Overtone.第106回 「JOE HISAISHI SPECIAL CONCERT 祈りのうた2025」コンサート・レポート by ふじかさん

Posted on 2025/09/09

2025年8月23~27日開催「JOE HISAISHI SPECIAL CONCERT 祈りのうた2025」コンサートツアーです。4月から日本センチュリー交響楽団の音楽監督に就いています。「音楽監督就任披露演奏会」として愛知・大阪・兵庫・東京の4都市を巡りました。

今回ご紹介するのは、久石譲夏の3大コンサート完全制覇のふじかさんです。最後まで気迫と充実の漲るレポートはさすがです。作品ごとに音楽のイメージも浮かぶし、さらに音楽的情景や物語まで鮮明に浮かび上がってきます。今回いつもより少し提出が遅かったのですが、、いやいや時間とエネルギーを捧げただけのことはある濃密さです。コンサートに行ってレポートを書く、夏の自由研究は大きな花丸3つ達成ですね。ぜひお楽しみください。

 

 

Joe Hisaishi Special Concert 祈りのうた 2025
日本センチュリー交響楽団 音楽監督就任披露演奏会

[公演期間]  
2025/08/23 – 2025/08/27

[公演回数]
4公演
8/23 愛知・愛知県芸術劇場 コンサートホール
8/25 大阪・フェスティバルホール
8/26 兵庫・兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール
8/27 東京・東京オペラシティ コンサートホール

[編成]
指揮:久石譲
管弦楽:日本センチュリー交響楽団
ヴォーカル:テオ・ブレックマン
合唱:東京混声合唱団

[曲目]
スティーヴ・ライヒ:砂漠の音楽 *Chamber version with brass *日本初演

—-intermission—-
久石譲:祈りのうた(映画『君たちはどう生きるか』より)
久石譲:The End of the World

—-encore—-
Ask me why (Pf.Solo)(大阪・東京)
One Summer’s Day (Pf.Solo)(兵庫)
World Dreams for Mixed Chorus and Orchestra

[参考作品]

 君たちはどう生きるか サウンドトラック 久石 The End of The World LP o

 

 

Joe Hisaishi Special Concert 祈りのうた 2025
日本センチュリー交響楽団 音楽監督就任披露演奏会 東京公演 コンサートレポート

 

ツアー最終公演 8月27日の東京公演の模様をレポートさせて頂きます。

2025年8月27日 東京オペラシティコンサートホール 19:00開演

 

夏の3大コンサート、最後を飾るツアーは”祈りのうた”ツアーになります。日本センチュリー交響楽団の音楽監督就任を祝うツアーですが、8月23日からわずか5日間で4公演回るというなかなかハードな日程だったと思います。

プログラムは昨年のFOCの流れもありつつ、その1週間前にイギリスでのコンサートの内容も踏まえつつという構成でしたが、今の時代に対する強い久石さんからのメッセージも込められたとても内容の濃いコンサートとなりました。演奏は一番迫力があったんじゃないか?と思う本当に充実の内容でした。

オペラシティでの久石さんのコンサートは、自分が行った中では、2022年のFOC Vol.4以来となりました。

チケットもぎりを通過し、ホール内に入ると、ステージには割と小さめな編成での椅子がセッティングされていました。19:00少し過ぎたところで合唱隊が登壇、その後オケの楽団の一部の奏者が登場し、チューニングへ。その後久石さんがいつものように笑顔で登場しました。

 

・Steve Reich『砂漠の音楽 Chamber version with brass』

昨年のFOCのコンサートには行っていなかったのですが、公演の写真を見るととても大きな編成で演奏をされていたこの楽曲です。しかし今回はタイトルにあるようにチェンバーバージョン。室内楽編成といっても大きさは様々なのでストリングスの人数が少し減ったくらいの編成かな…?と個人的には思っていましたが、今回あまりにの編成の小ささにびっくりしました。

まるでMFでのフューチャーバンド編成を少し大きくしたような人数構成で、様子が全く様変わりしていました。ブラス隊はステージの上手側にまとめられ、鍵盤隊は下手側ギリギリに配置。コーラスは下手側の奥にブラス隊と当たらない位置くらいまで。こんなに小さいのに、あの壮大な曲を演奏できるのかな…?と思いましたが、いざ演奏が始まるとびっくりするくらいの迫力で響き渡りました。ピアノ、マリンバ、弦楽、コーラスと刻みの音が段階的に増えていき、目眩くミニマルの世界へ出発です。

「ⅰ-fast」では導入部が終わり、コーラスが外れて楽器隊のみの演奏になると、久石さんの楽曲のような感覚になります。『Orbis』や『sinfonìa』『Deep Ocean』、いずれもライヒを初めとする現代の作曲家達の音楽に久石さん自身もインスパイアされて曲が作られ続けている様子も伺えます。

「ⅱ-moderate」では木管とコーラス、パーカッションの軽快な絡みが美しく、「ⅲA-slow」では時計の秒針のように聴こえてくるマリンバを始めとする打楽器隊に、合いそうで合わず徐々にズレていく弦楽の旋律が心地よかったです。

「ⅲB-moderate」でのコーラスの短い単語が次々と繰り返しながら折り重なっていく様子には『かぐや姫の物語〜女性三部合唱のための〜』や『I want talk to you』に近い響きの印象も。ここのセクションを中間部として、ここからは今まで演奏した順番を折り返し、遡りながら演奏していきます。

再び「ⅲA-slow」と同様な構成の「「ⅲC-slow」に入りますが、途中グリッサンドのような音で警告のサイレンが響き渡ります。時計の秒針のような打楽器のサウンドとサイレン音が絡み合うと、世界の終わりへのカウントダウンのような印象を受けました。後半の『The End of the World』にも繋がるテーマです。

「ⅳ-moderate」「ⅴ-fast」と楽曲が戻ってくると、同じ曲なのに聴こえ方が異なる印象を受けるとともに、現在へ戻って来れたような安心感も感じました。終盤は徐々に音が高くなりながら、薄くなっていき、静かに消えていくようにして楽曲は幕を閉じました。

およそ45分間、楽章の切れ間もなく、ノンストップで演奏し続けた久石さん、オケ、合唱隊の集中力には圧倒されました。何度かのカーテンコールののちに前半は終わりました。

 

休憩

 

休憩中に大規模な舞台転換が行われていました。弦は14型の久石さんのコンサートではよくある大きめの編成に。中央には久石さんが弾くピアノが設置され、木管・金管・打楽器奏者、そして合唱隊とステージは奏者で埋め尽くされました。

久石さんが登場してすぐにピアノ向かうと、演奏までのタメの時間も短く、直ぐにチューブラーベルに指示を飛ばしていました。

 

・Joe Hisaishi『祈りのうた』

ここからは2015年のWDOを踏まえたプログラムで久石さんの曲で演奏が続いていきます。まずはこの『祈りのうた』から。

チューブラーベルの弔いの鐘の音が3回鳴るところから始まります。プログラム後半はチューブラーベルの鐘の響きが曲毎に意味を変えながら鳴り続けていきます。その響きを感じ取るのも一つの注目ポイントです。

