Disc. 久石譲 『アリオン イメージアルバム -風・荒野-』

1985年10月25日 CD発売 32ATC-105
1985年10月25日 LP発売 25AGL-3013
1985年10月25日 CT発売 25AGC-2013

 

1986年公開 映画「アリオン」
監督:安彦良和 音楽:久石譲

 

久石さん-温い音の語り部

久石さんはサウンドで物語を描く天才だと思う。音痴の僕にはよく判らないが、ちょっと他にはないよという位の、そのくらい大変な人なのではないかと思う。

数年前、喘息の発作で死んでしまった学生時代からの友人がブラリと僕の家にやってきた時に、その奥さんが小意気にウォークマンで聴いていたのがヴァンゲリスのシンセ・ナンバーだった。ちょいと拝借して瞬間に「ギリシャ」を感じ、拙作の「アリオン」に音を乗せるなら”これだ!”と思った。ただし、そんな機会に実際に出会えるかどうかは、まったく意の外にあった。

久石譲さんという人に、最初にお会いしたのは確か2年前の初秋の頃である。「アリオン」の2枚目のアルバムをどうか…ということで、徳間の事業部の方々と御同道で、わざわざ所沢の僕の仕事場を訪ねてこられたのだった。この時はマズイ行きちがいがあって、僕には大体その気がなかったものだから、文字通りの御足労に報いることが出来ず、出会いもそれっきりになってしまった。

この時に久石さんが「ナウシカ」のイメージアルバムに着手されていることを聞いた。そして本編「ナウシカ」の曲世界が、同じ久石さんの作であることは、観劇の後で知った。

久石さんの印象は2年前も現在も、「らしくない音楽家さん」である。ふっくらとした優しい風貌も、手土産を下げて汚ないアニメスタジオを訪ねてくれる気さくさも、全く、僕などが持っていた「音楽作家(ミュージシャン)」のちょっぴり気どったイメージとはかけはなれている。多分久石さんは、あれこれ営業用の顔や所作のなんかを、もともと必要としない人なのだろう。ただひたすらに真摯な、「音の作家」そのものの人なのだろう。

失礼かなとは思いつつ、メインのイメージにはヴァンゲリスへのこだわりをサジェストした。素朴で、美しくて、物語性を感じさせるものを…と。僕の注文はいつもながら舌っ足らずな、つたないものだった。

出来あがった曲はキャンペーンの旅先で聞いた。僕は一ぺんに幸せになった。

出会いはちょっぴりマズかったけれど、久石譲という人をしることの出来た喜びを、僕は今、しみじみかみしめている。

原作・監督/安彦良和

(CDライナーノーツ より)

 

 

1. 前奏曲(プレリュード)
2. 風・荒野(メイン・テーマ)
3. セネカ
4. 海の軍団
5. 運命の糸
6. 魔宮
7. レスフィーナ
8. 輝く大地-土と祭り-
9. 輝く大地-オリンポスへ-
10. 風・荒野(エンディング・テーマ)

プロデューサー:久石譲
音楽・演奏:久石譲

歌唱:佐藤ひさら・杉野正隆

録音スタジオ:WONDER CITY STATION , SUNRISE STUDIO

 

Disc. V.A. 『機甲創世記モスピーダ ラヴ、ライヴ、アライヴ』

1985年9月21日 LP発売 JBX-25071
1985年9月21日 CT発売 VCK-6154
1985年9月21日 CD発売 VDR-1086

 

1983年 フジテレビ系アニメ放送 「機甲創世記モスピーダ」
音楽:久石譲

放送期間:1983年10月2日~1984年3月25日
放送時間:毎週日曜日9時30分~10時(関東地区)
放送局:フジテレビ系
放送話数:全25話

 

 

(LPジャケット)

 

