外にいなんですよ、謳いあげてくれる人って。それはいろいろ聴いてよくわかりました。

久石:
「ラピュラ」の時すごく考えてたのは、音楽的にまとめたオーケストラベースのものをできたらいいなあと。ただあの曲がメインテーマになるとは思わなかった。一応もうちょっと違ったやつを作ったはずなんですが、こういうのもあっていいやと夜の23時半ぐらいから20分ぐらいで作った曲。それで渡したら、これをメインテーマにしましょうと。あれぇ、全部ひっくり返ったぞと、そういう記憶があります。だからその「君をのせて」はメロディが先にあった曲。それに宮崎さんの言葉を当てはめていく作業。そこに足りない言葉を補っていく、これは僕と高畑さんとでやった。あの作業はとても楽しかったですよね。

鈴木:
これが主題歌になるとは思ってなかったですよね。とはいえね、宮崎のメモは大きいんですよ。あの地平線~ でしょ。高畑さんに言われてなるほどと思ったのはね、「わかります?鈴木さん。あの地平線、要するに目線がもう空にいる」って。多くの人は地上から空を見上げる。ところが宮さんの詩は、もう自分が空の上にいてそれで語ってる、それを中心にすれば歌になりますよって。なるほどおと思ってね。

久石:
「たくさんの灯が」っていうのが、まあ普通は言わないんですよね。プロの作詞家では絶対に書けない言葉。宮崎さんの言葉にはいつもそういうのがいっぱいあって、それが曲をかたちづくってる原点にはなってます。

Blog. NHK FM 「今日は一日”久石譲”三昧」 番組内容 -トーク編- より抜粋)

 

 

久石譲 『天空の城ラピュタ サウンドトラック』

1.空から降ってきた少女
2.スラッグ溪谷の朝
3.愉快なケンカ(~追跡)
4.ゴンドアの思い出
5.失意のパズー
6.ロボット兵(復活~救出)
7.合唱 君をのせて (合唱/杉並児童合唱団)
8.シータの決意
9.タイガーモス号にて
10.破滅への予兆
11.月光の雲海
12.天空の城ラピュタ
13.ラピュタの崩壊 (合唱/杉並児童合唱団)
14.君をのせて (歌/井上あずみ)

サウンドプロデュース・作曲・編曲・演奏:久石譲

レコーディングスタジオ:ワンダーステーション、日活スタジオセンター

 

Castle in the Sky (Original Soundtrack)

1.The Girl Who Fell From the Sky
2.Morning in the Slag Ravine
3.A Rowdy Brawl (- Pursuit) 
4.Memories of Gondoa
5.Discouraged Pazu
6.Robot Soldier (Resurrection – Rescue) 
7.Carrying You – Chorus Version
8.Sheeta’s Decision
9.On The Tiger Moth
10.An Omen to Ruin
11.A Sea of Clouds in the Moonlight
12.Castle in the Sky
13.Destruction of Laputa
14.Carrying You

 

Le Chateau Dans Le Ciel
(France, 2003) 9102424

1.La Jeune Fille Tombée du Ciel
2.Un Matin Dans la Mine
3.Poursuite
4.Mémoires De Gondoa
5.Pazu Découragé
6.Le Robot-Soldat (Résurrection & Sauvetage) 
7.Tandis Qu’elle T’emporte  (par le Choeur des Enfants de Suginami)
8.La Décision De Sheeta
9.A Bord Du “Tigre Papillon”
10.Le Présage Des Ruines
11.La Mer Des Nuages Eclairée Par La Lune
12.Le Château Dans Le Ciel
13.L’Effondrement de Laputa  (par le Choeur des Enfants de Suginami)
14.Tandis Qu’elle T’emporte  (par Azumi Inoue)

 

천공의 성 라퓨타 Original Soundtrack
(South Korea, 2004) PCKD 20162

1.하늘에서 떨어진 소녀 
2.슬래그 계곡의 아침 
3.유쾌한 소동 (~추적) 
4.곤도아의 추억 
5.실의에 빠진 파즈 
6.로봇 병사(부활~구출) 
7.합창 너를 태우고 (합창/스기나미 아동합창단) 
8.시터의 결의 
9.타이거모스호에서 
10.파멸의 조짐 
11.월광의 운해 
12.천공의 성 라퓨타 
13.라퓨터의 붕괴 (합창/스기나미 아동합창단) 
14.너를 태우고 (노래/이노우에 아즈미)

 

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