Posted on 2023/05/20
2023年3月30日開催「CINEMA:SOUND JOE HISAISHI IN CONCERT」久石譲コンサート(ウィーン)の動画配信が決定しました。この公演は、ウィーン交響楽団との共演でウィーン楽友協会で開催されました。
このたびドイツ・グラモフォン(DG)のオーディオ・ビデオ・ストリーミングサービスである「STAGE+」で放送されます。当初4月15日予定と発表されていましたが、いよいよめでたくです。視聴環境や視聴料金などについては事前にご確認ください。
2023.06.20 update
アーカイブ動画公開されました。
久石譲:交響曲 第2番
久石譲:【mládí】for Piano and Strings
I. Summer / II. HANA-BI / III. Kid’s Return
久石譲:One Summer’s Day (Pf.solo)
久石譲:交響組曲「もののけ姫」
久石譲:となりのトトロ
収録時間:98分
公式サイト:STAGE+|久石譲 in ウィーンを観る(配信URL)
https://www.stage-plus.com/ja/video/vod_concert_APNM8GRFDPHMASJKBSPJ6CO
公式サイト:STAGE+|久石譲 ウィーンでの演奏会について(配信URL)
https://www.stage-plus.com/ja/video/video_APKM8PBFBSP3GCO
先に放送されたLIVE放送よりも4K ULTRAHDフォーマットで高画質になっています。再生チャプターも選択可能です。またLIVE放送時の冒頭収録された久石譲インタビュー(14分/4K ULTRAHD)も合わせて公開されました。
*7日無料お試し期間付き なども有効にご活用ください。インタビューは会員登録のみ(新規登録)で無料視聴できます。コンサートは「無料お試しを利用する」で再生できます。「常時解約可能」となっているので7日間以内に手続きをすれば課金は発生しません。次回からの久石譲コンテンツ(ライブ配信/音楽アルバムストリーミング)などは無料対象外となると思います。
ジョン・ウィリアムズのコンサートもアーカイブされてます。そのなかのウィーンフィル共演はCD/DVD/Blu-ray化、ベルリンフィル共演はWOWOWでも放送されています。久石譲コンサートもパッケージ化やチャンネルの広がりなど期待したいです。グラモフォンとの活動はこれからも継続されると思います。ゆっくり視聴できるタイミングでお楽しみください。
クラシックのライブ配信やアルバムも充実しています。現代作曲家ではジョン・ウィリアムズやマックス・リヒターも多数ラインナップされています。また、6/30new『a Symphonic Celebration』の「風立ちぬ」でマンドリンを演奏しているアヴィ・アヴィタルさんもグラモフォン専属アーティストです。アーカイブ動画やアルバムカタログを楽しむことできます。たくさんの音楽広がっていくコンテンツSTAGE+です。たっぷり視聴できる方法でお楽しみください。
Joe Hisaishi Interview
久石譲に聞く IN ウィーン
作曲するときにいつも大事にしているのは、映画の音楽を書くエンターテインメントの音楽を書く、それから作品を書くと、この二つともとても大事にしています。その大事にしているものを一つのコンサートで一緒にやることで、違ったサイドを二つ見てもらう。それがいつもコンセプトにしています。
今回は前半がミニマル・ミュージック、自分はミニマリストなのでそういうミニマル・スタイル同じフレーズをくり返す音楽を主体にした自分の作品。これは約35分かかるシンフォニーです。後半は、北野武監督に書いた映画音楽を僕のピアノとストリングスでやると、そういうものを作りました。それから一番最後にフル・オーケストラで宮崎駿さんの映画『もののけ姫』を交響組曲にしたものを演奏する。という自分にとって一番気に入ったプログラムを作りました。
ウィーン学友協会について