1.マインドツリー
2.ミッドナイト・ライダー
3.クラップ・クラップ・クラップ
4.デビルズ・アイ
5.ブルー・レイン
6.やっつけろ!
7.愛・夢中
8.クリスタル・モーメント
9.ハート・ウェイヴ
10.心の星
11.荒れ野へ

 

Lyrics: Asa Akane (1 to 4, 6, 7, 9 to 11), Jin Haneoka (10)

Composed: Joe Hisaishi (1 to 4, 6 to 10), Yukihide Takekawa (5), Hiroshi Ogasawara (11)

Arranged: Joe Hisasihi

Performed: WHILE ROCK BAND (1 to 4, 6, 8-11), Mine Matsuki (7), Jin Haneoka (10)

 

Disc. 風間杜夫 『東京さみしがり屋』

1985年9月21日 EP発売

 

シングルEPとして発売され、A面/B面 両楽曲の編曲を久石譲が担当している。なお同2曲をふくむオリジナル・アルバムは1985年11月21日LP発売されている。2009年CD化され再リリースされている。(2009/8/24発売)

 

東京さみしがり屋 風間 2

(EPジャケット)

 

風間杜夫 淋しがり屋 LP

(LPジャケット)

 

風間杜夫 淋しがり屋 CD

(CDジャケット)

収録曲 (LP/CD)
1. 聖夜~Holynight
2. 瞳物語
3. 蒼いエンド・マーク
4. スロー・ダンスでさよならを
5. もう一度ジュテーム
6. 東京さみしがり屋
7. 雨のヒマワリ
8. Lonely Love Affair
9. 恋をなぞれば
10. 風の紋章

 

 

東京さみしがり屋 風間 2

1.東京さみしがり屋
作詞:井上陽水 作曲:井上陽水 編曲:久石譲
2.雨のヒマワリ
作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:久石譲

 

Disc. 久石譲 『早春物語 オリジナル・サウンドトラック』

久石譲 『早春物語 オリジナル・サウンドトラック』

1985年9月1日 CD発売 32DH-205
1985年9月1日 LP発売 28AH-2005
1985年9月1日 CT発売 28KH-2005
1985年7月25日 CD発売 CPC8-3007

 

1985年公開 映画「早春物語」
監督:澤井信一郎 音楽:久石譲 出演:原田知世 他

 

17歳の少女が中年サラリーマンに寄せるほのかな想い…。
少女が大人のふりをすればする程、なんだか滑稽に写る。少女の揺れ動く心を久石譲が、オープニングで叙情的なメロディーを聴かせてくれる。原田知世が歌う『早春物語』『星のデジャ・ヴ』も収録。

(CD帯解説より)

 

 

有意義な成果を残した澤井信一郎&久石譲のコンビ第2作

赤川次郎が原田知世のために書きおろした小説を映画化した『早春物語』(1985)は、中年の商社マンに惹かれて揺れる17歳の女子高生を描いた青春映画だ。監督デビュー作『野菊の墓』(1981)で松田聖子の、『Wの悲劇』(1984)で薬師丸ひろ子の新たな魅力を引き出した澤井信一郎が、全幅の信頼の下、演出を任された。初公開時の同時上映作品は、つかこうへい原作&脚本による『二代目はクリスチャン』(1985・井筒和幸監督)だった。

鎌倉に住む沖野瞳(原田知世)は写真部に所属する17歳の女子高生。春をテーマに写真を撮り歩いていた彼女は、ある寺の桜の木の前で商社マンの梶川(林隆三)と知り合い、好意を抱く。ところが、彼はかつて今は亡き母親と付き合っていた男であった。母親の旧友から「母は捨てられた」と聞いた瞳は、梶川をわざと母親との思い出の地へ連れて回る。だが、憎しみの一方で、瞳の心は梶川への熱い想いにも揺れていた…。

