Posted on 2013/08/22
1991年公開 映画「福沢諭吉」
監督:澤井信一郎 音楽:久石譲 出演:柴田恭兵 他
たまたまDVD化されていたのを発見したので鑑賞しました。というのも、この作品サウンドトラックが発売されていないからです。映画もVHSでは当時発売されていたようですが、今となっては・・。時を経て2008年にDVD化されていたようです。
実はこの映画のメインテーマ曲だけは、「B+1 映画音楽集」という、久石譲が音楽を担当した映画のなかから未発表音源だけを集めたアルバムで聴くことができます。
本編でもそのメインテーマである「Dear Friends」と後半にかけての重要なシーンで流れる「The Fatal day」です。映画全体を通しては、メインテーマ「Dear Friends」とそのモチーフ曲が大きなウェイトを占め随所で聴くことができます。もちろんこの2曲以外にも劇中音楽はありますが、シーンごとに合わせた音楽が多いため、やはり主要な曲はこの2曲でした。
幕末から明治にかけての時代背景にも関わらず、いい意味でまったく時代劇音楽にはなっていません。それは、その時代を生きた福沢諭吉という人物、また同じようなこれから来るであろう新しい時代を切り拓いた人たち、未来への希望を胸に、世界や時代という大海原を航海していく人たち、そんな壮大なメインテーマ曲になっています。明るい光と希望、そして迫りくる波や風と立ち向かいながら冒険に向かう船、そんなイメージをかき立てられる曲です。
近年のフルオーケストラサウンドとは違って、この時代につくった久石譲の映画音楽はシンセサイザーがメインです。ピアノとシンセサイザーが絡み合う絶妙なアレンジ、リズムが前面に出たシンセサウンド、対照的な叙情的なメロディー、今聴いても、また今だからこそ、とても新鮮な響きがします。
上のような音楽的特徴は、「B+1 映画音楽集」に収録されている他の映画作品でも聴くことができる貴重なアルバムです。ぜひ気になった方は聴いてみてください。
こちら ⇒ Disc. 久石譲 『B+1 映画音楽集』