コンサートの前日にムジークフェライン(ウィーン学友協会)のホールに行きました。正直言って日本のNHKテレビなどで新年の新春ワルツコンサートをよく見ていましたので、あっここなんだと思いました。すごくきれいないいホールだなとは思いましたが、舞台が意外と狭いのでほんとに狭いんだと、僕の編成は結構大きいから入るのかなってそれをすごく心配しました。一番印象に残ったのは、サイドにある窓ガラスがあってそれが外から光がいっぱい入っていたので、ああこういうふうに作られてるんだっていうホールの感じをすごく感じましたね。二日目になって、ふっと考えたら、この指揮台にあるいはこの楽屋のコンダクターズ・ルーム、あっここにマーラーとかブラームスがきっといたんだな、あるいはここで指揮したんだなとか思ったら、急にああここでクラシック音楽の歴史が作られたんだ、そう思ったときに今自分がここにいることのすごさというか重みをすごく感じました。
ウィーン交響楽団の反応
我々僕もやっているクラシック音楽の中心はもともと歴史としてはどうしてもウィーンで作られてきてました。あまり現代的なものに対するアプローチってたくさんされてないと思ったんですね。現実に僕のようなミニマル・ミュージックのスタイルはおそらくやったことがない、実際に彼らも初めてだと言っていました。なのでこれは大変だなと実は思ったんですけれども。いい意味で本当に彼らは一生懸命やってくれて、そしてそのアプローチに一生懸命挑戦してくれました。結果的にいうと、非常に伝統的なものを持っていないと出ない深い大きな音と、僕の音楽が持っているミニマル・ミュージックのような非常に今日的なリズムの音楽、それが良いように作用して。通常ミニマル・ミュージックを演奏しているとわりとパキパキとしたまるで刻んだような音楽になりがちなんですが、そこにとても大きいフレーズで歌うトラディショナルな方法とミニマルが融合して、今まで僕も聴いたことないようなサウンドになったと思います。だからほんとに素晴らしかった。ウィーン交響楽団ほんとに素晴らしいオーケストラです。またぜひやりたいなと思います。
オーケストラメンバーとのコミュニケーション
譜面を読んで音楽でコミュニケーションしちゃうから、その段階で例えば、あっこの人たちは初めてなんだなとか、だいたいヨーロッパのオーケストラというのはどことやってもそうなんですけども、例えばこうやってダウンビートしますね、そうするとザァーンぐらいにとても遅く反応する、クラシックなオーケストラほど遅いんです。ミニマル・ミュージックは必ずタンタンとここで音が出ないといけないんですけど、あっもう遅れるなというのがあって、それはもうみんなが気づいててちょっと早くしなきゃいけない、みんながそれぞれ調節していく過程、だから質問やなんかで変なのはないです。
交響曲第2番について
交響曲第2番に関しては、コロナが始まって海外コンサートがすべて延期されたので、その分時間ができたとそれでちょうどいい機会だと思ってシンフォニーを書きました。スケッチからだいたいラフなオーケストレーションまで3,4か月で出来たんですね。その後はまたいろいろな映画音楽とか作っていたので、わりと気にしてなかったんです。ただあんまり先になっちゃうと嫌だから、そうですねちょうど1年後ぐらいにいいチャンスがあったのでそこで翌年もう一回最後の仕上げをしたんですけれども、そんなに苦しくはなかったです。あまり気にはしてなかった、待つことがね。この第2番で自分にとって一番重要だったことは、コロナ禍でみんなが動けなくなってしまった、人と人と会うことも出来なくなってた。そうすると僕も例えば作曲はいつも新しいものを書こうと努力します。それはわりと革新的なアイディアだとかわりとそういう曲を書こうとするんですが、その状況下で聴くのが疲れるような、あるいはメッセージ性の強いようなものを書こうとは思わなかったんです。どちらかというとバッハの対位法の音楽といいますかね、バッハのフーガのように、わりと音と音がちゃんと絡んだ音楽といいますか、変なメッセージ性のない非常に音楽的な、音楽だけで完結する世界、そういうものを書きたいとその時思いました。それはかえってコロナ禍であったからこそ思えたので、前衛的であることよりも音の運動性を書こう、それがすごく出来たことはうれしかったです。この第2番は3つの楽章ありますけれども、おそらくこれはそれぞれ独立して例えば序曲のような扱いで3曲まとめて演奏する必要がない、それぞれ独立して演奏してもいいように個別のタイトルを付けました。そう、第3楽章のそれは日本のわらべ唄という子供たちが遊びながら歌うメロディなんですね。それはとてもシンプルなメロディラインなので、これをくり返しあるいは1小節とかズレながらやっていくことでミニマル的なアプローチができるんじゃないかなと思ってそれで作った曲です。それともう一つ、早く出来たんですねあの曲は。なんで、なんかね神様が降りてきて作らせた、そういう感じがします。「かーごめ、かごめ、籠の中の鳥は~」もう非常にどこにでもあるようなフレーズなんですね。特別であったわけではない。ただこれをミニマルとして作るにはちょうどいい、そういうふうに感じました。マーラーの「交響曲第1番」とか演奏したことがあって、やっぱりあの時の第3楽章とかの感覚があって、こういうシンプルなメロディを組み立てていくことがミニマルになるんじゃないかっていう気持ちとか、あるいはヘンリク・グレツキの「交響曲第3番 悲歌の交響曲」やアルヴォ・ペルトだとかね、いろいろな音楽を聴いていて、こういう静かなくり返しのアプローチはいつかやりたいなっというのもありました。