思春期の少女を追うカメラはゆるやかな動きの長回しに終始し、その長いワンカットの中に物語の空気を的確に刻んでいく。一見淡々と展開するドラマも、やがて独特のリズムを生み、さりげなくも情熱的な高まりをほとばしらせる。原田知世のアイドル性とドラマの厚みを一体化させた澤井の演出は見事の一言に尽き、あらゆる方面からの高い評価も文句のない一本となった。朴訥とした田中邦衛や初々しい仙道敦子に加え、前作『Wの悲劇』でデビューした高木美保が商社の受付嬢でチョイ役出演。さらにうれしく映るのは、スタッフ陣に撮影担当の仙元誠三共々、久石譲が音楽担当に呼ばれていることだろう。

澤井と久石は『Wの悲劇』で初めて顔を合わせた。すっかり意気投合した二人は、続く『早春物語』を経て『めぞん一刻』(1986)、『恋人たちの時刻』(1987)、そして『福沢諭吉』(1991)へと共同作業を進めるに至る。監督第1作『野菊の墓』では菊池俊輔と組んでいる澤井だが、以後の関連を見るだけでも、いかに久石とのコンビが居心地のよいものだったかが知れようか。クレジットだけを頼りにしても、『Wの悲劇』では単なる音楽担当の名前だった久石が、この『早春物語』では音楽監督とうたわれている。より良い環境が作曲者に設定させたという点で、その信頼の幅がうかがわれるというものだ。

『早春物語』について、久石は自伝的エッセイ『I am/遙かなる音楽の道へ』(1992・メディアファクトリー刊)で、まず以下のように述べている。

「高校生ぐらいの年頃というのは(中略)自分がもつべき価値基準を手探りで体験していく時期なのだ。これは好き、あれは嫌い、これは許せる、あれは許せない、今までの無垢な自分というものが通じない世界が、彼に、あるいは彼女に突き付けられる。こういう初めて価値観に目ざめる時というのは、とてもドラマチックだと思う」。

前作『Wの悲劇』よりも主人公の年齢が下がったことへの感想を交え、作品の方向を論じる久石は、少女の心の揺れ、移ろいについて前向きなアプローチを考えていたと見ていい。つまり、より青春映画としての核心に迫る音楽を構想していたのではないか。

「傷ついた自分を大切にして、これからもずっと闘っていこうとする姿勢、それが僕はとても好きなのだ。そういう姿の人たちに出会うと、応援したくなってしまう。すべての人にとって、いちばん美しい部分なのだから」(前述自伝より抜粋)。

そうして生まれたメロディー群は、ある種のセンチメンタルを抱えながら、時に叙情性と軽妙なリズムも兼ね備えて、作品に清涼感を与えることになった。すなわち、それらは主人公、沖野瞳のもう一つの姿でもある。ストリングスや木管、ピアノ、ハープによるアコースティック音もあるが、基本的には久石が『風の谷のナウシカ』(1984)で使い始め、それ以後、彼の映画音楽の仕事で最強の手兵となっているサンプリング・マシン、フェアライトの音色がほとんどを占めているといっていい。

特に印象的に聴こえてくるのはオープニングだ。鎌倉の海から主人公の通う高校へと俯瞰図で追う映像に、螺旋を描くような効果音ともとれるサウンドが響く。自伝によると、メロディーに納得しつつも「何かが足りない」という澤井監督に、それでは「鷗(カモメ)の飛び立つような音を入れようと思った」結果できたのがそのメインテーマの冒頭部だという。その正体は「拍子木とかシンセサイザーの高音とか、さまざまな音をサンプリングしたものを、ランダムに打ち込んで一斉に鳴らしてみた」ものだと続けている。「澤井さんという人は新しいものが大好きで、これにはとても喜んでくれた」とも記されている。興味深いエピソードだ。