鐘の音に続き、久石さんが単音でAmのコードを展開しながら紡いでいきます。こんなにもステージには奏者がいるのに、そこに響くのはピアノの単音のみ。ピアノのユニゾンも美しく、遠くまで伸びていきます。単音なのに、ピアノの音なのに、徐々に鐘のように聴こえてくる不思議な旋律。

最初のモチーフを弾き終わると、再び鐘の音が鳴ります。その後、次のモチーフが現れると弦楽四重奏がピアノ音に加わってきます。7度の和音が悲痛な叫びのようにも聴こえてきます。転調後の新たなモチーフも引き続き7度の和音が全体を構成しています。弦楽全体が鳴り響き、そこにチューブラーベルの悲しい追悼の鐘が鳴り響きました。

ここの響きは2015年WDOの時も思いましたが、言葉では形容し難いくらい悲しく、重くたく、でも美しく。全身の鳥肌が立ちました。

再び冒頭のAmのコードのモチーフが伴奏付きで演奏され、それに徐々にストリングが加わってきます。盛り上がりはしますが、嗚咽するようなくらい悲しく、重たい足取りのコーダへ。弔いの鐘が最後まで鳴り響き、静かに曲は終わりました。

今回、構成は若干短くなっており、フルサイズだと、A-A2-B-C-A3という構成になっていますが、今回はA2のパートが抜けて、少しスリムな長さになっていました。

 

曲の雰囲気に圧倒されたのか、会場からは拍手もなく、久石さんもお辞儀をして中断することもなく、間髪入れずそのまま指揮台へと向かいました。

 

 

・Joe Hisaishi『The End of the World』

 『I.Collapse』

前曲で弔いの鐘から一変、力強い警告の鐘が冒頭から鳴りづづけます。初めから熱量たっぷりの激しい演奏で、鬼気迫る迫力に圧倒されました。力強い金管の音色に続き、炸裂する打楽器、雪崩れ込むように響き渡る弦楽の旋律。どこか楽観的な木管の旋律と入れ替わるようになり続ける警告の鐘。どんどんと膨張し続ける不安感を煽るように音量も徐々に上がっていくいき、ホール内も揺れているような錯覚に。ダダダダダダという、本当に物事が崩れ去っていくような下がっていく音形が現れた後、曲のピークへ。パニック状態のような緊張に包まれます。コーダ部は警告の鐘が段々とリットしていき、止まるようなスピードで終わります。

 

 『Ⅱ.Grace of the St.Paul』

冒頭からチェロソロで悲しく、祈りを込めたような旋律がゆったりとステージから聴こえてきます。音源よりも溜めもたっぷり。旋律の後ろで太鼓も静かに聴こえてきます。徐々に冒頭の旋律に他の楽器が増えていき、どうしようもない漂流感が漂います。突如聴こえてきるサックスのソロ。中間部はジャジーな響きに1楽章から提示されている警告のリズムが所々に顔を出していく展開へ。再度、冒頭で流れたチェロのメロディが今度は、弦楽4重奏が中心に再現します。

その後、再度ジャジーなパートへ移行します。低音楽器のウォーキングベースに、不安感を煽る旋律に、鳴り響く救急車のサイレンのような信号音。ここでは久石さんも指揮棒を振るのをやめて、スイングに身体を委ねている感じがとてもかっこよかったです。でもこの2楽章は改めて生で聴くと、カオスそのもの。どこかで祈りや悲しみがあっても、日常は続き、でも危機もすぐに隣り合わせ。まさしく今この世の中の不安感を凝縮したような2楽章でした。弦楽だけの重たい旋律のパートが続き、行くあてもなく彷徨い続けるような不安定感のまま、消え入るように終わりました。

演奏が止み、会場内も静まりかえっていました。しばしの沈黙ののちに、ボーカルのテオ・ブレックマンさんが静かにステージに登場しました。

 

 『Ⅲ.D.e.a.d』

2005年発表の『DEAD組曲』からリコンポーズされ『The End of the World』に組み込まれた異色の経歴を持つ第3楽章。原曲の多層的で重厚的で悲壮感たっぷりの雰囲気はそのままに声楽パートが新たに加えられ、『The End of the World』では緩徐楽章的な役割も果たしていると思います。

2015年WDOではカウンターテナー、2024年ではソプラノ、そして今回はボーカルという新たな声質での披露となりました。この声の選び方は、久石さんも模索し続けているような気がします。

今回、ボーカルとしてジャズシンガーの方を起用した理由は久石さん自身もしっかりとした意図もあると思いますが、個人的に聴いた感想としては、2022年のWDOで披露された『My Lost City組曲』でメインの旋律がバンドネオンで奏でられてことにより、よりリアルな聴こえ方になった感じに近いものを思いました。

カウンターテナーのような普段聴き慣れないような声ではなく、ソプラノのように高らかに歌い上げるようでもなく、今の生きる人のリアルな想いをボーカルに閉じ込めた感じがします。その予感は後述する第5楽章でより強く感じます。絶望の中、しとしとと呟くように歌われる旋律に終始感動していました。

 

 『ⅳ.Beyond the World』

ミニマル的なパルスのリズムに重厚なハーモニー、半拍ずつずれていくような変拍子、でもメロディアスな要素も感じられる4楽章。制作年の近さから『Oribs』『Links』に通ずるものもあると思います。不安と混沌から生きることへ意志へと転換を提示するとても大事な楽章です。中盤からコーラスが歌い上げる歌詞に今回の公演の久石さんの想いがぎっしりと詰まっている気がします。

後半にかけては1楽章、2楽章で示されていた警告の鐘の音が再び姿を現し、それに負けじと前に進んでいく人々のエネルギーを合唱隊の旋律と歌詞から感じます。盛り上がりがピークを迎えた後、警告の鐘が静かに響き渡る中、5楽章へと続いていきます。

 

 Recomposed by Joe Hisaishi:『The End of the World』

今回、この公演にいく数日前に、親しい友人がこの曲の和訳をしてくれました。その和訳がとても好きで、何度も読み返した上でこの楽曲を聴くと歌詞の切なさがより一層沁み渡りました。

2015年版よりコーラスパートも加筆されており、より美しいシンフォニックな響きに進化しており、さらに感動。前半は、ボーカルのテオさんが優しく語りかけるように、その美しい旋律を情感たっぷりに歌い上げます。その後、後半にコーラスが朗々とメロディーを歌い上げるところでうるうるしてしまいました。

1楽章から響き続けた警告の鐘もこの楽章では優しい一筋の希望の鐘の音色の聴こえてくるのも必聴ポイント。終盤では打楽器の大きなトレモロが会場を揺らすほど大きく炸裂します。これは新たな世界へ向かう旅立ちの合図なのか、それとも新たな火種の合図なのか…?鐘の音が静かに何度か響き渡り、静かに曲が終わりました。

 

客席からは緊張の糸が解けたような大きな拍手、歓声もあったと思います。何度かのカーテンコールが行われ、そしてこちらも恒例となっている各セクション奏者の紹介と拍手が行われました。そして久石さんもカーテンコールを終えたのち、ピアノへと向かいました。

 

Encore

『Ask me why』

今回はピアノソロにて。冒頭のGのコードが響いた瞬間の会場からの声にならない声の雰囲気が忘れられません。構成は今までのピアノソロで演奏してきたものより、少し短めで最後のサビが無くなったショートバージョン。サントラ版の『Ask me why(眞人の決意)』を少し長くしたような感じでした。

