Disc. 久石譲 『ロボット・カーニバル オリジナル・サウンドトラック CDスペシャル』

1987年3月21日 CD発売 VDR-1350
1987年3月21日 LP発売 JBX-28006
1987年3月21日 CT発売 VCK-10017

 

1987年発売「オリジナル・ビデオ・アニメーション ロボット・カーニバル」
9名の若手クリエーターが「ロボット」を共通テーマにオムニバス形式で描いたOAV作品
監督:大友克洋 他 音楽:久石譲 他

 

作品解説

大友克洋 福島敦子
この作品のタイトルロゴのイメージは、映画『ベンハー』のような感じかな。かなり派手な感じになったね。ロボットは、さびれた遊園地に出てくるような雰囲気を持ったやつをイメージしてました。映画は好きですね。ジャンルを問わず洋画も邦画もみんな好きだなぁ。面白そうなのはなるべく映画館で観るようにしています。音楽は、OPENINGでは、管弦楽っぽいもので、シベリウス作曲の「カレリヤ組曲」、ENDINGは、ラフマニノフの「ピアノコンチェルト」のようなカンジでいこうと。とにかく派手な盛り上がりをみせてくれる曲がいいんだよね。

なかむらたかし
オリジナル作品を全面的に一人で出来るというのは魅力ですね。ある作品の一つの歯車(一部分)というのではなく、自分の持ち味を充分露出できますし、ヤリガイはありますね。この作品は「ハゲ山の一夜」的な、ロボット達の饗宴を描いてみたつもりです。映像的な部分で影響を受けた人といえば、ディズニーですね。アニメーションを、ある程度の知識を持って観るようになった時、やはりディズニーはアニメの基本だ、と強く感じましたね。音楽のイメージは、映画『トワイライトゾーン』のラストの曲、”2万フィート”です。恐怖に陥った人間の心理描写、盛り上がり方が、実にピッタリなんですねぇ。こんな感じの曲があれば、サイコーです。

大森英敏
とにかく、ヒーローアクション物をやりたかったんですね。ここに登場するロボットはサイボーグというより、アンドロイドに近いもので、自分で自分を改造していくんです。そして、おのれの”力”だけで、勝ちとってゆく、というPowerfulなものなんです。テンポも早く、映像的には、洋画系の影響をかなり受けていますね。あちらのカメラワークと、緊迫したムードがたまらなく好きなんだなぁ。根底には、映画『Street of fire』のイメージが流れていますねぇ。音楽も、やはり『Street of fire』と、”パワーステーション”の、アップテンポのノリで、エネルギッシュに決めていますっ!!

梅津泰臣
この作品は、ある写真集を見ていてインスピレーションがひらめきました。いわゆる、「ロボットもの」とは若干違った解釈で、映像的には、ビスタを十分意識した1本の映画として作ったつもりです。好みの映画監督は、あげればキリがありませんが、特に、スタンリー=キューブリックの技術的なうまさや、空間のとらえ方、ビジュアル的部分に、結構魅かれます。音楽のイメージとしては、ジョージ=ウィンストンのピアノアルバムや、ジョン=ウィリアムズの映画的抑揚性を希望しました。ピアノや木琴のような、素朴な音で、静寂な雰囲気を大切にした、しっとりしたものを…と思っています。

北久保弘之
この作品に限らず、一つの作品を監督する為には、「頭」と「力」が必要ですね。自分が過去に観てきた色々なモノからイメージを借りるのも大切ですが、それを一度頭の中で噛み砕いて消化しないと単なる類似作品で終ってしまう。ボクの場合、ベースになっている設定はまるきり「ロボット・戦隊モノ」の定石ですが、それは当然狙いがあっての事ですし、それだけの物にならない様、注意しているポイントですね…。ボクには頭も力もないので、「若さ」もしくは「幼さ」で四苦八苦するダチョウの毎日ですが、在り来たりの設定を使っていても、そこに観えてくる物は、自分という個性でありたいと強く願っています。音楽の方では、Baseになっている曲として、サディスティック・ミカバンドの、「黒船」というLPの中の一つ、”よろしくどーぞ、どんたく”。このイメージが、ボクは好きなんんですよネ。

マオラムド
この作品は、夕陽を見ていて思いつきました。流れゆく雲、風、光…自然の懐に抱かれて、まるで少年の日に帰ったかのように、様々なイメージが浮かんできたのです。そして無意識に次々とアイディアが湧いてきました。いわゆるロボットものとはかけはなれていますが、こういう表現を押えたところから、人はいろいろなことを汲み取っていけるんじゃあないでしょうか。音楽については、藤田意作君が素晴らしい曲をあげてくれました。若干20歳の、とぎ澄まされた感性で、見事に、私のイメージとマッチしていて、とても気に入っています。

北爪宏幸
この企画は、今までのTVシリーズなどにはない魅力がありますね。ストーリーものとして扱うことよりも、一つの映像として見て頂けたら、と思っています。ボクは、ロボットにも性格的な部分はあると思っています。今回の作品は、人間くささのあるロボットを描いてみたつもりなんですが…。フィルム全体のイメージは、A-haのプロモーションビデオ、「Take on me」に影響を受けました。あの幻想的な雰囲気が好きですネ。音楽の方では、松田聖子さんの、「天使のウインク」のような、ポップな感じを取り入れられれば…と思っています。

森本晃司
この作品は時間が短かいのでテーマ性というものには余りこだわらず、オーソドックスな世界に置き換えて、無声映画的に感性、動きをオーバー気味にして、判り易い構成にしてみました。好きな映画監督は、ヒッチコックや黒沢明ですね。彼らの作品の中でもどちらかというと、娯楽性のある方が好きで、「海外特派員」「ダイヤルM」「用心棒」など…。で、この作品世界として「カリガリ博士」等のいわゆる表現的なノリを少しやってみたつもりです。(笑)あの摩訶不思議な感じと不気味なフンイキ、モノクロ世界のパワーなど好きですね。イメージ音楽は、坂本龍一の「B-2 UNIT」のアルバムより、「THE END OF EUROPE」のかんじかなぁ。

(作品解説 ~CDライナーノーツより)

 

 

やあ、すごかった!