澤井が新しいものに対して敏感であることは、例えば『めぞん一刻』を見ても瞭然だ。エスニックな音楽がちりばめられた中、いきなり始まるミュージカル・シーンは感覚の新しい人、もしくは音楽に対して柔軟な対応をとれる人でなければ撮れない。それゆえの青春映画の名手という逆説も成り立つのだろう。学生時代より音楽の実験にいそしんできた久石にとって、オーソドックスな作風ながら”遊び”を任せてくれる澤井信一郎という監督の存在は、やはり大きかったといえる。後に、大林宣彦、北野武といった実写畑の監督たちの作品でブレイクしていく作曲者の素地は、澤井作品にできあがっていたのではないか。その意味で恩人ともいえる澤井を、久石は自伝で「いちばん上の兄貴のような感じだ。いかにも毅然とした、なにもかも仕切る長男風で、それでいて弟思いの優しさがある」と評している。大林宣彦はすぐ上の兄さんという感じらしい。なるほどである。

実はハーモニカの名手でもあったりする澤井は、現在のところ”弟”との”遊び”を控えている。80年代に比べ、長野パラリンピックの総合プロデューサーを務めるなど、ぐっと有名人になってしまった感のある久石にはどこか照れでもあるのか。有意義なコンビ第2作『早春物語』の成果を見るにつけ、そろそろ新しい共同作業が見たいところだ。

久石譲は1950年12月6日、長野県は信州中野生まれ。4歳のころからヴァイオリンを、高校で作曲を学び、現代音楽の道を極めるべく国立音楽大学へ入学。在学中に数多くの前衛音楽の演奏会を開き、卒業後はより実験性の高いミニマル・ミュージックの方向へ手を伸ばしていった。やがて現代音楽の分野で行き詰まりを感じると、ポップスのフィールドへ転身。1982年に発表したオリジナル・アルバム『インフォメーション』がきっかけとなり、宮崎駿監督の『風の谷のナウシカ』の音楽を担当し、一躍時の人となる。以後、宮崎作品を全てこなすほか、実写作品では大林宣彦監督との『ふたり』(1991)、『はるか、ノスタルジィ』(1992)、『水の旅人/侍KIDS』(1993)、北野武監督との『あの夏、いちばん静かな海。』(1991)、『ソナチネ』(1993)、『キッズ・リターン』(1996)、『HANA-BI』(1998)などの音楽を担当する。ほかに『アリオン』(1986・安彦良和監督)、『この愛の物語』(1987・舛田利雄監督)、『カンバック』(1990・ガッツ石松監督)、『タスマニア物語』(1990・降旗康男監督)、『パラサイト・イヴ』(1997・落合正幸監督)など。

1998年5月28日 賀来卓人

(1998年再販 CDライナーノーツより)

 

久石譲 『早春物語 オリジナル・サウンドトラック』

(オリジナル・ジャケット)

 

早春物語 再販

(1998年7月25日 CD再販 ジャケット)

 

1. プロローグ
2. 早春紀行
3. 星のデジャ・ヴ 歌:原田知世
4. 扉の向う
5. ショック
6. 揺れる心
7. 早春物語 歌:原田知世
8. 走馬燈
9. 恋だと思う
10. SPRING WALTZ
11. 潮騒
12. エピローグ

音楽:久石譲

「星のデジャ・ヴ」
作詩:康珍化 作曲:来生たかお 編曲:大村雅朗

「早春物語」
作詩:康珍化 作曲:中崎英也 編曲:大村雅朗

 

Disc. 久石譲 『炎のアルペンローゼ Vol.3 メルヘン・ドラマ編』

1985年8月25日 LP発売 25AGL-3009
1985年8月25日 CT発売 25AGC-2009

 

「炎のアルペンローゼ Vol.3 メルヘン・ドラマ編」
(声優フリートークのおまけ付き)

カラーグラフ4頁付き
初回特典/B6サイズ・キャラクターシール

 

(LPジャケット)

 

(カラーグラフ 1部)

 

(初回特典/B6サイズ・キャラクターシール)

 

 