ここまで重厚なプログラムを演奏してきて、この曲で久石さんから「さぁ、あなたはどう生きていきますか?」というメッセージもあったような気がしますし、「あなたたちはもう実はどうするか決まっているんじゃないですか?」という確認にも捉えることができました。

サプライズのピアノソロに会場も酔いしれていました。個人的には久石さんの演奏動画といえば、2003年のEtudeツアーのコンサート映像です。今回その収録が行われたオペラシティコンサートホールで久石さんの生演奏が聴けたことは感無量でした。

 

『World Dreams for Mixed Chorus and Orchestra』

最後のアンコールは渾身のこの曲で。このプログラムの最後の最後にこの曲は本当に感動でいっぱいです。この曲も同時多発テロがきっかけで制作された一つ。2011年には歌詞も加えられ、より楽曲のクオリティが一段と上がった気がします。

今回は本当に歌詞が沁みました。数年前まではコロナ渦で不自由な生活での希望の光に聴こえていたこの曲が、今では昨今の世界情勢を憂い、少しでも前を向いて進んでいく応援歌のような存在にも感じます。

”哀しみにつまずけば 自由が見える 歓びの灯が消えても 共に歩き続けよう”この歌詞が本当に心に刺さりました。ジブリコンサートでの『アシタカとサン』も共通のことを歌っているところにもこの夏のコンサートの共通性も感じてしまいます。

最後は希望の鐘の音が高らかに鳴り響き、この圧巻のコンサートの幕が閉じました。

一瞬の沈黙ののちに炸裂する拍手の音、ここから一気に観客がスタンディングオーべションへ。割れんばかりの拍手喝采の中、久石さんは笑顔で弦楽の主要メンバーと握手を交わし、何度かのカーテンコールで熱狂の渦のままステージを後にされました。

 

 

夏の3大コンサート、全て終えました。本命は7月のサントリー公演でしたが、満足度はこの”祈りのうたツアー”だったかもしれません。

久石さんは常々「音楽家は音楽で伝えればいい」とおっしゃってきています。その言葉通り、音楽で想いをぶつけてきた今回のプログラムに圧倒されました。そして2014年のWDO2期の始動時のインタビューで「もう戦前なんですよ」という言葉も残しています。

ここ数年は世界も混迷を極め、不安定な時代をずっと彷徨っています。でも自分自身を見失わずに前を向いていこうというポジティブなメッセージに本当に救われる気がします。

戦後80年という節目を追悼したり、振り返ったりするわけではなく、今を生きる私たちへの前向きなメッセージを込めた”祈りのうたツアー”。それらの想いをたっぷり浴びた2時間半のコンサート。本当に幸せで、考える時間でもあり、前を向く時間でもあったと思います。

この3大コンサートの中で共通して『Ask me why』が演奏されたことも特筆できる点で、ただ想いを提示するだけではなく、問いかけをしてきたのもただのエンターティメントのコンサートだけで終わらせたくない久石さんの想いも感じました。「アーティメント」の意思が伝わったきたこの夏のコンサートたちでした。

余談ですが、80年前の8月27日は連合国軍の日本進駐が開始された日のようです。Recomposed by Joe Hisaishi:『The End of the World』の終盤で提示される打楽器のトレモロは、その日の新たな歴史の1ページを示した音も込められているのかもしれませんね。

明日からも力強く日々を生きていこうと思いを新たにコンサートホールを後にしました。

 

2025年9月8日 ふじか

 

photos by ふじか

https://x.com/fujica_30k

 

あまりの濃密さにまず3回読みました。コンサートで体感したエネルギーがそのまま言葉のエネルギーになっていてすごいです。この夏だけで3つのレポートを書くというのは、ルンルンだけでは書けない大変さがありますよね。それは同じく3つのレポートをリンク紹介させてもらっているショーさんや、今年初めて2つのレポートを送っていただいたthuruさん、そして海外からでも配信や来韓コンサートをレポートしてくれるtendoさんもそうですね。この夏もたくさんのコンサート模様を伝えてもらって音楽の魅力を発信してもらってありがとうございます。

一人一人の感想を読ませてもらうたびに共感や気づきの連続です。ふじかさんのレポートも作品ごとに僕もそう思う!と共感するところがあったり、The End of the World第2楽章は、まさに自分も今回改めてそのカオス感や末恐ろしさを感じたりしたから、こうやって言葉にしてくれて感謝!と思ったり。コンサートから受け取ったメッセージも同じように感じた人はいると思いますが、ちょっとしたニュアンスはやっぱり一人一人のものだから一言でも二言でも言葉にするとすっと入ってきます。

ふじかさんをして「本命は7月のサントリー公演でしたが、満足度はこの”祈りのうたツアー”だったかもしれません」と言わしめた〈祈りのうた2025〉です。それはもちろんレポートからも伝わってくるし、読んだ人からも共感の声があがるかもしれませんね。とにかく今年の夏の3大コンサートはスペシャル!スペシャル!スペシャル!だった。今年の年末にまたみんなのコンサート・レポートを振り返ってみても、これから先どこかで2025年夏のコンサートを振り返ってみたときも、感想は一緒、スペシャル!スペシャル!スペシャル!だった。

 

 

 

 

みんなのコンサート・レポート

 

 

 

「行った人の数だけ、感想があり感動がある」

久石譲ファンサイト 響きはじめの部屋では、久石譲コンサートのレポートや感想をどしどしお待ちしています。どうぞお気軽に、ちょっとした日記をつけるような心持ちで、思い出を残してみませんか。

 

コンサートについて語りたいそう願うのは、ほかならぬ私もまた誰かにコンサートや音楽の魅力を教えてもらった一人だからです。

 

 

みんなのコンサート・レポート、ぜひお楽しみください。

 

 

reverb.
コンサートに行って音楽の経験値は上がる。そのうえ音楽を言葉にする経験値、感想を言葉にする経験値もアップするってすごくないですか!

 

 

*「Overtone」は直接的には久石譲情報ではないけれど、《関連する・つながる》かもしれない、もっと広い範囲のお話をしたいと、別部屋で掲載しています。Overtone [back number] 

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Blog. 「久石譲&ロイヤル・フィル スペシャルツアー 2025 オーケストラ・コンサート」コンサート・レポート

Posted on 2025/08/08

2025年7月24,25日開催「久石譲&ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 スペシャルツアー 2025 オーケストラ・コンサート」です。久石譲がComposer-in-Associationを務めるロイヤルフィルとの日本公演が実現です。ジブリフィルムコンサート・ツアーファイナルat東京ドーム、ソウル公演を経てツアー最終日まで熱く駆け抜けたこの夏へ。

久石譲&ロイヤルフィルの世界最高水準で溢れる音楽はまさにスペシャルな体験です。オール久石譲プログラムはこの夏VIPなフルコース!たっぷり心ゆくまで世界クラスを堪能!ライブ配信も叶いました。

 

 

Joe Hisaishi Royal Philharmonic Orchestra Special Tour 2025
Orchestra Concert at Suntory Hall

[公演期間]  
2025/07/24,25

[公演回数]
2公演
東京・サントリーホール

[編成]
指揮:久石譲
管弦楽:ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
ハープ:エマニュエル・セイソン