出来ました!予想どおり、ぬあ~んと1年もかかって……。ハハハハ……やあ、すごかったのなんのって、ほとんど集大成してしまった。3月、9月、11月、12月と分散しながら、諸先生方の意見を聞きつつ、なんとか御期待に答えられたのではないかと思う。ちなみに、

梅津氏「残像」
Pfを主体に、Cm、B♭mのチェンジコードでシンプルに淡々と。メロディーがなかなか美しいと自負している。

北久保氏「明治からくり文明奇譚」
ジンタ+ZTTなみのサンプリング・サウンド大会で、メロディー、サウンド共に納得している。和風を加えた分だけ、ユニークな仕上りになっている。

北爪氏「遊園地のペンダント」
可愛い!昔の松田聖子みたい。アレンジは武市さんにお願いした。

大森氏「DE PRIVE」
この作品から録音に入った。強力ビートの最も得意とするパターンだ。暴力的サウンドは、僕の前作「α-Bet City」から始まり、このあと映画「熱海殺人事件」→「Curved Music」→Syoko(東芝EMI)のアルバムへつながっていく。

森本氏「フランケンの歯車」
シタールのメロディーと、エスニックドラムが新鮮な響きを作る。大きなメロディーラインは、近代的なロボットを通して太古に至る、生命の息吹か?

大友氏「Opening , Ending」
ティムパニより始まり、さざ波のような弦の音が全体を形成する。オープニング・マーチとして、金管の高らかなファンファーレがこだまする。エンディングはワルツ。あざとく弦で朗々と奏でる。イージー・リスニングにならないように、格調高く歌い上げる。中間部に、ワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」のあの有名な、トリスタンコードをコラージュする。ワカルカナ~?

なかむら氏の「ニワトリ男と赤い首」は完全な絵合わせで、1分の間に、10数ヶ所合わせるなど大変な作業になってしまったし、僕はタッチしていないが大橋さんの作品も、良く仕上がっているとの事。とにかく、大変な作品になってしまった。すべてが終り、今切に望んでいる事は、”絵が見たい”とただそれだけです。

久石譲

(CDライナーノーツより)

 

 

久石譲 ロボット・カーニバル

1. COMING SOON -オープニング (大友克洋 オープニング)
2. ニワトリ男と赤い首 I (なかむらたかし BGM No.1)
3. ニワトリ男と赤い首 IV (なかむらたかし BGM No.4)
4. 来訪者 (大森英敏 BGM No.1)
5. DEPRIVE (大森英敏 BGM No.3)
6. プレゼンス III (梅津泰臣 BGM No.3)
7. プレゼンス V (梅津泰臣 BGM No.5)
8. 和 -WA- (北久保弘之 BGM No.2)
9. 祭 -SAI- (北久保弘之 BGM No.1)
10. NANI ? (マオラムド BGM No.1)
11. STRUGGLE (マオラムド BGM No.3)
12. ŌRA (マオラムド BGM No.5)
13. ハート&ハンド (北爪宏幸 BGM No.1)
14. メリーゴーラウンド (北爪宏幸 BGM No.2)
15. UNIT 1 (森本晃司 BGM No.1)
16. UNIT 2 (森本晃司 BGM No.2)
17. ニワトリ男と赤い首 II (なかむらたかし BGM No.2)
18. ニワトリ男と赤い首 III (なかむらたかし BGM No.3)
19. BATTLE (大森英敏 BGM No.2)
20. プレゼンス I (梅津泰臣 BGM No.1)
21.プレゼンス IV (梅津泰臣 BGM No.4)
22.-プロローグ- (マオラムド プロローグ)
23.IN THE WHITE CLOUD (マオラムド BGM No.2)
24.SILENT (マオラムド BGM No.4)
25.TWILIGHT (マオラムド BGM No.5 ブリッジ)
26.ブルーな気持 (北爪宏幸 BGM No.4)
27.SEE YOU AGAIN -エンディング- (大友克洋 エンディング)

作曲:久石譲 (1-9, 13-21, 26, 27) 藤田意作 (10-12, 22-25)
編曲:久石譲 (1-9, 15-21, 27) 藤田意作 (10-12, 22-25) 武市昌久 (13-14, 26)

演奏:ROBOTS

 

Robot Carnival Original Soundtrack
(United States, 1991) JMI-1002

1.COMING SOON -Opening
2.NIWA -TORI OTOKO TO AKAI KUBI #1 
3.NIWA -TORI OTOKO TO AKAI KUBI #4
4.’RAIHOSHA’- “The Visitor”
5.DEPRIVE 
6.PRESENCE III 
7.PRESENCE V
8.’WA’ – “Harmony and Peace” 
9.’SAI’ – “Festival”
10.’NANI’ – “What?”
11.STRUGGLE 
12ORA 
13.HEART & HAND
14.MERRY-GO-ROUND
15.UNIT 1
16.UNIT 2
17.NIWA -TORI OTOKO TO AKAI KUBI #2
18.NIWA -TORI OTOKO TO AKAI KUBI #3
19.BATTLE
20.PRESENCE I
21.PRESENCE IV
22.PROLOGUE
23.IN THE WHITE CLOUD
24.SILENT
25.TWILIGHT – [bridge] 
26.”BURUU NA KIMOCHI” – “I Got the Blues”
27.SEE YOU AGAIN – Ending

 

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