A面
夢のつばさ (メモリー)
トラヴェルソ
ランディのテーマ
ジュディのテーマ
白い雲
権力者のテーマ
グールモンのテーマ
眠りなさい
レオンのテーマ
オーストリア交響曲 (第一楽章)

B面
戦火の歌
グールモンのテーマ
天使のテーマ
オーストリア交響曲 (第二楽章)
アルペンローゼの歌 (ジュディ)
夢のつばさ (1番)
夢のつばさ (ロマンス)
夢のつばさ (2番)
幼な心
若草の願い
やんちゃなエンジェル

音楽:久石譲、藤澤文女

 

Disc. 中森明菜 『D404ME』

1985年8月10日 LP発売 L-12594
1985年8月10日 CT発売 LKF-8094
1985年9月10日 CD発売 32XL-115
1991年8月17日 CD発売 WPCL-418
1996年4月25日 CD発売 WPC6-8189
2006年6月21日 CD発売 WPCL-10284
2012年8月22日 CD発売 WPCL-11142
2014年1月29日 CD発売 WPCL-11729

 

中森明菜の8枚目オリジナル・アルバム。久石譲が編曲を担当した「BLUE OCEAN」が収録されている。

CDは、1991年、1996年、2006年、2012年、2014年と数回にわたって再リリースされている。紙ジャケット仕様、SACD仕様、CDハイブリット仕様、オリジナルリマスター盤など。

 

 

中森明菜 D404ME LP 1

中森明菜 D404ME LP 2

中森明菜 D404ME LP 3

(LPジャケット / LP盤)

 

 

D404ME 中森明菜

1.ENDLESS
作詞:松本一起 作曲:大貫妙子 編曲:井上鑑
2.ノクターン
作詞:飛鳥涼 作曲:飛鳥涼 編曲:AKAGUY
3.アレグロ・ビヴァーチェ
作詞:三浦徳子 作曲:後藤次利 編曲:後藤次利
4.悲しい浪漫西(ロマンス)
作詞:許瑛子 作曲:都志見隆 編曲:中村哲
5.ピ・ア・ス
作詞:岡田冨美子 作曲:タケカワユキヒデ 編曲:中村哲
6.BLUE OCEAN
作詞:湯川れい子 作曲:NOBODY 編曲:久石譲
7.マグネティック・ラヴ
作詞:epo 作曲:大貫妙子 編曲:清水信之
8.STAR PILOT
作詞:ちあき哲也 作曲:忌野清志郎・小林和生 編曲:後藤次利
9.モナリザ
作詞:竹花いち子 作曲:後藤次利 編曲:後藤次利
10.《INCLUDING SPECIAL VERSION》 ミ・アモーレ〔Meu amor é…〕
作詞:康珍化 作曲:松岡直也 編曲:松岡直也

 

Disc. 久石譲 『炎のアルペンローゼ Vol.2 シンフォニー編』

久石譲 炎のアルペンローゼ シンフォニー編

1985年7月25日 LP発売 25AGL-3008
1985年7月25日 CT発売 25AGC-2008
1987年6月25日 CD発売 30ATC-152
2000年4月26日 CD発売 TKCA-71918

 

1985年放送 TVアニメ「炎のアルペンローゼ」
原作:赤石路代 音楽:久石譲

 

久石譲が音楽を担当した名作少女アニメ・サントラ盤よりオーケストラアレンジされた楽曲を収録したシンフォニーアルバム。

 

 

「アルペンローゼ」シンフォニー編解説

最近にしては珍しい本格的なドラマ・ヒロイン”ジュディ”は、あくまで純粋、かわいくてけなげ(今時いるか?そんなオンナ!)そのうえ記憶喪失で思いっきり星目がち、思わず音楽を引き受けてしまった。

ヨーロッパ調の物語である為か、クラシックにこだわってみたかった。そこでできたのがこのアルバム、学生時代を懐しみつつ、格調高くできました。

A面のシンフォニーは、三楽章よりできていて、ピアノをフィーチャーした、ややピアノ協奏曲スタイルになっている。第三楽章は、かのベートーヴェンかブラームスか…とまではいかなくとも、「歓喜のうた」「民衆のうた」となっております。これは物語の展開上、この曲が演奏されている時にジュディたちがドイツ軍の手を逃れてスイスに逃亡するというほとんど「サウンドオブミュージック」みたいな場面に流れるのです。やった!