[曲目]
久石譲:Metaphysica(交響曲第3番)
I. existence
II. where are we going?
III. substance

—-intermission—-

久石譲:Harp Concerto ※日本初演
Movement 1
Movement 2
Movement 3

—-Soloist Encore—-
ドビュッシー:月の光 (7/24)

久石譲:Symphonic Suite The Boy and the Heron for piano and orchestra
    交響組曲「君たちはどう生きるか」 ※日本初演

—-Orchestra Encore—-
One Summer’s Day (for Piano and Harp) (7/25)
Merry-go-round (for Piano and Orchestra) (7/24,25)

[参考作品]

君たちはどう生きるか サウンドトラック 久石

 

 

まずは会場で配られたプログラム冊子からご紹介します。

 

 

皆さん今晩は。

先週の東京ドームに続いてロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(RPO)とのオーケストラコンサートを韓国ソウルと東京サントリーホールで行う事ができることを心から嬉しく思っています。今回は自作のミニマル楽曲を中心に聞いていただきます。海外ではこちらの方がジブリフィルムコンサートより多く演奏しています。

RPOでは2024年から僕がコンポーザー・イン・アソシエーションを務めていてアルバム「A Symphonic Celebration」の録音や来月のロンドンでのPROMSでも共演することになっています。僕がとても信頼しているオーケストラです。また今日演奏するHapr Concertoはロサンゼルス・フィルハーモニックなどの共同委嘱作品ですが、これを演奏するエマニュアル・セイソンとまた共演できることを楽しみにしています。それからドイツグラモフォンもライブレコーディングする予定です。

ご来場された皆様に楽しんでもらえると幸いです。

2025年 夏
久石譲

 

 

Metaphysica(交響曲 第3番)

Metaphysica(交響曲第3番)は新日本フィル創立50周年を記念して委嘱された作品。新作は2021年4月末から6月にかけて大方のスケッチを終え、8月中旬にはオーケストレーションも終了し完成した。前作の交響曲第2番が2020年4月から2021年4月と1年かかったのに比べると約4ヶ月での完成は楽曲の規模からしても僕自身にとっても異例の速さだった。

楽曲は4管編成(約100名)で全3楽章からなる約35分の長さで、この編成はマーラーの交響曲第1番とほぼ同じであり、それと一緒に演奏することを想定して書いた楽曲でもある。

Metaphysicaはラテン語で形而上学という意味だが、ケンブリッジ大学が出している形而上学の解説を訳すと「存在と知識を理解することについての哲学の一つ」ということになる。要は感覚や経験を超えた論理性を重視するということで、僕の場合は音の運動性のみで構成されている楽曲を目指した。

I. existence は休符を含む16分音符3つ分のリズムが全てを支配し、その上にメロディー的な動きが変容していく。

II. where are we going? は26小節のフレーズが構成要素の全て。それが圧縮されたり伸びたりしながらリズムと共に大きく変奏していく。

III. substance は ド,ソ,レ,ファ,シ♭,ミ♭の6つの音が時間と空間軸の両方に配置され、そこから派生する音のみで構成されている。ちなみにこれはナンバープレースという数字のクイズのようなゲームからヒントを得た。

 

 

Harp Concerto

Harp Concertoは、ロサンゼルス・フィルハーモニック(LAフィル)とボルドー国立オペラ、フィルハーモニー・ド・パリ、シンガポール交響楽団の共同委嘱として作曲を依頼された。LAフィルに在籍しているハープ奏者のエマニュエル・セイソンが演奏する前提の依頼である。

2023年の夏にハリウッドボウルで初めてLAフィルと共演して(その時は17500人の会場はSold Outになった)、エマニュエルとも最初のセッションを持った。早く作曲を開始したかったが過密なスケジュールのため翌年の2月から作曲を開始した。2024年5月に来日した彼とほぼ完成した第1楽章を聞きながら修正の方向を確認し7月にハープパートを完成し、9月中旬にオーケストレーションがも終了した。約30分の全3楽章の楽曲になった。

第一楽章はロ短調の分散和音を主体としたAllegroで構成し、一番最後に完成した第2楽章はニ短調6/8+7/8のゆったりしたリズムによる緩徐楽章になり、カデンツァを経て第三楽章のヘ短調Allegroのトッカータでクライマックスに到達する。通常イメージするハープは優雅で優しく穏やな音楽なのだが、このコンチェルトは激しく、荒々しく、躍動的で今までの概念とはだいぶ異なっていると思う。それはエマニュエルの演奏スタイルに感化されたこともあり自分が望んでいたことでもある。

約9ヶ月に及ぶ作曲期間は(もちろん思考していた時間も入れたら1年半以上になる)自分にとってはかなり長い期間である。もちろんその間多くのコンサートがあったため時間を取られたこともあるが、その分、曲を吟味する時間もあったことも事実だ。多くの関係者に感謝するとともに、これから演奏を通して楽曲が育っていくことを心から期待する。

 

 

Symphonic Suite The Boy and the Heron for piano and orchestra

Symphonic Suite The Boy and the Heron for piano and orchestraは宮﨑駿氏の2023年に制作された同名映画に書いた音楽をコンサート楽曲として再構成した作品だ。

映画の構成は前半が当時のリアルな現実描写になっていて、後半は少しダークなファンタジーになっている。それを音楽で繋げるために僕のベースであるミニマルミュージック的な手法で全体を構成する方法を採った。ミニマルミュージックは短いフレーズを繰り返しながら変化していく音楽の手法である。そしてこの映画は、宮﨑さんの個人的な内面世界を表現していると思われたので、自分が弾くピアノを音楽の中心に据えてオーケストラも控えめに作曲した。

そのため、劇的効果をねらった音楽的表現を省き、画面で展開されているドラマからも距離をとることで監督の考えがよりクリアに表現できるよう心がけた。その結果、宮﨑監督に喜んでもらえたことは幸いである。

そして2025年4月、ドイツ・グラモフォンからリリースするため、ロンドンのエア・スタジオとアビー・ロード・スタジオでロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団と自作のSymphony No.3、そしてこのThe Boy and the Heronを組曲としてレコーディングした。その演奏やレコーディングは素晴らしく我々のチームが機能した成果である!と思っている。

組曲としては映画の進行に即して構成し、より音楽的な表現になるようオーケストレーションにも手を加えた。今までの交響組曲とは違った世界が展開されることを願っている。

久石譲

(「Joe Hisaishi Royal Philharmonic Orchestra Special Tour 2025 Orchestra Concert」パンフレットより)

 

 

 

ここからはレビューになります。

 

2025年の久石譲&ロイヤルフィルスペシャルツアーは、久石譲スタジオジブリフィルムコンサートを皮切りにソウル公演と本公演へと続いてきました。東京ドーム12万人、ロッテコンサートホール4,000人、サントリーホール4,000人の大反響です。「おそらく海外からやって来たオーケストラの単年での日本動員記録更新となるだろう」(Mikikiコラム)とも言われています。

そしてなんと8月には久石譲×ロイヤルフィル、BBC Proms 2025に登場します。まさに世界中を駆け巡っています。今後もコンサートやレコーディングそして新作委嘱などパートナーシップに注目が集まっています。本公演のパンフレットからも新情報!アルバム発売とライブレコーディングがさらりとアナウンス、さらりどころじゃないうれしさ爆上がりです!

