2017年7月17日 TVCM放送
サントリー緑茶 伊右衛門「川下りの夏 編」にて「Oriental Wind」のNewヴァージョン登場。2004年から2012年まで同CMシリーズにて様々なヴァージョンで使用されてきた「Oriental Wind」が5年ぶりに新ヴァージョンにて再登場となった。
商品:サントリー緑茶 伊右衛門
CM:川下りの夏 編 15秒
出演:本木雅弘
音楽:久石譲「Oriental Wind」
サントリー公式サイトにおいてCM動画視聴可能 (※2017年7月現在)
公式サイト:サントリー緑茶 伊右衛門
おなじみのメロディーに胸が躍る。涼しく爽やかな清涼感ある響きになっている。ピアノによるメロディー、弦楽合奏による切れ味のよい刻みから、弦楽の盛りあがる旋律へと展開していく。
サンプラーを巧みに使用した隠し味エッセンスも効いていて、心地よいエッジ感で魅了している。
Aメロは4拍子、サビ(仮に)は3拍子(または8分の6拍子)で展開していて装い新た感に驚かされる。またAメロの旋律の配置がすごく独特である。バッグで鳴っている電子音が拍子を正確に刻んでいると思われるので、メロディーが少しずらしてあるように聴こえる。タララララ~ンで始まるメロディー、通常は4つ目のラ~ンのところが拍子の1拍目にくる。今回のNewヴァージョンはラ~ンの「ラ」までが前の小節で「~ン」のところが1拍目になっている。シンコペーションのようなひっかかりになっているのだけれど、とてもおもしろい。TVで流れてきたときにも強いひっかかりインパクトになってつい手が耳がとまってしまうはずである。
なぜこれができるか?成立するか?と考えてみたときに。それはまさに「おなじみのメロディー」だからである。2004年から足かけ10年以上もお茶の間に浸透している曲。だからこそ、ちょっとメロディに独特な動きをみせたとしても、聴く人は「いつもの」メロディーおよびリズムを頭のなかで容易にすり合わせることができる、だから絶妙な違和感の範囲でおさまってしまうのではないか。
メロディーを聴くだけですぐそれとわかるということは、あまりメロディに装飾や手を加えないほうがいい場合もある。実際にメロディーはまったく同じである。変わったのは楽器や構成といったアレンジはもちろんだが、メロディーのちょっとした音の配置の変化。いや絶妙で確信的な音の配置の変化。
もしこの解釈が逸脱しすぎていないならば、すごすぎる!久石譲! とため息。
久石譲の代表曲のひとつともいえるこの曲「Oriental Wind」。サントリー緑茶 伊右衛門 CM曲として四季折々なバリエーションでお茶の間に響いてきた楽曲。実は2004年から現在にいたるまでCMバージョンは音源化されていない。十数バージョンに及ぶ全バージョンがいずれもCDにはなっていないという信じられない作品。
また2012年からの「新テーマ」もCD化されていない。今回のNewヴァージョン再登場をきっかけに全CMヴァージョンのパッケージ化の機運が高まってくれればと心から願っている。
日本を代表する曲「Oriental Wind」の歴史は下記に