Posted on 2025/08/15
2025年8月14日、世界最大級のクラシック音楽祭・BBCプロムスに久石譲が初出演しました。毎年夏に開催される約8週間にも及ぶ音楽イベントです。
久石譲がコンポーザー・イン・アソシエーションを務めるロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団とともに3作品をプログラムしています。日本からもBBC Radio3で視聴することができました。
BBC Proms: Joe Hisaishi and Steve Reich
[公演期間] 
2025/08/14
[公演回数]
1公演
ロンドン・ロイヤル・アルバート・ホール
[編成]
指揮:久石譲
管弦楽:ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
カウンター・テナー:ジョン・ホリデー
合唱:BBC Singers, National Youth Voices, Philharmonia Chorus
[曲目]
久石譲:Symphonic Suite The Boy and the Heron for piano and orchestra
交響組曲「君たちはどう生きるか」 ※ヨーロッパ初演
久石譲:The End of The World
—-intermission—-
スティーヴ・ライヒ:砂漠の音楽
[参考作品]
2025.08.22 update
ロイヤルフィル公式、公演風景写真を3枚追加しました。
2025.08.16 update
ロイヤルフィル公式、ロイヤル・アルバート・ホール公式、公演風景写真を13枚追加しました。
久石譲 in ロンドン



*リハーサル風景動画もあります
from 久石譲本人公式インスタグラム
https://www.instagram.com/joehisaishi_composer/
リハーサル風景





from ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団公式X(Twitter)/Facebook/Instagram
https://x.com/royalphilorch
https://www.facebook.com/royalphilharmonicorchestra
https://www.instagram.com/royalphilorchestra
Joe Hisaishi on his debut at the BBC Proms(約4分半)
from Royal Philharmonic Orchestra 公式YouTube
*同動画はロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団公式Facebook/Instagram および 久石譲公式インスタグラムでも公開されています
Text
久石譲です。ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団のコンポーザー・イン・アソシエーションを務めています。
そうですね、今年の夏、RPO(ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団)と日本と韓国のツアーをしたりとか、それから今回のBBCプロムスでやる楽曲なんかもそうなんですが、第二次世界大戦後で今年がちょうど80年になります。それでその80年ということもあって「The End of The World」とスティーヴ・ライヒさんの「砂漠の音楽」というのを2曲一緒にプロムスで演奏しますが、「The End of The World」は9.11の世界貿易センタービルの後、9.11が起こった後ニューヨークの跡地に行った時にやっぱりいろいろ衝撃を受けて、何かこれ21世紀は違った時代に突入するんじゃないかという予感があって、それを当時はチェロ12人と自分のピアノのコンサートツアーがあったんで、それのためにまず作曲したんですね。三楽章か。後にジャズのスタンダードナンバーに「The End of The World」というのがあります。この「The End of The World」というのは、”なんで太陽は照ってるんだろうか?”それから”なんで岸に波が押し寄せているんだろうか?”ってね。”あなたに愛されてなかったら世界は終わる”というラブソングだったんですが、この場合の一人称のラブソングの”あなたに”を”あなたがたに”とかそう捉えていったときに、これってとても大きい人類の曲になるんじゃないかと思って。でこの曲を最後に入れて、でもう一曲足して合計5楽章からなるある種シンフォニーにしたのがこの「The End of The World」です。二曲カウンターテナーのヴォーカルが入ります。
「砂漠の音楽」は単に砂漠ではなくて、これは原爆の実験した場所であるアメリカの実験場の砂漠の意味なんですね。そうすると、これもある意味で戦争に関わった作品になってしまうわけですね。そういう意味で言うと、スティーヴ・ライヒさんも非常に僕が演奏した「砂漠の音楽」を気に入ってくれて、それで彼からのメッセージでも「第二次世界大戦後80年に原爆を作った国の作曲家が書いた曲を、落とされた国の作曲家・指揮者が演奏する。これはとてもある種の縁があるというか意味のあることではないか。運命を感じる」というようなことを言っていただいた。僕も本当にそう思う。それをこのRPOという素晴らしいオーケストラとね、おそらくプロムスでも「砂漠の音楽」のような難しい曲は演奏したことたぶんないと思うんですね。それを今回一緒にチャレンジできるのは大変嬉しいことだし、今後ともRPOとは作曲家であり指揮者である自分と優れたオーケストラであるRPOとでしかできない仕事をたくさん一緒にやっていきたいと思っています。
(動画より書き起こし)
公演風景







from ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団公式Facebook/Instagram
*同投稿は久石譲本人公式インスタグラムでも公開されています



from ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団公式X(Twitter)








from BBC Radio3 Official Instagram
https://www.instagram.com/bbcradio3/
*同投稿はロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団公式Instagram および 久石譲公式インスタグラムでも公開されています






from Royal Albert Hall Official Instagram
https://www.instagram.com/royalalberthall
現地メディアレビュー
Royal Philharmonic Orchestra/Hisaishi review – frothing strings and quacking brass as Studio Ghibli’s composer debuts

出典:Royal Philharmonic Orchestra/Hisaishi review – frothing strings and quacking brass as Studio Ghibli’s composer debuts | Classical music | The Guardian
https://www.theguardian.com/music/2025/aug/15/royal-philharmonic-orchestra-joe-hisaishi-review-royal-albert-hall-london-studio-ghibli