 

久石譲指揮はオーケストラの対向配置(古典配置/両翼配置)をとっています。ベートーヴェンの時代(古典)もそうでした。第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが左右対称に位置すること(両翼)などが特徴です。本公演では作品ごとにオーケストラの大きさを変えながら最もふさわしいオーケストラ編成でプログラムは進んでいきます。

(対向配置の参考図)

 

 

久石譲コンサートといえば国際色豊かで幅広い観客層におなじみのSOLD OUT!この二つはもう名物だから取り立てて言うまでもないかもしれない。僕の座った席も右隣は欧米カップル、左隣はジブリフィルムコンサートに行ってきた若い女性たちでした。余韻冷めやらぬトークが漏れすぎて聴こえてきました。

何回も言ってしまいそうだから、最初に完全に言っておこう。ロイヤルフィル素晴らしい!日本にいながら世界水準の音を聴けるなんて贅沢この上ない。演奏が上手いとか全ての楽器のバランスが素晴らしいとかクオリティが高すぎるとか、そんなことしか言えないのですが、オーケストラからは「そんなの当たり前だよ、これが普通さ」みたいな貫禄のオーラがまたまぶしい。

休符が上手いというか休符の処理が上手い。だから全ての楽器から奏でられる音が邪魔されない埋もれない。響きの良いサントリーホールのなかで、音楽がバタバタバターとかぐちゃぐちゃぐちゃーとか粗く流れていかない。弦楽器・木管・金管・パーカッションとそれぞれが最高プレイな上に他セクションの音もよく聴いてる、そんな最高チームプレイでした。

 

本公演は究極のオール・ミニマル・コンサートです。

 

Metaphysica(交響曲 第3番)

日本での2021年初演と2023年再演は弦16型でしたが、本公演では弦14型4管編成でした。ホルン7本は過去一かもしれない(初演時は6本)。

プログラムノートの久石譲の言葉から音楽を感じとるのが一番です。もちろんそれは完成後に書かれたものです。その前に語られたことからもヒントが隠れているかもしれません。また深い一面が見えてきそうです。

 

「最終的なオーケストレーションの段階です。曲は交響曲第3番(仮)で、全3楽章約35分の作品。第2番と姉妹作ですが、自然をテーマにしたような第2番に比べると内面的で激しく、リズムはより複雑になっています。加えてミニマル的な構造の中にもう一度メロディを取り戻したいとも考えました。編成は後半のマーラーに合わせた4管編成でホルンは1本少ない6本。自分だけ見劣りしたくないというのは作曲家の性ですね。また作曲家は皆そうですが、大編成になると逆に弦の細分化など細部にこだわるようになります。あと50周年は意識しながらも、現況から祝典風ではなく力強さを織り込んだつもりです」

Info. 2021/08/18 久石譲 現代曲同様のアプローチでクラシックを活性化したい (ぶらあぼ より) より抜粋)

 

 

I. existence

カオスな楽章です。冒頭から力強い速いパッセージのモチーフが核となってミニマルなフレーズが幾重にも交錯します。長さを変えたり(圧縮)、ヴァリエーション(変奏)したりで息つく暇がありません。激しいパーカッションも怒涛のように追い立ててきます。かなりの密度です。プログラムノートにもありますが、ミニマル・ミュージックとは短いフレーズを繰り返しながら変化していく音楽の手法です。その上で、久石譲ミニマル・ミュージックを言うなれば、同音型や律動の反復と変化による劇的緊迫とエモーショナルの創出です。

この作品ではアプローチが見事に結実しています。それはミニマル音型ではない、ある種メロディラインのような息の長いフレーズがモチーフとなり変化し発展していることです。インタビューのなかの「ミニマル的な構造の中にもう一度メロディを取り戻したい」という構想は通して貫かれています。各楽章ともにテーマとなっているモチーフは執拗に繰り返され性格もはっきりしていて印象に残りやすい。

 

II. where are we going?

きびしく美しい楽章です。ゆっくりとした弦楽合奏から始まり久石譲指揮は手で音楽を導いていきます。中間部から楽想はリズミックになり指揮棒を取りシビアに音楽をまとめあげていきます。そして最後のトランペットによる旋律がまた美しい。

これら全てに聴かれるのは同じモチーフからのヴァリエーション(変奏)です。プログラムノートにも「26小節のフレーズが構成要素の全て」とあります。極限に磨かれたモチーフが徐々に膨れあがっていき、満ちたるエネルギーのなかで強固に結晶化しています。荘厳なエモーショナルです。中盤で現れる弦楽四重奏メインのパートも近年の作風にみられる一つです。新しく取り入れる手法が作品群を線でつないでいます。

初演時から最愛でしたが、やはり何度聴いても胸に迫ってくるものがあります。数ある久石譲交響曲・協奏曲のなかで傑作楽章の一つだと思っています。

 

III. substance

ミニマル・ビッグバンな楽章です。核となるモチーフが絡み合いながら壮大な世界を築いています。「ド,ソ,レ,ファ,シ♭,ミ♭の6つの音」からなるモチーフは強力なフックになっています。ここでもモチーフが「圧縮されたり伸びたりしながらリズムと共に大きく変奏して」いますが最終楽章にふさわしいカタルシスです。

マクロな大編成のなかにミクロな弦の細分化もまたすごい。対向配置を最大限に活かした扇型が前後や左右に波打つような音像は必見必聴です。クライマックスまで複雑と密度を極めた音楽は爆発しています。高次元な存在に震えてきます。

僕はこれまでに2回この作品に立ち会っていますが、あまりの巨大さに受け止めきれていなかったことを知りました。いくつかの楽器が書き加えられているような印象も受けました。間違いなく最高傑作の一つです。「音の運動性」をコンセプトにしていますが、おそらく強いメッセージが込められた作品じゃないかとも改めて強く感じました。

久石譲&ロイヤルフィルの豪華な日本公演で「Metaphysica(交響曲 第3番)」が選ばれたのは本当に良かった。心からそう思いました。海外では2024年にトロント交響楽団、シカゴ交響楽団とプログラムしています。2025年は本公演ロイヤルフィルのほか9月にクリーヴランド管弦楽団とプログラム予定です。世界各地で久石譲交響曲が荒れ狂う。グラモフォンから今後リリースされた時の世界の反応もまた楽しみです。こういう作品はまず局地的に熱狂的に盛り上がるのが一番ふさわしい!楽しみです。

 

今すぐにでも聴きたくなった人はこちら。

 

 

 

Harp Concerto

2024年ロサンゼルスでの世界初演から、2025年この夏シンガポール初演と韓国初演を巡りいよいよ日本初演です。

プログラム前半の「Metaphysica(交響曲 第3番)」は弦14型4管で「Harp Concerto」は弦12型2管になっていました。ハープとオーケストラにふさわしい規模ということでしょうか。約25人くらいのオーケストラ奏者の変化があります。

さて、何から書いたらいいでしょう。それはもう素晴らしい作品でした。こんなハープ曲聴いたことない驚きと、こんなハープ曲をたっぷり聴けた感動でいっぱいです。聴いた人は好きになる、終わってすぐ話題にしたくなる、十人十色な感想が止まらなくなる。個人的にも、最高だった!の一言で終わりたい。でもご容赦ください。思い巡らせていたら広がっていった個人の彷徨にこれからどうぞお付き合いください。