又、B面はシンプルにピアノソロとまさにクラシックのウタ、それもソプラノ、いいですねー。一曲目の「夢のつばさ」(メンデルスゾーンの歌のつばさではありませんよー)は、ショパンのワルツ風にアレンジされて、華麗に仕上がっている。2曲目のレオンのテーマは、この物語に登場する天才作曲家のためのもので、ほとんどリチャード・クレイダーマンの如き世界に入りこんでました、ロマンチックに泣かせます。(これから僕のことをレオン久石と呼んで下さい。アハハ…)。3、4曲目は久石さんちの子供のお母さんが学生時代に作った曲です。日頃午前サマの毎日の埋め合わせか、はたまた……。「いえ、純粋に曲で選んだのです。ハイ。」5曲目は「アルペンローゼの歌」、ソプラノの佐藤ひさらさんのすばらしい歌声が、心にしみこんでくるようですね。ほとんど名曲の味わいと、作曲者は浮かれています。

最後にこのアルバムすべてのピアノを弾いた中川理映子、若冠22才の新進ピアニストで、久石譲の秘蔵っ子的存在。レコーディングの時も、スタジオ内で賞讃の声が上がった訳で、そのむしろ男性的な弾き方は、やや荒っぽいが大変ダイナミックであると言えます。

以上様々な話題を提供しつつ(どこがだ!?)このアルバムもめでたく完成しました。

おめでとう

1985.5 プロデューサー久石譲

(CDライナーノーツ より)

 

 

炎のアルペンローゼ シンフォニー編 LP

(LPジャケット)

 

 

久石譲 炎のアルペンローゼ シンフォニー編

1. オーストリア交響曲第1楽章
作曲:藤澤文女 編曲:平部やよい
2. オーストリア交響曲第2楽章
作曲:久石譲 編曲:梶谷脩
3. オーストリア交響曲第3楽章
作曲:久石譲 編曲:梶谷脩
4. 夢のつばさ (メモリー)
作曲:久石譲 編曲:福岡保子
5. 夢のつばさ (ロマンス)
作曲:久石譲 編曲:平部やよい
6. 追憶の薔薇 (レオンハルト=アッシェンバッハ)
作曲:久石譲 編曲:福岡保子
7. 幼な心
作曲:藤澤文女 編曲:藤澤文女
8. 若草の願い
作曲:藤澤文女 編曲:藤澤文女
9. アルペンローゼの歌 (歌:佐藤ひさら)
作詞:赤石路代 作曲:久石譲 編曲:福岡保子

音楽制作クレジット表記なし

 

Disc. V.A. 『続・小学校行事・放送用レコード大全集 8 業間体操・なわとび等のための音楽』

1985年6月 LP発売 EZ-7200

 

久石譲が1楽曲の作曲、7楽曲の編曲を担当している。なおそれらの楽曲は他LPやCDとして収録されているものもある。

 

「クラッピングマーチ”スペース”」(作曲:久石譲)については、下記参照。

 

 

また同シリーズには下記もある。

 

 

(LPジャケット)

 