北野武の映画音楽について
北野武監督に作った曲をたまたまチェコ・プラハで演奏することがあって、3曲を組み合わせてひとつのコーナーを作ろうと思った。場所がチェコだったんで、チェコ語にちょうど「mládí」という言葉が辞書で引いてたら出てきて「青春」という意味があったので、これが一番ちょうどいいなと思って付けました。
交響組曲《もののけ姫》について
『もののけ姫』を交響組曲にする段階で、だいたいストーリーに沿って全体の内容を25~27分の組曲にしたわけですね。もともとその中の「もののけ姫」のテーマ曲、これは映画のために書いた曲なのでそれを必ず入れたい。それから一番最後のシーンで、世界が崩壊していった最後に緑が野原に復活するシーンがあって、これはやっぱり映画のエンディングとして非常にふさわしいし宮崎さんもすごく喜んでくれた。だからそれに書いたメロディをとても自分でも気に入っていたんですが、最終的には歌のメロディになるんじゃないかっていうことで歌にしました。映画にも入っていた曲なので組曲の中でもちゃんと使ったわけですね。
(「久石譲 ウィーンでの演奏会について」インタビュー動画より 書き起こし)
(up to here, updated on 2023.06.20)
2023.06.13 update
「アシタカとサン」のライブ動画が先行公開されました。
Joe Hisaishi – Ashitaka and San (from ‘Princess Mononoke’) Live in Vienna
from Deutsche Grammophon – DG Official
(up to here, updated on 2023.6.13)
収録配信
久石譲 in ウイーン
ウィーン交響楽団
2023年6月18日 3:00
1. 再配信 – 2023年6月18日 9:00
2. 再配信 – 2023年6月18日 20:00
収録時間 120分
宮崎駿監督のスタジオジブリ作品をはじめ、100本以上の映画音楽を手がけた久石譲。彼は映画音楽のレジェンドともいうべき存在ですが、もともとはミニマル・ミュージックの旗手として活動を開始しており、ミニマリズムにエレクトロニクス、西洋と日本のクラシックなど、多様なスタイルを融合させ、クラシック音楽でも様々な作品を書いています。本映像では彼の交響曲第2番をはじめ、映画『もののけ姫』の音楽などの代表作が久石本人の指揮、ウィーン交響楽団の演奏でお楽しみ頂けます。
久石譲:交響曲 第2番
久石譲:ピアノと弦楽器のためのムラーディ (Mládí for Piano and Strings)
久石譲:交響組曲《もののけ姫》
Joe Hisaishi in Vienna
Wiener Symphoniker
Joe Hisaishi: Symphony No. 2
Joe Hisaishi: Mládí for Piano and Strings
Joe Hisaishi: Symphonic Suite from “Princess Mononoke”
公式サイト:STAGE+|久石譲 in ウィーンを観る(配信URL)
https://www.stage-plus.com/ja/video/live_concert_9HKNCPA3DTN66PBIEHFJ6CPJ
WEBページは英語・ドイツ語・日本語に切り替えできます。
公式サイト:クラシックの映像&音楽配信「ステージプラス」
https://www.stage-plus.com/ja
なお、現時点のアナウンスからは、初回放送後に2回の再放送予定となっています。アーカイブでいつでも視聴できるタイプのものなのか否か不明です。できることならまずは6月18日放送を視聴できるようにご予定ご確認ください。
公演プログラムや公演風景についてはこちらにまとめています。