 

プログラムノートの久石譲の言葉から音楽を感じとるのが一番です。「通常イメージするハープは優雅で優しく穏やな音楽なのだが、このコンチェルトは激しく、荒々しく、躍動的で今までの概念とはだいぶ異なっている」、本当にそのとおりでした。ハープの固定概念を覆すには十分すぎるほどで、18世紀のヘンデルに始まったハープ協奏曲の歴史において21世紀に新たなマスターピースが加わりました。ただ並べられたわけじゃありません。それは現代の音楽として新境地を切り拓いています。

主役を務めるハーピストがまた素晴らしい。作品のもつ潜在エネルギーを最大限に高めています。エマニュエル・セイソンさんの演奏スタイルは力強くしなやか、幅広い音色と豊かな表現力で魅せてくれます。体づくりがハープを演奏するうえでの音楽づくりにもしっかりなっていると感じたほどです。ハープを奏でる反射神経や敏捷性、そして体の軸や重心の強靭さがしっかりと音として伝わってきました。すごい。

 

「Harp Concerto」プログラムノートを見て一番の疑問だったのはコンセプトやキーワードがわからないことです。「Metaphysica(交響曲 第3番)」には「形而上学/音の運動性/マーラー」などといった聴く助けになるキーワードもあれば作品タイトルも楽章タイトルもある。そのほか久石譲交響曲や室内楽から協奏曲までを眺めてみても、ここまで隠された作品は「コントラバス協奏曲」くらいしかすぐに思い浮かびません。もちろんコントラバスやハープそれ自体がコンセプトだよと言われればそうなのですが。

はっきり言ってしまうと、久石譲のメッセージが全くわからない作品なんですね。楽章ごとの音楽的な構造が少し書かれいるだけです。唯一読み解こうとすると「2024年/激しく、荒々しく、躍動的/自分が望んでいた」という数少ないピースたちです。これはなぜか。どうしても人は言葉やキーワードも合わせて音楽を聴いたりそこからイメージしていきます。久石譲が最も望んだことはイマジネーションの解放なんじゃないかと思っています。曲名やキーワードや創作イメージまで一切を封じる。何の先入観もなしに音楽だけで提示したかった。聴いてどう感じるか。こんなにイマジネーションをかき立ててくれる音楽はありません。そして素晴らしい出会い方に心から感謝しています。だってそのくらい考えてしまったし、これからも考えつづける音楽になり得たからです。

 

Movement 1

中央に置かれた黄金色のハープのグリッサンドからオーケストラとの一発の最強音で音楽は始まります。「ロ短調の分散和音を主体とした」モチーフは、流れるように転調を繰り返しながら緩めることなく進んでいきます。

西洋の音階で繰り広げられる楽想は、少し落ちつきをみせる中間部あたりで分散和音のヴァリエーション(変奏)がちょうどヨナ抜きのようなモチーフに変化して聴こえます。日本的なのはもちろん広く民俗的な印象も醸し出しています。そこから先で弦を強くかき鳴らす奏法は、何を強く訴えかけるようで何かに抗うさまのようで。その後に一音一音ゆっくりと奏でられていくスケール(音階)には半音階が含まれています。西洋とは違うものの暗示のよう。そしてまた楽章は分散和音をモチーフとして激しく進んでいきます。

僕はこの作品を、今を生きる現代の作曲家が書くべくして書いた作品だと聴いていくことになります。Mov.1は望むと望まざるにかかわらず歴史の激動に翻弄されるものたち。

 

Movement 2

心を打つ緩徐楽章です。久石譲の自作品のなかでメロディアスなミニマルというのはそんなに多くはありません。まるで久石譲の映画音楽のときに聴けるそんな楽想でもあります。ヴァイオリンの旋律も心の琴線に触れます。実際に映像にもマッチすると思いますね。

冒頭や中盤以降でも登場する不穏な半音階がとても印象的です。Harp Concertoを聴いてすぐにイメージ飛んだのは「ディープオーシャンII」の音楽でした。深海シリーズの一つで「紅海」をテーマにしたNHKドキュメンタリー番組です。そこはまさに中東に位置しています。思い巡らせながら好奇心で調べていくと、「ディープオーシャンII」の音楽はアラビックスケール(アラビアンスケール/オリエンタルスケール)で書かれているのではと辿り着きました。詳しい深海話は、公式動画紹介も含めて追記したこちら。

 

中東はイスラエルとパレスチナも位置しています。この作品を聴いて覆われることになった印象はここへとつながります。一方では、全楽章において数あるアラビックスケールの中から取り入れられているのか、残念ながら解き明かせる耳はありませんでした。ただ添えるとすると、西洋の音階とは異なり民族音楽のスケールは種類も多く呼び方もいろいろです。民族や地域を越えることもしばしばで、例えばアラビックスケールの一つはジブシースケールの一つとも同じだけど別々の名前で呼ばれていたりする。民俗的なメロディを辿っていけば日本的な音階とも共通点が出てくる。つまりエスニックと感じる音楽や音階は世界にまたがっている、そんな感じなんでしょうか。Mov.2は憂いです。

「The End of The World」第2楽章の冒頭もまた中東風のチェロのメロディにティンパニが鳴っています。

 

Kadenza

約2~3分間のカデンツァです。特殊奏法もいっぱいでした。プリペアド・ピアノは、ピアノの弦にゴム・金属・木などを挟んだり乗せたりして独特な音色効果を生んだり何かの音に見立てたりする手法です。このカデンツァでハープはプラスティックのような細い棒で一本の弦を上下にこすったり、弦を手の面で叩いたり、銀紙のようなものを弦に当てた状態で音を鳴らしたりしていました。

ここも色濃くエスニックなパートになっています。銀紙を弦に当てたときのハープの質感は、まるでウード(中東)やシタール(北インド)やリュート(ヨーロッパ)などといった民族楽器らを模しているようにも聴こえてきます。先ほどの「ディープオーシャンII」音楽では撥弦楽器のウード、笛のナーイ、打弦楽器のサントゥールなど、中東・アラビアの民族楽器が取り入れられています。それぞれの楽器や音色は、公式動画紹介も含めて追記したこちら。

 

tendoさんのレポートにも、韓国の伝統音楽をさす「国楽」にも通じるような民俗的なメロディと感じた、とありました。郷愁を誘う私たち全てに向いている音楽なのかもしれません。このカデンツァは人々の生活、そこに根づいている一人一人の日常がありありと浮かび上がってくるようです。

 

Movement 3

冒頭からハープとオーケストラの力強いエネルギーです。「トッカータ」技巧を駆使した華麗なパッセージと速いリズムで推進力がすごいです。片手で弦を奏でながら片手でボディーを叩くハープも躍動的です。少しユーモアなフレーズ(それは例えば「久石譲:Encounter」のような)も登場して楽想はカラフルになっていきます。

この楽章でも執拗に繰り出される半音階を含んだモチーフは印象的です。そうして、いろいろな性格をもったモチーフたちとまるでごった煮で飛び交い行き交っています。

ハープは世界最古の楽器の一つとも言われています。歴史の連鎖、人類の性、そして希望。

 