続・小学校行事・放送用レコード大全集 8
~学校生活を演出する音楽集~

業間体操・なわとび等のための音楽

解説書封入

SIDE-1
1.ヒーロー
作曲:J.ステインマン、D.ピッチフォード 編曲:小久保隆
2.ライディーン
作曲:高橋ユキヒロ 編曲:久石譲
3.ジンギスカン
作曲:R.シーゲル、B.マイヌンガー 編曲:久石譲
4.キャッツ アイ
作曲:小田裕一郎 編曲:越部信義
5.フラッシュ ダンス
作曲:G.モロダー 編曲:越部信義
6.テラへ
作曲:小田裕一郎 編曲:久石譲

SIDE-2
1.愛のオルゴール
作曲:F.ミルズ 編曲:久石譲
2.聖母たちのララバイ
作曲:木森敏之、J.スコット 編曲:久石譲
3.アップタウンガール
作曲:B.ジョエル 編曲:越部信義
4.クラッピングマーチ”スペース”
作曲:久石譲
5.コパカバーナ
作曲:B.マニロウ、B.サッスマン、J.フェルドマン 編曲:久石譲
6.異邦人
作曲:久保田早紀 編曲:久石譲

演奏:コロムビア・オーケストラ

 

Disc. V.A. 『続・小学校行事・放送用レコード大全集 4 表現活動のための効果音楽集 I テーマ音楽・人物描写・ブリッジ』

1985年6月 LP発売 EZ-7196

 

続・小学校行事・放送用レコード シリーズとしてまとめられたうちのVol.4にあたる。このLPに収録されている楽曲はすべて久石譲作曲によるものである。ただしあくまでも久石譲名義の作品ではない。収録曲はすべて『効果音楽ライブラリー 1-10』に収録されていた楽曲からのセレクトである。

 

 

また「続・小学校行事・放送用レコード大全集 8 業間体操・なわとび等のための音楽」にも久石譲が作曲を手がけた楽曲が収録されている。

 

 

またシリーズの5も同様である。

(LPジャケット)

 

 

(LPジャケット / LP盤)

 

続・小学校行事・放送用レコード大全集 4
~学校生活を演出する音楽集~

表現活動のための効果音楽集 I
[テーマ音楽・人物描写・ブリッジ]

1
[テーマ音楽]
1.民話のテーマ
2.民話のエンディング
3.アクションのテーマ
4.アクションのエンディング
5.西部劇のテーマ
6.西部劇のエンディング
7.なつかしき世界のテーマ
8.なつかしき世界のエンディング
[人物描写]
9.かわいい
10.優しい少女
11.なつかしいおじさん
12.ずっこけマーチ
13.さっそうと行く

2
[ブリッジ]
1.あら 不思議!
2.怪しいものがやってくる
3.追跡
4.おいかけっこ
5.対決
6.サスペンスに挑戦する
7.不安・おや!・あれ?
8.絶体絶命・警鐘・迫りくる恐怖
9.不気味に・おどろき・コミック
10.ひと安心
11.宇宙音
12.地底音
13.水中音
14.特殊音
15.マンガ音
16.短い効果音

音楽/久石譲
演奏/コロムビア・オーケストラ

 

Disc. 志穂美悦子 『THREE DIMENSION』

1985年6月25日 LP発売 JAL44
1985年6月25日 CT発売 28J-35
1985年6月25日 CD発売 

 

久石譲が2楽曲「ドクター教えて!」「ガラスの向こう側」にて作曲・編曲を担当している。

 

志穂美悦子 THREE DIMENTION LP 1

志穂美悦子 THREE DIMENTION LP 2

志穂美悦子 THREE DIMENTION LP 3

志穂美悦子 THREE DIMENTION LP 4

(LPジャケット)

 

(カセットテープ)

 

 

1.夢ならロマンス抱きしめて
2.ひときわオーロラ
3.ドクター教えて!
4.土曜の歌姫たち
5.CATCH MY CAT
6.リトル トーキョー スリリング
7.Twilight My Dear
8.エトワールの伝書鳩
9.ラビリンス“迷路”
10.ガラスの向う側

「ドクター教えて!」「ガラスの向こう側」
作曲・編曲:久石譲