 

なぜ今「Harp Concerto」を世界各地で精力的にプログラムしているのか。ハープ奏者のエマニュエル・セイソンさんが演奏する前提となっていて、久石譲の多忙さとLAフィル在籍のエマニュエル・セイソンさんと合わせたスケジュールや公演調整も決して容易ではないはずです。今どうしてもしておきたい作品、今あらゆる世界各地でリアルに聴いてほしい作品、そんな印象すら受けます。

僕はこの「Harp Concerto」をMovement1「激動」Movement2「憂い」Kadenza「生活」Movement3「希望」と聴きました。今だからこう聴こえたのかもしれないし、こう聴かないといけないと思ったところもあるのかもしれない。でも聴けば聴くほど、そこからまたさらに広がって、これは誰にでも突如として起こり得る激動や悲劇であり、誰しも自分ごとの音楽として聴けてしまう、そして何かを見出せる先がある、ものすごい音楽だと感じました。

どう読み解くか、どう聴きとるかはリスナーに委ねられています。一人一人の感想に正解はないけれど、それがいつか新しい真実に近づくかもしれない。自分の感想や感情がその小さな小さなきっかけになるのならそれはもう嬉しいことです。イマジネーションの広がる作品は本当に素晴らしいと思います。

 

最後に。この作品を聴いて浮かんだのはこの絵でした。

 

“HOPE” GEORGE FREDERIC WATTS (1886)
Tate Gallery (NO1640)

 

“もともと「HOPE」は19世紀のイギリスの画家ワッツが描いたものなんだけど、地球に座った目の不自由な天女がすべての弦が切れている堅琴に耳を寄せている。でもよく見ると細く薄い弦が一本だけ残っていて、その天女はその一本の弦で音楽を奏でるために、そしてその音を聞くために耳を近づけている。ほとんど弦に顔をくっつけているそのひたむきな天女は、実は天女ではなく”HOPE”そのものの姿なんだって。”

from 『地上の楽園』CDライナーノーツ

 

 

パンフレットの久石譲メッセージにあるとおり、本公演がドイツ・グラモフォンでライブレコーディングされるならば「Hapr Concerto」との再会は約束されました。また会えるとわかってうれしい。一日でも早く聴きたい。

 

About Harp Concerto

 

 

 

About Harp Concerto episode

出典:The Moments That Move Me with Emmanuel Ceysson | LA Phil
https://www.laphil.com/about/watch-and-listen/the-moments-that-move-me-with-emmanuel-ceysson

 

 

 

どこに置いたらいいかわからなかったからここに。

久石譲はインタビューで「エンターテインメントで試したものや身についたものを、現代音楽やクラシックの作品のなかでより深めていける。両側があるおかげで両方とも上がっていける」という趣旨を語っています。実際に自分は「ディープオーシャン」と「Harp Concerto」でまた強く感じました。だからこそ、久石譲から生み出される全ての音楽はきちんと音源化されて現代に届けられるべきだ、未来に遺されるべきだ、そう強く思います。今回「ディープオーシャンII」の音楽を振り返れる史料(動画)がなかったらと思うと、ぞっとします。僕はHarp Concertoの感動にこれほどまで出会うことはできなかったと。

誰かが、久石譲の音楽をより理解できる誰かが、この先きっと現れます。リスナー、評論家、研究家、音楽家。それでまた久石譲の楽曲は”いい音楽”(長く聴かれる音楽)になっていきますね。どうぞ音楽が手にとれる環境づくりもよろしくお願いします。

 

 

 

久石譲コンサートではプログラムごとに舞台替えが行われることも珍しくありません。「Harp Concerto」のあと短い時間のなかでソリスト用ハープの移動、そして久石譲が弾くピアノが中央に運ばれてきます。しかも今回はいつもと向きが違う。鍵盤が観客席側を向いている。モーツアルトの時代などでもあったピアノ演奏中も指揮者と同じようにオーケストラを正面から見渡せる配置になっています。ピアノと指揮の弾き振りです。

 

 

Symphonic Suite The Boy and the Heron for piano and orchestra

交響組曲「君たちはどう生きるか」です。約15分にまとめられた組曲の構成曲はこのようになっていました。

Ask me why(疎開)/青サギのテーマ/ワナ/ワラワラ/火の海/祈りのうた(産屋)/大王の行進/大崩壊/Ask me why

(下線曲は厳密なサントラ曲名ではありません)

 

“for piano and orchestra”でピアノが一貫して主役になるジブリ交響組曲は初です。「ワラワラ」「大崩壊」の2曲を除いて久石譲はピアノを弾いています。指揮もしています。

「Ask me why(疎開)」やはりこの曲から始まりますよね。映画メインテーマながらメロディはまだ流れない、そのシルエットだけで惹かれる一曲目です。交響組曲となったこの作品はいずれの曲も豊かな音色パレットに広がっています。この曲では弦楽の複雑なハーモニーがより現代的になっていたことも印象的でした。

「青サギのテーマ」四度の二音からなる究極のミニマルです。サントラで聴かれる「青サギI,II,III および 青サギの呪い」から二音の構成をまとめたようなパートになっています。

「ワナ」久石譲は両手でピアノを弾きながら目くばせで合図を送ったり、片手でピアノを弾きながら指揮もしたりとこの曲でもそうです。オーケストラピアノ奏者とも連携している交響組曲です。

「ワラワラ」南国風で幻想的な世界が広がります。ガムランやゴングといった打楽器も楽想を彩っています。金管楽器奏者がマウスピースのみで演奏する人声とも効果音ともとれる不思議なSE効果もアクセントになっています。サウンドトラックにあったサンプリングボイスまでオーケストラで完結しうる構成はさすがです。

「火の海」女声コーラスのパートが久石譲のピアノに置き換わっています。激しく速いパッセージの連続はよりダイナミックに緊張感を増しています。

「祈りのうた(産屋)」静まりかえったなか久石譲のピアノの音だけが鳴る導入部は息をのみます。シンプルな語法で磨かれたこの曲は、冒頭からピアノの音が一音一音ゆっくりと水面にしずくが一滴一滴と落ちていくような神聖さがあります。2015年に初めて聴いたときは、こんな運命を辿る曲になるとは想像もしていませんでした。深いものが宿っています。

「大王の行進」起伏に富んだ交響組曲はここで大きく推進力をもちます。この交響組曲はピアノをメインに据えながらもオーケストラ弦14型2管と決して小さくはない標準タイプを維持しています。サントラよりもテンポアップした感のあるこの曲では、指揮者久石譲とオーケストラが漲っています。

「大崩壊」大叔父のテーマともなっている楽曲です。久石譲の高音と低音を司る重厚なピアノとオーケストラの荘厳な響きが拮抗しています。もっとサントラから「大叔父の思い」なども加えながら大きく大叔父のテーマとして長く聴きたいと思ったほどです。

「Ask me why」光の綾のようなストリングスに美しい反射光を照らす木管金管は至芸です。そしてサントラでは叶わなかったAsk me whyフルバージョンです。コンサートではピアノソロで披露された機会もありました。これまたサントラにはないピアノ&オーケストラの珠玉ピースで完成をみました。つい先日の久石譲スタジオジブリフィルムコンサートでアンコール披露された特別バージョンとおそらく同じか限りなく近いか、かな。

ジブリ交響組曲シリーズのなかで、久石譲ピアノに始まり久石譲ピアノに終わるのは「One Summer’s Day」の『千と千尋の神隠し』、「Bygone Days / il Porco Rosso」の『紅の豚』に続くものです。

 

tendoさんのソウル公演レポート(下に紹介)にもありましたけれど、別でシンガポール公演時の観客SNSだったかもしれませんが「The Boy and The Heron」のパート譜表紙に「Short ver.」と見つけることができました。Long ver.を聴ける日は訪れるのか?アルバムはどちらのバージョンなのか?またひとつ謎と楽しみができました。

スタジオジブリ×久石譲の一大プロジェクトはジブリフィルムコンサートとジブリ交響組曲シリーズです。今まさに歴史のど真ん中にいます。そして今年ひとつのツアーファイナルとひとつの新交響組曲を迎えた。同じ時代を生きるファンは幸せものです。

 

ジブリ交響組曲シリーズの歩み

『風の谷のナウシカ』(1997/2015年版)『もののけ姫』(1998/2016/2021年版)『千と千尋の神隠し』(2001/2018年版)『となりのトトロ』(2002・改訂未音源)『ハウルの動く城』(2005)『風立ちぬ』(2014)『かぐや姫の物語』(2014・改訂未音源)『天空の城ラピュタ』(2017)『魔女の宅急便』(2019)『紅の豚』(2022・未音源化)『崖の上のポニョ』(2023・未音源化)『君たちはどう生きるか』(2025・音源化決定)です。

 

 

アンコール

One Summer’s Day(for Piano and Harp)

カーテンコールが続くなかエマニュエル・セイソンさんのハープがキャリアに乗ってステージに運ばれてきます。中央にある久石譲のピアノの横に二つの楽器が対話するように並びます。スペシャルギフトです。

この楽曲は「ピアノとデュオのための」と言えるもので、ジブリフィルムコンサートではピアノ&ヴォーカル版、WDO2022ではピアノ&バンドネオン版を聴くことができました。

1コーラス目は久石譲のピアノが主役と言わんばかりに、なんとハープはミュート奏法になっていました。ハープには弦楽器や管楽器のように専用の弱音器はないようです。またピアノの場合はソフトペダルを使って音を小さくまろやかな響きに切り換えることができますが、ハープにはそのような一瞬にして切り換わる便利なペダルはないみたい。おそらく巧みなペダル操作で音を柔らかく小さくしたミュート奏法を実現しているのではないかなあと想像しています。

2コーラス目はハープの豊かな響きが広がっていきます。ピアノ&ヴォーカル版も1コーラス目はスキャット(歌詞のない歌唱法で声を一つの楽器として表現する方法)で2コーラス目は歌詞をもって歌っています。1コーラス目と2コーラス目のハープの立ち位置や寄り添い対話する変化ははっきり演出されたものだろうと思いながら聴いていました。終結部のこぼれるような美しいグリッサンドまでスペシャルギフトです。

 

2001年7月20日に公開された映画『千と千尋の神隠し』、この年は激動でした。約2ヶ月後に9.11米同時多発テロが起こったからです。2019年新たに作られた「久石譲:One Summer’s Day」ミュージック・ビデオはニューヨーク撮影で、映像にもニューヨークの様々な景色が映っています。

 

Joe Hisaishi – One Summer’s Day

from Joe Hisaishi Official YouTube

 

 

Merry-go-round

わざわざソリスト用ハープをまた舞台袖に移動させての再びアンコールです。わざわざ、ほんとそうでそこまでしてくれてアンコール二曲をやってくれた、そんな気持ちです。

久石譲コンサートのアンコール定番曲にもなっている「Merry-go-round」ですが、本公演はバージョンが違いましたね。多くの久石譲ファンが気づくほど驚いたのは中盤にも久石譲によるピアノメロディがあったからです。ジブリフィルムコンサートで聴けるバージョンとも違います。「交響組曲 君たちはどう生きるか」からの流れでピアノが中央にあったらの大サービス、もちろんそう思っていいくらいうれしい。

2001年の激動で世界は大きな変化へと突き進みます。2004年公開の映画『ハウルの動く城』は戦火を描いています。物語の最後でサリマン先生が「このバカげた戦争を終わらせましょう」と言うセリフも印象的でした。

今回のバージョン、実は「人生のメリーゴーランド ’05」と題して「Joe Hisaishi Symphonic Special 2005」コンサート(WOWOW放送)などで演奏していたものと構成が同じです。つまり久石譲のピアノ登場回数が同じです。

久石譲は近年のコンサートで定番にしている「Merry-go-round」ではなく、あえて当時披露していた2005年バージョンをもってきたことに意味はあるのでしょうか。僕はしっかりとその意味が見出せそうな気がしています。誰もが喜ぶ選曲だよ、純粋にエンターテインメントだよ、もちろんそういう楽しみかたも十分にできますよね。終わってみたら盛大なスタンディングオベーションでした!

 

 

「Metaphysica(交響曲第3番)」「Harp Concerto」からアンコールまで、音楽文化を通して現代社会・世界の動きを色濃く滲ませたのではないか、というのは終わってみての個人の感想です。特にシリアスなイメージを押しつけたいものではありません。8月開催「祈りのうた2025」スペシャルツアーまで、何か大きな線で結ばれている気はしています。エンターテインメントの顔をしてある一面も隠し持っている。将来に振り返ったら何かあぶり出てくるものがあるかもしれませんね。

久石譲、その進化の最前線はコンサートにあります。とにかく久石譲&ロイヤルフィルはスペシャルだった。アルバム情報も飛び出し楽しみは尽きない。これからは『A Symphonic Celebration』を聴いても、さらに「Hapr Concerto」が音源化されたときも、あの夏聴いたオーケストラだとぐっと距離も音楽も近づいてひとしお感慨深い。とても素晴らしい経験ができました。

 

 

コンサートの雰囲気までたっぷり味わえるのはこちら。

 

みんなのコンサート・レポート

 

 

 

リハーサル風景

from ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団公式X(Twitter)/Facebook/Instagram
https://x.com/royalphilorch
https://www.facebook.com/royalphilharmonicorchestra
https://www.instagram.com/royalphilorchestra

 

 

公演風景

from 久石譲コンサート2025公式X(Twitter)
https://x.com/joehisaishi2025

 

 

ほか

リハーサル風景動画もあります

from 久石譲本人公式インスタグラム
https://www.instagram.com/joehisaishi_composer/

 

 

from ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団公式X(Twitter)/Facebook/Instagram

 

 

from エマニュエル・セイソン公式インスタグラム
https://www.instagram.com/emmanuel_ceysson/

 

 

 

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

 

Info. 2025/08/08 ニューアルバム『Joe Hisaishi Conducts』発売決定!! 【8/8 update】

Posted on 2025/06/25

アルバム『Joe Hisaishi Conducts』8月8日リリース決定

久石譲が作曲家の視点でクラシック曲の新たな魅力を引き出すシリーズ「Joe Hisaishi Future Orchestra Classics vol.7」を収録したライブ盤。 “Info. 2025/08/08 ニューアルバム『Joe Hisaishi Conducts』発売決定!! 【8/8 update】” の続きを読む